訳文を生成できないとき
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Tradosを使って無事に翻訳が終わり、さあ、訳文を生成して納品だぁ。ところがこの「訳文の生成」、別名クリーンアップの段階が困りもの。うまく生成できなくてあたふたした経験が、虎使いのみなさんなら一度や二度、たいていはもっと頻繁にあることと思います。
特に、Trados指定案件であれば生成できない旨を先方にも説明できますが、Trados指定ではなくこっちの任意でTradosを使っている場合、最終形式のファイルを納品できないとかなり辛いことになります。
今回は、そんなケースを紹介しておきます。環境は、SDL Trados 2007です。
あらかじめお断りしておきますが、解決方法はない場合のほうが多いようです。
訳文生成の前に、Tradosで扱うファイルの形式と、翻訳環境について整理しておきます。
1. オリジナルがWordファイル(doc、docx、rtf)で、
1-A. Word上で翻訳する場合
1-B. TagEditorで翻訳する場合
2. オリジナルは他形式(HTML、XML、PPT、EXCEL...)で、
2-A. ファイルを変換してWord上で翻訳する場合
2-B. TagEditorで翻訳する場合
この4つのいずれかによって、訳文生成できないトラブルの大きさも違ってきます。ただし、2-A. は最近あまり見かけないフローかもしれませんし、残っているとしても翻訳会社を介している場合がほとんどで、たいていはバイリンガル形式納品だろうと思うので、今回はちょっと無視しておきます。
1-A. WordファイルをWord上で翻訳した場合
docとrtfの場合、クリーンアップできないケースはほとんどありません。厄介なのはdocxです。XML形式、しかもMicrosoft独自のXML形式であり、ユーザーからは見えないところに記録されているいろいろな情報が邪魔をしている気配があります(詳しくはわかりません)。
しかも、試してみたところ、ふつうはクリーンアップできなければエラーメッセージが出るのですが、docxをクリーンアップできない場合には、エラーさえ出ず、ログ上でも
Cleanup finished successfully without errors!
となっています。
あいにく、SDL Trados 2007はdocxファイルを正式にはサポートしていないので、クリーンアップできなくてもSDLさんに文句を言うわけにはいきません。
【対処法】
幸い、オリジナルがWordなので、この場合は確実な対処方法があります。それは、
Wordマクロでクリーンアップ
を実行する方法です。これについては、次のエントリで書くことにします。
1-B. WordファイルをTagEditorで翻訳した場合
1-A. より厄介です。
前述したようにdocxはSDL Trados 2007のサポート対象外なので、そもそもTagEditorで開けないってことならわかるのですが、どうも翻訳はできてしまうらしい。そして、docxに戻るかどうかは、
やってみないとわからない
模様です。これは困ります。
【対処法】
メモリーはできているはずなので、オリジナルのWordにバッチ翻訳をかけて、後は1-A.と同じくマクロで対処するというところでしょうか。
1-A.の場合も1-B.の場合も、SDL Studio環境(2009または2011)に移植してしまうという手があるかもしれません。つもり、メモリーをStudio環境に変換し、StudioでWordファイルに翻訳をかけてみてクリーンアップを試みる、ということです。これなら、docx対応の環境のはずですから、きちんと生成されるはず。
2-B. 他形式のファイルをTagEditorで翻訳した場合
この話は基本的に、「side TRADOS: pptxのもっと困ったこと」で書いた内容と重複します。
PPTやEXCELのオリジナルファイルから生成したTTXを作業対象として支給された場合は、まずクリーンアップできないと思って間違いありません。TTXを生成した環境と、こちらの環境が違うからです。
ただ、この場合も「TTXを作業対象として支給された」時点で、こちらの責任は回避されるので、「クリーンアップはできませんでした」と報告してバイリンガルファイルを納品すれば済みます。
でも、PPTなんかは特に、仕上がりを確認せずに納品するのは気持ち悪くてしかたないですよね。
【対処法】
オリジナルファイルから、自分の環境でTTXを生成し、それにバッチ翻訳をかける
ことになります。これなら生成は可能(なはず)です。
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このように、やはり訳文の生成でトラブルになることが多いのは、docx、pptx、xlsxなど、つまりOffice 2007以降の***xファイルなんですね。これらのファイルについては、SDL Studio環境を使うのが正統なので、SDL Studio 2007環境で ***x ファイルを使う場合は自己責任、ということになります。
翻訳環境にインストールされているOfficeのバージョンにも注意が必要です。
Office 2003までしかインストールされていない環境で、Office 2007以降の***xファイルを開くことは、当然ですが、できません。
2003用の互換パック(Word/Excel/PowerPoint 用 Microsoft Office 互換機能パック - Microsoft Download Center - Download Details)を追加すれば、開くことはできますが、***x形式のファイルを新しく作成することはできません。
したがって、Office 2003までしかインストールされていない環境で、SDL Studio 2007を使ってdocxを翻訳することはできますが、訳文の生成もできない道理です。
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