SDL Trados Studio 2011 のことが少し見えてきた
先日書いたように、この秋リリース予定となった Studio 2011 の紹介 Webinar が始まりました。うっかり、予約していた回を聞き逃してしまったのですが、すでに録画が公開され、2011 の製品情報ページもアップされていました。
製品情報ページ:
Join the journey to SDL Trados Studio 2011!
(フリーランス向け)
Join the journey to SDL Trados Studio 2011!
(翻訳エージェント向け)
録画版 Webinar のページは、ご紹介してもアクセスできないかもしれないので割愛しますが、上記の情報ページのいちばん下にある
ここから、概要紹介の PDF をダウンロードできます。
注意:
ただし、ブラウザによっては正常にダウンロードできない可能性があります(7/16 現在)。以下をご参考にどうぞ(たぶん環境によって挙動は違います)。
Firefox の場合:
リンクをクリックしても右クリックから保存しても、ファイルに拡張子が付きません。自分で .pdf を追加すれば開きます。
Chrome の場合:
リンクをクリックするとダウンロード状態が終わりませんでした。右クリックから保存すると、正しく拡張子付きで PDF として保存されます。
以下、私が見た Webinar とこの PDF からわかった、現時点での概要をまとめてみました。
以下、SDL さんによるカテゴリなどは無視して羅列します。---> 以下が私のコメントです。
PerfectMatch 2.0
前後の文脈も加味して既訳を使う「100% マッチを超える 100% マッチ」、いわゆる PerfectMatch が、単語やフレーズのレベルからパラグラフ単位までさらに進化。
---> 具体的にどうなるのかわかりません。現状での実力すら、私は把握していませんし。
Track Changes
Microsoft Word の「変更履歴」に似た機能。ファイル上で編集履歴を確認できるようになります。しかもレビューファイルは Word と互換になるので、Studio 上ではなく Word 上でのレビューも可能になります(たしか、そのまま Studio に書き戻せるはず)。
---> 翻訳者ではなく主に QA レビューアが使うものですね。レビュー画面だけでなく翻訳エディタ画面でもこの機能が使えるなら、翻訳者にも使い途はありそうですが......
上の 2 つが今回の目玉のようですが、フリーランスの翻訳者自身にとってはあまりアップグレードのメリットが感じられません。
MultiTerm Widget
タスクバーに常駐する MultiTerm から、Google や Wikipedia などを直接検索。
---> 辞書ツールなどでも増えてきた機能。これはけっこう翻訳者寄りの発想ですね。
対応ファイルの拡大
OpenOffice ファイルなどが追加されます。また、Trados 2007 までスタンダードだった Word のバイリンガルファイルにも対応。
---> OpenOffice 対応というのは Omega-T への対抗策かもしれませんが、それより注目すべきは Word バイリンガルファイルへの対応ですね。驚くなかれ、これって今まではできなかったんですよ。旧版の原典 Word ファイルとメモリーを 2009 に取り込んでバッチ処理することはできたのですが、すでにバイリンガル状態になった Word ファイルをそのまま 2009 で開くことは、今回ようやくできるようになりました。
たぶんこれ、2007(以前)から Studio への移行がなかなか進んでいない状況への対策の一環なんでしょうね。もう少し早くパッチなどで対応すべきでした(今回のこの機能で移行が進むかというと、それも未だに疑問ですが)。
ファイルまわりのシンプル化
Studio アーキテクチャでは、プロジェクトを作るとわけのわからない関連ファイルがたくさんできます。それがなくなってスッキリします。
---> Webinar で具体的に言及されていたのは File Type フォルダですが、それ以上の詳細はまだ不明。実際になくなるのではなくユーザーの目に触れない場所に移動するだけとか、そんなことだったらイヤですね。
ライセンス処理のシンプル化
私も過去に書いたように、ライセンス管理がちょっと煩雑です。その辺がちょっと整理されます。
インストール環境
これまでのように 2009 と 2007 を別々にインストールするのではなく一元化されるそうです。
---> ただし、この点は注意が必要かもしれません。ある意味ではいちばん重要かも。
A single, straightforward installation
Work without having to install SDL Trados 2007 separately
と PDF には書いてあります。これまでの Studio 2009 には、レガシーである SDL Trados 2007 のライセンスも自動的に付いてきました。これは、以前からのユーザーへの配慮というだけでなく、アーキテクチャの移行が完全でなかったために、たとえば以前のデータをコンバートするためだけでも 2007 がまだ必要だったという面もあったからです。
それが今回から「2007 は不要になる」ということは、つまり旧版データ(*.tmx など)のコンバートなどもすべて Studio 環境だけで対応できるようになるのだと考えられます。それはすなわち、
SDL Trados 2007 が付属しなくなる
ことを意味しています。
翻訳業界では実際、まだまだレガシー環境が主流です(2009 案件も以前に比べれば動いているようですが、私個人は未だに直接受注したことがありません)。しかし、Studio 2011 で初めて Trados を買った場合、2007 が付いてこないので、レガシー案件への対応はちょっと煩雑になる可能性があります(まったく不可能ではないはずです)。
■
気になるアップグレード料金については、Webinar の最後で以下のように紹介されていました。
- 今 Studio 2009 を買うと、2011 に自動的にアップグレード。トレーニング特典もあり。
- 今年の 1/1 から 6/30 に買った人には、"special discount" が適用される
ということは、6/30 を過ぎて買った人の場合は、「今」に該当すると考えていいのかな?
(たしか、Twitter 上でそんな方がいらっしゃいました)
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