翻訳前後の処理 - その3「訳文の生成」
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だいぶ間が空いてしまいましたが、SDL Trados 2007 入門編シリーズの続きです。
翻訳がひととおり終わった後、バイリンガル状態のファイルから訳文だけのファイルを生成する、[ツール]→[訳文を生成]処理、いわゆるクリーンアップ処理について説明します。
ついでですが、「Word 上で翻訳したら原文が消えてしまった」という質問を、今でもときどき見かけるので、その話もしておこうと思います。
念のために、以下の内容は引き続き Word 2003 までを想定していますので、あしからず(ってか、たぶん Trados 2007 と Office 2007 あるいは 2010 の組み合わせについて、ここで語る機会は、おそらくない)。
Word 上でのバイリンガル状態について
最初は原文だけだった Word ファイルで、セグメントを開く → 翻訳する → セグメントを閉じるという操作を行うと、原文の部分(とセグメント単位を示す Trados タグ)には、隠し文字属性が設定されます。
上の図は、隠し文字も表示する設定になっているので原文と訳文の両方が見えていますが、Word の設定が違うと、セグメントを閉じた瞬間に、「原文はどこへ行ったの?」と、三千里ほど探す旅に出ることになります。
デフォルトのツールバーにこんなボタンがあれば、

これを押す。なければ、Word の[ツール]→[オプション]→[表示]タブで、
この 2 つのオプションをオンにします。ちなみに、上に挙げたツールバーボタンも、ときどき機能しなくなりますから、そんなときはこのオプションダイアログを使うしかありません。
なお、TagEditor では、こういう心配はありません。
訳文の生成(クリーンアップ)
で、こんな風にバイリンガル形式で翻訳されたファイルを、訳文だけに仕上げるプロセスが「訳文の生成」、通称「クリーンアップ」処理です。
IT 翻訳の場合には、バイリンガル形式のまま納品するようお客さんに指定される場合も少なくないのですが(先方でメモリーを作るため)、それでも自分自身が訳文だけを見て推敲する必要はありますから、このプロセスは知っておかねばなりません。
訳文の生成でまず絶対に理解しておく必要があるのは、Word ファイルの場合と TagEditor ファイル(ttx)の場合で動作が異なるという点です。具体的にいうと、
- Word の場合、作業ファイルが直接変換される
- TagEditor の場合、ttx はそのままで、オリジナルファイルが生成される
ということ。したがって、対象が Word ファイルの場合には、バックアップファイルが生成されるようにオプションを設定しておかないと、
バイリンガルファイルがどこにもなくなってしまう
というスリル満点の展開になります。
バックアップファイル生成のオプションについては、「Workbench の設定- [オプション]-[翻訳メモリ オプション]」の回で、「[ツール]タブ」のところをご覧ください。デフォルトではオンになっているはず。訳文の生成を実行すると、
こんな風にバイリンガルファイルは拡張子を BAK に変えて保存されます。拡張子 rtf のほうが訳文だけになったファイルです。BAK を元の拡張子に戻せばいいのですが、最初のうちは万全を期して、バイリンガルファイルを別ディレクトリにコピーし、そちらをクリーンアップしたほうがいいかもしれません。
一方、TagEditor であればそういう心配はなく、オリジナルファイル(XML、HTML など)が生成され、ttx ファイルは無傷です。ただし、同じフォルダに原典オリジナルファイルが存在している場合には、それが上書きされて訳文ファイルになるので、その点は注意してください。
[訳文を生成]の実際のダイアログはこうなっています。
[変更された翻訳]のラジオボタンオプションは、訳文の生成だけを目的とするのなら[更新しない]にしておきます。
[TMを更新]にすると、訳文を生成しながらメモリーを更新します。つまり、新規の原文-訳文ペアがあれば登録し、既訳から修正されたペアがあれば書き換えるのですが、このときの動作は別のオプションによってちょっとややこしい話になります。[文書を更新]にすると、逆にメモリーの内容をイキにして、それと異なっている文書のほうを書き換えます。そんな用途もあるにはあるのですが、よほどのことがなければ使いません。
訳文の生成で何が起きるか
訳文の生成でもうひとつ覚えておきたいのは、ターゲット言語が日本語の場合、セグメント間のスペースも削除されるということです。英語などのヨーロッパ言語の場合、ピリオドの後に最低 1 つのスペースがあり、バイリンガル状態ではそれがセグメント間のスペースとして残っています。
それを放置しておくと、日本語になったとき、句点(。)の後にぜんぶスペースが入ってしまいます。訳文の生成を実行すると、このスペースが削除されるというわけです。
マクロによる訳文の生成
ごくまれに、訳文の生成が実行できないことがあります。理由はよく判りません。そんなとき、Word マクロに用意されているコマンドを使うと訳文を生成できることがあります。
[ツール]→[マクロ]で、tw4winClean.Main というやつを選びます。ただし、この場合には上述したセグメント間のスペースは削除されないので注意が必要です。
08:49 午後 | URL
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コメント
この記事でまた助けられました!ありがとうございました。
投稿: 翻訳者 | 2012/05/13 15:12:45
翻訳者さん、遅くなりましたが、コメントありがとうございます。
何かしらお役に立てたのであれば、たいへん光栄です。何かご質問などありましたからどうぞ。それを元にまた記事を書きます。
投稿: baldhatter | 2012/05/23 8:06:36