# ブロガーと翻訳者のたいせつな違い
ブログを持っている翻訳者は多い。
「翻訳者です」とは特に書かずに個人的なことだけ書いているブログもあるんだろうけど、翻訳者と名乗って、翻訳のことも日常のことも書いているブログがやはり多い(このブログも同様)。
ブログを営業ツールの一環と位置付け、仕事の案内まで載せているところもけっこうある。
そういうブログのいくつかで、気になる記事を、たまたま続けて見かけた。以下、特定のブログに対する攻撃ではありませんと断ったうえで、結論から書いておこう。それは、
翻訳者はブロガーの真似をしてはいけない
ということだ。
ブロガー、特に「トップブロガー」と言われる方たちが、なぜブロガーたりえているのか。という論考は面倒なのでしない。上に書いたように、翻訳者との比較でだけ話を進める。
ブロガーは、ブロガーであることを仕事にしているし、ブロガーとして完結している。
リンク:今日で独立4周年! フリーで豊かに生き続けるための 7つの心構え | No Second Life
これは、私が直接知っている数少ないブロガーのひとり、立花岳志さんの最近のエントリーだ。ついでに、その少し後に書かれた、こちらもおすすめなので紹介しておこう。
リンク:ずっと上手くいくカップルは、皆お互い「○○しあっている」。たった一つの共通項 | No Second Life
ここで書かれていることに共感しようと疑問を感じようと怒りを抱こうと、それは人それぞれだけど、どう反応するにしても、それはすべて、
ブロガー立花岳志個人に向けられる。
この人いいこと言ってるなぁ、とか。何をバカ言ってやがる、とか。
そういうレスポンスが、ブログでの炎上につながることもあれば、引用されたTwitterやFacebook上でバズになることもあるだろう。だが、それを引き受けるのは、すべて立花岳志その人だけだ。
要するに、ブロガーというのは、企業とか業界とかいった所属先をまったく持たない、完全に独立した立場だ。だから、そこで生じるいろんなことにすべて個人の責任で対処できるし、対処しなければならない。
ひるがえって、翻訳者(ここではフリーランスの、と限定)のブログというのはどうだろうか。
誰がどんな個人名でやっていようと、どんなに小さいブログであろうと、「翻訳者」と名乗っている以上、それは「翻訳者のブログ」だ。そうすると、そこに書かれているエントリーは、
翻訳者の発信した情報
として読まれることになる。ということは、
翻訳について何かまちがったことを書けば、それを鵜呑みにする関係者や翻訳学習者が一人や二人や三人や四人はいるかもしれない。
翻訳以外の業界とかフリーランス以外の人について何かを書けば、それが翻訳業界あるいはフリーランスという人種からの激しい敵意と受け取られるかもしれない。
ブロガーとの違いはもう明らかだろう。ブロガーが背負っているのは個人名だけだが、翻訳者は、その後ろに
「翻訳業界」というものを背負っている
ということなのだ。
「個人ブログですから」
などという言い訳は通用しない。そんな言い訳をするくらいなら、いますぐ「翻訳者」という看板をすべて下ろして、あくまでも個人として発信してほしい。
「どうせウチのブログなんて、PVもたいしたことないし、影響力なんてないでしょう」
と考えているとしたら、ブログ草創期ならいざ知らず、今では甘いと言うしかない。まして、駆け出しの翻訳者や翻訳学習者はインターネットとの親和性が高い。知りたいと思うことがあればすぐにググる。もし自分のエントリーがヒットして、そこであらぬ誤解や誤情報を与える可能性を考慮していないとしたら、それは情報発信者としての責任放棄である。
最後にひとつ。
ブロガーの真似をしようと思うなら、トップブロガーをもっと研究したらいい。
上に引用した立花岳志さんのふたつのエントリー。そこに書かれているWHATだけでなく、HOWもしっかり読み取ってみてはどうだろうか。トップブロガーという人が、どれほどの神経をつかってエントリーを書いているか、わかるはずだ。
それがわからないようなら、やはりブロガーの真似などすべきではない。
09:26 午後 日記・コラム・つぶやき 翻訳・英語・ことば | URL
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