# 翻訳単価データについて
前エントリに書いたように、翻訳単価の推移について、私の手元にあるデータを紹介してみます。
まずお断りしておかなければなりませんが、私自身が慣れていて感覚的にわかりやすいという理由で、データは
・英日翻訳
・原文ワード単価
のみを扱っています。あしからずご了承ください。
次に、各種の雑誌やムックを手元にすべて揃えてあるわけではないので、あくまでも私のわかっている範囲の話だという点もご承知おきください。
そしてもうひとつ。データは産業翻訳全体のものと、IT・ローカライズ業界のものが混在しています。データごとに明記しました。
【あきーらさんに指摘されて追記】
データは、各誌が「翻訳会社へのアンケート」結果として掲載していたものなので、直接取引の分は含まれていません。そちらはそちらで、またいろいろと違ったデータが出そうです。
1999年頃のデータ
(IT・ローカライズのみ)
私のわかるいちばん古いデータとして、かつて河野弘毅さんがブログに書いていた内容を、すいません、無断引用します(これ以前についてもいろいろとデータをお持ちの方はいらっしゃることと思います)。
私の見聞した範囲では英文原稿 1 ワードあたり最低で 5 円、最高で 35 円という仕事を聞いたことがあり、一般的には 7~25 円の範囲内かと思います。(中略)平均的なワード単価がどのくらいになるのか私には分かりませんが、私の印象ではワード 15 円の仕事を請ける翻訳者はかなりいるように思います。
あくまでもざっくりですが、平均で15円/ワード、ということのようです。
2004年頃のデータ
(IT・ローカライズのみ)
「コンピュータ翻訳&ローカライズ 完全ガイド」というムック(イカロス出版)より。ITバブルはもうとっくにはじけています。
最多が10円。並び方が他のグラフとは違いますが、最安~最高のレンジは8~25円。
単純平均を計算すると、11.7円/ワード、になります。
2007年頃のデータ
(産業翻訳全般)
「通訳翻訳ジャーナル」2007年10月号のデータです。
最多はやはり10円。最安~最高のレンジは5円~24円。
単純平均は、14.6円/ワード。
やはりIT系はかなり低めということでしょう。
2010年5月頃のデータ
(産業翻訳全般)
『産業翻訳パーフェクトガイド』(2010年版)のデータです。
最多は9、10円。最安~最高のレンジは5円未満~21円以上。
単純平均は、9.9円/ワード。
前項と比べても、極端に下がっているように見えます。前項からここまでの間にリーマンショックが入っています。
2012年9月頃のデータ
(産業翻訳全般)
『新版 産業翻訳パーフェクトガイド』、最新のデータです。
最多は9、10円、最安~最高のレンジは5円未満~15、16円。
単純平均は、9.0円/ワードになりました。
■
産業翻訳全般としても、2007年~2010年~2012年の3回のデータで、平均が
14.6円 → 9.9円 → 9.0円
と下がっています。この傾向を実感できるかどうかは、各自が置かれている状況によって、おそらく翻訳者さんごとに違うでしょうね。
私としては(自分の単価ということではなく、見聞きする範囲を総合して)、おおよそこんなものなのかな、という気がするのですが、みなさんどうでしょうか。
■
最新のデータで気になるのは、上限がいきなり15、16円で止っちゃっているところです。20日朝のTwitterで疑問が投げかけられたのも、おそらくこの点でしょう。
イカロスさんの編集部が、これより上にあったデータを特異値として意図的にカットしたということはないでしょうから、たまたま集まったデータの中にこれより上がなかったのかもしれません。
でも、これより上の単価というのは間違いなく存在してますし、二極化している上のほうが今回のデータには表れてきていないんですね。
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