# 翻訳雑誌 - 字幕屋本のその後
今年の 4 月に、『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』という本に関する記事を書きました。
この本の記述内容については、「字幕改善連絡室」などが訂正を要求していましたが、このたびようやく、著者である太田直子氏による訂正文が公開されました。実は 6 月にも一度不完全ながら訂正があり、今回が最終的な決着となりました。
今回の訂正に関する詳細は、「字幕改善連絡室」や、以下のブログをご参照ください。
夕陽の窓 | LotR字幕問題のつづき:太田直子氏の訂正記事
世界の片隅でひとり、呟く | 素直に謝る勇気
(と、自分では詳しく書かない不精者)
ここでは、その訂正文が発表された雑誌「通訳翻訳ジャーナル」のことを書きます。一般にはあまり知られていない雑誌らしいので。
『通訳翻訳ジャーナル』は、現役翻訳(者|家)と、翻訳(者|家)になりたい人たちを対象に(実際の読者はたぶん後者が圧倒的に多い)、イカロス出版というところが刊行している隔月刊雑誌です。この手の雑誌には珍しく、右開きの縦書きという体裁。同じイカロスでもムックものは左開きの横書きにしているところを見ると、この体裁はやっぱり不自然なんだと思われます。
ちなみに、表紙のロゴは「通訳翻訳ジャーナル」、奥付けの記載は「通訳・翻訳ジャーナル」と、中黒の有無にブレがあります。
通訳翻訳ビジネス、 特に志望者を対象にしたビジネスは、アルクやこのイカロスなどの各社のほか、教育養成部門を持つ翻訳会社なども参入して相当数の企業が展開していますが、1 年に一度刊行されるムック(稼げる○○、みたいな)を別とすると、定期刊行されている雑誌というのはあまり多くありません。
そんな中で、「通訳翻訳ジャーナル」は現在がんばっている方の雑誌です。ただ、その体裁に如実に表われているように、全体的にちぐはぐで記事の内容も "浅い" というか "ツメが甘い" という印象がなくもありません。
アルクは、Web 版の「英辞郎」を公開するなど通訳翻訳に限らず英語教育ビジネス全般の老舗ですが、イカロス出版の方はどちらかというと後発です。そのせいか、「通訳翻訳ジャーナル」にも、どちらかと言うと各種の通訳翻訳ビジネスの宣伝媒体という雰囲気が強いように思います。
まあ、そーゆー感じのマイナー雑誌ですので、今回の訂正記事が一般読者の目に触れる機会は非常に少ない、その懸念はまったくそのとおりです。が、この手の「本当の事実の伝わりにくさ」、「一度広まった御認識の訂正のしにくさ」というものはマスメディアではごく当たり前の話。ちょっとずつブレークスルーを作っていくしかないようです。
10:56 午後 映画・テレビ 翻訳・英語・ことば | URL
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コメント
拙ブログの紹介、ありがとうございます。
なんともやりきれない始まり方でしたが、結果は望外のものだった、というのが今回の顛末についての率直な感想です。ちょっとの変化が大きな変化につながることを期待します。
投稿: みっち | 2007/08/29 13:34:00
みっちさん、どーもです。
> ちょっとの変化が大きな変化につながる
小さきものが大きい何かに抗う --- そういう動きが『指輪物語』をきっかけに出てきたということ自体、何やら奇縁めいたものを感じます。
投稿: baldhatter | 2007/08/29 20:55:47
こんばんは。こちらでは初めまして。
>ちょっとずつブレークスルーを作っていくしかないようです
baldhatter様のお言葉に、初心忘れるべからずの諺を思い出しました。
やらないよりはやる方が断然いい。
ネットの片隅でも真実を訴えていれば、もしかしたら口コミと言う形で拡がるかもしれない。そう思いながらコツコツと進むことにいたします。
「通訳翻訳ジャーナル」のお話、参考になりました!
投稿: tomyankun | 2007/08/30 21:46:52
tomyankunさん、わざわざお越しいただきありがとうございます。
> ネットの片隅
の良いところは、ただの片隅ではなくつながり合いがあるところですよね。今後ともよろしくお願いします。
投稿: baldhatter | 2007/08/31 21:57:43