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2006.12.21

# ローカライズのお話

たまには翻訳のネタを取り上げねば...と思っているところに、こんな記事がありました。

コンピュータ用語とその翻訳のお話

小生が 20 年以上前に翻訳していた Apple II 用ゲームの説明書でも、磁気ディスクを指す用語は専ら diskette でした。もっとも、指小辞の付いたこの単語が指しているのは、当時まだ 5.25 インチディスクだったわけですが。

ところで、MS さんの珍訳といえば、

"read" になることはできません

という傑作を忘れるわけにはいきません。明らかに珍妙な日本語ながら、ローカライズ業界の関係者なら、けっして笑えない訳文です。

このような訳文が成立した経緯は、こちらのサイトに詳しく検証されています。

英語の判る人なら、この訳を見れば原文が "could not be read" なんだろうと推測はできるわけですが、いくらなんでも、そんな単純な英文が「~ になることができない」などと訳されるはずはありません(read には引用符が付いているし)。

簡単に言ってしまえば、英語版のソースには

The memory could not be ""%s"".

という文字列と

read(または written)

という単語が別々に存在しています。そして、前者の %s の部分には "read"(あるいは "written")が動的に(つまりエラー発生時の状況に応じて)代入されます。
つまり、このインタフェースのローカライズを担当した翻訳者が、The memory could not be "read" という確定形を訳したわけではなかったのでした。いわば、システムが生成する半自動翻訳と言っていいかもしれません。

このように、インタフェースのローカライズでは、原語と日本語の構造的な違いを翻訳で吸収しきれないケースが少なくないという、今日はめずらしく本業に即したエントリでした。

02:24 午前 翻訳・英語・ことば |

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コメント

あー、ゲームでもよくあります、これ。
アイテムを落とすか拾うかしたとき、
You have %s arrows とかに統一してあり、
捨てて0になった場合 no more, それ以外は
数字を表示するとか。あと名詞を複数形に
直す長ーいルーチンがあったり。
ドイツ語などだと主語の性別によって動詞活用が
変わると思うので、どうやってローカライズしてるのか
不思議ですね。

投稿: 板倉 | 2006/12/22 3:22:23

You have % 名詞
これこれ! ゲームで数字ときてはもう抵抗できず釣り出されちゃいますが
英語なら、You've slain 3 warriors や 5 snakes と数字だけで済むところ、日本語では「~人」「~匹」は抜かせない。アイテムは基本「~個」ですがさすがに槍2個というわけにはいかないし。私は最初小説のように「剣ひと振り」とやってしまい、「算用数字使用、1本2本にしてください」と注意されました(^^;)

投稿: ハーブ | 2006/12/22 15:10:04

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