2015.03.13

指定していない正規表現の回避方法

★★
前のエントリで書いた、検索機能の変な挙動(side TRADOS: ただの検索でも正規表現?)ですが、これは2014のSP2で入ってきちゃったバグだろうと、しんハムさんがおっしゃってました。たしかに、タイミング的にはそんな感じです。

この挙動を回避する方法が、シーブレインさんのブログで紹介されていました。

リンク:つぼログ。-IT翻訳の現場から-: Trados Studio のちょっとホラーな検索機能

おもしろいタイトルにひかれて見てみたら、そういう話でした。


ちなみに、このブログを運営しているシーブレインさんの方も、4月のJTFスタイルガイドセミナーに登壇します。

リンク:JTFスタイルガイドセミナー|JTF 日本翻訳連盟

4/13(月)、私が担当する第1部に続く第2部です。翻訳会社の人に直接役に立つ内容ですが、翻訳会社がスタイルガイドをどう扱っているか、フリーランス翻訳者としても知っておくと必ず参考になるはずです。

さて、検索機能の不審な挙動の回避方法です。

簡単に言うと、

1. 正規表現を使ってもいないのにエラーと言われる。

2. [使用]をオンにして[ワイルドカード]を選択すし、[使用]をオフにする。

3. いったん検索ウィンドウを閉じる

1503131

ということです。これをやると、あ~ら不思議。エラーがなくなります。しかも、これは「つぼログ」さんに書いてなかったのですが、いったんこの操作をすると、

引き続き正常に動作する

ということです。これはうれしい。


ただし、いったん[使用]をオンにして[正規表現]を選択し、またエラーが出ると、

1503132_2
(このエラー表示は正しいわけです)

またヘンな挙動が復活します。

たしかに、なかなかホラーなバグでした。

03:02 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2015.03.02

検索で正規表現を回避

★★
前エントリで書いた検索ダイアログの挙動、なにが困るって

正規表現というものを知らなかったら、対処のしようがない

ということです。


対策は簡単。

正規表現をおぼえなくてもいいので、検索文字列の前に

半角の円記号(\)

を付けてください。

前回のエントリーで、

> 半角の丸括弧 ( ) というのは、正規表現で特殊な機能を持つ記号(メタ文字)です

と書きました。半角の円記号(\)を付けると、この特殊機能が無効になって、指定した文字がそのまま文字として検索される、ということです。これを、正規表現の世界では「エスケープする」と言います。


丸括弧だけでなく、以下の文字を検索したいときは同じ方法で対処できます。

・半角の角括弧 [ ]

・半角のアスタリスク *

・半角の疑問符 ?

・半角のプラス記号 +

以上の記号を検索するときは--- そんな機会、あんまりないかもしれませんが ---、これをお試しください。


以下は、正規表現のことを知っている人のための補足です。

上にあげた以外のメタ文字は、エスケープしなくてもいいみたいです。

・半角の中括弧 { }

・半角のハイフン -

・半角のカレット ^

・半角のドル記号 $

じゃあ、逆にこれらのメタ文字は正規表現に使えないのか? と思って試しましたが、そういうわけではありません。ちゃんと使えます。

ってことは、一部のメタ文字だけ、正規表現を指定しないときでもエスケープしなきゃいけないのって、これは仕様じゃなく、

単純なバグ

なんだゃないの? ということになります。


ちなみに、検索ダイアログについてのヘルプを見ると、こんな記述がありました。

Studio では正規表現に .Net 構文を使用します。正規表現の使用方法の詳細については、www.regular-expressions.info/reference.html を参照してください。

つまり、Perl系の正規表現と違う可能性があるようです(.Netの正規表現はよく知らない)。


※検索ダイアログで[ヘルプ]を押しても英語版ヘルプしか表示されない場合は、オンラインで以下のページをどうぞ。

http://producthelp.sdl.com/SDL_Trados_Studio_2014/client_ja/SDL_Trados_Studio_Help.htm

[翻訳とレビュー]→[テキストの使用方法]→[検索と置換における正規表現]


03:42 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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ただの検索でも正規表現?

★★
前回(といっても、もう3か月以上も空いてますが...)、QA Checkerの「単語リスト」でも正規表現を使える、というか、指定しなきゃいけない場合がある、ということを書きましたが、実は

ただの検索でも正規表現の指定が必要

らしいことがわかりました。


試しに、検索ダイアログで、半角丸括弧を検索文字列に指定してみてください。

1503021_2

こんな風に、エラーマークが表示されませんか?

赤い感嘆符にカーソルを合わせると、エラーの詳細が表示されます。

正規表現にエラーがあり、使用できません:解析中 "(" - )が足りません。

なんだそうです。

これ、正規表現のこと知らなかったら、何を言われてるかすらわかりませんよね?



先にこのメッセージの意味を解説しておきましょう。

半角の丸括弧 ( ) というのは、正規表現で特殊な機能を持つ記号(メタ文字)です。ご存じない方は、こちらの過去記事をどうぞ。

リンク: 翻訳者のための正規表現~基本その3

つまり、半角の丸括弧は常にペアで使わないといけない。でも、ここでは

開きカッコ ( しかなくて、閉じかっこ ) がありませんよー

というメッセージだったわけです。


でも、さっき指定した検索ダイアログ、別に正規表現を使うなんて指定してませんよね?

1503022_2

どうやら、Studioの検索/置換機能は、正規表現を指定しなくても、

特定の文字がメタ文字として認識されてしまう

という仕様のようです。


こんな変な仕様、Wordだろうと、正規表現に対応したテキストエディターだろうと、ほかのアプリケーションではいっさい見たことありません。さすがのTradosクォリティーです。

具体的な対策は、次のエントリに書きます。

03:14 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (2) | トラックバック (0)

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2014.11.16

QA Checker - 「単語リスト」でも正規表現

★★
QA Checker 3.0は、false negativeも多いながら、なかなか便利に使える検証機能です。そのなかでも特に使い途の多いのが、間違った形と正しい形を指定できる「単語リスト」ですが、ヘルプに書いていないと思われる点を見つけました。

1つ前のエントリに、「単語リスト」をヘルプで検索する話を書いたのも、これのためです。


そしてこれは、エラーメッセージに表示される「詳細情報」がめずらしく役に立ったという事例でもあります。


とある案件で、英和翻訳にはめずらしく「和文でも疑問符を使う」という指定がありました。ただし、

疑問符は全角の?

半角の ? はNG

ということなので、じゃあ「単語リスト」を使ってみようと思ったわけです。

1411162_2

このように指定してから、動作確認をしてみたら、こんなエラーメッセージが出ました。

1411163_2

「量指定子」って、正規表現で見かける言葉です。


「単語リスト」で正規表現は使えるの? ってか、使わなきゃいけないの?

ヘルプを調べてみましたが、そんなこと、どこにも書いてありません。

そこで、このエラーダイアログの左下にあるボタン(エラーの詳細の表示)をクリックしてみると、

14111651

こうなって、さらに「+」をクリックして展開すると、

14111652

こんな詳細が表示されました。

ふつう、このエラー詳細情報は何の役にも立たないのですが、今回はStacktraceというツリーの最初のほうに

RegularExpression

という文字列が並んでいて、やはりこれは正規表現に関係するエラーであるらしいとわかりました。


そこで、[単語リスト]に戻って

1411164_2

半角の疑問符をエスケープしてみたら(前に円記号\を付ける)、ちゃんと機能しました。

つまり、半角 ? のように正規表現の式に使う文字を本来の意味で使うためにはエスケープする必要がある。ということは、逆に言うと、ヘルプには何も書かれていませんが

「単語リスト」でも正規表現を使える

ということのようです。


ちなみに、QA Checker 3.0にはずばり[正規表現]という設定項目もありますが、こちらは原文と訳文に出現する文字列の有無を判定するという使い方もできます。

いずれにしても、「単語リスト」のほうでも正規表現を使えるとなると、この2つの設定項目は、名称と機能分担を見直したほうがいいように思います。

07:17 午後 バージョン - Studio 2014 | | コメント (2) | トラックバック (0)

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2014.11.15

Studio 2014ヘルプのその後


今年5月2日のエントリに対する9月19日時点の追記として

オンラインヘルプの日本語版、いつの間にか、日本語の検索が機能するようになっていました。

と書きましたが、実はいまだに十分には機能していないようです。いまだに、というか、おそらくこのまま変わらないんじゃないかと思います。


ためしに、たとえば「単語リスト」と入力して検索してみてください。

一致する結果は見つかりませんでした。

と言われてしまいます。

今度は、

「単語」だけ、または「リスト」だけ、あるいは「単語 リスト」(スペースを空ける)と入力してみます。

1411161

こうすると、いちおうちゃんと目的の言葉を探すことができます。

同じように、「レポートの生成」---左カラムの目次に見えている項目です---と入れてもダメで、「レポート 生成」と入力すると必要な情報がヒットします。


お気づきかと思いますが、漢字、ひらがな、カタカナという3つの

文字種が混在して連続

していると、機能しないようです。

ということで、十分に機能しないとは言っても実用にはなるレベルなのですが、何とも惜しい。

これ、ローカライゼーションの現場にいた人ならわかると思いますが、要するにヘルプのインデックスの作りが問題なんですね。

ヘルプのインデックス(索引)は、すべて手作業で作られる場合もあります。つまり、ヘルプの内容に応じて、検索されそうな索引項目、たとえば「単語」とか「単語リスト」とか「レポート」とか「レポートの生成」とかを別ファイルとして用意しておく。これなら、指定した言葉がそのまま索引として機能するので、文字種が混在していても大丈夫。

しかし、ご想像のとおり、この作業はかなり大変です。

そこで、インデックスの自動生成機能を持つヘルプ作成ツールというのも出てきました。ヘルプの内容から、キーワードになりそうな単語を適当に抽出してきてインデックスファイルを自動的に生成するわけです。


ところがこの単語抽出というのも、アルファベット圏ならスムーズにいきますが、例によって日本語では一筋縄ではいかない。「単語」という単位を正しく識別するには、助詞や助動詞を切れ目にするために言語解析が必要になって、システムがかなり大がかりになります。

それで、その手間を省いて単語を抽出しようとするとどうなるかというと

単語

リスト

レポート

生成

のように、同じ文字種だけが続く文字列を単語とみなしちゃう。これならかなり簡単。秀丸マクロでだってささっとできちゃうレベルです。

たぶんそのレベルでしか日本語を抽出できないシステムを使っている。「おそらくこのまま変わらないんじゃないか」と書いたのは、そのせいです。


SDLさんは言語を扱う会社なんですから、インデックス生成くらいもう少しちゃんとやってもいいのではないかと思います。それができていないのは、ひょっとすると

日本語がけっこう冷遇されている

からかもしれません。

12:10 午後 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.10.05

Legacy Converterが2014に対応

★★
SDL OpenExchangeで無料公開されているLegacy Converterというサポートアプリケーションについてご存じなければ、まずこちらをご覧ください。

リンク:side TRADOS: Studio案件を2007環境で - Legacy Converter

Trados Studio用に支給されたファイルを

・レガシーのTrados環境、つまりSDL Trados 2007(以前)で翻訳し、

・その結果をTrados Studioに戻せる

という実にありがたいツールです。


残念なことに、Studio 2011用に開発されたバージョンのまま、2014には対応していなかった(きっと、sdlxliffのフォーマットが変わったんでしょうね。エラーになります)のですが、気になって探してみたら、開発元のサイトではStudio 2014対応版が公開されていました。

リンク:SDLXLIFF To Legacy Converter

1410051

OpenExchangeサイトのほうはまだ、2009/2011のみ対応の旧バージョン(1.0.0.37)のままなので、使いたい場合は上の開発元サイトで、

Download Legacy Converter SDL Trados Studio 2014

というリンクからどうぞ。

08:47 午前 Trados 機能, バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.10.04

プロジェクト用翻訳メモリーを作る

★★★

さて、けっこう増えつつあるStudio指定案件ですが、つい最近こういうのに遭遇しました。

1410045

100%で訳が埋め込まれているのに、該当する既訳がメモリーのフィールドに表示されていません。


話はちょっとそれますが、これと同じ状況がIdiom Desktop(元のDeja Vu)では当たり前でした。Idiomでは、プロジェクトを作成するとき、まず英日の100%既訳ペアを作ってから、その後でいわゆるファジーマッチに当たる既訳ペアだけをTMとして格納するらしいからです。だから、100%既訳の内容はメモリー内のルックアップで利用できない可能性がある。アホみたいな作りでしょ。

Tradosでそんな状況に遭遇したことはなかったのですが、どうも今回のプロジェクトはそれと似た作りになっているようなのでした。


いったい、どういう工程でこうなるのかわかりませんが、

  1. まず、100%(厳密には、文脈まで見て一致とみなされたPerfect Match)を確定したバイリンガルファイルを作成する。
  2. 次に、Perfect Match部分を除外したメモリーを用意する。
  3. 新規プロジェクトを作成し、1. のファイルと2. のメモリーを組み込む。

みたいな流れ?

よくわかりませんけど、「Perfect Matchはもうファイル上で確定しているから、それが再利用されることはない。それ以外をメモリーにしておけばいいんじゃね」という発想でしょうか。100%既訳の一部を再利用することは想定していないのか?


こういう場合、「メモリーに含まれていない100%既訳の文をメモリーに反映」すればいいのですが、メインメモリーの状態は変えたくありません。そこで、この状態からプロジェクト用メモリーを追加してみることにしました。

手順は以下のとおり。

  1. [プロジェクト]ビューで該当のプロジェクトを選択し、右クリックメニューから[一括タスク]→[プロジェクト用翻訳メモリーの入力]を選択します。

    1410046

    後はウィザードをどんどん[次へ]進めばプロジェクト用メモリーが作成されます。

  2. [プロジェクト]ビューで該当のプロジェクトを選択し、右クリックメニューから[一括タスク]→[プロジェクト用翻訳メモリーの更新]を選択します。

    1410048

  3. ウィザードで[次へ]を2回繰り返すと、次のダイアログが開きます。

    1410049

    設定はデフォルトのままでOK。これで、「翻訳済み」の既訳がプロジェクト用メモリーに取り込まれます。「翻訳中」や「未翻訳」はもちろん取り込まないので、チェックボックスはオフ。

  4. [プロジェクトの設定]でメモリー構成を確認してみると、下図のようになりました。

    14100410

  5. エディタで開いてみると、

    14100411

    無事にこうなりました。

それほど複雑な作業ではありませんが、まあ、これが必要なケースはレアでしょう。たぶん。

10:17 午前 バージョン - Studio 2014, バージョン - Studio共通 | | コメント (5) | トラックバック (0)

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プロジェクト用翻訳メモリーについて

★★
Trados Studio環境における「プロジェクト用翻訳メモリー」については、だいぶ前に記事にしました。

リンク:side TRADOS: Studio 2009 初歩 - 2 つの翻訳メモリーの存在


プロジェクト用メモリーを使うケースはいくつか考えられます。

ケース1:
・もともとメモリーがあった
・そのメモリーをプロジェクトに追加する(= 参照する)が、更新はしたくない
 (初期状態で残しておきたい)

ケース2:
・大きい親プロジェクト全体で参照する親メモリーが1つある
・下位プロジェクトでは、親メモリーを参照するが更新はしない
・下位プロジェクト用の子メモリーだけ更新したい

親にあたるほうが「メインメモリー」、子が「プロジェクト用メモリー」です。


新規プロジェクトを作成する手順の最後で[プロジェクト用TMなしで準備]を選択すると、

1410041

このように、プロジェクトセットの中にTMフォルダがありません。指定した(または新規作成した)メモリーは、別のところにあります。

一方、プロジェクト作成手順の最後で[準備]を選択すると、

1410042

TMフォルダと、その下位の「ja-JP」フォルダが作成され、その中の*.sdltmファイルが更新されていきます。

このメモリー構成を[プロジェクトの設定]で見てみると、次のようになっています。

1410043

ツリー構造になっている上のほう(この場合は「testTM-2.sdltm」)がメインメモリー、ぶら下がっているほう(「test_141004-2_testTM-2.sdltm」)がプロジェクト用メモリーです。

※プロジェクト用メモリーの名前は、メインメモリー名の前にプロジェクト名が追加された形になっているのですね。

上のほうで[更新]にチェックが付いていますが、実際に更新されるのは下のほう、つまりプロジェクト用メモリーです。


お客さんからパッケージとして送られてくる場合には、そのパッケージを展開したプロジェクト構成の中にTMフォルダがあるのがふつうで、これがメインメモリーということになります

1410044

この中にプロジェクト用メモリーが作られていることもありますが、私は今までほとんど見たことがありません。

このプロジェクト用翻訳メモリーを、自分で作らなければならない場面に遭遇しました。

次のエントリでご紹介します。

09:41 午前 バージョン - Studio 2014, バージョン - Studio共通 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.09.19

Xliff Previewer

SDL Trados Studio 2014の、なかなか便利なサポートアプリケーションが登場しました。

リンク:Capybara Translation: Xliff Previewer


リンク先のページで説明されているとおり、

・sdlxliff(Trados Studio xliff)

・mxliff(MemSource xliff)

・ttx (Trados TagDocument)

・tmx

を右クリックするだけで、簡易ビューア上で原文と訳文を確認できます。

1409191

これは、tmxファイルを開いたところ。

コメントを入力している場合には、それも表示されます。

実際の作業中のファイルをこれで参照するという使い方はあまり考えられませんが、渡されたsdlxliffファイルの内容をサクッと確認したいときなど、Trados Studioを開かなくてもいいので、とても便利です。


開発者のCapybaraさんは、このほかにStudioアドインも開発なさっており、ある程度完成したらOpenExchangeで公開予定だとか。

期待して待ちたいところです。

10:09 午後 バージョン - Studio 2014 | | コメント (2) | トラックバック (0)

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2014.06.13

Trados本の紹介(Studio 2014対応)


知り合いの翻訳者さんがブログで取り上げ、Facebookでも話題になったTrados本。

Kindle版もあります。

気になったので、Kindle版をダウンロードしてざっと様子を見てみました。


結論:

十分役に立つ本だと思います。Kindle版の値段ならまあ納得。ペーパーバック版だとちょっと高いかな... というところ。

この本の構成は以下のとおりです。

目 次
第1章 SDL Studio 2014の使いはじめ
第2章 TMの作成・使用方法
第3章 ファイルの翻訳
第4章 書式設定とタグ
第5章 ワードカウント
第6章 編集とQA
第7章 プロジェクトの取り扱い
第8章 用語の管理
付録A 旧バージョンのファイルの利用方法
付録B メモリーの管理
索 引

(WinAlignについても付録Bに書かれています)


星2つという低評価のレビューとして、こんなコメントが付いていました。

The author simply lists the features and does not comment on them or add useful advanced tips, which unfortunately turns the 'Practical Guide' into a repetition of the help file, supplied for free with every purchase of Trados software.

これ、ちょっとわかります。基本的に、ヘルプで得られる以上の情報はあまりありません。

が、そもそもその肝心なヘルプが、初学者のための見やすいガイドとしてはほとんど機能しない点が問題です。その点、この本は、ちゃんと最初から読み進めば必要な操作をひととおりできるように書かれています。きちんと読めばペーパーバック版の値段でも元は取れるでしょう。

特にいいのが、よくあるようにいきなりプロジェクトを作るのではなく、その話はちゃんと後回しになっていること(第7章)。発注側ではなく、ちゃんと翻訳者の視点で書かれているということです。

序文に書いてありますが、サンプルファイルをダウンロードできるようになっているのも親切です(たぶん、本文と同じく英-仏とか、そんなペアでしょうが)。


残念なのは、初学者を対象にしているわりに、スクリーンショットがやや少なめなこと。ガイド本ならもっとビジュアルに分かりやすく作ってほしい。


索引も充実しているので、インターフェースや用語の英語がわかれば、索引からリファレンスとして使うこともできそうです。


02:33 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.06.07

Microsoft用語集(tbx)をMultiTerm化


side TRADOSをお読みくださっている方から、質問メールをいただきました。

趣旨としては、

「マイクロソフトランゲージポータルでダウンロードできる用語集が、MultiTerm Convertでうまく変換できない」

ということです。さっそく試してみましたので、レポートしておきます。


「マイクロソフトランゲージポータル」の解説はside Aに書きましたので、必要であれば先にそちらもご覧ください。
リンク:side A: # マイクロソフト ランゲージ ポータル - 更新版


今回MultiTerm化したいのは、このサイトで「マイクロソフト用語集」として公開されている、一般の用語集です。

ランゲージポータルのトップページで、「用語集」というオレンジ色のボックスをクリックすると、言語を選択してダウンロードできます。

ダウンロードされるのは、

MicrosoftTermCollection.tbx

というやく12MBのXMLファイル。これはいちおう標準の用語集形式なので、Trados MultiTermにもインポートできるはずです。


MultiTerm Convertを使って用語集を作る方法は、過去のエントリを参照してください。
リンク:MultiTerm - 用語集の作成 - MultiTerm 5.5 から

※このエントリはStudio 2009時代の内容ですが、2011、2014でも基本は変わりません。


今回違う点は、Convertウィザードの[変換オプション(3/7)]ステップで、[用語ベース交換形式]を選ぶことです。

1406071

(以前のエントリ、つまりStudio 2009のときは「Term Base exchange形式」というオプションでした)


次のステップで[入力ファイル]にMicrosoftTermCollection.tbxを指定し、[次へ]をクリックすると……

ご質問くださった方が困っていたのが、ここです。ウィザードがここから先に進まず

「応答なし」

になってしまう、と。


でも、[次へ]を1回だけ押したら、じっと待っていてください。ちゃんと処理は進むはずです。私の最新環境で1分くらいでした。


ここでこんなに時間がかかるのは、読み込んでいるMicrosoftTermCollection.tbxファイルが、

すべて1行の論理行で書かれているXML

だからです、たぶん。1行で書かれたXMLファイルは、いろんな場面で処理に時間がかかります。


このステップさえ通り抜ければ、後は上記の過去エントリのとおりの作業でMultiTerm化できるはずです。

1406072

[フィールド タイプの指定]ステップは、このままでOK。その次の

1406073

[エントリ構造のカスタマイズ]は、このまんまでもたいした違いはありませんが、

・左ペインで[Japanese]→[Term]ノードを選択した状態で、右ペインの[Definition]を選択して[Add]をクリック。

・同じく、左ペインで[Japanese]→[Term]ノードを選択した状態で、右ペインの[Part of Speech]を選択して[Add]をクリック。

しておくとよいかと思います。


できあがるファイルで、エントリ数は21,929でした。MultiTerm本体でインポートするときは、さすがに時間がかかります。

03:11 午前 バージョン - Studio 2014, バージョン - Studio共通 | | コメント (2) | トラックバック (0)

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2014.05.03

SDL Trados Studio 2014 - 日英のヘルプを同時に使う


昨日書いたように、ようやく日本語にローカライズされたヘルプですが、残念ながら検索機能が使えないため、非常に使いにくい状態です。

こういうときは、英語版ヘルプも併用するのが常套なのですが、インターフェースを切り替えるたびに再起動が必要になるので、それもけっこう面倒です(SSDにインストールしていると、再起動もかなり高速ですが)。

そういうときは、日本語版のヘルプウィンドウとは別に、ブラウザで英語版ヘルプを表示しておくことができます。

[スタート]→[すべてのプログラム]→[SDL][SDL Trados Studio 2014][Documentation][SDL Trados Studio 2014 Help]を開くと、こちらはインターフェースの言語にかかわらず英語版が表示されます。



これ、Studioのアップデートによっては表示されなくなる可能性もあるので、必要な方は今のうちにブックマークしておきましょう。

Welcome to SDL Trados Studio 2014 SP1 Help

そして、このURLで client_en の部分を client_ja に変えれば、ヘルプウィンドウと同じ日本語版も表示できます。

SDL Trados Studio 2014 ヘルプへようこそ

ここ最近、「総目次」を更新していなかったので、現時点までのリンクを追加して更新しました。

10:27 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.05.02

SDL Trados Studio 2014 - 日本語ヘルプ


SP1のリリースで、ヘルプが日本語化されたと昨日のエントリで書きましたが、実際に使ってみたら、ちょっと困ったことになってました。

1405021_2

日本語では検索がまったく機能しない

ということです。

おそらく、日本語のインデックスが作成されていないのでしょう。実装を急ぎすぎたせいかもしれません。

……と思いましたが、実は日本語ヘルプは、ローカルに格納されているわけではなく、オンラインファイルです。

上のダイアログの左下隅に「オンライン」と書いてあります。ここで[ローカルのヘルプファイルにアクセス]を選択すると、英語になってしまいます。

1405023

以前は、ローカルとオンラインでそれぞれ、設定されているインターフェースの言語に応じたヘルプが表示されたものですが、まだそこまで間に合っていませんでした。これは不便。

【2014/09/19追記】

オンラインヘルプの日本語版、いつの間にか、日本語の検索が機能するようになっていました。

02:49 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.05.01

SDL Trados Studio 2014 - あらためて整合機能

★★
というわけで、さっそくStudio 2014 SP1で、以前挫折した整合機能を使ってみることにしました。

1405011

このダイアログ、注目です。

以前この機能を使おうとして挫折したのは、ダイアログにいきなり誤訳があった(SDL Trados Studio 2014 - 整合機能を使おうと...)せいでしたが、そこがちゃんと直っていました。



このダイアログを見てもわかるとおり、レガシーのWinAlignとの大きな違いがあります。

・レガシーでは、整合したペアをテキストとして保存し、TMにインポートしていた。

・2014では、最初からTMを作成して(または開いて)、そこに直接読み込む。

ということです。


原文と訳文を指定する手順は同じ。このときはたまたま、Trados翻訳語に生成したWordファイルを指定したのですが、tw4win系のスタイルが残っているとエラーになったりするようです。


整合すると、以前のような原文-訳文のウィンドウが開きますが、

1405012


スクロールして段がずれると……

1405013

マッチングしているラインがこんな風にぐにゃっとなって、ちょっと気色悪い。


それでも、

1405014

こんな風に、1文-2文のようなペアが正しくペア候補になっているあたり、精度はたしかに上がったかもしれません(レガシーのように、整合時のキーを細かく設定する機能はなくなっています)。

ついでに、以前ダイアログの誤訳が気になっていたところ、今はどうなってるのか調べてみました。以前の記事はこれです。

リンク:# SDL Trados Studio 2009 の誤訳が本当に深刻

これの後半で、

[作業中の分節が変更された場合に検索を実行する]

と訳されていた箇所です。


念のため確認しましたが、原文は以前と変わっていませんでした。

1405016

この"acrive segment changes"というところが、「作業中の分節が変更された」と訳されていたわけですね。

同じダイアログが、今はこうなっていました。

1405015

[アクティブな分節の変更時に検索を実行]

以前に比べれば、まだわかりやすくなったように思います。

が、それでも

change = 変更

という発想から離れられなかったようです。

02:00 午後 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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SDL Trados Studio 2014 - SP1リリース


昨年秋の製品リリースから、早すぎもせず遅すぎもしないという感じのタイミングで、SP1がリリースされました。

ある意味、ユーザーにとっては2011から2014への差より、このSP1のほうが違いが大きいと言えるかもしれません。

リンク:SDL Trados Studio 2014 Freelance Service Pack


いちばん大きいのは、製品発表から半年たってようやく

ヘルプが日本語化された

ということでしょう、たぶん。どんな翻訳になってるのか楽しみです


機能面で大きいのは、

WinAlignの編集機能

が復活したことでしょうか。

2014のリリース直後に書いたように、新しいWinAlignでは、マッチ率が高いペアだけをメモリーとして残す、つまりちゃんとマッチしなかった既訳は捨てる、という大胆な仕組みになりました。

が、やはりレガシーのような編集――マッチがずれているペアを修復する――機能は要望が強く、もしかしたら復活するかも、ということは製品発表会の時点でSDLの人もおっしゃっていました。その話どおりさっそくの復活です。


もうひとつ、ユーザーインターフェースとしては

セグメントを移動せずに訳文を確定(=確定してメモリーに格納)

する操作が追加されたこと。と言っても、これもレガシーと比べれば「復活」しただけです。

2007までは、[登録して閉じる](ショートカット=[Alt]+[End])という機能があり、個人的にはよく使っていました(使っています)。これがStudioではなくなり、たとえばいちばん最後のセグメントを確定するときでさえ[確定して次の分節へ移動]しかないという、実用上の支障がないとは言え、ある種マヌケな仕様になっていたわけです。

言ってみれば、あって当たり前の操作が復活しただけなのですが、これのデフォルトのショートカットを見て笑っちゃいました。

Ctrl+Alt+Shift+Enter

だそうです。即座に、[Alt]+[End]に変更したことはいうまでもありません(この組み合わせ、空いてましたよ)。

それから、Studio 2014だけでなく、MultiTerm 2014のSP 1も同時に公開されました。

私はまだ試していませんが、Java関連のトラブルが直っているそうです。

12:49 午後 バージョン - Studio 2014 | | コメント (4) | トラックバック (0)

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2013.12.21

Studioインターフェースの決定的な使いにくさ


今回の記事は単なる個人的な感想、またはただの愚痴です。


原文-訳文の横並びインターフェースというのは個人的にどうしてもなじめないのですが、世間的にはどうも横並びOKのほうが多数派のようです。「ただの愚痴」、と言わざるをえないのはそのため。

でも、ですよ。

今回2014をインストールして、ショートカット設定をいじっているうちに改めて気付いたんですよ。縦横以前に、今のインターフェースには、決定的に欠けてる翻訳者視点があるんじゃないか、と。

それは、

翻訳中って原文を選択すること多いよね?

ってことです。



MultiTermで提供される訳語だけで事足りているならともかく、ふつうはそんなこと、まずありません。であれば、たとえば(外部の)辞書をひくときだって

原文の一部をコピー

しますよね。

それから、Trados Studio内でメモリー検索するときも、やはり

原文の一部をコピー

するはずです。訳文側でコピーして[F3]押したら、エラーになるか、そうじゃなくても訳文内の検索になっちゃいますから。


ということはつまり、翻訳作業中というのは、

原文フィールドと訳文フィールドの間を行ったり来たり

するはずなんです。何度も何度も。


だとしたら、その移動がスムーズにいかないインターフェースって、翻訳作業にとって決定的にマイナスということになりませんか?


SDL Trados 2007までであれば、WordでもTagEditorでも、矢印キーでその移動ができました。

一方、Studioではその移動キーのデフォルトが[F6]です。

1312215


もしかしたら、キーボードよりマウスを多用する人にとってはたいした差ではないのかもしれません。でも、できるだけキーボード上から手を離したくないユーザーにとって、矢印キーと[F6]っていうのは、使い勝手がぜんっぜん違うわけですよ。

キーボード主体派にとって、矢印キーというのはもともと多用するキーなので「準ホームポジション」みたいな一群です。だからブラインドタッチしていても、ホームポジションと矢印キーとの移動は無意識にできる。でも、[F6]となるとブラインドでは操作できません(できる人もいるのかもしれませんが...)。

これが、デフォルトで[F6]なんていう、いかにも後付け的な設定ではなく[Tab]キーならまだわかります。フィールド間を[Tab]と[Shift]+[Tab]で行き来するというのはわりと普通で、ホームポジションからの移動もしやすいからです。実際、Idiomは[Tab]で移動できます。

ところが、Studioだとショートカット設定の機能を使っても[Tab]には割り当てられない(システムで占有されていて、ただのタブ文字入力に使われている)。


つまり、原文フィールドと訳文フィールドの間を頻繁に行き来するというのを、明らかに想定していないわけです。

そーいえば、某社の社内ツールも、いちおう縦並びになっているのに原文と訳文の間が同じように行き来しにくいですね。


ということで、縦並びか横並びかというだけでなく、原文フィールドと訳文フィールドの間の行き来をどれだけちゃんと考えてくれているか、というのが翻訳支援ツールでは非常に重要なポイントだと思うのですが、どうでしょう。

02:34 午前 バージョン - Studio 2014, 翻訳メモリー | | コメント (0) | トラックバック (0)

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SDL Trados Studio 2014 - 整合機能を使おうと...


ファーストインプレッションの続きです。


ちなみに、現時点(12/21)でもヘルプは日本語化されていません。、きっと今ごろ、一所懸命どこかで翻訳されているんだと思いますが...


次は、今回のリリースの目玉機能であるはずの整合機能(従来のWinAlignに相当する機能)をさっそく使ってみました。

……が、使ってみたらいきなり挫けたというお話です。


整合のプロセスが以前とは大きく違います。

WinAlignでは、

・原文ファイルと訳文ファイルを指定する

・整合する

・結果をテキストとしてエクスポートする

・そのテキストを新規メモリーにインポートする

という流れでしたが、新しい整合機能では、

・まずメモリーを作る

・原文ファイルと訳文ファイルを指定する

・整合すると結果がメモリーに読み込まれる

という流れになります(ということをヘルプで知りました)。


それで、さっそく[ようこそ]画面で[ホーム]→[文書を整合]を選択してみました。

13122110

え?



はあ?

お前は何を...(以下自粛)



いきなりガックリです。これから整合してメモリーを作ろうというのに、

整合済みの翻訳の翻訳メモリを選択します。

って言われてしまいました。いったい何を選択しろと?


はい、こーゆーときは、迷わずインターフェースを英語に切り替えて再現してみましょう。

1312219

Choose a translation memory for the aligned translations.

って書いてありますね。

よくある過去分詞の訳し違いです。


すいません、そんなわけで、実際の整合機能の実力を見るには至りませんでした... また改めて挑むことにします。

02:05 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (4) | トラックバック (0)

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SDL Trados Studio 2014 - インストールとファーストインプレッション


JTF翻訳祭(11/27)のとき、SDLさんのブースにいったら、「まだブログに書いてくれてないじゃないですかー」とお叱りw の言葉をいただいちゃいました。

ペコリ

そんなわけで、遅くなりましたが、Studio 2014をインストールして使い始めてみましたので、その辺のことを書いておきます。



インストール

もしかしたら、そのうち変わるかもしれませんが、私がインストールした時点(12月初旬)では、インストーラが英語のみでした。まあ、それで困る人はいないはずですが。

1312211

Lincense Agreementも英文です。

1312212

それでも、インストール自体は何事もなく終わります。今回は短時間で終了しましたが、Javaとか.NET Frameworkの有無によっては当然、所要時間は変わるでしょう。


起動とアクティベーション

初回の起動後には当然アクティベーションが必要ですが、ここで非常に重要な注意があります。

2014の発売以前から、SDLの人もくどいくらいに繰り返していましたが、

2014のアクティベート前に2011のライセンスを返却

しなければならないということです。

1312214

もっと具体的に言うと --- これ、やっちゃう人がいそうなので --- 2011をアンインストールしてから2014をインストールするという場合には、必ず

2011のアンインストール前にライセンスを返却

することを忘れずに、ということになります。ライセンスを返却せずにアンインストールしてしまうと、後がけっこう厄介です。

もっともっと現実的に言うなら、2011と2014は共存していても問題ないので、

・2011をアンインストールせずに2014をインストールする

・2011でライセンスを返却してから2014をアクティベートする

・2011をアンインストールする

という手順でまったく問題ありません。


2014にアップグレードした後でも、2011のアクティベーションは可能です。といっても、同時に2つをアクティベートすることができないのは今までと同じです。

Freelance Pluseを購入すればライセンスが2つ付いてくるので、2014と02011を同時に使うことができます。


互換性とパフォーマンス

2011指定の案件に2014を使い、返却パッケージを作成してみましたが、納品後に何も言われなかったので、2014と2011の間の互換性は問題なさそうです。ということで、私は2011を完全にアンインストールしちゃいました。ただ、2009のほうは互換性が未確認なので残してあります。

パフォーマンスは、32ビットXPマシン上でさえ若干速くなったように感じます(一応デュアルコアだし)。起動に時間がかかる点は変わっていませんが、起動後の動きはこれまでより軽快です。

もっといいマシンにインストールしたら、またご報告します。


ファーストインプレッション

リボンインターフェース。非表示にして画面を広く使えるというメリットはありますが、「どの機能がどこにあるのかわかりやすくなった」という感じは特にない気がします。

結局、これは以前も書いたことがありますが、カテゴリ分けというのは基準が単一ってことはなくて、どうしても恣意性が残っちゃうわけですよ。レンタルビデオ屋のジャンル分けと同じ。たとえばエディタ・ビューのとき、[詳細]タブなんて「その他」程度の意味しかないでしょう。「知らなきゃどこにあるかわからない」のはやっぱり変わらない。

これはTradosに限ったことじゃありませんが、リボンインターフェースが従来型のメニューより使いやすいとは、どうしても思えません(あくまでも個人の感想)。

というところで、気を取り直してパッケージを開いてみますが、

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こういうところがちっとも直ってないんですよね。パッケージのインポートが終わったんだか終わってないんだかわからない。どうして、こういうユーザビリティにもっと気を遣わないのかなぁ。

それから、訳文側にカーソルがあるとき[F3]キーを押す(メモリー内検索)と、

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このエラーが出てくるバグも残っていました。


あんまりいい話が書けなくてすいません、SDLさん。

ひとまずここまでにしましょうか。

01:35 午前 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2013.10.14

SDL Trados Studio 2014、リリース


8月にもこのブログでご報告したとおり、SDL Trados Studio 2014が9月末日にリリースされました。

2009、2011と続いたので、次は2013にしたかったと思うのですが、下半期にずれ込んでしまったので2014にしたのでしょうね。


いつもどおり、SDLさんはこの新バージョンにあわせて各地で発表会を開いたのですが、東京のとき私はちょうどミズトラの会にお呼ばれして大阪に行っているときでした。

その後、東京でも9/25に追加開催があり、自分でも参加はしたのですが、そのミズトラの会で初めてお目にかかった @9innings さんが、大阪の会にご参加になったレポートを、実に詳しくまとめてくださっていますので、今回はズボラをして、そちらのブログをご紹介することにします。

リンク:SDL TRADOS Studio 2014 発表会(2013/9/20) - Before being deleted

……と、これだけで済ませてしまうと、このブログの存在意義が疑われそうなのでw、自分が参加したときに聞き出した情報と、別の機会にもう少し詳しく聞いた話を以下に補足しておきます。


アーキテクチャとパフォーマンスについて

「全体的に処理が速くなった」ということですが、具体的には

・Windows 64ビットに完全対応、最適化(2011までは32ビット)
・特にマルチコアCPUで威力を発揮

ということでした。もっとも、今どきシングルコアというのは珍しいかも、なわけですが。


ユーザー名を設定可能

これ、地味だけど大切な機能追加ですね。2011までは、Studioのユーザー名がマシンのユーザー名で固定されていました。つまり、私のマシン名が「baldhatter」だったりすると、その名前がセグメント情報(作成者、更新者)としてメモリーにそのまま残ってしまうわけです。

2014では、メモリーに残るユーザー名を設定するオプションが追加されたということで、これはなかなか良い点だと思います。


アラインメント機能

最大のウリのひとつですが、要するに発想をまるっきり変えちゃったということなんですね。従来の(2007までの)WinAlignは、とにかくソースとターゲットに存在するセンテンスをすべてメモリー化するというのが前提でした。

でも、そのためには後処理でソースとターゲットを結び直すという膨大な時間がかかった。じゃ、いっそのこと

「確実に使えるペアだけ残し、後は潔く捨てる。その分、とにかく短時間でメモリーを作る」

ことにしたわけですね。

そのほうが確かに実用的かもしれません。せっかく苦労して整合してみても、実はたいして当たらなかったなんてこともありますからね。

そっか。新しいアラインメントで、どのくらい再利用できるかどうかざっくり見てから、有望そうであれぱ旧WinAlignで整合する、という手もあるかもしれない。

整合のとき、タグをすべて消せるようになったのも嬉しい。

で、私が直接確認した点ですが、先日私がWinAlignをすこし見直した話で書いた、

・予測語による重要度

などのオプション設定はなくなっているそうです。

同じ機能が内部的に動いている可能性もありますが、「で、率直に言って、以前のWinAlignと比べた精度はどうですか?」と伺ったところ、

「精度そのものは下がっている気がします」

というお答えでした。答えにくい質問に答えてくださり、ありがとうございます。

それから、これは製品発表会では触れられなかったと思いますが、Studioが対応しているファイル形式に、アラインメント機能もそのまま対応しています。つまり、ソースとターゲットがPDFであれば、それをダイレクトにアラインメントに使えるということです。

ただし、「結局は内部で変換しているので、他の変換ツールを使ったほうが速い可能性もあります」と、こちらも佐藤弦さん、率直にお答えくださりました。

いずれにしても、アラインメントに使えるファイル形式が増えたのはめでたいですね。


QuickMerge

これも地味ですが、実はかなり画期的だと私は思います。

たーくさんファイルがあるとき、見かけ上だけ1ファイルとして扱える。つまり検索や置換も、Propagateも全ファイル共通でできるようになるわけで、これってファイル数が多くなるローカライズ案件では不可欠な機能ですよね。

もしかしたら、この機能のおかげでローカライズの現場ではTradosレガシーからStudioへの移行がかなり進むんじゃないか、そう思えるくらい重要な機能です。

SCLの中の人自身が、「今回はそれほど大きい機能追加はありません」と公言しているくらいですが、詳しく聞いてみて、実は今回の新リリース、ユーザビリティーの点でかなり大きく進歩したんじゃないかな...と感じています。

自分ではまだアップグレードしていないので何とも言えませんが、アップグレードしたらまたご報告しようと思います。


08:34 午後 バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2013.08.15

SDL Trados Studio 2014、間もなくリリース


Studioアーキテクチャになってから、2009、2011とリリースが続いたので、ほんとうは2013にしたかったのだろうと勝手に想像するのですが、新バージョンは「2014」ということになりました。

リリースは9月の予定です。


7月下旬にメールが届き、8月最初には紹介の Webinar もありました。そのわりに、新バージョンがどうなるのか詳しい情報がなかなか出てこなかったのですが、ようやくSDLさんのブログで情報が出始めました。

リンク:SDL Trados Studio 2014の リリース日が迫っています。

リンク:SDL Trados Studio 2014の新たな整合機能

リンク:SDL Trados Studio 2014の3つの注目ポイント


今までのリリースに比べて前宣伝も控え目で、出てくる情報も少ない。なんでかというと、(整合機能を除く、いわば本体に)目玉と言えるような「新機能」がないから、じゃないでしょうか。

以下、私の勝手なインプレッションです。


上にあげた1つ目のブログに並んでいる謳い文句はこうです。

 必要な機能を見つけやすい

 習得しやすい

 使いやすい

 過去の翻訳を再利用しやすい

機能の話は最後だけで、後はいずれも操作性についての変更ばかりです。その本音は何かというと、

Studioへの移行

をとにかく進めたいということなんだろうと推察します。

具体的に言うと、これはWebinarのときチラッと画面を見せてくれたのですが、2007以降のOfficeと同じような

リボンインターフェース

を採用するようです。

リボンインターフェースって、登場したときにはあれほど不評だったのに、その後はMicrosoft以外にも採用するところがちらほら現れてきてますね。

130815
(これは、私がPDF処理に使っているアプリケーションのインターフェースです)

不評はあいかわらずだし、けっして多数派ではないインターフェースだと思うのですが、敢えてそれを採用したっていうのは、なんででしょうかね。翻訳者はOfficeのインターフェースに慣れてるだろうとか、そういうこと?

これで、ますますStudioから足が遠のくという人だっていそうですよ。

さて、今回もうひとつ大きな売りになっているのが整合機能、つまり今までWinAlignが担っていた機能(旧版の原文と訳文から、新たに翻訳メモリーを作る)です。

整合機能だけは、Studioへの移行で完全に取り残されていて2011のときも積み残し課題だったので、今回は満を持して、という感じの再登場です。

これについては、2つ目のブログで取り上げられています。


先日のWebinarで、

整合した後の手作業による編集工程が不要

と聞き、いったいどんな仕組みで整合の精度を上げるのかと期待していたのですが、今回の部録では精度のことは何も書かれていません。

どうやら、精度を上げるという方向ではなく、

・整合のときに品質レベルを設定しておく

・翻訳の際には、その品質レベルを見ながら、選り分けて使う

という発想のようです。なんだか

期待外れに終わりそう

な気配が濃厚になってきました。


こーゆーこと書くヤツが出てくるから、事前の情報をあんまり出したがらないんでしょうね、きっとw


私はてっきり、たとえば機械翻訳のエンジンを利用して、原文にあるいくつかの単語と訳文にあるいくつかの単語が照合して、その一致度をペアリングのキーにするとか、そんなスゴいことをやるんじゃないかと勝手に想像していたのですが。

新製品発表のセミナーなどを待ちたいところです。

ちなみに、今回のバージョンアップで私が密かに期待していた機能、「原文と訳文の垂直方向表示」は実装されませんでした。

Webinarで質問したときの反応では、「少数意見であり、一顧だにされなかった」ということだそうです。へー。

05:17 午前 Trados 全般, バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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