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2014.10.11

Trados Studioの解析に大きな疑問


Trados Studioで、既訳とのマッチ状況と、表示されるパーセンテージを見ていると、ときどき納得のいかないことがあります。

Studio案件が少ないうちは目をつぶっていましたが、そろそろ無視できない状況になってきたので、ちょっとレポートしておきます。機会があったら、SDLの中の人にも伝えようと思っています。

逆の場合もありそうですが、大雑把に言うと、Studioのほうが

パーセンテージが高く出る

ことが多いようです。そもそも、

マッチ率の計算があきらかに変

なこともしばしばです。

プロジェクト全体になるとこの差が報酬総額にかかってくるので、早急になんとかしなければいけませんが、検証がなかなか難しいので、マッチ率計算についてだけ、ひとまず実例で示します。


まず、これがStudio 2014で開いたセグメントです。

1410111

このときのメモリーには、既訳がこのように表示されていて、マッチ率は

83%

です。

1410112

ちょっとわかりにくいので、いちばんマッチ率の高い既訳の原文と、今回の原文を並べてみます。

旧版:For information on how to do this, see <タグ>.

今回:For information on how to restart a controller, see .

太字部分が相違点。

旧版が8ワード、今回が9ワード。そのうちの6ワードが一致しているわけなので(タグは無視)、実際の内部的な計算はわからないものの、高めに計算しても(6÷8)

75%

低めに計算すれば(6÷9)

67%

になるはずです。


試しに、Legacy Converter(先日、2014に対応しました)でコンバートしたファイルを、エクスポートしたメモリーで開いてみたら、こうなりました。

1410113

このときのメモリーはこうです。

1410114

上でやった計算に近いパーセンテージになっています。


もし、全体にこんなふうにパーセンテージが高めに出ているとしたら、場合によっては翻訳者が --- ひいては翻訳会社も --- けっこう損をさせられている可能性があります。


Studio案件を扱っているみなさん、感じとしていかがですか?

01:40 午後 Trados 全般, バージョン - Studio共通 | | コメント (14) | トラックバック (0)

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2014.10.05

Legacy Converterが2014に対応

★★
SDL OpenExchangeで無料公開されているLegacy Converterというサポートアプリケーションについてご存じなければ、まずこちらをご覧ください。

リンク:side TRADOS: Studio案件を2007環境で - Legacy Converter

Trados Studio用に支給されたファイルを

・レガシーのTrados環境、つまりSDL Trados 2007(以前)で翻訳し、

・その結果をTrados Studioに戻せる

という実にありがたいツールです。


残念なことに、Studio 2011用に開発されたバージョンのまま、2014には対応していなかった(きっと、sdlxliffのフォーマットが変わったんでしょうね。エラーになります)のですが、気になって探してみたら、開発元のサイトではStudio 2014対応版が公開されていました。

リンク:SDLXLIFF To Legacy Converter

1410051

OpenExchangeサイトのほうはまだ、2009/2011のみ対応の旧バージョン(1.0.0.37)のままなので、使いたい場合は上の開発元サイトで、

Download Legacy Converter SDL Trados Studio 2014

というリンクからどうぞ。

08:47 午前 Trados 機能, バージョン - Studio 2014 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2014.10.04

プロジェクト用翻訳メモリーを作る

★★★

さて、けっこう増えつつあるStudio指定案件ですが、つい最近こういうのに遭遇しました。

1410045

100%で訳が埋め込まれているのに、該当する既訳がメモリーのフィールドに表示されていません。


話はちょっとそれますが、これと同じ状況がIdiom Desktop(元のDeja Vu)では当たり前でした。Idiomでは、プロジェクトを作成するとき、まず英日の100%既訳ペアを作ってから、その後でいわゆるファジーマッチに当たる既訳ペアだけをTMとして格納するらしいからです。だから、100%既訳の内容はメモリー内のルックアップで利用できない可能性がある。アホみたいな作りでしょ。

Tradosでそんな状況に遭遇したことはなかったのですが、どうも今回のプロジェクトはそれと似た作りになっているようなのでした。


いったい、どういう工程でこうなるのかわかりませんが、

  1. まず、100%(厳密には、文脈まで見て一致とみなされたPerfect Match)を確定したバイリンガルファイルを作成する。
  2. 次に、Perfect Match部分を除外したメモリーを用意する。
  3. 新規プロジェクトを作成し、1. のファイルと2. のメモリーを組み込む。

みたいな流れ?

よくわかりませんけど、「Perfect Matchはもうファイル上で確定しているから、それが再利用されることはない。それ以外をメモリーにしておけばいいんじゃね」という発想でしょうか。100%既訳の一部を再利用することは想定していないのか?


こういう場合、「メモリーに含まれていない100%既訳の文をメモリーに反映」すればいいのですが、メインメモリーの状態は変えたくありません。そこで、この状態からプロジェクト用メモリーを追加してみることにしました。

手順は以下のとおり。

  1. [プロジェクト]ビューで該当のプロジェクトを選択し、右クリックメニューから[一括タスク]→[プロジェクト用翻訳メモリーの入力]を選択します。

    1410046

    後はウィザードをどんどん[次へ]進めばプロジェクト用メモリーが作成されます。

  2. [プロジェクト]ビューで該当のプロジェクトを選択し、右クリックメニューから[一括タスク]→[プロジェクト用翻訳メモリーの更新]を選択します。

    1410048

  3. ウィザードで[次へ]を2回繰り返すと、次のダイアログが開きます。

    1410049

    設定はデフォルトのままでOK。これで、「翻訳済み」の既訳がプロジェクト用メモリーに取り込まれます。「翻訳中」や「未翻訳」はもちろん取り込まないので、チェックボックスはオフ。

  4. [プロジェクトの設定]でメモリー構成を確認してみると、下図のようになりました。

    14100410

  5. エディタで開いてみると、

    14100411

    無事にこうなりました。

それほど複雑な作業ではありませんが、まあ、これが必要なケースはレアでしょう。たぶん。

10:17 午前 バージョン - Studio 2014, バージョン - Studio共通 | | コメント (5) | トラックバック (0)

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プロジェクト用翻訳メモリーについて

★★
Trados Studio環境における「プロジェクト用翻訳メモリー」については、だいぶ前に記事にしました。

リンク:side TRADOS: Studio 2009 初歩 - 2 つの翻訳メモリーの存在


プロジェクト用メモリーを使うケースはいくつか考えられます。

ケース1:
・もともとメモリーがあった
・そのメモリーをプロジェクトに追加する(= 参照する)が、更新はしたくない
 (初期状態で残しておきたい)

ケース2:
・大きい親プロジェクト全体で参照する親メモリーが1つある
・下位プロジェクトでは、親メモリーを参照するが更新はしない
・下位プロジェクト用の子メモリーだけ更新したい

親にあたるほうが「メインメモリー」、子が「プロジェクト用メモリー」です。


新規プロジェクトを作成する手順の最後で[プロジェクト用TMなしで準備]を選択すると、

1410041

このように、プロジェクトセットの中にTMフォルダがありません。指定した(または新規作成した)メモリーは、別のところにあります。

一方、プロジェクト作成手順の最後で[準備]を選択すると、

1410042

TMフォルダと、その下位の「ja-JP」フォルダが作成され、その中の*.sdltmファイルが更新されていきます。

このメモリー構成を[プロジェクトの設定]で見てみると、次のようになっています。

1410043

ツリー構造になっている上のほう(この場合は「testTM-2.sdltm」)がメインメモリー、ぶら下がっているほう(「test_141004-2_testTM-2.sdltm」)がプロジェクト用メモリーです。

※プロジェクト用メモリーの名前は、メインメモリー名の前にプロジェクト名が追加された形になっているのですね。

上のほうで[更新]にチェックが付いていますが、実際に更新されるのは下のほう、つまりプロジェクト用メモリーです。


お客さんからパッケージとして送られてくる場合には、そのパッケージを展開したプロジェクト構成の中にTMフォルダがあるのがふつうで、これがメインメモリーということになります

1410044

この中にプロジェクト用メモリーが作られていることもありますが、私は今までほとんど見たことがありません。

このプロジェクト用翻訳メモリーを、自分で作らなければならない場面に遭遇しました。

次のエントリでご紹介します。

09:41 午前 バージョン - Studio 2014, バージョン - Studio共通 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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