pptxのもっと困ったこと
★★★
前エントリで書いた作業上の不便もさることながら、pptxをttxで翻訳すると実質的にもっと困ることがあります。
それは、翻訳したttxファイルを訳文生成しても、
まともにpptxに戻ったためしがない
ということです(少なくも私のところでは皆無です)。
生成処理の最後に、こんなエラーが発生します。
The target document cannot be created because the tag structure in the TagEditor document is invalid.
ためしに、支給されたttxではなく、オリジナルのpptxファイルからttxを作ってみました。
※pptxファイルをTagEditorで開き、1回でも保存操作を実行すれば、ttxファイルが生成されます。
案の定、このttxはちゃんとpptxに戻りました。つまり、「ttxを作った環境が違うと、pptxに戻らない」ということのようです。Tradosなら、十分その可能性はあります。
支給されたttxと、自前で作成したttxを比較してみました。
これはAraxis Mergeという差分比較ツールを使って両方のファイルを開いたところです。左ペインが支給ファイル、右ペインが自前で生成したファイルです。ハイライトされているのが差分箇所です。タグの入り方がかなり違うことがわかります。
環境が違うと、同じpptxから作っても出来上がるttxの中身は同じにならないんですね。上のメッセージ(タグ構造が無効)からしても、どうやら原因はここにあるようです。
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そんなわけで、前エントリと併せて考えると、pptx由来のttxファイルをTrados 2007で翻訳しろと言われた翻訳者は、
・無意味なタグの山に苦しめられたうえで、
・出来上がりのすらいども確認できない
という、ほとんど両手両足を縛られた状態で作業しなければならないわけです。
発注する翻訳会社の方、ここんとこ、わかってらっしゃいますか?
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