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2012.10.13

pptxのもっと困ったこと

★★★
前エントリで書いた作業上の不便もさることながら、pptxをttxで翻訳すると実質的にもっと困ることがあります。

それは、翻訳したttxファイルを訳文生成しても、

まともにpptxに戻ったためしがない

ということです(少なくも私のところでは皆無です)。

生成処理の最後に、こんなエラーが発生します。

The target document cannot be created because the tag structure in the TagEditor document is invalid.

ためしに、支給されたttxではなく、オリジナルのpptxファイルからttxを作ってみました。

※pptxファイルをTagEditorで開き、1回でも保存操作を実行すれば、ttxファイルが生成されます。

案の定、このttxはちゃんとpptxに戻りました。つまり、「ttxを作った環境が違うと、pptxに戻らない」ということのようです。Tradosなら、十分その可能性はあります。


支給されたttxと、自前で作成したttxを比較してみました。

1210139

これはAraxis Mergeという差分比較ツールを使って両方のファイルを開いたところです。左ペインが支給ファイル、右ペインが自前で生成したファイルです。ハイライトされているのが差分箇所です。タグの入り方がかなり違うことがわかります。


環境が違うと、同じpptxから作っても出来上がるttxの中身は同じにならないんですね。上のメッセージ(タグ構造が無効)からしても、どうやら原因はここにあるようです。

そんなわけで、前エントリと併せて考えると、pptx由来のttxファイルをTrados 2007で翻訳しろと言われた翻訳者は、

・無意味なタグの山に苦しめられたうえで、

・出来上がりのすらいども確認できない

という、ほとんど両手両足を縛られた状態で作業しなければならないわけです。


発注する翻訳会社の方、ここんとこ、わかってらっしゃいますか?

04:35 午前 Trados 雑記 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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pptxファイルをWord/TagEditorで処理するのは愚の骨頂


世の中の趨勢か、最近は原典ファイルがdoc、ppt(Office 2003までのファイル形式)ではなく、docx、pptx(Office 2007以降)で支給されることもだいぶ増えてきました。


このpptxファイルには、どうにも困らされます。単なる上書き翻訳で依頼されたのであれば、以前書いたようにSimplyTermsを使っていったん内容を抽出してからTrados処理すればいいのですが、最初からttxに変換された作業ファイルを渡されると、それを使うしかありません。

(SimplyTermsは、最近のバージョンでdocxやpptxにも対応するようになりました、念のため)


ところが、このファイルをTagEditorで開くと、あるいは私のように---もしかしたら私だけかもしれませんが---いったんWordに置き換えてから開くと、本文の随所がとんでもないことになります。


以下、なんの役にも立ちませんが、その話を書いてみました。

まず、PowerPointスライド上の状態を見てください。

1210131

なんでもないただのテキストボックス内の文字列です。この中で赤線を引いた "Set up for copy process" という1文を覚えておいてください。


このファイルをSimplyTermsでテキスト変換すると、こうなります。

1210136

670行目に、テキストボックスを示すタグがあり、672行目に問題の1文が見えています。


では、このファイルをTagEditorで開くとどうなるでしょうか。

1210134

なんだか、文中がタグだらけになっています。<cf>タグですから、フォント書式があちこちに出現したことになります。この画面はフォントが簡略表示モードなので、詳細表示モードに切り替えてみます。

1210135






萎えます

この状態で翻訳をしろと強制されたら、絶対断りますよね。そのための簡易表示モードなのですが、フォントがどう変わったかわからなくては困るので、簡易表示だけでは用が足りません。


これを、私流にWord上で開いているのが次の図です。

1210133

こんな状態ではとても翻訳できないので、以前書いたように(doc/docx ファイルを TagEidor で開くということ)、私はタグを一括削除してから翻訳にかかります。


それにしても、スライド上ではフォントが途中から変わっているようにはとても見えなかったのですが、いったい何が起きているのでしょうか。

以前のPowerPoint形式(ppt)ではここまでひどくなかったので、たぶんこれもpptxになったことが原因のようです。pptxの中身をみてみましょう。

※pptxは、拡張子を .zipに変えて解凍すれば、構成しているXMLファイルを見ることができます。docxも同様です。

12101310

いったいどんな仕様にするとこんなことになるのか、そこは皆目見当もつきませんが、問題の1文がタグによってバラバラになっているのがわかります。

元がこんなだから、ttx(これもXML形式です)に展開すると、上に見たようなグチャグチャな状態になるわけですね。

TagEditorというツールは、前にも書いたように最初っからとんでもなく出来の悪いソフトウェアでした。バージョンを重ねて少しずつマシになりましたが、PowerPointとかExcelにも対応しようとして、いろいろと無理を重ねてきたような気がします。

そこで、ものは試し、同じpptxをStudioアーキテクチャで開いてみました。使ったのは、最新版のStudio 2011 SP2です。

1210132

あらまあ、なんとスッキリ。


ってことは、やはりdocxとかpptx、つまりOffice 207以降のファイル形式は、SDLさんが推奨しているようにStudioで開いたほうがいいということなんでしょうね。

はからずも、Studioアーキテクチャの長所をひとつ発見する結果になりました。かと言って、横並びインターフェースで私が仕事をする気になるかどうかというと、それはまた別問題なわけですが......

04:11 午前 Trados 雑記 | | コメント (4) | トラックバック (0)

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2012.10.03

PCスキル - Wordの書式スタイルを引き継ぐ


前エントリでは、手順4.で作成するWordファイルに、Trados固有の書式スタイルが設定されている必要がありました。すべてではなく、

tw4winExternal(外部タグ)

tw4winInternal(内部タグ)

の2つがあれば大丈夫です。


ただし注意しなければならないのは、Wordの書式スタイルが基本的にはファイルごとに設定されるということです(Word共通の既存スタイルを追加する方法もありますが)。

つまり、新規ファイルを作成したときには、上記2つのスタイルが設定されていないので、どこかから持ってきて設定する必要があるということです。

以下、その方法を説明します。

■スタイル付きのdocまたはdotを保存しておく

いちばん簡単なのはこの方法でしょう。

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過去にTrados翻訳したWordバイリンガルファイルから、こんな風に外部タグと内部タグを含む最小限の部分を残して保存しておくだけです。

*.doc形式のファイルとして保存しておいて別名保存してもいいし、*.dot(テンプレート形式)として保存しておけば、開くと新規ファイルとして扱われます。

前エントリのように、Tradosがらみでバイリンガルファイルを作りたい場合は、この方法で済みます。


■スタイルを他のファイルからインポート

上の方法は簡単ですが、たとえばすでに作成中の文書があって、そこでどうしても他のファイルにあるスタイルを引き継ぎたい、ってな場合もないではありません。

その場合は、以下の手順でどうぞ(Word 2003です。2007/2010については、誰かレポートください)。


1. [ツール]→[テンプレートとアドイン]を開き、[構成内容変更]をクリックします。

1210031


2. [構成内容変更]ダイアログが開きます。

たいていは、左側が今作成中のファイル、右側が Normal.dot になっていると思います。

1210032

Normal.dotが表示されているほうのペインで[ファイルを閉じる]をクリックします。


3. 使いたいスタイルが設定されているテンプレートファイル(*.dot)を開きます。


4. 以下のダイアログのように、選択したテンプレートに設定されている書式スタイルが表示されます。

1210033

この中から、必要なスタイル、たとえばTradosバイリンガルファイルなら

tw4winExternal
tw4winInternal

の2つを選択して[コピー]を押します。

上のスクリーンショットでは[コピー]の方向が逆(右向き)ですが、[tw4winExternal]や[tw4winInternal]を選択すれば、正しい方向(左向き)になります。


これで、現在編集中のファイル(上の例では、「翻訳ジャーナル記事_final.docx」)に書式スタイルが追加されます。


■他のファイルからコピペ

実は、他のファイルから書式スタイルを引き継ぐときは、上で説明したインポートよりもっと簡単な方法があります。

1. 目的の書式スタイルが使われているファイルを開く。

2.そのスタイルの文字列をコピーする。

3. 今編集中のファイルに貼り付ける。

だけです。このコピペ操作だけで、書式スタイルは引き継がれます。

09:31 午前 翻訳者のPCスキル | | コメント (0) | トラックバック (0)

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