« 2012年7月 | トップページ | 2012年10月 »

2012.09.26

PPT + SimplyTerms + Trados

★★
PowerPointファイルは、Trados TagEditorでも処理できることになっていますが、たいていはタグが非常に煩わしいことになります(書式フォント、しかも無意味なフォントが多すぎる)。それに何より、翻訳後にちゃんとPPTファイルに戻せるのか? という不安が常につきまといます。

今回など、元が*.pptxだったせいか、*.pptで別名保存しても、なぜかTagEditorで開けませんでした(エラーになる)。

そんなわけで、PPTファイルについては、Tradosを使うときでもBuckeyeさんのSimplyTermsのお世話になっています。

リンク: Translation Tools


つまり、

・SimplyTermsでテキストに書き出す
・テキストをWordに貼り、Trados環境で翻訳する
・Wordファイルをクリーンアップする
・テキストで保存する
・SimplyTermsでPPTに戻す

という手順です。

PPTを上書きすると、そのつどフォントサイズやセルの調整が必要になりますが、この方法なら最終的にPPTを微調整するだけで済みます。

ただ、Wordにかますときにちょっとしたコツもあるので、以下、この手順をまとめておこうと思います。

■SimplyTerms上の処理

基本的な使い方は、SimplyTermsで[ヘルプ]→[STヘルプ]を開き、[翻訳作業の流れ]を最初から見れば大丈夫でしょう(ブラウザで開きますが、ローカルファイルです)。簡単にまとめておきます。

ここでは、対象のPowerPointファイルを baldhatter.ppt ということにします。それから、英日翻訳という前提です。

  1. SimplyTermsで baldhatter.ppt を指定します。 ツリービューから選んでもいいし、エクスプローラからのドラッグアンドドロップでもOK。

    1209261


  2. [処理内容]で[ファイル種類の変更]を選び、[ファイルの種類]で[英語]を選び、[実行]します。


  3. ファイル名が baldhatter_eng.ppt にリネームされます。[処理内容]で、今度は[Officeテキスト抽出]を選びます。

    1209262

    あ、そうそう。ここは[実行]する前に書式オプションもチェックしておきましょう。

    1209263

    こうしておくと、PPT上の書式が<b>などのタグとして追加されます。これを設定しておいたほうが、PPTに戻してからの面倒が少なくなります。

    このオプションをチェックしてから、[Officeテキスト抽出]を[実行]します。PowerPointがちょっと開いたり閉じたりしてから、baldhatter_eng.txt というファイルが出来上がるはずです。


    さて、ここからがTrados環境になります。


  4. baldhatter_eng.txt の内容をWordに貼り付けます。
    ただし、Wordの新規ファイルだと、これから使うTrados固有の文字スタイル(外部タグ、内部タグ)が設定されていないので、あらかじめTrados書式を持っているファイルをテンプレートとしてひとつ作っておくといいですね(参考: side TRADOS: ttx 指定でも Word で作業)。
    このファイル名は何でもかまいません。

    1209264


  5. SimplyTerms固有のタグに外部タグの書式スタイルを指定します(一括置換)。
    以下のダイアログのとおりに指定すればできるはず。tw4winExternal というのが外部タグ(グレーのタグ)のスタイルです。

    1209265


  6. 書式タグに内部タグの書式スタイルをそれぞれ指定します(一括置換)。

    1209266

    さっきと似てますが、もちろん検索文字列は違いますし、置換後のスタイルは tw4winInternal です。内部タグ(赤いタグ)。この2回の置換で、こうなります。

    1209267

    このファイルができたら、後はふつうにTradosを使って翻訳します。


  7. 翻訳が終わったら、クリーンアップします。


  8. クリーンアップしたdocをテキストとして保存します。このとき、ファイル名は baldhatter_jpn.txt とし、保存先は baldhatter_eng.ppt や baldhatter_eng.txt と同じフォルダに。


  9. いよいよ、SimplyTermsでPPTに戻す手順です。この時点で、同じフォルダに
    ・baldhatter_eng.ppt
    ・baldhatter_eng.txt
    ・baldhatter_jpn.txt
    の3つがあるはずです。

    SimplyTermsで、書き戻すべきPPTファイルを指定します。書式オプションも忘れずに。

    1209268

    これで、翻訳した内容がすべて baldhatter_eng.ppt にインポートされ、翻訳済みPPTが出来上がります。


    なお、これで出来上がるファイルは、baldhatter_jpn.ppt という独自形式になっているので、必要に応じて納品用のファイル名に戻してください。


    というわけで、PowerPointファイルの翻訳に苦しんでいる人は、ぜひSimplyTermsをお試しください。

    もちろん、Tradosを使わない人も翻訳工程が違うだけで、SimplyTermsのメリットは変わりません。ただし、テキストファイル上で上書きするときは、SimplyTerms固有のタグ

    [[S1_BD-1]]

    などを壊さないよう、くれぐれもご注意ください。

04:10 午後 その他 | | コメント (3) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.09.12

Studioのペナルティ設定


side Aのほうに、お客さんと自分のワードカウントが違うという質問をいただきましたが、対象がStudio 2009と2011でした。

2007までのTrados Workbenchにおけるペナルティ設定については、以前のエントリ(ワードカウントは必ず自分でも実行)に書きましたが、Studioで同じ設定はどこにあるのか、私も調べていませんでしたので、いい機会だから書いておこうと思います。

ペナルティの設定は、まずプロジェクトを新規作成するときに確認、変更できます。

1209122

ペナルティの設定オプションが、2007までとはだいぶ変わったようです。どのペナルティオプションにどんな機能があるのか、すいません、今は細かく調べている時間がありません。


すでに作成してあるプロジェクトの場合は、以下のパスで同じダイアログが開きます。

[プロジェクト]→[プロジェクトの設定]→[言語ペア]→[すべての言語ペア]→[翻訳メモリと自動翻訳]→[ペナルティ]

ということで、まず先方と自分の環境でペナルティ設定値が同じかどうか確認する必要があります

次に、ペナルティの設定ダイアログの近くにありますが、以下の設定も確認が必要です。

[プロジェクト]→[プロジェクトの設定]→[言語ペア]→[すべての言語ペア]→[一括処理]→[一致精度スコア]

こんなダイアログです。

1209121

ワードカウント(解析)によるマッチ率の数値範囲は、2007までは固定でした。つまり、解析ダイアログに表示されるとおり、

PerfectMatch:
繰り返し:
100%:
95-99%:
85-94%:
75-84%:
50-74%:
不一致:

という分類で、この幅を変更することはできませんでした。

上のダイアログは、最小値と最大値で書いてあるのでわかりにくいですが、レンジで表記すると、上から順に

50~74
75~84
85~94
95~99

という風に並んでいて、ここに入らないものは「不一致」か「100%(以上)」ということになるので、デフォルトでは2007のときと同じ数値範囲です。

ただ、このダイアログを見ればわかるように、Studioでは範囲の最小と最大を変えられるようになっています。

もし先方と自分の環境でこの範囲が違っていれば、やはりワードカウントに影響するでしょう。ということで、

先方と自分の環境で[一致精度スコア]が同じかどうかも確認してください。

もうひとつ、[ペナルティ]のひとつ上のオプションですが、

[プロジェクト]→[プロジェクトの設定]→[言語ペア]→[すべての言語ペア]→[翻訳メモリと自動翻訳]→[検索]

のオプションも変更されている可能性があります(私は常にこの値を最小の「30」にしています)。

1209123

このダイアログのいちばん上、[翻訳][一致精度最小値]によって、[不一致]と[50-74%]のカウントに差が出ます。

以上3つのメモリー設定について、先方にまず確認してみてください。

かりに設定がまったく同じでも、ワードカウントに多少の誤差は出るかもしれません。これは2007までの時代、常にそうでした。と言っても、これは作業負荷に大きく差が出るような誤差ではなかったので、まあ許容範囲です。

もし設定が同じで、明らかに作業負荷に影響しそうな差があるとすれば……うーん、現時点では私には手持の回答がありません。

12:45 午後 バージョン - Studio 2009 , バージョン - Studio 2011 | | コメント (4) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.09.08

Studioでパッケージを開くとき、戸惑うダイアログ


先日に続き、2度目のStudio案件。

前回書こうと思っていたネタですが、受け取ったパッケージを開くときも、さっそくインターフェースに悩まされます。誤訳ではなく、原文からして舌っ足らずなのかな。

私もしばらく「???」となってしまったので、これからStudio案件を扱う方はご注意ください。

Studioの[ファイル]メニュー(または[パッケージを開く]ボタンから)パッケージファイルを開く、あるいは *.sdlppxファイルをダブルクリックすると、ダイアログが進んでいって、こんなダイアログが表示されます。

1209081_2

「パッケージXXXに含まれているプロジェクト」というのはわかりますが、「プロジェクトフォルダを選択してください」というのがよくわかりません。だって、そのプロジェクトをこれから展開するわけでしょ?


念のために英語インターフェースも確かめてみました。

1209082_2


ヘルプを見てみると、こう書いてあります(めずらしく、意味がわかりますw)。

それがプロジェクトで開く最初のパッケージである場合は、[フォルダの参照]ダイアログ ボックスが表示されます。パッケージの内容を保存するフォルダを選択して、[OK]をクリックします。既定では、プロジェクト フォルダが新規作成され、パッケージが関連付けられたプロジェクトの名前が付けられます。


つまり、同じパッケージを2度目以降に開くときは、すでにプロジェクトフォルダが出来ているので、それを選択する
という説明でいいのですね。ところが、初めてパッケージを開くときは、実際にはデフォルトの名前でフォルダが新規作成されるんですね。

だから、両方の場合にこのダイアログを使うのであれば、原文でもう少しわかりやすく説明してくれないと困ります。

ついでに、いつも思うのですが、このダイアログにも困ります。

1209083

いちばん上には Please wait と書いてあって、その下にも Importing package... となっていますが、その右には Completed と表示されています。

こんなダイアログじゃ、処理が終わったかのかどうか悩みます。

Please wait の部分と Importing package... の部分も書き換えてくれなきゃ。

04:34 午後 バージョン - Studio 2009 , バージョン - Studio 2011 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加