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2012.06.12

はじめてStudio案件がきた


今までにも何度か書いているように、Studioプラットフォームがリリースされても、私が受注している範囲では依然として2007ベースでしか発注がありませんでしたが、最近ついにStudio 2009指定という案件があり、実作業でStudio 2009を使うことになりました。

以下、今さらですが、初めて「実際に使ってみた」うえでのファーストインプレッションです。

パッケージを開く

案件としての受け渡しは、「パッケージ」という単位で行われます。今回、お仕事として初めてパッケージを受け取り、それを開くという段階から始めたわけですが、パッケージを展開する段階でインターフェース訳にさっそく誤訳があり、戸惑いました。詳細は別エントリでご報告します。


全体的な操作感

Studioプラットフォームのベースになった(と推測される)Idiomの操作感が最悪に悪かったせいで、Studioインターフェースにもあまり良い印象はなかったのですが、操作性そのものはIdomほど悪くありません。

慣れないうちに(あるいはIdiomに慣れていると)戸惑うのは、

カーソルのあるセグメントとアクティブなセグメントは違う

ということでしょう。これについても、別エントリで詳しく説明します。

タグ(固定要素)の挿入も、慣れるとStudioのほうが優れています(参照エントリ:Studio 2009 初歩 - タグの操作など)。

ただし、

センテンス単位のぶつ切り感

は、やはり横並びのこの形式のほうが強くなるように私は感じます。いちおう、

1206121_2

このように、ガイドカラムを見るとパラグラフ範囲がわかるようになっていますが(図の赤線が1つのパラグラフ)、これを意識するのは難しそうです。


日本語入力

これは困りもの。まさか従来のTagEditorのバグをそのまま引き継いだ(参照エントリ:TagEditor のバグを直してください、SDLさん)というわけでもないでしょうが、Studioのエディタでも、何かの拍子にすぐ英数字入力になってしまうことがあります。発生条件がまったく不明で再現性も低いのですが、私の環境ではWin XPでもWin 7でも起こります。ATOKとの相性かもしれません。


秀丸エディタへの影響

Studio本体での入力もですが、秀丸エディタを使っている場合、実は秀丸での日本語入力にも影響があるようです。これもATOKとの相性かもしれませんが、少なくともウチでは、Win XPでもWin 7でも、Studioを起動しているうちは

秀丸で日本語入力がほぼ不可

になります。これは、かなり致命的。


訳語検索(コンコーダンス検索)

訳語検索については、Studioリリースの当初から、以前よりだいぶマシになったと報告してきました。しかも、原文だけではなく訳文からも検索が可能になりました。

ただし、たとえば英日翻訳のとき、訳文つまり和文中で2単語以上の英語を検索すると、あまりいい結果は出ないことがありました。


とにかくブラックボックス

Studioプラットフォームで私がいちばん気に入らないのは、2007までと違ってアーキテクチャ全体の

ブラックボックス度

が異常に高くなったということです。

たとえば、今回のStudio案件では、以下のようなエラーに遭遇しました。

1206111

これは、ファイルを開いて作業を再開しようとしたとき、何回か出現したエラーです。出現条件は不明ですが、マシンを再起動しないと解消しません。

1206112

これは、結合したセグメントで訳文を登録しようとしたときのエラーです。

1206113

これは......何だったかなぁ。複数のメモリーの設定を変えようとしたときだったかも。

どのエラーも、容易には原因を特定できそうにありませんし、したがって解決もまず望めません。

なんでこんなことになったかというと、最大の原因は依存するコンポーネントが多岐にわたっていることでしょう。まっさらなマシンにStudioをインストールしてみるとわかりますが、

Microsoft .NET Framework
Microsoft Visual C++ のRedistributable(実行環境)
Java 2 Runtime Environment
Open XML SDK 2.0 for Microsoft Office

などなど、本体のインストールより前にやたらといろんな環境がインストールされます。だから、何かエラーが出てもそれがどの部分のエラーか、ふつうのユーザーにはわかるはずもない。


こんな「得体の知れない」作業環境は、やっぱり願い下げだなぁ。


02:02 午前 バージョン - Studio 2009 , バージョン - Studio 2011 |

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コメント

いつも拝読しています。貴重な情報をありがとうございます。TradosのおかしなUIには悩まされますね。ネタ、あるいはローカライズ翻訳で気を付けなければいけない間違いのサンプルの宝庫としてはとしてはおもしろいですが、実務上は困るので私は英語UIで使っています。私はついに、2009の使用指定を受けることなく2011にアップグレードしてしまいました。なので、2009の環境はもうないのでわかりませんが、Win 7 x64, Studio 2011, 秀丸エディタ x64, ATOK 2012 の組み合わせでは秀丸にも入力できます。エラーの類は依存コンポーネントのメッセージをそのまま吐くので、SDLのKBに行って調べでもしないと、本当に意味不明です。

投稿: lss_ytak | 2012/06/12 8:55:19

lss_ytakさん、コメントありがとうございます。

> Win 7 x64, Studio 2011, 秀丸エディタ x64, ATOK 2012 の組み合わせでは秀丸にも入力できます。

あぁ、これはいいことを伺いました。そっか、秀丸もx64版にするといろいろ違うのかもしれませんね。私は、今まで作ったマクロがたくさんあって、それが動かなくなると困るので基本的にx32版のままなんです。

投稿: baldhatter | 2012/06/19 20:51:12

はじめまして。
TradosStudio2011を昨日購入したものです。
あまりに初心者なので申し訳ございません。

英文Sourceテキスト中にcfというタグがたくさんでてきます。
このタグをどうしたらいいのかわからないのですが、
ご教示、または貴サイトのどのコンテンツを読めばいいのか
お教えいただけましたら幸いです。

突然で大変申し訳ございませんが、
どうぞよろしくお願いいたします。

Trados初心者

投稿: Trados初心者 | 2012/07/31 18:52:53

Trados初心者さん、コメントありがとうございます。


逆にまず伺いたいのですが、「cfというタグがたくさん出て」くるというのは、実際に案件として受注なさったのでしょうか。もしそうだとしたら、タグの意味もわからずにTrados案件を受注するのは、あまりに無無謀です。

次に、案件ではなくご自分で試しにファイルを開いたのだとすれば、ファイル形式は何でしょうか。Wordファイル(doc、docx)かPowerPointファイル(ppt、pptx)、ひょっとするとExcelファイル(xls、xlsx)でしょうか。

簡単に言うと、というのは書式を設定しているタグです。このタグを正しく処理するには、その意味(ボールドとかイタリックとか、サイズ変更とか)を読み取ったうえで、しかるべき位置(修飾される文字列)の前後に置く必要があります。というタグの少し後に、というのがあると思います。スラッシュの付いているのが、いわゆる閉じタグで、そのタグの範囲の終了を示しています。

簡略化すると、こんな感じです。

Caution!
注意

残念ながら拙サイトに、タグ自体を詳しく説明しているコンテンツはありません。

ちなみに、docやpptは、Tradosで開くとタグ情報が複雑になりすぎます(しかも大半は無意味)。Tradosの使い始めとしては、HTMLファイルから手をつけたほうがいいかもしれません。HTMLファイルにもタグは出てきますが、こちらは調べればネット上で情報が見つかります。

投稿: baldhatter | 2012/08/02 7:56:13

帽子屋様
ご回答本当にありがとうございます。
貴重なお時間を申し訳ございません。

ファイル形式はrtf.ttxです。
この.ttxをStudio2011SP2で開いたら、sdlxliffに変換されました。
翻訳後これを元のtxxに戻そうといろいろ試していますが、
txxで保存してもsdlxliffに戻ってしまいます。
何かよい方法をご存知でしたらご教示ください。

Tagの件ですが、とかとか
などの違いはなく、
全てのタグがcfと表示されており、1セグメントに大量に入っています。時には1単語ごとにcfが挟まっているので、日本語と英語の語順の違いから、ほとんど翻訳不可能というケースもあります。

前のバージョンのTradosを知りませんので、
これが普通の状態なのかどうか不明です。
ただ、非常に訳しにくいです。

Trados真の初心者で、勉強しなければと思っています。
これからじっくり貴サイトで勉強させていただく所存です。
素晴らしいサイトをほんとうにありがとうございます!

Many thanks!!!

投稿: Trados初心者 | 2012/08/06 5:59:44

レスコメントがたいへん遅くなりました。

> 時には1単語ごとにcfが挟まっている

オリジナルファイルの種類によっては、そういうこともありますよね。まったく無意味なので、キットの作り方字体から考えなおしてもらうべきだと思います。私なら、ファイルを開いた最初の状態でまずそのように依頼し、もし変えてもらえないなら、その時点で断っちゃいますねー。

> この.ttxをStudio2011SP2で開いたら、sdlxliffに変換されました。
> 翻訳後これを元のtxxに戻そうといろいろ試していますが、
> txxで保存してもsdlxliffに戻ってしまいます。

2011本体でも何らかの対応があったかもしれませんが、ひとまず、OpenExchange(公開されているTrados StudioのAPIを利用して、Tradosと連携するツールなどをユーザーが開発して有償/無償で公開できるプログラムです)で公開されているコンバージョンツールを使ってみる手もあります。

http://www.translationzone.com/en/openexchange/AppDetails.aspx?appid=194

が使えるかもしれません(すいません、私も試してませんが)。

投稿: baldhatter | 2012/08/30 0:51:11

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