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2012.03.25

PCスキル - Microsoft Officeのおせっかい設定


Microsoft Officeは、翻訳業界でもほぼ標準のファイル形式(少なくともそのひとつ)で、Word、Excel、PowerPointは、好むこと好まざるとにかかわらず、避けて通ることのできないアプリケーションです。

特にWordとExcelでは、翻訳作業では邪魔になる初期設定があるので、インストールしたらまず、この"おせっかい"設定をオフにすべきです。

翻訳者のためのPCスキル講座、第2回として、Wordのおせっかい設定について説明しようと思います(Excelでもだいたい同じです)。

実は私の環境でも長い間、Officeは2003(まで)しかインストールしていなかったのですが、ちょうど新しいWindows 7マシンにOffice 2010もインストールしたところなので、そちらも併せて紹介します。


Word 2003の場合(それ以前でもほぼ同じ):
[ツール]→[オプション]
[ツール]→[オートコレクトのオプション]

Word 2010の場合(2007でもたぶん同じ):
[ファイル]→[オプション]
[ファイル]→[オプション]→[文章校正]→[オートコレクトのオプション]

Word 2003:
[ツール]→[オプション]→[編集と日本語入力]タブを選択します。

1203251

まず、[文字列の選択時に単語単位で選択する]は必ずオフに。デフォルトだとこれがオンで、任意の文字列を選択しようとしても単語単位になってしまいます。[段落の選択範囲を自動的に調整する]もオフがお奨め。[[貼り付けオプション]ボタンを表示する]も、ふつうは使わない機能なのでオフがいいでしょう。


Word 2003:
[ツール]→[オートコレクトのオプション]を選択します。

[オートコレクト]タブ
[入力オートフォーマット]タブ
[一括オートフォーマット]タブ

のオプションはすべてオフにします。

Office 2007以降では、例のリボンインターフェースがちょっとうざったいですが、このオプション変更については特に不自由ありません。

Word 2010:
[ファイル]→[オプション]→[詳細設定]を選択します。

おもしろいことに、Word 2003まではデフォルトでオンになっていた[文字列の選択時に単語単位で選択する]オプションが、Word 2010ではデフォルトでオフになりました。Microsoftさんのほうでも、つまりそういう認識に変わったということなのでしょう。

[段落の選択範囲を自動的に調整する]は、あいかわらずデフォルトでオンになっています。

切り取り、コピー、貼り付けについては、細かいオプション設定が増えましたね。これは、私も設定をいじってみてないので何とも言えませんが、有効に使えるかもしれません。


Word 2010:
[オートコレクトのオプション]は、[ファイル]→[オプション]→[文章校正]に移動しました。

1203254_2

これを開くと、設定項目は2003までとだいたい変わりません。

1203255

[オートコレクト]タブ
[数式オートコレクト]タブ
[入力オートフォーマット]タブ
[オートフォーマット]タブ

のオプションをすべてオフに。

ちなみに、Office 2010はまだあまり使っていないので、リボンがどのくらい不自由か、それをどう回避するかは、まだ模索していません。機会があればまたエントリにします。

08:00 午後 翻訳者のPCスキル | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2012.03.07

PCスキル - フォルダーオプション


最近、メールなどを通じて個人的に、あるいは翻訳学校の授業などで、Trados のことを人に説明する機会が増えましたが、Trados (あるいは他の翻訳ツール)だけでなく、そもそもの PC スキルをもう少し鍛えたほうが幸せになれるんじゃないかな、と思える場面が少なくありませんでした。

PC スキルがイコール翻訳の腕ということでは、もちろんありません。しかし、実際問題として今やどんな翻訳分野でも PC を使わないことはまず考えられないので、いわば道具について詳しく知ることは、やはり不可欠でしょう。

学校の受講生さんが何人かこちらを見てくれているということもあって、そんな PC スキルを少しずつここで紹介してみようかな、と考えました。ただし、すいません、Windows 環境の話だけです。

第 1 回は、Windows マシンを買ったらまっ先にやるべき、フォルダ/ファイルの表示設定の変更です。

Windows XP の場合:
[スタート]→[設定]→[コントロール パネル]→[フォルダ オプション]

Windows 7 の場合:
[スタート]→[コントロール パネル]→[フォルダー オプション]


余談ですが、カタカナ語長音の表記が変わっていますね。以下の説明では、長音ありとしました。それから、この間にもうひとつ Windows のバージョンがあったかもしれませんが、たぶん気のせいです。

[フォルダー オプション]で[表示]タブを開きます。

まず、少なくともこの設定は翻訳者に必須です。

1203077

[登録されている拡張子は表示しない]オプションをオフにします(デフォルトはオン)。拡張子はすべて見えるようにしておかないと、「HTML ファイルを開いてください」とか、「Trados のメモリーは 5 種類のファイルがセットです」という話が判りにくくなってしまいます。

(ファイル名を変えるときなどに)拡張子を誤って削除しないように配慮された設定なわけですが、Windows 7 ではファイル名をハイライトしても拡張子だけ保護されるようになったので、このオプションはもう安心してオフにしていいと思います。


これ以降は、現状の PC スキルと使い方によりますが......

1203076

[ファイルとフォルダーの表示]のオプションを[~する]にします(デフォルトは[~しない])。隠しファイル、隠しフォルダーというのは、ユーザーが誤って削除してしまうとアプリケーションなどが動かなくなるという類のファイル/フォルダーなので、デフォルトでは非表示になっているのですが、翻訳者が PC を扱う場合には、その手のファイル/フォルダーも見なければならない場面もあります。

最後は、ツリーのいちばん下にあるオプション。

1203075_2

[保護されたオペレーティング システム ファイルを表示しない(推奨)]をオフにします。

こちらは、オフにしようとすると警告が出るくらいで、上の「隠し~」よりクリティカルなファイル、誤って削除してしまったら最悪システム自体が起動しなくなるという性質のファイルです。ば非表示にしておきたいのは山々なのですが、インストールしたアプリケーションの設定などがここに隠れている場合があるので、やはり表示したいことがあります。

ふだんは非表示にしておいて、必要なときだけ表示するほうが無難かもしれません。

【緩募】
この最後のオプションを、フォルダーごとに設定できないものでしょうか。他は非表示でいいから、前エントリで書いた「All Users」のユーザープロファイルフォルダーだけ表示するとか。

10:00 午前 翻訳者のPCスキル | | コメント (0) | トラックバック (0)

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Windows 7 + Studio 2011


Windows 7 64bit マシンに、SDL Trados Studio 2011 と MultiTerm 2011 をインストールしてみました。

これは、現時点で最も標準的と想定される組み合わせのはずであり、もちろん正常に動作しますし、マシン性能もあって XP 上より動作もずっと快適です。ただし、64bit 環境でインストールプロセスがどうなるのか、という情報は、例によって驚くほど見つかりません。

ちょうどメールでその辺りの質問を受けたこともあったので、実際にインストールして確認した次第です。その結果わかったのは、SDL Trados Studio 2011 も MultiTerm 2011 も、

64bit にはネイティブ対応していない

ということです。64bit だからエラいということではないと思いますが、リリースされた時期を考えると、本気の具合を疑いたくなります。

Studio 2011 は、インストール先ディレクトリが表示されないままインストールが進みましたが、

1203071

このように、Program Files (x86) にインストールされることがわかります。

MultiTerm のほうは、インストール中にこんな画面でディレクトリが示されました。

1203072

やはり Program Files (x86) にインストールされます。

念のためにインストールガイドを調べてみると、インストールディレクトリはこのように書かれていました。

Studio 2011:
%ProgramFiles%\SDL\SDL Trados Studio\Studio2

MultiTerm 2011:
%ProgramFiles%\SDL\ SDL MultiTerm\MultiTerm9

%ProgramFiles% という表記は、プログラム格納ディレクトリを示す変数ですから、実際にはどちらとも明言していないことになります。

ところで、インストールガイドを見ていたら、ログファイルの格納先や一時作業ディレクトリとして

%ALLUSERSPROFILE%

という変数が出てきます。文字面から推測されるとおり、これはログインユーザーではなく共通ユーザーを表すユーザープロファイルディレクトリですが、これは Windows のデフォルト設定だと表示されません(システムフォルダとして保護されるため)。[コントロール パネル]→[フォルダー オプション]で設定を変える必要があります。

1203075

システム周りをいじる必要がないときは、表示しない推奨設定にしておいたほうがいいかもしれませんが。

ついでに別のことを確認しようとして、ファイルを開こうとしたのですが、*.doc ファイルは、

1203073

こうなってしまいました。「リファレンス」というのはただの参照用ファイルということで、翻訳対象になりません。

Excel ファイルも開けませんでした。

1203074

でも、このメッセージなら判りますね。はい、私の Windows 7 マシン、まだ Office が入ってなかったんでした。これはしかたがないですね。

08:48 午前 バージョン - Studio 2011 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2012.03.06

翻訳メモリーの中身の検索

★★
(SDL Trados 2007 までの話です。Studio アーキテクチャではだいぶ事情が変わります)

訳文セグメントに候補として示される訳文ではなく、

翻訳メモリーの中から訳文または訳の一部を検索

したいときがあります。というより、むしろ翻訳メモリーで本当に必要な機能はむしろこちらではないか、と私は思っています。センテンス単位の一致/類似ではなく、部分的な表現を合わせることにこそ、翻訳メモリーを使う重要な意味があると考えるからです(統一性が重視される翻訳の話です、言うまでもなく)。

翻訳メモリーを売る側も使う側も、実はこの点をあまりちゃんと判っていないんじゃないでしょうか。

メモリー技術の登場以来、センテンス単位の一致/類似と再利用性ばかりがアピールされてきたから、「文脈に合わなくてもセンテンスごとの対応が重要」みたいにガチガチな発想で運用されたり、「再利用性はそれほどない」と言われたりしている。

用語レベルは用語集(MultiTerm)で統一すればいい。センテンス単位を考えるのは翻訳者の仕事。その「はざま」にあるフレーズレベルの表現の模倣/統一にこそ、翻訳メモリーは真価を発揮するのではないでしょうか。

そう考えれば、翻訳セグメントに候補が出てくるのをただ待っているのではなく、積極的にメモリー内を検索すべきです。

Trados Workbench では[ツール]→[訳語検索]、いわゆる「コンコーダンス検索」がこの機能ですが、肝心のこの機能が、2007まではかなり使えないということを過去に何度か書いています。

参考リンク: Tips - 「訳語検索」

そこで、Workbenchの不十分な検索機能を補う方法を紹介します。メモリーをテキストファイルにエクスポートして、それを活用する方法です。

1. TM のエクスポート

Workbench の[ファイル]→[エクスポート]を選択します。フィルタを指定するダイアログが出ますが、それは気にせず[OK]をクリックします。ファイル保存ダイアログの[ファイルの種類]は、[Translator(s Workbench 7.x/8.x (*.txt)]にしておいてください(たぶんデフォルト)。その次の[Translator(s Workbench 2.x-6.x]でもだいたい同じです。その他の TMX- ではダメ。

※SDL Tradosが2007より前のバージョンだと、エクスポートテキストのフォーマットが以下の説明と少し違うかもしれません。


2. エクスポートファイルの加工

エクスポートしたテキストをテキストエディタで開くと、

原文が <Seg L=EN-US>
訳文が <Seg L=JA>

というタグで示されていることが判ります(これは英日の場合。他の言語なら言語コードの部分が違うだけ)。ただし、それが別々の行になっているので、たとえば秀丸エディタを使った grep 結果だと、原文か訳文のどちらかしか見えないことになります。そこで私は、

検索文字列 \n<Seg L=JA>
置換文字列 \t<Seg L=JA>

という全置換をかけて(正規表現オン)、1行形式に加工しています。


3. フォント情報の削除

元の翻訳時にフォントが混在していた場合には、エクスポートしたテキスト上にも、かなり複雑なフォント情報が残っています。たとえば、<em> という内部タグだけでも、

{\cs6\f1\cf6\lang1024 <em>}Notes{\cs6\f1\cf6\lang1024 </em>}

こんな具合です。ちなみに、フォント情報を消した元の情報は<em>Notes</em> だけです。

これが残ってると、あるはずの情報も検索できないことになるので、できればこのフォント情報も消してしまいたい。ちょっとややこしいですが、こんな置換をかけます(秀丸エディタでの指定方法です。正規表現オン)。

検索文字列 {\\[^{} ]+ \f[^{}]+\f} または {\\.*?+ \f.*?\f}
置換文字列 \1

いわゆる「タグ付き正規表現」というワザで、たとえば上の例で言えば、前後のフォント情報だけ削除して Notes の部分だけが残る置換です。ただ、フォント情報はいろんなパターンがあるので、これだけではキレイにならないメモリーもあるかもしれません。

注意: ここまで置換加工したテキストファイルは、たぶん Workbench に正常にインポートできなくなります。エクスポートしたファイルを加工するのは、あくまでも参照用に限定し、後からインポートするテキストファイルは加工しないように。


4. 実際の検索

テキストベースなので、十分に検索したい場合も、やはりエディタ上で正規表現を使うことになります。

このコンコーダンス検索機能がもっともっと充実していて簡単に使えるツールがあれば、翻訳支援としてはそれが最強かもしれません。

04:26 午前 Trados Tips, Trados 機能 | | コメント (18) | トラックバック (0)

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