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2011.07.27

T-Window for Clipboard

★★
前エントリで書いたように、SDL Open Exchange プログラムで比較的最近公開された(6/14)のが、この T-Window for Clipboard です。こちらの特徴と使い方については、SDL 公式ブログに詳しい記事がありましたので、そちらをご覧ください。

リンク: SDL Studio 2009の対象外ファイル形式でも翻訳メモリの使用が可能!SDL T-Window for Clipboardがリリースされました - SDL Japan

SDL Trados Studio 2009 SP3 がインストールされている PC であれば、MS Word とか TagEditor のように固定された翻訳作業環境ではなく、たとえばただのテキストエディタ上でも Trados メモリーを参照できるという、うまく使えばかなり便利そうに思えるアプリケーションです。

上の公式ブログ記事では「対象外ファイル形式でも~」と書かれていますが、対象ファイルであっても、たとえばすべてを翻訳するのではなく PPT ファイルの一部だけ Trados 翻訳したいという用途にも利用できます。

仕組みはわりと単純です。システムに常駐してクリップボードを監視しており、任意のエディタ上でコピー(=クリップボードへの格納)操作があったら、メモリーを検索し、結果を独自のインターフェース上に返します。利用できる訳文があったら、それもまたクリップボード経由で元のエディタ上に貼り付けられます。

さて、この T-Window、今回は Studio 2009 対応アプリケーションとしてリリースされましたが(対応するメモリーが *.sdltm 形式)、実は従来の Trados 環境に用意されていたレガシー機能の復活版です。

ご存じのように、Trados はバージョンアップのたびに対応ファイル形式が増えていきましたが、その途中過程では対応していないファイル形式がいろいろとあり、そのための、いわば一時しのぎ的に存在していたのが、T-Window シリーズでした。

たとえば、SDL Trados 2007 まででも最終的には Excel や PowerPoint のファイルが対応されましたが、それまでは T-Window for PowerPoint とか T-Window for Excel というモジュールが存在していました。

2007 Suite では、その一部が残っています。

110727_twin2_2

TWE.exe は T-Window for Excel
TWR.exe は T-Window for Resource
TWX.exe は T-Window for Exclusive

そして、

TWC.exe が T-Window for Clipboard。はい。今回の Open Exchange アプリケーションと同名のアプリケーション。こちらが本家で、[スタート]メニューのプログラムグループにも入っています。

110727_twin1

機能は Open Exchange 版とだいたい同じですが、こちらは 2007 対応なので、従来形式のメモリー(*.tmw)と連携できます。ただし、新しいだけあって Open Exchange 版のほうが機能も操作性も上でした。

2007 対応版は、たとえばこんな風に使います。

110727_twin3

このように、メモリーと任意のファイルを開いておき、(1)まず原文をコピーします。

110727_twin4

このように T-Window で検索結果が返されますが、(2)この既訳を使うには、もう一度コピー操作します。さらにめんどくさいのは、(3)上の状態が「セグメントを開いた」状態に当たり、次の翻訳に進むにはこれを「閉じる」必要があるということ。手間が多くて、操作性はけっこう悪いと思います。

かたや Open Exchange アプリケーションは、オプションでメモリーを指定するだけで、Trados 本体を起動する必要がありません。(1)エディタでコピー操作を行うとメモリーが検索されて T-Window 上に候補が表示される点は同じですが、

110727_twin5

(2)この状態でショートカットを使えば、既訳のコピーと「セグメントを閉じる」動作が一緒に行われます。これなら使う気になるかも。

実は、今回のセミナーで私も久しぶりにこの T-Window というモジュールの存在を思い出し、使えそうかなと考えたのですが、この記事を書くためにいろいろ操作していたら、結局このモジュールを使うことなく終わった理由を思い出しました。

クリップボード監視型の常駐アプリケーションって、どんな場面でコピー操作しても出しゃばってくるんですよ。やってみるとわかりますが、これって実は想像以上に不便です。辞書を引くときとか、コピー操作はとにかく頻繁。そのたびにメモリーを読みにいって T-Window が前面に出てくる。

いつまでも「常駐」させておくのではなく、ほんの一瞬だけ T-Window の機能を利用し、その後はすぐに終了させる --- そんな使い方でしょうか。

02:28 午後 Trados 機能 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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Open Exchange のセミナー


しばらく前に Open Exchange プログラムと、そこで公開されているいくつかのアプリケーションを紹介しました。

リンク: SDL OpenExchange のアプリケーション

昨日 7/26、この Open Exchange アプリケーションに関する公式のセミナーに行ってきました。ごく基本的な紹介でしたが、私も知らなかった情報がいくつかあって有意義でした。SDL さんの公式ブログにも簡単な記事があります。

リンク: 7月26日のセミナーが終了しました - SDL Japan

以下は、私の個人的なメモです。

T-Window for Clipboard

今回いちばんの発見、というか再発見。これについては次のエントリで詳しく書こうと思います。


SDL XLIFF Converter

前回のブログで私は、うまく動かなかったと書きましたが、それも道理。変換先のファイル形式は docx、つまり Office 2007 以降の Word ファイル形式なんでした。私の環境は今でも 2003 までで、docx はエクステンションで表示できるだけ。2007 本体がないと docx は生成できないのですね。


Excelling MultiTerm

MultiTerm の用語ベースを Excel に書き出し、 Excel 上で編集して書き戻せるツール。昨日のセミナー参加者は企業の方が中心だったので、会場ではこのアプリケーションはわりと反響があったようです。今回紹介されたなかでは、このアプリケーションのみ有料です(Professional が 1,500 EUR、Freelance が 300 EUR)。


SDL XLIFF Split/Merge

Studio 2009 本体でもプロジェクトをサブプロジェクトに分割できますが、標準ではファイル単位が最小限。つまり巨大なファイルをさらに分割することはできません。その機能を実現するアプリケーションです。これも企業ユースには需要があるかも。

01:00 午後 Trados 全般 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2011.07.23

QA Checkerプロファイルを解析してみました

★★★
解析、というほど大げさなものではありませんけど.....前エントリで書いたように、QA Checker 3.0 でもいちばん活躍すると予想される機能が[単語リスト]と[正規表現]なのですが、リストの読み込み/書き込み機能がないためルール定義をいちいち入力しなければならず、そこがいちばんのネックでした。

ただ、QA Checkerの設定ぜんぶを XML ファイルとして書き出す/読み込む機能はあって、その中に[単語リスト]と[正規表現]のルールも書かれているので、必要な部分だけ編集すれば何とかなるだろうと前から思っていました。

以下、QA Checker 3.0 での説明になります。2.0 以前の場合、XML ファイルの構造やタグは違うかもしれませんが、基本的な手順は同じです。

QA Checker 3.0 のルール設定(プロファイル)は、sdlqasettings という拡張子で保存される XML ファイルです。XML って、いろんな情報をテキストで操作できのは便利なのですが、構造を把握するのに苦労することがあります。特に困るのは、改行がまったくなくて、論理行の 1 行でだらだらーと続いちゃってる場合。*.sdlqasettings もそんな作りです。

1107221

そこで、XML ファイルを解析して、要素ごとにツリー構造で表示してくれる XML エディタで開いてみます(Internet Explorer などでも表示できますが、あまり見やすくありません)。

[単語リスト]の定義に当たる部分:
1107222

[正規表現]の定義に当たる部分:

1107223

[単語リスト]のほうは、

<Setting Id="WrongWordPairs">
  <ArrayOfWrongWordDef...>
    <WrongWordDef>

      (個々の定義)
    </WrongWordDef>
  </ArrayOfWrongWordDef>
</Setting>

という構造で、個々の定義が

<_CorrectWord>;ユーザー</_CorrectWord>
<_WrongWord>ユーザ</_WrongWord>

というペアです。

[正規表現]はもう少し複雑になっていて、

<Setting Id="RegExRules">
  <ArrayOfRegExRule...>
    <RegExRule.>

      (個々の定義)
    </RegExRule.>
  </ArrayOfRegExRule>
</Setting>

という構造で、個々の定義は、

<_Description>長音が必要なカタカナ</_Description>
<_IgnoreCase>false</_IgnoreCase>
<_RegExSource></_RegExSource>
<_RegExTarget>アクセサ\b</_RegExTarget>
<_RuleCondition>TargetOnly</_RuleCondition>
<_SourceRX xmlns:d3p1="..."true" />
<_TargetRX xmlns:d3p1="..."true" />

のように、もともとの定義フィールドが多い分、情報が多くなっています。<_RegExSource>< の行は定義が空ですが、これは原文に対する正規表現を指定していないから(訳文のみチェック)で、原文にもルールを指定する場合には、ここにも情報が入ります。

このような構造さえわかれば、後はこれに必要な定義を当てはめたリストを作り、XML 構造を壊さないように注意して貼り付ければオッケー。

たとえば、プリミティブですがわかりやすい方法はこれ。

1107224

このように Excel 表に元の構造を貼り付けて、定義の列(この場合は C 列と F 列)に必要なルールを貼り付け、タグの行を下方向にコピーするという方法です。後は、これをテキストに貼ってタブと改行を削除すれば出来上がり。

この秋には Studio 2011 がリリースされることが決まりましたが、QA Checker はどのくらい進化するのでしょうか。

09:45 午前 Trados 機能, バージョン - Studio 2009 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2011.07.22

QA Checker 3.0 はそれなりに使える

★★
QA Checker については、ちょうど 1 年くらい前に以前の記事で軽く紹介しただけでした。

リンク: 翻訳後のチェック - TagEditor の場合 - 検証機能

SDL Trados 2007 Suite の時点では QA Checker 2.0 でしたが、Studio 2009 で 3.0 になり、機能がいくぶん整理統合されました。今回はこの 3.0 をベースに書いていますが、2.0 でも基本は同じです。

なお、QA Checker 3.0 の設定ダイアログを開くには、2 つの方法があります。

[ツール]→[オプション]→[検証]→[QA Checker 3.0]
[プロジェクト]→[プロジェクトの設定]→[検証]→[QA Checker 3.0]

前者は Studio 2009 の既定設定、つまりいちど設定すると、それ以降に作成するプロジェクトに共通して適用されます。後者は、現在開いているプロジェクトにのみ設定されます。これを気をつけないと、「いくら設定しても反映されない」と慌てることになります。この原則は、実はいろんな場面で当てはまるので注意してください。

以下、QA Checker 3.0 の主な設定項目です。

[分節の検証]

110722_qa_1

[原文のままの分節と空白の分節]は、訳もれ防止に有効です。[原文分節と訳文分節の比較]のうち[原文と訳文が同一]は、文章の種類によっては必要以上にエラー報告が出るかもしれません。そのほかは特に実効性を感じません。

[分節の除外]

110722qa2

100% 分節を除外するとか、逆に既訳だけチェックしたいとか、そういう状況で使い途がありそうです。


[不整合]

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[不整合のある翻訳をチェックする]をオンにすると、いわゆる同英違和の訳文がチェックされます。[訳文内の反復語句をチェックする]は、たとえば「はは」のような助詞の重複を想定しているようですが、「かかわる」のような false positive が多数検出されてしまい、実用的ではありません。
[編集されていないあいまい一致をチェックする]は、ファジーマッチなのに訳文が編集されていないというエラーが見つかるので、これはかなり便利です。


[句読点]

110722qa4

「原文にピリオドがあるのに訳文に句点(。)がない」などのエラーを検出します([原文と訳文の文末にある句点の対応をチェックする])。検出には、原文と訳文の言語がきちんと考慮されます。[余分なピリオドとスペース]なども原文の状況によっては使えるでしょう。このなかで、使えそうで使えないのが[括弧のチェック]でした。開きカッコと閉じカッコの対応をチェックしてくれると期待したのですが、なぜか「開きも閉じもエラー」のような結果になります。


[数字]

110722qa5

これは基本的に使えます。ただし、たとえば英和の場合に原文が "January"、訳文が「1 月」だったりすると、やはり「訳文にしか数字がない」と怒られます。原文が "three"、訳文が「3」でも同様です。


[単語リスト]

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QA Checker でいちばん使い途が多いかもしれない機能です。記号類の全角/半角、漢字/かなの使い分け、訳し方が決まっている語句などはここで指定するといいでしょう。

ただし、上のショットでは「×ユーザ、○ユーザー」のような長音の有無を指定していますが、これは実はうまく機能しません。「ユーザ」と訳されている箇所については、「ユーザーが正しいですよ」と注意してくれますが、「ユーザー」と訳されていても、その中に「ユーザ」が含まれていると見なされ、「ユーザは正しくないですよ」と言われてしまうからです。これは、長音を処理するとき必ず考えなきゃいけない問題なのですが、この機能では対処できていません。次に挙げる「正規表現」を使う必要があります。


[正規表現]

110722qa7

これも、[単語リスト]と同じかそれ以上に実効性の高い機能です。設定のしかたはちょっと煩雑ですが、正規表現のエンジンは、ほぼ Perl 互換のようです(明記してある資料はないんですが......)。原文と訳文のそれぞれに正規表現を指定でき、原文と訳文のどちらにそれが出現するか、という条件も指定できます。

[単語リスト]では対応できなかった、カタカナの長音はここでチェック可能です。上のショットでは、
×アクセサ(長音が必要)
ということをチェックしようとしています。実は最初は アクセサ[^ー] と指定してみたのですが、なぜかこれがうまくいきません。どうやら訳文中の単語区切りが正しく認識されないらしく、「アクセサー」と訳してあっても、その中に「アクセサが含まれる」と解釈されてしまうようです(単語リストのときと同じ)。そこで、アクセサ\b という風に「アクセサ、で単語が終わっている」と指定してみたらうまくいきました。


[商標のチェック]

110722qa8

法律関係に煩い文章の場合に効果がありそうです。


[長さの検証]

110722qa9

用途として思いつくのは、リソースファイル(UI)を翻訳するときでしょうか。あるいは、吹き替えスクリプトの翻訳とか。


[QA Checker のプロファイル]

110722qa10

ここで、QA Checker の設定全体をエクスポート/インポートできます。

※UI の翻訳が間違っています。「インポートの設定」ではなく「設定のインポート」が正解。

さて、この最後のダイアログでインポート/エクスポートできるのはいいのですが、いちばん使えるはずの[単語リスト]と[正規表現]については、ルール定義をひとつひとつ入力しなければならず、たとえば Excel などの一覧をまとめて読み込むことができません。カタカナ長音の有無は[正規表現]でしか検出できないのですが、何百個もあるカタカナ語のリストを、この方法で指定するというのは非現実的、非常識でしょう。

さいわい、QA Checker プロファイルのエクスポートファイルは XML 形式なので、その構造を解析すれば、テキスト上で編集できます。それについては、次のエントリでご紹介します。

ところで、カタカナ長音のチェックであれば、MultiTerm 用語ベースと比較して訳語をチェックする[用語検証機能]が使えるはず、と思った方もいらっしゃるかもしれません。

これ、試してみたのですが、ダメでした。MultiTerm はもともと、表記のゆらぎを許容する(あいまい検索)ようにできているので、ユーザー/ユーザのようなゆらぎはチェックされないのでした。

11:46 午後 Trados 機能, バージョン - Studio 2009 | | コメント (4) | トラックバック (0)

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2011.07.19

SDL Trados Studio 2011 リリース、公式発表

いつもメールが届いている皆さんの手元には、すでにメールでお知らせが届きはじめていることと思います。そちらからアクセスできるページには、アップグレード価格などまで含めた情報が載っていますが、一般の情報サイトはたぶんこちら。

110719st2011

リンク: SDL Trados Studio 2011の概要

ウリとして書かれている内容は、だいたい前回のエントリどおりでした。

新規購入の価格はまだ明らかになっていませんが、アップグレード料金については、今のところ Studio 2009 からのアップグレードのみ設定されているようです。

SDL Trados Studio 2009 → Studio 2011 Freelance
SDL Trados Studio 2009 Plus → Studio 2011 Freelance Plus

35,000円
今なら 31,500円

Studio 以前の場合、2011 へのアップグレード料金としては設定されていませんが、

SDL Trados 2007 → Studio 2009 Freelance Plus
SDL Trados 2007 Suite → Studio 2009 Freelance Plus

50,000円
今なら 45,000円

となっています。今 2009 を買うと自動的に 2011 にアップグレードできるはずですから、実質的には 2007 または 2007 Suite から 2011 にも 45,000 円でアップグレードできるようです。メジャーバージョン 2 つ分のアップグレードでこの価格というのは、ふだんに比べるとかなりお得かもしれません。

10:43 午前 Trados 全般 | | コメント (4) | トラックバック (0)

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2011.07.16

SDL Trados Studio 2011 のことが少し見えてきた

先日書いたように、この秋リリース予定となった Studio 2011 の紹介 Webinar が始まりました。うっかり、予約していた回を聞き逃してしまったのですが、すでに録画が公開され、2011 の製品情報ページもアップされていました。

製品情報ページ:
Join the journey to SDL Trados Studio 2011!
(フリーランス向け)

Join the journey to SDL Trados Studio 2011!
(翻訳エージェント向け)

録画版 Webinar のページは、ご紹介してもアクセスできないかもしれないので割愛しますが、上記の情報ページのいちばん下にある

110716_sneak_1

ここから、概要紹介の PDF をダウンロードできます。

注意:
ただし、ブラウザによっては正常にダウンロードできない可能性があります(7/16 現在)。
以下をご参考にどうぞ(たぶん環境によって挙動は違います)。

Firefox の場合:
リンクをクリックしても右クリックから保存しても、ファイルに拡張子が付きません。自分で .pdf を追加すれば開きます。

Chrome の場合:
リンクをクリックするとダウンロード状態が終わりませんでした。右クリックから保存すると、正しく拡張子付きで PDF として保存されます。

以下、私が見た Webinar とこの PDF からわかった、現時点での概要をまとめてみました。

以下、SDL さんによるカテゴリなどは無視して羅列します。---> 以下が私のコメントです。


PerfectMatch 2.0
前後の文脈も加味して既訳を使う「100% マッチを超える 100% マッチ」、いわゆる PerfectMatch が、単語やフレーズのレベルからパラグラフ単位までさらに進化。
---> 具体的にどうなるのかわかりません。現状での実力すら、私は把握していませんし。


Track Changes
Microsoft Word の「変更履歴」に似た機能。ファイル上で編集履歴を確認できるようになります。しかもレビューファイルは Word と互換になるので、Studio 上ではなく Word 上でのレビューも可能になります(たしか、そのまま Studio に書き戻せるはず)。
---> 翻訳者ではなく主に QA レビューアが使うものですね。レビュー画面だけでなく翻訳エディタ画面でもこの機能が使えるなら、翻訳者にも使い途はありそうですが......

上の 2 つが今回の目玉のようですが、フリーランスの翻訳者自身にとってはあまりアップグレードのメリットが感じられません。


MultiTerm Widget
タスクバーに常駐する MultiTerm から、Google や Wikipedia などを直接検索。
---> 辞書ツールなどでも増えてきた機能。これはけっこう翻訳者寄りの発想ですね。


対応ファイルの拡大
OpenOffice ファイルなどが追加されます。また、Trados 2007 までスタンダードだった Word のバイリンガルファイルにも対応
---> OpenOffice 対応というのは Omega-T への対抗策かもしれませんが、それより注目すべきは Word バイリンガルファイルへの対応ですね。驚くなかれ、これって今まではできなかったんですよ。旧版の原典 Word ファイルとメモリーを 2009 に取り込んでバッチ処理することはできたのですが、すでにバイリンガル状態になった Word ファイルをそのまま 2009 で開くことは、今回ようやくできるようになりました。

たぶんこれ、2007(以前)から Studio への移行がなかなか進んでいない状況への対策の一環なんでしょうね。もう少し早くパッチなどで対応すべきでした(今回のこの機能で移行が進むかというと、それも未だに疑問ですが)。


ファイルまわりのシンプル化
Studio アーキテクチャでは、プロジェクトを作るとわけのわからない関連ファイルがたくさんできます。それがなくなってスッキリします。
---> Webinar で具体的に言及されていたのは File Type フォルダですが、それ以上の詳細はまだ不明。実際になくなるのではなくユーザーの目に触れない場所に移動するだけとか、そんなことだったらイヤですね。


ライセンス処理のシンプル化
私も過去に書いたように、ライセンス管理がちょっと煩雑です。その辺がちょっと整理されます。


インストール環境
これまでのように 2009 と 2007 を別々にインストールするのではなく一元化されるそうです。
---> ただし、この点は注意が必要かもしれません。ある意味ではいちばん重要かも。

A single, straightforward installation
Work without having to install SDL Trados 2007 separately

と PDF には書いてあります。これまでの Studio 2009 には、レガシーである SDL Trados 2007 のライセンスも自動的に付いてきました。これは、以前からのユーザーへの配慮というだけでなく、アーキテクチャの移行が完全でなかったために、たとえば以前のデータをコンバートするためだけでも 2007 がまだ必要だったという面もあったからです。

それが今回から「2007 は不要になる」ということは、つまり旧版データ(*.tmx など)のコンバートなどもすべて Studio 環境だけで対応できるようになるのだと考えられます。それはすなわち、

SDL Trados 2007 が付属しなくなる

ことを意味しています。

翻訳業界では実際、まだまだレガシー環境が主流です(2009 案件も以前に比べれば動いているようですが、私個人は未だに直接受注したことがありません)。しかし、Studio 2011 で初めて Trados を買った場合、2007 が付いてこないので、レガシー案件への対応はちょっと煩雑になる可能性があります(まったく不可能ではないはずです)。

気になるアップグレード料金については、Webinar の最後で以下のように紹介されていました。

- 今 Studio 2009 を買うと、2011 に自動的にアップグレード。トレーニング特典もあり。

- 今年の 1/1 から 6/30 に買った人には、"special discount" が適用される

ということは、6/30 を過ぎて買った人の場合は、「今」に該当すると考えていいのかな?
(たしか、Twitter 上でそんな方がいらっしゃいました)

05:35 午前 Trados 全般 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2011.07.12

SDL Trados Studio 2011 登場間近の模様

SDL ジャパンには特にそんな動きは見えませんが、こちらのブログに SDL Trados Studio 2011 の情報がありました。

リンク: Trados Studio 2011 Is Coming… « My Migration to Trados Studio 2009

この秋リリース、だそうです。「今 2009 を買えば、2011 には自動でアップグレード」とも書いてあります。既存の 2009 ユーザーだとアップグレード料金はどのくらいになるんでしょうね(今のところあまりその予定なし)。

そして、本家では 2011 に関する Webinar も公開される予定です。

リンク: SDL Translator Events

A sneak peek at SDL Trados Studio 2011 - session 1
14 Jul 2011, 10:30 - 11:00

A sneak peek at SDL Trados Studio 2011 - session 2
14 Jul 2011, 15:30 - 16:00

A sneak peek at SDL Trados Studio 2011 - session 3
19 Jul 2011, 08:30 - 09:00

A sneak peek at SDL Trados Studio 2011 - session 4
21 Jul 2011, 16:00 - 16:30

A sneak peek at SDL Trados Studio 2011 - session 5
26 Jul 2011, 09:00 - 09:30

A sneak peek at SDL Trados Studio 2011 - session 6
26 Jul 2011, 16:00 - 16:30

30 分ずつで、セッション 1 から 6 まで並んでますが、これ同じ内容のリピートなのか、シリーズものなのか、どっち?

12:44 午後 Trados 全般 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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