翻訳後のチェック - Word の場合 - omiso.dot
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今までばらばらに話題にしてきましたが、Trados 翻訳後のチェックツールについてまとめておきます。TagEditor の検証機能がある程度使いものになってきた、というのが理由のひとつでもあります。
最初に、Workbench + Word を使用する場合。omiso.dot という Word テンプレートを使いますが、入手は困難になってしまいました。Word 上で直接使える形式で同等の機能を持つツールは、今のところ確認できていません。
※omiso.dot を開発なさった方に直接連絡をとることはできませんでしたが、間接的に「自由に配布していい」という許可をいただきました。引き続き、ご希望の方は私までメールでご連絡ください。
訳終了後の doc ファイルや rtf ファイルに対して、次のようなチェック機能があります。
「英日比較」
以下のチェックオプションを設定でき、ログを Excel 形式とテキスト形式で出力できます。
・タグの不一致1
・数字の不一致
・原文と訳文で極端に長さの異なるセグメント
注意1: タグは原文と訳文で完全一致していないとエラーとして出力されるので、タグの属性値(たとえば alt 属性の値)を訳出していると、エラーとみなされます。
注意2: 数字も完全一致が検証されるので、たとえば原文で one、訳文で 1 だったりするとエラーとみなされます。
「訳抜けチェック」
文字通り、訳抜けをチェックします。
注意3: 数字のみのように、Trados で通常はセグメントにならないため原文として残るような箇所もエラーとみなされます。
注意4: こちらはログを出力するのではなく、該当箇所があるたびに画面に警告ウィンドウが表示されます。しかも、いちど停止して再度実行すると、またファイルの先頭からチェックを始めてしまいますので、使い方にはちょっと工夫が必要です。
「ルールチェック」
スタイル違反などをリストにしておき(○ヘッダー、×ヘッダ)など、訳文に該当する違反があったら警告します。ログの出力形式は Excel。
注意5: 正規表現には対応していないため、リストでの指定に限界があります。
「用語チェック」
英和対応の用語集リストを作成しておき、その用語が使われているかどうかをチェックします。ログの出力形式は Excel。
注意6: こちらも正規表現に対応していないため、リストでの指定に限界があります。
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上の注意でも書いたように、「ルールチェック」と「用語チェック」は正規表現対応していないため、よほどうまくリストを作らないと実用性がありません。私も、使っているのは主に「英日比較」の機能だけで、ほかは独自の Perl スクリプトに頼っています。
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コメント
このくらいのチェック+正規表現対応くらいなら、開発はそれほど難しくないと思います。
今、作る場合に問題となるのは、2007でVBAが大きく変わったらしい点でしょうか。変化の具合によっては、まったく別個に作り直すくらいの手間になってしまいます。かといって、今の段階で2007以降という限定にはできないでしょうし。
投稿: Buckeye | 2010/06/29 7:16:32
> 今の段階で2007以降という限定にはできない
そうですね。周りの方々でもまだまだ Office 2003(まで)が主力のようで、ときどき 2007 形式のファイルにお目にかかるくらいです。そうこうしているうちに 2010 も出ちゃうし...ということを考えても、今からわざわざ Word 固有形式への対応にエネルギーを使うのもどうかなぁ、というところですね。
omiso.dot の内容を確認して、同等の機能を別のファイル形式対応で再実装するほうが正解かもしれません。
投稿: baldhatter | 2010/07/01 19:10:52
Omiso.dotを共有していただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿: コバヤシ | 2014/04/19 10:56:19