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2009.09.16

翻訳メモリの是非

(オリジナル投稿 2008/7/2)☆

Buckeye さんのところで翻訳メモリ(以下、"TM")についてコメントが続いています。

こういう流れになるのなら、Buckeye さんのブログではなく、それこそ翻訳フォーラムで展開した方がいいと思うのですが、とりあえず私個人の見解はこちらに書いておこうと思います。

まずツールを論じるときの大前提(当たり前のことだけですが)。
- 機能と運用は切り分けて考える
- 用語を常に整理する

翻訳メモリを使うからといって、「どの文脈にでもそれなりにはまる訳文にする」ことはありませんし、そう要求されたこともありません。(コメント欄より)

これはクライアントや翻訳ベンダーによって(場合によってはそれぞれの担当者レベルによってさえ)かなり事情が変わってくる、運用面の話です。

「どの文脈にでもそれなりにはまる訳文にするよう」要求されたことが今までないというのは、ある意味でラッキーだったと言えるでしょう。私が接したことのある事例だけでも、「日本語の自然さを多少犠牲にしても利用率と最終的なコスト削減が優先」と考えるクライアントもあれば、「読みやすさを考慮してください」という方向性を堅持しているクライアントもあります。多くの場合その差は各社の台所事情からくるようですが、会社によって翻訳やローカライズに関する文化はこんなに違うのかと痛感しました。

ローカライズの場合、一番の問題点は、その肝心の「文脈」が翻訳者に見えにくい、という点(コメント欄より)

これは、ローカライズ作業の代表である UI (ユーザーインターフェース)などの翻訳のみを指しているように思われます。たしかにあれは、文脈など皆無の世界であり、それゆえの誤訳・珍訳はいろいろと例に挙がってきました。UI 翻訳は、「翻訳」の中でもかなり特殊部門であって、一般の翻訳論はほとんど通用しないと考えています。

一方、マニュアルやヘルプであれば文脈は間違いなく存在していますし、それは単純な操作系の説明であってさえそうです(だからこそ、前エントリの to 構文のような話にもなる)。

要は、あらゆるツールがそうであるように Trados だって「使い方しだい」ではあるのですが、この話は項を改めます。

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さて、Trados と Wordfast の訳語検索の話。
Wordfast は、かなり前に講習を受けたことしかなく、今回は製品をダウンロードしてちょっと確認してみただけなのですが、たしかに検索の機能は Trados より優れているようです。というより、むしろ Trados の検索機能がショボすぎるのですね(参照: 禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # TRADOS - 「訳語検索」の Tips)。だからこそ、テキストにエクスポートして grep という原始的な手段に頼らざるをえない。訳語検索のエンジンに、せめて Google 検索なみの解析機能があればと思います。

しかも、訳語検索のお粗末さはごく初期のバージョンからいっこうに変わっていませんから --- ただし最新バージョンは未確認 --- 、これからも機能向上はあまり期待できないのでは、と思っています(SDL とか Idiom の機能を取り込んでいくのかもしれませんが)。

09:15 午前 翻訳メモリー |

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