2017.12.11

# 「脱・辞書の持ち腐れ」セミナー、東京と大阪で開催

ここ数年、翻訳者としてどんな辞書を、どんな環境でそろえればいいのか、それぞれの辞書にどんな特長があるのかといったことを、あちこちで話したり書いたりしてきました。


せっかく辞書をそろえたら、

実際にどう使いこなして翻訳に活かすのか

ということも考えないといけません。そこで、そんなテーマで新しい辞書セミナーを開催します。


しかも、共通するテーマで形式の違うセミナーを

東京と大阪で開催

するという連続企画になりました。


東京編は来年2月4日(日)、翻訳フォーラム・レッスンシリーズの#8として開催。

大阪編はその1か月後の3月2日(金)に、JTF関西セミナーの第4回として実施。

どちらも、私ひとりではなく、深井裕美子さんとのデュオでお送りします。


リンク:「脱・辞書の持ち腐れ《50Hz》~お題に挑戦~」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#8)

リンク:「脱・辞書の持ち腐れ《60Hz》~どの辞書をいつ引くか~」(JTF翻訳祭関西セミナー)


東京・大阪とも、申し込みはすでに始まっています。来年の話ではありますが、興味のある方はお早めに!

特に、東京のレッスンシリーズは人数限定のワークショップ形式で、だいぶ席が埋まりつつあります。

すぐ上にも書いたとおり、レッスンシリーズのほうはハンズオン形式です。

事前課題もあり、当日も例題をいっしょに考えていきます。

「売っている限りの辞書を手に入れて、一瞬で引けるように辞書環境を整えたのに、思うような結果が出ない」「他の人はさっと調べ物ができるのに、わたしは時間がかかって、しかも結果が芳しくない」こういうお悩みはありませんか。
今までレッスンシリーズでは「辞書の選び方」「辞書環境の整え方」を取り上げてきましたが、今回は具体的に「どんな辞書」を「いつ」「どうやって」引くかがテーマです。
事前にお知らせする簡単な「お題」について、参加者の皆さんそれぞれの環境で調べてきていただき、ワークショップ形式でその筋道を比較検討します。また、翻訳作業中に遭遇しがちな辞書引き事例をいくつか取り上げ、「紙辞書」「電子辞書」「CD-ROM辞書」「アプリ辞書」「オンライン辞書」等、さまざまな辞書環境での調べ方をお話しします。
(レッスンシリーズ#8の紹介より)

先日の翻訳祭にもご登壇くださった関山健治先生のこの本と、

翻訳フォーラムメンバーによるこちらの本をあらかじめ読んでおくと、いっそう理解が深まるはずです。

一方、関西セミナーのほうは、いつものような講義形式になります。

翻訳者と辞書は切っても切れない関係だ。優れた辞書を複数手元において、頻繁に参照することは、とても大切である。一方、辞書は数を揃えればいいというものでもない。上手に使ってこそ、辞書が生きてくる。 本セミナーではまず、どの分野の翻訳者も必ず持っていたい辞書は何か、どのようなプラットフォームで揃えるのが良いかといった、辞書の基礎情報について簡単に説明する。
さらに、「いつ」「どの辞書を」「どの単語で」「どのようにして」引くかを、実例を出しながら解説し、「紙辞書」「電子辞書」「CD-ROM辞書」「アプリ辞書」「オンライン辞書」等、さまざまな辞書環境を組み合わせた調べ方についての情報を提供する。
これから辞書環境を整え始める初学者・初心者はもとより、すでに仕事をしている方たち、ベテランの皆さんにも、ぜひご参加いただき、「原文を正確に読む」「原文の内容を過不足なく訳文に記す」という翻訳技術の向上にお役立ていただきたい。
(JTF案内ページより)


事前課題はありませんが、お伝えしたい基本は同じです。

形式が違うので、東京と大阪、両方お聴きくださっても、損はさせません!


深井と帽子屋の辞書引きに関するノウハウを全力でお伝えしようと、今からいろいろと仕込んでいます。

乞うご期待!

12:13 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.12.08

# 第27回JTF翻訳祭、補足その他

翻訳祭交流パーティーの後は、いつもであれば事務局が二次会を設定しているのですが、今年はもう好き好きにどうぞということで、敢えて設定しませんでした。


私は、1コマ目にご登壇くださった柴田耕太郎先生たちが集まる少人数の席のご相伴にあずかりました。

「(7月に亡くなった)田中さんがとっておいてくれた日本酒を預けてあるお店があるんです」

ということだったので、神楽坂のお店にお邪魔し、田中さんに献杯。とても美味しいお酒でした。

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偶然ながら、同席した女性のひとりも同学でしたが、私の大学時代の同級生に教わったという世代でした(それでもまだ西ヶ原の世代ではあったそうです)。これも、田中さんのお引き合わせだったとしか思えません。

さて、第27回JTF翻訳祭については、ご参加くださった方がブログやTwitterでいろいろと感想やレポートなどをあげてくださっています。全部はカバーできていないと思いますが、以下にご紹介しておきます。

漏れがあったら教えてください。

※12/11追記あり


翻訳祭に関するツイートのまとめ

リンク:togetter「第27回JTF翻訳祭まとめ」

翻訳祭1週間前の11/21から、今のところ12/5までのツイートがまとめてあります。

テリーさん、ありがとうございます。


ご参加くださった方々のブログ

※順不同です。


村井理子さんのブログ

リンク:翻訳祭、その他
リンク:20171204 雑記

滋賀県からご登壇くださった、村井理子さんのブログです。

先に何が起きるのか心配するのは、それが起きるであろう5分前で十分だと私は思う。

翻訳祭のセッションでもこのように語られていたそうで、Twitterでもたびたび引用を見かけました。一緒にご登壇くださった、編集者の伊皿子さんも、ありがとうございました!

「雑記」のほうは、翻訳祭に来てくださった児島修さんに関する、村井さんの連続ツイートが引用されています。こちらもぜひお読みください。


Sayoさんのブログ

リンク:屋根裏通信 JTF翻訳祭2017

昨年は、翻訳業界を下支えする翻訳者視点から翻訳祭を考えてみようという、全体的なバランスを考えながら「原点回帰」を試みた年だった(らしい)と記憶しています。
今年は、もう少し広いところから、翻訳と業界を考えてみようという感じになっていたような気がします。

委員会の意図がちゃんと伝わったんだー、と思えるうれしい総評でした。この後にも、Sayoさんが聴講なさった4つのセッションについて、怒濤の投稿が続いています。

リンク:屋根裏通信 JTF翻訳祭 セッション1 「翻訳教育のススメ」
リンク:屋根裏通信 JTF翻訳祭 セッション2 「翻訳の過去・現在・未来」
リンク:屋根裏通信 JTF翻訳祭 セッション3 「書籍を訳すという仕事」
リンク:屋根裏通信 JTF翻訳祭 セッション4 「出版翻訳入門 ~産業翻訳からのアプローチ~ 」
リンク:JTF翻訳祭 おまけ

Sayoさん、ありがとうございます!


Gravity_Heavenさんのブログ

リンク:2017年翻訳祭(1)まっとうであること
リンク:2017翻訳祭(2)こころと、からだ
リンク:2017翻訳祭(3)わがままな翻訳者

1と3は、Sayoさんと同じセッションですが、まったく違う切り口、語り方をお楽しみください。

つまるところ、当たり前のことを当たり前にやるしかないんです。原文の情報をそっくりそのまま、日本語として正しく伝えること。「これだったら機械翻訳でもいいじゃん」と言われるようなミスをしないこと。読み手に「読んでよかった」、「楽しかった」、「参考になった」、「翻訳された情報のおかげで契約が結べた」と思っていただける翻訳をするしかないんです。

こういい感想がいただけるのも、とてもうれしいですね。当たり前がいかに大変か……。


あきーらさんのブログ

リンク:技術者から翻訳者へのシルクロード:人にたくさん会ってきた(十人十色セミナー+翻訳祭+宴×2)

リンク:「二足の草鞋」時代の自分が今回の翻訳祭に出席していたら何を聴講しただろう?

1本目は、前日に開催された十人十人十色の前夜祭に関するレポートもセットです。2本目は、実にあきーらさんらしい視点の記事。

今回聴講した4講演とすべて異なる。ただ、上記の4講演は、今回聞いてみたいと思ったのも事実。それだけ、今回のプログラムが実務翻訳者にとって関心を呼ぶものであったこと、実務経験の多寡にかかわらず魅力を感じる講演が多かったことを物語っているのだと思う。

なるほど~。こういう見方をしたことはありませんでした。


テリーさんのブログ

リンク:翻訳祭:ミニ講演会登壇報告

初めての試みであるミニ講演会に、テリーさん自ら登板してくださいました。さぞ、「超高速」だったのだろうと思います ^^


映像翻訳者集団 Tri-Logue のブログより、chocoさんの投稿。

リンク:Tri-Logue: 遅ればせながら…今年も参加しました『JTF翻訳祭』と『前夜祭』

映像翻訳のプログラムをなかなか用意できず、申し訳ありません。それでも、

そして、何よりありがたいのは「刺激」を与えてもらえることです。翻訳祭の帰り道には、いつも心の中で自分会議。今回も学びがいっぱいでした!

こうおっしゃっていただけるのは、ありがたいことです。


ローズ三浦さんのブログ

リンク:翻訳祭のミニ講演会の御礼&発表スライドの公開 - 機械学習/ディープラーニング/AIと翻訳

ミニ講演会にご登壇くださった三浦さん。AI翻訳者への道まっしぐら。


主婦ときどき出版翻訳さんのブログ

リンク:JTF翻訳祭 感想 ~出版翻訳は儲からないけれど~: 主婦ときどき出版翻訳 ~千里の道も一歩から~

前エントリでも書いたとおり、今年は意図的に出版系を増やしたので、こうして出版翻訳の方がご報告くださっているのは、実にありがたいと思います。


つくしさんのブログ

リンク:出会い(2017年翻訳祭、その1) : ことりのうたに耳を澄まして

今年は、昨年できなかったこと…ほかの参加者の方との交流…ができたらいいなと思い、翻訳者という看板をやっと掲げたところという私、かなり勇気がいったのですが(超緊張)懇親会まで参加させていただきました。経験年数や年齢、立場や所属(講演者、翻訳会社、クライアント、翻訳者、学習者…)などを問わずお話できる機会というのはとても貴重で、ありがたいことだなと思いました。

これからも、翻訳祭がこうおしゃっていただける場であり続けてほしい、と切に思います。


Shinako Komoriさんのブログ

リンク:JTF翻訳祭のボランティアに参加して

ボランティアだけで、午後のセッションはお聴きになれなかったとのこと。運営にご協力くださり、ありがとうございました! またの機会にゆっくりお聴きください。


カセツウさんのブログ

リンク:JTF翻訳祭で講演してきました

カセツウ代表の酒井秀介さんは、ミニ講演会にご登壇くださったほか、午後はボランティアとしてもご協力くださいました。ありがとうございます! 私自身は拝聴できなかったので、今度どこかでまた、ゆっくりお話を聞かせてください。


テクノプロさんのブログ

リンク:第27回JTF翻訳祭 ミニ講演会のスライド資料 – トライアルに合格していただくために (Hiro)

梅田社長と加藤泰さんも、名コンビでミニ講演会に駆けつけてくれました。いつもありがとうございます。m(__)m


ぽつりと気ままにblog…☆さんのブログ

リンク:翻訳祭2017年を終えて

専門はITって言ってるし、その分野は好きなんだけど、かと言って専門性がめちゃめちゃ高いわけでもないのに、変な情報を公式に発信したらブランディング的に単にマイナス印象なんじゃないかとも思うし、実際そうだと思う。

こういうお悩みをおもちの翻訳者さんは、とても多いはずです。そういう方々に、翻訳祭が少しでもヒントになれば……と思います。


真栄里さんのブログ

リンク:楽しかった翻訳祭(JTF)! | 株式会社 英文契約サポートセンター沖縄|Contract - JAPAN

電車のない沖縄とは違って、東京では、終電間近になると店から一気に人がいなくなる…。 終電というものがない沖縄では、飲みたいだけ何時までも店にいることができるので、終電に合わせてサッと帰る東京の方々は凄い!と思います。

そうなんですか!

いつの日か、沖縄で呑みましょう!


KIZUNAさんのブログ

リンク:JTF翻訳祭(11/29)に行ってきた。 - ニューイングランド師匠

それはそうとして、よく笑う中山さんってキュートな方だ。

同感です。講演は聞けませんでしたが、ご挨拶だけはできました。


まゆみさんのブログ

リンク:JTF翻訳祭

たった10分なのに、こんなにわくわくするお話が聞けるなんて (^^)

通訳案内士をめざして学習中の方だそうです。ミニ講演会、やってよかった。


Memsourceさんのブログ

リンク:JTF翻訳祭 2017 と MEMSOURCE ユーザー交流会のお礼とご報告

書いてるのは、たぶん加藤さんですよね?

Memsource、最近ほんと急上昇中。


ヨシダヒロコさんのブログ

リンク:第27回翻訳祭ミニ講演会『専門外から生物・バイオ系を武器に ~メディカルの基礎にも』資料(1)プレゼン資料(2017/11/29、アルカディア市ヶ谷)
リンク:第27回翻訳祭ミニ講演会『専門外から生物・バイオ系を武器に ~メディカルの基礎にも』資料(2)書籍情報など(2017/11/29、アルカディア市ヶ谷)

こちらも、ミニ講演会にご登壇くださった方のブログです。

いろいろな方に発表の場を提供したい、という考えで新設したこの企画。やはりやってみて正解でした。ヨシダさんの記事、特に2つ目はそのまま資料になりそうですね。ありがとうございます。


みなさん、ツイートや記事の投稿、ありがとうございました。

08:33 午後 翻訳・英語・ことば, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

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2017.12.07

# 第27回JTF翻訳祭、終わりました!

(なかなか時間がとれず、1週間も経ってしまいました……)

かねてからご案内していたとおり、さる11月29日、日本翻訳連盟主催の「第27回JTF翻訳祭」が開催されました。

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ご参加くださった方の声を聞いたり、その後のブログやツイートを読んだりしたかぎりでは、ひとまず好評のようです。

これもひとえに、実行委員会と事務局のみなさん、当日のボランティア、登壇者のみなさま、そして何より、朝早くからご参加くださった皆さまのおかげです。

あらためて、厚くお礼を申し上げます。


「個人翻訳者にもっと足を運んでもらおう」

という方針のもと、昨年は委員のひとりとして、今年は委員長として2年にわたり翻訳祭の準備・運営に携わってきました。

昨年も今年も、その趣旨に見合ったコンテンツをどうにかそろえることができたようで、

個人翻訳者の目をJTFに向ける

という役目は、ひとまず果たせたのではないかと思っています。


昨年は、前年比で個人翻訳者の参加が2倍になるなど大きい目標は達成できた反面、会場の制限もあって、運営面にいろいろと悔いや課題が残りました。

また、内容面でも、もっと魅力的なコンテンツを用意したい、業界全体が盛り上がるイベントにしたいという欲が出てきました。

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(第27回JTF翻訳祭パンフレットより)

そのための核になるもの、翻訳者と翻訳業界を支えているものは何だろう――そう考えて出てきた答えは、やはり「言葉」でした。今年のテーマに委員会一同が込めたのは、そんな思いです。


思いがかたまったとき、コンテンツの方針も自ずと決まり始めました。


出版翻訳のセッションは絶対に入れよう。

結果的に、出版系としては2つのセッションが実現。委員でもある井口耕二と松丸さとみが、"徹子の部屋"風の対談をやってのけてくれました。

そして、村井理子さんと編集者の伊皿子さん! このお二人をお呼びできたのは、今年の翻訳祭でも特に大きい成果だったと思っています。

もともとは同じく出版系というつもりでお呼びした柴田耕太郎さんは、私たちの予想を超えた「翻訳教育」という枠で「翻訳」を語ってくださりました。


ひとりでも多くの方に、業界へ向けて何かを発信してもらいたい。

そんな思いつきから、「10分間ミニ講演会」というのも、初めて企画してみました。はたして応募はあるのか――そんな不安をよそに予想以上の反応があり、1コマ予定だったこの企画を、急きょ2コマとしました。結果的には、これがなかなかおもしろかったそうで(私は見られませんでした)、今後も少しずつ形を変えて続けていけそうな手応えがありました。


通訳のセッションも充実させないと……。

JTFの約款に通訳も加わったため、昨年から通訳のセッションは増えています。

今年は、日本会議通訳者協会の関根マイク氏に早くから協力を依頼し、単に通訳という枠ではなく「通訳者への転身」(白倉淳一さん)、「大学と通訳翻訳業界の連携」(松下佳世さん)という魅力的な内容をそろえていただきました。

そのマイク氏ご本人も、「ぶっちゃけるので運営による録画も禁止」というくらいの過激さで、個人翻訳者の営業について語ってくれました。


「言葉」がテーマなら、やっぱり辞書の話を入れたい……。

そんなことを考えていた折も折、以前このブログでも紹介した『辞書マイスターへの道』という本が出ます(7月)。

さっそくコンタクトをとった関山健治先生が快諾してくださり、このセッションは私が自ら司会も務めました(8月には一度お会いし、翻訳祭の2倍以上の時間、個人的にお話を伺いました。ささやかな役得)。


これからの翻訳を考えるなら、翻訳の歴史を振り返ろう。

今年の5月に"チラ見せ"だった、高橋さきのさんの翻訳史をロングバージョンで再演してもらいました(深井裕美子さんのナビゲーション付き)。


そのほか、フリーランスにとって大切な「お金の話」(古川智子さん)や、「中国語翻訳の品質管理」(村井見栄子さん)などは、今までの翻訳祭になかった異色のセッションです。一方、"定番"としておさえたのが、新田順也さんの「Office製品の活用術」。


機械翻訳についても、2つのセッションを用意しましたが、予想どおり、どちらも立ち見が出るほどの盛況でした。


日英翻訳の需要も大きいようで、朝いちばんにもかかわらず、ベンジャミン・トンプキンスさんのセッションは超満員。今まで西日本でご登壇になったことは多かったものの、東京では初開催というのも一因でした。

一方、キャパとして限界に近づきつつある会場の混雑をどうするか、というのが、今年の委員会にとって最大の懸念材料でした。

そこで、昨年のMaxより大きい部屋を用意したうえで、「時間割と会場は後から決める」という思い切った方針に踏み切りました。そのために、事前にはセッションの内容だけをご案内し、セッション聴講アンケートの様子を見ながら、後から時間割を決め、会場まで決定したのは、11月なかばとなりました。

お申し込みの段階でタイムテーブルが分からないということで、皆さまにはご不便をおかけしましたが、結果的には、この方針が功を奏したように思います。幸いなことに、同じ会場、ほぼ同数の参加者数にもかかわらず、昨年のような大混乱はなく当日を乗り切ることができました。


今年は、思い切ってパンフレットのデザインも一新しています。昨年までと大きく変わったパンフレット、いかがだったでしょうか。

このパンフレットをデザインしてくださったのは、JTFジャーナルの編集、デザイン、レイアウトにも協力してくださっている、Charlie's HOUSEの "チャーリー" こと、中村ヒロユキさんです。

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そして、来年の第28回JTF翻訳祭は、なんと

京都で開催

することが決まっています。今回の交流パーティーのとき、正式に発表されました。日程は、

2018年10月25~26日

です。東京以外での開催というのも初めてなら、2日間(実際は1.5日間)というのも初めてです。

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まだJTFサイトはオープンしていませんが、Facebookページができています。

第28回翻訳祭

コンテンツはこれから決めていくわけですが、目玉として、

飯間浩明さん

のご登壇がすでに決定しています!


というわけで、第27回翻訳祭にかかわったみなさん、ありがとうございました!

そして、第28回翻訳祭も、どうぞ、お楽しみに!

07:36 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (2)

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2017.11.27

# 第27回JTF翻訳祭、Tipsの追加

翻訳祭にご参加になる、特に初めての方に向けて、いくつかTipsを追加します。



会場の移動

受付は3Fですが、講演・パネルディスカッションの会場は5Fと6Fです。

移動には、エレベーターか階段を使うことになりますが、エレベーターは2基しかないため、休憩時間にはそれなりに混み合います。

階段のほうが早そう……なのですが、実は階段もあまり広くありません。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、早めの行動が吉です。


お手洗い

休憩時間、もっと混み合うのが女性用のお手洗いです。

そこで今年は、

3Fのみ、男子用も女子用

として使うことにしました。不十分ではありますが、すこしはマシになるのではないかと思います。

逆に、3F翻訳プラザにお越しの男性は4F以上、もしくは1F、2Fをご利用ください。


座席について

どのセッションも、お席は椅子のみで、机はありません。

ノートPCやタブレットを使ってメモをとることをお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、その場合は文字どおりラップトップで使っていただくことになりますので、あらかじめご了承ください。


セッション中の退席について

セッションの途中でご退席いただくのはかまいません。講演者や、他の参加者も軽くご配慮くだされば幸いです。


SNSへの投稿、ツイート

翻訳祭の様子や各セッションの内容など、SNSへの投稿やツイートは基本的に自由です。

ただし、登壇者の希望によっては、ツイート等を控えてくださるようお願いするセッションもあります。その場合は、なにとぞご協力のほど、よろしくお願いいたします。

Twitter公式タグは、

#2017JTF

です。

ただし、会場にWi-Fiの用意はありません。

01:14 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.11.25

# 翻訳祭、セッションのタイムテーブル、会場入り

第27回JTF翻訳祭、会場まで確定したタイムテーブルを作成しました。


一昨日の記事でもお知らせしたように、今年はタイムテーブルのタテヨコが変わりますので、それに合わせた形になっています。

当日のパンフレットにもっときれいなテーブルは載りますが、最終的に聴講するセッションをご検討するになるときにお使いください。

171125timetable

こちらは画像ですが、印刷するには解像度が足りないので、元データのExcelファイルもアップします。

ファイル:第27回JTF翻訳祭 タイムテーブル(会場、時間帯確定版)

このファイルを、用紙=横、「1シート1ページ」などの設定で印刷すると、まあまあ実用になるかと思います。


今のところの予報では、29日はわりと暖かい日になるようです。

04:35 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.11.23

# 第27回JTF翻訳祭、参加する方へのTips

今年の翻訳祭、いよいよ来週に迫ってきました。

第27回JTF翻訳祭

日時:11/29(水)9:30~20:30(開場・展示会開始9:00)
場所:「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」
 東京都千代田区九段北4-2-25
 TEL:03-3261-9921


ご好評につき、昼間の有料プログラム(講演、パネルディスカッション)については事前申し込みの時点で定員に達したため、

当日受付なし

となっております。あらかじめご了承ください。

一方、

翻訳プラザ(展示会場)

プレゼン・製品説明コーナー

は、事前申し込みなく、どなたでも

無料で自由にご参加

になれます。

翻訳プラザとプレゼン・製品説明コーナーだけでも、業界関係者とのネットワークを築いたり、最新情報を仕入れたりするには十分です。お時間のある方は、ぜひアルカディア市ヶ谷にお越しください。

昨年も同じ時期にアップしましたが、翻訳祭へのご参加を予定しているみなさんに、ご参加にあたってのTipsを紹介しておきます。

受付のしかたなど、昨年までの変わった部分もありますので、初めてでない方もぜひご一読ください。


まずは、事前準備編---


名刺

ぜひ、名刺を用意しましょう。

すでに作ってある方は増刷を。

まだ名刺を作っていない方は、今からでも遅くありません。オンラインサービスだとギリギリくらいかもしれませんが、「ラベル屋さん」のようなユーティリティで自作する手もあります。

Facebook、Twitter、ブログなどで実名を出していない方は、名刺のどこかにオンラインネームも書いておくと、後日のつながり方が大きく違ってきます。

参考までに、私の名刺を載せておきます。

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これが表のデザイン。

名前の読みがレアなのでローマ字表記も入れ、ハンドルネーム「baldhatter」と並べてあります。英語ネイティブの方だと、まずこのハンドルネームでおもしろがってくれます。帽子のイラストも、(法人名ともども)初対面の方はたいてい興味を示してくれます。

名刺というのは、相手の記憶に残らないと効果が半減してしまいます。イラストでも写真でも言葉でも、何かインパクトの強いものを載せましょう。

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こちらが裏のデザイン。

扱う分野の詳細、肩書き、昨年出た共著の書影、顔写真まで載せました。

ちなみに、これは「ラベル屋さん」を使った自作。エーワンの両面印刷マットタイプ用紙(品番51861)を使っています。


服装

堅苦しい格好は不要です。翻訳会社の方はスーツですが、フリーランスは、フリーランスならではのカジュアルな格好でどうぞ。

現在の予報を見ると、29日はわりと温かそうですが、季節としてはもうほぼ真冬です。

ただし、セッション会場はけっこう暑くなることがあるので、脱ぎ着で調節しやすい服装がおすすめです。空調はもちろんありますが、個人差や場所による差もあり、万全には対応できないからです。

なお、アルカディア市ヶ谷の1Fにクロークもあります。特に荷物の多い方など、積極的にご利用ください。



では、いよいよ当日編です。

※お申し込みいただいている方には、事前のご案内メールが届くはずです。必ずお読みください


交通について

会場となるアルカディア市ヶ谷。最寄りはJR市ヶ谷駅、東京メトロ有楽町線または南北線・市ヶ谷駅、都営地下鉄新宿線・市ヶ谷駅のいずれかです。

JR(総武線)ご利用の場合、ホームから地上に出る階段は新宿寄りです。地下鉄の場合は、A1出口またはA4出口が便利。


受付 ★変更あり★

8:45
講演・パネルディスカッション受付:総合受付(3階エレベーター前)

13:00
交流パーティー受付(3階エレベーター前)

変更のポイントは以下のとおりです。

・受付開始が、9:00ではなく8:45になりました。ご注意ください。

名刺、もしくは受付確認メールのプリントアウトをご用意ください。

・参加者の名札は、昼間の分は廃止となりました。参加証となる首かけ式ホルダーのみお渡ししますので、名刺を入れるなり、ご自由にお使いください。

・交流パーティー用には、従来どおり職種別の名札をお渡しします。

・昼間の講演・パネルディスカッションと、夕刻からの交流パーティーは、受付が分かれました。

・朝からの受付と別に、13:00から交流パーティーの受付を開始します。交流パーティーのみご参加の方は、そこで名札をお渡しします。昼間から引き続きご参加の方には、あらためて交流パーティー用の名札をお渡しします。交流パーティーにご参加になる方は、13:00(2コマ目の終了時)から夕刻までの間に、受付で名札をお受け取りください。


配布資料 ★変更あり★

昨年まではJTFの紙封筒でしたが、今年から持ち手のある袋をご用意します。安っぽいですが、持ち運びは楽になると思います。


パンフレット ★変更あり★

<11/24追記、加筆>
(特に、例年お越しくださっている方)今年は、パンフレットのデザインが変わります。今までは会場(トラック)がヨコ並び、セッション(時間枠)がタテ並びでしたが、今年はヨコが時間枠、タテが会場となっています。

当日配布されるパンフレットは、会場案内図とタイムテーブルが中心で、各セッションの詳しい内容は載っていません(この点は例年と同じです)。

各セッションの詳細を書いた「セッション内容のご案内」という小冊子が、

・過去にJTFのイベントにご参加くださった方には、お送りしており、

・翻訳祭のサイトにも、PDFをアップしてあります、

ので、必要であればこの小冊子をお持ちいただくか、Webサイトでご確認ください。

「セッション内容のご案内」は、JTFイベント(翻訳祭、翻訳セミナーなど)に初めてお申し込みなった方にはお送られておりません。必要な方は、サイトにあるPDF版をプリントアウトしてお持ちください。

リンク:第27回JTF翻訳祭「セッション内容のご案内」
(直接PDFが開きます)


セッションの聴講について

どのセッションも入れ替え制です。同じ会場で続けてお聴きになる場合も、いったん場外に出て列にお並びいただきますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

なお、昨年は予想を大幅に上回るご来場があったため、一部のセッションでかなりの混乱をきたし、ご迷惑をおかけしました。今年は、昨年ほどの大混乱はないと思います。運営側も、ご迷惑をおかけしないよう、全力を挙げて対処する予定です。


翻訳プラザとプレゼン・製品説明コーナー ★変更あり★

昨年までは、翻訳プラザの一角で製品説明等のプレゼンを行っていましたが、今年はプレゼン・製品説明コーナーが別会場(4階 鳳凰の間)に移しました。それぞれ、落ち着いてご参加いただけます。

<11/24追記>
事前申し込み不要の無料エリア(翻訳プラザとプレゼン・製品説明コーナー)のみご利用になる場合、名札がわりのホルダーはお渡ししません。翻訳会社や翻訳者との交流を目的にいらっしゃる場合は、自前でホルダーをご用意になり、Twitterアイコンの拡大版とか、なにか目立つものを身に着けているといいかもしれません。


ランチについて

アルカディア市ヶ谷の中の飲食店はいっぱいになります。休憩時間を13:00~14:30と長めにとっていますが、外のほうがいいかもれません。

周囲の飲食店については、ご参考までに、こちらなど。

また、付近のコーヒー屋さん、ファーストフードとしては、

プロント(アルカディアからJR駅方向)

ドトール(道路をはさんでアルカディアの対面)

タリーズ(アルカディアからJR駅と反対方向、道路反対側)

ルノアール市ヶ谷駅前店(川を渡らず、JR市ヶ谷駅の東側)

ルノアール市ヶ谷外堀通り店(川を渡って右)

マクドナルド(川を渡ってすぐ)

松屋(プロントの隣)

などがあります。

あらかじめ、参加する知人・仲間などが分かっている場合には、事前に打ち合わせておき、ランチ時間もぜひ交流にお使いください。


それでは、11月29日(水)、市ヶ谷でお会いしましょう!

01:56 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (2)

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2017.11.13

# 第27回JTF翻訳祭、締め切り間近

先日よりご案内している

第27回JTF翻訳祭

171113

申し込み締め切りが、今週11/15(水)に迫ってきました。


昨年より1週間早くなっている


ので、ご注意ください(特に、法人のみなさん)。


また、昨年と同様、事前申し込みの状況によって


当日申し込みはなくなる


可能性があります。ご参加予定の方は、一刻も早いお申し込みをおすすめします。


11月29日、アルカディア市ヶ谷でお会いしましょう!


10:27 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.11.02

# 『日本人のための日本語文法入門』

私たち翻訳者は、日本語文法の専門家になる必要はありません。

必要なのは、ちゃんとした日本語を書くために必要な最小限の文法概念を理解・整理しておくことです。

これまでも、そんな観点から日本語の文法に関する本を紹介してきましたが、これもかなりおすすめです。


実は、同じ著者のこちらを先に買っていて、

授業で使ったり、紹介したりしていたのですが、こちらは言ってみれば演習編でした。まずは、『日本人のための日本語文法入門』をサクッと読むほうがいいでしょう。

★私が授業で紹介して、『考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法』のほうを先に買っちゃった人、とっつきにくいと思ったら、まず『日本人のための日本語文法入門』から始めましょう。順番が逆になっちゃって、ゴメン!



日本語文法って、いろんな学派・流派があって、言ってることはいろいろ違ってますよね。日本語文法の専門家だったら、お互いに異論反論あるのでしょう。でも、素人である私たちは、納得できる説を見つけて---イイトコ取りして---自分の仕事に活かせばいいんじゃないかと私は思っています。

日本語の文法議論のなかでも、特に議論の的になるのが、たとえば「主語」をめぐる考え方や、「は」と「が」の説明です。テンスとアスペクトについては、ぜひ知っておきたいところです。

この本は、そういう基本について、けっこう納得できました。

目次
第1章 学校で教えられない「日本語文法」
第2章 「主題と解説」という構造
第3章 「自動詞」と「他動詞」の文化論
第4章 日本人の心を表す「ボイス」
第5章 動詞の表現を豊かにする「アスペクト」
第6章 過去・現在・未来の意識「テンス」
第7章 文を完結する「ムード」の役割
第8章 より高度な文へ、「複文」


主語については、「ない」とするのではなく、ひとまず忘れて「述語」を中心に考え始める。述語以外は、主語も含めてすべて、述語に係っていく成分と考える。そのなかに必須の成分と必須でない成分がある。

主語より大切なのは「主題」で、日本語の文は「主題」とそれに関する「解説」で構成されている。「~は」というのは、主題化のための表し方である。

日本語で、自動詞と他動詞とはどういうものか。そこからつながって、ボイスにはどんな機能があるのか。

「あげる」「くれる」「もらう」はどんなはたらきをしているのか

日本語のアスペクトとテンスはどうなっているのか。絶対時制と相対時制も知っておくと便利。

日本語におけるムードとはなにか。

「複文」をどう考えればすっきりするか。


「入門」と題した一般向け新書なので、随所に不足を感じる部分もありますが、その場合は『考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法』を併用するといい感じです。

10:24 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.10.29

# 新しく出る紙の辞書、2点

本が売れない、辞書はもっと売れていない……

辞書の話題になると必ず出てくる話ですが、そんなご時世に、紙の辞書が2点も出ます。


ひとつは、第六版から10年ぶりの改訂となる『広辞苑 第七版』(岩波書店)。

リンク:『広辞苑 第七版』 - 岩波書店

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来年1月12日の発売ですが、新語の採用状況などをめぐって、早くもあちこちで話題になっています。


もうひとつは、実に23年ぶりとなる『角川 新字源 改訂新版』(KADOKAWA)

リンク:角川 新字源 改訂新版 | KADOKAWAの辞書

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こちらは、明日10月30日に出ます。


『広辞苑』の現行第六版は、ほとんどの電子辞書端末に採用されており、EPWINGデータもいまだに手に入ります。

私のまわりでは当然ながら、電子媒体がどんな形でいつ出るかという点に話題が集中しています。まだ電子媒体についての情報はなく、ひとつだけ見つけたのがこれです。

リンク:広辞苑第六版〔第七版移行版〕 for iOS

いまの第六版を買うと(キャンペーン価格8,800円)、第七版のアプリが出たとき無償で移行できるという、なかなか良心的なサービス。ただし、旧版データは完全に上書きされるため、併用はできないそうです。そういうところ、アプリの売り方としては正しいのかもしれませんが、辞書ファンの気持ちはわかってくれていない。

販売元は計測技研。辞書アプリをそれなりに出している会社で、アプリとしての完成度は物書堂ほど高くない印象もあるのですが、今回はいち早く商売に動いたようです。

『角川 新字源』は、通常版

のほかに、こんな版も出すというのが目を引きました。

このイラストレーター、私は知らなかったのですが、末っ子に見せたら「学校の音楽の教科書、表紙がこの絵師さんだった」と。調べてみたところ、中村佑介さんといって、最近けっこう活躍してらっしゃる方なんですね。

辞書のジャケ買いなんてするのかなぁ……とは思うのですが、どの辞書だったか、ピンク系の装丁のが圧倒的に売れているという話も聞いたばかり。この表紙の効果で、少しでも売れてくれるなら、いい試みでしょう。

せっかくなので、私もこちらを予約してみました。


見かけだけじゃなく、中身もよさそうです。上記の特設サイトから、「もっと読みたい方はこちら」をクリックすると、PDF 20ページ分もの見本を見ることができます。

なんか、実にすっきりしたデザインで、見やすい。

二色刷ですが、色や記号の使い方がいいのでしょう。見出し字の直下にある情報の示し方も見やすい。視覚的にとても心地よいレイアウトです。漢和辞典で、ここまで楽しくなりそうな作りって、珍しいのではないでしょうか。

03:50 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.10.28

# 『新 翻訳力を鍛える本』 - 辞書の話を担当

2年前に出たイカロスさんのムック本、新作が出ました。ちょうど本日発売です。

前回が青い表紙、今回は赤い表紙。まるで、

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あるいは、

1710282

のようです。


コホン...。

私は前回と同じく、辞書の話を担当しています。

そのほか、どのコーナーも有益な情報が満載です。翻訳のお仕事を始めたばかりの方、学習中の方は、ぜひどうぞ。

2年後には、緑版が出るはずです(ウソ)。

さて、私の辞書の話(pp.20-25)は、2年前の内容とだいぶ変わりました。

いつもどおり、PC上でそろえる辞書環境にも触れていますが、むしろ

PC上の環境を中心に、必要なものは何でも使う

というスタンスです。

ご存じの方も多いと思いますが、辞書の環境については、自分自身、今もなお手探りを続けている状態です。よって、発信する内容も日々変わっています。

今回の赤版で書いたのは、最近で言うと、先月の「博多で翻訳勉強会」で話した内容がいちばん近いはずです。


それから、私の記事は「効率&スピードを上げる」というコーナーに収録されていますが、そもそも

辞書は効率のために引くんじゃない

ということを冒頭で書いています。

最終的には効率化につながるかもしれませんが、効率化のために辞書環境をそろえる、という話とは少し違っていますから、あらかじめご承知おきください。

同じ「効率&スピードを上げる」のコーナーには、もっと、文字どおり効率化につながる情報がいろいろ載っています。ぜひ参考にしてください。

ただ、そちらだって効率が最終目標でないことは、言うまでもありません。大切なのは、効率化したうえで何をめざすのかです。


そのほかのコーナーは「ミスをなくし品質を上げる」、「英訳力を身につける」、「日本語力を強化する」、「対エージェント力を鍛える」。

青版のときとは、また切り口が違っていますが、いっそう実践的になっている気がします。

07:13 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.10.06

# JTFセミナー、来週です!

いくつかのイベントと一緒にまとめてご紹介したまま、改めて告知していませんでしたが、いつの間にか来週に迫ってきました。

リンク:JTFセミナー:それぞれの翻訳品質 ~発注企業、翻訳会社、翻訳者の視点から~

発注クライアント、翻訳会社、個人翻訳者

という三者がそろって「翻訳品質」とその評価のことを語ります。これって、実はありそうでなかった企画です。


私も、個人翻訳者の立場から、かなり

言いたい放題

を言うつもりです。


告知が遅れてしまいましたが、申し込みの締め切りは

10月10日

だそうです。お急ぎください!


できれば、会場からも個人翻訳者の援護射撃があったりしたらうれしいな、と思っています。


登壇者は、以下のとおり。

ソースクライアントからは、ネットアップの上田有佳子さん。

翻訳会社からは、川村インターナショナルの森口功造さん。

個人翻訳者として、不肖、私。

そして、「翻訳品質評価」について語り、たぶん全体を進行することになるのが、西野 "ドラゴン" 竜太郎さんです。


西野さんは、先日お亡くなりになった田中千鶴香さんの後を継いで、JTF翻訳品質委員会の委員長に就任なさったばかり。

それ以前から、同委員会では、各国で設けられている品質評価基準のフレームワークについて詳しく研究・紹介するなど、精力的に活動してきました。現在の翻訳業界で、「翻訳品質」を語るのに、彼ほどふさわしい人物はそうそういないでしょう。

「翻訳品質」については、おそらく集まった人の数だけ考え方は違うでしょう。したがって、それをどう「評価」するかという基準も多様です。その評価方法について、統一的なフレームワークを設けるなんて不可能……そういう意見が多数派でしょう。

そんな枠組みを日本でも作ってみたい、と言い出したのは、故・田中千鶴香さんでした。7年前の今ごろ、「標準スタイルガイドを作ってみたい」と言って私を委員会に誘ったときと同じ、いや、おそらくそれ以上に無謀な挑戦です。

今回のセミナーも、実は田中千鶴香さんと西野さんが登壇する予定でした。田中さんはきっと、その無謀な挑戦を業界に向かって宣言するおつもりだったのではないかと思います。新たに決まった登壇者一同は、その田中さんの遺志を継ぐつもりで13日のセミナーに挑みます。

無謀な試みかもしれませんが、それでも翻訳品質というのは、業界の全員が常に考えていなければいけない、最優先事項のはずです。であれば、業界関係者の全員が集まってそれを話し合う場が、もっともっと存在してしかるべきです。

今回のセミナーが、そういう潮流を作るきっかけになれば――そう考えています。

ぜひ、一緒に翻訳品質のことを考えてみませんか。

10:25 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.10.04

# 翻訳祭、セッションのタイムテーブル発表!

今年の翻訳祭、サイトが正式にオープンし、プログラムも発表されましたが、各セッションの時間帯はまだお知らせできていませんでした。


おかげさまで、オープンから2週間ほどで早くもかなりのお申し込みがあり、タイムテーブルを決めることができました。と言っても、

各セッションの時間帯

が決まっただけで会場割はまだなのですが、ご参加の皆さん(と、検討中の皆さん)が、聞きたいセッションをお選びになるには十分お役に立つはずです。

リンク:講演・パネルディスカッション【有料セッション】

こちらのページだと、テーブルになっていないため、一覧性に欠けます。

こちらに、タイムテーブルを用意しましたので、ご覧ください。

1710041timetable

(画像のクリックで拡大できます)


「あー、あのセッションとあのセッションが重なっているのかー!」という声が聞こえてきそうです。

ご登壇くださる皆さんのご協力のおかげで、今年もかなり魅力的なコンテンツがそろったのではないかと思います。そろいすぎて、時間帯によってはどうしても重なるセッションが出てきてしまいます。

対象オーディエンスを考えながら、できるだけ重ならないように組んでみたのですが、これが精一杯でした。


というわけで、今年も11月29日に、市ヶ谷でお会いしましょう!

10:57 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.10.02

# 『英語辞書マイスターへの道』、翻訳者にもおすすめ

英語辞書の使い方を、主に学習者向けに発信している関山健治先生の新刊が出ています(7月刊)。

関山先生は、今年の翻訳祭にもご登壇くださいます(私がお呼びしました)。そのご縁で8月には東京でお会いし、先日は拙ブログにもコメントをいただいたところです。


本書も、主な想定読者は高校生や大学生、あるいは英語再学習者(そういうシリーズの1冊)なのですが、辞書を日常的な仕事道具として使っている翻訳者にとっても、役に立つヒントが満載です。

本書の「辞書を引こう」や「やってみよう」にあげられている

例題を自分の辞書環境で

試してみてください。ふだん使っている辞書の特徴や限界など、いろいろな発見があるはずです。

そして、この本には読者向けのうれしい特典があります。本書に収録しきれなかった情報、特に

各辞典の特徴

をまとめた小冊子をダウンロードできるというサービスです。英語の辞書(と、一部の国語辞典)の特徴が実にコンパクトにまとめてあるので、翻訳者必携です。


ただ、本書に掲載されているダウンロードURLが、最近になって機能しなくなってしまいました。

関山先生に問い合わせたところ、さっそく新しいURLを教えてくださり、このブログでも告知していいというご了承をいただきました。本書をお買いになった方は、以下のURLにアクセスしてください。

https://www.dropbox.com/s/gwlxlh9wbt4dcsd/英語辞書マイスターへの道・サポートサイト表紙.pdf?dl=0
(リンクは貼っていません。コピーしてください)

ということで、改めて本書について紹介します。

直接的には、先生の以前の著書

の続編であり、辞書の電子化に伴うアップデート版、といった位置づけです。前著も2007年の発行でしたので、もちろん電子辞書については触れられています。が、中心はあくまでも辞書の使い方の基本---ラベルの見方、語法の読み方など---でした。

10年たって、その内容を電子環境にさらに適応させた、それが本書なので、電子媒体の辞書にふだんからお世話になっている私たち翻訳者の役に立たないはずがありません。

ただし、前著に書かれていたような基本の一部は省かれているので、本当の基本にまで立ち返りたい方は、前著『辞書からはじめる英語学習』も、併せてお読みになるといいかもしれません。


例をひとつだけ紹介しておきます。

辞書を引こう2
up in the air を英和辞典で引いてみましょう。
(p.33より)

この例題を、お手持ちの電子辞書端末、EPWING環境、各種辞書サイトなどの電子環境で引いてみてください。

おそらく、媒体ごとに得意不得意があるはずです。使い方のコツについても、発見があるはずです。


目次

1 辞書メディアの種類と特徴
(冊子辞書、電子辞書専用機 ほか)

2 辞書はこうやって使う
(日常的な英語学習で使う、資格試験の勉強で使う ほか)

3 英和辞典を使いこなそう
(英和辞典の種類、学習英和辞典のその先へ ほか)

4 英英辞典を使いこなそう
(こんな時に英英辞典を、英語学習者向け英英辞典と一般英英辞典 ほか)

5 こんな辞書も使ってみよう
(シソーラス(類語辞典)、コロケーション(連語)辞典)


すでにお気づきのように、私がここ数年のセミナーなどで話している内容にも、当然ですが似ている部分はあります。が、関山先生は辞書の専門家。とらえ方も説明も、私などよりはるかに精確であり、説得力があります。

10:07 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.09.27

# 「博多で翻訳勉強会」、登壇報告

何度かご案内していたとおり、福岡翻訳勉強会のみなさんが主催する「博多で翻訳勉強会」に登壇してきました。

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会場は、昨年と同じ「ももちパレス」。

それなりに古い公共の施設ですが、付属のレストランも味がいいし、使いやすい環境です。2度目にして、すでに「帰ってきたよ~」という気分。

セッションの内容については、ご参加くださったデシュムク陽子さんが、さっそくブログにまとめてくださっています。デシュムクさん、ふだんはインドにお住まいで、昨年も今年も(一時帰国を兼ねてと本人はおっしゃってますが)はるばるインドからご参加くださいました。フリーランスとは言え、頭が下がります。


リンク:2017年も「博多で翻訳勉強会」①高橋聡先生「辞書を読む、訳語を選ぶ」


リンク:2017年も「博多で翻訳勉強会」②遠田和子先生の「『英語らしさ』って何?」


遠田先生とは、一昨年の合宿以来です。あいかわらず見事な日英翻訳セッション。JATのベンジャミンさんをはじめ、英語ネイティブの方も4人ほど参加なさっており、その方たちからのフィードバックも交えた、日英翻訳談義になりました。


私のほうは、辞書の基本をおさえたうえで、そこからどう訳語を選ぶかというプロセスの話をしました。最終的なテーマは、これまでと大きく変わっています。

電子の辞書がなければ、紙の辞書を引けばいいじゃない

ですw

つまり、今までのように効率重視で電子媒体でいろいろ揃えるのもいいけど、紙の辞書を引くスキルも落としてはいけないんじゃないか、という話。

おもしろかったのは、

1

この資料について説明したときです。英語ネイティブの方たちが、「これは難しい」とおっしゃっていました。確かにそうかもしれません。

主宰メンバー4人からは、茅乃舎のだしをいただき、

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ある参加者には、(先日、オンラインでちょっとした疑問にお答えしたお礼ということで)

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日本酒をいただいちゃいました! 獺祭、東洋美人、雁木 というすばらしいセット(しかも、後ろにあるバッグに入れて)。


ご参加くださったみなさん、そして今年も大奮闘ですばらしい会を開いてくださった主宰メンバーのみなさん、ありがとうございました!


なお、福岡翻訳勉強会は、早くもまたすごいイベントを企画していらっしゃいます。遠からず発表があると思うので、お楽しみに!

12:02 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.09.19

# 第27回JTF翻訳祭、プログラム発表!

みなさん、お待たせしました。

第27回JTF翻訳祭

公式サイトでプログラムが発表され、同時に申し込みもスタートしました。

リンク:日本翻訳連盟 - 第27回JTF翻訳祭

リンク:翻訳祭プログラム詳細


ただし、今年はまだ

セッションの時間帯と部屋割りが未定

の状態です。


ご存じのように、昨年は個人翻訳者を中心に参加者が大幅に増えました。ありがたいことでしたが、一部のセッションが過剰なまでの人気となったため、ご参加のみなさんにはたいへんご迷惑をおかけする結果となってしまいました。

今年は、そのような混乱を避けるため、聴講希望について傾向だけでも事前に把握したうえで、時間帯と部屋割りを決めたいと考えています。


もちろん、「時間帯が決まっていないと聴講するセッションを決めにくい」という方も多いと思います。ですので、傾向がつかめしだい、できるだけ早く時間帯から決定していきたいとは思っています。


申し込みの段階では、ひとまず時間帯などは関係なく、「これは聴きたい!」というセッションをお選びください。

今年の翻訳祭、例年と違う点が大きく2つあります。


1. ミニ講演会の開催

リンク:ミニ講演会 10分1本勝負!

通常のセッションのほか、ミニ講演会というものを企画してみました。

1人10分という短い時間で、翻訳にまつわるどんなことでも自由にお話しいただく、という企画です。TED の翻訳祭バージョンという感じ。

初めての試みでしたが、おかげさまで多数のご応募があり、当初は1枠のみの予定だったのを急きょ2枠にして開催します。個人翻訳者から企業の方まで、いろいろな登壇者がそろいました。


2. プレゼン・製品説明コーナー

昨年までは翻訳プラザ(展示会)の片隅で実施していた各社の「プレゼン・製品説明コーナー」を、今年は別の部屋で独立して開催します。各社のプレゼンも落ち着いて聴けますし、逆に展示会の会場が騒がしくなる心配もありません。

こちらは、すでに時間帯も決まっています。

注目のセッションについては、また順々にこちらでも紹介していこうと思います。

03:01 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.09.11

# 「日本翻訳ジャーナル」9/10月号

日本翻訳連盟(JTF)が発行する「日本翻訳ジャーナル」、9/10月号が発行されました。


右カラムの表紙画像からアクセスできます。

※すでにお伝えしているように、JTF会員には印刷版が配送されます。PDF版をダウンロードするには、会員/非会員とも、ログインが必要です。


今回の号、「帽子屋の辞典十夜」は1回お休みです。

そのかわりに、翻訳フォーラムの連載「続・翻訳者のための作戦会議室」が私の番だったので、そちらで

「なぜ辞書の話をするのか」

という総論めいたことを書いています。

そのほか、7月に急逝した田中千鶴香さんの追悼文も書かせていただきました。

01:04 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.09.09

# Microsoft Bookshelfについて

Bookshelf については、これまでも何度か触れており、一度だけまとめて記事にしたこともあります。

参考リンク:side A: # カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf


もちろん、今ではふつうに売っている商品ではありませんが、オークションサイトなどで中古が頻繁に出回っています。なかなか魅力的なコンテンツが収録されているものの、バージョンと収録コンテンツがややこしいようなので、整理しておきます。これから入手しようという方の参考になれば。


※以下の内容は、私の知っている範囲で書いています。もっと詳しい方がいらっしゃったら、コメント欄かメールでぜひ補完情報をお寄せください。


BookshelfとBookshelf Basic

まず気をつけるのは、製品版のMicrosoft Bookshelfと、Officeに付属していたMicrosoft Bookshelf Basicがあることです。

製品版「Microsoft Bookshelf」のほうは、「Encarta 総合大百科」という名前で売られていたこともあります。

Bookshelf、Bookshelf Basicとも、1.0、2.0、3.0まで出ていたようです。

1.0 はどんなだったか、持っていないのでわかりませんが、Bookshelf 2.0とBookshelf 3.0は、以下の構成でした。

【9/13追記】

コメント欄に、『英語辞書マイスターへの道』の著者、関山健治様から情報をお寄せいただきました。ラインアップはコメント欄にもありますが、『プログレッシブ英和中辞典』が第2版だったそうです。また、(今回は百科事典系をあまり取り上げていないのですが)データパルも少し古いバージョンの模様。


Microsoft Bookshelf 2.0

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収録コンテンツ

・国語大辞典(新装版)小学館
・プログレッシブ英和中辞典 第3版 小学館
・プログレッシブ和英中辞典 第2版 小学館
・The American Heritage Dictionary of the English Language 3rd
・類語例解辞典 小学館
・故事ことわざの辞典 小学館
・電子ブック版・データパル(1991-92 年度版から 1998-99 年度版までの 8年)

ラインアップを見ればわかるように、American Heritageを除けば、すべて小学館のコンテンツです。

『国語大辞典(新装版)』は、

『日本国語大辞典』 の要約を基礎に、新しい情報を加え、新たな工夫をこらしてまとめられた。

と書かれているので、『日本国語大辞典』 初版の1巻本と言ってもいい内容です。つまり、いま私たちが気軽に買えるようになった『精選版 日本国語大辞典』の "叔父さん" といったところでしょうか。これの書籍版は、パッケージの写真と収録語数などから察すると

これらしいのですが、確認はとれていません。

『プログレッシブ英和中辞典』は、現在iOSアプリなどで入手できる第5版の2つ前の版。

『類語例解辞典』については、先日、類語辞典に関する記事で言及しました。かつてはSIIの電子辞書端末にも収録されていたコンテンツですが、こっちのほうがずっと見やすい。

American Heritageも、やや古い版ながら電子データというのは貴重です(iOS版は第5版ですが、iOS 10になってから、まともに動いていません)。


Microsoft Bookshelf 3.0

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収録コンテンツ

・新英和中辞典 第6版 研究社
・新和英中辞典 第4版 研究社
・新明解国語辞典 第五版 三省堂
・Encarta World English Dictionary

小学館オンリーだった2.0から、研究社と三省堂になりました。この間に、いったい何があったんでしょうね。

コンテンツとしては、明らかに2.0より見劣りします。「Encarta 総合大百科」のおまけという位置付けになってしまったからかもしれません。

なのに、なんで最近これを手に入れたかというと、Encarta World English Dictioary というのを見てみたかったからです。あまり見たことのないタイトルの辞書ですが、

しばらく前に読んだこの本に、こんな記述がありました。

1つ目は,特定の国に偏らず,世界の英語圏からのデータを収集したことである。

こういう辞書はちょっと珍しいので、ちょって手に入れておきたいな、と。たとえば、こんな単語が載っています。

lah
particle
Malaysia Singapore used to show informality: added to something said to indicate informality and intimacy(informal)


研究社の英和中・和英中は、現在LogoVista版やアプリ版で入手できる「英和中第7版・和英中第5版」のちょっと前のバージョン。


Microsoft Bookshelf Basic1.0~2.0

1.0はまだ入手できておらず、2.0だけ手元に複数枚ありますが、Wikipediaの記事によると、1.0と2.0の収録コンテンツは同じだそうです

【9/10修正追記】

すいません、コメント欄でもご指摘いただきましたが、Wikipediaの記事を読み誤ってました。1.0と2.0ではプログレッシブの版が違うようです。

1.0と2.0は、Office 97、Office 2000時代の付属品でした。

1.0収録コンテンツ

・国語大辞典(新装版)小学館
・プログレッシブ英和中辞典 第2版 小学館
・プログレッシブ和英中辞典 第2版 小学館


2.0収録コンテンツ

・国語大辞典(新装版)小学館
・プログレッシブ英和中辞典 第3版 小学館
・プログレッシブ和英中辞典 第2版 小学館

つまり、Bookshelfからメインのコンテンツのみ抜粋したバージョンということです。American Heritageその他のコンテンツはサンプルだけ入っていて、製品版「Microsoft Bookshelf」の購入に誘導するしくみになっています。


Microsoft Bookshelf Basic3.0

収録コンテンツ

・新英和中辞典 第6版 研究社
・新和英中辞典 第4版 研究社
・新明解国語辞典 第五版 三省堂

これも、Bookshelfの収録コンテンツを絞り込んだ内容ですね。Office XPの付属品。


入手するとしたら

おもしろいことに、ヤフオクやメルカリ(何かと問題のあるサービスですが……)などで、頻繁に出回っています。

製品版のMicrosoft Bookshelfは、さすがに少ないようです。私は今までに、ヤフオクとAmazonマーケットプレイスで2.0と3.0を1回ずつ見つけて落としました。2.0は2,500円(2014年5月)、3.0のほうは7,800円(2017年1月)でした。

3.0はあまり見かけませんが、2.0はかなり安く出回っていることがあります。収録コンテンツを考えれば、とてもお買い得だと思います。


一方、Microsoft Basicのほうは、ほとんど投げ売りのような値段で、いつもたくさん出品されています。ただし、出品者があまり詳しくないせいか、

バージョンがわからない

出品がほとんどです。

見分けるためには、出品写真でOfficeのバージョン番号を確認するといいかもしれません。

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Basic 1.0はOffice 97、Basic 2.0はOffice 2000、Basic 3.0はOffice XPの付属品ということですから、この写真のように

Windows NT
Windows 98

と書いてあるのは、1.0か2.0の可能性が高いと考えられます。Basic 3.0の出品が確認できたら、追記します。


修論コンテンツを見ればわかりますが、1.0と2.0が出品されていたら、買っておいて損はありません。『国語大辞典』が載っているからです。

しかも、

手順: Bookself Basic の EPWING 化プロジェクト

などに書かれているように、『国語大辞典』をEPWING変換することもできます(EPStudioは有料ライセンスが必要)。念のために付け加えておきますが、この変換スクリプトは、あくまでもBookshelf Basicにしか対応していません。手元のBookshelfデータで試しても、うまくいきませんでした。

『精選版 日本国語大辞典』とまったく同じというわけではないものの、それとかなり近い内容のEPWINGデータを確保したければ、この手しかありません。

なにしろ古い製品なので、最近のWindowsではインストーラーがまともに動かないこともあります。その場合は、CD-ROMの中身をまるまるハードディスクにコピーして、そこからセットアップを実行するとインストールできたりします。

いずれにしても、購入からインストール(さらには、EPWING変換)まで、、中古商品を扱うときはすべて自己責任でお願いします。

09:43 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (5)

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2017.09.01

# いろいろな類語辞典(日本語) - 書籍版

続いて、書籍版です。手元にある類語辞典の一部を並べてみました。

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本棚、圧迫されますよねぇ。自炊も考えてはみるものの、書籍としての辞書というモノに愛着があって、なかなか踏み切れません。せめて、索引だけでもEPWINGデータにしたい。

以下、それぞれの特徴を説明しながら、入手状況についても触れています。



『講談社 類語辞典』

オーソドックスな分類型の類語辞典です。以下は、「帰る」を引いたところ。「帰る」に関連したいろいろな言葉とその説明が、細かいカテゴリごとにグループ化して表示されています。

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たくさんの類語のなかから使いたい言葉を選ぶときに使います。その点は、電子版が手に入る『日本語大シソーラス』と同じですが、語釈や、ときには使い分け情報まで載っている点が便利です。書籍版が、ふつうに手に入ります。

『使い方の分かる 類語例解辞典』 小学館

同じく分類型で、実際には索引から引きますが、こちらは類語をたくさん並べるというより、書名どおり「使い分け」の説明に重点が置かれています。

そして、実は書籍版を買ってしまってから、電子版が手元にあったことに気づいたタイトルでした。この辞書は、初版が1994年ですが、わりと早くから電子化の波に乗っていたようです。かつては、EPWING版もありました。

私の手元にあるひとつが、セイコーインスツルの初期PASORAMA対応モデル、「SR-G9003」です(まだ、中古で買えます)。

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もうひとつは、かつてMicrosoft Officeに付属していたBookshelf 2.0です。こちらは、中古を狙っているとときどき出回ります。

関連リンク:side A: # カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf

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Bookshelf版のほうが、だんぜん見やすいですね。SR-G9003付属(DAYFILERシリーズの前)のPASORAMAは、インターフェースがまだまだ未熟でした。

このように、『使い方の分かる 類語例解辞典』の場合は、同じく「帰る」を引くと、「帰る/引き返す/戻る」の使い分けが、マトリックスも交えて示されます。

私は主に、翻訳答案を添削するとき、微妙に違う言葉を修正するとき、その根拠にこういう使い分け情報を利用しています。添削するときの根拠がほしい---これも、紙の辞書が増えている大きい理由のひとつです。

『使い方の分かる 類語例解辞典』でいいのは、「だが/しかし」のような機能語も出ていること。講談社には載っていません。

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書籍版は、ふつうに入手できます。

『現代語古語類語辞典』 三省堂

最近手に入れたこれ、なかなかおもしろい発想で編集されています。

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ある言葉を引くと、現代語から古語まで(時代を分けて)類語が載っているという変わり種。分類型ではなく、主見出しの五十音順です。

たとえば、「帰る」を引くと、

[近代](明治から昭和20年まで) というラベルで、「回帰、ひきあげる、リターン」、[近世](江戸期)として「とんぼがへり、まひもどる」、[中世](鎌倉・室町期)として「帰還、帰着、とってかへす」などが載っています。

必然的に、漢語だけでなく、カタカナ語や、

和語もたくさん載っている

というのが特長です。そのうえで、「京都に帰る」のは「帰京、帰洛」とか、「行くことと帰ること」は「ゆきつもどりつ、往返」などと、関連表現も載っています。

また、たとえば「ころがる」を引くと、「ころがるさま」として

[近代]ごろごろ。[近世]すってんころり。[中世]ころころ。ころり。ごろり。

などと擬態語まで載っている。「古語」と銘打ってありますが、いま使えない言葉とは限らないのです。

ページをめくっていると、」楽しくてついつい寄り道してしまう」タイプの辞書と言えます。これも、書籍版をふつうに購入できます。

『表現類語辞典 新装版』 東京堂出版

おもしろい辞典をたくさん出している東京堂出版ならではの一冊です。書籍版が手に入るはずです。

編者のひとり藤原与一による「序」が、やたらと熱い。

これも、主見出しの五十音で引けるタイプで、それぞれの語の説明文が徹底しています。類語から言葉を選ぶという使い方ではなく、じっくりと

それぞれの語義と向き合う

ための辞書という感じです。

たとえば「かなり」という副詞を引くと、主見出し「かなり」の大項目のなかに、「かなり、だいぶ、相当、ずいぶん、よほど、なかなか」が載っていて、程度の大きさを中心に説明されています。

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「だいぶ」は、「<かなり>と近い使い方をする」とか、「相当」は「前の二語よりもかなり程度が大きい場合を言う」、「ずいぶん」は「前の三語に比べて、程度のよりはなはだしいさまを言う」とか、それぞれの類義語どうしが比較されている点に注目です(ただ、それが間違いなくそうかどうか、自分の感覚と合うかどうかは別)。

用例は、すべて近代文学から採られているのが特長的。

『日本語 語感の辞典』 岩波書店

類語辞典とはちょっと違うかもしれませんが、ひとつ前の『表現類語辞典』をもっと推し進めたような辞書です。

たとえば上のスクリーンショットは「永遠」の説明ですが、長嶋茂雄の引退スピーチを引用しながら、

時を超越した栄光を称えることばとしては、「永久」より「永遠」のほうがさらにふさわしく耳になじむとする日本人の語感を物語る事実である。

と説明していて、なるほどと思わせます。書名どおり、「語感」を説明する辞書というわけです。編者・中村明の個人的な語感に寄りすぎていると考える人もいるようですが、これも読んでいて楽しい辞書です。

書籍版が、ふつうに入手可能。

『日本語類義表現 使い分け辞典』 研究社

いわゆる類語辞典のイメージとは違います。「帰る」(動詞)とか「かなり」(副詞)のような中心的な語彙ではなく、助詞や助動詞、接続詞などの使い分けを詳細に説明しています。

170901ruigihyougen

たとえば上のスクリーンショットは、「~なら、~たら、~ば、~と」という、おなじみの使い分けに関するページ。

ただし、説明に使われる文法用語が容赦ないので、読み解くのはなかなか苦労です。「語感」のような本ではなく、むしろ徹底的に

理屈で使い分けを説明

するタイプの本と言えそうです。

このほか、国語辞典で類語の使い分け情報が充実しているのが、

『小学館 日本語新辞典』

です。

判型が、国語の小辞典ではなく中辞典、つまり広辞苑などと同じなので―厚みはそこまでない---、さらに本棚を圧迫します。

03:25 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (7)

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# いろいろな類語辞典(日本語) - 電子版

類語辞典は、国語系辞典のなかでもなかなか電子化が進んでいない部類です。

電子版で手に入るものは全部そろえましたが、必要と趣味から、ここ半年ほどでにわかに、書籍の類語辞典も増えてしまいました。


媒体別に、いろいろな類語辞典を紹介します。

電子データ - PC上で使えるもの

PC上で使える類語辞典として、今も入手できるのは、おそらく以下の2つだけです。

デジタル類語辞典 第8版

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ただ類語や関連語が並ぶだけですが、とっさに訳語を検討するときには、わりと重宝します。1年ほど前に詳しく紹介しました。

関連リンク:side A: # 『デジタル類語辞典』のこと


大修館 日本語大シソーラス

リンク先はLogoVista版ですが、EPWING版もまだときどき手に入るようです。LogoVista版でも、汎用ブラウザ上でちゃんと使えので、ご心配なく。

カテゴリ分類型の類語辞典です。詳しくは、過去記事をご覧ください。

関連リンク:side A: # 日本語の類語辞典 ― 『日本語大シソーラス』と「シソ改」

EPWINGジェダイの大久保さんが、変換スクリプトを作ってくださっています。こちらで変換したデータ「シソ改」のほうが、普通の国語辞典のように使えて便利かも。EPWINGからも、LogoVista版からも変換できます。

リンク:シソ改 ~~ 『日本語大シソーラス』の全語彙検索EPWING化 ~~


iOSアプリ

上記『日本語大シソーラス』も出ているほかは、おそらく以下の2つだけです。


角川 類語新辞典(大修館)

分類型ですが、検索機能から引くことができます。

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※リンク先はiTunes Storeです。

検索直後は類語が並んでいるようにしか見えませんが、タップすると、詳しい語釈や用例が出てきます。物書堂アプリなので、『大辞林』や『三省堂国語辞典』と相互に行き来できます。


三省堂 類語新辞典(大修館)

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※リンク先はiTunes Storeです。

分類型ですが、見せ方がなかなか楽しいインターフェースです。

1709014

分類項目をタップすると、画面がずりずり動いていきます。

といっても、たとえばこのスクリーンショットで見えている「かなり」という単語を、「文化 → 認定・形容 → ひろがり → 程度 → かなり」とたどれる人は、たぶんこの辞書を編纂した方たちだけでしょう。当然ながら、こちらも検索から引けるようになっています。


電子辞書端末

今や、見るべきはカシオの製品くらいしかありません。そのフラグシップモデル

には、以下の類語コンテンツが収録されています。

『大修館 日本語大シソーラス』

『小学館 使い方の分かる類語例解辞典』

『角川 類語新辞典』

このうち、『使い方の分かる類語例解辞典』については、次のエントリで詳しく紹介します。


12:36 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.08.30

# 9月~10月のイベント情報

私が関わっている翻訳関連のイベント情報をまとめておきます。

11月にはもちろん翻訳祭もありますが、ひとまず、9月と10月だけ。


このほか、通訳・翻訳関連のイベント情報は、こちらが充実していますので、あわせてご覧ください。

リンク:セミナー&イベント | 通訳翻訳WEB

最近、ほんと、通訳・翻訳関連のイベント増えましたね。


9月9日(土) 13:00~17:00

十人十色 2017 Part2

7月に続き、今年2回目となる参加型の勉強会です。テーマは自由で、発表時間は1人20分が目安。定員まであとわずかですが、まだ受付中です。

リンク:十人十色勉強会2017 part 2
※Facebookのグループイベントなので、「見られないけど興味ある」という方は、私にご連絡ください。


9月23日(土) 13:30~18:00

博多で翻訳勉強会2017

このブログでもすでに何度かお伝えしているように、福岡翻訳勉強会が、昨年に続き今年も「博多で翻訳勉強会」を開催します。日英翻訳の遠田先生と、私が登壇します。

リンク:福岡翻訳勉強会 「博多で翻訳勉強会」2017年9月23日

おかげさまで、こちらは満席となりました。あと1か月を切りましたが、追加募集があるといいですね。


10月1日(日) 13:15~16:45

翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#7 「『述語から読む・訳す』ワークショップ」

5月のシンポジウムで紹介された「述語から読む・訳す」という話を、ワークショップ形式で取り上げます。ワークショップ形式は、昨年のレッスンシリーズ#4「訳出のバリエーション」でも好評でした。

リンク:「『述語から読む・訳す』ワークショップ」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#7)

紹介を一部引用します。

「[シンポジウム2017では]《翻訳というのは不自然な作業で、ほっておけばことばのスキルが落ちる》という前提のもと、スキルをなるべく落とさぬ方策として、《述語から読む・訳す》ことの大切さ――つまり、(1)述語を見つけられれば、その過程で述語を中心とする文の構造が見えてくるし、(2)そうすると訳出の自由さが格段にアップするということ――について説明した」

これを、実際に手を動かして体験し、身に着ける一日です。

こちらも、だいぶ席は埋まりつつありますが、まだ空きがあるようです。


10月13日(金) 14:00~16:40

JTFセミナー「それぞれの翻訳品質 ~発注企業、翻訳会社、翻訳者の視点から~」

タイトルのとおり、ソースクライアント、翻訳会社、翻訳者それぞれの立場から「翻訳品質」について考えるパネルディスカッションです。

リンク:JTFセミナー「それぞれの翻訳品質 ~発注企業、翻訳会社、翻訳者の視点から~」

ソースクライアントとして、ネットアップ株式会社の上田有佳子さん
翻訳会社として、川村インターナショナルの森口功造さん
翻訳者として、私

が登壇します。さらに、JTF翻訳品質委員会を代表して、同理事の西野竜太郎さんが、第1部と、全体の進行を担当します。

こちらも、紹介文の一部を引用します。

セミナーの第1部では、翻訳品質に関する業界動向を取り上げる。今年から議論が始まったISO 21999、JTFで検討している翻訳品質ガイドライン、さらに「仕様」に基づく考え方を紹介する。
第2部では、まず発注企業、翻訳会社、翻訳者という3者の代表から品質に関する考え方を発表してもらう。次に、会場からの意見も受けつつパネル・ディスカッションを実施する。今回はIT分野を中心に議論するが、他分野であっても参考になると考える。

まだ募集は始まったばかりですが、対象者が広いため、満員も考えられます。お申し込みはお早めに。

10:08 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.08.27

# AmiVoiceについて少し補足

AmiVoiceについて、少し補足しておきます。


1. 音声認識の限界 - 専門語

まず予想されることですが、一般性の低い専門用語はほとんど認識されません。これには、単語登録で対応します。

私の仕事だと、「マルウェア」は最初から認識されましたが、「ランサムウェア」はだめでした。そのほか、「インシデント」とか「シームレス」とか、カタカナ語はどんどん登録しています。「アシュ=亜種」も認識されなかったので、登録しました。

医薬や金融のように、専門性がもっと高いと、音声入力は厳しいかもしれません。

2. 音声認識の限界 - 音節の少ない単語

単語やフレーズではなく長い文章で発声したほうがいいと書きましたが、音節数の少ない単語は、文脈にかかわらず認識されないことがあります。

何度やってもだめなのが、「ニンイ = 任意」でした。n音のあとに母音が続くので、もともと発音しにくい=聞き取りにくい単語なのでしょう。

それから、「ほぼ」も、先ほどの記事では「ほぽ」(濁点ではなく、半濁点)になっていて、JustRightで間違いが見つかりました。「ひっしゃ=筆者」もダメで、もしかするとハ行始まりは全般的に苦手とも考えられます(私の発音が悪いだけかも)。


3. 音響学習

認識機能を最初からトレーニングする必要はありませんが、使っているうちに、ユーザーの音声の特徴を学習していく機能があります。使えば使うほど認識精度が上がってくるということです。

たとえば、先ほど「ニンイ = 任意」がなかなか認識されないと書きました。実は、今はもう文脈なしに「任意」という単語だけ発声しても正しく認識されています。「ひっしゃ=筆者」も、そのうち正しく認識されるようになるかもしれません。


4. 音声コマンド

改行するとか、何文字か戻るとか、そういうコマンドも音声でコントロールできます。キーの組み合わせを登録してカスタムコマンドを登録することもできます。

私などは、手の補助として音声入力を使っているだけですが、もっと全面的に音声に依存するユーザーが、音声コントロールだけでどこまでコンピューターを使えるものか、今はまだ判断できません。


5. 英語音声の認識

たとえば、「あんどろいど」と発声すると「アンドロイド」のほかに「Android」も候補として表示されます。でも、これは固有名詞として登録してあるだけです。

「英語の発音には対応していない」

とマニュアルに書いてありました。英語音声を入力したい場合は、やはりDragonでしょうか。


6. 発声について

私が音声入力するところを聞いていた家族が、「意外と、ぼそぼそしゃべるんだね」と言ってました。たしかにそのとおりで、頑張って声を張り上げたりしなくても、きちんと認識してくれます。

逆に、周囲の音を拾いすぎてしまうということも、まずありません。いつもどおり、PC脇のスピーカーからBGMが流れていても、まったく影響しないくらいです。もっとも、これはAmiVoiceの性能(だけ)ではなく、マイクのノイズキャンセリング性能のおかげかもしれません。

ということで、翻訳に音声入力を使う場合、分野によっても向き不向きがありそうです。試してみたいという方は、まず体験版からどうぞ。

08:56 午前 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (2)

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# 転んでもただでは起きない - その2:音声入力

前エントリーで書いたように、左肘の骨折に伴ってエルゴノミクスキーボードを導入しましたが、それでも通常の入力速度にはとうてい及びません。

ちょうどいい機会なので、音声入力を本気で導入してみることにしました。


実は、何年か前にも、DragonSpeechが付属するパッケージ版のATOKが出たときに、音声入力は試してみたことがあります。このときとは、インストール直後のトレーニング操作がやや分りにくく、あっさり投げ出しました。

人間、本当に必要に迫られないと新しいことはなかなかできないということでしょう。


今回、試用版から使ってみることにしたのは、AmiVoice。実際に使っている同業者がいらっしゃって、そこからのお勧めでした。


公式サイトから、体験版をダウンロードできます。

リンク:音声認識ソフト AmiVoice SP2


総合評価 ★★★★☆

試用期間は2週間で、なかなか具合がよかったので製品版に移行しました。

※Amazonのこのページでは、評価の平均点がやたらと低くなっています。見てみると、会議の音声メモから文字を起こそうとして購入した方のようです。製品サイトの紹介ページに、議事録作成にも使えるようなことが書いてあるせいかもしれません。


インストール直後から、ほぼ直感的に使えました。ヘッドセットかマイクを接続し、AmiVoiceを起動したら、

1708271

左端の録音ボタンを押して発声を始めるだけです。

マイクの性能や環境によって、マイク音量と感度は設定したほうがいいようです。

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たしか、デフォルトで最大だったと思います。いろいろ変えてみて、私の環境では結局、最大で落ち着いています。


最初は、家にあった適当なヘッドセットを使ってみましたが、認識精度が芳しくありませんでした。同業者のアドバイスによると、ノイズキャンセリング機能の付いた有線のマイクを使うとまったく違うということ。

そこで、さっそくこれも購入しました。


アドバイスどおり、効果は抜群でした。

ふだんの仕事で入力するくらいの文章は、かなりの精度で入力できます。この記事も、最初からからずっと、音声入力で書いています。


好みと作業環境に応じて、入力モードも選択できます。

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デフォルトは、エディターモードです。入力したいアプリケーションと別に、

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このような入力専用エディターが開きます。ある程度まとまったところまで入力したら、「転送」コマンドを使うと、アプリケーションに文字列が確定入力されます。

漢字変換が間違っている場合には、そこにカーソルを持っていけば、変換候補を選び直せるようになっています。

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しばらくはこのモードを使っていましたが、今はほぼ直接入力にしています。直接入力モードでは、入力したいアプリケーションのウィンドウ上に確定(転送)前の文字が暫定的に表示されます。仕事には、このほうが向いている気がします。

エディターモードと直接入力モードで大きく違うのは、転送のタイミングです。

直接入力モードでは、ひとまとまりで発声した文字列だけがバッファに保持され、次のまとまりを発声し始めると、前のまとまりは確定されてしまいます。漢字変換が間違っていた場合に別の候補を選び直せるのも、このまとまりで暫定表示されている間だけです。

一方、エディターモードでは、「転送」コマンドを使うまで、入力した文章をためておくことができ、その間はどの部分も自由に変換候補を選び直せます。ちょっと難しい文章で、変換違いが多そうな場合は、こちらのモードのほうが向いているかもしれません。


使ってみて感心したのは、文脈認識性能の高さです。短い単語やフレーズほど誤認識が多く、

長くまとまった文になるほど精度が高く

なります。

したがって、これを翻訳に使うと、訳文を作るときの頭のはたらき方がかなり変わってきます。

ふつうにキーボードを打つときは、英文を読みながら、いきなり文字を打ち始めることもあります。しかし音声入力では、一定以上の長さでまとまって入力しようと思うと、頭の中である程度の長さの訳文を作ってから、一気に発声することになる。訳文の性質も変わるでしょう。いい方向に変わるように、しばらくは模索が続きそうです。


入力が終わった文章の見直しポイントも、ふだんのキー入力のときとは勝手が違ってきます。

この文章を打ち終わってから見直したときも、こんな誤入力が見つかりました。

キーボート → ○キーボード

議事録作成にも使えるようなことは書いてある → ○~ことが書いてある

ふだんの仕事で入力するくらいの文書 → ○~文章


「キーボード」の濁点が落ちて「キーボート」。ふだんの入力ならこんな誤字はまず起こりません。単語登録してあるからです。

「が」→「は」の助詞の違いは、私が間違ったわけではなく、音声認識のミスです。「を」などの助詞が落ちる場合もあります。

「文章」→「文書」は、発音があまりよくなかったのかもしれません。

おおむね満足なのですが、録音ボタンのキー割り当てはオプションが少なすぎます。

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オプションが単独のキーだけで、どれも他の機能に使うものばかりです。なぜコンビネーションキーの選択肢がないのか不思議です。この点だけはぜひ、今後のバージョンアップで改善されてほしいものです。


ケガが治ってからも音声入力を使い続けるかどうかは、まだ何とも言えません。

07:43 午前 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (0)

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2017.08.20

# 転んでもただでは起きない - その1:エルゴノミクスキーボード

先週お伝えしたように、左肘を骨折し、手首までしっかりギプスで固定されてしまったため、ふつうのキーボードはほぼ使用不能になってしまいました。

全治1カ月の間ずっと仕事をせずにいられればいいのですが、骨折した時点で1カ月分近いバックログもあったし、定期・不定期のニュース、ブログもあるので、まったく仕事をしないというわけにもいきません。

ということで、腕を固定された日のうちにこれを注文し、翌日から使い始めました。


1週間ほど使ってみたので、現時点での使用感レポートをお届けします。

総合評価 ★★☆☆☆

ただし、私はもともとメカニカルキーボード(茶軸)を愛用しているので、メンブレンキーボードに対しては点が辛くなります。


第一印象。とにかく、バカでかい。

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奥にあるのが、ふだん使っているFILCO Majestouchの茶軸です。

エルゴノミクスということで、左右に広がっている分大きくなるのは当然なのですが、そのほかにも最奥にホットキー(銀色のキー)を並べた分が場所をとっています。なにより、手前にあるパームレストの存在感が半端じゃない。開梱時には、このパームレストの下に"はかま"---手前をさらに高くするための基部---が付いているので、さらに威圧感があります。

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(Amazonの製品紹介より)

この"はかま"を付けたまま使うには、椅子をもっと高くするかキーボード位置を低くする必要があるので、すぐ外しました。

パームレストの質感はなかなかよく、キーボードの傾斜のおかげで、確かにギプスで固められた今の状態でも、かなりふつうにタイピングができるようになりました。


ホットキー、こんなにたくさん要らない

すでに、ふだんのキー操作をそれなりにカスタマイズしている場合、いちばん奥にあるホットキーはあまり必要ありません。ただし、専用ソフトでキーアサインをカスタマイズできるので、一部は重宝しています。なにしろ左手が不自由なので、Escキーも押しにくい。その分を、使わないホットキーに割り当てています。


ファンクションキーの追加機能、まったく要らない

ファンクションキー(F1~F12キー)のキートップに「元に戻す」とか「返信」とか、追加の機能が割り当てられています。通常のファンクションキーとの切り替えには、F12の隣にある[F Lock]キーを使います。

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こいつがとにかく邪魔です。「開く」とか「転送」とか「スペルチェック」とか、使いもしない機能ばかり並んでいて、まったく不要。キーアサインで変更できますが、そもそもFキーといちいち切り替えて使うというのは不自由すぎます。

おまけに問題なのが、その切り替えに使う[F Lock]キー。気付かないうちにうっかり触ってしまうと、ファンクションキーを押したとき、思いもかけない動作をします。しかも、このキー自体はアサインを変更できないので……

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キーをぶっこ抜いてしまいました。


キータッチは、かなり安物感あり

冒頭に書いたように、メンブレンキーボードはもともと苦手なのですが、この製品はとくにダメな感じです。

個体差もあるようなのですが、打鍵感がかなり悪い。しかも、まだ1週間しか使っていないのに、---一般的にいえば、1週間でもかなり酷使したと思いますが---日に日に悪くなってくるようです。

なんか、どのキーも打つときに妙な"引っかかり"があるのですが、最悪はスペースバーです。当然ながら、かな漢字変換のとき多用するのは、スペースバーの左右の端ですが、そのとき変な"はね返り感"がある。

これだけ図体でかいのに、Enterキーが小さいのも×です。

ファンクションキーが、左側5個、右側7個というのも、一般的な4つ区切りに慣れていると使いにくい。


まあ、総合的には「お値段なり」といったところでしょうか。

いずれ本格的にエルゴノミクスを導入するとしたら、店頭で触ってKinesisとかにしたいな。

06:12 午後 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (0)

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2017.08.17

# EBWin4のURLリスト - 8/17版

EBWin4のWeb連携機能がなかなか便利だということを、前に書きました。

参考リンク;side A: # EBWin4でWeb検索―実はなかなか便利だった

その後、各種のセミナーなどでは、この機能に登録して使えるURLのリストを、機会があるごとに提供しています。

前回の記事から1年以上たち、このブログで公開しているURLリストもだいぶ古くなったので、最新版をお届けしようと思います。

登録の方法は、上記の参考リンクをご覧ください。


言うまでもなく、以下に示すのは、私の環境で設定してあるリストです。必要に応じてカスタマイズするなり、新しいサイトを追加するなりしてください。
[URL]と[Post]を両方あげてあるサイトは、EBWin4で[URL]と[Post String]をどちらも指定してください。URLしか書いていないものは、[URL]だけ指定すればOKです。

ジャパンナレッジ
http://japanknowledge.com/psnl/search/basic/?q1=

コトバンク
[URL]https://dic.yahoo.co.jp/search/?ei=UTF-8&fr=kb&p=
[Post]&dic_id=all&stype=full

WikiPedia(jp)
http://ja.wikipedia.org/wiki/

WikiPedia(en)
http://en.wikipedia.org/wiki/

Wikitionary
https://en.wiktionary.org/wiki/

Google Japan
http://www.google.co.jp/search?output=&sitesearch=&hl=ja&q=

WebLSD
https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl?opt=i&query=

Dictionary.com
[URL]http://www.dictionary.com/browse/
[Post]?s=t

AHD
https://www.ahdictionary.com/word/search.html?q=

Cambridge
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/

Collins
http://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/

Longman
http://www.ldoceonline.com/search/?q=

Macmillan
http://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/

Merriam-Webster
http://www.merriam-webster.com/dictionary/

Merriam Unabridged
http://unabridged.merriam-webster.com/unabridged/

Oxford Dictionary
http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/

Oxford Reference
[URL]http://www.oxfordreference.com/search?q=
[Post]&searchBtn=Search&isQuickSearch=true

Urban Dictionary
http://www.urbandictionary.com/define.php?term=

Green's
https://greensdictofslang.com/search/basic?q=

訳語辞典
http://www.dictjuggler.net/yakugo/?word=

類語玉手箱
http://www.thesaurus-tamatebako.jp/?s=

英辞郎
http://eowp.alc.co.jp/search?q=

MSランゲージポータル
[URL]https://www.microsoft.com/language/ja-jp/Search.aspx?sString=
[Post]&langID=ja-jp

Gartner IT Glossary
http://www.gartner.com/it-glossary/?s=

09:41 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.08.16

# 「Weblio英語表現辞典」とは何か~役に立つこともあるのに

このブログでは、Weblioの悪い面ばかり紹介していますが、役に立つ情報がないわけではありません。問題は情報の示し方です。そういう格好の事例に遭遇しました。

never-nude

という、見るからに要注意の語を調べていたときのことでした。もちろん、ふつうの辞書には載っていません。

ありがたいことに、私の辞書環境には、大久保さんが作ってくださったWiktionaryのEPWINGデータが入っていて、そこには載っています。

1708161

gymnophobiaというも未見の語でしたが「裸恐怖症」だそうです。世の中には、いろんな恐怖症があるものです^^

おもしろいのは語源欄で、"Arrested Development"というテレビドラマ(邦題『ブル~ス一家は大暴走!』)から生まれた言葉だそうです(ドラマ自体は未見)。

さて、このnever-nudeをネット検索してみると、おそらくトップにWeblioの定義が出てくるはずです。

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訳語:全裸になることができない人、またその症状()。
解説:コメディシリーズArrested Developmentに登場するTobiasがこの病気を持っている

すごい! Wiktionaryより詳しいですよ。調べてみると、このドラマに関するWikipediaの項にも、こんな風に書いてあります(今回のウラ取りはこれで十分でしょう)。

Tobias is a self-diagnosed "never-nude" (a disorder comparable to gymnophobia), whose language and behavior have heavily homosexual overtones...


さて問題は、上のスクリーンショットにも出ている「Weblio英語表現辞典」というヤツです。クリッカブルなので飛んでみると、こんなページです。

1708163

ところが、これもまた「提供 Weblio」とあるだけで、要するに自前で用意した内容らしいという以上のことは、まったくわかりません。ためしに、上の解説文

コメディシリーズArrested Developmentに登場するTobiasがこの病気を持っている

をググってみましたが、このサイト以外にはヒットしませんでした。


さて、Weblioのnever-nudeの項には、Wiktionaryからの引用も載っています。

1708164

Someone who wears clothes all the time, even e.g. when showering.

ということですから、これを翻訳した(もしくは、機械翻訳した)ということでもありません。やはり「Weblio英語表現辞典」独自の語義・解説なのでしょうか。


となると、Weblioの中の人が、独自に語義・解説を書いているとしか考えられません。もし本当にそうなのであれば、

独自に編集している辞書データである

編集の方針はこれこれであり、何々を参考にしている。

といったことを、はっきり書くべきでしょう。

つまり、本来の辞書にある「序文」にあたる部分です。それをやらない限り、Weblio独自データが

「辞書」として信頼されることは永遠にない

のです。せっかくちゃんとした仕事をしているのであれば、それをきちんと表明すべきですよ、Weblioさん。


※ちなみに、このWiktionaryの定義が、私が引いたWiktionaryとは違います。私の手元にある大久保さん作EPWINGは、2017年3月1日版。Wiktionaryの履歴を見ると、4月7日に書き換えられていました。編集が加わるということは、少なくともアメリカではそれだけの知名度があるということなのでしょう。

11:59 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.08.06

# 「博多で翻訳勉強会」、満員御礼!

7月中旬から募集が始まった福岡翻訳勉強会のイベントですが、昨日8/5の時点で、予定していた定員がいっぱいになったそうです。

めでたく

満員御礼

です。


リンク:「博多で翻訳勉強会」2017年9月23日

なお、"福勉"さんの記事によると、

追加募集の有無については、あらためて当ブログにてご案内いたします。

ということですので、お申し込みが間に合わなかった人も、ちょこっとだけ希望があるかもしれません。続報をお待ちください。

11:43 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.07.14

# 「博多で翻訳勉強会」、申込み受付中!

先日ご案内した福岡の「博多で翻訳勉強会」、申し込みが始まっています。

リンク:2017年「博多で翻訳勉強会」お申込み方法

お申し込みは、専用フォームからになっています。


日 時:2016年9月23日(土) 13:30~18:00
会 場:ももち文化センター(福岡市早良区百道2-3-15)

テーマ:「あなたの訳文の磨き方、それでいいの?」
講 師:遠田 和子さん、高橋 聡

定 員:50名
受講料:5,000円(事前振込)

懇親会:5,000円(事前振込)


幹事のみなさんによると、初動ですでにかなりの申し込みがあったとのこと。ありがたいことです。


また、福岡翻訳勉強会さんのブログに、講師からのメッセージが順次アップされています(この記事も、随時更新します)。

リンク:講師からみなさまへ(1)
こちら、遠田先生からのメッセージです。

リンク:講師からみなさまへ(2) …その1
こちらは私から。「前振り」です ^^;

リンク:講師からみなさまへ(2)…その2
私からのメッセージ、本体も公開されました。


各地の勉強会のなかでも、今いちばん元気な感じがする福岡翻訳勉強会。


私も、9月にお邪魔したら、またたくさん元気をもらって帰れそうです。よろしくお願いします!

【追記】
元気なだけじゃないよ~

09:36 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.06.30

# 翻訳者の不安と自信

自分の翻訳に自信を持っているか。

翻訳を仕事にしている限り、きっと最後までついてまわる問いかけだ。

もちろん、ふだんは一定以上の根拠に立って、つまり自分で説明のできる形で翻訳物を納めてはいる。でなければ、恒常的に仕事なんてできないし、まして翻訳学校で「教え」たり、人様が作った訳文を添削したり評価したりなんてできない。

だけど、根拠があって説明もできることと、自信があることとは、ずいぶん違う。

いっとき自信(のようなもの)を持てても、少し時間が経ってみるとダメダメに見えてくる。ちょっとしたことでも、自分の力量に不安を感じるようになる。しばらく仕事をしていると、なんとか少しずつ回復してくる(でなければ、仕事として続けていられない)。たまさか称賛の言葉をもらったりすると、また自信(のようなもの)を取り戻すが、へたをすると、過信に陥ったあげくに痛い目を見ることもある。

自信を支えてくれるのは、日々の鍛錬だけ。その重さに、ときどき逃げ出したくなることもある。それでも、(ある程度以上)納得のいく訳文ができあがると、翻訳って楽しいと、うかつにも思ってしまう。

翻訳を続けていくというのは、そういう波の繰り返しなんだろう。

「自分の名前で訳書を出す」のが夢とか目標みたいに言われることが多いのは、おそらく翻訳者としての自信のひとつの目安になるからだ。

不安と自信と過信の波間を漂いつづける稼業。自信なんて、蜃気楼のように思えることすらある。

ただ、なんとなく分かっていることもある。

自分の翻訳の良し悪しが分からないなら、それはきっとまだ良くないんだろう

ということだ。言い方を変えると、

人の評価や添削を求めているうちは、まだまだ

なのかもしれないということだ。

だから、自分の翻訳を人がどう評価するか、と気をもみながら待っているよりは、それを何度も読み直して、良し悪しを自分で判断するほうがいいんだろう。たぶん、ある程度以上の自信を持てるレベルに達した人は、みんなそうしているのではないか(もちろん、良し悪しを自分で判断できないうちは、ちゃんと人に見てもらうほうがいい)。

では、訳文の良し悪しは何を基準に判断するのか。それはもう、自分の言語体験しかない。これまでの人生で読み、書き、話し、聞いてきたすべてだ。しっかりした基準を持つためには、たくさん読み、書き、話し、聞くしかない。そのなかで一番、誰にでも手軽にでき、かつ効果的なのが「読む」なのだろう。だから、「翻訳がうまくなりたければ、本を読め」となる。

たくさん読んで、たくさん訳して、たくさん考えて、またたくさん訳す。


本当は、しばらくそういう生活をしたいんだ、たぶん。

11:32 午後 翻訳・英語・ことば, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

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2017.06.21

# オンラインのCOBUILDなら、凡例は要らないかも

ひとつ前のエントリを書いた直後に、オンライン版に触れていないことを思い出しました。

実は、

オンライン版でも V-LINK のような独自ラベルが使われていますが、不思議なことにオンライン版ではどこをさがしても凡例がありません――

と補足するつもりで、オンライン版を見にいったのですが、また進化していました。

リンク:Collins Dictionaries

どうも、独自ラベルをやめて、

凡例がなくてもわかる形式

に移行したようです。

その前に、サイトの作りもまた変わっていたので、そこを確認しておきましょう。

以前、オンライン英英のことをまとめたときには、こういうタブになっていました。

1706216

このあと、タブがなくなって、一般辞書の下に Learner 辞書が表示されるという作りに変わったのですが、今は、タブとスクロールが動的に連動するようになっています。

1706217

このようなタブに変わっています。いちばん左が[Learner]で、これがCOBUILDに相当する学習辞典です。次が[English]で一般の英語辞典に当たり、[American]という米語のタブもあります。

タブを選択すると、画面がずりり~と下に勝手にスクロールしていきます。


そして、学習用の内容を見ると、

1706228

ここにある、passive verb とか link verb のように、「見ればわかる」形式になりました。

たしかに、このほうがわかりやすいですよね。


ちなみに、EBWin4 のオンライン連動で引いてみたら、内蔵ブラウザできれいに表示され、タブの切り替えもスムーズでした。Collins オンラインを使うなら、EBWin4、おすすめです。

1706218


09:27 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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# COBUILDの凡例はこちら

学習英英辞典のなかでも定番中の定番、Collins COBUILD(正式名称は、Collins COBUILD Advanced Learner's Dictionary)。

語義だけでなく、センテンス表示で語法などまでわかる解説は、私たち日本人にも、とてもわかりやすい。

ただ、文法・語法の欄で使われているラベルが、けっこう特殊です。

1706211

たとえばこのエントリでも、UNCOUNT(不可算)とかVERB(動詞)はすぐにわかりますが、そのほかは、知らないと役に立てられない情報です。せっかく載っている情報を活かさないのはもったいない。


さて、その情報はいったいどこにあるのでしょうか。答えは「凡例」です。では、COBUILDの凡例って、どうやったら見られるのでしょうか……

これ、意外と知られていないかもしれません。


いちぱん手っ取り早いのは、オンラインで見つかる情報です。オンライン有料サイトの一角にありますが、無料で見ることができます。

三省堂ウェブディクショナリー

トップ →[使い方]→[各辞書の凡例一覧]→[コウビルド英英辞典]、または[コウビルド英英和辞典]

「英英」と「英英和」がありますが、凡例は大差ありません。


ジャパンナレッジ

トップ → [コンテンツ] → 『コウビルド米語版英英和辞典』をさがしてクリック → (黒い帯のなか)[凡例]


三省堂のほうが、全部1ページに収まっていて、しかも説明が詳しいようです。ジャパンナレッジのほうは、ページをめくる必要があります。

どちらも有料サイトですが、こういう情報を参照させていただくくらいは、かまわないでしょう。

それ以外のCOBUILDではどうなっているでしょうか。

CD-ROM製品版の第5版(COBUILD 2006)では、ヘルプから見ることができます。

1706213

ちなみに、このCD-ROMはJamming/Logophile でも読み込むことができて便利ですが、もともとがヘルプ形式として独立している情報なので、Jamming/Logophile 上で凡例を見ることはできません。


電子辞書端末は、それぞれのモデルごとに見方があるはずです。参考までに、PASOMARA搭載モデルでは、PC上のPASOMARAからは見ることができません。これはちょっと残念です。本体の液晶画面でCOBUILDを選択し、画面の下部に表示される逆三角形を上にスワイプすると出てきます。


iOSアプリ版もありますね。現在は第8版です(バージョンについては後述)。

1706214

これは、評価の高い物書堂さんのアプリ。「付録」のメニューにあります。

1706215

ちなみに、物書堂さんからは、COBUILDの米語版・第2版もアプリが出ています。

COBUILDって、版がはっきりしないことがよくありますね。JTFの「翻訳ジャーナル」、第286号(2016年11/12月号)にも書きましたが、ここにも簡単に書いておきます。


私の手元には、第4版(2003年)のEPWINGデータがあります。


Jamming/Logophile にそのまま登録できるのが、第5版(2006年)。第4版と比べると、smartphone などの新語が追加されました。


第6版は2008年に出て、電子辞書端末に広く採用されたようです。最後のPASORAMA搭載機種、DF-X10001 にも、第6版が集録されています。carbon footprint などが新語として追加されています。


第7版(2012年)は、書籍のほかにアプリが出ていたようですが、入手してませんでした。


最新版が第8版で、2014年。こちらは、物書堂さんのアプリを入手できます(上述)。

固有名詞として Android などが追加されています。

2 N-UNCOUNT

Android is an operating system for mobile phoens and tables. [COMPUTING, TRADEMARK]

3 N-COUNT

An Android is a mobile phone or tablet that uses this software. [TRADEMARK, COMPUTING]

OSとしては不可算名詞、端末としては可算名詞と言うことが、ちゃんとわかります。


改めてこうして並べてみると、かなり改訂の間隔が短いんですね。

08:48 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.06.17

# なぜ、「Weblio類語辞典」は「辞書」とはいえない、のか

毎日新聞・校閲グループさんが、ブログにこんな記事をアップなさっています。

リンク:ネットの類語辞典は辞書といえるか | 毎日ことば

既に5月のブログでその可能性には言及していましたが、もっと強調しなければなりますまい。「Weblio類語辞典」は「辞書」とはいえないと。
「Weblio類語辞典」は提供元がWeblioとなっています。市販の類語辞典から提供されたものではなく、独自に作っているのです。その中には、プログラムにより自動的に生成されたものもあるようです。


毎日新聞さんの投稿としては、ここまでで十分でしょう。ここから先は、帽子屋が引き受けようと思います。なぜ

「Weblio類語辞典」は「辞書」とはいえない

のでしょうか。

ちなみに、このブログでは過去にも何度かWeblioは取り上げています。

side A: # Weblio のご紹介

最初の記事がこれ。10年以上前です。私としてはただ、「変な用語集へのリンクが集まっているおもしろサイト」だと思っていました。

side A: # Weblio のこと・続

その少しあとには、運営者あてにスペルミスを報告したりしており、好感のもてるサイトでした。

side A: # ググるなとまでは言わないけれど

それから3年後、WeblioだけでなくGoogle全体の信頼度がだいぶ怪しくなってきた頃の記事がこちら。

side A: # Weblioを使うときの注意

さらにその3年後、いまから5年前ですが、この頃には収録データの

出典に注意する

よう、呼びかけています。この注意点には、あちこちのセミナーなどでも、繰り返し触れるようにしてきました。

では、Weblioで「そもそも」を引いてみましょう。

ただし、トップページ

1706171

から検索したときに出てくるのは、三省堂大辞林です。

1706172_2

出典情報として、ちゃんと「三省堂 大辞林」と書いてある点、覚えておいてください。もちろん、語義・語釈のなかに「基本的」などという類語は載っていません。


Weblioのなかで「類語・対義語辞典」というセクションに移動して---

1706173

---あらためて「そもそも」を検索します。

1706174

ありました、「基本的に」。

ここで注意するのが、さっきの「三省堂 大辞林」と同じ位置にある出典情報です。ここに

Weblio類語辞典

と書いてあるわけです。ここをクリックしてみましょう。

1706175

提供 Weblio
URL http://thesaurus.weblio.jp/

ということなので、このURLに移動してみます…… って、あれ、これは、さっき「そもそも」を検索した「類語・対義語辞典」セクションのトップですよね。戻ってきちゃいました。ここに、ちゃんと、この辞典の説明があったんでした。

1706176_2

Weblio類語辞典は、以下の辞書を利用しています。
「Weblio類語辞書」
Weblioシソーラス(自動抽出機能)

ん? んん?

「Weblio類語辞典は、以下の辞書を利用しています」として挙がっているのが、「Weblio類語辞書」?

これだけでもう、

辞書の出典情報としてはアウト

のはずですが、さらにその下に注目してください。「自動抽出機能」とあります。これについては、もっと下まで進まないと説明が見つかりません。

1706177

一部不適切なキーワードが含まれていることもあります

だそうです。


なんだか、どこかで見た気がしませんか。そう、機械翻訳の出力でもよく目にする免責の文言です。


機械翻訳は、この文言を入れておくことによって免責としているわけですが、それは同時に

これはちゃんとした翻訳じゃありませんからね

と宣言しているに等しい。


それと同じように、「Weblio類語辞典」も、

これはちゃんとした類語辞典じゃありませんからね

と宣言しているわけでした。

なんのことはない、「辞典として使っちゃダメですよ」って、Weblioさん自身がちゃんと書いてくれてたわけです。

使う側が気をつけなくちゃいけない……でも、ですよ。免責事項をこんな深いところに書いてたら、ふつうのユーザーはなかなか気づかないんじゃないかなぁ。そういう点では、サービスとして非常に問題だとは思います。

どんな辞書だって、無謬ということはありえません。誤植も含めて、どこかに必ず間違いはあるでしょう。でも、だからといって

一部不適切な語義・語釈が含まれていることもあります

と免責している辞典なんて、一冊も見たことありません。なぜか。それが、辞書編纂者の矜持だからです。


内容に間違いはあるかもしれない。だが、間違いがないよう、全力で編纂した辞典を作ったつもりだ。


どんな辞書も、そう言えるだけの過程を経て作られています。その努力は、小説・映画・アニメ『舟を編む』の終盤、「ちしお」のたった1語が抜けているために、『大渡海』の編集部がどれだけの苦労をしたかという、あの場面を見ても分かります。

誤解のないように書いておきますが、人が苦労をして作ったものだから良い、機械的にデータを集めただけのものだから悪い、と言ってるのではありません。

要は名乗り方と、使い方です。

「機械翻訳です」と断っている翻訳が、本来の「翻訳」を名乗ってはいけないのと同じように、「自動抽出データを使っている」と宣言しているデータ集が「辞典」を名乗るべきではない、そういうことです。

使う側も、そのつもりで使いましょう、ということ。

以下は余談。

「どんな辞書も、無謬ということはない。が、編集者は間違いがないよう全力を尽くしている。だから、免責の文言を書いたりしない」

これって、翻訳も同じですね。

「どんな翻訳も、誤訳がないということはない。が、翻訳者は間違いがないよう全力を尽くしている。だから、免責の文言を書いたりしない」


だから、免責の必要な機械翻訳に、人間の翻訳が負けるはずはないのです。

05:08 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.06.13

# テリーさんの「翻訳チェック」、関東ではこれが最後!

齊藤貴昭さん、通称「テリーさん」の翻訳チェックに関する話は、みなさん、もうお聴きになったでしょうか。


昨年のJTF翻訳祭では、「誰も教えてくれない翻訳チェック」と題したセッションが超満員となり、ご参加のみなさんには大変なご迷惑をおかけすることになりました。

それを受けて、先月22日には、JTF翻訳セミナーで同セッションを再演していただきました。こちらも満席でした。


たしかに、翻訳のこととか、翻訳環境のことを学ぶ機会はいろいろありますが、翻訳後に(人の、自分の)

訳文をどうやってチェックするのか

そもそも、訳文をチェックするときには、

どんな心構えで臨むべきなのか

ということは、誰も教えてくれません。多くの方がこの内容に関心をもったのも、当然と言えば当然です。実際に参加なさった多くの方が、今までになかった手応えを持ち帰っていらっしゃるようです。


そして、同じ内容を関東で聴けるのは、これが

最後のチャンス

になります。


6月24日(土)、日本翻訳者協会(JAT)が、年次総会の前に開催する基調講演です。

リンク:JAT通常総会・基調講演会・懇親会


テリーさんの「翻訳チェック」の話をまだお聴きになっていない方は、この機会をお見逃しなく!

翻訳に携わる、ありとあらゆる方、必聴です


費用は、JAT会員が3,500円、非会員が4,500円です。

テリーさんの話は9:45~11:30 ですが、その後、昼食をはさんで、機械翻訳をめぐるパネルディスカッションも続きます。

9:00~ 9:30 受付
9:30~ 9:45 開会の挨拶
9:45~11:30 私の翻訳チェック - 齊藤貴昭氏による基調講演
11:45~13:00 交流会・昼食
13:15~15:15 Is there an elephant in translation? 機械翻訳、まだ見かけていませんか? - パネルディスカッション(日英)


上記費用は、後半のパネルディスカッションまで含めた料金です。気になる機械翻訳のことを知るにも、絶好のチャンスです。


12:36 午後 翻訳・英語・ことば, JAT・JTF | | コメント (0)

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2017.06.11

# 速報 - 「博多で翻訳勉強会」、今年も開催決定!

昨年の9月、福岡翻訳勉強会が主催するイベント「博多で翻訳勉強会」が開催され、私も応援にかけつけたことは以前、ご報告しました。

side A: # 福岡勉強会が始動、9月には第1回勉強会

side A: # 「博多で翻訳勉強会」、盛り上がりました!


今年も、同じ時期に

第2回を開催

することが決定し、勉強会ブログでも正式に発表があったところです。

リンク: 福岡翻訳勉強会:2017年も開催します

日 時:2016年9月23日(土) 午後
会 場:ももち文化センター 特別会議室
講 師:遠田 和子、高橋 聡


はい、今回は私も登壇します。


詳細な内容は、これから決めていく予定ですが――

遠田さんのお話は、

関東以外では、たぶんかなり貴重

です。この機会をお見逃しなく!


私のほうは、主催者の希望する内容に応じるつもりですが、たとえば辞書の話になったとしても、今までにしたことのない

新ネタ

を用意するつもりです。


ということで、今年もみなさん、博多でお会いしましょう!

03:35 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.06.09

# EBWin4でできること

先月の翻訳フォーラム・シンポジウムが終わってすぐに、レッスンシリーズ第6弾の開催が決まったことは、すでに当ブログでもお伝えしました。

リンク:「辞書ブラウザ 手取り足取り」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#6)

今回のレッスンシリーズは、少人数(定員15名)のハンズオン形式です。EBWin4の導入から、ひととおり検索できるようになるまでを、手取り足取りで説明します。


汎用辞書ブラウザ「EBWin4」は、無料で使えること以外、あまり特長が知られていないような気がします。7月22日のレッスンは、超基本から始めますが、時間の許すかぎり、EBWin4 の魅力をお伝えするつもりです。その一部をちらっと紹介しておきましょう。


成句の検索

たとえば、Jamming/Logophile、LogoVistaで、
成句とか用例がうまく引けない
と思っていませんか? EBWin4 なら、かなり効率的に検索できます。


オンライン辞書の検索

各種のオンライン辞書も、EBWin4 のウィンドウ内で使えます。無料で使える英英辞典、故・山岡洋一さんが遺してくださった「翻訳訳語辞典」、有料だけど素晴らしいジャパンナレッジなども、ブラウザで使うよりずっと手軽です。


リストや本文の保存

検索結果(画面の左側)とか、本文の内容(右側)を保存しておきたいと思ったことはありませんか? EBWin4 なら、どっちもできます。


PC上で使える辞書環境を整備したいとお考えの方、ご参加をお待ちしております!

07:13 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.05.29

# 「没交渉」の意味は? - 国語で困ったら和英も引いてみる

月曜日の朝、起きてPCをつけたら、こんなニュース見出しが目に飛び込んできました。

【今日の主要記事】 1.JASRAC、ヤマハ音楽教室とは「完全に没交渉状態」--京大は“引用”と判断

最近とかく話題になっているJASRAC問題。私が見たのは、CNET Japan のニュースレターでした。元記事はこちら。

リンク:JASRAC、ヤマハ音楽教室とは「完全に没交渉状態」--京大は“引用”と判断

「没交渉」って、こういう意味でしたっけ?

本文中では、小見出しと本文の2か所に使われています。

1705291_5

「完全に没交渉状態」(浅石氏)とし、ヤマハ音楽振興会などが立ち上げた「音楽教育を守る会」との直接話し合いは全く行われていない状態とした。

この書き方からすると、どう見ても

まったく交渉していない

状態を指して使っているようです。

「没交渉」と言ったら、具体的なnegotionがあるとかないとかいう話ではなく、「関係がない、付き合いがない」の意味だというのが私の理解だったのですが……、こういう使い方もあるのでしょうか。


気になったので、とりあえずコーヒーだけいれて、手元でさっと調べられる国語辞典を片っ端から引いてみました。


かかわりあいのないこと。また、そのさま。無関係。 【日本国語大】

かかわりあいのないこと。また、そのさま。 【精選版 日国】

交渉がないこと。無関係なこと。ぼつこうしょう。 【学研国語大】

交渉がないこと。無関係。 【岩波国語 七】

交渉をもたないこと。かかわりあいのないこと。ぼつこうしょう。 【明鏡国語 二】

かかわるところが無いこと。ぼつこうしょう。 【新明解 七】
※四、五、六も、かなづかいを除けば同じ

交渉がなく関係が断たれていること。また、そのさま。 【大辞林】

かかわりあいのないこと。無関係。ぼつこうしょう。 【広辞苑 六】

交渉がないようす。無関係。ぼつこうしょう。 【三省堂国語 七】

交渉がなく関係が断たれている。また、その状態。=ぼつこうしょう。 【ベネッセ表現】

交渉のないこと。ぼつこうしょう。【角川 必携】

(「ぼつこうしょう」とも)かかわりあいのないこと。無関係。 【国語大辞典】

(ぼつこうしょう)
交渉がないこと。かかわりをもたないこと。また、そのさま。無関係。 【デジタル大辞泉】

(ぼつこうしょう)
交渉のないこと。無関係であること。 【現代例解】

(ぼつこうしょう)
交渉がないさま。無関係なさま。ぼっこうしょう 【集英社】

(ぼつこうしょう)
交渉のないこと。無関係であるさま。 【国語新辞典】

※下線は引用者

ちなみに、親見出しは最後の4つが「ぼつこうしょう」、残りが「ぼっこうしょう」でした。


「交渉」の語が使われていないのは、下線を引いた4つだけ(日本国語大、精選、広辞苑、新明解)で、ほかはすべて

交渉がない

という否定の形で説明されています。これなら、冒頭にあげたニュースでの使われ方も、間違っていないことになります。でも、もちろんこれではちっとも納得できません。こういうときは、もとになっている「交渉」も引かないとダメです。今度は二、三の例でいいでしょう。

①相手と話合いをして、取り決めようとすること。かけあうこと。「諸外国と―する」「値引きを―する」「団体―」
②かかりあいをもつこと。関係。つきあい。「彼女と―がある」「没―」 【岩波 七】

(1)ある事柄を取り決めようとして、相手と話し合うこと。かけあうこと。かけあい。談判。
(2)かかわりをもつこと。また、かかわりあい。特に男女の性的な関係。 【日国】

どうやら、大きく2系統の意味があるようです。

「没交渉」=「交渉がない」という定義なら、なるほど、どちらの意味の否定でも使えることになります。そうすると、やはり件のニュースの使い方は、問題ないということになる。

ただし、岩波で②のほうの用例として「没-」があげられている点は、注目すべきでしょう。

② 人と人との交わり。かかわりあい。関係。 「没━」【明鏡 二】

2 交際や接触によって生じる関係。かかわり合い。関係。「悪い仲間との―を絶つ」「異性と―をもつ」「没―」 【デジタル大辞泉】

などの用例も同じでした。これを見ると、やはり「没交渉」は「関係」「かかわりあい」がないことであって、「negotiationがない」という話ではなさそうです。

もとの「交渉」に2系統の語義があって、否定形「没交渉」にも、その2系統に対応する使い方があるなら、「没交渉」を「交渉のないこと」と説明してもいいでしょう。しかし、2系統のうち一方の否定でしかないとしたら、「交渉のないこと」という語釈には問題あり、ということにならないでしょうか。


少納言で調べても、「negotiationがない」と解釈できる例は、皆無ではありませんが、少数派です。

青空WINGもざっくり調べてみました。178件ヒットします(2017/3/4完全版)。

彼の気分とは没交渉に、皆その日の生計を励んでいる。【芥川】

奇妙にも葉子とは全く無関係で没交渉だった。【有島】

其は古代の文法からは、没交渉なものと謂はねばならぬ。【折口】

……などなど、やはり「negotiationがない」系は見つかりません(全部は見てませんが)。

少納言や青空WINGでここまで確認できれば、やはり「没交渉」を「交渉のないこと」と書いてしまうのは、よろしくない気がします。


そして、翻訳者であれば、さらに

和英辞典

まで確認しておけば安心です。

彼の人生は芸術とは没交渉だった His life had nothing to do with art.
彼は世間とは没交渉だ He stands aloof from the world.
あの人たちとは没交渉です I do not associate with them.
国民の感情とは没交渉に政界の駆け引きが行われている  Political maneuvering is being carried on regardless [quite independently] of the people's feelings. 【プログレッシブ英和中】

ぼっこうしょう【没交渉】
lack of relation 《to…》. [⇒むかんけい]
…と没交渉である have no connection [relation, concern] with…; have nothing to do with…; have no hand in…; be independent of…
・その後彼女の家とはまったく没交渉である. Since then we have had nothing at all to do with her family.
…と没交渉に independently of…
・彼らは世間と没交渉に生きている. He stands aloof from the world. | He has cut adrift from society. 【和英大】

ぼつこうしょう〔没交渉〕
〈形〉Having no concern with (anything)
◆僕はそんなことには没交渉だ I have no concern with―have nothing to do with―such matters.
◆これと彼とは没交渉だ This has nothing to do with that.
◆彼は研究に夢中になっているから世間とは没交渉だ He is so absorbed in his study that he has no concernment with the world. 【斎藤和英】

※下線は引用者

このように、negotiationの意味で使われている例は、ひとつもありません。


以上のことから、かなり多くの国語辞典が「没交渉」を「交渉がない」系で説明している現状はいかがなものか……という結論になりそうです。

ところで、今回ニュースになったケースでは、この表現を使ったのはJASRAC側だったようです。

進捗については「完全に没交渉状態」(浅石氏)とし、
メディアであるCNETさんがこんな使い方をしたのではないことが、救いといえば救いでしょうか。

11:23 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (3)

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2017.05.27

# 翻訳は不自然な作業 - CATツール環境はもっと不自然

先日の翻訳フォーラム・シンポジウム、全セッションを通じて、いろいろと印象に残るキーワード、キーフレーズがあったことと思います。


なかでも、高橋さきののパート『述語から読む・訳す』の冒頭に出てきた話は、かなりインパクトがあったようです。

翻訳は不自然な作業

ほっておけば《勘》はどんどん鈍る。

翻訳をすればするほど、日本語単体の文章力は下がる


ふつうの翻訳でさえ「不自然な作業」であって、「翻訳するほど日本語の文章力は下がる」わけですから、

翻訳支援ツールを使うのは、もっと不自然な作業

だということは、容易に想像がつくでしょう。
※ここで言う翻訳支援ツールとは狭義、いわゆる翻訳メモリーアプリケーションのことです。


どんな文章でも、ひとつずつの文が独立して存在しているわけではありません。原文のライターが、1文ずつを、まったくばらばらの意識で書いてるなんて、ありえないからです。


どんな文と文にも、必ずつながりがある。

時系列に沿った説明、原因と結果、理由と結論、言い換え、反復、例示、順接、逆接、添加、反転……。明示的な接続語句があってもなくても、あらゆる文と文の間には、そういう関係がある。もちろん、英語でも日本語でも。

そして、文と文がつながってパラグラフになり、パラグラフとパラグラフがつながって文章ができあがる。


そういう流れ、かたまりを、1文ずつに切り離した状態で訳そうなんて、それはもう不自然のきわみです(差分だけの翻訳とか!)。

CATツールのメーカーは、「前後の文脈も見えるでしょ」と言うかもしれませんし、CATツールを日常的に使っている人なら、「文脈には気をつけて使っている」と言うでしょう(実際、そう意識しているのでしょう)。

でも、人間の感覚って、実はとても脆い。よく言えば、融通がききすぎる。だから、あの窮屈な

1文単位のインターフェース

をずーっと使っていたら、どうしたって影響を受けます。影響されないと考えているとしたら、それは錯覚です。


不自然な行為の影響をなくすには、どうすればいいか。その方法やヒントを、シンポジウムではお伝えしました。

スキルの落ちにくい訳出作業が必要

というのが、ひとつの解答でした。

「1文単位のインターフェース」の弊害はわかっていても、お仕事として使わなきゃならない。のだとしたら、その影響を相殺するには、ふつうの翻訳を並行して続けること、あるいはふつうの翻訳に置き換えてしまうことです。

ちなみに私は、CATツール指定案件でも、ちゃんと訳したいときは、ソース(PDF、Webページなど)から原文を確保して、それをふつうのインターフェース(ただのWordファイル)上で訳してから、最後にCATツールに貼り付けています。

手間は増えますが、私がこの方法をとるときって、そもそもCATを使うべきではない文章にCATが指定されているケースです。原文と訳文が一対一にならない部分も多くなりますが、それは当然だし、こういうケースなら訳文の再利用が発生する可能性はまずないので、問題化することもほぼありません。

そういうことを前提にしたうえで、CATの影響を回避するための、いわば自衛手段です。

CATツールを使っていれば、弊害には遅かれ早かれ気づくでしょう。もし、日常的にCATを使っていて、不自然さを感じていないとしたら要注意です。それどころか、あのインターフェースのほうが訳しやすいと感じているとしたら、1文単位の思考に慣れてしまい、文と文との間にあるはずのつながりに鈍くなっている兆候かも。


ましてや、翻訳の力が固まっていないうちにCATツールを導入し、メモリーの既存訳や用語集を頼りに「翻訳力をつけよう」という発想は論外です。しばらく続けていたら、表面的には何とか「訳文」を取りつくろえるようになるかもしれませんが、ちゃんとした力は身につかない。第一、そんな付け焼き刃でできるレベルなら、早晩、機械翻訳にとって代わられるでしょう。

シンポジウムに出てきた、鉄人28号の話も、そういうことです。

04:48 午前 TRADOS, 翻訳・英語・ことば | | コメント (1)

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2017.05.25

# 翻訳フォーラム・レッスンシリーズ、EBWin4の超基本

翻訳フォーラムのシンポジウムと大オフ、みなさまのおかげで無事終了しました。

当日の様子は、こちらのツイートまとめをどうぞ。

リンク:翻訳フォーラム『シンポジウム2017』『大オフ2017』まとめ

また、ご参加くださった方々によるブログなども、ぼちぼちアップされ始めました。そちらは、しばらくしたらまとめたいと思います。


さて、シンポジウムが終われば、翻訳フォーラム・レッスンシリーズです。さっそく、第6弾となる次回の内容が決まりました。

きっかけは、シンポジウムが終わってから流れた、こんなツイート。

EBWinとEPWINGの発音も聞き分けられない(どっちが何か分からない)わたし。「そこから始める⁉︎ 辞書ブラウザ導入講座」とかあったら絶対に受講する。「腰が引けてる人のための〜」でもいいな。sorryの串刺し検索、してみたい。


やりましょう、「そこから始める!?」

というわけで、辞書ブラウザ「EBWin4」の超基本を、PC持ち込み、手取り足取りのハンズオン形式でご案内します。

・辞書ブラウザEBWin4の導入
・各辞書の入手と登録
・辞書グループの作成
・複数辞書の串刺し検索

までを半日で覚えます。

申し込みサイトはこちら。

リンク:「辞書ブラウザ 手取り足取り」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#6)

※申し込み開始は、28日の11:30からです。ただ、今回はハンズオン形式ということで募集が少数です。お気をつけください。

10:28 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.05.18

# 『英和翻訳基本辞典』もEPWINGに--見出しプラスアルファ

EPWINGジェダイの大久保克彦さんが、『翻訳訳語辞典』の見出しEPWINGを公開してくださったと、先日お知らせしたばかりですが、今度は、宮脇孝雄さんの『英和翻訳基本辞典』もEPWING化してくださいました。

リンク:Project Zephyr 宮脇孝雄『英和翻訳基本辞典』のEPWING(化)

見出しだけでなく、ごく簡単な説明文も付いています。そして、書籍のページ数が書かれているので、詳しくは書籍でそのページに当たることになります。


データ自体は、3年ほど前に越前敏弥さんが(もちろん、著者の許可をとって)作成してくださったテキストファイルが元になっています。

リンク:『英和翻訳基本辞典』インデックス: 翻訳百景

今までのデータでも、Jammingに登録すれば(ユーザー辞書という扱いになる)使えていました。

1705181

※なんか、いろんな記号が出てきちゃうのは、ウチのJammingだけかもしれません。これについては未検証。


これが、大久保さんのおかげでEPWINGになり、他の辞書と同じような体裁になったわけです。

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ページを見て実際の書籍を開くのは、もちろん今までどおりですが、リンクがリンクとして機能します。

スクリーンショットは載せませんが、EBWin4にももちろん登録できます(Logophileは未確認)。


元データを作ってくださった越前さん、大久保さん、ありがとうございます!

前回の『翻訳訳語辞典』も、この『英和翻訳基本辞典』も、きちんとしたデータは他のサイトや書籍に当たらねばなりません。

しかし、このように手元の辞書で、まずエントリーの有無から確認できるという、それだけのことが私たち翻訳者にとってどれだけありがたいことか、お使いの方には十分おわかりでしょう。

まだお使いでない方は、ぜひ使ってみてください。言うまでもなく、『英和翻訳基本辞典』が必要ですが、これは翻訳者必携です。この機会に入手しましょう。


データ化されていない紙の辞書を、このような形で利用できるというのは、汎用辞書ブラウザの新しい使い方かもしれません。

紙の辞書の索引をスキャンしてテキストデータにできれば、それを元にいろいろなEPWINGデータが作れるはずです(実は私も試しているのですが、まだうまくいっていません)。それを公開するには、やはり著者の許諾が必要だろうと思いますが、この形はけっして、元の書籍の権利を侵すものではありません。

むしろ、書籍の売り上げ増につながるのですから、誰にとってもありがたいモデルではないでしょうか。


EPWING、いまだ滅びず!


21日(日)の翻訳フォーラム・シンポジウムでも、この話には簡単に触れる予定です。

02:56 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.05.14

# JTFジャーナル、配信と発送が変わります

右カラムにカバー写真を載せていますが、日本翻訳連盟の「日本翻訳ジャーナル」、最新号となる5/6月号(289号)が発行されました。

Jtfjournal289_2

そして、今号の公開をもって、JTFジャーナルの提供システムは以下のように変更されました。

  • JTFジャーナルは、今号より、JTF会員誌として会員向け限定の公開となります。

  • ただし、移行措置として2018年3月末まで(294号まで)は、アカウントを作成するだけで誰でも無料でお読みいただけます

  • JTF会員には、毎号(隔月)、印刷した紙版を郵送にてお届けします。


最新5/6月号の紙版が私の手元にありますが、なかなかいい感じの仕上がりです。

1年間の移行措置の後でも、非会員向けには、できるだけの情報提供を続けていく予定です。詳細は、ご報告できるようになったら、このブログでもお伝えします。

念のため、アカウント作成とログインの手順を記しておきます。

なお、JTF会員の方は、JTFジャーナルサイトへのログインについてご注意いただきたい点がありますので、以下をご確認ください。

JTFジャーナルWeb版 | 一般社団法人日本翻訳連盟 機関誌

で、今までのように表紙をクリックすると、

1705141

このようなページが表示されます。

このページにある「ログインページへ」のリンクから、あるいはページ右上の

1705142

ここから、ログインページに進みます。

1705143_2


初めての方は、ここでアカウントを作成してください。

なお、ジャーナルのPDFを閲覧するには、

JTF会員もアカウント作成が必要

ですので、ご注意ください。


JTFサイトで「会員ログイン」するだけでは、ジャーナルは閲覧できません。

JTF会員サイトとは違うアカウントになりますので、ご注意ください(会員サイトは、会員ID/パスワード。ジャーナルサイトは、メールアドレス/パスワード)。


ということで、今までよりちょっと手間が増えましたが、その手間に値する充実のコンテンツになっているのではないかと思います。

今後も、JTFジャーナルを、ご愛読いただければ幸いです。


06:11 午後 翻訳・英語・ことば, JAT・JTF | | コメント (0)

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2017.05.12

# 『翻訳訳語辞典』の見出しEPWINGデータが登場!

翻訳フォーラムのシンポジウムが、いよいよ来週に迫ってきました。5/21(日)開催です。残席が僅少となりましたので、ご参加検討中の方は、お急ぎください。申し込みサイトはこちら

さて、そのシンポジウムで、私はまた辞書の話をします。今年は、汎用辞書ブラウザ EBWin4 を中心に、辞書ブラウザの使い方について、最新情報をお伝えする予定です。


そんな矢先、EPWINGの世界でまた、うれしいデータが公開されました。故・山岡洋一さんが遺してくださった貴重な訳語集(英日・日英 翻訳訳語辞典 — 辞遊人(DictJuggler))です。

山岡洋一『翻訳訳語辞典』の見出しだけEPWING

データを作成してくださったのは、もちろんEPWINGマスターの大久保さん。いつもながら、ありがとうございます!

辞書の内容がそのままEPWING化されたわけではなく、見出しと、そのURLが示されるだけという単純な構造ですが、汎用辞書ブラウザで串刺し検索を実行すれば、その結果からすぐに該当項目に飛ぶことができます。

つまり、今までのように、該当項目が

あるかどうかわからない

状態でサイトを調べにいくのではなく、

あるのを確認したうえで

サイトを参照できるわけです。

これが、どれほどありがたいことか、使ってみればすぐにわかると思います。

どの汎用ブラウザにも登録できるはずですが、Logophileは試していません。理由は以前書いたとおりです。


EBWin4 の場合

大久保さんも EBWin4 での使用を想定しているので、EBWin4 で使うのがいちばん簡単です。通常のEPWINGデータと同じように登録して検索すると、

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このようにURLが表示されます。これをクリックすれば、EBWin4 内部で表示されます(使われるのは、Internet Explorer のエンジン)。

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「詳細表示」をクリックすると、元の例文と出典がわかりますが、若干レイアウトが崩れます。これはしかたがないようです。

また、訳語自体もリンクになっていて、たとえば「楽しみ」をクリックすると、同じサイトの「翻訳類語辞典」に飛ぶようになっています。

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つまり、調べたい単語 → 訳語 → 類語と流れるように検索していけるわけで、これまでこのサイトを愛用していた方も、それが最大の魅力だったようです。

EBWin4 には「進む/戻る」の左右矢印ボタンがありますから、訳語ページと類語ページの行き来も簡単。


Jamming の場合

Jamming でもURLは表示されますが、残念ながらクリックできません。

1705124

ここからURLを開くには、方法が2つあります。

まず、AHKを使う方法。これについては、くにしろさんがブログで紹介してくださいました。

リンク:AHKを利用して、Jamming で『翻訳訳語辞典』のURLにジャンプする | Memo 9246 :: 翻訳備忘録・雑記帳


もうひとつは、Jamming のWeb 検索機能を使う方法。

あるんですよ、実は、Jamming にもこの機能が。ただ、別ウィンドウを開いたままにするというのが、なんとなくスマートじゃない気がします。

それでも、Jamming 大好きで、AHK導入が難しい人は、この方法をお試しください。手順は、以下のとおり。

  1. Jamming の[ファイル]→[検索用URLを開く]で[URL]ウィンドウを開きます。
  2. [操作]→[新規URL]を選択して、[URLの編集]ウィンドウを開きます。
  3. [名称]に任意の名前を入力し、[URL]には
     http://www.dictjuggler.net/yakugo/?word=[WORDS]
    と入力します。

設定が終わっても、このウィンドウは開いたままにしておきます。Jamming 本体で何か検索してから、[URL]ウィンドウに表示されている名称(3.で決めたもの)をダブルクリックすると、ブラウザで該当ページに飛びます。

ちなみに、Logophileでも、Web連携のしかたはだいたい同じです。

こんな風に、今まで汎用辞書ブラウザでは使えなかったコンテンツが、翻訳者にとってありがたい形でデータ化される。素晴らしいことだと思います。

以前も、宮脇孝雄さんの『英和翻訳基本辞典』が、これに近い形でEPWING化されました。こちらは本体が書籍なので、書籍版を持っていないと意味がありません。当ブログの過去記事をご覧ください。

リンク:side A: # 『英和翻訳基本辞典』をJammingに

10:22 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.04.21

# 第27回 翻訳祭、始動!

※1年前の記事のコピーではありません!


昨年、第26回の翻訳祭は、おかけさまで大成功と言っていい成果をあげることができました。


今年、第27回翻訳祭も、昨年と同じくこの時期から準備がスタートします。


2017年の翻訳祭、開催の日時と場所は以下のとおりです。

日程:11月29日(水)
場所:アルカディア市ヶ谷


そして、これが今年の翻訳祭実行委員の面々です。

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 ・
 ・
 ・

って、昨年とあまり変わっていないようにも見えますねー。


実は、昨年の成功を受けて、今年の翻訳祭も昨年に続き

個人翻訳者にとって魅力的なコンテンツ

を中心に組み立てていこうということに決まりました。

その方針のもと、実行委員会も、昨年の委員が全員残ったうえで、新たに2人が加わるという布陣になった次第です。


ちなみに、今年の実行委員長は、不肖・帽子屋が務めさせていただくことになりました。


委員長を拝命したからには、昨年に負けないコンテンツをそろえるつもりです。

また、会場は残念ながら、引き続きアルカディア市ヶ谷となります。

昨年は一部のセッションが超満員になり、ご参加の皆さんにはたいへんご不便・ご迷惑をおかけすることになりました。昨年並みの人気が予想されるコンテンツを用意しながら、会場については運営・整理の態勢を万全に整え、気持ちよくセッションを聞いていただこうと考えています。


そのほか、いろいろな面で昨年以上にご満足いただけるような翻訳祭にしたいと思っています。


(今年も)ご期待ください!

06:21 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (1)

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2017.04.09

# 翻訳フォーラム・シンポジウム、申込みは本日10:00から!

すでに日程だけはお伝えしていましたが、今年の翻訳フォーラム・シンポジウム、イベント告知サイトができました。

リンク:シンポジウム2017 ~直訳と意訳の間で~

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申込みは、シンポジウム、大オフとも、昨年と同じく第一次と第二次に分かれています。

第1次発売 4/ 9(日) 10:00~5/18(木) 19:00

第2次発売 4/14(金) 18:00~5/18(木) 19:00


ということで、第一次発売は、本日の朝10:00 です。


忘れずに、スタンバイを!

01:12 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.03.18

# 東京ほんま会、「ワイルドカードVS正規表現セミナー」

5月くらいまでのイベント予定でもお伝えしましたが、東京ほんま会、久しぶりにセミナーを開催します。

リンク:ワイルドなセイキの対決! ワイルドカードVS正規表現セミナー

日時:4月23日(日) 13:00~17:00(懇親会あり)

場所:株式会社翻訳センター

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以前も書きましたが、案内サイトから抜粋します。

・ときどき使ってはみるが、応用まではできていない
・うろ覚えの正規表現は、Microsoft Wordでは使えなかった
・あやふやなワイルドカードが、エディタやTradosで通用しなかった
・WildLightやSimplyTermsなどのツールで、検出パターンを定義したい


今回、ワイルドカードと正規表現を初歩から扱うことはしませんが、どちらか一方を、少しくらいは使っているという方にはおすすめです。


募集開始から2週間ほど経っているため、お席はすでに4分の3ほど埋まっています。いつものペースですと、あと1か月弱で満席~キャンセル待ちになります。

興味のある方はお急ぎください。

ということで、ワイルドカードと正規表現についてのアンケートも実施しています。

・こんな検索や、あんな置換をしてみたい。

・ふだん秀丸エディタでやっている検索を、Wordのワイルドカードではどうやるのか。

そんな質問を募集しています。

04:24 午後 翻訳・英語・ことば, 翻訳者のPCスキル | | コメント (0)

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2017.03.12

# 柳父章『日本語をどう書くか』

(3/14修正:なんか、タイトルもAmazonのリンクも違ってた~)

自分の不勉強を、あらためて恥じ入っている。

柳父章の著作は、右カラムの書棚にも置いてある『翻訳語成立事情』くらいしか読んでおらず、最近になってようやくこれを読んだ。


こんなことを書くだけでも浅学をさらけ出すことになるが、いやそもそも浅学は広く知れわたっているのだから気にせずに書いてしまおう、私が今までに出会った翻訳関連の本のなかでは、故・山岡洋一氏の『翻訳とは何か―職業としての翻訳』以来の衝撃だったかもしれない。

もっと早く読んでおきたかった一冊だ。

・日本語の「文」とはどんな単位なのか。

・どうして、読点の打ち方は難しいのか。

・助詞の「は」が、なぜ文を超えて効力をもち続けるのか。

・常体と敬体とは何なのか。

・日本語の文末の種類が乏しいのはなぜか。

・「だ」と「である」はどう違うのか。

・「~のだ、~のである」文末はどんな機能を果たすのか。

・英語と日本語のテンスとアスペクトはどう違うのか。

・「~ている」という表現は何なのか。

・漢語(熟語)はどういう性質をもっているのか。


--- といったことの手がかりが、全部この本には載っている

あくまでも「手がかり」であって、「答え」ではないかもしれない。少なくとも、この本だけで何もかも解決するわけでは、たぶん、ない。

が、上に挙げたような疑問---翻訳者なら何度も遭遇しているはずの---について、今までにきちんと考えたことがあり、別の機会に聞いたり読んだりしていれば、この本を読んでいろいろと腑に落ちるはずだ。


以下、特に印象的だった箇所をふたつだけ引用する。

この熱心な翻訳受け入れ国、日本の翻訳方法は、通常考えられている二言語併用の立場とは本質的に違っていた。それは、彼方の話し言葉をこちらの話し言葉に移し入れる、という方法ではなかった。彼方とこちらの二つの話し言葉の間に、言わばもう一つの日本語とも言うべき、翻訳用の書き言葉を作り出す、という方法によったのだ。

私は日本語学の専門家ではないし、この言説が学問的にどう評価されているのかは知らない。だが、この一文で、翻訳をめぐるいろいろなモヤモヤが、すとんと収まった。


言葉は、その使用者が知って意識している以上の意味を、自ずと心得ている。人が知っているのは、その一部にすぎない。使用者が知っている以上の意味は、いざ使用してみたときの、ほとんど無意識的な、感覚が教えてくれる。語感である。そして、歴史の古い言葉は、この語感が豊かなのであり、逆に新造語は、何与野もこの語感に乏しい。

辞書を引くとき、訳語を選ぼうとするとき、頭の片隅にしっかりとどめておこうと思う。


こんな風に、(私にとっては)ハッとさせられる指摘が随所にあった。翻訳者として日本語を見つめ、英語と日本語という二言語のあいだに立って考えをめぐらすとき、この本は大きい指針になる。


そういうわけで、これから柳父章の著作は、手に入るかぎり読み尽くそうと考えている。


聞くところによると、この本もなかなか "スリリング" らしい。

到着を心待ちにしているところだ。

01:04 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (0)

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2017.03.07

# お持ち帰り

帽子屋の別ブログ「私家版英語辞典@帽子屋」に、takeawayという単語のことを書きました。

リンク:私家版英語辞典@帽子屋: take-away, takeaway

どんな意味かは、リンク先をご覧ください。


これに関連して、研究社のKODには収録されているのかどうか、Facebookで訊いてみたところ、まだだということです。しかも、そのFBスレッドにおもしろいコメントをいろいろいただきました。

まず、最近やはり仕事で遭遇した、という声もいくつかありました。

ここ数年、セミナー関係文書によく出てきますよね。でも、私が見た例は「結論」とか「教訓」とかいうよりも、「このセミナーで持って帰っていただきたい重要な事柄」みたいな感じでしたが…んー「結論」とも言えるんですかねぇ…


そうそう、やはり字面どおり、基本的には「参加者に持ち帰ってもらうもの」という発想から広まった言葉のようです。

なかには、もう10年くらい前に最初の例を見たというコメントもあったので、けっこう前から使われていたのでしょうか。


そして、当然ですが、名詞化される前に動詞としてこの意味で使われていたという証言も通訳者からいただきました。成り立ちの経緯としては、実によくわかります。

The message that I want you to take away from today's lecture is...みたいな。それが、次にtakeaway messageになり、message が落ちてtakeawayになった、そんな印象です。


また、生で耳にしたという体験も。

Then, XXXX, what is your takeaway? とやられました。とっさにリフレーズを求めてwhat you learnt can bring to our business. くらいな説明してくれました。


「giveaway と対になっている」というご指摘も。たしかにそうですね。


それで、なんとなく「気づき」みたいな気持ち悪さを感じると私が書いたら、

うざい業界用語の10番に入ってる

んだそうです。こんなページ。

リンク:17 irritating jargon phrases, and awesome new sayings we should use instead | Nonprofit With Balls

あはは。やっぱり~。

そう言えば、以前、やはりマーケティング系で多用されていたleverageについて調べていたときも、

Apparently you can leverage anything.

なんてフレーズを見かけました。


ちなみに、成り立ちから考えて「お持ち帰り」みたいな言葉がいずれ定着するかも、と思いながら「お持ち帰り」をググったら、まったく違う俗語がヒットします。が、そんな俗の語義も三省堂国語辞典には収録済みでした。

②〔俗〕飲み会などで知り合った異性を、そのままつれて帰ること

03:49 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (5)

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2017.03.05

# 3、4、5月の翻訳関連イベント

もちろん、ほかにも翻訳関連のイベントはあるはずですが、帽子屋が把握している/関係している範囲で、まとめておきます。


毎年だいたい、イベントが増えてくるのはこのくらいの時期から、という気もしますね。



3月23日(木)
JTF翻訳セミナー(2016年度第6回)
翻訳界に、Game Changer『使える自動翻訳』が、降臨!

時間:14:00~16:40(懇親会もあり)
場所:明治薬科大学 剛堂会館

機械翻訳研究の第一人者、隅田英一郎(NICT)さんの講演です。隅田さんは、昨年の翻訳祭でも、機械翻訳の現状について、かなり詳しくお話しくださいましたが、今回は切り口が違うとのことです。

以下、案内サイトから抜粋します。

【講演のポイント】
◎全ての関係者が自由に本音でコミュニケーションできる場と議論の種を提供する。
・ニューラル翻訳は高精度か、統計翻訳はどうか、参加者で検証する。
・自動翻訳は翻訳関係の仕事を奪うか、新たな付加価値の高い仕事を生み出すのか、議論する。
・『使える自動翻訳』の出現という変化に応じて打つ手を考える。
・衆知を集めて、翻訳サービスのより良いステージを目指したい。
◎今回はDVDはつくりませんので現場に参加してください。

機械翻訳の発展で自分のこれからの仕事がどうなるのか、と気になっている人は足を運ぶ価値があるでしょう。もちろん、私も聴きにいきます。

★お申し込みは3営業日前だそうなので、3/20までかな。


4月23日(日)

東京ほんま会
ワイルドなセイキの対決! ワイルドカードVS正規表現セミナー

時間:13:00~17:00(懇親会あり)
場所:株式会社翻訳センター

東京ほんま会、昨年はセミナーの実施回数が少なかったのですが、今年はやっと動き出します。

第1弾は、テリーさんと帽子屋がダブルで担当し、ワイルドカードと正規表現をいっぺんに扱います。こんな方におすすめします(案内サイトから抜粋)。

・ときどき使ってはみるが、応用まではできていない
・うろ覚えの正規表現は、Microsoft Wordでは使えなかった
・あやふやなワイルドカードが、エディタやTradosで通用しなかった
・WildLightやSimplyTermsなどのツールで、検出パターンを定義したい

★こちらは、定員になりしだい〆切になります。すでに募集は始まっていますので、興味のある方は、お早めにどうぞ。


5月21日(日)

翻訳フォーラム
シンポジウム2017&大オフ2017

時間:11:00~17:00(シンポジウム)→ 18:30-20:30(大オフ)
場所:お茶の水女子大(シンポジウム)→ 池袋(大オフ、予定)

今年もやります!

詳しい内容などについては、上記リンク先ページで随時お知らせしますが、すでにスタッフでいろいろと仕込み中です。お楽しみに。

★申し込み開始は、4月上旬を予定しています。

昨年も一昨年も、申し込み開始後、かなりのスピードで座席が埋まってしまったイベントです。申し込み開始の前には、必ずこちらのブログでもあらためて告知します。今しばらくお待ちください。


5月22日(月)

JTF翻訳品質セミナー 第1回/第2回

時間:10:00~12:00(第1回)/13:30~15:30(第2回)
場所:明治薬科大学 剛堂会館

翻訳フォーラム・シンポジウムの翌日です。遠方からいらっしゃる方は、ぜひ続けてどうぞ!

第1回(午前)が、テリー斉藤さんの「誰も教えてくれない翻訳チェック~翻訳者にとっての翻訳チェックを考える~」

タイトルからわかるとおり、昨年の翻訳祭で超満員となり、入場できなかった人もいた超人気セッションの再演です。翻訳祭で聞けなかった方は、ぜひどうぞ。

第2回(午後)は、石黒圭さんの「文書作成における接続詞の役割 ~接続詞を使うと文書は論理的になるのか~」

こちらについては、先日、石黒さんの著書をご紹介した記事でお伝えしたとおりです。


5月26日(金)

JTF翻訳品質セミナー 第3回

時間:10:00~12:00
場所:明治薬科大学 剛堂会館

同じ週に、第3回も開催されます。

「論理的で翻訳しやすい日本語を書く」というタイトルで、テクニカルコミュニケーター(TC)協会理事の中村哲三さんが登壇します。テクニカルコミュニケーター協会と言えば、この本です。

★JTF翻訳品質セミナーは、第1回~第3回まで申し込みがすでに始まっています。通常のJTF翻訳セミナーとは違い、オンラインフォームではないので、ご注意ください。

なお、JTF翻訳品質セミナーを開催するのは、JTFの「翻訳品質委員会」です。「標準スタイルガイド検討委員会」から改称されました。


6月以降には、また翻訳フォーラムのレッスン・シリーズなども予定されていますが、ひとまずは5月までの予定をお知らせしました。

08:54 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.02.26

# 無料で使える文章チェックツール

先日、WildLightのサンプルを紹介しました。

参照リンク:side A: # こそあど、~という、~こと、~ている - WildLightの活用例


私自身がふだんからやりがちなポイントを定義ファイルに書き、WildLightで実行してマーカーを付けるという(←ほら、すぐ「~という」を使っちゃう)基本的な使い方でした。定義の内容は、(前回からすこし修正し)

・こそあど言葉のうち、「これ」系と「それ」系

・形式名詞の「もの」と「こと

・文末の「~ている、strong>ていた、strong>ています」

・文末、文節末の「~ており

・文節末の「~が、

です。

このうち、「~てい」と「~ており」だけは、前に来る動詞が音便---「騒いでいる、読んでいる」のような形のこと---を起こしているときのために、ワイルドカードを使って

[てで]い
[てで]おり

としています。


さて、WildLightも無料で公開されていますが、ほかにも無料で公開されている文章チェックツールがあるので、ご紹介しておきます。

リンク:小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」 - クロノス・クラウン -

リンク:Tomarigi | PaWeL:日本語表現法開発プロジェクト-青山学院大学-



まず、サンプルとしてWilidLightを実行したファイルを貼っておきます。使ったのは、昨日2/25の当ブログの記事です。予想どおり、「~という」とか「~が、」がけっこうありますね。恥ずかしいですが、サンプルなのでこのままにしておきましょう。
「225.docx」をダウンロード

さて、ご紹介する1つ目は、クロノス・クラウン(柳井政和さん)で最近公開されたツールです。以前---Windowsであまりにメモリー管理がずさんだったころ---からフリーウェア「めもりーくりーなー」で有名だったサイトですね。
(余談ですが、ついに小説家としてもデビューしたようです。しかもイラストは『スティーブズ』の、うめ!)

「小説推敲補助」という名のとおり、そのまま翻訳に適しているとは限りません。

現時点で実装されているチェック機能は、以下のとおり。

・単語近傍探索(同じ単語の連続)
・こそあど確認(こそあど言葉)
・文末重複確認(同じ文末(現在形や過去形の連続))
・段落先頭重複確認(段落の先頭が同じでうるさく見えないか)
・文章警告(表現上注意すべき点や凡ミスを)
・画数ヒートマップ(文字の画数を元に文字の背景色を変え、読みやすさを視覚化)
・文長ヒートマップ(1文の長さに応じて文字の背景色を変え、長すぎる文を可視化)
・ルビ追加(様々な形式でルビを追加)
・文字種表示(文字種で文字の背景色を変更。漢字とかなの混じり具合や比率を確認)
・指定文字数改行(指定した文字数で改行)

使い方は簡単。起動したら、ファイルを開き(完成したファイルでなく、一時的なチェックなら、左ペインに貼り付けるだけでもOK)チェック項目を選んで「全て実行」をクリックするだけです。「ブロック実行」なども可。ほぼ一瞬で、右ペインに結果が表示されます。

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同じく2/25の当ブログ記事で「単語近傍探索」を実行してみたところです。

実際にどの機能が有用かどうかは、各自お試しください。たとえば日英翻訳なら、原文の日本語に対して「単語近傍探索」を実行すれば、キーワードの確認に使えるかもしれません(英文には使えないので、英日翻訳では使えない)。私は、「画数ヒートマップ」がけっこう気に入っています。

また、設定を変えるにはJSONファイルを直接編集しなければならないので、ちょっと上級向けです。起動ファイルが、ふつうにexeファイルではなくbatファイルというところも、発想が技術屋さんです。

2つ目の「Tomarigi」は、青山学院大学で、言語研究プロジェクトの一環として開発されたツールです。

形態素解析の機能まで備えており、使いこなせばけっこういいツールになりそうです。翻訳者(や志望者)なら、うまく使えばかなり役に立つと思われます。

Tomarigi 本体のほかに、
・形態素解析ツール Mecab v0.996以上
・係り受け解析ツール Cabocha v0.68以上
が必要ですが、サイトの指示に従ってインストールすれば、特に難しくはありません。

文字数にはある程度の制限があるようですが(実際の制限と速度は、おそらくPCのリソースしだい)、機能はかなり抱負で、指摘の結果もいろいろと参考になります。


こちらも使い方は簡単。ファイルを開くか、ウィンドウに直接貼り付けて「実行」ボタンをクリックするだけ。

1702262

上の例では、敬体の文末(です、ます)が緑色で指摘されているほか、

「接続表現を中心とした著作の多い石黒先生」

という箇所もピンク色になりました。右ペインでそこをクリックすると、右下に詳細な指摘内容が表示されます。

1702263

二段構えの修飾節が存在する長文です.

と指摘されています。これが、JustRightなどにもない注目の機能です。具体的にどんなことなのかは、「図表」ボタンをクリックしてみるとわかるでしょう。

1702264

・「接続表現を中心とした」が、<連体修飾節>として「著作」を修飾しており

・その修飾節を含む「接続表現を中心とした著作の多い」が、次の<連体修飾節>として「石黒先生」を修飾している

という二段構えの修飾構造になっている。そう指摘されているわけですね。もちろん、これを修正するかどうかは、また別の問題。


さらに、「修正」の隣にあるボタンを押すと、

1702265
こういう係り受けの図も表示できます。学校やトライアルの答案でも、係り受けの変な訳文をかなりの頻度で見かけます。係り受けに自信がない人は、この図で自分の訳文を分析すれば参考になるのではないでしょうか。


別の指摘例も挙げておきます。

1702266
こちらは、MS Wordの校正機能でも指摘される「連用形中止法の多用」です。4か所と指摘されていますが、実際に連用形中止法になっているのは、

~読んで
~強くなり

です。たしかに、しまりがない感じ。

また、ここで指摘されているセンテンスの最後にはグレーの四角とピンクの丸もあります。グレーの四角をクリックすると同音語が注意され、
1702267

ピンクの丸をクリックすると、長文だと注意されます。
1702268

ただし、上の例で「読ん/詠ん」と書かれているのを見てもわかるとおり、同音語のチェックはちょっとうるさすぎるようです。


チェック項目は、かなり細かくカスタマイズできます。

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これは、敬体/常体によって文末の指摘を選べる設定。

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これは助詞の連続。「の」だけ、または「それ以外」も含めてチェックでき、連続回数も指定できます。

17022611
かな/漢字の使い分けは、デフォルトでも設定されていますが、任意で追加できます。


以下、チェックできる項目だけ挙げておきます。

・ひらがな書きすべき副詞のチェック(カスタマイズ可能)
・漢字書きすべき副詞のチェック(カスタマイズ可能)
・英数字の全角/半角(設定の切り替え可能)
・漢数字のチェック(オン/オフのみ)
・読点のチェック(オン/オフのみ)
・常用漢字のチェック(常用漢字のほか、学年別指定にも対応)
・ひらがな書きすべき接続詞のチェック(カスタマイズ可能)
・連用中止形のチェック(オン/オフのみ)
・助詞の連続(カスタマイズ可能)
・ひらがな書きすべき形式名詞のチェック(カスタマイズ可能)
・同音語/同訓語のチェック(同音、同訓ごとにオン/オフ)
・不適切な表現(若者ことば)のチェック(オン/オフのみ)
・指示語の多用(しきい値のオプションあり)
・体言止めのチェック(オン/オフのみ)
・送りがなのチェック(カスタマイズ可能)
・句読点の統一(設定の切り替え可能)
・長文の指摘(オン/オフとしきい値を設定可能)
・敬体/常体のチェック(設定の切り替え可能)
・文末の冗長表現(カスタマイズ可能)
・ひらがな書きすべき補助動詞のチェック(カスタマイズ可能)
・当て字のチェック(カスタマイズ可能)


以上のオプションを見ただけでも、かなりの高機能です。ものによっては、JustRightでは拾えない項目もたくさんあります。

それから、あちこちに再生ボタン(右向き三角)もありますね。なんと、音声読み上げもしてくれます(音声エンジンは、環境によって異なる)。

これが無料というのは素晴らしいことです。ただ、あくまでも大学の研究室のプロジェクトですから、いきなりなくなってしまう可能性もあります。

JustRight!は、個人で買っても40,000円(税別)します。値段に見合う機能はあります。表記のゆれや、誤字・脱字の指摘はやはり強力(それでも、十分ではない)。

WildLightは、自分で定義ファイルを作ってサクっとチェックするには便利ですし、単なるチェック以外の機能も豊富です。

Tomarigiは、自分の書いた日本語をじっくり分析するのによさそうです。

ひとつ注意したいのは、チェックした結果からどこをどう直すかは、あくまでも自分の力量しだいだということです。単純なミスなら修正すれば済みますが、たとえば連用形中止法を自分でよしとするか修正するかは、最終的に自分の判断です。

とはいえ、翻訳をしていて大切なのは、自分の訳文をどこまで客観的に眺められるかいうこと。そのためには、こういうツールの導入は有効でしょう。

02:52 午後 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (0)

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2017.02.25

# 最近読んだ/買った国語関係の本

最近読んだ国語関係の本を紹介します。


接続表現を中心とした著作の多い石黒先生の、ちょっと前の本です。


英日翻訳で、日本語に悩んでいる人におすすめです。私も、付箋だらけになりました。


1 文法のルール―その定石と裏ワザ
 (テニヲハはきちんと守る、「~をしたい/~をできる」は使わない ほか)
2 文末のルール―その定石と裏ワザ
 (文末の時制は統一する、受身の表現は避ける ほか)
3 語彙のルール―その定石と裏ワザ
 (文章では話し言葉を使わない、漢語を使うと文章が硬くなる ほか)
4 表記のルール―その定石と裏ワザ
 (漢字が少ないと読みにくい、迷ったら平仮名がよい ほか)
5 構成のルール―その定石と裏ワザ
 (接続詞は前後の文の関係を示す、接続詞は文章を読みやすくする ほか)
(Amazonの目次情報より)

「裏ワザ」というタイトルどおり、いい文章を書くときの"定説"になっているルールをまず紹介し、「そうとも限らない」という「裏」を示すという構成です。

今日の授業でもちょうど、

「訳すとき、接続詞をどこまで補っていいのでしょうか」

という質問があり、この本のpp.174~185を紹介したばかりです。

英語と日本語では、論理の構成のしかた、文脈の運び方が違う。だから、原文にない接続詞を訳文で補うのが絶対に禁止というわけではない。ただし、日本語ではいわゆる接続詞を使わなくても文脈を作れる場合が多いので、そういう文の書き方も覚えよう。

そういう話を、授業でもしました。

同じ石黒先生の、接続詞(接続表現)に絞った本がこちら。

石黒先生の言う「接続詞」はかなり広い概念です。たとえば、使い方が難しい「~のだ(のである、のです)」という文末の使い方も、この本でよくわかるはずです(第七章「文末の接続詞」)。


なお、石黒先生は、5月にJTF(日本翻訳連盟)のセミナーにご登壇なさいます。

第2回JTF回JTFセミナー「文書作成における接続詞の役割 ~接続詞を使うと文書は論理的になるのか~」

ちなみに、同じ日の午前中がテリーさん。

第1回JTF回JTFセミナー「誰も教えてくれない翻訳チェック ~翻訳者にとっての翻訳チェックを考える~」
こちらは、昨年の翻訳祭で超満員となったセッションのアンコール企画です。



おなじみ飯間先生。

底本は、『三省堂国語辞典 第七版』が出たとき(2014年)、プロモーションの一環として出版された書籍(『三省堂国語辞典のひみつ』)。

文庫化されたので読んでみたのですが、文語版あとがきに、

今回、本書が新潮文庫の一冊として刊行されるに当たり、あまりにも「『三国』万歳」的な部分には手を入れました。

と書いてあったので、元本も読んでみたくなりました。

この本を読んで、「iPadに入っている三国を、ふだん使っているPCからもっと手軽に引けないものか」という思いが強くなり、それが先日のEBPocketの話につながったしだいです。


これは、読んだというより、買ってきたのを拾い読みしています。神田の古書店で見かけて買ってきた初版本です。

「明治大正~」というタイトルですが、発行は昭和59年と、わりと最近の辞書です。

本書は明治元年からから昭和二〇年までの間に誕生した新語・俗語八〇〇語を対象とした。
(凡例より)

ということですが、もっと時代が下った用例も採録されています(昭和54年の見坊豪紀とか)

実用的に使えるというより、完全に趣味の本です。適当に拾うだけでも実に楽しい。

たとえば「青田買い」という言葉が昭和初年にはもう使われていたことがわかります(確かめたら、使われている用例は日国と同じでした)。

「あんパン」の項には、こんな話も載っていました。

また、「あんパンを食う」とは、上等兵が新兵に小言をいう場合、「そういう事をしちゃいかんじゃないか、アーン」と言ってすぐにパーンと平手で頬をなぐることから、お目玉頂戴の意味

てなことが書いてあり、日国の解説より詳しくなっています。「あんパンを食う」っていう表現、子どものころ聞いた覚えがあります(使った記憶はない)が、今の国語辞典には載っていません。

「八百長」の語源説も---信憑性はわかんないですけどね---、日国よりずっと詳しく載っています。

(八百屋の長兵衛、通称八百長という人がある相撲の年寄とよく碁をうち、勝てる腕前を持ちながら、巧みにあしらって常に一勝一敗になるように手加減したところからという)【日国】

語源は明治時代のはじめ、相撲会所の出入りであった八百屋の長兵衛通称八百長が、当時の相撲年寄であった先々代伊勢の海五太夫の碁の相手をたびに、強いくせに、お得意様のご機嫌をとるために、わざと勝を譲ったことが仲間に知れわたり、それから相撲で故意に負けることを八百長するといい始め、いつしか相撲の隠語となった。【新語俗語辞典】
(表記はママ)


実は、別の辞書を古本で探しにいったのですが、思わぬ収穫でした。

10:47 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (0)

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2017.02.21

# EBPocketで、アプリ辞書を串刺し!

前エントリまで、しばらくEBWin4のことを書いてきました。

ところで、EBWin4の作者であるhishidaさんは、iOS/Android上でEPWINGデータを使えるアプリも作成なさっています。

リンク:EBPocket for iOS
リンク:EBPocket for Android

Android版(とMac OS版も)もあるのですが、私が使える環境ということで、以下はiOSの話になります。


個人的には、PC上で(EPWINGデータを中心に)整備してある辞書環境を、iPadにまで持ち出す必要性はあまり感じていません。むしろ、iPadではiOSアプリでしか使えない辞書を中心にそろえています。そのため、EBPocketも、存在は知っていたのですが、試したことがありませんでした。

今回の一斉アップデートを機にちょっと見てみようと思い、Professional版を購入・インストールしてみたら---実はかすかに期待しながら---ちゃんと、他のアプリとの連携機能が用意されているじゃないですか!

なお、EBPocketをインストールすると、フリーの辞書データとしてEDICT2が入ってきます。この辞書の素性については、拙ブログの過去記事をご覧ください。
参考リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

iOSアプリどうしが相互にデータをやり取りする(テキストをやり取りしたり、起動したりする)ために、「URLスキーム」という仕組みがあります。「検索ハブ」(残念ながら、諸事情でアップデートが止まってしまいました)も、この機能で各アプリを呼び出していました。また、物書堂さんの辞書では、検索後に他の辞書を呼び出すことができます。これも、おそらくURLスキームを使っているようです。

1702211


EBPocket Professionalをインストールして、設定画面を開いてみると、[Web検索]という設定項目があります。

1702212_3

これを開くと、デフォルトではYahooとかWeblioなどのサイトが登録してあります(下図は、もう設定が変わっています)。

1702213


ここを、使いたいアプリ辞書のデータに書き換えれば、EBPocketの検索結果から他のアプリに飛ぶ、つまり擬似的にではありますが、アプリの串刺し検索ができるというわけです。

ただ、URLスキームというのは開発者が独自に決めるので、公開されていないと使えません。この点でも、物書堂さんはユーザーに親切な会社で、基本的にすべてURLスキームを公開なさっています。

リンク:物書堂:辞典Appで検索

物書堂さん以外のアプリは、検索するとURLスキームが見つかるもの(BIGLOBEの『オーレックス』や、計測技研の『プログレッシブ』など)もあれば、公開されていないもの(MobiSystemsのAHD、ODEなど)もあります。

あとは、ここにあるデータをどうやってURLの形にすればいいか、が分かればいいのですが、この段階で私も試行錯誤しました。

指定の基本は以下のフォーマットです。

<辞典スキーム名>://<辞典アプリID>/search?text=

たとえば、『精選版 日本国語大辞典』の場合、<辞典スキーム名>が mknds 、<辞典アプリID>が NDS です。このほか、アプリとその会社ごとにURLの構成要素は違ってきます。物書堂さんの『精選版 日本国語大辞典』の場合、URLは

mknds://jp.monokakido.NDS/search?text=

となります。この後にいろいろと検索オプションを付けることもできるのですが、今回はそこまでやっていません。


以下、私のiPadにあって、しかも私が優先的に使いたい8つの辞書について、設定を挙げておきます。私が設定していない辞書アプリについては、物書堂さんの上記サイトなどを参考に、試してみてください(うまくできない場合は、メールでご相談ください)。

以下に挙げる Name と URL を、EBPocket の[設定]→[Web検索]の該当フィールドに入力すれば、使えるはずです。Name は何でもOKです。

Name:ウィズダム2(物書堂)
URL:mkwisdom2://jp.monokakido.WISDOM2/search?text=

Name:オーレックス(BIGLOBE)
URL:olexbiglobe://search?query=

Name:プログレッシブ英和中(計測技研)
URL:osw-progressiveEJ5JE4://*?k=f&q=

Name:Collins(物書堂)
URL:mkced://jp.monokakido.CED/search?text=

Name:精選日国(物書堂)
URL:mknds://jp.monokakido.NDS/search?text=

Name:大辞林(デフォルト)

Name:新明解(物書堂)
URL:mksmk7://jp.monokakido.SMK7/search?text=

Name:三国七(物書堂)
URL:mksankoku7://jp.monokakido.SANKOKU7/search?text=


「大辞林(デフォルト)」というのは、Web検索の設定に最初から設定されていたので、そのまま使っています。

また、Collinsというのは、学習英英の定番COBUILDではなく、Collins大辞典です(あまり知られていませんが)。


これで、iOS上の環境はできあがりました。EBPocketで何か検索すると、EDICT2の結果が並んだ最後に、登録したアプリの名前が並び、

1702214

と、ここまでがiOS上の動きです。これを、PASORAMA的にPC上から使うには、以前ご紹介した「Wifi Keyboard」というアプリを使います。

実は、上に挙げた8個のアプリ辞書の名前や、特にURLは、iOS上で入力しようとしたら大変です。これを設定する段階で、私は「Wifi Keyboard」を利用しました。これを使えれば、PC上でURLをコピペしてiOSに転送できるので、URLの指定もかなり楽になります。


いろいろと設定は手間かもしれませんが、ご参考までに。

12:59 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (3)

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2017.02.20

# EBWin4 4.4.2、「連続」と「全ての項目」の違い~国語

続いて、国語辞典ではどうなるかを紹介します。

結論から言うと、ほとんどのタイトルは前項で紹介した研究社英和大、その他と同じように動作します。

見え方が一気に変わるのが、『学研国語大辞典』です。
※残念ながら、この辞書のデータ版は入手が難しくなっています。Amazonなどで"Super日本語大辞典"を検索すると、まだときどき出回っていますが、そのままではEBWin4に載りません。変換スクリプトを使ってEPWINGデータに変換する必要があります。
参考リンク:side A: # Windows 7環境構築のまとめ - 辞書編

変換スクリプトは、EBWin4の作者のサイトにあります。
リンク:EBStudio 変換スクリプト集


『明鏡国語』を「自動検索」すると、こうなります。

「全ての項目」オフ
17022013

「全ての項目」オン
17022014

前項の英和で見たとおりの差が出ます。


次が『学研国語大辞典』です。ここでは、「完全一致」で検索しました。
「全ての項目」オフ
17022015

「連続」なので、発足、罰則、閥族、初空…… と続いています。


「全ての項目」オン
17022016

左ペインの一致候補に注目してください。
17022017
(ふだんより、ちょっと横に広げています)

お分かりでしょうか。

 はっそく【発足】

 ほっそく【発足】

というエントリに続いて、

 【発足】のシソーラス

という項目なども並んでいます。つまり、『学研国語大辞典』をEPWING化したデータは、完全一致で検索するだけでも、項目そのもののほか、シソーラス情報がヒットするということです。したがって、これを「全ての項目」表示にすると、シソーラスまで一気に表示されるわけです(通常、シソーラスがリンクになっている)。

シソーラスだけではありません。上の例ではウィンドウ外にあるので分かりませんが、実は用例も出てきます(通常、用例もやはりリンクになっている)

17022018

用例のエントリは最後に並ぶので、右ペインで下にスクロールすると出てきます。

経緯は不明ですが、『Super日本語大辞典』をEPWING化するスクリプトを作るとき、作者のhishidaさんがDDWinの「全ての項目」表示を意識してこのように作ったのかもしれません。

こういう機能が増えてみると、最近のLogoVista版タイトルをEBWin4(など)に載せられないのが、かえすがえすも残念です。

参考リンク:side A: # 翻訳者の辞書 - データ編 - 第2回

ここにも書いたとおり、『研究社 日本語表現活用辞典』、『研究社 日本語口語表現辞典』、『研究社 日本語コロケーション辞典』などは、EBWin4で使えたらずいぶん便利なのに...

05:23 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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# EBWin4 4.4.2、「連続」と「全ての項目」の違い~英和・和英

EBWin4に追加された「全ての項目」表示機能は、複数の辞書を検索したときに、その内容を右ペインでまとめて表示するというのが本来の趣旨です。

が、辞書タイトルによっては、単独で使っているときでも見え方が変わるという副次的な効果もあります。

さらに、4.2.2(2/18公開)で実装された「連続表示」と「項目毎」の切り替えボタンも併せて使ってみるとどう違うのか---さっそく試してみました。

なお、使ってみるとすぐに分かりますが、「連続表示」/「項目毎」の切り替えボタンは、表示されているのが今の状態です。つまり「連続」と表示されていたら「連続」表示であり、押すと「項目毎」表示に切り替わります。「連続」を押すと連続表示になる、のではないことに注意してください。

研究社英和大 第6版

まず、研究社英和大で、「全ての項目」はオフにして、「完全一致」検索します。

「項目毎」表示
17022000

「連続」表示
17022001

「連続」にすると、footprint以降、foot pump、footrace、footrail ... と続きます。見出しごとに区切り線が入っています。

ただし、項目によっては、必要以上に区切れている場合もあるようです。

17022002

for everという成句は、なぜか用例ごとに区切れてしまいます。「項目毎」表示では情報をすべて見られていないということです。


ジーニアス英和大

すでに書いたように、残念ながらG大は項目区切りにバグがあります。「項目毎」では必要な情報すらろくに表示されません。

17022004

必ず「連続」表示にしてください。

17022005


研究社和英大 第5版
ランダムハウス 第2版
リーダーズ 第3版(LV)
リーダーズ 第2版
うんの V5
英和中辞典 第7版
斎藤和英
COBUILD
OED 2
WordNet

主立ったタイトルはいずれも、英和大と同じ動作です(変な区切れはなさそうです)。なお、LVと書いたのはLogoVista版、※は、オリジナルデータEPWING変換したデータです。

「全ての項目」をオンにすると、「連続」/「項目毎」の状態にかかわらず、左ペインでヒットした項目すべてを対象にして「全ての項目」が表示されます。

したがって、「全ての項目」で表示される結果は、検索方法によってもだいぶ変わってきます。いろいろ試してみていただきたいと思いますが、ここでは、「リーダーズ2+プラス」で "required" を「自動検索」した結果だけ示しておきます。

「自動検索」、「連続」、「全ての項目」オフ

17022006

ヒットするのは13項目。いちばん上の NCR を選択すると、
【米】 National Cash Register Company; no carbon required.
がヒットしますが、その後に続いているのは、NCSA、NC-17、NCT... などです。NCRの語義にはたしかにrequiredが含まれていますが、それ以降はただ "辞書の上で後に続く項目" が表示されているにすぎません。左ペインでヒットしている2番目(req.)、3番目(reqd)、4番目(a required subject)は、それぞれをクリックしないと表示されないわけです。

17022007


「自動検索」、「連続 or 項目毎」、「全ての項目」オン

17022008

こうすると、ヒットした13項目がずらっと並びます。「全ての項目」を単独の辞書タイトルで使ったときの機能、これでだいぶはっきりしたのではないでしょうか。


したがって、「全ての項目」表示は、研究社和英大辞典を逆引きするときなどに、絶大な威力を発揮します。

「自動検索」、「項目毎」、「全ての項目」オフ

17022009

「自動検索」、「連続」、「全ての項目」オフ
17022010

「自動検索」、「連続 or 項目毎」、「全ての項目」オン
17022011

検索語(この例ではexcited)が強調表示されているので、よく見比べてください。"exciteを和英で逆引きして訳語の手がかりを探す" という使い方なら、このような一覧を得られるのがいちばんうれしいはずです。

ちなみに、この「全ての項目」表示にあたる機能は、DDWinにもあるようです。Jamming/Logophile にはありません。

今回、「全ての項目」機能が実装されたことで、EBWin4は大きく進化したと断言できます。

ここで、この検索結果をもっと有効に使う方法をご紹介しておきます。

「全ての項目」オンで検索したら、
・[ファイル]→[印刷]、または Ctrl+P
・右ペインのどこかを右クリックして[印刷]
をクリックすると、結果を印刷できます。

このとき、紙に印刷するのではなく「PDFに出力」することができれば、検索結果をPDFとしてストックすることもできます。

17022012


04:42 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (4)

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# EBWin4が、4.4.2にアップデート

先週、EBWin4に追加された「全ての項目」表示機能をご紹介し、それにあわせて、以前からあった「連続表示」のことも書きました。

参照リンク:side A: # EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1

参照リンク:side A: # EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その2


そのときも書いたとおり、「連続表示」の設定は[ファイル]→[設定]を開いてオン/オフを切り替える必要がありました。おおむね「連続表示」のほうが使いやすいので、今までは、恒常的な設定で特に不自由はありませんでした(G大のように、「連続表示」にしないと使い物にならないタイトルもありましたし)。

が、「全ての項目」表示を使いこなすには、「連続/項目ごと」もインターフェース上で切り替えられたほうがいいと思ったので、作者のhishida様にリクエストしてみました(辞書名フィールドが広がったためツールバーが見えなくなる、というバグもあったので)。

そうしたら、わずか1週間で対応してくだり、バージョン4.2.2が公開されました。

リンク:EBWin4

hishida様、ありがとうございます!

02:34 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.02.14

# こそあど、~という、~こと、~ている - WildLightの活用例

Facebookの投稿で見かけたんだと思いますが、こんな記事を見つけました。

リンク:アフィリエイトの外注記事の品質を上げるための文章チェックマーカー(自作ツール紹介) - Webライターとして生きる


「~というもの」「~というのは」「~ということ」

「など」「たり」

「こと」「もの」「それ」「これ」

こういう言葉は、つい多用してしまうので、自分でブラウザベースのチェックツールを作ってみた、という記事です。


たしかに、ついつい使って「こと」だらけになったり、指示語が続いたりすることはよくあります。


この方のツールを使ってもいいのですが、テリーさんのWildLightでも、定義ファイルを作ればもちろん可能です。

実は、私自身も気になって、しばらく前に定義ファイルを作ってみたところです。

サンプルを示します。
ワイルドカードも何も指定しない、ごくシンプルなリストです。

----------サンプル始まり----------
' HColor:色番号,検索語
' 検索語を検索し、色番号で指定された蛍光ペン色を付けます。
' (検索語のみ指定色になる)
' [色番号]:01:緑, 02:明緑, 03:青緑, 04:濃青, 05:青, 06:水, 07:
' 桃, 08:紫, 09:濃い赤, 10:赤, 11:濃黄, 12:黄, 13:白, 14:25%灰,
' 15:50%灰, 16:黒, 17:蛍光ペンなし

WILDCARD:ON
HColor:02,そう
HColor:02,それ
HColor:02,その
HColor:02,そんな
HColor:06,こう
HColor:06,これ
HColor:06,この
HColor:06,こんな
HColor:07,こと
HColor:07,もの
HColor:12,という
HColor:14,てい
HColor:14,ており
----------サンプル終わり----------

指示語のうち、入れてあるのは「こ」系と「そ」系だけ。「あ」系と「ど」系は自分の翻訳であまり使うことがないため。「こ」系・「そ」系でも「ここ、そこ」「こっち、そっち」を入れていないのも、同じ理由。

上のサンプルをテキストファイルに貼って保存し、WildLightが参照するフォルダに入れてやれば、ほーら、あなたもWildLightユーザーの仲間入り :)

自分のクセと思える言葉を追加していけば、カスタム辞書ができあがります。


ちなみに、ワイルドカードを使えば、「の」の複数連続、みたいな箇所も検索できるようになります。

06:09 午後 翻訳・英語・ことば, 翻訳者のPCスキル | | コメント (0)

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2017.02.12

# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その2

さて、新機能の「全ての項目の表示」です。

ひと言で言うと、検索結果一覧(左ペイン)に表示されている項目を、右ペインですべて表示するという機能です。したがって、前エントリで書いた[連続表示]のオン/オフと検索方法によって、「全ての項目の表示」の働きはだいぶ違った印象になります。以下、いろいろなパターンをやってみます。

・[連続表示]オフ
・辞書ひとつだけを選択
・[完全一致]

これだと、ヒットする項目がひとつだけなので、何も差が出ません。

[全ての項目]表示がオフのとき。
17021281
(スクリーンショットは、クリックで拡大できます。以下同様)

[全ての項目]表示がオンのとき。
17021282


区切り線の違いだけです。


・[連続表示]オフ
・辞書ひとつだけを選択
・[前方一致]

検索方法を[前方一致]に変えると、3つの項目がヒットします。今までは、

17021291

このように、ヒットした項目をクリックすると、その項目の内容だけが右ペインに表示されていましたが、[全ての項目]表示をオンにすると、

17021292

このように3つの項目がすべて表示されるようになります。


・[連続表示]オン
・辞書ひとつだけを選択
・[前方一致]

今度は、前エントリで説明した[連続表示]をオンにしてみます。この場合、[連続表示]の機能によって、検索項目だけでなくそれ以降の項目まで表示されるので、[全ての項目]表示をオンにしても、すぐには差がわかりません。

[全ての項目]表示オフ
170212101


[全ての項目]表示オン
170212102


よく見ると、画面右端のスクロールバーが違います。[連続表示]がオンなので、[全ての項目]表示がオフのときは、下にスクロールしていくと先をいくらでも読めます。[全ての項目]表示をオンにすると、ヒットした3つの項目だけになります。


・[連続表示]オフ
・複数の辞書を選択(串刺し)
・[完全一致]または[前方一致]

新機能「全ての項目の表示」がいちばん威力を発揮するのが、おそらくこの使い方です。

[全ての項目]表示オフ
170212111


[全ての項目]表示オン
170212112


このように、

複数の辞書で違いを見たい

ときに、実に便利です。

この状態で「本文内検索」(Ctrl+F)すれば、

170212121

目的の情報を細かく調べらることができます。

ちなみに、このスクリーンショットの例は、「~次第」という接尾語は、「連絡し次第」のように動詞連用形に付けるのが正しいはず、と思って引いたら、名詞に付ける俗語法もある、ということが『明鏡国語』に書いてあったという例です。

06:58 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1

このブログでも、各種のセミナーや記事でもご紹介しているEBWin4は、汎用辞書ブラウザとしては唯一、今でも着実にアップデートを続けている貴重な存在です。

リンク:EBWin4

そのEBWin4が、また大きく進化しました(最新バージョン、4.4.1)。

・全ての項目の表示(海野文男氏・海野和子氏開発協力)
・複合検索ダイアログをモードレス化

特に「全ての項目の表示」は、いろいろとおもしろい使い方ができそうです。

ただし、その話をする前に、今までにもあった2種類の表示モードのことを書いておくほうがよさそうです。これに気づいていない人もいたかもしれないので...。

EBWin4をお持ちの方は(最新版でも、それ以前のバージョンでも)、[ファイル][設定]ダイアログを開いてみてください。

1702121
(スクリーンショットは、クリックで拡大できます。以下同様)

[一般]タブに、[連続表示]というオプションがあるのはご存じだったでしょうか。同じオプションは、Jammingにもありました。何か辞書を開いて、このオプションのオン/オフを切り替えてみてください。

たとえば『研究社 英和大辞典』の場合、[連続表示]がオフだとこうですが---

1702122

[連続表示]をオンにすると、こうなります。

1702123

つまり、紙の辞書を見ているように、前後の内容まで見渡すことができるわけです。

EBWin4の作者、hishidaさんのブログによると、

EPWINGはもともと「電子書籍」を目指しており、一冊の本、または巻物のように、最初から最後まで通読できるようになっている。このため、EPWINGの公式ビューアであるCDView(富士通)、Viewing(イースト)、こととい(岩波書店)では、基本的に連続表示を行うようになっていた。

のだそうです。

ついでに言うと、画面下にある ▽ △ ボタン(または、[Alt +↓]、[Alt +↑])を押すと、連続表示した状態で前後に移動できます。これも、紙の辞書の前後を眺める感覚でしょう。


私たち翻訳者のふだんの使い方ではあまり必要ないように思えますが、そうとも限りません。同じブログに、こう書いてあります。

ただしEPWINGには項目の区切りという概念がないので、ソフトウェアで何の識別子を項目の区切りにするかを決定しないといけない。これはたぶんUnix上のEPWING検索システムや、DDWinのようなサードパーティ製のEPWINGビューアで出てきた概念だと思う。

この区切り設定のせいだと思いますが、『ジーニアス英和大辞典』で[連続表示]をオフにすると、最小限(下手をするとそれ以下)の情報しか出てきません。

1702124

[連続表示]をオンにしてようやくこうなります。

1702125

なんだか、G大は、やたらと「項目の区切り」が細かいようです。ほかの辞書は、ここまでではありません。ちなみに、私のG大はEPWING版で、LogoVista版については未確認なのですが、Amazonのレビューなどを見ると、版元のデータ構造をそのまま受け継いでいるため、LogoVista版でも同様ということです。

この区切りがどこにあるかは、[ファイル]→[設定]の同じ[一般]タブで、[区切り線]オプションをオンにするとはっきり分かります。

1702126

ふつうは、このCOBUILDのように単語ごとに区切りが入っていますが、G大になると

1702127

このように、うるさいくらい線が入ってしまいます(うるさいのはG大だけ。G大はJammingのほうでひくことがほとんどなので、私は[区切り線]オプションを通常オンにしています)。

そして、今回のバージョンで追加された新機能「全ての項目の表示」は、[連続表示]を使っていないほうが実感できるようです。

ということで、記事を改めます。

04:17 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.02.10

# 「翻訳に活かすSimplyTerms」 - レッスンシリーズ第5弾

開催間近となってしまいましたが、翻訳フォーラム・レッスンシリーズの第5弾についてお知らせします。


レッスンシリーズでは初となる、ツール系のお話。翻訳者支援ツール「SimplyTerms」のことを、作者である井口耕二さんご自身が解説します。

リンク:「翻訳に活かすSimplyTerms」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#5) in東京 - パスマーケット


さて、SimplyTermsって、どんなツールなんでしょうか。

すぐ上で、私は「翻訳支援ツール」ではなく「翻訳者支援ツール」と書きました。私にとってのSimplyTermsの位置付けは、まさにこの呼び方に凝縮されています。

ExcelやPowerPointからの原文抜き出し、表記の統一、用語の置換、改行取り、常用漢字のチェック...
(レッスンシリーズ案内ページより抜粋)


いわゆる「翻訳支援ツール」は最近ますます、(翻訳ベンダーやクライアント企業における)「大きい翻訳フローの支援」を主眼とするプラットフォームになりつつあります。「翻訳支援」という名前と現状の乖離は、広がるばかりです。

それに対し、SimplyTermsはちゃんと「翻訳者を支援」します。

詳しくは、SimplyTermsのサイトをご覧ください。

リンク:Translation Tools:翻訳支援環境 SimplyTerms

1702101


ここからは、帽子屋の私見が入ります。

一番の違いは、SimplyTermsが

ブラックボックスになっていない

ことにあるのだろうと思います。SimplyTermsが扱うのは、主にOffice系のファイル(Word、Excel、PowerPoint)やPDF、そしてテキストファイルです。プログラムで使われているマクロや定義ファイルも、すべてテキストベース。

だから、どんな機能が、どんな定義を使って、どんな処理をしているかが分かるわけです。ということは、何かトラブルが起きても対処しやすい。マクロでも定義ファイルでも、加工がしやすい。

ひるがえって、現在の「翻訳支援ツール」、たとえばTradosは、Studioプラットフォームになってから一気にブラックボックス化が進み、よほど熟練しないと、どんなファイルでどんな処理が進んでいるかまったく分からない(Trados 2007までのレガシーは、まだマシでした)。翻訳者個人もしばしばトラブルに見舞われるし、下流の工程でもそれは同じ。

そうなると、使用者は「ツールを使う」のではなく、どんどん「ツールに使われる」ようになってしまいます。


そういうわけで、SimplyTermsは、

★今までツールを使ってこなかった人

にも導入しやすいと思いますが、それ以上に「ふだんからツールを使っているつもりで、実は使われている気がする」人が、いま一度「翻訳者にとって本当の意味で支援環境になるツールとは何か」を見直す契機にもなるはずです。

そして、SimplyTermsについて公式に作者自身が解説してくれるのは、2009年以来、実に8年ぶり。

この機会にぜひ、SimplyTermsに触れてみてください。

10:40 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2017.02.08

# 『翻訳事典 2018年度版』

刊行から2週間近く経ってしまいましたが、今年もアルクさんの『翻訳事典』の季節がやってまいりました。

今年は、例年にもまして読み応えのある内容になっています。編集長・佐藤直樹さんの企画力の成果ですね。


翻訳者をめざしている方には、p.41からの「翻訳者になりたい人のための8つのドア」がおすすめです。


DOOR 1「翻訳者になるためには まず何をすべきか?」

DOOR 2「専門分野はどうやって選べばいいか?― 治験翻訳を例にして」

DOOR 3「仕事はどうやって獲得すればいいのか?」

DOOR 4「発注者(エージェント、出版社、製作会社)とどう付き合うか?」

DOOR 5「脱サラで翻訳者になることを考えたらすべきこと」

DOOR 6「プロに必要な日本語力は どうしたら身につくか?」

DOOR 7「機械翻訳で翻訳者の仕事はなくなるのか?」

DOOR 8「翻訳者がそろえるべき辞書、知っておくべき調べ物の方法とは?」

特に、これから翻訳の世界をめざしたいという人にとっては、これだけの情報がまとまっているというのは、すばらしい構成です。

しかも、DOOR1、3、4については、複数の分野(出版、実務、映像など)の翻訳者が執筆しているので、どの分野をめざす人にも役立ちます。

私は、DOOR 1 の実務編を書きました。見開きの反対側には、越前敏弥さんが並んでいます。ちょっとうれしい。


もちろん、現役翻訳者が読んでうれしい記事も満載です。

巻頭「特別企画」には、翻訳勉強会「十人十色」が開催した柴田元幸氏の講演録が載っています。扉を除いて全8ページ。当日の内容がほとんどそのまま読める感じで、圧巻です。

もう1本の特別企画は、昨年のJTFセミナーにご登壇くださった村井章子さんのセミナーレポート。こちらも5ページたっぷり使ってあり、参加できなかった私にはたいへんありがたい内容。

p.29からは、昨年5月の翻訳フォーラム・シンポジウムも大々的に取り上げていただきました。


最近の『翻訳事典』、本当に充実していると思います。


あ、そうだ。表記は「翻訳辞典」ではなく

「翻訳事典」

です。誤表記も多いそうなので、お間違えなく :)

12:55 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (2)

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2017.02.01

# 「東洋文庫」の作品リストを作ってみた

前のエントリでご紹介したジャパンナレッジ、百科事典や辞典だけではなく、他のコンテンツもかなり充実しています。

1702011

私が特に気になったのが、「平凡社 東洋文庫」です。

皆さんもご存じのとおり、モースやアーネスト・サトウの日記、『東方見聞録』、『和漢三才図会』など、いろんなところで引用元として出てくる資料がずらーっと並んでいます。

ジャパンナレッジには、現時点で700冊近くが収録されていて、入会していればそれがぜんぶ読める! そんなヒマはあるのか!!


でも、東洋文庫っていったい、どんな作品が入っているのか、全貌がつかめません。ジャパンナレッジのサイトに「搭載タイトル一覧」というリンクはあるのですが、解説も付いているので1ページあたり12タイトルずつしか表示されず、一覧性がありません。本家・平凡社のサイトにもないようですし、検索してもそのようなまとめはありません。

しかたがないので、自分で作ってみました。Facebookで聞いてみる、需要もありそうなので、公開することにします。

東洋文庫リスト
(クリックするとダウンロードされます)

ただし、おそらく完全には網羅されていないはずです。

このリストをどうやって作ったかというと、元データはebookjapanのサイトから取得しました(検索結果)。検索結果は674件で、27ページにまたがっていますが、Chromeの拡張機能「Autopagerize」を使うと、この27ページをすべて1ページとして読み込むことができます。そのHTMLソースを開いて適当に加工しただけです。

書名を、ジャパンナレッジで検索してみてください。

ただ、自分でも実際にいくつか開いてみたのですが、専用インターフェースの動きが、ちょっともっさりしてますね。スキャンデータも、作品によってバラツキがあるかもしれません。じっくり読みたければ製品版を買ってね、ということかもしれません。そういう見せ方、アリだと思います。

ついでに、検索機能をいろいろ使ってみましたが、辞書を検索できるのと同じように、東洋文庫をはじめとする全コンテンツを検索できるのですね。

全文検索

もできるし、「詳細(個別)検索」機能を使えば、AND/OR 演算子も使えます。

ためしに「スパム」を引いてみましたが、『イミダス』や『デジタル大辞泉』を中心に、かなりいろいろな用語が載っていました。新語の収録、かなりがんばってます。

しかも、『イミダス』、『デジタル大辞泉』、『現代用語の基礎知識』などは、実は見出し語に

英語も併記

してあるので、英和のリファレンスとしても使えます。これはなかなか便利。『イミダス』とか『現代用語の基礎知識』とか、今まであまり翻訳時の参考資料とは見なしていなかったので、これも新たな発見です。、


ダウンロードできるExcelファイルには、おまけとして、「JKコンテンツ」というシートもあります。

個人で入会するとき、JKパーソナルという基本コースのほか、JKパーソナル+Rというのがあって、月額は1,000円ほど、年額だと5,000円プラスすると、使えるコンテンツが増えます。そのコンテンツ一覧です。

C列に「R」とあるのが、JKパーソナル+Rでのみ使えるコンテンツ。これはこれで気になるのですが、ひとまず私はなくてもいいかな、と。

12:24 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (1)

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2017.01.30

# 『精選版 日本国語大辞典』と、ジャパンナレッジ

さて、問題です。

国語辞典の『広辞苑』や『大辞林』は、大型・中型・小型で分けると、どれに分類されるでしょう。


答えは「中辞典」です。国語辞典で「大辞典」と言われているのは、

小学館『日本国語大辞典』

だけなんですね。

1701302

通称「日国」。

初版が全20巻で45万項目・75万用例を収録。現行の第二版は全14巻(本巻13、別巻1)で50万項目・100万用例を収録と、英語圏のOEDに匹敵する、文字どおりの大辞典です。

図書館ならともかく、私たちのような個人が手元にそろえるのは、ちょっと無理というもの。


そこまでの国語大辞典を頼りたい場面というのはそう多くはないかもしれませんが、もちろん、電子的に利用する方法はあります。



KODなどと比べるとけっして安くはないのですが、ジャパンナレッジというサイトです。

リンク:ジャパンナレッジ


収録コンテンツを見るとわかりますが、使えるのは「日国」だけではありません。


『日本大百科全書(ニッポニカ)』、『改訂新版 世界大百科事典』、『デジタル大辞泉』などの百科事典

『小学館 全文全訳古語辞典』、『字通』、『日本方言大辞典』などの国語辞典系

『ランダムハウス英和大辞典』、プログレッシブ英和中辞典』(第5版)、『COBUILD英英辞典』などの英語系

などなど、かなりのコンテンツがそろっています。たしかに、辞書サイトというより「ナレッジ」サイト。

これだけあれば納得できる会費とも言えるのですが、個人の基本コースでも

月額 1,620円
年額 16,200円(2カ月分お得)

と、かなりいいお値段です。私もしばらく悩んでいましたが、思い切って入会しました。


そしたら、もう明日(1/31)までなのですが、紹介キャンペーンをやってまして---

お友達紹介キャンペーン 告知

1701301

明日までに入会すれば、月払いでも年間契約でもだいぶお得になるようです。

もし、紹介キャンペーンを使いたい方は、こちらのURLを使っていただけると、ちょっとうれしかったりします。

http://japanknowledge.com/camp/mgm/?km=1105332

本体は全14巻もある「日国」ですが、さすがに利便性を考えて簡約版が、かつて出ていましたし、現在も出ています。

1981年に出たのが、「小学館国語大辞典」という1巻本(25万項目)。

これの電子データ版と思われるコンテンツ「国語大辞典(新装版)」が、かつてマイクロソフトの Bookshelf 2.0 に収録されていました。

参考記事:side A: # カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf


そして、今も出ているのが『精選版 日本国語大辞典』(以下、「精選」)です。

30万項目・約30万用例を収録するほか、「日国」にない新項目が約1,500項目・約5,000用例追加されています。

書籍版は全3巻で45,000円ですが、最近は電子データもだいぶ出回っています。

まっ先に採用されたのは、電子辞書端末でした。カシオが、3年ほど前のモデル XD-N10000 に採用し、続いてセイコーインスツルもDAYFILERの最上位機種 DF-X10001 に採用したので、今でもそれをお使いの方は多いでしょう。

昨年の今ごろはATOKの最新版に「精選」が載って話題になりました(このとき、新機能「イミクル」も盛り上がりましたが、その後はあまり話を聞きませんね...)。

そして、先日なんとiOSアプリ辞書も出ました。iOSアプリ辞書で定評のある物書堂さんです。

物書堂 精選版 日本国語大辞典

こちらも、明日(1/31)までなのですが、発売記念セールを実施していて、定価7,800円のところ、4,800円で買えます。

では、本家「日国」と精選版とはどう違うのでしょうか。

いちばんの違いは、用例の数です。精選版にも必要最小限の用例は載っていますが、日国の用例の多さには圧倒されます。

そのほか、「日国」だと方言や語源といった情報も楽しめます。

翻訳していて、直接の役に立つかどうかは分かりません。が、やはり自分の母語について、これだけ詳しい情報を利用できるというのは、ありがたいものです。

11:13 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

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2017.01.26

# 『辞書力を鍛える - あなたの英語を変える快適辞書活用術』

辞書について、久しぶりにおもしろい本を読みました。

といっても、新しく出た本ではありません。初版が2002年と、紙の辞書の存在感が今よりはまだ大きかった時代の発行です。

その証拠に、読みはじめるとすぐ、こんな記述に出くわします。

手元にある自分の辞書にあまり連結(引用者注:コロケーションのこと)情報が載っていない場合はどうすればいいのだろうか。もちろん,別の辞書に買い換えるのも1つの手であるが,その前に,該当ページの余白に学習した連結を書き込む習慣をつけることを勧めたい。

辞書に書き込みする!

やってましたよね? 私も、恩師のもとで使っていた辞書(英和中辞典~現代英和辞典)には、引くたびにチェックマークを付け、いろいろとメモも書き込んだものでした。

関連記事:side A: # 辞書の記憶をたどってみた

この箇所を読んだだけで、きっと面白い本に違いないと直感しました。

そして、そのすぐ後に出てくるのが、「パラフレーズ思考」と「ループ思考」という本書のキーワード。

詳しくは、ぜひ読んでいただきたいのですが、英和、和英、英英のどの辞書についても、パラフレーズということの重要性が繰り返し出てきます。

考えてみれば、英英辞典というのは、的確なパラフレーズの集大成であり、各辞書の個性とは、そのパラフレーズのしかたの違いにほかなりません。それを意識して使えば、意味を知りたいときでも、自分で英語を書くときでも(本書は、「英語の発信」という言い方で、英語ライティングも重視しています)、英英辞典の語義の見え方が大きく違ってきます。

品詞やコロケーション、コンテキストの理解が重要であるということも、もちろん説明されています。あるいは、「動詞型のチェック: 最長一致の法則」という項には、こんな例文が出てきます。

They call on the state to educate police about domestic violence.

call onだけ調べていたのではダメで、call on ... to ... という成句を考えなければいけない。当たり前の話だとお思いでしょうが、いろいろな答案を見ていると、意外と引っかかる人が多いポイントです。

この例でもわかるように、具体例は大学受験から学部生くらいまでに適した内容なのだろうと思いますが、翻訳者として、自分の

辞書の読み方を見直す

にも適した一冊だと思います。

目次

第1章 ここから見直す英語辞書の活用法
 ・基本的活用法(でも知らないことも多いはず)
 ・歩進める英語辞書活用法
第2章 ここまでできる!各辞典に見る意外な活用法
 ・英和辞典の意外な活用法
 ・和英辞典の意外な活用法
 ・英英辞典の意外な活用法
 ・その他の書籍辞書の意外な活用法
 ・電子辞書はこんなふうに使ってみよう
第3章 辞書紹介と比較
 ・英和辞典はこれを見よ
 ・和英辞典はこれを見よ
 ・英英辞典はこれを見よ

COBUILD などで使われている文定義(かならず、文で語義を書く)がなぜ優れているのか、各種の英和学習辞典はそれぞれどんな特徴があるのか、辞書を選ぶときに何を目安にすればいいのか、などなど、改めて気づかされることは多いはずです。

第3章は、取り上げられているラインアップが今とだいぶ違うので、直接の参考にはなりませんが、英英ご三家(Longman、OALD、COBUILD)の違いなどは、今でも有効です。『ジーニアス英和大辞典』が出た直後の出版なので、G大がいかに画期的な辞書だったかも、よくわかります。

2
ただし、Weekly Asahi連載だったいうこともあって、「辞書の引き方を基本から体系的に説明している」わけではない点に注意してください。むしろ、ある程度は辞書を使いこなしているつもりになっている、くらいのレベルの方におすすめ。つまり、私たち翻訳者にぴったりということ。

もちろん、書かれている内容はどうしても古くなるわけですが、その古さが、逆にいま読むとおもしろかったりもします。

私たちがいまお世話になっているような環境については、DDWINしか紹介されていませんが、こう書かれています。

まずDDWINというフリーソフトをインターネットからダウンロードする(たとえば、ベクターのホームページwww.vector.co.jpから)。パソコン雑誌の付録になっていることも多々ある。

パソコン雑誌の付録!

そして、なんといっても時代の差をいちばん如実に感じられるのが、

12冊の「ポケット判英和」を比較・検証する(p.232~)

という項でした。この話は、ちょっとおもしろすぎるので、別の記事にします。

もっと基本のところが知りたいという場合は、こんな本も参考になります。

初版が2007年なので、電子辞書端末のノウハウなどまでカバーされています。

こちらは、岩波ジュニア新書ですが、ばかにしたものではありません。辞書を「読む」ためのヒントがたくさんあります。

そういえば、『辞書力を鍛える』って、どこかで見たなあと思っていましたが、一昨年の秋にイカロス出版から出た『翻訳力を鍛える』というムックで、私が担当した辞書のページ、タイトルの一部が「辞書力を鍛える」でしたw

06:37 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (4)

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2017.01.11

# 辞書ブラウザの本文内を検索

今まで、どのセミナーでも触れてこなかった辞書ブラウザの機能について、書いておきます。

単語を検索してから、検索の結果、つまり

本文内を検索する

という機能です。


つまり、昔なら 紙の辞書で単語を引く → 成句や用例を目で追いながら目的の語句を探す ということを当たり前にやっていたはずで、それをデータ上でもう少し効率的にやろうということ。

電子データになってからは、成句からでも引けるようになったので、このような使い方はあまりしなくなったかもしれません。が、インデックスの作りによっては、成句が見つからないこともよくあります。そんなときのために、昔ながらの「本文内検索」は、できるようにしておく必要があります。

「辞書ブラウザ」という言い方、だいぶ定着してきたかとは思いますが、念のためにここでも定義しておきます。

辞書ブラウザとは、

EPWING、LogoVstaなどの共通仕様データをまとめて登録し、一括検索できるアプリケーション

のことです。

Jamming(現在は入手は不可)
Logophile(Jammingの後継アプリケーション)
EBWin4
DDWin

などが代表的です。

以下、代表的な辞書ブラウザごとに、この機能を紹介します。


Jamming

[検索]メニュー → [本文内をテキスト検索]、または Ctrl + F

1701111_2

[本文内をテキスト検索]ダイアログが開きます。

残念ながら、オプションがいっさいなく、機能は貧弱です。しかも、いちど検索するとダイアログが閉じてしまうので、続けて検索するには、Ctrl + Shift + Fを押します。

検索した語は、その後もフィールドに残ります(検索履歴はない)。

※ただし、私のメインPCだけらしいのですが、Ctrl + Shift + Fを押すと、なぜか検索語入力フィールドが右寄せになってしまうという不思議な現象が起こります。


Logophile

[編集]メニュー → [本文内をテキスト検索]、または Ctrl + F

1701112

[検索]ダイアログが開きます。

だいぶオプションが増えています。いちど検索してもダイアログが閉じず、[次へ]で順々に検索していけるので、だいぶ使いやすくなりました。

ところが、検索した語が、フィールドに残りません。いくつかの語句を引き比べながら、同じ語句を本文内検索したいときには、けっこう不便です。


EBWin4

[編集]メニュー → [このページの検索]、または Ctrl + F

1701113

[検索]ダイアログが開きます。

Logophileのときとまったく同じ。おそらくWindowsで同じAPIを使っているのでしょう。機能もまったく同じですし、検索した語がフィールドに残らない点も同じです。

※ひとつだけ違う動作がありました。検索直後は、[このページの検索]がグレーアウトされていて使えません。フォースが結果リストのほうにあるからです。本文(右側)を1回クリックすると、このコマンドが使えるようになります。


LogoVista固有ブラウザ

[編集]メニュー → [本文内検索]、または Ctrl + F

ダイアログも機能も、Logophileとまったく同じです。


いままで、成句や用例を探そうとして見つけられなかった人は、この機能で本文も検索してみてください。

02:40 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.01.09

# 「訳出のバリエーションづくり」 - レッスンシリーズ第4弾

昨年から始まった、翻訳フォーラムの「レッスンシリーズ」、今年も1月、2月と続けて実施します。

ひとまず、1月分をご案内。

日時:1/29(日) 13:45~17:00
場所:アカデミー音羽 美術室

リンク:「訳出のバリエーションづくり~訳例カード・ワークショップ」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#4) in東京 - パスマーケット

今回のテーマは、「訳出のバリエーション作り」です。リンク先のイベント情報も併せて読めば、目的はおわかりいただけると思います。

原文に"most"とあったら、何と訳していますか?「たいていの」「ほとんどの」あたりでしょうか。しかし、いつもいつも「たいていの」「ほとんど」ではワンパターンになってしまいます。訳文の中で「浮いて」しまうこともあるかもしれません。他に訳し方はないのでしょうか。品詞を変えたり、位置を変えることでバリエーションを増やす方法はないでしょうか。
(イベント情報から引用)

ですが、タイトル後半の「訳例カード・ワークショップ」というのは、ちょっと説明が必要でしょう。

そもそも、訳出のバリエーション、訳出パターンの手持ちを増やすには、どうすればいいのでしょうか。

辞書が頼りになることは間違いありません。ためしに、oftenを引いてみましょう。

しばしば, 度々 (frequently)(cf. seldom).
・He often comes to see us. 彼はよく我々を訪ねて来る.
・I saw her there very often. 彼女とそこで何度も会った.
【研究社大英和6】

【1】しばしば,ひんぱんに,ちょくちょく,たびたび,何度も:
【2】たいてい,多くの場合:
We go to the station often by bus. たいていバスで駅に行く.
【RHD2】

しばしば, たいてい, よく;多くは
He has ~ found it to be wrong. 彼はこれが悪いことだとしばしば感じていた
he walked around here quite ~. 彼女がこのあたりを歩くことはかなりよくあることだった.
【G大】


三大英和辞典を引いてみました。訳語と用例がいくつかあがっているものの、G大の最後の例文を除けば、すべて副詞として訳出してあり、これではバリエーションがそれほど増えた感じはしません。


2 [複数形の名詞・代名詞とともに用いて] 多くの場合, よくあることだが
Children often dislike carrots. 子供はニンジンが嫌いなことが多い
【研究社 英和中7】


学習英和まで引いてみると、oftenに当たる部分を述語として訳すパターンも見つかり、ようやくバリエーションがすこし広がった気がします。


では、英和辞典や和英辞典から、oftenを使った用例をすべて抜き出してみたらどうでしょうか。


Fear is often begotten of guilt. 恐怖心は往々罪の意識から生じる.
Liberty often degenerates into lawlessness. 自由はややもすると放縦になる.
A person's age often shows itself first in the extremities. 人の年はまず手足に現れることが多い.
【研究社大英和6】

研究社大英和を全文検索した結果の一部です。副詞だけでも「往々」、「ややもすると」と、訳語欄ではあまり見かけない表現が見つかりました。「~が多い」という述語表現もあります。


訳出のときに選べる語彙は増えましたが、実は、大切なのはここからです。

「しばしば、よく、往々にして、ややもすると、まず……」 → グループ1

「よくあることだ、~ことが多い」 → グループ2

グループ1とグループ2では、oftenの訳に当たる部分の、日本語文における機能が違います。グループ1は副詞句であり、グループ2は述語として処理されています。

語彙を増やすだけではなく、訳出パターンをこのように機能別に整理しておくと、訳出パターンの手持ちが広がるうえに、それを意識的に使い分けられるようになります。


この整理のしかたを学ぶのが、

「訳例カード・ワークショップ」

です。

上にあげたoftenの場合、グループはとりあえず2つだけでしたが、ほかにもグループを作れるかもしれません。まして、もっと出現頻度の高い

most

だったら、どうなるでしょうか。


1回のワークショップを経験するだけでも、訳出パターンを意識的に使い分ける力がしっかり身につくことは、昨年の翻訳フォーラム・シンポジウムで発表があったとおりです。


そして、なぜその訳例を『研究社和英大辞典』から引くのか、その秘密も、当日お伝えする予定です。


翻訳フォーラムならではの「訳例カード・ワークショップ」、ぜひ参加してみてください。

01:14 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (4)

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2016.12.15

# 『翻訳というおしごと』刊行~鈴木立哉さんのセミナーは必聴

先日の翻訳祭で先行販売され、すでに噂になっていた翻訳関連の書籍が刊行されました。

ご自身も翻訳者である実川元子さんが、今の翻訳業界を代表する10人の翻訳者へのインタビューも交えながら、「翻訳の未来」をお書きになっています。


私もさっそく購入して読ませていただきました。

これからの「翻訳というおしごと」について、けっして悲観的になることなく、かといって理想論や建前だけをかざすのでもなく、厳しい現実と、そのなかで仕事をする素晴らしさがつづられています。翻訳業界入門にかっこうの一冊です。

経験や分野にかかわらず、翻訳に携わる全員におすすめしたい内容ですが、特に

翻訳者をめざしている方

業界に入って日の浅い方

必読です。

そして、この本のなかでもひときわ貴重なご意見を展開している翻訳者、鈴木立哉さんが、来週12月20日(火)のJTF翻訳セミナーに登壇します。

リンク:いつまでもアマと思うなよ 8年後の逆襲(?)

後援のポイントを一部だけ引用します。

◎独立する前にすべきこと、考えるべきこと
◎フリーランスのメリットとデメリット
◎自分から動かないと何も始まらない
◎お客様とどう付き合うか
◎実務翻訳と出版翻訳
◎僕が文芸翻訳を学ぶ理由
◎「好きを仕事にする」

ということで、こちらも、上に挙げたような方には必聴の内容です。


案内が送れてしまいましたが、申し込みの〆切は本日12/15(木)の18:00です。

平日はお仕事があるという方も、有給をとってでも聴きにいく価値あり

これから翻訳者として生きていくために具体的に役立つヒントが満載です。もちろん、私も聴きにいきます。

【12/15 13:15加筆】

そうそう、ひとつ書き忘れていました。鈴木さんが毎日365日欠かさずに続けているのが、「翻訳筋トレ」。

どんなものかは、この本にも書いてあるのですが、12/20のセミナーでは参加者にも実際にその「翻訳筋トレ」を体験していただけるように準備を進めていらっしゃる、ということです。これも楽しみ!

さて、この本の刊行記念ということで、13日には紀伊國屋・新宿店で、実川元子さんの講演会がありました。

リンク:『翻訳というおしごと』(アルク)刊行記念 実川元子さん講演会

鈴木立哉さんは、こちらにもゲストとしていらっしゃり、お二人とも巧みな話術でオーディエンスを楽しませてくれました。

161215
(紀伊國屋さんのページがなくなってしまうこともあるので、記念としてスクリーンショットを貼りました)


翻訳は、もちろん楽な稼業ではありません。学校の受講生さんには、故・山岡洋一さんの『翻訳とは何か―職業としての翻訳』を必読として紹介しています。

私も、折にふれて読み直し、翻訳者としての自分を見つめ直すきっかけにしています。翻訳者の精神を支える古典、だと思っています。


一方、実川さんの『翻訳のおしごと』は、これよりはるかに卑近な観点で翻訳を語っている実用書です。

が、読むと、翻訳者として背筋がピンと伸びるという点は共通しています。


この本を読んでから来週の鈴木さんの話を聞いてもいいですし、逆でもいい。ぜひ、「翻訳というしごとの未来」を自分で考えるきっかけにしてください。

12:40 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.12.08

# 最近買った国語辞典たち ~ すべて書籍版

紙の国語辞典が3冊増えました。

161208

本棚の整理と入れ替えが済んでいないので、PCデスクのすぐ横に積んだまま使っています。

きっかけは、この本でした。

言うまでもなく、「日国」こと『日本国語大辞典』の編者である松井栄一(まついしげかず)さんが、祖父~父~ご自身という三代にわたる辞書一家のことと、日国の完成に至る経緯を紹介した本。

『舟を編む』で感動した方は、その次に読むといいかもしれません。

この経験を踏まえ、日本語を学ぶ外国人に役立つようにと、配慮を加えた新しい辞書の第一歩として、私は『日本語新辞典』を二〇〇五年に刊行しています。

松井先生の『類語使い分け辞典』は持っていましたが、不勉強なことに、この辞書のことは知らなかったので、さっそく買ってみました。


辞書その他のセミナーで、私はよく「(英日翻訳で)日本語を書くとき、

自分の言葉選びに根拠を持てる

ようにしよう」という話をします。ところが、一般の国語辞典は、類語や使い分けなどの情報、それがわかる用例が十分とは言えません。そういう情報を得たければ、

外国人相手の日本語教師向けの参考書

が便利。ということもセミナーでよく紹介しています。スリーエーネットワークの一連の本などです。

『日本語新辞典』は、そういう「現代日本語の使い方についての情報をなるべく載せよう」という方針で作られました。

類語情報は、先に挙げた『類語使い分け辞典』とかぶっている部分もありますが、収録されているのは『類語使い分け辞典』が501グループ、約2400語。『日本語新辞典』が約1,500グループ、約4,500語と、だいぶ多くなっています。

たとえば、「特に/殊に/とりわけ」の使い分けなどは『日本語新辞典』にしかありません。「議論/論議」の使い方なども、かなり詳しく説明してくれています。

「相棒」の項に、「◆相手が目上の場合はあまり使わない」などの補足があるのも助かります。ちなみに、『新明解』には、「上下の意識なく一緒に仕事をする仲間」と書いてありますが、これはあくまでも意識の問題で、実際に「相棒」と呼ぶかどうかという「用法」を説明した情報ではないと思われます。

もう少し使い込んだら、改めてレポートを書くかも知れません。

他の2冊は、先週の土曜日に久しぶりにJAT(日本翻訳者協会)の忘年会に出かけたとき立ち寄った八重洲ブックセンターで見かけた1冊。

そして、あとからネットで買った1冊。

副詞や形容詞について、すべて「プラスイメージかマイナスイメージか」という解説が付いています。

みるからに[見るからに]
【解説】外見から典型的であることを推量する様子を表す。ややマイナスイメージの語。

こんな具合です。


副詞と言っても、広く連用修飾語が収録されているので、「ちかって」のような動詞の連用形とか、「ただもう」のような複合語も載っているところが◎です。

また、索引もかなり工夫があって、どんな人が使うかという観点や、どんな心理で使うかというシチュエーションから引くこともできます。

比較表現を訳すときにできれば使いたくない「より~」については、こんな例文と解説が載っています。

④よりよい地球の未来を目指します。(CM)
⑤計画がより具体化したところで改めて検討する必要がある。

④のように次にくる形容詞との結合が強くなると、一語の形容詞として扱われる。
⑤は信仰を表す動詞に係る修飾語の用法である。かなりかたい文章語で公式の発言や報道に用いられ、くだけた会話には登場しない。

安くない買いものでしたが、この2冊、かなり役に立ちそうです。

04:23 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (1)

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2016.12.01

# 紙の辞書はどうやって使う?

さてさて、日付が変わって今日から12月。

side Aも、しばらく翻訳祭ネタばかりでしたが、ぼちぼち通常モードに戻ります。


わりと先ほどですが、Twitterで

紙の辞書の箱は捨てるかどうか

という話が出てきたので、私が紙の辞書をどうやって使っているのか、紹介しておきます。このネタ、今までまったく思いついてませんでした。

1612011

私が主に常用している紙の辞書たちです。紙の箱、捨ててません。

と言っても、これは撮影用に置き直してあり、ふだんの状態とは違います。

・紙の箱を裏返す

・本体は横向きに、つまり箱に対してL字型を作るように箱に入れる

つまり、

1612012

こんな状態で置いています。

ぜんぶの辞書をこのように収納したところが、これ。

1612013

こうやって置くと、取り出すのも、元に戻すのも、けっこうスムーズです。箱があるので、本体もよれたりしないし。

それから、もうひとつメリットがあります。

小口に付箋が貼ってあるのが、上の写真でも見えています。この置き方にすると、上小口でも前小口でも、付箋を貼ったままにしておけるわけです。


12:49 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.11.30

# 翻訳祭、お礼とおわび

昨日、JTF翻訳祭が大盛況のうちに終わりました。


ご参加くださったみなさん、心よりお礼を申し上げます。


あまりの大盛況だったために、アルカディア市ヶ谷では建物全体も各会場も狭すぎて、人気のセッションでは立ち見が続出。それどころか、あまりに多すぎて、一部のセッションでは、床に座っていただくという事態になってしまいました。運営上の不備について、深くおわびを申し上げます。


コンテンツについては、かなりご満足いただけたようですが、運営、特に会場についてはいろいろと反省点も残る翻訳祭となりました。

1611291_2


それでも、当初からの目的だった「個人翻訳者さんに、ひとりでも多く来てほしい」という目標は達成できたと思います。

昨年と比べると、実に2倍の数の個人翻訳者にご参加いただきました。一方で、翻訳会社からの参加数はほとんど減っていません。

このムーブメントを、来年にも必ずつなげていきたいと思います。


個人的には---

・沖縄在住の翻訳者に数年ぶりに会えたこと

・某ツールの開発者にようやく会えたこと

・定期案件の担当者さんに会えたこと

・かつての職場の同僚に10年ぶりに会えたこと

・フェローの在校生や卒業生もけっこう参加してくれたこと

などなど、うれしいことがたくさんありました。


ご挨拶できなかった方もたくさんいたと思います。なにとぞ、ご容赦ください。

09:32 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.27

# 翻訳祭、満員御礼 ~ 参加する方へのTips

おかげさまで、今年の翻訳祭は、事前受付の〆切時点で定員に達し、

当日受付はなし

となりました。

ぎりぎりまで様子を見ながら、当日お申し込みを考えていた方には、たいへん申し訳ございません。m(__)m

ただし、翻訳プラザには無料で入場できます。また、交流パーティーのみ当日料金で受け付けます(申し込みの受付開始は当日13:00以降)。

セッションは聴けなくても、同業者との交流や、翻訳会社への営業など、人脈づくりだけでも足を運ぶ価値はあります。よろしかったら、ご利用ください。

前エントリで書いたように、当日は実行委員のメンバーに、ぜひ気軽に声をおかけください。


初めての人、常連の方、久しぶりの人、いろいろいらっしゃると思いますが、私が思いつく限りのTipsをツイートしたので、それをこちらでもまとめておこうと思います。

Twitterの投稿した内容の拡大版です。前エントリの内容もかぶっています。


名刺について

オンラインで実名を出していない人は、Facebook、Twitter、ブログなどオンラインで使っている名前もかならず、名刺のどこかに出しておきましょう。そうすると、その場で認識してもらえる、あるいは後々まで覚えてもらえる度合いがまるで違ってきます。

裏面に顔写真があるともっといいのですが、似顔絵とか、特徴的なイラストでも記憶に残りやすくなります。

私の名刺も、裏面に顔写真と、今年出た『翻訳のレッスン』の書影が入っています。


服装について

今のところの予報では、29日、東京の最低気温は8度、最高気温は15度。だいたい平年並みですかねー。

【追記】

いま見たら、最低気温が6度、最高気温が13度になってました。ちょっと寒いかも。


ただし、会場、特にセッションの室内はけっこう暑くなることがあるので、脱ぎ着で調節しやすい服装がおすすめです。空調はもちろんありますが、個人差や場所による差もあり、万全には対応できないからです。

翻訳会社の方はスーツですが、フリーランスは、フリーランスならではのカジュアルな格好でどうぞ。

あ、私はもちろん帽子かぶってます。ほかの方よりは見つけやすいと思います。


交通について

会場となるアルカディア市ヶ谷。最寄りはJR市ヶ谷駅、東京メトロ有楽町線または南北線・市ヶ谷駅、都営地下鉄新宿線・市ヶ谷駅のいずれかです。

JR(総武線)ご利用の場合、ホームから地上に出る階段は新宿寄りです。地下鉄の場合は、A1出口またはA4出口が便利。


クロークについて

遠方からいらっしゃる、または遠方にお帰りになる、などで荷物が多い方、アルカディア市ヶ谷の1Fにクロークがあります。ご利用ください。上着も、預けちゃっていいと思います。


受付について

1コマ目のセッションは9:30から。受付の開始は9:00です。1コマ目も人気セッションが並んでいるので、9:00すぐには受付を通れるよう、早めにお越しください。

受付は、お名前の五十音別に並ぶようになっています。掲示してある五十音標識を見てお並びください。

受付に行ったら、お名前をおっしゃっていただき、

・資料の入った封筒

・ストラップの付いた名札

を受け取ることになっています。ストラップ付き名札は、セッション料金をお払いいただいた目印になりますので、必ずぶら下げておいてください。


セッション聴講について

前エントリでも書きました。聴きたいセッションについては

・早めの移動を心がける

第2希望、第3希望くらいまで考えておく

ことをおすすめします。


ランチについて

アルカディア市ヶ谷の中の飲食店はいっぱいになります。周囲の飲食店については、ご参考までに、こちらなど。

また、付近のコーヒー屋さん、ファーストフードとしては、

プロント(アルカディアからJR駅方向)

ドトール(道路をはさんでアルカディアの対面)

カフェ・ド・クリエ(アルカディアからJR駅と反対方向)

ルノアール市ヶ谷駅前店(川を渡らず、JR市ヶ谷駅の東側)

ルノアール市ヶ谷外堀通り店(川を渡って右)

マクドナルド(川を渡ってすぐ)

松屋(プロントの隣)

などがあります。


翻訳プラザについて

1コマ目と2コマ目の間、3コマ目と4コマ目の間の休憩時間は、それぞれ30分です。次のセッションの席取りも大切ですが、せっかくの機会ですので、登壇者と名刺交換したり、翻訳プラザで翻訳会社への挨拶などもぜひ。

翻訳プラザには、翻訳会社が勢ぞろいしています。ちょっと立ち寄って、営業かけてみませんか。

では、11月29日、市ヶ谷でお会いしましょう!

12:33 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.23

# 翻訳祭にいらっしゃるみなさんへ

いよいよ、第26回 JTF翻訳祭の当日(11/29)まで1週間を切りました。


初めて翻訳祭に参加なさる方は、戸惑ったり、臆したりすることがあるかもしれません。そんなときは、会場で

Members

この顔を見つけ、気軽にお声をおかけください。登壇前などはバタバタしているかもしれませんが、何かのお役に立てると思います。

以下のメンバーです。

実行委員長、古谷 祐一 Furuya_4


実行委員、井口 耕二
Inokuchi_3


実行委員、斉藤 貴昭(テリー)
Saito_3


実行委員、平野 久美
Hirano_3


実行委員、松丸 さとみ
Matsumaru_3


実行委員、矢能 千秋
Yanou_3


実行委員、高橋(帽子屋)
Takahashi_3


セミナーの合間でも、交流パーティーでも、ご希望があれば、翻訳会社の人に紹介したり、同じ分野の同業者を引き合わせたりできると思います。

そのためにも、当日はぜひ

名刺のご用意

をお忘れなく!


そして、

図々しいくらい積極的に

ふるまうのが、この手のイベントを有意義に活用するコツです。

そのほか、いくつかアドバイスを。初めての方も、そうでない方も……


1. セッション聴講について

どのセッションも、定員を超えると入室制限がかかる場合がありますので、希望セッションの会場には、早めの移動をおすすめします。

できれば、同じ時間帯のセッションで

第2希望、第3希望

まで決めておくといいかもしれません。まったく分野違い、というのでなければ、第1希望でなくとも必ずお役に立つはずです。


2. 服装について

ドレスコードはまったくありません。会社関係だと、男女ともスーツ姿が多いかもしれませんが、フリーランスなら、ふだんどおりのカジュアルな服装でOKです。

人気セッションだと、室内が暑くなって、空調が追いつかない場合があります。気温に合わせて調整しやすい服装がいいかもしれません。

なお、アルカディア市ヶ谷の1階にクロークがありますので、コートや大きいお荷物は、クロークをご利用ください。


3. ランチについて

会場のアルカディア市ヶ谷の中にはレストランが2つありますが、やはり混み合います。会場外の飲食店まで出かけていったほうがいいでしょう。

できれば、同業者どうし(同じ分野とか)で語らって出かけられれば、ランチ時間もいろいろと情報収集の機会になると思います。


4. 交流について

翻訳祭のメインはもちろんセッションですが、翻訳会社やクライアント、同業者に直接会える

交流の場

でもあります。つまり、営業のチャンスということにもなります。

セッションの登壇者、参加している翻訳会社の人(プラザにも勢ぞろいしています)、同業者に、臆することなくどんどん近づいて、つながりを作ってください。


11月29日、市ヶ谷でお会いしましょう!

02:44 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.20

# そして、今年も十人十色・前夜祭!

翻訳祭の前日、11/28(月)には、今回で5回目となる

十人十色 前夜祭

も開催します。

1611201_2


本日の時点で、残席わずかですが、まだ申し込みは受付中です。


今年は、大阪から、しんハムさんこと小林晋也さんをお招きし、翻訳者にとっての「翻訳支援ツールの本質」を語っていただきます。

リンク:【告知】翻訳勉強会「十人十色」で翻訳支援ツール超入門

翻訳支援ツールの現状と将来について、肯定か否定かを単純に考えるのではなく、一度原点に戻って正しく考える

ということで、翻訳祭本番のトラック1セッション2「使われないツールの使い方 ― 十人十色のツール論」にそのまま続く内容です。

翻訳支援ツールの導入を迷っている方、そもそも翻訳支援ツールは必要なのかと懐疑的な方、翻訳支援ツールを使った仕事に疑問を持ち始めた方、などに特に聞いていただきたいと思っています。


時間帯がちょっと遅いのですが(18:00~)、しんハムさんのこの話、

東京では今回が最初で最後

です。お聞き逃しなく!


Facebookアカウントをお持ちの方は、こちらのページからどうぞ。

リンク:翻訳勉強会「十人十色」

Facebookアカウントをお持ちでない方は、以下のアドレスでメールにてお申し込みください。


終了後は、もちろん懇親会付き(別途お申し込み)。

文字どおり、前夜からみんなでお祭気分で盛り上がり、そのまま翻訳祭当日になだれ込もうという趣旨です。


翻訳祭への参加に

やや気後れしている方

こそ、前夜祭からいらっしゃいませんか?

11:41 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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# 翻訳祭、いよいよ来週!

これまで何度かお伝えしてきたJTF第26回 翻訳祭、いよいよ来週に迫ってきました。

リンク:JTF 第26回 翻訳祭

Img_01


個人翻訳者向けを中心にコンテンツの充実をめざしてきましたが、その成果か、参加者数はかなりの数になる見込みです。


事前申し込みの〆切は11/22(火)


当日申し込みもできますが、朝の受付も相当の混雑が予想されます。そこで時間をとられると、

聞きたいセッションに入れなくなる

恐れもあります(各セッション、定員があります)。

プログラムをご覧いただければ分かると思いますが、これだけの内容を4つ聞けて7,500円(非会員の場合)というのは格安だと、手前味噌ではなく思います。

また、交流パーティーは別途8,000円かかりますが(非会員の場合)、営業のための経費と考えれば、けっしてムダにはなりません。

交流パーティーには翻訳会社やクライアント企業の方も多数来場します。名刺をたくさん用意して、そういう方々に挨拶まわり。これだけで、あとから仕事につながったという実例は、たくさん耳にしています(私自身も、複数の事例あり)。

気後れするようなら、まずは帽子屋をさがしてください。挨拶したい会社の方につなぎます。

この顔です。

Akira_1507102

当日も、もちろん帽子姿です(この写真とは違う帽子ですが)。


昼も夜(交流パーティー)も、通翻クラスタでおなじみの、あんな人やこんな人が大集合します。これほどの機会はそうそうあるものではない、というくらい、文字どおりの「お祭」になりそうです。

今までこういうイベントに出たことがないという方にこそおすすめします。

11:22 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.13

# PASORAMA搭載機種の中古

PASORAMA搭載機種の入手について、ちょっとおもしろい話を聞きました。


ご存じのように、PASORAMA搭載機種のフラッグシップ、DF-X10001は、ときどき中古が出回っていますが、かなりの高値が付いています。

DAYFILERというキーワードで検索すると、こういう高額の商品しか見つかりませんが、実はDAYFILERの名を冠する前にもPASORAMA機能の搭載は始まっていました。

中古を探すとき、"DAYFILER" ではなく "セイコー PASORAMA" などで検索してみてください。そうすると、手頃な価格でPASORAMA搭載の機種が、まだ見つかります。

なかでも、おすすめなのがこれ。

……とか言って書いちゃったら、あっという間になくなりそうですが。


あるいは、これ。

「生協モデル」というのは販売形態が違っていただけで、実際にはSR-G9003です。型番がちょっと違いますが(-NH3)、これはコンテンツが少し増えたバージョンで、基本はSR-G9003と同じ。


私も、この機種持ってます。

リンク:side A: # 電子辞書 SR-G9003 を導入

5年前ですね。詳しくはこちらのブログをご覧ください。

DF-X10001と大きく違うのは、「リーダーズ第3版」が入っていないことと、いくつかの辞書でバージョンが違うこと。

逆に、DF-X10001に載っていない魅力的なコンテンツも入っています。

- 研究社 ルミナス英和辞典2版
- 岩波書店 岩波理化学辞典 第5版
- The Concise Oxford English Dictionary, 11th Ed

CODが載っている電子辞書端末というのは、かなりレアです。

端末そのものも、画面がモノクロ、タッチ操作非対応などと差はありますが、翻訳者には気にならないはず。


PASORAMA搭載端末、まだ入手のチャンスありです。

ただし、中古なので、必ず

状態や付属品を確認

してからご購入ください。


また、Windows 8や10では、PASORAMAがうまく使えない可能性があります。その場合は、ドライバが公開されていますので、試してください。

リンク:ダウンロードサービス|SII電子辞書

07:11 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

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2016.11.07

# Just Right!、なんだかんだ言って、翻訳者必携ではないか

文句を言ったり、ベンチマークテストを実施してみたりしたが、なんだかんだ言って、Just Right! は翻訳者としてやはり持っているべきアプリケーションじゃないだろうか。


通常版ともなれば、かなりの投資にはなる。

そして、もちろん万能ではない


だが、万能じゃないだけに、逆に言えば

Just Right!でも見つかるようなミス

は確実に防ぐことができる。

Just Right!の実力がどのくらいか、実例を出してみよう。

原文約29,000ワードの英日翻訳で、実際に私が手元で見ることになった訳文のチェック結果だ(内容は一部変えてある)。


まず「誤り」、つまり明らかな誤字・脱字と指摘されたリストの一部。

1611071_3

カタカナ語の誤表記として有名な、「シュミレーション」が連発。ATOKを使っていればもちろん指摘されるし、ATOKアドインの「はてな辞書」には、こう書かれている。

1611072_2

Wordの校正機能でもちゃんと指摘されるレベルだ。


次は「表現の洗練」、つまり明らかな間違いではないが書き換えを検討したほうがいいかも、と指摘される箇所。

1611073_2

何種類かの指摘があるが、ここに表示されているのは、「同一助詞の連続」だ。一部だけだが「の」の連続がかなり多いのがわかる。極端な箇所になると、こうだ。

~機能のレベルのためのアプリケーション開発の増大のために~

どんな種類の文章だろうと、「の」の5連発は通用しないだろう。


最後は、「表記ゆれ」

1611074

カタカナの長音、漢字/ひらがな、送りがななど、かなりの「ゆれ」があった。Wordの校正機能でも、表記ゆれはある程度チェックできるが、ここまで優秀ではない。


こういう訳文を納品してしまうリスクと、42,000円という投資額をてんびんにかけてみたら、結論は明らかだと思う。


02:06 午後 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (0)

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2016.11.05

# 「日本翻訳ジャーナル」11/12月号

日本翻訳連盟(JTF)が発行する「日本翻訳ジャーナル」の11/12月号(通算286号)が発行されました。

リンク:JTFジャーナルWeb

Hj_2016_4

巻頭特集では、ISOの動向がかなり詳しく紹介されています。私も読まなきゃ^^


私の連載「帽子屋の辞典十夜」は、第4回「COBUILD~コーパスから生まれた学習英英」です。


いつもどおり、無料でお読みいただけますので、ぜひお読みください。

11:42 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.04

# ツールの便利さとは

ときどき、

○○(ツールの名前)って、有益ですか?

という質問をいただくことがある。「○○」にはいろんなものが入るから、ひっくるめたら「ときどき」どころではなく、かなりの頻度かもしれない。曰く、

Wordマクロって、有益ですか?

秀丸エディタって、有益ですか?

SimplyTermsって、有益ですか?

Just Right!って、有益ですか?

Tradosって、有益ですか?


想像に難くないと思うが、これはかなり答えにくい部類の質問だ。「誰にとって」すらないが、そこは「質問者にとって」ということと考えて補ってみる。

○○(ツールの名前)って、私にとって有益ですか?


ここで、「私」に当たる質問者がどんな仕事をしているのか詳しくわかっていれば、まあ少しは答えられるかもしれない。

が、質問者が、どんな分野の翻訳をしていて、どんなスタイルで仕事をしているのか、ITスキルはどのくらいなのか、などなどがわかっていなければ、とうてい答えようがない質問だ。


どういうことをするうえで、「有益」さを求めているのか。

どんな種類の「有益」さなのか。

どうなったら「有益」と言えるのか。

「有益」になったとして、そこに何を見いだしたいのか。

そういうことをきちんと考えないで使ったら、どんなツールも「有益」にはならない。


言い方を変えてみよう。


どんなことに不便を感じているのか。

どういう形で解決したいのか。

解決して、何を得たいのか。


そういったことを考えて、その答えに適したツールを探さなければ、何の意味もない。


業界でデファクトだから使わなきゃいけない、そんなツールは(あまり)ない。

評判がいいから自分にも役に立つ、そんな保証はない。

万人にとって有益、そんなツールも(たぶんあまり)ない。


まず、今の自分の環境をきちんと把握して、自分がやりたいことを考える。

そうすると、足りない点が見えてくる。

足りない点を埋めるには、どんなツールがあるかリサーチする。


「有益ですか?」

と聞くのは、少なくともそれからじゃないだろうか。

11:53 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.03

# 現在の作業環境 - 2016/11/3現在

名古屋の勉強会で、私の辞書環境について質問をいただいたので、ホワイトボードに簡単な絵を描き、デュアルディスプレイ環境のことも含めて説明しました。

ちょうどいいので、最近のPC構成と、そこで主に使っているアプリケーションについて記録しておきます。


ちなみに、同じことを4年前の6月にやっています。このときも、直前に開催した翻訳フォーラムでデュアルディスプレイ環境の話が出た、その流れでした。

参照リンク:

禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 現在の作業環境 - 2012/6/15現在

禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 現在の作業環境 - 2台のマシンの ソフトウェア

禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 変則デュアルディスプレイの使い分け

この頃とは、メインマシンが交代し、アプリケーションの使い方もいろいろ変わっています。


まず、私のPC机を写真で撮ったところ。

1611031

見かけ上、4年前と変わっているのは、手前にiPad Air2があることくらいでしょう。アプリ辞書がすっかり増えたためです。


見かけはふつうのデュアルディスプレイですが、Input Directorというソフトウェアを使った変則ディスプレイ。これも4年前と変わりません。配線は少し変わりました。

1611038

メインPCから左右に2画面を出力し、サブPCから右に1画面を出力しているので、いわば変則的なトリプル構成です。

以下の説明では、便宜的に「メインの左」とか「メインの右」のように書いています。


それぞれ、どんな画面になっているか、スクリーンショットでご紹介します。
(文字がつぶれないように、元画像は大きいサイズのままです)

1611032

まず、これがメインPCから出力されている左画面。翻訳作業をする基本ページです。Wordか秀丸エディタ、またはTrados Studioと、Jammingが中心。


いちばん翻訳に集中しているときは、これにメインPCの右画面が加わります。

1611034


上のスクリーンショット2つが、私の「ふだん使っている辞書環境」という答えになります。

左画面にJamming。右画面が、LogophileとEBWin4、デジタル類語辞典。ときどきLogoVistaです。

これ以外にも、必要に応じて独立アプリケーションの辞書が立ち上がります。

メインPCの左画面は、裏側でブラウザ(Chrome、ときどきFirefox)とか、Evernoteも使っています。

1611036


あるいは、FileVisor7(ファイラー)とか、Twitterクライアントも。Twitterクライアントは、状況しだいで左右の画面間を移動します。

1611035


カレンダーとか秀丸メールも起動しています。

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左右の画面で辞書をたくさん開く必要がないとき、右のディスプレイはサブPCの画面になっています。

1611033

主な用途は、iTunesとメーラー(Becky)。

上のスクリーンショットで、秀丸メールも起動してますね。実は、メインPCで秀丸メール、サブPCでBeckyと、メーラーは二重に使っています。以前、Beckyが機嫌を損ねて苦労したことがあるので、最近そうしています。

最後に、メインPCとサブPCで使っているアプリケーションも挙げておきます。

メインPC(Windows 7 SP1、Core i7-4770、32GB RAM)

FileVisor7
秀丸ファイラーClassic
秀丸メール
Chrome
Firefox
Jamming
秀丸エディタ
MS Office
SDL Trados 2007
SDL Trados Studio 2014 …… 以上、主に左画面で

Logophile
EBWin4
LogoVista
デジタル類語辞典
Chromeの別画面
Araxis Merge(差分比較)…… 以上、主に右画面で


サブPC(Windows 7 SP1、Core i5-2320、8GB RAM)

FileVisor4
Becky
iTunes
Firefox …… 以上、右画面


今のところ、この変則トリプルで間に合っているので、当面はトリプル(以上)にする予定はありません(PCデスクの関係で、これ以上は増やせないし)。


あ、そうだ。名古屋では、PCとiPadの連携をお見せできませんでしたね。これ、そのうち動画とかでご紹介できれば、と思います。

09:45 午前 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (0)

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2016.11.02

# 名古屋翻訳者勉強会、辞書セミナーのご報告

10月30日(日)、名古屋翻訳者勉強会にお邪魔して、ほぼ丸4時間、辞書についてお話ししてきました。


会場は、ウイルあいち(愛知県女性総合センター)。

行ったことあるような気もしましたが、2013年のIJET-25プレイベントで使ったのは、名古屋駅前の「ウィンクあいち」でした。紛らわしい^^

1610301


今回は、基礎編2時間と発展編2時間の計4時間。

今まででいちばんたっぷり時間をかけられただけあって、辞書の種類からそろえ方、辞書ブラウザの引き方、辞書の読み方まで、お伝えしたいことはほとんどお伝えできた気がします。

【11/3追記】

名古屋翻訳者勉強会さんのサイトにも、勉強会の報告記事が載りました。

リンク:第6回勉強会「辞書を使いこなそう」開催報告

大筋は、今までの辞書セミナーとおおむね同じですが、たとえばおすすめの辞書を紹介するページには、

1610302

こんな風に値段まで入れて、これから買いそろえる人の参考になりそうな資料にしてみました。


ほかにも、

1610303

こういうリストを改めて作ってみたり、

1610304

DF-X10001に収録されているコンテンツを、今後どの形式で確保できるかというリストも作ってみました。

事前アンケートを実施したところ、現在DAYFILERを使っている、使えなくなったときにどうすればいいか、という質問をたくさんいただいたためです。


このように、今回は今まででいちばん資料も豊富、というセミナーになりました。


終了後、名古屋翻訳者勉強会の代表の方から、こんなコメントをいただきました(ご了承をいただいて掲載しています)。

・凡例の理解(=辞書の読み方)が甘かったことに気づけました。単語の難易度(S1やW1など)や副詞の位置を辞書で確認できることを初めて知りました。

・「辞書はお金で買える実力」の意味が分かりました。より良い訳文にするためにどこまで辞書を活用できるかというのがポイントで、持っているだけではダメだけど、うまく使えば訳文は確実に良くなると思いました。

・辞書環境の整備の仕方については、疑問に思っていたことを一通り理解できました。費用を合わせて知ることができて、今後どうやって揃えていくか計画が立てやすくなりました。


名古屋翻訳者勉強会にお邪魔することになった経緯は、以前こちらに書きました。


どの土地に行っても、翻訳者のみなさんは、とても熱心です。

その情熱を受け取るのがうれしくて、日本全国あちこちに出かけている。そんなことを、今回あらためて感じました。


名古屋翻訳者勉強会のみなさん、ご参加くださったみなさん、このたびは本当にありがとうございました!

11:22 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.11.01

# Jammingの「入力文字種の変換オプション」に注意

お伝えしていたように、名古屋翻訳者勉強会で辞書の話をしてきました。その様子については、また改めてご報告しますが、なんとか、お伝えしたいことを伝えられたように思います。


さて、最近の辞書セミナーで、Jammingの機能にはあまり触れません。すでに入手できなくなっているからです。が、名古屋では、私がふだんどんな辞書環境を使っているか、という質問をいただいたので、

「実は、JammingもLogophileと並んでメインで使っています」

とお答えしました。


そのJammingで、日本語を検索するときのオプションに、私としては新しい発見がありました。

[オプション]メニューの上のほうにある機能です。


結論から先に書きます。

[オプション]メニューの上のほうに、こんなコマンドが並んでいます。

1611011


このうち、[欧→英]はデフォルトでもオンのようなので、そのままでかまいませんが、その下の「かな」と「カナ」のオプションです。これは

[かな・カナ]

にしておいたほうがよさそうです。


Jammingのユーザーズガイドには、こう書かれています。

1611012

これを見ると、
 カナ→かな
 かな→カナ
 かな・カナ
をそれぞれオン/オフできるようにも読めますが、実際にはexclusiveで、いずれか1つがオンになります。

[かな・カナ]

にすると、時間がかかると書かれていますが、私の環境ではそれほどでもありませんでした。

さて、このオプションに改めて気付いた顛末です。


今週のニュース翻訳案件に、bumpという単語が出てきました。調べていたら、

研究社大英和
RHD2
リーダーズ2
リーダーズ3

で、こんな語義が目にとまりました。

bump 2
n 《響きわたる》サンカノゴイの鳴き声.
vi 〈サンカノゴイが〉鳴く.

仕事に出てきたのは1のほうの語義なので、これは関係いのですが、「サンカノゴイ」という文字列が、なんとも気になりました。もしかしたら、ゴイサギ(五位鷺)の仲間かなぁと思ってググってみたら、案の定、サギの一種だそうで。

リンク:サンカノゴイ(Wikipedia)

なんで、そんなspecificな鳴き声が単語になってるんだ、と思いましたが、ゴイサギというのは鳴き声がけっこう特殊らしいので、そのせいかもしれません。


さて、ここからが辞書の話です。

この「サンカノゴイ」の話をFacebookに投稿しようと思いましたが、納品が終わって何時間かしたら、もう元の英単語をすっかり忘れていました。

さて、手元の辞書で、どうやって引けばいいでしょう。

「サンカノゴイ」からの逆引きかと思いましたが、LogophileとEBWin4では、「前方一致」だけでも、RHD2、リーダーズ2、リーダーズ3では bump 2 がヒットしました。

一方、Jammingだと、「前方一致」でも「一網打尽」でもヒットしません。


そこで、ふと気づいたのが、上述のオプションだったというわけです。

デフォルトがどれなのかわかりませんが、私のJammingは[カナ→かな]になっていたのでヒットしなかったようです。これを[かな→カナ]に変えるだけでもヒットしましたが、どうせなので、[かな・カナ]で使ってみることにします。


08:15 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.10.26

# 翻訳祭に関係するアンケート3件

すでにご案内しているように、今年のJTF翻訳祭(第26回)、申し込みが始まっています。

Festival2016__1


ちょうど、井口耕二さんも、ブログで熱く紹介してくださったところです。

リンク:JTF翻訳祭2016: Buckeye the Translator


ぜひ、ひとりでも多くの個人翻訳者にご参加いただき、来年(以降)に続けていきたいと思っています。


さて、その翻訳祭ですが、内容を充実させるために、いくつかのセッションでは

事前アンケート

が始まっています。

こちらにも載せておきますので、パンフレットとあわせてご覧ください。

リンク:翻訳祭公式パンフレット


●トラック3 セッション4
パネルディスカッション「翻訳者に聞きたいこと、翻訳会社に言いたいこと」 → アンケートはこちら


●トラック4 セッション2
「誰も教えてくれない翻訳チェック」 → アンケートはこちら


●トラック4 セッション4
「BBCエディターに聞く報道の現場と翻訳通訳」 → アンケートはこちら

以下は、独り言です。


お祭とかイベントって、参加するだけでもおもしろいですよね。

翻訳業界で大きいイベントは、この翻訳祭と、あとは日本翻訳者協会(JAT)のIJETがあります。

いちど参加するだけで、翻訳者としての視野がぐっと広がります。今まで自分が見てきた世界、知っていた常識が、大きく変わるはずです。

今年のJTF翻訳祭は、そういうきっかけとして絶好の機会になると考えています。


一方、イベントは運営する側に回ってみると、さらに楽しくなるものでもあります(これは、性格とか趣味にもよりますが...)。

アンケートにお答えいただけると、そういう運営側の楽しみを、ちょこっとだけ知っていただける、そんな気がします。当該のセッションを聴く聴かないにかかわらず、3つとも、ぜひアンケートにご協力ください。

第26回翻訳祭

2016年11月29日(火曜日) 9:30~

アルカディア市ヶ谷(私学会館)にて

05:09 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.10.09

# JTF翻訳祭、申し込み始まりました! ボランティアも募集中

すでに何度かお伝えしている第26回の翻訳祭、申し込みが始まっています。

リンク:第26回JTF翻訳祭


申し込みページはこちらです。

リンク:JTF翻訳祭参加申し込みフォーム

おかげさまで、発表になったプログラム内容があちこちで好評です。

〆切(11/22)ぎりぎりになると、今年はひょっとすると満員でキャンセル待ちという事態も考えられます。参加をお考えの方は、お早めにお申し込みください。

また、

ボランティアの募集

も始まっています。

リンク:第26回 JTF 翻訳祭ボランティア募集のお知らせ
(PDFファイルが開きます)


ボランティアの方には、2コマだけお仕事をしていただき、あとは好きなセッションをご覧いただけます。担当するコマは、ある程度ご希望に添いますが、必ずしも希望が通るわけではありません。

そのかわり、2コマ分の時間お仕事するだけで、セッションまる1日分の

参加費が無料

になります。
(懇親会は有料)


業務内容は以下のとおり。

受付
午前、午後、夜間のいずれかの時間帯です。

セッション司会進⾏
セッションが成功するかどうかは、司会進行にも大きくかかっています。得意な方はぜひ!
午前2コマか、午後2コマを選べます。

会場アシスタント
会場で、資料配布、空調管理、マイク運びなどを担当します。
午前2コマか、午後2コマを選べます。

書記
とても大切なお仕事です。
時間帯を問わず、得意な分野のコマを選べます(その後、調整はありますが)。
また、参加費無料のほか、JTFジャーナル規定の薄謝(クーポン券)も進呈。

写真撮影
ご自分のカメラ持ち込みになります。
午前、午後、夜間(懇親会)のいずれかの時間帯を担当します。

事務局作業
詳しくは、上記の申し込みページをご覧ください。


翻訳祭のボランティアは、単に参加費無料などの特典があるだけでなく、翻訳業界最大のイベントの運営に関与できるという意味もあります。

セッションの講師と交流できる、参加団体の様子を知ることができるなど、翻訳・通訳業界の様子をうかがい見るには、格好のチャンスです。

翻訳者はもちろんのこと、翻訳学習中の方も、ぜひ翻訳祭ボランティアを体験してみてください!

01:36 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.10.03

# 訳出のバリエーションと「EDICT2」

アルクさんの通訳・翻訳ポータルサイト「翻訳・通訳のトビラ」に、今春開催した翻訳フォーラム・シンポジウムの特集記事が掲載されていることは、すでにお伝えしました。以前は一部でしたが、記事がすべてそろいました。

リンク:「翻訳フォーラムシンポジウム2016」レポート|翻訳・通訳のトビラ|アルク

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最後に追加されたのが、「翻訳フォーラム・ワークショップ「めだかの学校」発表会」という記事です。

シンポジウム当日は、この発表内容が特に好評だったようで、このワークショップで取り上げた内容を聞いてみたいという要望が多く寄せられました。そこから生まれたのが、前エントリーでも紹介した「翻訳フォーラム・レッスンシリーズ」です。


今回は、この記事のうち「2. 訳例カード班」というセクションにご注目ください。形容詞mostをどんな風に訳せるか、そのパターンをいろいろと分析するという内容です。

同じ原語でもいろいろ訳し方を変えてみるというのは、翻訳者なら日常的にやっているはずです。が、それを「訳例カード」---辞書作りの現場を簡単に再現したイメージです---という形で実際にやってみると、驚くほどの再発見があります(訳例カードを使うレッスン・シリーズについては、決まり次第ご案内します)。


そこまでいかなくても、「意図的に訳出のパターンを変えてみる、手持ちの表現力を増やす」ということを意識していなかった人は、そこを意識してみることをおすすめします。

たとえば、at least という熟語を相手にしたとき、「少なくとも、最低でも」くらいの手持ちしかないと、前から修飾するパターンでしか訳文を作れません。前後のつながりによっては、使いにくいこともあるでしょう。

こんなときは、「うんのさんの辞書」に頼るのもひとつの方法です。うんのさんでも、版が変わると訳語が増えています。


少なくとも, 最低で, せめて, とにかく, いずれにせよ 【うんの 第3版】

少なくとも, 最低でも, せめて; とかく, とにかく, ともかく, いずれにせよ, いずれにしても 【うんの 第5版】


これだけ訳語候補が挙がっていますが、それでもすべて

「前から修飾」のパターン

しかないことにお気づきでしょうか。


辞書によっては、用例を見ていけば、「~以上」という訳し方は見つかるかもしれません。


こんなとき、なかなかやるなぁという辞書があります。しかも無料。以前もご紹介した、EDICT2です(参考過去記事:# EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち)。

EPWINGデータを以下のページからダウンロードできます。

リンク:EDICT2 (EPWING)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!


このEDICT2でat leastを引いてみると、

~くらい、ぐらい
~だけは

という形式名詞を後ろに付ける"訳し方"も見つかります。


probablyを引いたときも、なかなかおもしろい訳し方が見つかりました。

~であろう
~まい probably isn't (doesn't, won't, etc.)
蓋し

海外の学者が作っただけあって、逆にふつうの英和辞典編集では採用できない形がいろいろと収録されているようです。

probablyの項に、「む」と出てくるのは、なかなか高度です。

(aux-v) (4) (after a -nai stem) probably

「ない」の語幹に続く助動詞、ということですね。「なから-む」という古語のことでしたw

01:33 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.09.30

# 「読解トレーニング~速く正確に読む~」 - レッスンシリーズ第3弾

福岡が一段落したので、あらためてこちらでも告知します。

翻訳フォーラム主催のレッスンシリーズ、第3弾が10月に開催されます。

リンク:「読解トレーニング~速く正確に読む~」(翻訳フォーラム「レッスン・シリーズ」#3)

10月23日(日)13:15~16:45

です。


講師は深井裕美子さん。


「読めてないものは訳せない」「読めてるつもりが読めてない」

という当たり前のことを、事前課題も含めて徹底的に追求します。プロの翻訳者にも有益な内容ですが、学習中の人にはぜひとも聞いてほしい。


『翻訳のレッスン』、特に講師が執筆した「レッスン2」を読んでおくと、当日の理解がスムーズです。


なお、案内はすでに始まっていますので、お席の残りはだいぶ少なくなってきました。


自分の「読み方」を考えなおす、絶好の機会です。

08:42 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.09.29

# 「博多で翻訳勉強会」、盛り上がりました!

お伝えしていたとおり、福岡翻訳勉強会が主催する第1回の大型イベント「博多で翻訳勉強会」に参加してきました。

リンク:福岡翻訳勉強会

1609241
(会場の、ももちパレス)


以前ご紹介したときには、3人の講師の紹介が順不同でしたが、当日は以下の順序でのご登壇でした。

・小林晋也さん「翻訳支援ツール超入門 ~ その是非を考える」

・テリー斉藤さん「翻訳チェック、そしてWildLight」

・深井裕美子さん「辞書とコーパス」


いずれも、翻訳において重要なテーマには違いありませんが、一見するとそれぞれはあくまでも独立したトピックであって、関連性はないように見えます。

おそらく、主催者側も参加者も、最初はそのように考えていたはずです。


が、実際に2時間の話が3つ終わってみると、3人の話が見事に有機的に連動し、参加者からは

「交響曲を聴いているみたいだった」

という感想が出るほどでした。


私が過去に見聞した勉強会、セミナーのなかでも特に参加者の満足度が高い結果に終わったのではないでしょうか。


初めての大イベントがこれほどの大成功に終わったのは、講師3人の充実したコンテンツと巧みな話術によるところが大きいのは言うまでもありませんが、福岡翻訳勉強会の代表3人の周到な準備とていねいな応対も、実に見事でした。そして、その準備スタッフを影で、そして遠方から支えたKさんの力も大きかった。

講師のひとり、しんハムさん(小林晋也さん)によると、

「天の時」、「地の利」、「人の和」が揃った勉強会

だったということになります。

講師のお三方、そして準備に奔走した福岡勉強会のみなさん、Kさん、お疲れさまでした。そして、大成功おめでとうございます!


登壇者や参加者のブログ記事がすでにあがっているので、そちらもご覧ください。

リンク:TRA Café:【開催報告】福岡翻訳勉強会(9/24)
 登壇者のひとり、しんハムさんのブログです。

リンク:【報告】福岡翻訳勉強会、無事に終了
 同じくテリーさんのブログ。

リンク:第1回 福岡翻訳勉強会は大好評!
 参加者のブログ。

リンク:博多で翻訳勉強会と懇親会
 参加者のブログ。続くエントリーには、各セッションの詳細もあります。

リンク:「博多で翻訳勉強会」に参加しました
 参加した猫先生のブログ。

【9/30追記】
リンク:福岡翻訳勉強会がらみのツイートを集めてみた - Togetterまとめ
 あきーらさんによるまとめ。私が当日やった実況ツイートなどがはいってます。

リンク:福岡翻訳勉強会関連ツイート(関係者視点によるw) - Togetterまとめ
 テリーさんによるまとめ。当日の様子のほか、話の発端から実施が決まるまでの顛末も読めます。


さて、ここからは裏話ですw


私の知っている限り、講師3人は、今回のセミナーまでこういう状況でした。

・しんハムさんは、深井さんの話もテリーさんの話も聞いたことがあった = ○○

・テリーさんは、深井さんの話を聞いたことがあり、しんハムさんの話は聞いたことがなかった = ○×

・深井さんは、しんハムさんの話も、テリーさんの話も聞いたことがなかった = ××


さて当日。

午前中のしんハムさんの話が終わった段階で、深井さんがとても興奮しながら寄ってきて、「おもしろい、おもしろい。今の話の流れで、スライドを1枚追加する」とおっしゃる。

そのときは知らなかったのですが、午後最初のテリーさんも、実はしんハムさんの話を受けてスライドを一部調整していました。


つまり、2番手のテリーさん、3番手の深井さんはどちらも、初めて聞いた話から、全員の話に共通する大テーマをすぐさま読み取って、自分のコンテンツの軌道を一部修正したということになります。

そういう柔軟性があって初めて、あの「交響曲」が完成したというわけです。


3つの話に共通する大テーマとは、

いかにして、ちゃんと翻訳するか

ということに尽きるわけで、まあ言ってみれば当たり前のことなのですが、その当たり前を実践することがいかに難しいか、私たちはみんな知っています。

だからこそ、どんなセミナーであっても、根底にその当たり前のことをしっかり置いて話をしたいし、話を聞くべきだと考えるわけです。


私自身も、実は3人の話は基本的にすべて知ってはいましたが、3人のあうんの呼吸には脱帽しました(帽子屋が脱帽するという、いつものネタではなくw)。


これからもめざしたい、セミナーの理想形を見た気がしました。

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懇親会は、もつ鍋屋さん。盛り上がってしまったので、肝心のもつ鍋の写真は撮り忘れましたが、本場のもつ鍋は美味かった!


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ホテルに帰宅して、ちょっとしてから中州の屋台ものぞいたのですが、懇親会でお腹がいっぱいでした(翌日にリベンジした)。


実は、九州上陸は初めてだったので、25日、26日は観光もしました。その話はまたいずれ書く予定ですが……。

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こんなとこにも行ってきました。

05:37 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.09.22

# 第26回 JTF翻訳祭、プログラム発表

昨日のまとめブログで「間もなく」とお伝えしていた、第26回 JTF翻訳祭のプログラムが発表されました。

リンク:翻訳祭 プログラム詳細

Img_01

今までどおり、6トラック×4=24セッション + 翻訳プラザ6セッション という構成です。


すでにお伝えしているように、今年は

翻訳者の視点

を前面に出してプログラムを考えました。

ここで言う翻訳者とは、けっして「フリーランス(個人)翻訳者」という狭い意味ではありません。

翻訳会社の社内翻訳者を含むのはもちろんですが、たとえば社内チェッカーやPMの方も、翻訳物に関わるという意味では「翻訳者」です。

「翻訳に関わる実務者」と言ってもいいでしょう。そういう

翻訳の現場でがんばっている人たち

のための翻訳祭をめざしました。

一方、翻訳会社の経営者やクライアント企業の方には、そういう「現場の声」をぜひ聞いてもらいたいと考えています。クライアント・翻訳会社向けでもあるセッションも数多く用意しました。


また、今年は日本翻訳連盟の定款に「通訳業」が追加されたため、トラック6の4コマはすべて通訳者向けコンテンツになっています。


トラックごとのターゲットオーディエンスは、特に明示してありませんが、私は以下のように整理しています。


トラック1
いちばん大きい会場です(150名)。過去の参加者数などを参考に配置しました。

午前中は、翻訳フォーラムと十人十色。セッション4の「実況、翻訳会社のトライアル採点」は、初の試みです。トラック3は機械翻訳の話ですが、機械翻訳のPRではなく、最新技術がどうなっているかという、わりとアカデミックな話です。


トラック2
クライアント企業と翻訳実務者の両方に向けたトラックです。

午前中は特許・知財関連。セッション3は翻訳品質の話(スタイルガイド検討委員会のセッションですが、私は登壇しません)。セッション4は、こちらも機械翻訳の話ですが、一転して現場サイドでの活用事例です。


トラック3
翻訳会社と翻訳者の関係向けのトラックです。

午前中は、これから有望そうなセグメント(インバウンド需要と、マーケティング)の話。セッション3では、ツールについて本音の激突が予想されます。"日頃のモヤモヤ"がたまっている翻訳者、翻訳会社の方は、ぜひセッション4にどうぞ。


トラック4
翻訳者と、翻訳学習者にも来ていただきたいトラックです。

セッション1は、おなじみ遠田先生の日英翻訳。セッション2は、テリー斉藤さんが"翻訳チェック"の本質に迫ります。セッション3とセッション4では、それぞれ翻訳の現場から、翻訳者がいま考えるべきこれからの展望をお届けします。


トラック5
関連団体と翻訳学校のトラックです。

午前中は、JATとAAMT。午後は、翻訳学校サン・フレア アカデミーとフェロー・アカデミーの「公開模擬授業」です。


トラック6
4セッションすべて、通訳トラックです。

どのトラックも、通訳の世界を代表する方々ばかり。セッション1は翻訳者にも気になります。セッション3は満席が予想されます。


11月29日は、市ヶ谷アルカディアでお会いしましょう!

10:38 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.09.21

# これからしばらくの翻訳関連イベント、勉強会

しばらく更新をサボっているうちに、すっかり秋らしくなってきました。

(「サボる」って打つと、こうやってカタカナで変換されるんですね。語源を考えると、これでいいのか)


これから予定されている翻訳関連のイベントや、私自身の登壇予定については、単発でご紹介していますが、ここにまとめておこうと思います。みなさんも、お見逃しなく!

9月24日(土)10:00~17:00
「博多で翻訳勉強会」

リンク:福岡翻訳勉強会

すでにお伝えしているように、深井裕美子さん、小林晋也さん、テリー斉藤さんという豪華メンバーが登壇します。私は、オーディエンスのひとりとしてお邪魔します。

10月5日(水)~7日(金)
TCシンポジウム2016 京都開催

リンク:テクニカルコミュニケーター協会 > TCシンポジウム

翻訳に直結するイベントではありませんが、翻訳業界の片隅にいる者として毎年気になっているイベント。個人で参加するには、お値段がいささか高いので、私も10年以上前に翻訳会社から参加して以来です。3日間フルには参加できないと思いますが、初日の交流会も含めて2日間はお邪魔する予定です。通翻クラスタの方々とお会いすることはあまりないかもしれませんが、どなたかにはお目にかかれるかもしれませんね。

10月9日(日)17:00~19:00
翻訳勉強会「十人十色」主催、「柴田先生、翻訳を語る」

リンク:「柴田先生、翻訳を語る」

翻訳家の柴田元幸先生がご登壇。十人十色としては、これまででいちばんビッグなイベントかもしれません。アルク『翻訳事典』のご協力で実現しました。聴衆が翻訳者のみ、というご講演は初めてだそうです。
(すいません、定員に達したため、申し込みは終了しています)

10月15日(土)14:00~17:00
サン・フレア アカデミー「続・読ませる翻訳セミナー Part II」

リンク:続・読ませる翻訳セミナー Part II 類語辞典とコーパスの活用~基本と実践 | サン・フレア アカデミー

柴田先生の記事の次に書くのは気が引けるなぁ。こちらは、先日ご案内したとおり、私の講座です。

10月23日(日)13:15~16:45
翻訳フォーラム「レッスン・シリーズ」#3「読解トレーニング~速く正確に読む~」

リンク:「読解トレーニング~速く正確に読む~」(翻訳フォーラム「レッスン・シリーズ」#3)

6月から始まった、翻訳フォーラム主催「レッスンシリーズ」の第3弾です。「読めてないものは訳せない」「読めてるつもりが読めてない」をキーワードに、原文をちゃんと読むことに焦点を当てます。こちらは、また改めて記事にもしますが、席に限りがありますので、お申し込みはお早めに。

10月30日(日)13:00~17:00
名古屋翻訳者勉強会 第6回勉強会「辞書を使いこなそう!」

リンク:名古屋翻訳者勉強会 | 次回勉強会

こちらもご案内済みですが、名古屋で辞書の話をします。4時間たっぷりで、基礎から実践までお届けします。名古屋周辺のみなさん、よろしくお願いします!

11月28日(月)夕方
翻訳勉強会「十人十色」、翻訳祭前夜祭

今年もやります! 詳しい情報は、Facebookのグループページに掲載しますので、ご注目ください。もし、このイベントに興味があって、十人十色に参加していない方は、帽子屋までご連絡いただいてもけっこうです。

11月29日(火)9:30~
第26回 JTF翻訳祭

こちらも、すでにご案内していますが、昨年までとはひと味違う翻訳祭をお届けすべく、翻訳祭委員会一同、気合いを入れて準備を進めているところです。プログラムは間もなく公開される予定ですので、お楽しみに!

こんなところかな?

12:24 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.09.20

# 「日本翻訳ジャーナル」9/10月号

(実は予定の発行日より遅くなってしまったのですが)

日本翻訳連盟(JTF)が発行する「日本翻訳ジャーナル」の9/10月号(通算285号)が発行されました。

リンク:JTFジャーナルWeb

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いつにもまして、表紙の写真がカッコいい!


それだけでなく、今号は内容も豪華、読み応えたっぷりです。会員・非会員を問わず

無料

でお読みいただけますので、ぜひダウンロードしてご一読ください。

巻頭特集は、「翻訳業界の団体学会」。

JAT(日本翻訳者協会)、 ベン・トンプキンス氏
JTA(日本翻訳協会) 、湯浅美代子氏
JAITS(日本通訳翻訳学会)、水野的氏
AAMT(アジア太平洋機械翻訳協会)、中岩浩巳氏
NIPTA(日本知的財産翻訳協会)、浜口宗武氏
JTF(日本翻訳連盟)、東郁男

と、日本の翻訳業界を代表する6つの団体・学会が一気に紹介されています。ここまでまとまった資料は、これまでなかったでしょう。

河野編集長、渾身の特集記事です。

連載記事では、第3回となる「帽子屋の辞典十夜」と、リレー形式になっている翻訳フォーラムの連載「新・作成会議室」と。2本を書かせていただきました。


翻訳支援ツールで、マッチ率ごとに単価が変わるしくみについては、p.20~の「いまさらながらの・・・CATツール★超基本」をお読みください。

新田さんの「翻訳者のためのWord再入門」(p.28~)は、今回もすぐに役立つ内容です。

「翻訳と私」には、藤田優理子さんが登場(p.32~)。


連載記事は、この春から始まっています。バックナンバーもすべて無料でお読みいただけますので、『何でも教えてキカク』、「機械翻訳の近未来」など、業界事情についての最新情報もバッチリです。

11:54 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.09.19

# 続・読ませる翻訳セミナー Part II 

サン・フレアさんではすでに告知が始まっているのですが、最近ここの更新頻度が落ちているせいで、まだご紹介していませんでした。

タイトルのとおり、この春に始まった「続・読ませる」シリーズ第2弾の開催が決まっています。

リンク:続・読ませる翻訳セミナー Part II 類語辞典とコーパスの活用~基本と実践 | サン・フレア アカデミー


10月15日(土)14:00~17:00
です。


前回は、辞書をいかにていねいに調べ、読み取って、その結果を訳文作りに活かすかという観点で構成し、それに沿った課題文を取り上げました。

今回は、それをさらに発展させます。「辞書を丹念に引く」という基本は変わりませんが、特に

類語辞典とコーパス

に焦点を当てる予定です。


Part Iも、おかげさまで同内容の2回開催となりました。今回も、お申し込みが多ければ追加開催があるでしょう、たぶん……

具体的には、以下の辞典とサイトについて、実際の利用方法を解説したうえで、課題文(もう送付が始まっていると思います)を解説する予定です。

●類語辞典

デジタル類語辞典

リンク:デジタル類語辞典 第8版 (シソーラス) シングルライセンス ダウンロード版 マインドマネージャーストア


日本語大シソーラス


●コーパスサイト

「現代日本語書き言葉均衡コーパス」 少納言

リンク:KOTONOHA「現代日本語書き言葉均衡コーパス」 少納言 - 検索条件


NLB

リンク:NINJAL-LWP for BCCWJ (NLB)


NLT

リンク:トップ┃NINJAL-LWP for TWC (NLT)

02:40 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.09.04

# 名古屋勉強会で辞書セミナー(10/30)

名古屋にも、2014年から活動を続けている翻訳者の勉強会があります。

リンク:名古屋翻訳者勉強会


そちらに呼んでいただき、名古屋でも辞書の話をすることになりました。


リンク:第6回勉強会のお知らせ

日時:10月30日(日) 13:00~17:00
場所:ウィルあいち(http://www.will.pref.aichi.jp/index.html


リンク先にも書いてあるとおり、今回は午後の時間帯をめいっぱい使って、翻訳者としてそろえたい辞書環境の基礎から、辞書ブラウザの具体的な使い方、代表的な辞書の特徴までお話しします。

また、初の試みとして、レベル別にそろえていきたい辞書セットを、実際の予算も示しながらご紹介する予定です。

定員が23名と少なめですので、ご希望の方はお早めにお申し込みを^^

ところで、私が名古屋に伺うのは、2013年10月以来3年ぶりになります。このときは、2014年6月に開催されたIJET-25のプレイベントが目的でした(地元の翻訳者さんと一緒にパネルディスカッションを行っています)。

名古屋翻訳者勉強会が生まれたのは、このプレイベントがきっかけでした。

IJET-25実行委員会のメンバーに地元の方がいらっしゃり、その方が中心となって、プレイベントの盛り上がりを機に勉強会を立ち上げたという経緯です。それから3年間、着実に活動を続けていらっしゃいます。


そして、私が今回の勉強会にお呼びいただいたのは、7月に静岡翻訳勉強会(通称「しず翻」)にお邪魔したのがきっかけでした。

さらにたどると、私がIJET-25実行委員のひとりとして名古屋プレイベントに参加したのは、その前年の2012年、私がIJET-23(広島)に参加してJATのイベントのおもしろさに引き込まれたからです。


つまり、2012年のIJET-23、2013年の名古屋プレイベント、その後ご当地で生まれた勉強会、今年7月のしず翻と、各地でこれまで続いてきた活動がつながりあった結果として、今回の辞書セミナーが実現したということになります。

これも、SNSのおかげで個人翻訳者どうしが横へ横へとつながれるようになった、ご縁のひとつですね。


2013年のプレイベントのときは日帰り強行軍で、懇親会の二次会にも出られずに帰京することになりました。今回は、ちゃんと宿泊して名古屋ステイも楽しんできたいと思っています。

名古屋地区のみなさん、よろしくお願いいたします。m(__)m

01:34 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.08.30

# アルクさん「翻訳・通訳のトビラ」

シン・ゴジラにやられっぱなしの8月です。


アルクさんの「翻訳・通訳のトビラ」、いくつかコーナーが更新されました。

リンク:「翻訳フォーラムシンポジウム2016」レポート|翻訳・通訳のトビラ|アルク

ひとつは、去る5月29日(日)に開催された翻訳フォーラム・シンポジウムの特集。

ワークショップの報告とトークセッションは近日公開ですが、ひとまず4人のセッションが公開されました。


そして、もうひとつはこちら。

リンク:プロに必要な仕事環境「わたしのセレクト」TOP|翻訳・通訳のトビラ|アルク

出版、実務からそれぞれ3人、映像から2人が、翻訳に必要な(と考えている)環境を紹介するという特集です。

私も実務部門のひとりとして書かせていただきましたが、なにより、計8人の違いが実におもしろいので、こちらもぜひお読みください。

【訂正のお知らせ】

タイトルと本文で「通訳・翻訳のトビラ」と書いてしまいましたが、正しくは「翻訳・通訳のトビラ」でした。某ジャーナルとは逆なのですね^^

ということで訂正しました。

02:39 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.07.24

# 『デジタル類語辞典』のこと

これまでの辞書セミナーなどでも、実はあまり詳しくお伝えしてこなかった辞書があります。

そのひとつが、これです。

リンク:デジタル類語辞典 マインドマネージャーストア

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なぜあまり紹介していないかというと、販売状況が微妙なことがあったからなのですが、現在の販売元(上記のサイト)に行けば入手できるようです。



7/24現在も、Amazonでは「取り扱っていません」あるいは「出品者からお求めいただけます」となっています。出品者名は上記サイトのメーカーです。

【7/25追記あり】
JammingとEBWin4の場合について、ちょっと補足しました。


その名のとおり、日本語の類語辞典です。

1607242

EPWINGなどの統一規格ではなく、データの変換もできないようなので、このように単独のアプリケーションとして使用します。

『日本語大シソーラス』のように、概念カテゴリで分類して示すのではなく、類語を羅列するだけです。訳語を悩んでいるときには、この形で候補をざっと眺めたほうがいいときも多いものです。

ただし、「同義語」、「広義語」、「狭義語」、「関連語」などの分類はあります。


こういう一覧を表示する最小限の使い方だけでも重宝しますが、いくつか便利かもしれない使い方を書いておきます。


類義語に移動

上のスクリーンショットは「冗談」を引いたところです。「諧謔」、「ユーモア」などの類義語が並んでいるので、これをダブルクリックすると、その語で改めて検索できます。つまり、表示された候補を次々とダブルクリックしていけば、類語ネットワークをどんどん移動していけるという仕組み。

移動した履歴は、ツールバーにある「前」/「後」ボタンで行ったり来たりできます。


他の辞書を引く

機能性にちょっと難点もあるのですが(後述)、なかなか便利な機能です。

候補の語を選択して右クリックすると、[他の辞書を引く]というコマンドがあります。これを使うと、設定してある辞書を検索できます。

製品の案内ページを見ると、連携できる辞書が実はかなり多彩です。

【連携可能な電子辞書】
・LogoVista辞典ブラウザ
・Microsoft Bookshelf 3.0
・Microsoft/Shogakukan Bookshelf Basic 2.0/3.0
・DDWin Ver2.59/Ver2.66
・Jamming Ver2.1/Ver2.3.1/Ver2.6.4/Ver3.9.9
・Personal Dictionary for Win32Ver4.33/Ver4.42/Ver4.53/Ver4.74
・PDIC/Unicode Ver.5.2.5
・広辞苑 第六版
・エンカルタ百科事典2001
・現代用語の基礎知識
・新英和・和英中辞典
・類語例解辞典
・マイペディア百科事典
・学研super日本語大辞典ver1.0.2
・マルチメディア総合辞典
・スーパー大辞林
・デジタル大辞典
・ザ・完字変換
・理化学辞典
・ViewIng Ver2.42/Ver3.0
・DTONIC Ver2.44
・ことといLight Ver3.5.2
http://v-networks.co.jp/SHOP/VNC_TH08.html より)

EBWin4はこのリストに入っていませんが、試してみたら大丈夫でした。


設定は簡単です。

  1. [ツール][他の電子辞書との連携設定]を選択する と、こんなダイアログが出てきます。

    1607244

  2. [名前]に辞書名を入力します(名前は任意ですが、入力は必須)。
  3. ダイアログにあるこのボタン
    1607245_2
    を、使いたい辞書の入力フィールドまでドラッグ&ドロップします。この操作、「かんざし」に似てますね。
  4. [状態]はデフォルトで[可]になるはずなので、そのまま[終了]をクリックします。

これで、語句を右クリックして[他の辞書を引く]すれば、たの辞書を引けるようになります。辞書はいくつでも登録できます。その場合は、「かんざし」のときと同じように1回の動作で複数の辞書が勝手に検索されます。


ただし、ちょっと機能に限界があります。

いったん辞書を設定しても、辞書の側で検索方法を切り替えたり辞書を切り替えたりすると、そこで連携が切れてしまうということです。

しかも、元の設定に戻してもダメで、「デジタル類語辞典」のインターフェース自体を再起動すれば、また使えるようになります。

たぶん、連携設定した時点の辞書側のウィンドウ状態を記憶しているからで、その状態がいったん変わってしまうと、元に戻してもダメなんでしょう。

ちなみに、私の環境では、こんな感じでした。

Jammingだと---
検索方法(前方、一網打尽など)を切り替えるとダメ。辞書を切り替えてもダメ。

EBWin4だと---
検索方法(前方、自動など)の切り替えだけなら連携は切れない。辞書を切り替えるとダメ。


Webサイトを検索する

EBWin4とかLogoVistaブラウザでもおなじみのWeb検索機能です。

[ツール][ウェブサイトの設定]で、Webサイトを設定します。

1607246

デフォルトで、Googleなどいくつかの検索エンジンが登録されています。[状態]が[有効]になっている検索エンジン全部で検索を実行してくれるので、オンラインの国語辞典を使っている人は、ここに登録しておくといいかもしれません。

不要なエンジンは[削除]もできますが、[状態変更]を押して[無効]にするだけでもOK。


で、おもしろいのはここからです。

デジタル類語辞典のインターフェースでは、複数の候補を選択できます。その状態でこのWeb検索機能を使うと、そのすべてをキーワードにしてWeb検索されます。

たとえば、上のスクリーンショットで「ユーモア」と「戯れ言」を選択してGoogle検索すると、

1607247

こうなります。


候補をコピーする

ヒットした各ウィンドウで語句を選択し、右クリックで[コピー]を選択する(または Ctrl+C を押す)と、その語をコピーできますが、複数選択(Shiftキーを押しながら、とかCtrlキーを押しながらとか)してコピーすることもできます。

類語候補をまとめて別ファイルに貼り付けて確保しておく、みたいな使い方ができそうです。

ただし、(おそらく著作権の問題で)複数コピーできるのは最大で10個ずつです。候補がそれ以上あるときは、改めて次のまとまりを選択する必要があります。

また、デフォルトでは、複数候補をコピーすると、区切りがまったくありません。つまり、たとえば上の例で「同義語」をすべて(6つの語句)をコピーし、貼り付けると、

諧謔こっけいユーモアかいぎゃくジョークじょうだん

こうなってしまいます。もちろん、設定で変更できます。

メニューから[編集][コピーセパレータ]を選択すると、

1607243

このダイアログで区切り文字を選択できます。


というわけで、基本機能だけ使っていたのではもったいない辞書の話でした。


【7/25追記】

Logophileには日本語辞典をほとんど入れていないので、JammingとEBWin4の場合について補足しておきます。

「辞書の側で、検索方法や対象の辞典(グループ)を切り替えると動かなくなる。類語辞典を再起動すると直る」

という点は変わりませんが、辞書によってこの辺の状況も変わります。


Jammingの場合、検索方法別に連携を登録しておく必要があるようです。

たとえば「前方一致」の状態でのみ登録した場合、「一網打尽」に切り替えると動作しなくなるのは通常どおりですが、類語辞典を再起動しても「一網打尽」に対しては動作しません。この2種類の検索方法をよく使う場合には、「前方一致」と「一網打尽」それぞれの状態で連携を登録する必要があります。


EBWin4の場合、検索方法を切り替えただけなら、類語辞典の再起動は不要です。この点は便利です。辞典(グループ)を切り替えたときは、もちろん類語辞典の再起動が必要。

12:57 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.07.15

# 『悩ましい国語辞典』

いわゆる「ことばの乱れ」とか、慣用句などの誤用を指摘する類の本って、あんまり好きではないのですが、これは書店で手に取ってみて、ちょっと違ったので。


書店で目についたのは、たとえば「まじ」。この言葉が実は江戸時代とかあった、みたいな話。

あるいは「右開き」。誤用とかではなく、実は解釈がいろいろあって困るという話。


タイトルに「国語辞典」と付いているのは、国語辞典だということではなく

「国語辞典を編纂するとき、こんなことが悩ましい」

ということですね。そんな悩みを綴ったエッセイが五十音別に並んでる感じの本です。


今朝、

「物議をかもす」

っていう句を使った訳文を納品してから、はたと

これ、間違ってなかったよな。間違ってるのは「かもし出す」だよな...

と不安になって、この本を見ましたが、もちろん「かもす」で合ってました。

最近は「物議を呼ぶ」という言い方も多いらしい(そっちを私は知らなかった)とか、「物議を起こす」という用例が正岡子規にあるとか、そんな話も載っています。


それからまた、前のほうをぱらぱらと読んでいて見つけたのが、

すくう【掬う】

という見出し。リードにはこうあります。

掬われるのは「足」か「足もと」か?


これですよ。これ!


翻訳フォーラムの、もうだいぶ前の勉強会のときのことです。私が、訳文で「足もとをすくう」というのを使ってて、Kさんに「"足をすくう"だよね?」と指摘されたのです。

そのときは、しまったーと思い、その後も、ことあるごとにそのときのことを思い出すのですが……


この本によると、「足もと」には「足のあたり」だけではなく「足の下部」という意味もある。だから、「足もとをすくう」もありえるのではないかと。そして、劇作家・三好十郎の用例も載っている。

ここで、中納言とか調べてもいいのですが、ここはあくまでも、本のご紹介でした。

(7/15 19:00追記)

そうだ、これを書こうと思っていて忘れました。

LogoVista版の『明鏡国語辞典 第二版』には、ちょっと変わったインデックスがあります。


左上のドロップダウンにある通常の検索方法ではなく、検索ウィンドウにある[問題なことば検索]というウィンドウです。これが、「物議」を引いたところ。

1607161

このインデックスは、Jamming/LogophileやEBWin4では再現されないので、LogoVista純正ブラウザでないと見られません。

ちょっとおもしろい機能です。

なお、上の図で[問題なことば]タブの右に見えている[付録]タブにも、ときどき眺めるとおもしろい情報がたくさん載っています。中高生が配られる――そして、あまり使わない――「国語便覧」の電子版といったところです。

1607162

この情報は、EBWin4などでは[メニュー]検索から見ることができます。

03:43 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (3)

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2016.07.10

# Logophileのみ対応している辞書タイトル

この話は、『翻訳のレッスン』でも軽く触れていますし(pp.104-105)、辞書についてのセミナーでも機会があれば紹介していますが、こちらのブログではまだ取り上げていませんでした。


Logophile(ver1.6)が対応している辞書の一覧は、ユーザーズガイドのページにあります。

リンク:Logophileユーザーズガイド


このうち、LogoVistについては、ある時期以降のデータを読み込めなくなっていることは、すでにご存じかと思います。

注目は、もともと単独のアプリケーションとしてインターフェースを起動しなければならない辞書タイトルが、Logophileにはそのまま登録できる(データの変換などが不要)ということ。

以下、そういう辞書タイトルのうち、私が使っているものを紹介しておきます。

リンク先はいずれもAmazon。アルファベット順です。

Cambridge Advanced Learner's Dictionary 3rd Edition(CALD3)

基本は英語ですが、米語にも対応しています。語釈はあくまでもオーソドックス。例文が豊富なのも長所です。

ただし、Logophileが対応しているのは第3版で、現時点で最新は第4版(2013年刊)です。ご購入の際はご注意ください。


Collins COBUILD 2006

説明は不要でしょう。豊富な用例のWordBankが付いています。Logophileに登録するときは、本体とWordBankを別々に登録します。


Longman Dictionary of Contemporary English 5th(LDOCE5)

こちらも説明は不要。最新は第6版ですが、データとして手に入るのはこれが最新です。

文法事項、類語情報なども高い再現性で収録されます。


Longman Advanced American Dictionary 2nd(LAAD2)

かなりの部分がLDOCE5と共通ですが、同じ単語を引いても、たとえば語義順やレジスターなどに違いがあるので、たとえばsmartなども、ずいぶん違います。


Macmillan English Dictionary for Advance Learners 2nd(MED2)

個人的に好きな辞書です。語釈は、ある意味でCOBUILDより平易。

単語によっては、大きいカテゴリーが冒頭にまとめてあるというタイプです。

1607103

また、学習者向けの語法情報なども豊富です。

1607104


Oxford Advance Learner's Dictionary 8th(OALD8)

これも、最新は第9版ですが、データとして手に入るのはこちらが最新。

次に紹介しているOLTの類語情報も、ある程度まではこちらでも確認できます。

音声やレイアウトまで含め、Logophileでの再現性がなかなか高いのもうれしいところです。


Oxford Learner's Thesaurus(OLT)

類語辞典として、私があちこちでお奨めしている辞書です。「類義語になっている」という観点だけでなく、「類義語になっていない」という観点まで考えると、うまく使いこなせます。


E-Dic 第2版

こちらは、以前紹介しました。

リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

なお、以上で紹介したタイトルは、いずれもLogophileユーザーズガイドに掲載されているISBNからAmazonで検索したもので、旺文社など日本の会社が介在して販売している製品が多くなっています。

もともとの海外版でも、同じ版のCD/DVD-ROMなら読み込めると思うのですが、保証の限りではありません。

私自身も、素直にISBNで検索し、ここに挙げた商品を購入しました。

※つまり、ここから買ってくれるとうれしい、という意味です ^^

03:07 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.07.06

# EBWin4でWeb検索―実はなかなか便利だった

老舗のJammingやLogophile、DDWinになく、後発のEBWin4にある機能が「Web検索」です。


「辞書ブラウザで検索した語句を、そのままWebでも検索できたら便利かも?!」

という発想でしょう。自分はあまりそういう使い方をしないので、これまで試していませんでしたが、オンライン英英をよく見るようになってきたので、使ってみました。


結論から言うと、なかなか便利そうなので、使い方をご紹介することにします。と言っても、たいして難しくはないんですが……。

【2016/7/6追記:Logophileには、Web検索を設定する機能はありました。ただし、既定のブラウザで検索ページを開くだけで、Logophileウィンドウ内に表示されるわけではありません】

ちなみに、Web検索のできる辞書ブラウザは、EBWin4のほかにもあります。


ひとつは、Dicregate

電子辞書もWeb辞書も登録でき、すべてがタブ表示されます。ただ、このソフトウェアは検索オプションがないので、通常の辞書も含めてこれをメインで使う気にはなれません。


もうひとつはPASORAMAですが、指定できるWebが1つだけで、切り替えるにはいちいちオプションダイアログを開かねばなりません。

1607061


こう考えると、総合的にはEBWin4が私にはいちばん使いやすい。ただし、ふつうに検索して電子辞書とWebがいっぺんに検索されるDicregateと違って、通常の検索では電子書籍しか検索されません。Webを検索するには、その後で

1607062

オプションバーのこのボタンを押す必要があります。が、1回押せば、

1607063

このようにWebページが一覧されるので、後はクリックして切り替えられます。ひと手間多いだけです。

YahooやWikipediaなどのURLがあらかじめ登録されていますが、もちろん自分で追加できます。

  1. Web検索のアイコンにカーソルを置くと、右に下向き▼が表示されるので、そこから[Web辞書の編集]を選択します。

    1607064

  2. 左下にある[Add]ボタンをクリックします。
  3. [Name]に任意の名前を付け、[URL]に検索URL(後述)を入力します。
  4. [Post String]はほとんど必要ありません。
  5. [Enabled]をチェックします(これを忘れると表示されない=使えない)。

削除はしないが通常は使わないWebについては、[Enabled]のチェックを外します。

手順はこれだけで、削除もできるのですが、残念なことに

順序を変えるオプション

が今のところありません。暫定的な方法は、後述します。


さて、問題のURLですが、まず代表的な(無料の)英英辞典のURLを挙げておきます。これを[URL]フィールドにコピペすればOKのはず。

※上のスクリーンショットで赤く囲った6つのサイトはデフォルトです。

Dictionary.com
http://www.dictionary.com/browse/

American Heritage Dictionary
https://www.ahdictionary.com/word/search.html?q=

Cambridge Dictionaries Online
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/

Collins Dictionaries
http://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/

Longman English Dictionary Online
http://www.ldoceonline.com/search/?q=

Macmillan Dictionary
http://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/

Merriam-Webster
http://www.merriam-webster.com/dictionary/

Oxford Dictionaries
http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/

DictJuggler - 訳語辞典
http://www.dictjuggler.net/yakugo/?word=

Microsoftランゲージポータル
[URL]https://www.microsoft.com/language/ja-jp/Search.aspx?sString=
[Post String]&langID=ja-jp

※これだけは、[Post String]も必要です。


これ以外のサイトを使いたい場合も、特に難しいことはありません。

  1. 使いたいサイトに行って、何か検索します。
  2. 検索結果のURLバーを見て、検索語の前の部分を[URL]に、後の部分を[Post String]に入力します。たとえば、英辞郎(無料版)で fairy を引くと、URLはこうなります。
    http://eow.alc.co.jp/search?q=fairy&ref=sa
    この場合は、
    [URL]が http://eow.alc.co.jp/search?q=
    [Post String]が&ref=sa
    です。

いろいろ試してみてください。

ただし、検索サイトで特殊なスクリプトが使われていたりすると、うまくいかないこともあります。検索できても、表示が少し崩れることもあるようです。

また、

1607065

このように、検索フィールドが空になるサイトもありますが、検索はちゃんとできています(なぜか、American Heritageは、表示がかなり下になります)。

最後に、Webサイトを登録するダイアログで順序を変更できない問題について書いておきます。

Webサイトの指定は、以下のファイルに記録されています。

C:\Users\<ユーザーディレクトリ>\AppData\Roaming\EBWin4\engines.dat

こんな感じのテキストファイルです。

1607066

このファイルを編集すれば順序は変更できる……はずなのですが、私は一度、EBWin4自体が起動しなくなりました(このときは、デフォルトの6つのサイトを削除した)。

その後もう一度試したら無事に編集できましたが、起動しなくなった理由は不明です。

もし、このengines.datファイルを編集して順序を変えようという場合は、必ず正常な状態でengines.datのバックアップを確保してから作業してください。

02:15 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.07.04

# 『語句楽辞典』を、ちょっとだけPASORAMAライクに

DAYFILERに搭載されていたPASORAMAは、電子辞書端末のインターフェースが(ほぼ)PC上に再現されるという画期的なソフトウェアでした。

・PC上で入力・検索できる
・検索結果をPC上で見られる
・辞書の内容をコピーできる

iPad上のアプリ『語句楽辞典』も、メーカーさんがその気になってくれれば、PASORAMAと同じようなインターフェースをまた開発してくれる可能性がないでもありません(ないかもしれません...)。

少しでもそれに近い操作ができるものはないものものか---と探していたら、ひとつだけありました。

Wifi Keyboard

というiOSアプリです。

1607042

リンク:Wifi Keyboard


ここでは、『語句楽辞典』を使う前提で紹介しますが、基本的には

PCのキーボードを使ってiPad上で入力する

ためのツールです。たとえば、iPad上の「メモ」アプリとかEvernoteに、PCのキーボードを使って入力できるということです(それはそれで、使い道がありそう)。それを、辞書検索に使おうというわけです。


使うまでの設定は、以下のとおりです。

  1. iPadとPCを、同じLANに接続している必要があります。
  2. iPad上のApp Storeで「Wifi Keyboard」を検索し、インストールします。基本は無料ですが、日本語キーボードだと有料です。240円なので、アプリ内で購入しましょう。
  3. iPadの「設定」を開き、「一般」→「キーボード」と進み、「キーボード」→「新しいキーボードを追加...」の順にタップして「Wifi Keyboard」を追加します。

    1607043

  4. 追加された「Wifi Keyboard」をタップして、「フルアクセスを許可」をオンにします。
  5. メモでもなんでも、文字入力を伴うアプリを開いて入力モードにします。
  6. 地球儀アイコンをタップすると(あるいはしなくても)、スクリーンキーボードに次のようにIPアドレスが表示されます。

    1607044

  7. PC上で、ブラウザにこのIPアドレスを入力してアクセスすると、こんな画面になるはずです。

    1607045

    上の図のように、Connectedと表示されていれば成功。

これで、『語句楽辞典』を起動し、ブラウザの「Wifi Keyboard」ウィンドウに語句を入力すれば、あ~ら不思議。入力した文字が『語句楽辞典』の入力フィールドに入力されるはずです(ほかのアプリでも入力できるはず)。


もちろん、できるのは入力だけです。PASORAMAのように、結果がブラウザ上に出てくるわけではありません。検索結果を選んだり辞書を切り替えたり、これ以降は、すべてiPad上の操作になります。

それでも、入力をPC上でできるだけで、私としては十分に使いやすくなる気がします。これで、『語句楽辞典』は十分に常用辞書環境に組み入れられました。


ただし、iPad上で操作して、カーソルが検索フィールドから外れてしまうと、とたんにブラウザ上の「Wifi Keyboard」はこのように......

1607046

Disconnectedとなり、入力操作ができなくなってしまいます。こうなったら、iPad上で検索フィールドをタップすれば、瞬時にConnectedになります。


逆に、このソフトウェアを使うメリットがほかにもあります。

これは『語句楽辞典』の欠陥なのですが、いったん入力した検索フィールドを、いっぺんにクリアする方法がありません。Backspaceで1文字ずつ消すしかない。これはイヤです。

ところが、「Wifi Keyboard」には独自のショートカットがあります(ブラウザウィンドウの「Shortcuts & Functions」以下にある)。

ここに、

Delete (Word) Shift + Delete

Delete (Line) Shift + Ctrl + Delete

というショートカットが用意されています。これを使えば、語句楽辞典の検索フィールドを一発クリア。


iPad上で容量を確保できたら、あとはこのアプリでここまでできます。いかがでしょう。

06:00 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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# 『語句楽辞典』―SIIの辞書ビジネスがついに復活!

PASORAMA機能搭載のDAYFILERシリーズでたくさんの翻訳者に愛されていたセイコーインスツル(SII)さんが辞書ビジネス市場を去ってから、1年以上が経ちました。

撤退発表の声明文のなかに、こう書かれていたのを、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

なお、本事業で培った、辞書コンテンツの利用ノウハウやそれらを活用した検索サービス等については、セイコーホールディングスグループ内にて、ビジネス展開の可能性を検討していく予定です。
電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーインスツル株式会社


その言葉どおり、SII の辞書コンテンツが、ついに

iPadアプリとして復活

しました。

リンク:語句楽辞典 | 電子辞書アプリケーション | セイコーソリューションズ

リンク:セイコー電子辞書アプリ『語句楽辞典』

1607041

本体はiPadアプリで、ライセンスを購入するとデータをダウンロードできるというモデルです(iPhoneには対応していません。また、iPadも古い機種には非対応です)。


リンク:語句楽辞典を App Store で - iTunes - Apple

(本体アプリは誰でも無料でダウンロードできますが、これにはサンプルデータしか入っていません)


辞書データのほうは、

・高校生向け、2モデル(スタンダード、プレミアム)

・大学生向け、2モデル(スタンダード、プレミアム)

というラインアップで(収録コンテンツはリンク先を参照)、その名のとおり、対象は学生という位置付けです。

しかも残念なことに、(少なくとも当面は)高校生・大学生(および教員)向けにしか販売しないのだそうです。


が、しかし!

教育機関向けを除くと唯一、

翻訳フォーラムを通じて購入

できることになりました。

リンク:辞書アプリ『語句楽辞典』用コンテンツのご紹介

大学生向けと称していますが、上位バージョン(プレミアム)は、翻訳者も十分に使えそうなコンテンツがそろっています。

【英和・和英】
リーダーズ英和辞典 第3版(研究社)
リーダーズ・プラス(研究社)
ランダムハウス英和大辞典 第2版(小学館)
新英和大辞典 第6版(研究社)
新和英大辞典 電子増補版(研究社)
ビジネス技術実用英語大辞典 V5 英和編&和英編(プロジェクトポトス)
180万語対訳大辞典 英和・和英(日外アソシエーツ)

【英英・類語】
ロングマン現代英英辞典 6訂版 ★
オックスフォード現代英英辞典 第9版 ★
小学館オックスフォード英語類語辞典(小学館)

【英和・和英学習】
プログレッシブ和英中辞典 第3版(小学館)
ルミナス英和辞典 第2版(研究社)
ルミナス和英辞典 第2版(研究社)

【国語】
広辞苑 第6版(岩波書店)
デジタル大辞泉(小学館)
新明解国語辞典 第七版(三省堂)
新明解四字熟語辞典 第二版(三省堂)
全訳漢辞海 第三版(三省堂)、

【その他】
岩波 理化学辞典 第5版(岩波書店) ★


お手元の辞書ラインアップと比較してみてください。DAYFILER時代のSII 製品とかぶっているものも、そうでないものもあります。DAYFILERの最高峰だったDF-X10001と比べると見劣りしますが、特に★を付けたコンテンツは注目。

ロングマン現代英英辞典 6訂版(Longman6)

オックスフォード現代英英辞典 第9版(OALD9)

この2つは、電子データでほぼ入手できないタイトルです。

OALD9は、単独アプリケーションが売られていますが、どの辞書ブラウザにも載りません。Longmanは、書籍を除くとオンライン展開が中心になってしまい、Longman6の電子データは売られていません。唯一、カシオのXD-Y20000にはOALD9とLongman6がどちらも収録されています。

岩波 理化学辞典

は、SR-G9003(DAYFILERシリーズになる前のPASORAMA対応機種)に収録されていましたが、DF-X10001ではなぜか見送られました。


そのうえ、リーダーズ、研究社英和・和英、うんのさんという基本がそろい、「180万語」までそろっているのですから、

・これから辞書環境をそろえたい

・DAYFILERシリーズを買い損ねた

・DAYFILERを持っているが、壊れたら次はどうしよう

という方で、しかもiPadをお持ちであれば、かなりお手頃かもしれません。


そうなると、お値段が気になるところですが、実はSIIや加賀ソルネットのサイトには書いてありません。

翻訳フォーラムの特設サイト(こちら)には載せてあります。こちらでは具体的に書きませんが、かなりお得な価格です。


iPadとセットでこれからそろえるとなると、ちょっとかさみますが、iPadがあれば(容量が空けられれば)、これからの選択肢として、なかなかよさそうです。

とは言っても、PASORAMA時代と違って、iPad上でしか使えないんだったら、別にカシオの辞書端末でも変わらない……。

そうかもしれません。翻訳者にとっては、「PASORAMAに代わるもの」にはならないようです。


ただ、iPadアプリになったということは、今後もしかしたらPCから操作できるようになる――第2のPASORAMAが実現する――日が来ないとも限りません。


今のところ、少なくとも入力をPC側でできるソフトウェアを見つけました。

次のエントリで、それをご紹介します。


04:55 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.07.03

# 福岡勉強会が始動、9月には第1回勉強会

翻訳者による自主的な勉強会が、福岡でも本格的に始動しました。

リンク:福岡翻訳勉強会とは


そして、きたる9月24日(土)には、講師を3名も招いた豪華な勉強会が博多で開催されます。

リンク:「博多で翻訳勉強会」を開催します


登壇する講師は、

深井裕美子さん
小林晋也さん
テリー斉藤さん
(公式ブログでの掲載順)

まるで、通翻クラスタのオールスター戦、あるいは紅白歌合戦といった1日になりそうです。

詳細は上記リンク先をご覧いただきたいと思いますが、概要だけこちらでも紹介しておきます。

日 時:2016年9月24日(土) 10:00~16:30
会 場:ももち文化センター 特別会議室

テーマ:訳文をピカピカに磨き上げよう!-辞書とツールと翻訳チェック

講 師:(順不同)
 深井裕美子先生 「辞書とコーパス」
 小林晋也先生  「翻訳支援ツール超入門 ~ その是非を考える」
 藤貴昭先生  「翻訳チェック、そしてWildLight」

会 費:8000円 *うち500円は熊本地震の義援金として日本赤十字社に寄付いたします。


午前中から夕方までびっしりつまった、このコンテンツ。昨年から今年にかけて各地で開催され、いずれも好評だった講義を、博多の地でいっぺんに受けることができるというわけです。


お近くの方はもちろんのこと、遠方の方も九州観光を兼ねて足を運んでみてはいががでしょうか。ちょうど、こんなキャンペーンもあることですし。

リンク:【公式】九州ふっこう割お知らせサイト


定員は60名ということです。うっかりしていると、あっという間に満席になってしまうかもしれません。お申し込みはお早めに。


なお、私も応援を兼ねて駆けつける予定です。実は、九州ってまだ一度も行ったことがないので、観光も兼ねて : )

登壇はしませんが、ご質問などあれば、懇親会などでお答えできると思います。

翻訳フォーラムのように以前からあるコミュニティーとは別に、過去5年ほどで、翻訳者による自主的な勉強会が各地にどんどん生まれています。

仙台(JATのTRACが中心)、東京、静岡、名古屋、大阪、広島。そして、ついに九州にも。

あとは北海道と四国にできれば全国制覇ですW


11:26 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.06.28

# 十人十色、異例の出版系セミナー開催!

Facebookグループを基盤に、学習者からプロまでが広く集まっている翻訳勉強会「十人十色」。

今までも、いろいろとイベントの告知や報告をこちらでもしてきましたが、今回は異色です。

十人十色としては初めて、出版翻訳に関するセミナーを開催することになりました。以下の日時で、フリーの編集者、鹿児島有里さんをお迎えします。

【日時】2016年7月12日(火)18:00~

【場所】都内

※十人十色のイベントは平日の昼間が多いのですが、今回は夕方から。お勤めの方でも間に合う時間帯です。


Facebookにイベントページを立ててあるので、すでにメンバーであればイベントページを見られます。

リンク:「翻訳書の編集者の視点」 ~担当翻訳書100冊超の編集者が語る出版翻訳の世界~


が、十人十色にまだご参加していない方から、今回のセミナーに興味がある、参加したいとの声をいただいているようですので、こちらでもご紹介することにしました。

十人十色にまだ参加しておらず、このセミナーに興味がある方は、管理人である井口富美子さんのブログをご覧ください。

リンク:「翻訳書の編集者の視点」 翻訳勉強会「十人十色」 セミナーのお知らせ

【講演概要】

出版社所属の編集者として、フリーランスの編集者として、さまざまなジャンルの翻訳書を作ってきた経験をお話しします。編集者が求める訳文、翻訳者とは?そのために、編集者がすることは?コンテンポラリーな新作と古典の新訳では、やることは違う?

ベテラン翻訳者から学んだことはもちろんたくさんありますが、新人翻訳者から学んだこともあります。編集者としての私は翻訳者のみなさんに育てていただきました。自分が得たことを他の翻訳者の方々にもお伝えできればと思っています。

【講師略歴】

編集者。早川書房で海外文芸、ミステリ・ノンフィクション・演劇書など、光文社で古典新訳文庫を担当し、現在はフリーランス。担当した訳書は、カズオ・イシグロやダニエル・キイス、トリイ・ヘイデンなどの新作からF・S・フィッツジェラルド、サマセット・モームなどの古典に至るまで150冊近く。仕事をした翻訳者は、佐々田雅子氏をスタートに、鴻巣友季子氏、入江真佐子氏、黒原敏行氏、深町眞理子氏、小尾芙佐氏、小川高義氏など多数。

企画編集した本に『モンスターズ――現代アメリカ傑作短篇集』(古屋美登里訳、白水社)、『バン、バン! はい死んだ』(ミュリエル・スパーク/木村政則訳、河出書房新社)など。

10:01 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.06.22

# 古い辞書を調べるということ

Facebookにちらっと書いたとおり、たまたま空き時間ができたので、久しぶりに神保町に立ち寄り、古書店ものぞいてきました。

短時間だったし、あてもなくぶらぶら店頭をブラウズしただけですが、1軒だけちょっと時間をかけたのが、こちら。

リンク:英米文学・言語学・日本学・洋雑誌 小川図書

語学書や辞書の専門店なので、大学時代から必ず毎回寄っていたお店です。CODの旧版とかみ、ここで買いました。


『ランダムハウス英和大辞典』の元になった英英辞典(今ある、Random House Webster's ではない)とか、気になる辞書もたくさん並んでいるわけですが、もちろん紙です。お値段も当然、5桁。おいそれと手が出るものではないし、だいいち持って帰る気になれません。置く場所もない。


それで、特にビブリオ的に価値があるわけではない、こんなのを300円で買ってきました。

1606221

『斎藤和英大辞典』の編者、斎藤秀三郎と非常に紛らわしい名前ですw

それに「外国からきた」ってのも、時代を感じさせます。

初版が出たのは1961年のようですが、私が買った版の奥付には、こうあります。

昭和四十四年十月十日 改訂二十三版発行
昭和四十七年四月十日 新版八版発行

前書きは「増補改訂に際して」と題して、1970年5月 という日付になっています。

つまり、この辞書は

1970年5月時点の新語辞典

ということです。


当然、カタカナばっかり並んでいるわけですが---


たとえば、「ビット」は載っていますが、「バイト」は載っていません(当然、「キロバイト」、「メガバイト」なども)。

ビット[bit]情報量の単位.記憶容量を表わすのによく用いられ,0と1の2進数が保有し得る最大の情報量を表わす

と書かれています。


「ディスク」は、次のように②の語義まで載っていました。

ディスク[disk]①円盤,蓄音機のレコード.②電子計算機で,磁気ディスク記憶装置の略.

つまり、1970年の時点でコンピュータに使う「磁気ディスク記憶装置」というのが、一般的に知られていたことがわかります。ところか、今ならそれを「ハードディスク」と呼ぶはずですが、「ハードディスク」は載っていません。まして、「フロッピー」も見当たりません。

すこし調べればわかりますが、フロッピー、つまり「ハード」でないディスクが登場したからこそ、それまでの「ディスク」をわざわざ「ハード」と呼ぶようになったということでしょう。


こんな風に、今なら当たり前になっているカタカナ語が、40年以上前には使われていたのか、(辞書に収録されるくらい)一般的だったのか、ということを調べられて、なかなか楽しい。


ちなみに、初期の『仮面ライダー』で、ショッカーの首領が口にしていた「バーリア」---「バリアー」ではない---は載っていませんでした。それどころか、「バリアー」のほうもありません。

うーん、子どもたちまで「バリアー!」とか言い出した、もうすこし後だったかなぁ。


逆に、私はこんな単語が載っていてビックリしました。

シズル[sizzle]フライパンで肉を焼くときの音.用例:シズル効果(見込み客の感覚を刺激して引きつけること.次項参照)

で、その次項には「シズル セール」という項目がある。

それから、こんなのも。

ワン ストップ ショッピング[one stop shopping]消費者が商品を買う場合,1か所ですべての買いものをすませる購買行動.

もちろん、どちらもマーケティング用語ですから、その分野の人なら「けっこう昔からあったよ」と思うくらい当たり前の話なのかもしれません。でも、この2つ、どちらも私は、過去10年くらい以内に知った言葉でした。

使い方からして、かなり新しそうだと思うじゃないですかぁ。それが、大阪万博のころにもうあったなんて......。

こういうことって、英語ならGoogleのNgram Viewerで調べられるんですが、日本語はダメですよね。だから、こんな紙の情報が役に立つ。


これが300円なんて、とてもお得でした。

12:32 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (4)

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2016.06.15

# Webster辞書についての追記と、EPWINGデータ集

前エントリについて、Faceboookのほうでコメントをいただいて思い出した点があるので、追記しておきます。


ジャーナルの記事にも書きましたが、Webster辞書の初版は1828年に発行されました。この1928年版の内容が、オンラインで公開されています。

リンク:https://1828.mshaffer.com/

Search, browse, and study this dictionary to learn more about the early American, Christian language.

と書いてあって、なぜかトップページにはあらかじめmessiahのエントリが載っています。

続く第2版は1841年に刊行されました。

その第2版のうち、1844年に印刷された版を詩人のエミリー・ディキンソンが愛用したということで、ディキンソン研究者がEmily Dickinson Lexiconという名前で公開しています。

リンク:Emily Dickinson Lexicon

ちなみに、「私たちが直接知っている、1961年版のWebster大辞典(Webster's New International Dictionary of English Language, 3rd)は、今でももちろん紙版を入手できますが、とてもじゃありませんが、あの巨大な1冊を日常的に使うわけにはいきません。

データ版(CD-ROM)は、かつて出ていましたが、今ではほぼ入手できません。

(リンクは貼ってますが、「現在お取り扱いできません」です)


かわりに、時代に合わせてオンラインに移行しています。

リンク:Merriam-Webster Unabridged

ただし有料です。月額4.95ドル、年額29.95ドル(半年分で済む)。Unabidgedの内容が入っているほか、第3版以降の新しい内容も収録されています。また、Collegiateの内容も選択できます。

ちなみに、Merriam-Webster社には無料のオンライン版もあって(http://www.merriam-webster.com/)、通常はこちらで十分でしょう。

また、1913年版のダウンロードページを見て「聖書がある」と気づいてくださった方もいらっしゃったので、その点も書いておきます。


市販の辞書タイトルでEPWING仕様のものはすっかり減ってしまいましたが、今でもオンラインで手に入るいろいろなEPWINGデータがあります。

仕事に直接役に立つというより、むしろ趣味に関わるようなコンテンツが大半ですが、そんなデータをダウンロードできるサイトをまとめて紹介しておきます。


FPWBOOK

データだけでなく、EPWING変換のためのスクリプトも含まれている点に注意してください。

惡魔の辭典
Easton's 1897 Bible Dictionary
EDICT
Webster's Revised Unabridged Dictionary (1913)

WordNetのデータもありますが、もっと新しいバージョンが他のサイトにあります。


極めよDDwin+EPWING/EB辞書
更に極めよ「EPWING/PDIC辞書」

こちらは、どちらかというとデータそのものではなく、EPWING変換のためのスクリプトやノウハウを紹介したページ。


Maximilk

前エントリで、Webster 1913のリンク先として紹介したページです。そのほか、

EDICT2
Holy Bible(KJV)

などをダウンロードできます。


EPWING辞書のご紹介●大久保 克彦 | JTFジャーナルWeb

そして、EPWINGといえば、この方を紹介しないわけにはいきません。

WordNet最新版(3.1)
青空文庫

などのデータを作成して公開くださっているほか、

OEDの変換スクリプト

という、とんでもなくありがたいツールまであります。

【追記】

ちょっと前まで、Androidに対応したUnabidged版のアプリがあったのですが、今は見当たらないようです。

それから、1928年初版は、iOS対応のアプリがありました。

10:36 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

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2016.06.14

# 1913年版のWebster辞書

『翻訳のレッスン』、p.70の脚注に、

1913年発行の英英辞典
Webster's Revised Unabidged Dictionary

というのが出てきます。

本文を見ると、これが「古い辞書」であることはわかるのですが、もう少し補足しておきたいと思います。


なお、本記事と併せて、「JTFジャーナル」5/6月号で連載を開始した私の記事もお読みいただくといいと思います。

リンク:JTFジャーナルWeb

※リンク先のWebページではなく、PDFをダウンロードしてご覧ください。PDF版のp.16からです。

私たちが直接知っている「Websterの大辞典」は、1961年に発行された

Webster's New International Dictionary of English Language, 3rd ed., 1961

です。

Webster3rdinternational_2

タイトルに"New International"と付いてからの、これが第3版です。発行から50年以上経っていますが、第4版が出ていないので、これが「最新版」です(オンラインでは新しい語も追加されています)。

"New International"は、初版が1909年、第2版が1934年に発行されました。


タイトルに"New"が付いているので見当がつきますが、これ以前には、"New"の付かない"International"版がありました。

Webster's International Dictionary of English Language(1890)

Webster's International Dictionary of English Language(増補、1900)

です。1900年に発行されたこの"International"増補版の1913年版が、名前を変えて

Webster's Revised Unabridged Dictionary(1913)

となります。

これが、今オンラインで入手できる「1913年発行のWebster辞書」というわけです。


なお、オンラインではいろいろなサイトで公開されていますが、私たちが使うには、EPWING版のこちらがいちばん便利でしょう。

リンク:Webster's 1913(EPWING)

『翻訳のレッスン』にも、このWebster 1913の例が載っていますが、ここでは、computerを引いてみましょう。

n. One who computes.

今のようなコンピューターが生まれる以前にもcomputerという単語はあったのですが、当然ながら、「computeする人」という意味だったわけです。

あるいは、network はこうなっています。

1. A fabric of threads, cords, or wires crossing each other at certain intervals, and knotted or secured at the crossings, thus leaving spaces or meshes between them.
2. Any system of lines or channels interlacing or crossing like the fabric of a net; as, a network of veins; a network of railroads

09:45 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

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2016.06.13

# EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

けっしてメインの辞書としては使えないものの、思わぬときに役立つことがある辞書を2つ紹介します。名前が似ていて、ちょっとややこしいのですが......。


1つ目は、EDICTという、無料で使える辞書データです。オーストラリア、モナシュ大学のJim Breenという教授が、研究の一環として作成した辞書データです。元はシンプルなテキストファイルで、現在のバージョン(ver. 0.5、2013/5/8)はこちらからダウンロードできます。テキストでも15MBあります。

リンク:The EDICT Dictionary File

見ればわかるとおり、辞書というより英和の単語帳みたいなものですが、こんなエントリがあったりします。

  100円均一   hundred-yen store; 100 yen shop

あるいは、実はこれを見つけたので改めてこの記事を書くことにしたのですが、こんなのも載っています。

  the fact is  のです(P);のだ(P);んです;んだ [exp](P)

こんな風に、ほかの辞書にはない言葉とか、意外な観点のエントリがあるので、ときどき感心させられます。


上のページにあるのはテキストファイルですが、これをEPWING化したデータも公開されています。

リンク:EDICT2 (EPWING)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!


今や貴重なEPWING形式なので、汎用の辞書ブラウザ(Jammng、Logophile、EBWIN4)で使えますし、無料です。冒頭でも書いたようにメインの辞書にはなりえませんが、サイズもたいしたことなく邪魔にはならないので、入れておいてもいいのではないでしょうか。

もうひとつは、『E-DIC』という市販の製品です。

こちらのサイトでも、以下のように紹介されています。

素性のしっかりした様々な紙の専門辞書をまとめて電子化したもので、大変廉価な上にユーザー登録すると最新用語が無料で追加できるのもありがたい。基本的な英和・和英辞典は持っているという前提で、追加・補足的に使いたい。

「素性のしっかりした様々な紙の専門辞書」というのは、たとえば以下のような書籍版です。


『アメリカ口語辞典』


『最新日米口語辞典』


『米英俗語辞典』


『会話作文英語表現辞典』


『最新 和英口語辞典』


いずれも、今から見るとやや古い気もしますが、なにしろ用例が豊富なので、たとえばimpressを引いて

You've got to use your head if you want to impress the boss.
社長に認められようと思うなら、頭を使わなければだめだ。

こんな用例と訳が出てくるので、意外と使えます。


こうした、元々は市販の書籍タイトルだったもののほか、メインとして収録されているのは

E-DIC英和辞典

E-DIC和英辞典

なんだそうで、これの素性がはっきりしないのですが、この辞書の版元である朝日出版社がかつて運営していた、ASAHI PRESS SENTENCEといのがベースのようです。といっても、それがどんなものだったのかが、今となってはよく分からないのですが......。


最初のEDICTは、前から入れていましたが、E-DICのほうは、ネストさんに紹介されて買ってみました。

EPWINGデータではありませんが、Logophileにはそのまま載せることができます。E-DICオリジナルの検索アプリケーションももちろんインストールされますが、さすがにインターフェースが古くさい。


なお、上記の製品版に入っているアプリケーションは32ビット版のみで、最近の64ビットマシンでは起動しません。そのため、64ピット版アプリケーションは別途ダウンロードできるようになっています。

その辺の対応がきちんとしている点は、とても好感が持てます。

06:03 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.06.08

# 日本翻訳連盟(JTF)の理事に就任しました

一部の方にはすでにお伝えしておりましたが、本日6/8に開催された総会で正式に承認いただき、このたび

日本翻訳連盟(JTF)の理事

に就任いたしました。

Jtflogo


これまでにも同連盟には、スタイルガイド検討委員(2010年~)、ジャーナル編集委員(2012~)という形で関わってきましたが、翻訳業界の現状についていろいろと思うところもあり、さらにもう一歩を踏み込んでみることにしました。


お堅い組織の中で、個人翻訳者としてどれだけのことができるのかわかりませんが、せいいっぱい、やれるだけのことはやってみようと思います。


今年はまず、「JTF、ちょっと違うかも」と思っていただけるような翻訳祭をめざします。


※私と同時に、通翻クラスタでおなじみの方がもう一人、理事に就任しましたが、きっと本人がブログやSNSで発表すると思うので、ここには書きません。

10:48 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.06.05

# OALDのおまけ小冊子

学習英英辞典の定番OALD(Oxford Advance Learner's Dictionary)は、DVD-ROMの付いた書籍版、しかも旺文社がパッケージにして売っている製品を買うのが簡単です。

上が第8版、下が第9版です。

どちらも、購入すると「活用ガイド」という小冊子を入手できます。「OALD8活用ガイド」と「OALD9活用ガイド」、著者が違うため内容はだいぶ違いますが、どちらも一読をおすすめします。

1606051

※検索すれば誰でも無料でダウンロードできますが、購入者特典みたいな扱いでもあるので、いちおうURLは書きません。


特に、「OALD9活用ガイド」の第2部「OALD9の活用法」に書かれている、

「辞書検索の7ステップ」

というアプローチはおすすめ。

辞書の引き方は、人それぞれいろいろあっていいと思いますが、この「7ステップ」に書かれている概念は抑えておくと役に立つはずです。

OALD8とOALD9は、どちらも単独で起動するアプリケーション型ですが、第8版のほうは

Logophileに載せることができ

て便利です。


また、iOSアプリ版は、この前までOALD8だけでしたが、3月にOALD9が出ていたようです。

しかも、定価は3,600円ですが、アップグレードのオプションがあります。

1606052

OALD8を2015/6/3より前に購入した人は720円で、2015/6/3以降に購入した人は無料でアップグレードできます。

※ただし、アップグレードすると9だけになるのか、8と9の両方になるのかは不明です。試していません。

ところで、冒頭にあげた小冊子の写真。

言うまでもありませんが、ダウンロードできるのはPDFファイルです。これを、Acrobatの印刷オプション「小冊子」で印刷すると、ちゃんと中綴じ製本できるページ順に印刷してくれます(Acrobat ReaderでもOK)。

家庭用プリンターだと最大でA4なので、A5サイズの小冊子ということになります。

念のために書いておくと、「中綴じ製本できるページ順」というのは、たとえば全部で24ページの場合、

1枚目の右がp.1、左がp.24、その裏がp.2とp.23

のようになっている印刷です。

これを中綴じでホチキスどめするわけですが、こういうのを使います。

一見するとふつうのホチキスですが、

1606053

こんな風に90度回転して、中綴じができるようになります。

ちなみに、左のやつは私が学習塾で国語の教師をしていたころから愛用していた30年もの。右のが最近になって買い換えたやつです。


10:46 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.06.02

# 「辞書とコーパス1日マスター」のご案内

お知らせしていた翻訳フォーラム2016/大オフは、おかげさまで大盛況のうちに無事終了しました。

当日の参加者はスタッフも含めて140人ほどと、過去最大の規模になりました。そのうち60人くらいは、翻訳フォーラムのイベントに初参加とのこと。

当日流れていたツイートや、その後のブログなどの感想を見ると、内容にはおおむねご満足いただけたようです。

ご参加くださった方、ありがとうございました。

そんな大イベントが終わったばかりですが、今後も翻訳フォーラム主催のセミナーは継続的に実施されます。

その第1弾がこちら。

リンク:「辞書とコーパス1日マスター」(翻訳フォーラム「レッスン・シリーズ」#1) in東京 - パスマーケット

翻訳者に必要な辞書とコーパスの話を、

基礎から実践まで

含めて1日でこなしてしまおうというお得なセミナーです。


具体的に言うと、深井裕美子さんと帽子屋がこれまでにお話ししてきた以下の内容の総まとめということになります。


「訳語の選び方 ~辞書とコーパスを最大限に活用する方法~」(深井裕美子さん)

「JTFセミナー 『辞書・コーパス・用語集』最新情報」(深井さん + 帽子屋)

「続・読ませる翻訳セミナー~辞書引きの実践と、的確な日本語の選び方~」(帽子屋)


今までにふたりの話を聞いたことがない方や、今回のシンポジウムで初めて辞書の話に触れた方は、ぜひご参加ください。

また、これらの講座を一部または全部お聞きになったことがある方にも、復習になる内容ですし、

今までにない新しい情報

もある予定です(なにしろ、辞書をめぐる世界は変化が激しいので)。

実践編のための事前課題があります。実際の翻訳(英日)を通じて辞書の使い方を覚えていただきたいという趣旨です(課題文は、過去の出題と重複しません

なお、このセミナーは100人単位の規模ではなく、課題を添削したうえで解説できるくらいの人数で開催します。お席はだいぶ埋まりつつありますので、お申し込みは、ややお急ぎください。

翻訳フォーラムでは、この「辞書とコーパス1日マスター」を幕開けに、それ以降も連続してセミナーを開催する予定です。題して、

翻訳フォーラム・レッスンシリーズ

なお、こうしたセミナーやイベントのご案内など、翻訳フォーラムに関する情報はすべて、こちらのサイトにまとめてあります(ブックマーク!)。

リンク:翻訳フォーラムからのお知らせ


こちらでご案内しているとおり、レッスンシリーズは早くも第4弾まで予定されています。

2016/7/31(日)
翻訳フォーラム・レッスンシリーズ第2弾「テンスとアスペクト1000本ノック・ワークショップ」(高橋さきの)

今夏予定
翻訳フォーラム・レッスンシリーズ第3弾「アウトライン・リーディング集中講座(仮)」(深井裕美子)(詳細は後日)

今秋予定
翻訳フォーラム・レッスンシリーズ第4弾「語彙カード分類ワークショップ(仮)」(高橋さきの)(詳細は後日)


この内容、先日のシンポジウムにご参加くださった方ならピンとくるかもしれませんね。シンポジウムで概要だけお伝えした内容を、個々のセミナーでもっと掘り下げるという展開です。


第2弾以降も、ご期待ください!

01:10 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.05.28

# 『翻訳のレッスン』、出ました!

かねてよりご案内していたとおり、翻訳フォーラムの4人の共著が昨日(5/27)、無事に刊行されました。


明日のシンポジウムでも販売しますが、おかげさまで「翻訳」カテゴリで1位になってます。

1605271

そして、いよいよ明日は、刊行記念を兼ねた翻訳フォーラム・シンポジウム&大オフです。

ご参加のみなさま、明日お目にかかれるのを楽しみにしています!


それから、こちらは共訳書ですが、すこし前にIT関連の専門書が出ました。

専門書なのでめちゃくちゃ高いですし、監訳の段階でそうとう編集が入っていると思いますが。

併せてご紹介させていただきました。

05:29 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.05.22

# 翻訳フォーラムのサイト、リニューアルオープン、ほか

翻訳フォーラムのシンポジウム、いよいよ来週(5/29)に迫りました。


第三次まで募集しましたが、おかげさまでシンポジウムのチケットは完売。昨年までをかなり上回る規模の開催となりそうです。

その翻訳フォーラムの公式サイトが、リニューアルオープンしました。

リンク:翻訳フォーラムからのお知らせ

講演やセミナーのご案内、 刊行物などの情報、本家FHONYAKU掲示板へのリンクなど、翻訳フォーラムに関する情報をすべてまとめてあります。翻訳フォーラムについては、まずここからどうぞ。

1605221_2


そして、5/29のシンポジウム/大オフが終わった1か月後、6/26(日)には、翻訳フォーラムの新企画、「レッスン・シリーズ」が始まります。

リンク:「辞書とコーパス1日マスター」(翻訳フォーラム「レッスン・シリーズ」#1) in東京 - パスマーケット

5/27に刊行される『翻訳のレッスン』に凝縮した内容をベースに、翻訳フォーラムならではの「翻訳のレッスン」を実地でお届けしようというシリーズ企画です。

その第1弾「辞書とコーパス1日マスター」は、深井裕美子さんと帽子屋が担当します。


簡単に言うと、深井さんと帽子屋が昨年の1年間にあちこちでお話ししてきた内容を、実践演習まで含めてお伝えする、という内容です。

前半で辞書とコーパスの基礎を学び、後半では、事前課題に基づいて辞書とコーパスの使い方を具体的に説明します。


もっと具体的に言うと、

昨年10/15のJTFセミナー(詳細はこちら

と、

3/26、5/14にサン・フレア アカデミーで帽子屋が担当した「続・読ませる翻訳セミナー」

を併せたような形です。が、もちろん、最新の状況にあわせて、辞書環境についての最新情報もあります。


今までにまだ私たちの話をお聞きになったことがない人にまずおすすめですが、これまで散発的に参加くださった方でも、総復習にちょうどいいと思います(辞書環境は日々変わっているので、新しい情報もお見逃しなく)。

ちなみに、事前課題は、サン・フレアさんのときとは別のものを用意します。


ドリンクバー付きで、落ち着いた感じの会場です。

上記サイトで受付中ですが、関心のある方は、お急ぎください。

10:43 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.05.06

# JTF「日本翻訳ジャーナル」、誌面刷新!

JTFの「日本翻訳ジャーナル」、2016年の第1号となる5/6月号(通算283号)が発行されました。

リンク:JTFジャーナルWeb

最新号は、表紙PDFをクリックするとダウンロードできますし、コンテンツの一部はウェブでもお読みいただけます(左からの目次から)。

また、このブログの右カラムにあるPDFの画像リンクからでも上記のページにジャンプします。


そして、今号から誌面を一新し、

新しい連載記事が一気に9本

もスタートしました。

手前味噌は承知で言いますが、読み応えあります。

新連載記事の見出しと執筆者を挙げておきます。

  • 続・翻訳者のための作戦会議室 第1回 -- 井口 耕二
  • メディカル翻訳者のキャリアパス 一流翻訳者になるために -- 石岡 映子
  • いまさらながらの・・・CATツール★超基本 第1回そもそもCATツールって何? -- 加藤 じゅんこ
  • 帽子屋の辞典十夜 第1回「Webster 辞書のなぞ」 -- 高橋 聡
  • 『何でも教えてキカク』 ISO17100認証取得に必要な準備 -- 田嶌 奈々
  • 翻訳品質のランチボックス 翻訳の「品質」とは(1) -- 西野 竜太郎
  • 翻訳者のためのWord再入門 Wordの初期設定 -- 新田 順也
  • 機械翻訳の近未来 ドキュメント翻訳 -- 本間 奨
  • 翻訳テクノロジーを学ぶ ~導入編~ -- 山田 優

PDFは連載記事がメインとなり、そのほかの業界情報やイベント報告は、Web版をご覧いただく形になっています。

なお、これも完全に宣伝になりますが、「続・翻訳者のための作戦会議室」は、昨年まで4年間にわたってイカロスさんの「通訳翻訳ジャーナル」で連載していた「翻訳者のための作戦会議室」に続くシリーズです。

以前と同じく、翻訳フォーラムのメンバー4人のリレー形式でお届けします。


これからも続く連載記事、どうぞご期待ください!

04:59 午後 翻訳・英語・ことば, JAT・JTF | | コメント (0)

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2016.05.04

# ミスリード

このタイトルを見て、どんな綴りを思い浮かべましたか?


日本語で使われるこのカタカナ語、元は mislead だと思うんですよね。国語辞典にもそう書いてあります。


《他動詞。「する」と結合してサ変動詞としても用いる》 誤った方向にみちびくこと。
〔新聞・雑誌などで〕見出しが記事の内容と異なること。▽mislead 【学研国語】

mislead
(名)スル(1)誤った方向に人を導くこと。
(2)新聞・雑誌などで、見出しと記事の内容が著しく異なっていること。 【大辞林】

[mislead]
①誤った方向に導くこと。誤解させること。
②新聞・雑誌などで、見出しが記事内容と違うこと 【広辞苑】

岩国、明鏡、新明解には立項がありませんでした。


ところが、最近いくつか見かけた使い方は、どう見ても misread のようです。あるいは、mislead のつもりで、間違った使い方がだいぶ広がっているのかもしれません。

ひとつ目は、実写映画がヒットしているらしい『ちはやふる』です。

1605031

(講談社『ちはやふる』第27巻より)


そして、もうひとつ。ゆうきまさみの『白暮のクロニクル』を再読していて気づきました。

1605032

(小学館『白暮のクロニクル』第4巻より)


上の例は「ミスリードさせられる」、下の例は「ミスリードさせようとする」で、品詞分解するとこうなります。

ミスリードさ + せ + られる

ミスリードさ + せ + よう + と + する

「せ」は使役の助動詞「せる」で、メインの動詞は「ミスリードする」というサ変動詞です。


さて、これが国語辞典にあるような mislead 由来の「ミスリード」だとしたら、他動詞で「<人を>間違った方向に導く」の意味なので、それぞれ

<私が>ミスリードされた

<俺を>ミスリードしようとしやがる

となるはずです。


一方、これがもし misread 由来だとしたら、「ミスリードする」は、「<内容を>誤って読み取る」の意味なので、それぞれ正しい使い方ということになります。


たぶん、末次由紀もゆうきまさみも、mislead か misread か、なんて意識せずに使ったんだと思いますが、編集さんは、何にも思わなかったんでしょうかねー。


調べてはいませんが、活字でも、こういう使い方、広がっているんでしょうか。

10:06 午前 翻訳・英語・ことば, アニメ・コミック・サブカル | | コメント (2)

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2016.05.03

# JTFスタイルガイドセミナーのご案内

ちょっと前に掲載した記事で、5月のイベントとしてまとめてご案内しましたが、5月に入ったので、あらためてこちらをご紹介しておきます。

リンク:JTFスタイルガイドセミナー|JTF 日本翻訳連盟


昨年とは、内容と実施の順序が違います。

5/16(月)がツール編。

5/27(金)が日本語ブラッシュアップと入門編。

帽子屋は、最後の入門編を担当します。


5/16(月)のツール編は、午前も午後もハンズオン形式で、人数限定です。お申し込みはお急ぎください。

16日(月)の午前は「TransQAの基礎」

TransQAは、知名度こそまだ高くありませんが、実はいろんなファイル形式に対応できる、かなり高機能なチェックツールです。IT系の翻訳者に、特におすすめ。私自身も、初期に教えてもらったきりなので、改めて学んでみたいと思っています。


16日の午後は「JTF日本語スタイルチェッカーの基礎と応用」

こちらはブラウザベースの手軽なツールなので、社内や翻訳グループで標準ツールとして使うのに向いています。また、こちらの時間帯では正規表現の基本も扱います。


27日(金)の午前は「日本語ブラッシュアップセミナー ~表現重視編~」

昨年のスタイルガイドセミナーにご登壇いただいて以来、サン・フレア アカデミーなどでもすっかり名物となった、磯崎博史さんのセミナーです。しかも、昨年に続き今回はその発展編。残席わずかです。


27日の午後は「スタイルガイド入門」

帽子屋が担当します。スタイルガイドを使ったほうがいい理由。複数のスタイルガイドをうまく使いこなすコツ、など実践的な内容にする予定です。


また、当日は昼食時間(12:30~13:30)を利用して、ランチ会を開催します。午前か午後のセミナーに申し込むとご参加いただけます。食べ物は、持ち込みでもけっこうですし、お弁当を申し込みこともできます。

講師の面々と親睦を深められる、でも飲み会ほどではない、手軽な機会です。


01:02 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.04.29

# 第26回 翻訳祭、始動!

日本翻訳連盟(JTF)が毎年晩秋に開催している翻訳祭


第26回となる今年は、11月29日(火)です。


そして、4/27には、その準備を進める翻訳祭実行委員会の初会合が開かれました。

20160427_committee

これが、今年の翻訳祭実行委員会の顔ぶれです!


例年の翻訳祭をご存じの方であれば、この顔ぶれを見ただけで---というか、そもそもこういう写真が個人ブログで公開されているところからして---、なんか違うと感じませんか?


これまでの翻訳祭実行委員会は、法人会員の理事が委員長を務めるほか、委員も全員、企業会員の方々でした。

JTFは、法人会員(主に翻訳会社)だけで構成される団体ではなく、個人翻訳者も会員に抱える業界団体です。ではあるのですが、ここ数年の翻訳祭は、

個人翻訳者にとって魅力的なコンテンツが少ない

というのが正直なところでした。


翻訳会社だけでなく、個人翻訳者にも意味のあるイベントにしたい---委員長の古谷理事が、そんな思いで、私たちに声をかけてくださり、JTFとしては異例の委員会が成立しました。


このメンバーで、これから魅力的なコンテンツをそろえ、今までにない翻訳祭を作ろうと考えています。


ご期待ください!

12:57 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.04.26

# 翻訳フォーラム・シンポジウム、追加募集

リンク:「翻訳のレッスン」刊行記念 翻訳フォーラム・シンポジウム&大オフ2016 - パスマーケット


すでにお伝えしているように、5/29(日)開催予定のシンポジウムは、一次募集、二次募集とも、おかげさまであっという間に定員に達してしまいました。

そこで、同じお茶の水女子大学ですが、ひとまわり大きい教室に会場を変更して、さらに追加の募集を行うことにしました。


三次募集の開始日時は、以下のとおりです。

4/28(木)18:00~


泣いても笑っても、この募集が最後になります。一次、二次のタイミングを逃してしまった方は、こちらのお時間に、上記サイトにどうぞ。


なお、大オフのほうは、まだ若干名の余裕があります。

翻訳フォーラムの大オフには、分野も経験年数も、実にさまざまな翻訳者が集います。

「今までも、翻訳関係の集まりって行ったことない」という方、特に歓迎です。お待ちしてます!

03:36 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.04.20

# 翻訳フォーラム、今年もシンポジウム

正式に告知が出ましたので、こちらでもご紹介します。


今年も、翻訳フォーラムのシンポジウム+大オフを開催します。

リンク:「翻訳のレッスン」刊行記念 翻訳フォーラム・シンポジウム&大オフ2016 - パスマーケット


日時は、5月29日(日) ← すいません、今年は日曜日です!

場所は、昨年と同じくお茶の水女子大学。


タイトルにもあるとおり、翻訳フォーラムの主宰者ならびに幹事の4人(高橋さきの、井口耕二、深井裕美子、帽子屋)が執筆し、5月27日に出る本の刊行記念でもあります。


上記のサイトに行くとわかりますが、申し込み開始は4/10(日)からです。ただし、今年はチケットの販売を一次販売(4/10~)と二次販売(4/15)に分けました。


ふるってご参加ください。


【4/20】追記

みなさんにうれしいお知らせです。

一次募集、二次募集とも、主催者の予想を上回る早さで定員に達してしまったため、会場を再設定し、定員を増やせることになりました。

三次募集? は、あらためて通知があると思います(翻訳フォーラムのメーリングリスト、Facebook、Twitterなどで)。お見逃しなく!

10:38 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.04.13

# 5月のセミナーをまとめて

先日、5/29(日)に開催される

翻訳フォーラム・シンポジウム&大オフ2016

をご案内しました。チケットの一次販売は4/10(日)の午前10時に始まりましたが、予想どおり数時間で売り切れになりました。

二次販売は明後日、4/15(金)の19:00からです。平日の設定ですが、時間帯も違うので、くれぐれもご注意ください。

お申し込みサイトはこちらです。


そのほか、5月に予定されているセミナー情報をまとめておきます。


サン・フレア・フレア 5/14(土)

リンク:<追加開催>続・読ませる翻訳セミナー ~辞書引きの実践と、的確な日本語の選び方~ | サン・フレア アカデミー

3/26に開催したセミナーが満員御礼となったため、追加開催となりました。内容は3/26と同じです(が、課題文の答案しだいで、細かいところは変わる可能性がありますが)。〆切は5/5だそうです。


JTFスタイルガイドセミナー 5/16(月)、27(金)

リンク:JTFスタイルガイドセミナー|JTF 日本翻訳連盟

昨年に続いて、今年もスタイルガイドセミナー開催します。2日間にわたり、4つの内容があります。

・5/16(月)第1部(10:00~10:00~12:30)「TransQAの基礎」

・5/16(月)第2部(14:00~16:30)「JTF日本語スタイルチェッカーの基礎と応用」

第1部のTransQAは、昨年のJTF翻訳セミナーでも紹介したツールで、相当に高機能で汎用性も高いツールです。私自身、昨年の話を聞き損ねていたので、とても楽しみにしています(概要は知っているのですが)。

第2部は、こちらで手軽に使えるチェックツールですが、正規表現などについても詳しく説明します。

この日は、第1部、第2部ともハンズオン形式で、それぞれのツールの使い方をじっくり学ぶことができます。ただし、少人数制なので、お申し込みはお早めにどうぞ!


・5/27(金)第1部(10:00~12:30)「日本語ブラッシュアップセミナー ~表現重視編~」

・5/27(金)第2部(14:00~16:30)「スタイルガイド入門」

第1部は、昨年のスタイルガイドセミナーにお越しいただいてからすっかり評判になり、サン・フレア アカデミーなどでもセミナーが続いている磯崎さんの日本語セミナーです。しかも、今回はさらに上級編。こちらも、早々に満席にることが予想されます。

第2部は、スタイルガイドの基本を、実例に沿って解説します。


翻訳フォーラム・シンポジウム&大オフ2016 5/29

そして、5月最後の日曜日が、すでにご案内しているこちらです。


みなさん、どうぞふるってご参加ください!!

04:26 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.03.21

# 基本と無意識化~関西セミナーの報告を兼ねて

先週の金曜日(3/18)、お伝えしていたとおりJTF関西セミナーに登壇してきました。

会場は、2012年1月以来4年ぶりに訪れた大阪大学中之島センター。曇天ながら温かい一日でした。

1603181


当日は、「翻訳の基礎スキルを見直そう」と題して、日本語文法や英文法、辞書など基本スキルの話をしてきました。常に自分の訳文を「疑い」、「説明する」ためにはこんなスキルがあったほうがいい、という趣旨でお話ししたつもりです。


ちょうどその翌日、東京では村井章子さんの講演があったらしく、そこに参加した方のこんな報告を拝見しました。

「翻訳は英文法よりも文脈」「翻訳者が『この言葉の意味は・・・主語はどれで・・・目的語は、・・・文型は;・・・』」と考え始めたらその時点で問題と思った方がよい。

自分が、文法用語なども交えて英文法の話をしてきたばっかりだったので、なるほどと思い、ぜひ私も直接お話をお聞きしたかったと思ったしだいです。


19日の村井章子さんのお話を聞いて、上の言葉を曲解してしまうような方は、会場にはいらっしゃらなかったのだろうと思います。

言うまでもありませんが、この言葉は「英文法を軽視していい」ということではけっしてないはずです。

適切な英文法知識に基づいて的確に読むのは当たり前

であって、その前提に立ったうえで

文脈をしっかり読み取ることが大切

だということでしょう。話を聞いていない私の解釈なので、もっともっと深い意味があるのでしょうが、少なくともこの点だけは間違っていないと思います。


どんな分野だろうと、基礎スキルというのは意識の上にちょくちょく顔を出すのではなく、何も考えずに運用できるようになっていなければならない。つまり、

無意識化(自動化)

されているべきものです。だからこそ「基礎」スキルなわけです。

そうした基礎があって初めて、もっと上級のスキルや自分なりのノウハウがその上に構築される。


ただ、無意識に運用できるのはいいのですが、自分がいったん無意識化した領域を、

自覚的にきちんと説明

できるかどうか。そこは今一度、自分に問うてみる必要があるのではないだろうか――私が考えている、そして関西セミナーで伝えたかったのはそういうことでした。

別に、教師として誰かに伝授するとか、そういう話ではありません。

「なんで自分がここをこう解釈したのか」、「この言葉を選んだのはなぜか」ということを、翻訳者は求められたらちゃんと説明できたほうがいい、そういうことです。

あ、そうだ。

今回ご参加くださったある方が、前日にくださったメールにこんな句を書いてくれました。

明日は浪速か陸奥か、男帽子屋どこへ行く

なかなかうまい言葉^^ とても励みになりました。ありがとうございます。

11:39 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (1)

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2016.03.15

# 翻訳者の辞書 - データ編 - 第3回

第3回は、LogoVista(以下、「LV」)データについて、何点か補足です。


1. ユーザー登録

LVタイトルを買うと、なんらかの形で製品登録があるので、その段階でユーザー登録もしているはずです。ユーザー登録すると、購入した製品のインストーラを再ダウンロードできるなど、いろいろメリットがあります。購入したら、ユーザー登録、製品登録をお忘れなく(ポイントも付くし)。

2. インストール

Jamming/LogophileやEBWin4などの辞書ブラウザのように、「ブラウザに辞書データを登録する」という方式ではないことにご注意ください。数年前、マシンを移行するとき私自身が完全に忘れていたので、メモっておきます。


オンラインで購入すると、

Lvinstaller

こういうインストーラがダウンロードされます。インストーラといっても、実行可能(exe)ファイルで、実際には自己解凍形式の圧縮ファイルです。

ファイル名はまったくの暗号なので、どこかにメモしておかないと、

どれが何のインストーラだか

わからなくなります。


これを実行すると、一時フォルダにファイルが展開され、自動的に実行が始まります。

パッケージ製品の場合は、CD-ROMをドライブに入れると勝手にインストーラが起動してインストールが始まると思います。裏でやってることは、オンライン版のときと同じです。


LV製品を初めてインストールすると、辞書ブラウザもいっしょにインストールされ、そこに最初の辞書が登録される仕組みです。2つ目以降は、ちゃんと同じブラウザに追加されていきます。


なお、LV辞書のインストールディレクトリは、こういう構成です。

Lv3

デフォルトではProgram Files以下だったと思いますが、各辞書タイトルのデータがあるのは、

LogoVista\LVEDBRSR\DIC

です。汎用ブラウザで読み込むときは、この場所を見つけなければならないので、覚えておいてください。

DIC以下の辞書別フォルダも、ネーミングにちょっとクセがあります。

GENIUS43 …… G4

GENIUS53 …… G5

は見当がつきます。その上の「GEN2005」はG大です。

フォルダ名でどの辞書かわからない場合は、そのフォルダを開いてヘルプファイル

Hanrei

を開けば、

Hanrei2

ヘルプ形式で凡例が開くので、名前もわかります。


3. インストーラの再ダウンロード

ユーザー登録してあれば、LVサイトでログインしてください。「ユーザーマイページ」の下のほうに、こういうセクションがあります。

Lv

ここで、「所有製品(シリアル番号)の確認/新規ご登録と再ダウンロードサービス」に進むと、

Lv2

このように、再ダウンロードのボタン(左)があり、各製品のシリアル番号が書いてあります。


インストール回数に制限があるとのことです。ただし、LVさんに連絡すれば解除してくれる(その方法を教えてくれる?)そうなので、その点はあまり心配なさそうです。


4. 汎用ブラウザへの登録

Jammingの場合

[オプション]から[辞書の追加と削除]ダイアログを開き、

Jamming1

上の図で赤く囲ったボタンを押します。

※LogoVista辞書は、「システムソフト」という名前です(互換性のある昔のフォーマットのこと)。

ファイル選択ダイアログが開いたら、上で説明したDICフォルダの中で目的の辞書フォルダを探し、

Jamming2

IDXという拡張子のファイルを選択してください。

もし、数字にIDX(またはidx)という拡張子がある場合、そちらは選択しません。このようにIDX(またはidx)ファイルが複数あるタイトルは、汎用ブラウザでうまく読み込めない確率が高いようです。


Logophileの場合

LogophileDicManagerを開いて、[辞書を追加]ボタンを押します。

Logo1

次に選ぶのは、Jammingとは違って辞書の入っているフォルダです。

Logo2

DIC以下にある目的のフォルダを選べば、それを読み込めれば勝手にIDXファイルを認識してくれます。対応していなければ、読み込めずにそこで終わります。


EBWin4の場合

グループ化しない場合は[ファイル]→[辞書の追加]を選択します。

グループを作っている場合は、(そのグループを選んだ状態で)[ファイル]→[辞書の編集]を選んで[追加]を押します。

あとは、Jammingのときと同じようにIDXファイルを選択します。対応していなければ、読み込めずにそこで終わります。


5. 全文インデックスの作成

Logophileの場合、LogophileDicManagerで登録した後で、必ずインデックスを作成することになります。その時点で「全文」オプションも選択すれば、全文インデックスが作成されます。


EBWin4の場合、残念ながらのLogoVista純正データに対しては全文インデックスを作成できないことになっています。

ただし、その状態でも全文検索はできる(インデックスなしの全文検索。Jammingと同じ)のですが、当然、時間はかかります。全文インデックスを作りたい場合は、次の 6. の手順が必要です。


6. LVタイトルのEPWING化

LVタイトルをEPWING化できるユーティリティソフトウェアがあります。

リンク:dessed

ほかならぬ、EBWin4の作者様が公開しているソフトウェアです。Windows GUI版であれば、特に難しいこともなく使えると思います。

ただし、例によって最近のたタイトルはアウトです。


以上、LogoVista辞書の注意点と、それを汎用ブラウザで使う場合の特徴でした。


02:03 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.03.13

# 翻訳者の辞書 - データ編 - 第2回

間が空いてしまいました。

第2回は、今後も主力になりそうなLogoVistaデータです。

リンク:高精度翻訳ソフトと豊富な電子辞典|ロゴヴィスタ LogoVista


LogoVista(以下、「LV」)辞書については、まず以下の点をおさえておきましょう。

  • LV専用の辞書ブラウザがある。
  • 専用辞書ブラウザは、使い勝手が今ひとつ。
  • EPWING辞書ブラウザでも、LV辞書は使える。ただし、ある時期以降の辞書タイトルは不可。
  • インストール回数に制限がある(ただし、連絡すると解除してくれるとのこと)。
  • 内容をコピーすると出典情報が付いてくる。

LVタイトルを買うときは、本家とAmazonで価格変動をよく見ておくといいようです。というのも、本家では頻繁に50%引きなどのセールをしている(会員になる必要があります)一方、Amazonでもかなり安い場合があるからです。

ちなみに、『研究社 新英和大辞典第6版』は、定価が14,688円とかなりのお値段ですが、本家の「感謝セール」価格だと8,640円、Amazonでも同額です。

また、ダウンロード版だとさらに安くなるので、パッケージが不要な場合は、それもおすすめです(ダウンロード版で買った場合、インストーラは会員ページから再ダウンロードできるようになっています)。

以下、主なLVタイトルと、辞書ブラウザ対応状況をまとめておきます。
(私が持っていないタイトルも多いので、対応状況などの一部は、ほかの方のレポートなどに基づいています)

以下、タイトルはLogoVistaサイトに書かれているとおりに記載しました。

また、対応状況についての記号は次のとおりです。

◎ …… 正常に表示され、問題なく使える
○ …… ほぼ問題なく使える(必要に応じ補足)
△ …… 表示や機能に問題あり(必要に応じ補足)
× …… 使えない(必要に応じ補足)


■国語辞典系

広辞苑 第六版 DVD-ROM版-動画・画像・音声付きM版-動画・画像・音声付き

Koujien6
(発売日情報なし)

すいません、私自身がLV版を持っていないので、対応状況はわかりません。わかりしだい追記します。


岩波 国語辞典 第七版 新版

Iwakoku_3
(2013/8/30発売)

Jamming = △(文字化け、位置ずれ)
Logophile = ◎
DDWin   = △(文字化け、位置ずれ)
EBWin4  = ○(記号に一部文字化け)

本家LogoVistaでも、[検索結果]リストに一部文字化けがある?


大修館「明鏡国語辞典 第二版」

Meikyou_4
(2013/2/15発売)

Jamming = △(文字化け)
Logophile = ◎
DDWin   = △(文字化け)
EBWin4  = ◎


三省堂「新明解国語辞典 第七版」

Shinmeikai_3
(2013/2/15発売)

Jamming = △(文字化け、位置ずれ)
Logophile = ◎
DDWin   = △(文字化け、位置ずれ)
EBWin4  = ○(文字化け、位置ずれ)


大修館「日本語大シソーラス-類語検索大辞典-」

Jthesaurus
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ○(下記参照)
EBWin4  = ◎

DDWinでは「クロス検索」が最大の検索方法ですが、他の3つはインデックスの組み合わせでもっと詳細な検索ができます。

本家LogoVistaでは、「クロス検索」と「条件検索」で違った結果が出ます。


研究社日本語表現活用辞典

Jhyougen
(発売日情報なし)

Jamming = ×
Logophile = ×(登録できるが表示されない)
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎

商品説明では、

一般の国語辞典ではなかなか引くことができない「日本語のコロケーション(語と語のつながり)」が分かる画期的な日本語辞典です。

と書かれていますが、インデックスの構成があまり良くなく、本家LogoVistaでさえ使いにくい気がします。内容的にも、少納言やNinjalがあれば要らない程度かも。


研究社 日本語口語表現辞典

Jkougo
(2015/2/27発売)

Jamming = ×
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = ×(登録できるが表示されない)
EBWin4  = ×(登録できるが表示されない)

ひとつ前の「表現活用」と違って、中身はなかなかおもしろいのですが、LogoVistaブラウザ以外の対応は全滅。もったいない気がします。


研究社 日本語コロケーション辞典

Jcolo
(2015/2/27発売)

Jamming = ×(要注意。下記参照)
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = ×(登録できるが表示されない)
EBWin4  = ×(登録できるが表示されない、場合によってはエラーになる)

Jammingでは、登録しようとしてエラーになるだけでなく、高い確率でJamming自体が起動しなくなります。

新しい辞書タイトルを追加しようとしてJamming自体が起動しなくなっ場合の対処方法は、本エントリの最後に書いてあります。


■英語辞典系

大修館 「ジーニアス英和大辞典」

Genius

これもLV版を持っていないので、対応状況はわかりません。わかりしだい追記します。
(たしか、大丈夫なはずです)


研究社 「リーダーズ英和辞典 第3版」

R3
(2014/3/28発売)

Jamming = △(文字化け、位置ずれ。下記参照)
Logophile = ○(下記参照)
DDWin   = △(文字化け、位置ずれ)
EBWin4  = △(文字化け、位置ずれ。下記参照)

LVタイトルを純正以外のブラウザでは正しく表示できないと話題になり始めたのが、そもそもR3あたりからでした。
しかも、R3は初期バージョンのインデックスに不備があってパッチが公開されるなど、商品展開上の不備も目立ちました。

R3のときは、大久保克彦さんが外字マップを作ってくださったので、文字化けはだいぶ解消されました(Jammingでは一部不完全など)。外字マップの設定方法については、こちらをご覧ください。

リンク:Project Zephyr


研究社「リーダーズ・プラス」

Rplus
(発売日情報なし)

これも、私自身がLV版を持っていないので、対応状況はわかりません。わかりしだい追記します。


なお、ご存じのことと思いますが、リーダーズ2 → リーダーズ3の編纂と、リーダーズ・プラスの編纂は別系統です。内容に一部重複はありますが、リーダーズ3にはプラスの内容がすべて反映されているわけではありません。

たとえば、

Dab Dab(ドリトル先生に出てくるアヒル)
Eagle Has Landed(Jack Higginsの小説、および同名映画)

のように、プラスにしか載っていない情報もかなりあります。

上に書いたのはR3とプラスそれぞれ単品ですが、セット商品も売っています。


研究社 新英和大辞典第6版

Eiwadai
(発売日情報なし)

研究社 新和英大辞典第5版

Waeidai
(発売日情報なし)

この2つも、私自身は持っていないのですが、各ブラウザで問題なく使えると聞いています。


研究社 「新編英和活用大辞典」

Shimpen
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


研究社新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典-音声付き

Eiwachu
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


メリアム・ウェブスター英英辞典

Mw
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎

あちこちで言ったり書いたりしてますが、このタイトルは紛らわしいので注意してください。本来のタイトルは

Merriam Webster Advanced Learner's Dictionary

つまり、OALD、Longman、COBUILDなどと同じ学習レベルの辞典です。ご注意ください。


大修館 「ジーニアス英和(第5版)・和英(第3版)辞典」


G5

(2016/2/5発売)

Jamming = ×(要注意。下記参照)
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = ×
EBWin4  = ×

R3のときはまだ何とか対応できましたが、最近出るタイトルについては、汎用ブラウザでもうどうにもならないようです。

G5が出たので、LogoVistaのサイトではG4はもう売っていません。新旧を比較してみたい、という用途でもないかぎり、今からG4を買おうという人はいないかもしれませんが、Amazonに行くと、まだG4も在庫があるようです。残りわずかかも。


■その他

旺文社「ロイヤル英文法改訂新版」

Royal
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


岩波理化学辞典第5版

Iwascience
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


岩波 生物学辞典 第5版

Iwabio
(2016/3/11発売)

Jamming = ×(要注意。下記参照)
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = (×)
EBWin4  = (×)

こちらは、私が検証したわけではなく、翻訳フォーラムのメーリングリストで報告があったものです。

≪6/15追記≫

コメント欄に情報をいただきましたので、追記しました。


南山堂医学大辞典 第20版

Nanzando
(2105/10/2発売)

Jamming = ×(登録できるが検索できず)
Logophile = ×(同上)
DDWin   = (×)
EBWin4  = (×)


南山堂 医学英和大辞典第12版

Nanzando12
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = (◎ 未調査ながら、たぶん)
EBWin4  = ◎


研究社 医学英和辞典第2版

Kenkyushaigaku

Jamming = △(リンクに一部文字化け)
Logophile = ◎
DDWin   = (◎ 未調査ながら、たぶん)
EBWin4  = ◎

以上3タイトルの情報、ご提供いただいたべんがらさん、間接的に井口富美子さん、ありがとうございます。m(__)m

LogoVista辞書タイトルを登録しようとして、

Jammingが起動しなくなった

場合の対処方法を書いておきます。

登録した辞書の情報は、Jammingをインストールしたディレクトリにある以下のファイルに書き込まれています。デフォルトのままなら、Cドライブ以下です。

C:\Program Files (x86)\Jamming\初期設定\dicpath

これをテキストファイルで開くと、こんな風になっています。

Dicpath

この最後に、追加してエラーになった辞書のパスも入っているはずです。

そのなかで、

[SS-NEW]
B:\Dictionaries\LogoVista\LVEDBRSR\DIC\KQJCOLLO\KQJCOLLO.IDX

という2行を削除してください。

※ファイルの末尾にある [END] は削除しないこと!

こうすれば、Jamming自体はまた正常に起動するようになるはずです。

私が持っていないため対応状況を書いていないタイトルについて、もしご存じの方はコメント欄またはメールでご連絡いただけはれば、随時追加します。

04:33 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

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2016.03.10

# 共著書近刊のお知らせ

情報解禁になったので、こちらでも紹介しておきたいと思います。

リンク:近刊のご案内『翻訳のレッスン』


翻訳フォーラム(Nifty時代風に言うと、FHONYAKU)の4人、

高橋さきの
深井裕美子
井口耕二
高橋聡

による共著です。

1603101


私のいろいろな業界活動の土台になっているのは、やはり翻訳フォーラムです。

その翻訳フォーラムがこれまで開催してきた勉強会やシンポジウムの、、いわばエッセンスを凝縮したような1冊になりました。

なお、リンク先ページの末尾にもありますが、今年の翻訳フォーラム・シンポジウムは、5/29(日)です!

08:42 午前 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (0)

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2016.03.01

# 翻訳者の辞書 - データ編 - 第1回

先日、フェローの受講生さんに、

「通翻ジャーナルや翻訳事典で辞書の記事を読んでいるが、おすすめの辞書でも手に入らないことがある」

という指摘をいただきました。ごもっともでござる。


記事だと、紙面の都合でどうしても具体的にデータ/書籍のことまでは書けないので、補足の意味で、何回かに分けて具体的なデータを書いておこうと思います。

基本的には、専門辞書は対象としない予定ですが、目についたものは載せるかもしれません。

ということで、第1回はEPWINGデータです。

現在(2016/3/1)、無理をせず入手できるEPWING仕様のデータは、ほぼ以下のとおりです。


ジーニアス英和大辞典 CD-ROM版


ビジネス技術実用英語大辞典V5 英和編&和英編 CD-ROM版


広辞苑 第六版 DVD-ROM版


主なところでは、たったこれだけです……。


たしかに、「おすすめされても手に入らない」というのは、そのとおりでした。


でも、ご安心ください。これ以外は、LogoVista版を買えば、EPWING仕様の辞書ブラウザ(Logophile、EBWin4)で使えます。

LogoVista版については、次回以降にまとめてご紹介します。


主な辞書で、LogoVistaまで含めてもほぼ入手できないタイトルは、以下のとおりです。


ランダムハウス英語辞典 第二版 CD-ROM版

※書影は載せましたが、中古まで含めて在庫はありません。

小学館さんは、CD-ROM版の販売をすっかりやめ、電子辞書へのデータ提供と、アプリ版の展開に限定してしまったようです。かわりに、と言ってはなんですが---

最近、goo辞書にランダムハウスが入りました。

リンク:ランダムハウス英和大辞典 - goo辞書 英和和英

オンラインでCD-ROMとおなじ内容をすべて閲覧できますし、簡単ながら検索オプションもあります。


なお、以下の書影の製品が中古で出ていることもありますが、これはEPWINGではないようです。私も未確認です。

1603011

それから、ONESWING規格の製品というのも、いくつか見つかります。

1603012_2

などです。

ONESWINGというのは、EPWINGの後継規格ということなのですが、LogophileとEBWin4はこの仕様に対応していないので、ご注意ください。

03:35 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (1)

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2016.02.29

# センテンス単位のインターフェース

長くなるので前エントリーでは触れませんでしたが、CATツールが翻訳の世界に持ち込んだいちばん大きいマイナスは、センテンス単位のインターフェースです。

センテンス単位の翻訳が当たり前になりすぎたせいで、ぶつ切り翻訳が当たり前になって、それがもう普通にまかり通りつつあります。

いろいろな事情で、CATツール案件を引き受けざるを得ない場合は(私も、一部はそうです)、できるだけツールのインターフェースから自由になった形で翻訳することをおすすめします。

文章は、全文を通してひとつの世界を構築しています。

その世界を構成する次の単位が段落、最小単位が文です(単語だとか、そういう話は別として)。その段落と段落、文と文は、いろいろな関係でつながっています。

接続詞などなくても、文と文の間にはつながりがあるものです。抽象→具体とか原因→結果の展開だったり、だいてい原文を読むときには無意識にそういう関係を読み取っています。あるいは、前方予測性とでも言いましょうか(なにか専門用語があるのかもしれませんが)、前の文を読んだら、次の文は当然こうなるという流れがありますよね。逆に、後方参照性かな、後ろの文を読むとき、前の文が前提になっているという流れ。

そういう文と文のつながりは、ふつうなら訳文にも反映するところです。

ところが、センテンス単位のインターフェースに接していると、そういう関係がたちまち見えなくなってしまいます。自分がどんなに注意しているつもりでも、目の前に置かれた「ワク」の力というのは想像以上に強いものです。

以下、具体例を挙げてみます。

As humanity evolves, we find more efficient ways to communicate. Grunting led to talking, which led to writing, which led to letters. We put those letters down with giant feather quills, then with printing presses, then with small plastic keys, and sent them out into the world first as bound books, as telegrams, and as emails. But it's only now, in space year 2015, that we've truly understood our ultimate form of communication ― emoji.
http://www.theverge.com/2015/11/4/9668136/emoji-keyboards-put-ghosts-and-smiling-poop-at-your-fingertips

某定例トライアルにも出題した文章です。

第1文で、"more efficient ways" を読んだ時点で、読み手はおそらくwaysの説明を期待します。第2文には、その期待どおりwaysの例示(talking→writing→letters)が続きます。例示であると同時に経時的変化です。その変化軸が第3文にも続きます。しかも、第3文は前半(feather quills→printing presses→small plastic keys)と後半(bound books→telegrams→emails)のそれぞれに流れがあります。

そういう流れ・つながりを翻訳に反映しないと、たぶん読みにくい日本語になるはずです(実際には、thoseとかthenとかキーワードがあるので、素直に訳していけば大丈夫でしょう)。

これは元がニュースなので、単純な産業翻訳案件とは違う、という感想もありそうなので、ではもうひとつ。家電製品の取扱説明書を見てみましょう。ネットでぱっと見つけて拾ってきた文書です。

Most electric cooking equipment uses two different electrical circuits. The heating elements usually run on 220 volts, and accessories such as lights, timers and rotisserie motors run on 110 volts. There are a few notable exceptions. Some smaller "apartment" cooktops run on 110 volts. Also, in some fixed-temperature switch applications, 110 volts is applied to a 220 volt surface unit (burner) to achieve a "low" heat setting.
http://www.appliancerepair.net/oven-repair-1.html

これも、第1文の "two different electrical circuits" を読んだ時点で「その2つの説明が続くよね」という予測がはたらきます。第2文でその予測が解決されます。第3文の "a few notable exceptions" でも同様の予測がはたらき、第4文と第5文がその説明になっています。

第1文の前方予測性を考えたら、第2文の訳としては、たとえば「ひとつは~、もうひとつは~」と訳したいところです。少なくとも「220ボルトで動作する~と、110ボルトで動作する~です」くらいにはしたくありませんか?

では、こういう原文が、こんなインターフェースで目の前に出てきたらどうでしょう。

1602291

第1文のことを忘れて、第2文を「~は220ボルトで動作し、~は110ボルトで動作します」と訳しても、たぶん合格でしょう。むしろ、第2文だけの独立性が保たれているのだから、既訳として残すには下手をすると、こっちの訳し方のほうが推奨されかねません。

いろいろ候補を考えたうえで、こういう訳になったのなら、それはそれで、その人の翻訳流儀と考えてもいいでしょう。が、ひとつのセンテンスに対してひとつの訳文を対応させ、そのほかの訳の可能性をみじんも考えなかったとしたら、それはすでにかなり重症です。

こういう訳で合格(もしくは推奨)という世界で仕事をしたいかどうか、それはもちろん個人の自由です。

ひとつだけ注意したいのは、こういうセンテンス単位で作業していて、「自分は意識しているから大丈夫」と思って接している場合です。本当に大丈夫かということ。

いえいえ、人のことを言ってるのではありません。わが身をふり返っての実感を書いているだけです。

12:08 午後 TRADOS, 翻訳・英語・ことば | | コメント (4)

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# 翻訳 "支援" ツールという幻想

自分自身が長年のTrados使いでもあり、今でもTrados講習を担当したりしていますが、それでいて、というかそうだからこそ、翻訳 "支援" ツールの限界や危険性については、あちこちで論じてきたつもりです。


翻訳 "支援" ツールが本格的に登場してもう20年。

そろそろ、翻訳 "支援" ツールなんて幻想だということを、業界全体で認め、アプローチを変えるべきときに来ているのではないだろうか、そんな話をまとめてみました。


・翻訳 "支援" ではなく、翻訳 "業務支援" ツールだということ

・翻訳メモリー

・必然的な品質の低下

・低下した文章への慣れ

・せめて、囲いこみを

1. 翻訳 "業務支援" ツールということ

前から言っていることですが、CATツールは翻訳 "支援" ツールではなく、翻訳 "業務支援" ツールです。

これは、成り立ちの経緯から考えればごく当たり前と言えます。

CATツールは「翻訳にかかる経費をおさえたい」という発注側の発想から生まれました。具体的に言うと、「同じ翻訳に何度もお金を払うのは無駄だ、なんとかしてくれ」という注文です。

そこには当然、「効率改善」も含まれますが、これも「翻訳の効率」ではなく「翻訳業務の効率」です。

「翻訳品質の向上」という考え方も、多少はあったかもしれませんが、そこでいう「品質」というのは、せいぜいが用語の統一(もう一歩進んだとして、表現の統一)まででしょう。原理的に言って、CATツールがそれ以上の品質向上につながるわけがありません。むしろ、品質の低下を招いているはずです(この点は後述)。


どんな点から考えても、翻訳者からの要請で生まれたものではありません。

用語や表現の統一程度の「品質の保証」なら、(心ある)翻訳者なら自分でやっていたでしょう。「効率化」も同様で、(気のきいた)翻訳者なら自分なりの効率化を図っていました。

発注側や翻訳会社が、「翻訳者の負担を減らそう」と考えたのではないことも明らかです。だって、もしそうなら、「マッチ率によって単価に傾斜をつける」のはおかしいからです。


なかには、指定されてではなく自主的にCATツールを使っていて、「傾斜単価に利用されてはいない」とか、「自分なりの効率化と品質向上に有効」という人もいるようですが、それは例外的でしょう。翻訳品質については、なにか別の形で補っているはずです。そもそも、この後で述べるように、自分の過去訳を参照するのなら一般のメモリー運用とはだいぶ事情が異なります。


2. 翻訳メモリー

CATツールの成果で唯一、翻訳メモリーという名のデータベースは、限定付きで意味があると思っています。Tradosなどで実現されている、あいまい検索まで可能なデータベースです。

Google先生も、かなりアバウトな検索結果を出してくれますが、あれは広すぎます。翻訳メモリーのあいまいさ加減は、過去の翻訳を検索・参照するときには確かに便利です。

ただし、翻訳メモリーが便利なのは

自分の過去訳を参照する

ときに限ります。他人の残した既訳---運用されているたいていの翻訳メモリーはこれです---は、実はほとんど参考になりません。なぜなら、翻訳メモリーというのは、まさに

メモリー = 記憶

であるべきで、そこには原文と訳文だけでなく、

訳したときの思考経路

まで残っていなければならないからです。自分の過去訳であれば、翻訳メモリーに残っている原文と訳文だけでなく、自分自身の

メモリー = 記憶

の中に、その思考経路が残っているものです(よほど古いとダメなこともありますが)。「ああ、この案件で、あのときのファイルでは、あんな表現はこう訳したんだっけ」みたいな。

他人が残した既訳にそんな関連付けはありません。しかも、メモリーを使う以上は「既訳に合わせる」のが大前提です。すると、どういうことが起きるのか---


3. 必然的な品質の低下

訳したときの思考経路をたどれないまま、「既訳に合わせ」て他人様の既訳をなぞったり、部分的に利用したりして、ちゃんとした訳文を書くのはかなり大変です。容易に、変てこな日本語になってしまいます。

必然的に、翻訳メモリーを使って訳し終えた全体の翻訳は、前のバージョンより劣化します。同じメモリーを使い続けていけば、たとえば同じ製品のマニュアルは版を重ねるごとに、どんどん劣化していくはずです。

かつては、いったん大きい翻訳プロジェクトが終わると、最終版を仕上げつつ、終わったメモリーを精査するというプロセスを経ている会社もありました。おかしな既訳を直すとか重複を削除するとか、そんな作業を私もかつてやっていました。

でも、今やどこでもそんなことしてないようです。その証拠に、心ある翻訳者がCATツールを使っている現場には、必ずと言っていいほど「このメモリー使えない~!」という怒号が飛び交っています。


もちろん、一律に「既訳に合わせてください」ではなく、「既訳がおかしかったら、どんどん直してください」と言ってくる会社もありますが、それって、そもそもCATツール使うという前提が破綻しています。


4. 低下した文章への慣れ

そうやって、成果物が劣化し続けて20年以上経った結果どうなったか。

たぶん、日本中のユーザー全体が

おかしな日本語に麻痺

してしまいました。

たかだか20年ですが、その間に情報の密度がどんどん濃くなってきたからでしょうか、ユーザーが麻痺という方向に適応するには十分な時間だったようです。

あげくの果てに読まされるのが、こんな文章です。

より速くよりスマートに翻訳しながら、統一感のあるブランド展開を実現します。 SDL Trados Studioは、翻訳プロジェクトおよび企業用語集の編集、レビュー、管理を行う言語サービス部門向けの包括的な翻訳環境を提供します。 世界中の20万人を超えるプロの翻訳者が信頼するソフトウェアで、世界トップクラスのローカライズ済みコンテンツを提供し、グローバル市場での販売やマーケティング活動をサポートしましょう。
http://www.sdl.com/jp/cxc/language/translation-productivity/trados-studio/

これが、2/29時点で SDL Trados Studio 2015 のトップに出てくる日本語です。

ちなみに、原文はこう。

Translate faster and smarter while presenting a unified brand to the world. SDL Trados Studio is the complete translation environment for language professionals who want to edit, review and manage translation projects as well as corporate terminology. Deliver world-class localized content to support your global sales and marketing efforts with software trusted by over 200,000 translation professionals worldwide.

トップに堂々とこういう日本語を出しているということは、これがこの会社の考える

スタンダードな日本語

ということになりますよね。

市場シェアトップのCATツールが、そういう会社の製品であるという事実は、もっと知っておくべきでしょう。


5. せめて、囲いこみを

たぶん、IT 業界、特にローカリゼーション業界はもう手遅れでしょう。この20年間の流れを逆転させることはできません。IT 界隈は、上に挙げたような日本語に毒されきっていて、ユーザーももう慣れっこになりました。

こんな日本語でいいのなら、これからもどんどん翻訳 "支援" ツールを使っていけばいい。が、せめてこんな日本語は IT 業界だけに囲い込んで、そこから外には出てこないようにしたい。

同じ IT でも、Web ページやマーケティング素材にCATを使わせるところがありますが、まったく意味ありません(そういう案件が、私のところにも来ますが、ぜんぶベタで訳してからCATツールに流し込むという本末転倒で対応しています)。

翻訳 "支援" ツールというのは幻想だったと、業界もそろそろ認めてはどうでしょうか。少なくとも、そういうウソはやめたほうがいい。

10:41 午前 TRADOS, 翻訳・英語・ことば | | コメント (2)

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2016.02.25

# タイピングの話

テリー斉藤さんが、先週のJTFツールセミナーの話をもとに、タッチタイピングの話を書いてらっしゃるので、私も自分のタイピングのことを書いてみることにしました。

リンク:タッチタイピング | 翻訳横丁の裏路地


私はもうずっと、かな入力ですが、かな入力は通翻クラスタでもごくごく少数派です。私の知っている限りで、私のほかに数人しかいません。

「かな入力のほうが打鍵数が少なくて効率的」

というのが一般的な言われ方ですが、そうとは限らない部分もあり、少なくとも単純に2倍の効率にはなりません。

  • QWERTYキーボードで、ローマ字入力は3段しか使わない(数字は除く)。かな入力では4段使う。しかも、段数だけでなく使うキーの範囲も、かな入力のほうが広い。

    109key

    かな入力だと、ローマ字入力ならほぼ使わない赤線で囲った範囲のキーが必要です。特に右手小指のカバーする範囲は広すぎ(だから、右手のホームポジションを1つ右にずらすという流儀もあるらしい)。それから、数字の入力にはどうしてもテンキーを使うので(そのつど英数入力に切り替えるのでない限り)、右手の移動範囲も広がります。

  • 濁音・半濁音のときは、濁点・半濁点を追加で打つので、ローマ字のときと打鍵数は同じ。
  • 拗音を含むときは、「nyu」に対して「にゅ」なので、2/3にしかならない。
  • 句点・読点と、長音記号を入力するとき、いちいちShiftキーが必要。

トータルすると、打鍵数はローマ字入力の1/2とはならず、ざっくり言って2/3くらいでしょうか(正確な数字はどっかにありそう)。


そういう効率ではなく、かな入力のメリットはやはり、日本語の文字をそのまま打てるというところでしょう。

> 自分がローマ字入力するのに、頭にアルファベットなんて飛び交っていないけどなぁ。初学者用の話なんだろうな
(2/18、テリーさんのツイートより)

たしかに、ある程度以上ローマ字入力をしていれば、アルファベット → 日本語という変換プロセスはもうとっくにルーチン化しているはずですが、それでも、ローマ字入力する方の脳内がどうなっているのか、私にはまったくわかりません。


通翻クラスタの一定年齢以上の方と同様、私もタイピングの初めは英文タイプライターでした。英語の恩師のところで、けっこう早くから触ってはいましたが、購入して本格的にタイピングを覚えたのは大学に入ってから。

1602251

当時けっこう割高でしたが、このデザインにひかれました(だから、Apple IIcが出たときも、すぐ飛びついた。この手のデザインに弱いんだな)。

英語屋でしたから、当然タッチタイピングは覚えました。

アルファベット入力にはそのくらい慣れていましたが、それでも、日本語ワープロが登場してJISキーボードを初めて目にしたとき、最初っからローマ字入力という選択は考えもしませんでした。

せっかく日本語を直接入力できるんだから、使わないともったいないじゃん

そう考えた記憶が、ぼんやりあります。

日本語入力の習得は我流でしたが、アルファベット打鍵でタッチタイピングの基本はできていたので、それを日本語に置き換えただけで済んだようです。


その後、編集プロダクションにいたとき、富士通の親指シフトも覚えました。あれは確かに早かったと思いますが、その後は使う機会がなく、きれいに忘れちゃいました。

誤入力のパターンを見ていると、かな入力かローマ字入力かわかることがありますよね。

ときどきアルファベット1文字が残っていることがあります。「入r力」みたいに。これ、かな入力ではまずありえません。

逆に、かな入力で多いのが濁点と半濁点の間違い。

プロパティ

と打ったつもりが

ブロパティ

になっていたりとか。「フ」を打ってから濁点・半濁点を追加するからこうなるわけで、ローマ字入力なら最初から buとpuで、たぶん間違えようはありません。


そんな風に、かな入力ならではの誤入力はけっこうあるので、私は上の例に出した「プロパティ」のように自分の仕事で多用する単語は、どんどん単語登録するようになりました(そういえば、単語登録するときの読みの付け方も、かな入力とローマ字入力では違ってきます)。

その単語登録の件数が今ではかなり膨大になっています(今数えてみたら、3,000超)。「かな入力+単語登録の効果」で言えば、総合的な入力負荷は、何もしていない人の半分くらいになっているかもしれません。


それでも、我流は我流なので、増田式は聞いてみたかったな……。

10:52 午前 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (12)

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2016.02.18

# 4月10日は、仙台TRACでセミナー

2016年の上半期、セミナーなどに登壇する予定がだいぶ固まってきました。一部はすでにお伝えしましたが(末尾に改めてまとめます)、もうひとつ追加。

JAT(日本翻訳者協会)のサイトにはまだ案内が載っていませんが、メーリングリストで流れたので、こちらでもお知らせしておきます。

JATの地域活動委員会のひとつである東北地区活動委員会(TRAC)にお呼びいただきました。4月10日(日)、仙台で私のセミナーと、午後にはお花見があります。

【追記】
JATのページにも告知が出たようなので、リンクを貼っておきます。

リンク:イベント セミナー | 第8回TRAC定例会 「辞書と文法とスタイルガイド - 読みやすい日本語を書くために」&TRACお花見 | 日本翻訳者協会


メーリングリストで届いた案内は以下のとおりです。


「辞書と文法とスタイルガイド - 読みやすい日本語を書くために」

開催日:2016年4月10日
時間:10:30 am - 1:30 pm
場所:仙台市民会館 第6会議室
定員:30名
会費:JAT会員1,500円 / 非会員2,500円
お花見:2:00 pmより(場所は未定、食べもの&飲みものの屋台があります)
お問い合わせ:trac@jat.org

セッション内容:
自分の書いた訳文について説明責任をはたすには、きちんとした根拠が必要です。原文側でも訳文側でも、その根拠の土台となるのは、文法、語法、語義の正しい理解です。そのためには、文法の基本を理解し、正しい辞書の使い方を知る必要があります。
このセミナーでは、まず最低限の文法用語を復習しつつ、翻訳者が理解すべき概念という観点から、日英の文法を再確認します。次に、電子媒体が当たり前になった今だからこそ、知っておきたい辞書の使い方を説明します。
もうひとつ。お客さんに読んでもらうためには一定のスタイルガイドに沿うことも必要です。その工夫についてもお話しします。
そのうえで、辞書・文法・スタイルガイドを武器に読みやすい日本語を仕上げるコツをいっしょに考えましょう。
2014年の2月、IJET-25のプレイベントでお邪魔して以来、2度目の仙台です。みなさん、よろしくお願いいたします!
*セッションは日本語で行われます。



仙台には、2014年---ああ、もうあれから2年も経つのですね---に、IJET-25のプレイベントでお邪魔しました。

個人的にも初めての仙台でしたが、このときも雨男の面目躍如、仙台地方としても数十年ぶりという大雪に見舞われてしまいました。そのときの様子は、こちらの記事に。

リンク:# IJET-25、プレイベント仙台のご報告

このプレイベントがきっかけで、この地に東北地区活動委員会「TRAC」が誕生しました。


そして、今年の6月には、この仙台でIJET-27が開かれます。

IJET-27 in Sendai! | Japan Association of Translators

Ijet27_banner


花見という楽しいイベントに誘われたからでもありますが、いや、前回できなかった仙台~石巻観光をしたいからでもありますが、いや、たぶんこれもIJET-27のプレイベント的な扱いなんだと思います。それに少しでも協力しようと考えたしだいです。


仙台および周辺のみなさん、またよろしくお願いいたします! 東北地方で花見なんて、人生初めて!

ということで、当面のセミナー予定をまとめておきます。一部、まだ記事にしていない新着情報もあります。

3/18(金)14:00 ~ 17:00

JTF関西セミナー
「翻訳の基礎スキルを見直そう」


3月26日(土)14:00~17:00

サン・フレア アカデミー
「続・読ませる翻訳セミナー ~辞書引きの実践と、的確な日本語の選び方~」


4月10日(日)10:30~13:30

JAT東北地区活動委員会
「辞書と文法とスタイルガイド - 読みやすい日本語を書くために」


5月16日(月)14:00~16:30
5月27日(金)14:00~16:30

JTFスタイルガイド委員会主催
「2016年JTFスタイルガイドセミナー」

昨年と同様、セミナーは2回行われます。私がお話しするのは27日で、同日の第1部には磯崎さんも登壇なさいます。また、16日には、昨年のセミナーで話題になったTrans QAの詳しい解説と、もっと手軽なWeb版スタイルガイドチェッカー(西野さん開発)の話もあります。


01:23 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.02.14

# 辞書世界の新しいトレンドか - ATOK辞書のラインアップ

昨年1年くらいかけて、「翻訳者が使う辞書環境」のことを自分なりにいろいろと調べ、あちこちで話したり書いたりしてきたことは、すでに何回かお伝えしました。

おかげで、現状と対策がおおむね見えてきたかな、というところでしたが、ここにきて(2016年2月)、また新しいトレンドが出てきました。前エントリでも書いた、ATOK(ジャストシステム)の連携辞書です。

もちろん、これまで慣れてきたEPWING辞書ブラウザなみの検索機能はないのですが、LogoVistaの新タイトルが汎用ブラウザに対応しなくなった今となっては、このATOK連携辞書が充実していけば、新しい選択肢になりうるかもしれません。


現時点で、どんな辞書があるのか、まとめてみました。

リンク先はすべて、ジャストシステムのオンラインショップです。特に、各辞書の版にご注意ください。

ジャストシステムの製品は、会員になっておくと若干お得です。

また、たいていはパッケージ版とダウンロード版があり、ダウンロード版のほうが若干お得。インストールCDがないと不安になるかもしれませんが、製品登録しておけば、会員専用ページで再ダウンロードできるので、心配はありません(インストール時に必要なシリアル番号も表示されます)

会員価格でダウンロード版だと、一般価格のパッケージ版より1,000円くらい安くなるようです。


明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.4 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

以下の辞書のセットです。

・明鏡国語辞典 第2版。現時点で最新版であり、LogoVista製品と同等です。

・ジーニアス英和 第4版/和英 第3版。ジーニアスは、最新(G5)ではなく、ひとつ前のバージョンです。ご注意ください。


三省堂 スーパー大辞林・敬語のお辞典 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

「スーパー大辞林3.0」という、書籍版『大辞林 第三版』を増補したデータです。これ、単体で入手できるのは、この製品だけのようです(そのほか、iOS用などのアプリあり)。


広辞苑 第六版 for ATOK

パッケージ版

これは、パッケージ版しかないみたいですね。今のラインアップのなかでは比較的古い製品で、インターネット連携機能について「対応ブラウザはInternet Explorerのみです」などと書いてあるのは、今だったらどうなるのか気になるところです。


角川類語新辞典 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

これも、単体のデジタル製品は出ていません。アプリケーションはあります。1981年に出た版のままですが、まあ新語を求めるタイプではないので問題ないでしょう。

ただし、こちらはATOK連携辞書ではなく、連想変換辞書なので、変換中に参照できるタイプです。イミクルには対応していません。


ロングマン英英/英和辞典 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

以下の辞書のセットです。

・ロングマン現代英英辞典(LDOCE)4訂増補版

・ロングマン英和辞典

ロングマンは、最新版ではなく第4版です。もっとも、新語ではなく基本語彙を確認する目的のほうが多いでしょうから、あまり問題はないかもしれません。

参考までに、LDOCEの最新は第6版(2014年)ですが、最新版はCD/DVD-ROM付属の商品がなく、どうもオンラインのサブスクリプションが付くだけのようです。

CD/DVD-ROMが付属する範囲の最新は第5版で、LDOCE5であれば、単体として使うほか、Logophileでも使えます。

ロングマン英和辞典のほうは、SIIなどの電子辞書に載っているのと同じ版です。というか、新版は出ていません。

これも、単体のデジタル製品はなく、電子辞書か、アプリしかありません。


医学辞書2015 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

すいません、こちらは私の専門外なので、よくわからないのですが、製品紹介ページに、辞書の詳しい説明がありません。

収録語数50万語以上。日本語入力システム「ATOK」と連携し、医療用語や病名をスムーズに変換。電子カルテの入力はもちろん、各種書類やレポート作成がスピーディーに行えます。

辞書の素性が書いてないとは……。まるで●eblioの一部のデータみたいで、これはよろしくありません。あ、こちらの製品情報ページに載ってました。

リンク:医学辞書2016 for ATOK

出典は必ず確認して購入しましょう^^


ライフサイエンス辞書Plus 2015 for ATOK

ダウンロード版

ダウンロード版だけです。また、こちらは「専門用語変換辞書」なのですが、辞書を検索したときにも表示されるということです(井口富美子さん情報)。

これも、製品についての詳しいページはこちら。ライフサイエンス辞書は、定評があります。

主なラインアップはこんなところですが、ほかにも以下のようなデータがあります。タイプ別に名前だけ挙げておきます(私は使ったことありません)。

専門用語変換辞書

・NHK 漢字表記辞書2015 for ATOK(ダウンロード版のみ)

・共同通信社 記者ハンドブック辞書 第12版 for ATOK(ダウンロード版のみ)

・社団法人日本原子力学会 原子力用語辞書2010 for ATOK(ダウンロード版のみ)


連携辞書

・角川俳句歳時記 第四版 for ATOK(パッケージ版、ダウンロード版)

・建築・土木用語変換・対訳 for ATOK(ダウンロード版)

01:35 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2016.02.10

# 翻訳中の頭と作業インターフェースの話

翻訳に使うインターフェースについては、これまでにも、

side A: # 原文-訳文の縦並びと横並びについての仮説

などで、何回か書いたことがありました。


今回は、翻訳しているときの「頭のはたらき」との関係から、このことをまたちょっと考えてみました。もちろん、今回も個人的な感覚の域を出ない話ではあります。

翻訳フォーラムなどで翻訳の話をすると、よく

英語と日本語の間を、何十回、何百回と行き来する

というような言い方をします。1秒間に何万回とか、ヘルツで測れそうな極端な言い方もありますが ^^


たしかに、翻訳中の翻訳者の頭の中では、英語と日本語の間を、意識的にでも無意識にでもいろんなレベルで行ったり来たりします。

もしかすると、翻訳インターフェースって、こういう頭のはたらきと無関係ではないのかもしれない、というのが今回の仮説です。


1602101

これは、2007までのTradosの画面です。Tradosと言っても専用のインターフェースがあるわけではなく、Word上でこのように、原文と訳文が交互に並んでいました。

今でも、特定のジョブにはこのインターフェースを使っています。定型の文や表現がそれなりに出現するからですが、定型以外には、既訳の再利用という目的はほとんどなく、むしろ過去の言い回しを避けるために使っています。


1602102

こちらは、特になんの指定もなく、いちばんフリーハンドで作業できるときの一例。

パラグラフ単位で、原文の下に訳文を書いていき、最後に訳文を消して納品状態にするという、わりと原始的な使い方です。Tradosなどの翻訳支援ツールは使っていませんが、こういうバイリンガル状態で残しておけば、過去の訳し方はだいたい参照できるものです。


さて、支援ツールの有無はありますが、上ふたつの使い方で共通しているのは、インターフェース上で

原文と訳文の間を行き来しやすい

という点です。同じファイル上で、どこにでもカーソルキーだけで移動でき、英語と日本語のあいだが、なんというか地続きになっています。


1602103

一方、こちらがTrados Studioのインターフェース。

横並びになったうえに、英語と日本語のあいだを行き来するには、デフォルトだと[F6]キーを押す必要があります。感覚的にわかりやすくするために、私は[Tab]キーを割り当てていますが、それでも英日間を移動するたびに、なんというか

よっこらしょ

と、敷居をまたぐような感覚があります(少なくとも、私には)。


Trados Studioに限らず、最近の翻訳支援ツールはこれと似たインターフェースが多いようです。


まず、英語と日本語がそれぞれ「枠」で囲まれていますよね。その時点でもう、上のような地続きの感じがほぼ失われています。だから、英日間を移動するたびに、壁の存在が意識され、「英語と日本語の間を、何十回、何百回と行き来する」という感覚が阻害されてしまいます。


頭の中で無限回の行ったり来たりをする以上、その「頭」と「手」と「目」をつなぐインターフェースも、同じように自由に行ったり来たりできなければいけないはず。


そう考えると、どんな形にせよ、

翻訳者の思考に不要な負荷をかける

インターフェースには、くれぐれも用心すべきです。

03:42 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.02.04

# LogoVistaから「G5」

『ジーニアス英和辞典 第5版』のデータ版が、書籍の発売(2014年12月)から1年以上経って、ようやく登場しました。

ご覧のとおり、LogoVista版です。

リンク:LogoVista

和英は第3版なので、これまでのデータ版と変わりません。

そのほかの特長などは、LogoVistaのサイトに詳しく載っています。学習英和辞典として、さっそくアップデートしておいて損はないタイトルでしょう。

ただし、

EPWINGブラウザにはまったく非対応

です。LogoVista純正ブラウザを使うしかありません。


EPWINGブラウザでひととおり試した結果は、以下のとおりです。


Jamming

[辞書の追加と削除]で登録でき、辞書ウィザードにも出てきます。ところが、登録後にJammingを起動しようとすると、

1602043_2

というアプリケーションエラーが出て、起動すらできなくなってしまいます。こんなエラー、初めて見ました。

試しちゃいけませんが、もしこうなってしまった場合は、

<Jammingのインストールディレクトリ>\初期設定\dicpath

というファイルをエディタで開き、該当する行を削除してください。ファイルの末尾にあると思いますが、具体的には、こんな2行です。

1602041


Logophile

LogophileDicManagerで登録しようとすると、その時点でエラーが出ます。Jammingの場合より、たちがいいとも言えます。


EBWin4

やはり、追加しようとした時点でエラーになります。


dessedで変換

それじゃ、とうことで、LogoVistaデータをEPWINGデータに変換する秘密兵器、dessed を使ってみました。

一見すると、変換は正常に終わります。各ブラウザで登録もできました。が、実際に検索してみると、まともに機能しません。Jammingでは見出しだけ、Logophileではなんだか空っぽ、EBWin4はアプリケーションが死にます。

こうなってくると、もう本格的にLogoVistaに対する運動を展開するしかありません。

以下、私が考えている要望です。

まず、いちばんいいパターン。

正規購入者だけEPWINGデータを使えるようにする

たとえば、EPWINGブラウザの開発者にも協力してもらって、IDXファイルを読み込むときにシリアル番号を要求するようにするとか。難しいかなぁ。

でなければ、LogoVistaさんのほうで、EPWING変換サービスを始めてもらう。これ、有料でもいいと思うので、そしたらそこそこ商売になって現実的な気がします。どうでしょう、LogoVistaさん。


それがダメであれば、

LogoVistaブラウザを、とにかく使いやすくしてもらう

改めてLogoVistaブラウザを使い込んでみて、ここがいかん、こうしてほしいという要望をまとめようと思っています。で、それをもってLogoVistaに乗りこみます。

もし、この方向で前進したら、その次に、

LogoVistaブラウザで、EPWINGデータも読み込めるようにしてもらう

そうなったら、現行のEPWINGブラウザが不利になりそうですが……。

01:59 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (1)

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2016.02.01

# JTF関西セミナー「翻訳の基礎スキルを見直そう」

こちらも、ようやく告知できるようになりました。

3月26日(土)のサン・フレアより前に、JTF関西セミナーに登壇します。昨年の8月(ほんま会)に続き、予想外に早く大阪行きということになりました。

リンク:JTF関西セミナー 第4回「翻訳の基礎スキルを見直そう」

3/18(金)14:00 ~ 17:00

です。

案内の詳細にもあるとおり、翻訳の基礎といっても、「原文の読解とか訳出の定石よりもっと手前の、翻訳者としての土台」の部分についてお話しする予定です。

・辞書のこと(残念ながら、今回は簡略版です)

・英語と日本語の文法の基礎

・スタイルガイドや一般的な表記のこと


おそらく、多くの翻訳者にとってはもう常識、という話かもしれません。でも、どのトピックも、私自身がこの数年でいろいろ実感してきたテーマでもあります。


たとえば、上のほうに「お話しする」と書きました。これ、「お話する」ではなく「お話しする」と書くのが本来は正しいと言われています。その理由を、適切な言葉できちんと説明できるでしょうか。

言ってみれば、そういう「翻訳者としての理論武装(ちょっと大げさかな)」に必要な基礎ということです。


今のところ、予定としては当日の午前中に大阪入り、翌日3/19(土)にちょっと遊んでから帰る、というところかなぁ。

03:43 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.01.29

# 続・読ませるシリーズ

2013年から2014年にかけて、全4講座、各講座2回ずつ開催し、ひとまずご好評のうちに終了した「読ませるシリーズ」。

その続編の開催が決まりました。

リンク:続・読ませる翻訳セミナー ~辞書引きの実践と、的確な日本語の選び方~ | サン・フレア アカデミー

3月26日(土)14:00~17:00です。


今回は、昨年から続いて個人的な研究テーマになっている辞書の話と、旧・読ませるシリーズを合体したような内容にする予定です。


どんな辞書をどうやって引けば、原文をちゃんと読み解き、読みやすい日本語にできるのかをいっしょに考えます。


辞書についての情報も、昨年12月以降の内容が反映されています。


また、タイトルからご想像いただけるように、分野はITに限定しません。もともと前のシリーズも、最初は「読ませるIT翻訳」と題しておきながら、IT分野以外の参加者も多くなったので、こちらも途中から分野を限定せずに出題するようになったという経緯があります。


今回、シリーズ化するかどうかは未定ですが(あれ、タイトルに「シリーズ」って付いてるのか……)、興味のある方はご参加ください。


なお、3月・4月にはほかにもセミナー等への登壇予定があるのですが、まだ告知が出ていないので、告知があり次第、あらためてお伝えしたいと思います。

11:22 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2016.01.28

# 『翻訳事典2017年度版』

アルクさんの翻訳事典、本日発売です。

今年度は、図々しく2か所に顔を出しています。

昨年10月15日、深井さんと私が辞書の話をしたJTF翻訳セミナーの取材記事が、pp.17-23

昨年9月に、新田さん、遠田さんと一緒に講師を務めた「翻訳パワーアップ合宿」の取材記事が、pp.65-68

にそれぞれ載っています。


アルクの佐藤さんは、もともとセミナー委員も務めていらっしゃるのですが、JTFセミナーの内容がこれほど詳しい記事になるのは初めてかもしれません(いつもは、JTFジャーナルのイベントレポートだけ)。

パワーアップ合宿のほうは、佐藤さんやライターさんが、丸2日間の日程のほとんどにつきっきりで取材してくださいました。


JTFセミナーのほうは、私が昨年1年ずーっと続けていた辞書の話と、基本的には同じです。

もちろん、そのときどきで自分の発見を次々と追加しているので、8月の話と10月、12月で、取り上げている情報は少しずつ違っています。

昨年の10月に出たこれ、

(こちらはイカロスさん)

も、セミナーと基本的に同じですが、ノウハウがもう少し詳しく書いてあります。

『翻訳事典2017年度版』、今年もなかなか充実しています。


巻頭特集「わたしの提言」には、井口耕二さん。


「ジャンル別 訳文吟味教室」の出版翻訳編は、あとでじっくり見てみたい。


「パソコン基本のツボ」(pp.73-79)には、しんハムさん登場! ほんま会でシリーズ展開した内容の圧縮活字版です。


「人 ヒト ひと」コーナー(p.91~)にも、知った顔がちらほら。おっ、最近プライベートも充実しまくっているという噂の、ほら、あの人も。


p.135からは、昨年「翻訳コンサルタント」というめずらしい仕事を始めた目次さん!


翻訳大賞の実務部門は、猫先生が講評。

10:17 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2015.12.29

# Merriam Webster - オンラインの有料版と無料版

昨日のエントリで、ランダムハウスの日本語版がほとんど入手不可と書きました。

現在、電子データ版をほとんど入手できないもうひとつの大物が、これ。

Webster's Third New International Dictionaryです。

Random House Websterについてのエントリでもちらっと書いたとおり、"Webster"というブランドは誰でも使えるようになっていますが、Third New International は、現在のMerriam-Websterにつらなる、いわば「正統派Webster」の最新版です。

最新版といっても発行は1961年。

つまり、私と同い年なわけで、とても「最新」とは言えない。第4版の編集が進んでいるという噂もありますが、いつ出るものやら定かではありません。

したがって、正統派をうたうMerriam-Websterとして情報がこれより新しいのは、

こちらのCollegiate版(11th)ということになります。


では、Merriam-Websterさんは最近お仕事してないのかというと、そんなことはなくて、やはり現在はオンライン版が充実しています。

しかも、無料版と有料サブスクリプション版があるので、その比較も含めてご紹介しておこうと思います。

無料版はこちら。

リンク:Dictionary and Thesaurus | Merriam-Webster

基本的な特徴は、英英の各種オンライン辞書について書いた以前のエントリに書きました。

Websterの伝統にのっとった、百科事典的に詳しい説明が特長です。また、メインの語義のほか、やさしく言い換えた語義が載っていたり、学習辞典へのリンクがあったりするのも親切。

一方、こちらが有料サブスクリプション版。

リンク:Merriam-Webster Unabridged

1512281

その名も Unabridged。

年間29.95ドルなので、KODの半分くらいですが、1冊だけでこれ、と考えると割高かもしれません。


では、無料版と有料版を比較するために、commodityという単語を引いてみます。

「ハードウェアがコモディティ化した」という使い方があります。コトバンクを見てみると、

コモディティとは一般化したため差別化が困難となった製品やサービスのことをいう。

と解説されていますが、この語義が載っている辞典はまだわずかです(手元で確認できたのは、Longman Advanced American Dictionary 2nd、American Heritage 5th、リーダーズ第3版くらいでした)。


まず、無料版から(クリックして拡大してみてください)。

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赤線で囲んだのが、最近の用法に当たる語義です。語釈はすこし違いますが、1 c と 4 がどちらも該当します。1はeconomic goodとしての下位分類、4はもっと広い使い方ということでしょうか。

いずれにしても、こういう新しい用法がちゃんと収録されていました。さすがです。

ちなみに、See commodity defined for English-language learners というリンクがあります。このリンク先にあるのは、Merriam Webster Advanced Learner's Dictionary の内容。LogoVistaさんが『メリアムウェブスター英英辞典』という曖昧な名前で売っているのと同じです。


では、次に有料版。

1512283

無料版の 1 c と同じ語義が、2 c として立項されています。が、無料版の4のような詳しい語義はありません。


有料版のほうが役に立たない……という単純な話ではありません。新しい用法の情報が少ない分、本来の歴史主義に即して、archaic というラベルの付いた語義が 1 として立項され、例文も載っています。


要するに、有料版のほうは、Third International で止まってはいるものの正統派Websterの伝統を守りつつ、新しい用法も慎重に採り入れている。いわば、学究的な内容だということ。

対する無料版のほうは、多くのユーザーの役に立つよう無料で提供し、新しい使い方もどんどん紹介していくという現実路線。

そういう違いなのでしょう。無料版と有料版の差別化としては、なかなか妥当だという気がします。

それにしても、無料でこれだけの充実度。感謝です。

12:03 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.12.27

# ランダムハウスの特色、日英も比較しつつ

Random House Webster(ランダムハウス英和大辞典の親本)を買ったというエントリで、

> ランダムハウスのほかにはあまり見ない語義が載ってたりすることもある。

と書きました。


ランダムハウスの最大の魅力は、

語義の分類が細かく丁寧な(場合が多い)こと

です。

その一例を挙げてみます。

引いてみたのは、party という単語。

日本語版である『小学館ランダムハウス英和大辞典』と、英語版である Random House Webster's Unabridged Dictionary の語義を並べて書いてみます。

日本語版が上の行、英語版が下の行(青字)です。語義以外の情報や例文、【11】以降の俗語などは、適宜割愛しています。


【1】社交的な集まり,会合,パーティー:
 a cocktail party カクテルパーティー
1. a social gathering, as of invited guests at a private home, for conversation, refreshments, entertainment, etc.: a cocktail party.

【2】
(1)(ある目的・任務などのために共に行動する)団体,グループ,一行[隊],(愛好者)仲間,連中;(動物の)一群
 a party of pilgrims [tourists] 巡礼者[旅行者]の一行
2. a group gathered for a special purpose or task: a fishing party; a search party.

(2)(通例,2人以上の)(レストランなどの)顧客,常連;(行事などへの)参列[参会]者,同席者,一行
11. a person or, usually, two or more persons together patronizing a restaurant, attending a social or cultural function, etc.: The headwaiter asked how many were in our party; a party of 12 French physicists touring the labs; a party of one at the small table.

(3)(特定の任務を帯びた)小部隊,分隊,分遣隊:
3. a detachment, squad, or detail of troops assigned to perform some particular mission or service.

(4)(論争・紛争・問題などでの)支持団体[グループ].
4. a group of persons with common purposes or opinions who support one side of a dispute, question, debate, etc.

【3】*しばしば P-*政党:
5. a group of persons with common political opinions and purposes organized for gaining political influence and governmental control and for directing government policy: the Republican party; the Democratic party.
6. the system of taking sides on public or political questions or the like.

【4】党派,派閥,結社;党派心,派閥的精神(partisanship):
7. attachment or devotion to one side or faction; partisanship: to put considerations of party first.

【5】*法律*
(1)訴訟当事者:原告または被告.
8. a. one of the litigants in a legal proceeding; a plaintiff or defendant in a suit.

(2)(証書・契約書などの)署名[記入]人*to**:
8. b. a signatory to a legal instrument.

(3)(犯罪の)加担者,共犯者*to, in**.
8. c. a person participating in or otherwise privy to a crime.

【6】(行動・計画などの)関係[関与]者*to, in**:
9. a person or group that participates in some action, affair, plan, etc.; participant: He was a party to the merger deal.

【7】*主に英話**おどけて*問題[話題]の人,特定の個人;人:
 an odd old party 変な老人.
10. the person under consideration; a specific individual: Look at the party in the green velvet shorts.

【8】電話の相手:
12. a person participating in a telephone conversation: I have your party on the line.

【9】(パーティーに似た)行為,大騒ぎ,…パーティー;…し合い[騒ぎ]
13. any occasion or activity likened to a social party, as specified; session: The couple in the next apartment are having their usual dish-throwing party.

【10】(しばらく続く)幸運な[都合のいい]時;楽しいこと:
14. an advantageous or pleasurable situation or combination of circumstances of some duration and often of questionable character; period of content, license, exemption, etc.: The police broke in and suddenly the party was over for the nation's most notorious gunman.


日英では、収録の順番が違っており、大項目と小項目の分類もすこしずつ違っています。このあたり、日本語版の編集でいろいろ工夫していることが感じられて、おもしろいところです。

ここで注目したいのは【10】(英語版の14)の語義です。具体的な「パーティー」ではなく、「お楽しみはこれからだ」みたいに使うときの語義です。


そのほかの辞書では、大辞典から学習辞典までいろいろ見てみましたが、この語義は立項されていません。

用例まで細かく見ていけば、同じような内容はあるのですが、だいたい「パーティー」の項に吸収されているようです。

The ~ is over. パーティーは終った;((略式))楽しいことはもうおしまい.【G大、1の項】

The party is over and I'm still basking in the afterglow of renewing old friendships.【うんのさん】

The party's over. ((口)) お楽しみはおしまい.【R3】

大切なのは、ランダムハウスではこれが独立したひとつの語義として立項されているということです。

以前、類語辞典についてのエントリで、類語かどうかのカテゴリー分けに意味があるという意味のことを書きました。

それと同様、ある辞書がどういう語義を立てているか(あるいは大項目、小項目などの分類も)という観点は、辞書の編集方針を反映し、辞書の特色となるポイントです。


ただし、細かく立項しているほうがいい、と言っているわけではありません。それぞれの辞書の特徴だという話です。当然ですが、各種の国語辞典を見ても、こういう違いはあります。


ちなみに、OED ではこうなっていました。

9. b. Phrases: the party is over: enjoyment must stop; the happy or easy times are at an end; to keep the party clean: to act responsibly; to conform to accepted patterns of behaviour.

ということは、ほとんどこの句でしか使われない語義を、ランダムハウスはわざわざ立項したとも考えられます。

そういえば、英和大辞典のうち、G大と研究社英和大は、LogoVistaなども利用すれば今でもそろえられますが、ランダムハウスだけは、辞書ブラウザに使えるデータがほぼ入手不可になっています。

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あいかわらず電子辞書には収録されており、アプリもあるようですが、小学館さん、CD-ROMの再版を考えてくれないものでしょうか。


12:49 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.12.08

# Random House Websterを買ってみた

こんな辞書を買いました。

私が買ったのは米国内で出ていた中古版で、配送料も入れて3,400円くらいでしたが、今はもっと高くなっているようです。

10/21に注文して、船便ではるばる……12/7に到着。中古ですが、書籍自体もけっこうきれいで、CD-ROMもちゃんと付いてました(しかも、ビニールのスリーブが未開封だった!)。

タイトルは Random House Webster's Unabridged Dictionary

これはいったい、Random Houseなんでしょうか、Websterなんでしょうかw


ランダムハウスというと、日本では小学館から出ている『小学館ランダムハウス英和大辞典』をさすのが一般的です。

初版が1973年に出て(4巻本)、その後1979年に1巻本が出ました。余談ですが、1980年に大学に入ったとき、私の恩師(故人)が入学祝いにこの1巻本をくださいました。

そして、今も出ている第2版の出たのが1993年。以来、英和大辞典の定番中の定番として、CD-ROM版が出たり(現在は入手困難)、電子辞書にも必ず収録されるようになっています。アプリも出ています。

第2版の序文を見ようとしたのですが、電子版には入ってませんね(CD-ROM版も、DAYFILER収録版も)。

ジャパンナレッジに簡単な解説だけありました。

米国版第2版にはない見出し語3万語と語義5万を追加し、用例は米国版の6万5,000に11万を加えた17万5,000にのぼります。(中略)米国版に不足しているイギリス英語、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドはもとより、アフリカ・中南米など第三世界の英語まで幅広く収録しています。


そう、日本語版は、英語版にない編集が入ってるんですよね。それから、ランダムハウスのほかにはあまり見ない語義が載ってたりすることもある。


そんなわけで、小学館ランダムハウスのもとになった英語版がほしかったのですが、定本だった

Random House Dictionary of the English Language

は、望ましい形では手に入りそうにありません(試しにAmazonで検索してみてください)。実際、この名前で検索すると、Wikipediaも

Random House Webster's Unabridged Dictionary

にリダイレクトされます。

つまり、私が今回買ったのは、タイトルこそちょっと変わっていますが、中身は小学館ランダムハウスの定本と同じらしいのでした。

さてさて、そうなると、このタイトル Random House Webster's を不思議に思われる形もいらっしゃるかもしれません。

「Webster」の名を冠した辞書については、Wikipediaの解説をご覧ください。

リンク:ウェブスター辞典

(英語版はこっち


私が---たぶん、これをお読みの多くの人も---直接、見たり使ったりしたことがある、いわゆる「Webster の辞書」は、1961年に出た

Webster's Third New International Dictionary

でしょう。

ところが、"Webster"という名称が固有の登録商標としての権利を失ってしまい、あちこちの出版社がいわば「大辞典」の代名詞のように "Webster" の名を冠するようになったんだとか。日本で言えば、「言海」が一般名になっちゃって、「岩波大言海」とか「大修館言海」とか「角川・ザ・言海」とか「小学館 言海ナレッジ」とか「ベネッセ言海」みたいに乱立したようなもんか。


ちなみに、LogoVista版『メリアムウェブスター英英辞典』をお持ちの方は、[ヘルプ]→[凡例]を開いてみてください。

なお、『メリアムウェブスター英英辞典』というのも、これはこれで紛らわしい名前です。LogoVistaさんに再考を求めます。原題は、下のスクリーンショットにもあるとおり、

Merriam-Webster Advanced Learner's Dictionary

です。

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「ウチ以外の "Webster" は信用できるとは限らないからね」と断言しています。ここんとこ、日本語版のWikipediaには書いてありませんが、英語版ではこう解説されています。

the only succeeding dictionaries that can trace their lineage to the one established by Noah Webster are those now published by Merriam-Webster.

つまり、Merriam の付く辞書だけが、ノア・ウェブスターさんからの直系である、と。

じゃあ、その直系の辞書は今どんなのがあるかというと、英日でメインになるのは、

Merriam-Webster Advanced Learner's Dictionary

Merriam-Webster Collegiate Dictinary

くらいです。1961年に出たInternational Thirdの電子版というのも、なかなか手に入りません。

さて、Random House のほうは、1966年に

The Random House Dictionary of the English Language: The Unabridged Edition

を出版。これが最初の『小学館ランダムハウス英和辞典』の底本ですね。で、1987年に第2版を出す。その時点では、まだ

The Random House Dictionary of the English Language, 2nd Edtion

だったわけです。別に "Webster" という名前を借りなくたってよかったと思うのですが、その後、Random House Webster's になって今日に至る、と。


なお、CD-ROMはXPまでしか正式に対応していないようでしたが、Windows 7 64bitでもちゃんとインストールでき、動いています。ただ、一部文字化けは起きています。

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10:28 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.11.21

# 今年最後の辞書セミナー ~ ノウハウを中心に

こちらでの告知が遅くなりました。


私が今年の後半にあちこちでやってきた辞書セミナーについては、以前こちらにまとめました。

リンク:# 辞書について思うこと


そして、今年最後(来年あるかどうかは未定)の辞書セミナーを、東京ほんま会の主催でお届けします。

リンク:【開催予定】「辞書ブラウザを使いこなせ!」セミナー

日時 :12月13日(日)13:00~16:30
定員 :40名
受講料:3,500円

【11/29追記】
おかげさまで、満員御礼となりました。これ以降は、キャンセル待ち受付となります。ご了承ください。


時間は3時間以上あるので、8月に大阪のほんま会でやった内容に近くなりますが、東京開催では今まででもっとも時間をとって話をすることになります。

かつ、今回はタイトルにあるとおり、辞書ブラウザの使い方を徹底的に説明する予定です。


具体的には、以下のような内容になる予定。

・翻訳者の辞書環境

・これから揃える辞書環境

・Jamming/Logophile/EBWin4/LogoVista各辞書ブラウザの特徴

・各辞書ブラウザの具体的な使い方

WordNet 3.1の紹介と詳しい使い方

類語辞典(Oxford Learner's Thesaurus、他)の詳しい使い方

など。

※英和、和英、英英、国語のいずれも扱いますが、専門用語については触れません。


前にも書いたとおり、この半年くらい、辞書については私自身でもいろいろと発見の連続でした。だいぶ投資もしました^^

その発見を共有するためのセミナーでもあります。


これから辞書をどうしようかと迷っている方、手元の辞書を活用しきれていないと思っている方、ぜひご参加ください。
(お申し込みは、上記、東京ほんま会のページからお願いします)

09:43 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.11.19

# 『日本語大シソーラス』と「シソ改」の事例比較

以前、大修館の『日本語大シソーラス』と、そのデータを大久保克彦さんが加工してくださった『シソ改』の話をかきました(参照リンク:# 日本語の類語辞典 ― 『日本語大シソーラス』と「シソ改」)。


そのときも例は出したのですか、何が違うのかよくわからなかったかもしれません。
もう少しわかりやすい例があったので、改めて紹介しておこうと思います。


なお、大久保さんの解説サイトでは、「前方一致」または「条件検索」が使われていますが、語句によってはそれではヒットしないことがあります。やはり「自動検索」がいいのだろうと思います。


「かなり」を引いた例

こちらが本家『日本語大シソーラス』

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こちらが『シソ改』

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本家では、「然るべき・~に足る」から「随分」まで4つの概念分類が並び、その先に進むと詳しい画面が現れます。

『シソ改』では、「然(しか)るべき・~」と「随分[程度[質的・意力]]という2つの概念分類のあとに直接、類語が並んでいます。概念分類(青字)をクリックすれば、本家と同じように詳細画面に進みます。ただし、本家にあった「凡そ」と「一通り」という概念分類はなくなっています。

この例だと、どちらがいいと一概には言えない感じですが、シソ改のほうが一覧性に優れている、ひとまずざっと見たいときにはいい、というところでしょうか。


「そこそこ」を引いた例

こちらが『日本語大シソーラス』
(引いた直後ではなく、「そこそこ」)を選んだ状態

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こちらが『シソ改』

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本家では、「縁が薄い・縁がない」から「温情主義」まで、概念分類の数がだいぶ多く、これをすべて見ていくのは、そこそこ大変そうです。

これが『シソ改』となると、概念分類ごとにすでに類語が並んでいるため、いろいろな類語が一目瞭然。さきほどの例よりずっと、一覧性が高いことのメリットが感じられます。

『日本語大シソーラス』のデータ変換は、慣れていればさほど難しくないのですが、もし不明な点などあれば、翻訳フォーラムのメーリングリストで質問するか、こちらにコメントをいただいてもOKです。

07:06 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.11.10

# 翻訳祭前夜祭 ~ セミナーと飲み会

(2013年には、昼間にしんハムさんのセミナーもあったけど、飲み会だけを「前夜祭」と呼んでいた模様です)

2013年、2014年に続いて、今年もJTF翻訳祭の前日に、Facebookの勉強会「十人十色」主催の前夜祭を開催します。


リンク:十人十色 2015年 翻訳前夜祭

リンク:十人十色 翻訳前夜祭 懇親会


※上のリンクは、Facebookのイベントページです。Facebookを使ってなくて、もしこのイベントに興味がある方は、ひとまず帽子屋までご連絡ください。
セミナーの開催詳細は、この後に書きます。
(メールアドレスをご存じない場合は、この記事のコメント欄でもけっこうです)


今年の前夜祭セミナーは、昨年、一昨年のように講師をひとりだけお呼びする形式ではありませんが、発表メンバーは超豪華です。

全体テーマは

「大公開! 私の翻訳ノウハウ」

です。



日時 :11月25日(水)13:00~17:00
場所 :日比谷図書館
参加費:2,000円

内容

遠田和子さん

「世界で最も……」を英訳しよう

概要:今回の発表は一点集中のテーマで、内容はタイトルどおりです。製品説明や企業紹介などでは、「世界で最も……」というフレーズが冒頭に登場することがよくあります。言葉の置き換えで訳すと、つっこみどころ満載の英文になってしまいます。英訳時には、文脈に応じた言葉の補いや訳語の工夫が必要です。短い例文を数個用意する予定です(参加型発表にしたいです)。


井口耕二さん

脳みその筋トレ、やってますか?

概要:こういう文はこう訳すといい、あるいは、こういう訳し方は避けるべきだ……そういう具体的な話はあちこちに出ています。翻訳学校に通った人なら、先生からそういう手法をいくつも習っているはずです。
 そういう基礎技能を身につけるための練習、していますか? たとえば「の」の連続、たとえば「は」と「が」の使い分け、たとえば「テン」の打ち方。習っただけ、知っただけでは役に立たない、役立てるには練習が必要だというのはスポーツにかぎりません。脳みそだって、筋トレで汗をかかなければ強くならないのです。


高橋さきのさん

訳し方の「原理原則」――具体例から考える

概要:いわゆる「タテヨコ」・「ヨコタテ」の翻訳ではまずいのはよいとして、ではどうすればよいの?
 「高校までの英語」ではほんとうにダメなの?
 今回は、そうしたことがらについて、基本頻出語彙(most他)をいくつかとりあげながら考えてみようと思います。
 「翻訳道」の道筋としては、毎回手探りで訳出を行い、その経験を蓄積していくという王道しかないわけです。そこで、今回も、《どうやって訳出時の発見事項を増やし、発見事項を蓄積するのか》について考えながら、上記のような疑問について検討してみたいと思います。


大光明宜孝さん

悩ましい表現をみんなで一緒に考える

概要:翻訳をやっていると、和訳でも英訳でも、ぴったりの表現がなかなか思いつかずに悩むことが多いのではないでしょうか。今回は実際の仕事や翻訳勉強会で出会った悩ましい表現を何点かピックアップして、どういう手順で読みやすい訳文に仕上げていくか、参考になる訳例を出してみなさんと一緒に考えてみたいと思います。分野は無線通信、航空、自動車、IT、その他全般です。


矢能千秋さん

ハチの本の原文と訳文比較~産業翻訳との二足の草鞋~

概要:昨年の11月にハチの本の共訳に携わりました。最終稿を見ながら原文と比較してみたいと思います。また時間があれば並行して進めた産業翻訳とのやりくりも振り返ります。日々の産業翻訳を効率化させることは、出版翻訳の時間を作ることにも繋がりました。身体はひとつ、1日は24時間。ハチの本の原文と最終稿を事前に配布するので、皆さんも読んでみてください。


募集は始めたばかりですが、たいてい満席になりますので、参加ご希望の方はお急ぎください。m(__)m

12:45 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (2)

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2015.11.07

# 英語の類語辞典 ― Oxford Learner's Thesaurus

前エントリで、日本語の類語辞典を紹介しました。続いて、英語の類語辞典も紹介しておきます。

もともと、類語辞典(Thesaurus)は英語圏のほうが充実していますし、ふつうの英語辞典(英和、英英)にも、類語情報はかなり載っています。


が、今回のイチ押しは何といってもこれです。


英語世界で最初の類語辞典はRoget's Thesaurusということになっています。

その1911年版がオンラインで検索できるようになっています。

リンク:Roget's Thesaurus (1911) - The ARTFL Project

たとえば、このサイトでcriticalという語を引いてみました。

ただし、[Search headwords:]で検索してもヒットせず、[Search full text:]で検索するとヒットします。つまり、criticalは見出し語にはなっていないということです。

1511071

上のスクリーンショットでは一部しかわかりませんが、

134. Occasion.
480. Judgment. [Conclusion.]
642. Importance.
665. Danger.
704. Difficulty.
8. Circumstance.
932. Disapprobation.
934. Detraction.

と並んで、その中に類語が品詞別に並んでいます。つまり、この辞書は前エントリで紹介した『日本語大シソーラス』と同じように、概念カテゴリーでグループ化する「分類型」だということです。

これと同じデータが、EPWING版でも公開されています。

リンク:FPWBOOK

1511072

が、はっきり言ってこれ、私には使いこなせません。英語ネイティブでも……どうなんでしょうか。


そのほか、私の手元には、

Merriam Webste'r Collegiate Thesaurus(同 Dictionary 11thとセット)

『Oxford Thesaurus of English 3rd(DF-X10001)

などがあるほか、LDOCEでも類語情報はかなり充実しています。

1511073

この赤枠のなかに、ThesaurusとLongman Language Activatorというのがあって、機能は違いますが、いろいろな関連語を調べられるようになっています。


また、Oxford Learner's Thesaurusと同系列であるOALDでも、類語情報は豊富です。

1511074

このように、共通の語義(These word all describe... )を書いたうえで、各単語の詳しい説明や用例を載せ、さらには、特にまぎらわしい語には比較説明もあります(crucial or critical など)。


Oxford Learner's Thesaurus(OLT)も、実はこのOALDの類語情報と、基本的には同じです。が、類語という観点で調べたいときには、OLTのほうがだんぜん便利です。

1511075

criticalを引くと、まず

CRITICAL
ESSENTIAL
SERIOUS

のように語義の大分類があって、それぞれに類語情報が表示されます。ここでは、ESSENTIALの項を見ています。


最初に、類語の一覧と共通語義が示されます。これはOALDと同じ(ただし、OALDではいつも出てくるわけではない)。

essential • vital • crucial • critical • decisive • indispensable • imperative • pivotal • of the essence
These words all describe sb/sth that is extremely important and completely necessary because a particular situation or activity depends on them.

criticalを探すと、crucialとしか書いてありませんが、crucialを見ると、

extremely important because a particular situation or activity depends on it

と書いてあり、さらには

NOTE crucial or critical? There is no real difference in meaning between these words and they can be used with the same range of nouns and structures. However, there is sometimes a slight difference in context. Critical is often used in technical matters of business or science; crucial is often used to talk about matters that may cause anxiety or other emotions.

と、比較説明もあります。

載っている情報はおおむねOALDと同じですが、肝心なのは、この見やすさ。


まずポイントになるのが、最初に並ぶ類語の一覧です。これを見れば、いくつかの単語が

そもそも類語と見なされているのかどうか

がわかります。


たとえば、先日も授業でこんな英文を扱いました。

It is every traveler’s nightmare: weather hazards causing large numbers of unexpected flight cancellations and disrupting the plans of passengers, resulting in anguish and anxiety.

anguishとanxiety、OLTではどうなっているでしょうか。


例によって、この2つの単語の違いがよくわかっている人はいいんです。

でも、現にこれを「苦悩と不安」と訳してくる方はたくさんいて、じゃあ、その違いってなんなんでしょうと聞くと、実はよくわかっていない。英単語を日本語に置き換えただけで、anguishとanxietyの語義を本当にはとらえていないからです。


OLTでこのふたつを引くと、こう出てきます。

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これが、anguishを含む親見出し、distressです。

distress • pain • suffering • anguish • torture • agony • hurt • misery

と並んでいますが、ここにanxietyはない。

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一方、anxietyの親見出しはconcernでした。

concern • worry • anxiety • apprehension • unease • angst • agitation

やはり、類語グループにanguishはありません。

この段階で、このふたつは類語と思われていないということがわかります。それぞれの共通語義を見てみると、

anguishのほうは「感情的な痛み、苦しみ」、anxietyのほうは「不安、心配」ということです。anguishのほうが実際に起きてしまったことによって受けている精神状態、anxietyのほうはこれからのことに対する不安、とも言えるかもしれません。


もちろん、このように違いがわかっても、さてそれをどう訳すのか……というのは別の問題です。が、少なくとも、それぞれの共通語義を見たら、「苦悩と不安」だけでは

原語の違いが伝わらないんじゃないか

と疑問を持つことはできるはずです。


上に挙げたスクリーンショットは、OLTの固有ブラウザですが、

LogophileはOLTに対応

しています。この点は、Logophileを使う大きいメリットと言っていいでしょう。

ただし、Logophileで読み込めるのは、冒頭に紹介したバージョンです。『オックスフォード英語類語活用辞典』という名前で、日本語解説付きのバージョンも出ていますが、こちらのデータを読み込めるのかどうか、Logophileのサイトでは保証していません(CD-ROMデータ自体は同じようにも思いますが、当然ながら未検証です)。


ちなみに、しばらく前から話題にしているWordNetでも、基本的にこれと同じような類語の調べ方ができます。

そして、このOLTの(完全ではないが)翻訳版も出ています。つまり、語義説明と類語に訳を当てたものです。もともとは書籍版で、CD-ROM版は出ていませんでしたが、つい最近iOSアプリが出ました。

リンク:小学館 オックスフォード英語類語辞典 | iPhone | 物書堂

これを単独で使うのは、あまり意味がないように思います。語義説明は、あくまでも上の例のように、まず英語で確認すべきです。

ただ、こちらのバージョンも併せて使うと、訳語を探すヒントになるかもしれません。

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この「類語訳」のところに並んだ訳です。

03:48 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.11.05

# 日本語の類語辞典 ― 『日本語大シソーラス』と「シソ改」

日本語の類語辞典もいろいろ出ていますが、大きく分けると分類型と非分類型があります(正式な用語じゃないかも)。

分類型というのは、概念を項目にして(場合によっては、大項目-小項目のようにレベルを設けて)、そこに分類される単語を示すタイプ。

大修館の『日本語大シソーラス』などが代表です。


非分類型というのは、単語を項目として、その類語を羅列するタイプ。

このタイプでは、『デジタル類語辞典』が手軽に使えます。

そのほか、『学研国語大辞典』(Super日本語大辞典版)にも類語の機能があります。



これが『デジタル類語辞典』の画面(単独アプリケーションです)。

1511051

非分類型ですが、「同義語」、「狭義語」、「関連語」などのカテゴリに分類されているので、とにかく見やすく手軽。訳語さがしには重宝します。


こちらが『学研国語辞典』の画面。
Super日本語大辞典版をEPWING化したデータです)

1511052

ずらっと並んでくれるのはいいのですが、ルビがちょっと邪魔です……。


そして、これが『日本語大シソーラス』の画面。
(LogoVistaデータをEBWin4で使っています)

1511053

「賢い」を引いても類語がすぐに出てくるわけではなく、このように「0385 賢い」という親見出しの下に、「0385.01 知的」とか「0385.07 賢い」のように下位概念が並び、その先に進むと

1511054

このように類語が表示されます。この構造が分類型の特徴です。

注:EBWin4で『日本語大シソーラス』を使う場合は「自動検索」がいいようです。

この分類型も、用途によっては非常に便利です。たとえば私は、英英で概念をつかんだあとに、そのぼんやりした輪郭を抱えたままこの『日本語大シソーラス』に進んで言葉を探しはじめることがよくあります。

でも、とにかく類語を一覧したいというときには、こういう構造にしばられず、もっと自由に---ふつうの国語辞典のように---検索したいこともあります。

実は、そう感じた人がほかにもいました。EPWINGの救世主、大久保さんです(下のリンク先を読むとわかりますが、故・山岡洋一さんも同じようにお考えだったらしい)。

リンク:シソ改 ~~ 『日本語大シソーラス』の全語彙検索EPWING化 ~~

LogoVista版のデータを持っていれば、このページの説明に従って、分類型の構造にしばられないデータを作ることができます。

大久保さんのサイトであげられているのとは違う例を出しておきます。

1511055

これが、ふつうの『日本語大シソーラス』を引いたところです(自動検索)。ここから概念分類に沿って、たとえば「0413.01 意義深い」に進んで言葉を探すことになります。

これを「シソ改」に切り替えてみるとこうなります。

1511056

ヒットするのは、ふつうの国語辞典と同じように五十音順の見出し(ここだけで、簡易なコロケーション辞典にもなります)。この中で「興味」を見れば、とりあえず類語を一覧することができ、「趣き」方向かなーと思ったら「趣き」をクリック、「おもしろい」系かなーと思ったら、そこにある「0413.01」のリンクをクリックすれば、最終的には元々の分類にたどり着きます。

リンクを行ったり来たりするので、これを使うなら断然、EBWin4が便利です。


もとは同じデータでありながら、分類型の類語辞典としても使え、シソ改に切り替えれば国語辞典的にも使えるので、もし類語辞典がピンとこない人は、シソ改から入ってみるといいかもしれません。

ところで、『日本語大シソーラス』はもともとLogoVista版なのですが、当のLogoVistaブラウザでは使い方に注意しないといけないようです。

上のEBWin4で「賢い」を引いたときは「自動検索」を使いましたが、LogoVistaブラウザにそういう機能はありません。

「前方一致」の検索結果はこれだけ。

1511057

「0385.07 賢い」がヒットするだけで、親項目である「0385 賢い」が出ててきません。

「条件一致」にしてみました。これがいちばん多くヒットしそうだからです。ところが---

1511058

これでも、0385.07、0385.15、0853.07という3つの分類しかヒットしません。正解は---

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「部分検索」でした。これでようやく、「0385」の親項目がヒットし、「0385.01 知的」~「0385.16 愚者も一得」までの観点が並びました。

LogoVistaブラウザは、もっとがんばってもらいたいものです。

【追記】

『日本語大シソーラス』は、電子辞書(DAYFILERやカシオ製品など)にも収録されているモデルがあります。私の手元のDF-X10001にも実は入っているのですが、なんとこれが、

PASORAMA非対応

なんですね。つまり、本体でしか使えない。なんでそんなことになってるのかよくわからないのですが---。

で、めったに使わない本体を開いて、ためしに「賢い」を引いてみました。

結果は、LogoVista版の「条件検索」と同じようです。ある程度の検索はできていますが、この辞書の本領は発揮できていません。カシオ製品とかだと、どうなのかなー。


【さらに追記】

カシオ製品、ちょっと古いモデルですが、手元にありました(XD-GW9600)。

15110510

やはり、LogoVistaブラウザの「条件検索」と同じ結果でした。

これでいいのか?

02:51 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2015.11.01

# 英英辞典ひかない、なんてありえない

イカロスさんから、こんなムックが出ました。

私も、辞書についての記事を1本書きましたが(pp.16-21)、英英辞典についてはちょっと補足しないといけないような気がしてきました。

英英辞典を引くということについて、「訳語」ではなく「語義」をつかむことが必要だと書いたうえで、

それが、遠回りのように見えて実は最も確実な道筋です。

と私は書いています(p.20)。


また、同じく辞書について書いておられる松田浩一さんは、こう書いていらっしゃいます。

適切な訳語が英和辞典に載ってない場合は原点に立ち返りましょう。(中略)英英辞典をうまく活用することが上達の早道だと思います。

ふたりとも、「何がなんでも英英を引け」という書き方ではなく、どちらかというと「できるだけ引こう」くらいにしか書いていません。でもやっぱり、

英英辞典引こう

ではなく、

英英辞典から引こう

だな、と思うわけです。


実例として、sidekick という語を考えてみます。

あ、もちろん、この語の使い方とか語感をよーく知っていて辞書なんか必要ない、という人はいいんですよ。この語に限らず、自分の語彙力が豊富であれば、原語を読んで理解するにしても、それを訳文として出力するにしても、自分の語彙を使いこなせばいい。

10/15のセミナーでもちらっと言いましたが、辞書の話をするときに実例を出すのって、「自分はこんなことも、調べないとわかりませんでしたー」というのを暴露する行為なわけですね。でも、別に隠すことでもないでしょう。

ということで、sidekick です。「人物Aが、あるプロジェクトで人物Bのsidekickだった」という文脈で使われていました。まず自分の頭から引き出せる情報は、こんな程度です---

「sidekickって、何かいっしょにやる人とか、助手みたいな意味だったよなあ……」

そうなると、人物AとBの関係も知る必要があります。調べてみると、AとBはほぼ同年齢なので、「助手」ということはないんじゃないか…… そう考えながら辞書を引いてみます。

ランダムハウス 2nd
1 ⦅俗⦆ 親友.
2 ⦅俗⦆ 共謀者,相棒(confederate);助手

研究社大英和 6th
⦅口語⦆ 仲間 (companion); 親友 (close friend); 相棒, 同類 (partner, confederate).

ジーニアス大英和
⦅米略式⦆ 1 親友;仲間;助手.
2 共謀者.

リーダーズ 3rd
《口》 親友,助手,相棒,共謀者

ロングマン英和
(映画の登場人物などの) 右腕(役),相棒,仲間


…… こういう英和を見て「仲間」とか「同僚」みたいにしていいものでしょうか。英英を確認してみましょう。

LDOCE 5th
n [C] informal
someone who spends time with or helps another person, especially when that other person is more important than they are

Collins COBUILD
noun (informal)
a person who helps another more important or more intelligent person:
◇Batman and his young sidekick Robin

OALD 8th
Someone’s sidekick is a person who accompanies them and helps them, and who you consider to be less intelligent or less important than the other person.[INFORMAL]

ODE 3rd
a person’s assistant or close associate, especially one who has less authority than that person.


赤字の部分に注目してください。どれを見ても、上下関係というか優劣というか、そういうことが書いてあります。COBUILDの例文でも一目瞭然。

バットマンから見て、ロビンがsidekick

なんですね。

ちなみに、英和でも学習辞典でこの補足が見つかりました。

オーレックス英和
((口))仲間, 同僚, (自分より役柄が下の)相棒、助手


やはり、年齢差はあまりなくても、人物Aは人物Bの助手的なはたらきだったようです。

英和を調べただけの段階で「仲間」としてしまったら、実際とズレた訳になってしまったかもしれません。

こういう例を考えると、やはり「英和を調べてぴったりする訳語がなかったら英英も調べる」ではダメだ---少なくとも、ダメな場合がある---ということになります。


だいいち、英和を調べて「ぴったり」だという自分の判断は、どれほど当てになるものでしょうか。


もちろん、「サイドキック」という言い方は(映画などの用語として)だいぶ見かけますし、Wikipediaにもこういうエントリーがあるわけで、

サイドキック (Sidekick) は物語やゲームに登場するキャラクターの役割の一つであり、主に、等身大ヒーローである主人公と行動をともにして、主人公の補佐を行う登場人物(脇役)のことである。相棒、親友といった意味合いに日本語訳されることもある[1]。

ちゃんと自分の語彙として知ってるならいいんですよ。

でも、なんでもかんでもよく知っているということがありえない凡人としては、やはり辞書を引く、しかもちゃんと引くということを何度も何度も繰り返さないといけないのでした。

04:14 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)