2017.06.21

# オンラインのCOBUILDなら、凡例は要らないかも

ひとつ前のエントリを書いた直後に、オンライン版に触れていないことを思い出しました。

実は、

オンライン版でも V-LINK のような独自ラベルが使われていますが、不思議なことにオンライン版ではどこをさがしても凡例がありません――

と補足するつもりで、オンライン版を見にいったのですが、また進化していました。

リンク:Collins Dictionaries

どうも、独自ラベルをやめて、

凡例がなくてもわかる形式

に移行したようです。

その前に、サイトの作りもまた変わっていたので、そこを確認しておきましょう。

以前、オンライン英英のことをまとめたときには、こういうタブになっていました。

1706216

このあと、タブがなくなって、一般辞書の下に Learner 辞書が表示されるという作りに変わったのですが、今は、タブとスクロールが動的に連動するようになっています。

1706217

このようなタブに変わっています。いちばん左が[Learner]で、これがCOBUILDに相当する学習辞典です。次が[English]で一般の英語辞典に当たり、[American]という米語のタブもあります。

タブを選択すると、画面がずりり~と下に勝手にスクロールしていきます。


そして、学習用の内容を見ると、

1706228

ここにある、passive verb とか link verb のように、「見ればわかる」形式になりました。

たしかに、このほうがわかりやすいですよね。


ちなみに、EBWin4 のオンライン連動で引いてみたら、内蔵ブラウザできれいに表示され、タブの切り替えもスムーズでした。Collins オンラインを使うなら、EBWin4、おすすめです。

1706218


09:27 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# COBUILDの凡例はこちら

学習英英辞典のなかでも定番中の定番、Collins COBUILD(正式名称は、Collins COBUILD Advanced Learner's Dictionary)。

語義だけでなく、センテンス表示で語法などまでわかる解説は、私たち日本人にも、とてもわかりやすい。

ただ、文法・語法の欄で使われているラベルが、けっこう特殊です。

1706211

たとえばこのエントリでも、UNCOUNT(不可算)とかVERB(動詞)はすぐにわかりますが、そのほかは、知らないと役に立てられない情報です。せっかく載っている情報を活かさないのはもったいない。


さて、その情報はいったいどこにあるのでしょうか。答えは「凡例」です。では、COBUILDの凡例って、どうやったら見られるのでしょうか……

これ、意外と知られていないかもしれません。


いちぱん手っ取り早いのは、オンラインで見つかる情報です。オンライン有料サイトの一角にありますが、無料で見ることができます。

三省堂ウェブディクショナリー

トップ →[使い方]→[各辞書の凡例一覧]→[コウビルド英英辞典]、または[コウビルド英英和辞典]

「英英」と「英英和」がありますが、凡例は大差ありません。


ジャパンナレッジ

トップ → [コンテンツ] → 『コウビルド米語版英英和辞典』をさがしてクリック → (黒い帯のなか)[凡例]


三省堂のほうが、全部1ページに収まっていて、しかも説明が詳しいようです。ジャパンナレッジのほうは、ページをめくる必要があります。

どちらも有料サイトですが、こういう情報を参照させていただくくらいは、かまわないでしょう。

それ以外のCOBUILDではどうなっているでしょうか。

CD-ROM製品版の第5版(COBUILD 2006)では、ヘルプから見ることができます。

1706213

ちなみに、このCD-ROMはJamming/Logophile でも読み込むことができて便利ですが、もともとがヘルプ形式として独立している情報なので、Jamming/Logophile 上で凡例を見ることはできません。


電子辞書端末は、それぞれのモデルごとに見方があるはずです。参考までに、PASOMARA搭載モデルでは、PC上のPASOMARAからは見ることができません。これはちょっと残念です。本体の液晶画面でCOBUILDを選択し、画面の下部に表示される逆三角形を上にスワイプすると出てきます。


iOSアプリ版もありますね。現在は第8版です(バージョンについては後述)。

1706214

これは、評価の高い物書堂さんのアプリ。「付録」のメニューにあります。

1706215

ちなみに、物書堂さんからは、COBUILDの米語版・第2版もアプリが出ています。

COBUILDって、版がはっきりしないことがよくありますね。JTFの「翻訳ジャーナル」、第286号(2016年11/12月号)にも書きましたが、ここにも簡単に書いておきます。


私の手元には、第4版(2003年)のEPWINGデータがあります。


Jamming/Logophile にそのまま登録できるのが、第5版(2006年)。第4版と比べると、smartphone などの新語が追加されました。


第6版は2008年に出て、電子辞書端末に広く採用されたようです。最後のPASORAMA搭載機種、DF-X10001 にも、第6版が集録されています。carbon footprint などが新語として追加されています。


第7版(2012年)は、書籍のほかにアプリが出ていたようですが、入手してませんでした。


最新版が第8版で、2014年。こちらは、物書堂さんのアプリを入手できます(上述)。

固有名詞として Android などが追加されています。

2 N-UNCOUNT

Android is an operating system for mobile phoens and tables. [COMPUTING, TRADEMARK]

3 N-COUNT

An Android is a mobile phone or tablet that uses this software. [TRADEMARK, COMPUTING]

OSとしては不可算名詞、端末としては可算名詞と言うことが、ちゃんとわかります。


改めてこうして並べてみると、かなり改訂の間隔が短いんですね。

08:48 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.06.17

# なぜ、「Weblio類語辞典」は「辞書」とはいえない、のか

毎日新聞・校閲グループさんが、ブログにこんな記事をアップなさっています。

リンク:ネットの類語辞典は辞書といえるか | 毎日ことば

既に5月のブログでその可能性には言及していましたが、もっと強調しなければなりますまい。「Weblio類語辞典」は「辞書」とはいえないと。
「Weblio類語辞典」は提供元がWeblioとなっています。市販の類語辞典から提供されたものではなく、独自に作っているのです。その中には、プログラムにより自動的に生成されたものもあるようです。


毎日新聞さんの投稿としては、ここまでで十分でしょう。ここから先は、帽子屋が引き受けようと思います。なぜ

「Weblio類語辞典」は「辞書」とはいえない

のでしょうか。

ちなみに、このブログでは過去にも何度かWeblioは取り上げています。

side A: # Weblio のご紹介

最初の記事がこれ。10年以上前です。私としてはただ、「変な用語集へのリンクが集まっているおもしろサイト」だと思っていました。

side A: # Weblio のこと・続

その少しあとには、運営者あてにスペルミスを報告したりしており、好感のもてるサイトでした。

side A: # ググるなとまでは言わないけれど

それから3年後、WeblioだけでなくGoogle全体の信頼度がだいぶ怪しくなってきた頃の記事がこちら。

side A: # Weblioを使うときの注意

さらにその3年後、いまから5年前ですが、この頃には収録データの

出典に注意する

よう、呼びかけています。この注意点には、あちこちのセミナーなどでも、繰り返し触れるようにしてきました。

では、Weblioで「そもそも」を引いてみましょう。

ただし、トップページ

1706171

から検索したときに出てくるのは、三省堂大辞林です。

1706172_2

出典情報として、ちゃんと「三省堂 大辞林」と書いてある点、覚えておいてください。もちろん、語義・語釈のなかに「基本的」などという類語は載っていません。


Weblioのなかで「類語・対義語辞典」というセクションに移動して---

1706173

---あらためて「そもそも」を検索します。

1706174

ありました、「基本的に」。

ここで注意するのが、さっきの「三省堂 大辞林」と同じ位置にある出典情報です。ここに

Weblio類語辞典

と書いてあるわけです。ここをクリックしてみましょう。

1706175

提供 Weblio
URL http://thesaurus.weblio.jp/

ということなので、このURLに移動してみます…… って、あれ、これは、さっき「そもそも」を検索した「類語・対義語辞典」セクションのトップですよね。戻ってきちゃいました。ここに、ちゃんと、この辞典の説明があったんでした。

1706176_2

Weblio類語辞典は、以下の辞書を利用しています。
「Weblio類語辞書」
Weblioシソーラス(自動抽出機能)

ん? んん?

「Weblio類語辞典は、以下の辞書を利用しています」として挙がっているのが、「Weblio類語辞書」?

これだけでもう、

辞書の出典情報としてはアウト

のはずですが、さらにその下に注目してください。「自動抽出機能」とあります。これについては、もっと下まで進まないと説明が見つかりません。

1706177

一部不適切なキーワードが含まれていることもあります

だそうです。


なんだか、どこかで見た気がしませんか。そう、機械翻訳の出力でもよく目にする免責の文言です。


機械翻訳は、この文言を入れておくことによって免責としているわけですが、それは同時に

これはちゃんとした翻訳じゃありませんからね

と宣言しているに等しい。


それと同じように、「Weblio類語辞典」も、

これはちゃんとした類語辞典じゃありませんからね

と宣言しているわけでした。

なんのことはない、「辞典として使っちゃダメですよ」って、Weblioさん自身がちゃんと書いてくれてたわけです。

使う側が気をつけなくちゃいけない……でも、ですよ。免責事項をこんな深いところに書いてたら、ふつうのユーザーはなかなか気づかないんじゃないかなぁ。そういう点では、サービスとして非常に問題だとは思います。

どんな辞書だって、無謬ということはありえません。誤植も含めて、どこかに必ず間違いはあるでしょう。でも、だからといって

一部不適切な語義・語釈が含まれていることもあります

と免責している辞典なんて、一冊も見たことありません。なぜか。それが、辞書編纂者の矜持だからです。


内容に間違いはあるかもしれない。だが、間違いがないよう、全力で編纂した辞典を作ったつもりだ。


どんな辞書も、そう言えるだけの過程を経て作られています。その努力は、小説・映画・アニメ『舟を編む』の終盤、「ちしお」のたった1語が抜けているために、『大渡海』の編集部がどれだけの苦労をしたかという、あの場面を見ても分かります。

誤解のないように書いておきますが、人が苦労をして作ったものだから良い、機械的にデータを集めただけのものだから悪い、と言ってるのではありません。

要は名乗り方と、使い方です。

「機械翻訳です」と断っている翻訳が、本来の「翻訳」を名乗ってはいけないのと同じように、「自動抽出データを使っている」と宣言しているデータ集が「辞典」を名乗るべきではない、そういうことです。

使う側も、そのつもりで使いましょう、ということ。

以下は余談。

「どんな辞書も、無謬ということはない。が、編集者は間違いがないよう全力を尽くしている。だから、免責の文言を書いたりしない」

これって、翻訳も同じですね。

「どんな翻訳も、誤訳がないということはない。が、翻訳者は間違いがないよう全力を尽くしている。だから、免責の文言を書いたりしない」


だから、免責の必要な機械翻訳に、人間の翻訳が負けるはずはないのです。

05:08 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.06.09

# EBWin4でできること

先月の翻訳フォーラム・シンポジウムが終わってすぐに、レッスンシリーズ第6弾の開催が決まったことは、すでに当ブログでもお伝えしました。

リンク:「辞書ブラウザ 手取り足取り」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#6)

今回のレッスンシリーズは、少人数(定員15名)のハンズオン形式です。EBWin4の導入から、ひととおり検索できるようになるまでを、手取り足取りで説明します。


汎用辞書ブラウザ「EBWin4」は、無料で使えること以外、あまり特長が知られていないような気がします。7月22日のレッスンは、超基本から始めますが、時間の許すかぎり、EBWin4 の魅力をお伝えするつもりです。その一部をちらっと紹介しておきましょう。


成句の検索

たとえば、Jamming/Logophile、LogoVistaで、
成句とか用例がうまく引けない
と思っていませんか? EBWin4 なら、かなり効率的に検索できます。


オンライン辞書の検索

各種のオンライン辞書も、EBWin4 のウィンドウ内で使えます。無料で使える英英辞典、故・山岡洋一さんが遺してくださった「翻訳訳語辞典」、有料だけど素晴らしいジャパンナレッジなども、ブラウザで使うよりずっと手軽です。


リストや本文の保存

検索結果(画面の左側)とか、本文の内容(右側)を保存しておきたいと思ったことはありませんか? EBWin4 なら、どっちもできます。


PC上で使える辞書環境を整備したいとお考えの方、ご参加をお待ちしております!

07:13 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.05.29

# 「没交渉」の意味は? - 国語で困ったら和英も引いてみる

月曜日の朝、起きてPCをつけたら、こんなニュース見出しが目に飛び込んできました。

【今日の主要記事】 1.JASRAC、ヤマハ音楽教室とは「完全に没交渉状態」--京大は“引用”と判断

最近とかく話題になっているJASRAC問題。私が見たのは、CNET Japan のニュースレターでした。元記事はこちら。

リンク:JASRAC、ヤマハ音楽教室とは「完全に没交渉状態」--京大は“引用”と判断

「没交渉」って、こういう意味でしたっけ?

本文中では、小見出しと本文の2か所に使われています。

1705291_5

「完全に没交渉状態」(浅石氏)とし、ヤマハ音楽振興会などが立ち上げた「音楽教育を守る会」との直接話し合いは全く行われていない状態とした。

この書き方からすると、どう見ても

まったく交渉していない

状態を指して使っているようです。

「没交渉」と言ったら、具体的なnegotionがあるとかないとかいう話ではなく、「関係がない、付き合いがない」の意味だというのが私の理解だったのですが……、こういう使い方もあるのでしょうか。


気になったので、とりあえずコーヒーだけいれて、手元でさっと調べられる国語辞典を片っ端から引いてみました。


かかわりあいのないこと。また、そのさま。無関係。 【日本国語大】

かかわりあいのないこと。また、そのさま。 【精選版 日国】

交渉がないこと。無関係なこと。ぼつこうしょう。 【学研国語大】

交渉がないこと。無関係。 【岩波国語 七】

交渉をもたないこと。かかわりあいのないこと。ぼつこうしょう。 【明鏡国語 二】

かかわるところが無いこと。ぼつこうしょう。 【新明解 七】
※四、五、六も、かなづかいを除けば同じ

交渉がなく関係が断たれていること。また、そのさま。 【大辞林】

かかわりあいのないこと。無関係。ぼつこうしょう。 【広辞苑 六】

交渉がないようす。無関係。ぼつこうしょう。 【三省堂国語 七】

交渉がなく関係が断たれている。また、その状態。=ぼつこうしょう。 【ベネッセ表現】

交渉のないこと。ぼつこうしょう。【角川 必携】

(「ぼつこうしょう」とも)かかわりあいのないこと。無関係。 【国語大辞典】

(ぼつこうしょう)
交渉がないこと。かかわりをもたないこと。また、そのさま。無関係。 【デジタル大辞泉】

(ぼつこうしょう)
交渉のないこと。無関係であること。 【現代例解】

(ぼつこうしょう)
交渉がないさま。無関係なさま。ぼっこうしょう 【集英社】

(ぼつこうしょう)
交渉のないこと。無関係であるさま。 【国語新辞典】

※下線は引用者

ちなみに、親見出しは最後の4つが「ぼつこうしょう」、残りが「ぼっこうしょう」でした。


「交渉」の語が使われていないのは、下線を引いた4つだけ(日本国語大、精選、広辞苑、新明解)で、ほかはすべて

交渉がない

という否定の形で説明されています。これなら、冒頭にあげたニュースでの使われ方も、間違っていないことになります。でも、もちろんこれではちっとも納得できません。こういうときは、もとになっている「交渉」も引かないとダメです。今度は二、三の例でいいでしょう。

①相手と話合いをして、取り決めようとすること。かけあうこと。「諸外国と―する」「値引きを―する」「団体―」
②かかりあいをもつこと。関係。つきあい。「彼女と―がある」「没―」 【岩波 七】

(1)ある事柄を取り決めようとして、相手と話し合うこと。かけあうこと。かけあい。談判。
(2)かかわりをもつこと。また、かかわりあい。特に男女の性的な関係。 【日国】

どうやら、大きく2系統の意味があるようです。

「没交渉」=「交渉がない」という定義なら、なるほど、どちらの意味の否定でも使えることになります。そうすると、やはり件のニュースの使い方は、問題ないということになる。

ただし、岩波で②のほうの用例として「没-」があげられている点は、注目すべきでしょう。

② 人と人との交わり。かかわりあい。関係。 「没━」【明鏡 二】

2 交際や接触によって生じる関係。かかわり合い。関係。「悪い仲間との―を絶つ」「異性と―をもつ」「没―」 【デジタル大辞泉】

などの用例も同じでした。これを見ると、やはり「没交渉」は「関係」「かかわりあい」がないことであって、「negotiationがない」という話ではなさそうです。

もとの「交渉」に2系統の語義があって、否定形「没交渉」にも、その2系統に対応する使い方があるなら、「没交渉」を「交渉のないこと」と説明してもいいでしょう。しかし、2系統のうち一方の否定でしかないとしたら、「交渉のないこと」という語釈には問題あり、ということにならないでしょうか。


少納言で調べても、「negotiationがない」と解釈できる例は、皆無ではありませんが、少数派です。

青空WINGもざっくり調べてみました。178件ヒットします(2017/3/4完全版)。

彼の気分とは没交渉に、皆その日の生計を励んでいる。【芥川】

奇妙にも葉子とは全く無関係で没交渉だった。【有島】

其は古代の文法からは、没交渉なものと謂はねばならぬ。【折口】

……などなど、やはり「negotiationがない」系は見つかりません(全部は見てませんが)。

少納言や青空WINGでここまで確認できれば、やはり「没交渉」を「交渉のないこと」と書いてしまうのは、よろしくない気がします。


そして、翻訳者であれば、さらに

和英辞典

まで確認しておけば安心です。

彼の人生は芸術とは没交渉だった His life had nothing to do with art.
彼は世間とは没交渉だ He stands aloof from the world.
あの人たちとは没交渉です I do not associate with them.
国民の感情とは没交渉に政界の駆け引きが行われている  Political maneuvering is being carried on regardless [quite independently] of the people's feelings. 【プログレッシブ英和中】

ぼっこうしょう【没交渉】
lack of relation 《to…》. [⇒むかんけい]
…と没交渉である have no connection [relation, concern] with…; have nothing to do with…; have no hand in…; be independent of…
・その後彼女の家とはまったく没交渉である. Since then we have had nothing at all to do with her family.
…と没交渉に independently of…
・彼らは世間と没交渉に生きている. He stands aloof from the world. | He has cut adrift from society. 【和英大】

ぼつこうしょう〔没交渉〕
〈形〉Having no concern with (anything)
◆僕はそんなことには没交渉だ I have no concern with―have nothing to do with―such matters.
◆これと彼とは没交渉だ This has nothing to do with that.
◆彼は研究に夢中になっているから世間とは没交渉だ He is so absorbed in his study that he has no concernment with the world. 【斎藤和英】

※下線は引用者

このように、negotiationの意味で使われている例は、ひとつもありません。


以上のことから、かなり多くの国語辞典が「没交渉」を「交渉がない」系で説明している現状はいかがなものか……という結論になりそうです。

ところで、今回ニュースになったケースでは、この表現を使ったのはJASRAC側だったようです。

進捗については「完全に没交渉状態」(浅石氏)とし、
メディアであるCNETさんがこんな使い方をしたのではないことが、救いといえば救いでしょうか。

11:23 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (3)

はてなブックマークに追加

2017.05.18

# 『英和翻訳基本辞典』もEPWINGに--見出しプラスアルファ

EPWINGジェダイの大久保克彦さんが、『翻訳訳語辞典』の見出しEPWINGを公開してくださったと、先日お知らせしたばかりですが、今度は、宮脇孝雄さんの『英和翻訳基本辞典』もEPWING化してくださいました。

リンク:Project Zephyr 宮脇孝雄『英和翻訳基本辞典』のEPWING(化)

見出しだけでなく、ごく簡単な説明文も付いています。そして、書籍のページ数が書かれているので、詳しくは書籍でそのページに当たることになります。


データ自体は、3年ほど前に越前敏弥さんが(もちろん、著者の許可をとって)作成してくださったテキストファイルが元になっています。

リンク:『英和翻訳基本辞典』インデックス: 翻訳百景

今までのデータでも、Jammingに登録すれば(ユーザー辞書という扱いになる)使えていました。

1705181

※なんか、いろんな記号が出てきちゃうのは、ウチのJammingだけかもしれません。これについては未検証。


これが、大久保さんのおかげでEPWINGになり、他の辞書と同じような体裁になったわけです。

1705182

ページを見て実際の書籍を開くのは、もちろん今までどおりですが、リンクがリンクとして機能します。

スクリーンショットは載せませんが、EBWin4にももちろん登録できます(Logophileは未確認)。


元データを作ってくださった越前さん、大久保さん、ありがとうございます!

前回の『翻訳訳語辞典』も、この『英和翻訳基本辞典』も、きちんとしたデータは他のサイトや書籍に当たらねばなりません。

しかし、このように手元の辞書で、まずエントリーの有無から確認できるという、それだけのことが私たち翻訳者にとってどれだけありがたいことか、お使いの方には十分おわかりでしょう。

まだお使いでない方は、ぜひ使ってみてください。言うまでもなく、『英和翻訳基本辞典』が必要ですが、これは翻訳者必携です。この機会に入手しましょう。


データ化されていない紙の辞書を、このような形で利用できるというのは、汎用辞書ブラウザの新しい使い方かもしれません。

紙の辞書の索引をスキャンしてテキストデータにできれば、それを元にいろいろなEPWINGデータが作れるはずです(実は私も試しているのですが、まだうまくいっていません)。それを公開するには、やはり著者の許諾が必要だろうと思いますが、この形はけっして、元の書籍の権利を侵すものではありません。

むしろ、書籍の売り上げ増につながるのですから、誰にとってもありがたいモデルではないでしょうか。


EPWING、いまだ滅びず!


21日(日)の翻訳フォーラム・シンポジウムでも、この話には簡単に触れる予定です。

02:56 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.05.12

# 『翻訳訳語辞典』の見出しEPWINGデータが登場!

翻訳フォーラムのシンポジウムが、いよいよ来週に迫ってきました。5/21(日)開催です。残席が僅少となりましたので、ご参加検討中の方は、お急ぎください。申し込みサイトはこちら

さて、そのシンポジウムで、私はまた辞書の話をします。今年は、汎用辞書ブラウザ EBWin4 を中心に、辞書ブラウザの使い方について、最新情報をお伝えする予定です。


そんな矢先、EPWINGの世界でまた、うれしいデータが公開されました。故・山岡洋一さんが遺してくださった貴重な訳語集(英日・日英 翻訳訳語辞典 — 辞遊人(DictJuggler))です。

山岡洋一『翻訳訳語辞典』の見出しだけEPWING

データを作成してくださったのは、もちろんEPWINGマスターの大久保さん。いつもながら、ありがとうございます!

辞書の内容がそのままEPWING化されたわけではなく、見出しと、そのURLが示されるだけという単純な構造ですが、汎用辞書ブラウザで串刺し検索を実行すれば、その結果からすぐに該当項目に飛ぶことができます。

つまり、今までのように、該当項目が

あるかどうかわからない

状態でサイトを調べにいくのではなく、

あるのを確認したうえで

サイトを参照できるわけです。

これが、どれほどありがたいことか、使ってみればすぐにわかると思います。

どの汎用ブラウザにも登録できるはずですが、Logophileは試していません。理由は以前書いたとおりです。


EBWin4 の場合

大久保さんも EBWin4 での使用を想定しているので、EBWin4 で使うのがいちばん簡単です。通常のEPWINGデータと同じように登録して検索すると、

1705121

このようにURLが表示されます。これをクリックすれば、EBWin4 内部で表示されます(使われるのは、Internet Explorer のエンジン)。

1705122

「詳細表示」をクリックすると、元の例文と出典がわかりますが、若干レイアウトが崩れます。これはしかたがないようです。

また、訳語自体もリンクになっていて、たとえば「楽しみ」をクリックすると、同じサイトの「翻訳類語辞典」に飛ぶようになっています。

1705123

つまり、調べたい単語 → 訳語 → 類語と流れるように検索していけるわけで、これまでこのサイトを愛用していた方も、それが最大の魅力だったようです。

EBWin4 には「進む/戻る」の左右矢印ボタンがありますから、訳語ページと類語ページの行き来も簡単。


Jamming の場合

Jamming でもURLは表示されますが、残念ながらクリックできません。

1705124

ここからURLを開くには、方法が2つあります。

まず、AHKを使う方法。これについては、くにしろさんがブログで紹介してくださいました。

リンク:AHKを利用して、Jamming で『翻訳訳語辞典』のURLにジャンプする | Memo 9246 :: 翻訳備忘録・雑記帳


もうひとつは、Jamming のWeb 検索機能を使う方法。

あるんですよ、実は、Jamming にもこの機能が。ただ、別ウィンドウを開いたままにするというのが、なんとなくスマートじゃない気がします。

それでも、Jamming 大好きで、AHK導入が難しい人は、この方法をお試しください。手順は、以下のとおり。

  1. Jamming の[ファイル]→[検索用URLを開く]で[URL]ウィンドウを開きます。
  2. [操作]→[新規URL]を選択して、[URLの編集]ウィンドウを開きます。
  3. [名称]に任意の名前を入力し、[URL]には
     http://www.dictjuggler.net/yakugo/?word=[WORDS]
    と入力します。

設定が終わっても、このウィンドウは開いたままにしておきます。Jamming 本体で何か検索してから、[URL]ウィンドウに表示されている名称(3.で決めたもの)をダブルクリックすると、ブラウザで該当ページに飛びます。

ちなみに、Logophileでも、Web連携のしかたはだいたい同じです。

こんな風に、今まで汎用辞書ブラウザでは使えなかったコンテンツが、翻訳者にとってありがたい形でデータ化される。素晴らしいことだと思います。

以前も、宮脇孝雄さんの『英和翻訳基本辞典』が、これに近い形でEPWING化されました。こちらは本体が書籍なので、書籍版を持っていないと意味がありません。当ブログの過去記事をご覧ください。

リンク:side A: # 『英和翻訳基本辞典』をJammingに

10:22 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.04.18

# ジャパンナレッジ、JTF/JAT会員は永年20%割引に!

辞書・事典検索サイト「ジャパンナレッジ」のことを、1月の終わり頃にご紹介しました。

リンク:ジャパンナレッジ


ここをご覧の方はほとんど個人だと思うので、パーソナルユースの入り口は ↓ ですね。

ジャパンナレッジ Personal


おかげさまで、前回の記事やFacebookで評判が広まり、翻訳者の間でもかなり利用が広がってきたようです。


その広がりを受けて、運営会社であるネットアドバンスさんからお声をかけていただき、翻訳者向けに優遇サービスをご提供いただけることになりました。


日本翻訳連盟(JTF)

日本翻訳者協会(JAT)

の会員は、

ずーっと20%割引

で利用できるようになります。

JAT会員には、すでにメーリングリストなどで案内が届いているはずです。

JTF会員向けには、5月に発行される「翻訳ジャーナル」がお手元に届きます。その際に、ジャパンナレッジのチラシが同封される予定ですので、そちらをお読みください。


割引は20%。初年度だけではなく、ずーっと継続される予定です。

ただし、月額ではなく年額に対する設定のみですので、場合によっては、月額で試用してみて、気に入ったら年額割引で利用する、という手もあるでしょう。


JKパーソナル
年間 16,200円 → 12,960円に

JKパーソナル+R
年間 21,600円 → 17,280円に

※コースによるコンテンツの違いは、サイトをご覧ください。


現在すでに20%割引でお使いの場合でも、今の契約が切れる時点でJTF/JAT会員であれば、更新時にこのサービスの適用を受けられます(その方法も、チラシに書いてあります)。


JTFやJATなどの業界組織に入ることのメリットがいまひとつ感じられなかった、という方には、ひとつのきっかけになるでしょうか。


ジャパンナレッジについて、個別に質問などある場合は、メールで、あるいはFacebookやTwitter上で、帽子屋にご質問ください。

12:05 午後 辞典・事典, JAT・JTF | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.04.16

# バリューブックスの対応がすばらしかった

過去のエントリでも書いた、リーダーズの前身にあたるこの辞書

どうしても見てみたかったので、中古で買い直しました。


アマゾンによく出品しているバリューブックスというところで買ったのですが、この古書店の対応が素晴らしかったので、応援の意味を込めて記事にしておきます。


アマゾンでポチったのが 4/4(火)の夕方でした。

本体500円、送料257円で計757円。いい買い物です。


バリューブックスから自動返信の受注確認メールが届いたのが、翌4/5(水)午前中。


そして、同じ5日の午後には、「注文に関するご連絡」という見出しで、こんなメールが届きました。

大変恐れ入りますが、ご注文商品の状態が出品時のコメントとは 異なっていることが発覚致しましたので、ご連絡を差し上げました。

[数ページに破れとテープでの補修跡がございます]

平素より、検品につきましては注意を払っておりましたが、
このような不始末が生じましたことは弊社の検品・管理体制に
まだまだ不十分なところがあったためと、深く反省しております。

つきましては、誠に恐縮ではございますが、商品代金及び送料の
返金の上、発送をさせていただきたく存じます。
お客様にはこのまま商品をお引受け頂ければ幸いでございます。


要するに、

商品は送ったうえで、全額を返金

するというのです。


4/6(木)に商品が届きましたが、見た感じで気になるような所はありません。

ようやく見つかったのは、

1704162

こんな風に、破れたページをていねいにテープで補修した箇所、しかも1ページだけでした。たった1ページの不具合にもかかわらず「数ページ」と書いてくるというのは、なんという心遣いでしょう。


商品には、改めてこんな手紙も同封してありました。

1704161

なんとも、すばらしい対応です。

これでもう、今後アマゾンで中古を買うときには、バリューブックスの出品を最優先することは決定。

この古書店さんは、757円の返金で、顧客の信頼、を勝ち取ることに成功したわけです。

ちなみに、バリューブックスさんのWebサイトはこちら。

リンク:株式会社バリューブックス

案の定、確固たるポリシーで古書店を運営なさっているようです。


本拠地である長野県上田市に行くと、こんな素敵な実店舗も構えているのだとか。

リンク:BOOKS & CAFE NABO | 株式会社バリューブックス


今回の『現代英和辞典』にしても、商品の欠陥ということにはなりましたが、補修のしかたがとても丁寧で、以前の持ち主に大切に使われていたのではないか、と思わせる履歴だ、とも言えます。


バリューブックスさん、このたびは、すばらしい対応をありがとうございました。

04:09 午後 辞典・事典, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.24

# EDICT2のラベルを解説してみた

先日、串刺し的に使えるということで取り上げた辞書ブラウザアプリ「EBPocket」ですが、デフォルトでEDICT2の辞書データが入っているということも、前回ご紹介しました。

参考リンク:side A: # EBPocketで、アプリ辞書を串刺し!

参考リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち


この辞書、実はときどき目を通してみると、かなりおもしろいのですが、ラベルが独自なので、情報を読み取るにはそれを理解している必要があります。メニューから凡例を見ても、説明が英語なので、日本語文法のことなどはちょっとわかりにくそうです。

そこで、ヘルプに書いてある凡例を訳してみました。ex として例も挙げてあります。この例を見るだけでも、収録している項目のおもしろさがわかると思います。


【13:30 追記】

ブログ上に書くと、どうしても見づらいですねー。テーブルにすればいいんだろうけど。
ということで、Excel表でもダウンロードできるようにしました。興味のある方はどうぞ。

EDICT2のラベル一覧対訳
(クリックすると即ダウンロードされます)

【文法ラベル】

adj-i 形容詞[adjective]ex: あどけない
adj-na 名詞(-ナ))または形容動詞[adjectival nouns or quasi-adjectives]ex: あやふや
adj-no 名詞(-ノ)[nouns which may take the genitive case particle 'no']ex: ありき
adj-pn 連体詞[pre-noun adjectival]ex: あんな
adj-t 形容詞(-タル)[pre-noun adjectival]ex: あんたん
adj-f 上記以外で前置できる名詞または動詞[noun or verb acting prenominally (other than the above)]ex: ~あっての
adj 旧分類の形容詞(削除中)[former adjective classification (being removed)]
adv 副詞[adverb]ex: あっけらかん
adv-n 副詞的な名詞[adverbial noun]※ n-advと重複か?
adv-to 副詞(-ト)[adverb taking the 'to' particle]ex: あたふた
aux 補助語尾*[auxiliary]ex: ~ごわす
aux-v 助動詞[auxiliary verb]ex: せる; させる
aux-adj 補助形容詞[auxiliary adjective]ex: ~ない
conj 接続詞[conjunction]ex: が、ああして
ctr 助数詞[counter]ex: 脚
exp 表現[Expressions (phrases, clauses, etc.)]ex: ああだこうだ
id 慣用表現[idiomatic expression]ex: なる様になる
int 感動詞[interjection]ex: あいたた; あいた; あいたっ
iv 不規則動詞[irregular verb]
n 普通名詞[noun (common)]
n-adv 副詞的名詞[adverbial noun]ex: 一時; ひと時
n-pref 名詞、接頭辞になる[noun, used as a prefix]ex: ドラ~
n-suf 名詞、接尾辞になる[noun, used as a suffix]ex: ~ごっこ
n-t 時相名詞[noun (temporal)]ex: 二時、この頃; このあいだ
num 数詞[numeric]ex: 一兆、億
pref 接頭辞[prefix]ex: がせ; ガセ
prt 助詞[particle]ex: が、かしら
suf 接尾辞[suffix]ex: ~メートルそう
v1 一段活用動詞[Ichidan verb]ex: いじける、やればできる
v5 五段活用動詞[Godan verb](分類不完全)
v5aru 五段活用動詞「ある形」[Godan verb - -aru special class]ex: くださる
v5b バ行五段活用動詞[Godan verb with 'bu' ending]ex: 忍ぶ
v5g ガ行五段活用動詞[Godan verb with 'gu' ending]ex: たじろぐ
v5k カ行五段活用動詞[Godan verb with 'ku' ending]ex: おっ開く
v5k-s 五段活用動詞「いく・ゆく形」[Godan verb - iku/yuku special class]ex: あの世に行く、はって行く
v5m マ行五段活用動詞[Godan verb with 'mu' ending]ex: くすむ
v5n ナ行五段活用動詞[Godan verb with 'nu' ending]ex: おっ死ぬ
v5r ラ行五段活用動詞[Godan verb with 'ru' ending]ex: いちびる
v5r-i ラ行五段活用動詞・不規則[Godan verb with 'ru' ending (irregular verb)]ex: ~である、心当たりがある
v5s サ行五段活用動詞[Godan verb with 'su' ending]ex: あぶり出す
v5t タ行五段活用動詞[Godan verb with 'tsu' ending]ex: ささくれ立つ
v5u ア行五段活用動詞[Godan verb with 'u' ending]ex: あざ笑う
v5u-s ア行五段活用動詞・特殊形[Godan verb with 'u' ending (special class)]ex: 請う、恋う
v5uru 五段同時「うる形」[Godan verb - uru old class verb (old form of Eru)]
v5z ザ行五段活用動詞[Godan verb with 'zu' ending]
vz 一段活用動詞「ずる形」[Ichidan verb - zuru verb - (alternative form of -jiru verbs)]
vi 自動詞[intransitive verb]ex: ずっこける
vk カ行変格活用動詞[kuru verb - special class]ex: 来る、ぴりっとくる
vn ナ行変格活用動詞[irregular nu verb]ex: 往ぬ; 去ぬ
vs 名詞(-スル)[noun or participle which takes the aux. verb suru]ex: あんよ、うじうじ
vs-i サ行変格活用動詞[suru verb - irregular]ex: する、うっとりする
vs-s サ行変格活用動詞・特殊形[suru verb - special class]ex: 逸する、こよなく愛する
vt 他動詞[transitive verb]ex: あしらう


【分野ラベル】{ }で表記される

{Buddh} 仏教用語[Buddhist term]ex: ナンマンダブ; ナマンダブ
{MA} 武術用語[martial arts term]ex: ムエタイ、一本
{comp} コンピュータ用語[computer terminology]ex: 2ちゃんねる、2進化
{food} 食品用語[food term]ex: いとこ煮、きしめん
{geom} 幾何学用語[geometry term]ex: 対辺
{gram} 文法用語[grammatical term]
{ling} 言語学用語[linguistics terminology]ex: コプラ; コピュラ
{math} 数学用語[mathematics]ex: べき乗; 冪乗
{mil} 軍事用語[military]ex: 教練、曲射
{physics} 物理学用語[physics terminology]ex: パウリの原理


【その他の記号】
X 無作法または猥褻[rude or X-rated term]ex: 姫初め
abbr 略語[abbreviation]ex: 〒、Gパン
arch 古風[archaism]ex: いで; いでや、うむ
ateji 当て字[ateji (phonetic) reading]ex: お目出度い、印度人
chn 幼児語[children's language]ex: おんも、お絵描き
col 口語[colloquialism]ex: あんがと、おばたりあん
derog 蔑視語[derogatory term]ex: おっさん、とろくさい
eK 漢字のみ[exclusively kanji]
ek ひらがなのみ[exclusively kana]
fam 親しみ[familiar language]ex: ~ちゃん
fem 女性語[female term or language]ex: あらまあ
gikun 義訓[gikun (meaning) reading]ex: 海月; 水母、蒲公英
hon 敬称、尊敬語[honorific or respectful (sonkeigo) language]ex: お医者様、いらっしゃる
hum 謙譲語[humble (kenjougo) language]ex: お目にかかる
iK 特殊な漢字用法を含む[word containing irregular kanji usage]ex: 堆い
id 慣用表現[idiomatic expression]ex: なる様になる
io 特殊な送りがな[irregular okurigana usage]
m-sl マンガ俗語[manga slang]ex: ~たん、ヤンデレ
male 男性語[male term or language]ex: ~ぜ、拙者
male-sl 男性俗語[male slang]
ng 中性[neuter gender]
oK 古い漢字用法を含む[word containing out-dated kanji]ex: 上前を撥ねる
obs 古[obsolete term]ex: お手塩
obsc 曖昧語[obscure term]ex: ほっぽかす
ok 古いかな用法[out-dated or obsolete kana usage]
poet 詩的[poetical term]ex: あえか、愛しき
pol 丁寧語[polite (teineigo) language]ex: おべべ、~ようです
rare まれ[rare]
sens 要注意語[sensitive word]ex: き印、ぎっちょ
sl 俗語[slang]ex: DQN、フラグが立つ
uK 通例、漢字のみ[word usually written using kanji alone]
uk 通例、かなのみ[word usually written using kana alone]ex: 終わコン おわコン; オワコン
vulg 卑語[vulgar expression or word]ex: ざけんなよ; ざけんじゃねーよ


【方言】
kyb 京都弁[Kyoto-ben]ex: おいでやす
osb 大阪弁[Osaka-ben]ex: いちびり、さよか
ksb 関西弁[Kansai-ben]ex: あきまへん、あらへん; あれへん
ktb 関東弁[Kantou-ben]ex: くたばれ、かたす
tsb 土佐弁[Tosa-ben]ex: いごっそう
thb 東北弁[Touhoku-ben]ex: お晩です、めんこい
tsug 津軽弁[Tsugaru-ben]ex: あずましい
kyu 九州弁[Kyuushuu-ben]ex: ~ばい、~ばってん
rkb 琉球弁[Ryuukyuu-ben]ex: しまんちゅ、ないちゃー


ただ、分野や方言は明らかにまだ不完全です。今後の発展に期待しましょう。

文法ラベルはだいぶ頑張ってますし、ふつうの国語辞典では見出しになっていないような複合語までカバーしてあるのは、なかなかおもしろい試みです。

10:30 午前 辞典・事典 | | コメント (1)

はてなブックマークに追加

2017.02.21

# EBPocketで、アプリ辞書を串刺し!

前エントリまで、しばらくEBWin4のことを書いてきました。

ところで、EBWin4の作者であるhishidaさんは、iOS/Android上でEPWINGデータを使えるアプリも作成なさっています。

リンク:EBPocket for iOS
リンク:EBPocket for Android

Android版(とMac OS版も)もあるのですが、私が使える環境ということで、以下はiOSの話になります。


個人的には、PC上で(EPWINGデータを中心に)整備してある辞書環境を、iPadにまで持ち出す必要性はあまり感じていません。むしろ、iPadではiOSアプリでしか使えない辞書を中心にそろえています。そのため、EBPocketも、存在は知っていたのですが、試したことがありませんでした。

今回の一斉アップデートを機にちょっと見てみようと思い、Professional版を購入・インストールしてみたら---実はかすかに期待しながら---ちゃんと、他のアプリとの連携機能が用意されているじゃないですか!

なお、EBPocketをインストールすると、フリーの辞書データとしてEDICT2が入ってきます。この辞書の素性については、拙ブログの過去記事をご覧ください。
参考リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

iOSアプリどうしが相互にデータをやり取りする(テキストをやり取りしたり、起動したりする)ために、「URLスキーム」という仕組みがあります。「検索ハブ」(残念ながら、諸事情でアップデートが止まってしまいました)も、この機能で各アプリを呼び出していました。また、物書堂さんの辞書では、検索後に他の辞書を呼び出すことができます。これも、おそらくURLスキームを使っているようです。

1702211


EBPocket Professionalをインストールして、設定画面を開いてみると、[Web検索]という設定項目があります。

1702212_3

これを開くと、デフォルトではYahooとかWeblioなどのサイトが登録してあります(下図は、もう設定が変わっています)。

1702213


ここを、使いたいアプリ辞書のデータに書き換えれば、EBPocketの検索結果から他のアプリに飛ぶ、つまり擬似的にではありますが、アプリの串刺し検索ができるというわけです。

ただ、URLスキームというのは開発者が独自に決めるので、公開されていないと使えません。この点でも、物書堂さんはユーザーに親切な会社で、基本的にすべてURLスキームを公開なさっています。

リンク:物書堂:辞典Appで検索

物書堂さん以外のアプリは、検索するとURLスキームが見つかるもの(BIGLOBEの『オーレックス』や、計測技研の『プログレッシブ』など)もあれば、公開されていないもの(MobiSystemsのAHD、ODEなど)もあります。

あとは、ここにあるデータをどうやってURLの形にすればいいか、が分かればいいのですが、この段階で私も試行錯誤しました。

指定の基本は以下のフォーマットです。

<辞典スキーム名>://<辞典アプリID>/search?text=

たとえば、『精選版 日本国語大辞典』の場合、<辞典スキーム名>が mknds 、<辞典アプリID>が NDS です。このほか、アプリとその会社ごとにURLの構成要素は違ってきます。物書堂さんの『精選版 日本国語大辞典』の場合、URLは

mknds://jp.monokakido.NDS/search?text=

となります。この後にいろいろと検索オプションを付けることもできるのですが、今回はそこまでやっていません。


以下、私のiPadにあって、しかも私が優先的に使いたい8つの辞書について、設定を挙げておきます。私が設定していない辞書アプリについては、物書堂さんの上記サイトなどを参考に、試してみてください(うまくできない場合は、メールでご相談ください)。

以下に挙げる Name と URL を、EBPocket の[設定]→[Web検索]の該当フィールドに入力すれば、使えるはずです。Name は何でもOKです。

Name:ウィズダム2(物書堂)
URL:mkwisdom2://jp.monokakido.WISDOM2/search?text=

Name:オーレックス(BIGLOBE)
URL:olexbiglobe://search?query=

Name:プログレッシブ英和中(計測技研)
URL:osw-progressiveEJ5JE4://*?k=f&q=

Name:Collins(物書堂)
URL:mkced://jp.monokakido.CED/search?text=

Name:精選日国(物書堂)
URL:mknds://jp.monokakido.NDS/search?text=

Name:大辞林(デフォルト)

Name:新明解(物書堂)
URL:mksmk7://jp.monokakido.SMK7/search?text=

Name:三国七(物書堂)
URL:mksankoku7://jp.monokakido.SANKOKU7/search?text=


「大辞林(デフォルト)」というのは、Web検索の設定に最初から設定されていたので、そのまま使っています。

また、Collinsというのは、学習英英の定番COBUILDではなく、Collins大辞典です(あまり知られていませんが)。


これで、iOS上の環境はできあがりました。EBPocketで何か検索すると、EDICT2の結果が並んだ最後に、登録したアプリの名前が並び、

1702214

と、ここまでがiOS上の動きです。これを、PASORAMA的にPC上から使うには、以前ご紹介した「Wifi Keyboard」というアプリを使います。

実は、上に挙げた8個のアプリ辞書の名前や、特にURLは、iOS上で入力しようとしたら大変です。これを設定する段階で、私は「Wifi Keyboard」を利用しました。これを使えれば、PC上でURLをコピペしてiOSに転送できるので、URLの指定もかなり楽になります。


いろいろと設定は手間かもしれませんが、ご参考までに。

12:59 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (3)

はてなブックマークに追加

2017.02.20

# EBWin4 4.4.2、「連続」と「全ての項目」の違い~国語

続いて、国語辞典ではどうなるかを紹介します。

結論から言うと、ほとんどのタイトルは前項で紹介した研究社英和大、その他と同じように動作します。

見え方が一気に変わるのが、『学研国語大辞典』です。
※残念ながら、この辞書のデータ版は入手が難しくなっています。Amazonなどで"Super日本語大辞典"を検索すると、まだときどき出回っていますが、そのままではEBWin4に載りません。変換スクリプトを使ってEPWINGデータに変換する必要があります。
参考リンク:side A: # Windows 7環境構築のまとめ - 辞書編

変換スクリプトは、EBWin4の作者のサイトにあります。
リンク:EBStudio 変換スクリプト集


『明鏡国語』を「自動検索」すると、こうなります。

「全ての項目」オフ
17022013

「全ての項目」オン
17022014

前項の英和で見たとおりの差が出ます。


次が『学研国語大辞典』です。ここでは、「完全一致」で検索しました。
「全ての項目」オフ
17022015

「連続」なので、発足、罰則、閥族、初空…… と続いています。


「全ての項目」オン
17022016

左ペインの一致候補に注目してください。
17022017
(ふだんより、ちょっと横に広げています)

お分かりでしょうか。

 はっそく【発足】

 ほっそく【発足】

というエントリに続いて、

 【発足】のシソーラス

という項目なども並んでいます。つまり、『学研国語大辞典』をEPWING化したデータは、完全一致で検索するだけでも、項目そのもののほか、シソーラス情報がヒットするということです。したがって、これを「全ての項目」表示にすると、シソーラスまで一気に表示されるわけです(通常、シソーラスがリンクになっている)。

シソーラスだけではありません。上の例ではウィンドウ外にあるので分かりませんが、実は用例も出てきます(通常、用例もやはりリンクになっている)

17022018

用例のエントリは最後に並ぶので、右ペインで下にスクロールすると出てきます。

経緯は不明ですが、『Super日本語大辞典』をEPWING化するスクリプトを作るとき、作者のhishidaさんがDDWinの「全ての項目」表示を意識してこのように作ったのかもしれません。

こういう機能が増えてみると、最近のLogoVista版タイトルをEBWin4(など)に載せられないのが、かえすがえすも残念です。

参考リンク:side A: # 翻訳者の辞書 - データ編 - 第2回

ここにも書いたとおり、『研究社 日本語表現活用辞典』、『研究社 日本語口語表現辞典』、『研究社 日本語コロケーション辞典』などは、EBWin4で使えたらずいぶん便利なのに...

05:23 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# EBWin4 4.4.2、「連続」と「全ての項目」の違い~英和・和英

EBWin4に追加された「全ての項目」表示機能は、複数の辞書を検索したときに、その内容を右ペインでまとめて表示するというのが本来の趣旨です。

が、辞書タイトルによっては、単独で使っているときでも見え方が変わるという副次的な効果もあります。

さらに、4.2.2(2/18公開)で実装された「連続表示」と「項目毎」の切り替えボタンも併せて使ってみるとどう違うのか---さっそく試してみました。

なお、使ってみるとすぐに分かりますが、「連続表示」/「項目毎」の切り替えボタンは、表示されているのが今の状態です。つまり「連続」と表示されていたら「連続」表示であり、押すと「項目毎」表示に切り替わります。「連続」を押すと連続表示になる、のではないことに注意してください。

研究社英和大 第6版

まず、研究社英和大で、「全ての項目」はオフにして、「完全一致」検索します。

「項目毎」表示
17022000

「連続」表示
17022001

「連続」にすると、footprint以降、foot pump、footrace、footrail ... と続きます。見出しごとに区切り線が入っています。

ただし、項目によっては、必要以上に区切れている場合もあるようです。

17022002

for everという成句は、なぜか用例ごとに区切れてしまいます。「項目毎」表示では情報をすべて見られていないということです。


ジーニアス英和大

すでに書いたように、残念ながらG大は項目区切りにバグがあります。「項目毎」では必要な情報すらろくに表示されません。

17022004

必ず「連続」表示にしてください。

17022005


研究社和英大 第5版
ランダムハウス 第2版
リーダーズ 第3版(LV)
リーダーズ 第2版
うんの V5
英和中辞典 第7版
斎藤和英
COBUILD
OED 2
WordNet

主立ったタイトルはいずれも、英和大と同じ動作です(変な区切れはなさそうです)。なお、LVと書いたのはLogoVista版、※は、オリジナルデータEPWING変換したデータです。

「全ての項目」をオンにすると、「連続」/「項目毎」の状態にかかわらず、左ペインでヒットした項目すべてを対象にして「全ての項目」が表示されます。

したがって、「全ての項目」で表示される結果は、検索方法によってもだいぶ変わってきます。いろいろ試してみていただきたいと思いますが、ここでは、「リーダーズ2+プラス」で "required" を「自動検索」した結果だけ示しておきます。

「自動検索」、「連続」、「全ての項目」オフ

17022006

ヒットするのは13項目。いちばん上の NCR を選択すると、
【米】 National Cash Register Company; no carbon required.
がヒットしますが、その後に続いているのは、NCSA、NC-17、NCT... などです。NCRの語義にはたしかにrequiredが含まれていますが、それ以降はただ "辞書の上で後に続く項目" が表示されているにすぎません。左ペインでヒットしている2番目(req.)、3番目(reqd)、4番目(a required subject)は、それぞれをクリックしないと表示されないわけです。

17022007


「自動検索」、「連続 or 項目毎」、「全ての項目」オン

17022008

こうすると、ヒットした13項目がずらっと並びます。「全ての項目」を単独の辞書タイトルで使ったときの機能、これでだいぶはっきりしたのではないでしょうか。


したがって、「全ての項目」表示は、研究社和英大辞典を逆引きするときなどに、絶大な威力を発揮します。

「自動検索」、「項目毎」、「全ての項目」オフ

17022009

「自動検索」、「連続」、「全ての項目」オフ
17022010

「自動検索」、「連続 or 項目毎」、「全ての項目」オン
17022011

検索語(この例ではexcited)が強調表示されているので、よく見比べてください。"exciteを和英で逆引きして訳語の手がかりを探す" という使い方なら、このような一覧を得られるのがいちばんうれしいはずです。

ちなみに、この「全ての項目」表示にあたる機能は、DDWinにもあるようです。Jamming/Logophile にはありません。

今回、「全ての項目」機能が実装されたことで、EBWin4は大きく進化したと断言できます。

ここで、この検索結果をもっと有効に使う方法をご紹介しておきます。

「全ての項目」オンで検索したら、
・[ファイル]→[印刷]、または Ctrl+P
・右ペインのどこかを右クリックして[印刷]
をクリックすると、結果を印刷できます。

このとき、紙に印刷するのではなく「PDFに出力」することができれば、検索結果をPDFとしてストックすることもできます。

17022012


04:42 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

# EBWin4が、4.4.2にアップデート

先週、EBWin4に追加された「全ての項目」表示機能をご紹介し、それにあわせて、以前からあった「連続表示」のことも書きました。

参照リンク:side A: # EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1

参照リンク:side A: # EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その2


そのときも書いたとおり、「連続表示」の設定は[ファイル]→[設定]を開いてオン/オフを切り替える必要がありました。おおむね「連続表示」のほうが使いやすいので、今までは、恒常的な設定で特に不自由はありませんでした(G大のように、「連続表示」にしないと使い物にならないタイトルもありましたし)。

が、「全ての項目」表示を使いこなすには、「連続/項目ごと」もインターフェース上で切り替えられたほうがいいと思ったので、作者のhishida様にリクエストしてみました(辞書名フィールドが広がったためツールバーが見えなくなる、というバグもあったので)。

そうしたら、わずか1週間で対応してくだり、バージョン4.2.2が公開されました。

リンク:EBWin4

hishida様、ありがとうございます!

02:34 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.12

# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その2

さて、新機能の「全ての項目の表示」です。

ひと言で言うと、検索結果一覧(左ペイン)に表示されている項目を、右ペインですべて表示するという機能です。したがって、前エントリで書いた[連続表示]のオン/オフと検索方法によって、「全ての項目の表示」の働きはだいぶ違った印象になります。以下、いろいろなパターンをやってみます。

・[連続表示]オフ
・辞書ひとつだけを選択
・[完全一致]

これだと、ヒットする項目がひとつだけなので、何も差が出ません。

[全ての項目]表示がオフのとき。
17021281
(スクリーンショットは、クリックで拡大できます。以下同様)

[全ての項目]表示がオンのとき。
17021282


区切り線の違いだけです。


・[連続表示]オフ
・辞書ひとつだけを選択
・[前方一致]

検索方法を[前方一致]に変えると、3つの項目がヒットします。今までは、

17021291

このように、ヒットした項目をクリックすると、その項目の内容だけが右ペインに表示されていましたが、[全ての項目]表示をオンにすると、

17021292

このように3つの項目がすべて表示されるようになります。


・[連続表示]オン
・辞書ひとつだけを選択
・[前方一致]

今度は、前エントリで説明した[連続表示]をオンにしてみます。この場合、[連続表示]の機能によって、検索項目だけでなくそれ以降の項目まで表示されるので、[全ての項目]表示をオンにしても、すぐには差がわかりません。

[全ての項目]表示オフ
170212101


[全ての項目]表示オン
170212102


よく見ると、画面右端のスクロールバーが違います。[連続表示]がオンなので、[全ての項目]表示がオフのときは、下にスクロールしていくと先をいくらでも読めます。[全ての項目]表示をオンにすると、ヒットした3つの項目だけになります。


・[連続表示]オフ
・複数の辞書を選択(串刺し)
・[完全一致]または[前方一致]

新機能「全ての項目の表示」がいちばん威力を発揮するのが、おそらくこの使い方です。

[全ての項目]表示オフ
170212111


[全ての項目]表示オン
170212112


このように、

複数の辞書で違いを見たい

ときに、実に便利です。

この状態で「本文内検索」(Ctrl+F)すれば、

170212121

目的の情報を細かく調べらることができます。

ちなみに、このスクリーンショットの例は、「~次第」という接尾語は、「連絡し次第」のように動詞連用形に付けるのが正しいはず、と思って引いたら、名詞に付ける俗語法もある、ということが『明鏡国語』に書いてあったという例です。

06:58 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1

このブログでも、各種のセミナーや記事でもご紹介しているEBWin4は、汎用辞書ブラウザとしては唯一、今でも着実にアップデートを続けている貴重な存在です。

リンク:EBWin4

そのEBWin4が、また大きく進化しました(最新バージョン、4.4.1)。

・全ての項目の表示(海野文男氏・海野和子氏開発協力)
・複合検索ダイアログをモードレス化

特に「全ての項目の表示」は、いろいろとおもしろい使い方ができそうです。

ただし、その話をする前に、今までにもあった2種類の表示モードのことを書いておくほうがよさそうです。これに気づいていない人もいたかもしれないので...。

EBWin4をお持ちの方は(最新版でも、それ以前のバージョンでも)、[ファイル][設定]ダイアログを開いてみてください。

1702121
(スクリーンショットは、クリックで拡大できます。以下同様)

[一般]タブに、[連続表示]というオプションがあるのはご存じだったでしょうか。同じオプションは、Jammingにもありました。何か辞書を開いて、このオプションのオン/オフを切り替えてみてください。

たとえば『研究社 英和大辞典』の場合、[連続表示]がオフだとこうですが---

1702122

[連続表示]をオンにすると、こうなります。

1702123

つまり、紙の辞書を見ているように、前後の内容まで見渡すことができるわけです。

EBWin4の作者、hishidaさんのブログによると、

EPWINGはもともと「電子書籍」を目指しており、一冊の本、または巻物のように、最初から最後まで通読できるようになっている。このため、EPWINGの公式ビューアであるCDView(富士通)、Viewing(イースト)、こととい(岩波書店)では、基本的に連続表示を行うようになっていた。

のだそうです。

ついでに言うと、画面下にある ▽ △ ボタン(または、[Alt +↓]、[Alt +↑])を押すと、連続表示した状態で前後に移動できます。これも、紙の辞書の前後を眺める感覚でしょう。


私たち翻訳者のふだんの使い方ではあまり必要ないように思えますが、そうとも限りません。同じブログに、こう書いてあります。

ただしEPWINGには項目の区切りという概念がないので、ソフトウェアで何の識別子を項目の区切りにするかを決定しないといけない。これはたぶんUnix上のEPWING検索システムや、DDWinのようなサードパーティ製のEPWINGビューアで出てきた概念だと思う。

この区切り設定のせいだと思いますが、『ジーニアス英和大辞典』で[連続表示]をオフにすると、最小限(下手をするとそれ以下)の情報しか出てきません。

1702124

[連続表示]をオンにしてようやくこうなります。

1702125

なんだか、G大は、やたらと「項目の区切り」が細かいようです。ほかの辞書は、ここまでではありません。ちなみに、私のG大はEPWING版で、LogoVista版については未確認なのですが、Amazonのレビューなどを見ると、版元のデータ構造をそのまま受け継いでいるため、LogoVista版でも同様ということです。

この区切りがどこにあるかは、[ファイル]→[設定]の同じ[一般]タブで、[区切り線]オプションをオンにするとはっきり分かります。

1702126

ふつうは、このCOBUILDのように単語ごとに区切りが入っていますが、G大になると

1702127

このように、うるさいくらい線が入ってしまいます(うるさいのはG大だけ。G大はJammingのほうでひくことがほとんどなので、私は[区切り線]オプションを通常オンにしています)。

そして、今回のバージョンで追加された新機能「全ての項目の表示」は、[連続表示]を使っていないほうが実感できるようです。

ということで、記事を改めます。

04:17 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.01.30

# 『精選版 日本国語大辞典』と、ジャパンナレッジ

さて、問題です。

国語辞典の『広辞苑』や『大辞林』は、大型・中型・小型で分けると、どれに分類されるでしょう。


答えは「中辞典」です。国語辞典で「大辞典」と言われているのは、

小学館『日本国語大辞典』

だけなんですね。

1701302

通称「日国」。

初版が全20巻で45万項目・75万用例を収録。現行の第二版は全14巻(本巻13、別巻1)で50万項目・100万用例を収録と、英語圏のOEDに匹敵する、文字どおりの大辞典です。

図書館ならともかく、私たちのような個人が手元にそろえるのは、ちょっと無理というもの。


そこまでの国語大辞典を頼りたい場面というのはそう多くはないかもしれませんが、もちろん、電子的に利用する方法はあります。



KODなどと比べるとけっして安くはないのですが、ジャパンナレッジというサイトです。

リンク:ジャパンナレッジ


収録コンテンツを見るとわかりますが、使えるのは「日国」だけではありません。


『日本大百科全書(ニッポニカ)』、『改訂新版 世界大百科事典』、『デジタル大辞泉』などの百科事典

『小学館 全文全訳古語辞典』、『字通』、『日本方言大辞典』などの国語辞典系

『ランダムハウス英和大辞典』、プログレッシブ英和中辞典』(第5版)、『COBUILD英英辞典』などの英語系

などなど、かなりのコンテンツがそろっています。たしかに、辞書サイトというより「ナレッジ」サイト。

これだけあれば納得できる会費とも言えるのですが、個人の基本コースでも

月額 1,620円
年額 16,200円(2カ月分お得)

と、かなりいいお値段です。私もしばらく悩んでいましたが、思い切って入会しました。


そしたら、もう明日(1/31)までなのですが、紹介キャンペーンをやってまして---

お友達紹介キャンペーン 告知

1701301

明日までに入会すれば、月払いでも年間契約でもだいぶお得になるようです。

もし、紹介キャンペーンを使いたい方は、こちらのURLを使っていただけると、ちょっとうれしかったりします。

http://japanknowledge.com/camp/mgm/?km=1105332

本体は全14巻もある「日国」ですが、さすがに利便性を考えて簡約版が、かつて出ていましたし、現在も出ています。

1981年に出たのが、「小学館国語大辞典」という1巻本(25万項目)。

これの電子データ版と思われるコンテンツ「国語大辞典(新装版)」が、かつてマイクロソフトの Bookshelf 2.0 に収録されていました。

参考記事:side A: # カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf


そして、今も出ているのが『精選版 日本国語大辞典』(以下、「精選」)です。

30万項目・約30万用例を収録するほか、「日国」にない新項目が約1,500項目・約5,000用例追加されています。

書籍版は全3巻で45,000円ですが、最近は電子データもだいぶ出回っています。

まっ先に採用されたのは、電子辞書端末でした。カシオが、3年ほど前のモデル XD-N10000 に採用し、続いてセイコーインスツルもDAYFILERの最上位機種 DF-X10001 に採用したので、今でもそれをお使いの方は多いでしょう。

昨年の今ごろはATOKの最新版に「精選」が載って話題になりました(このとき、新機能「イミクル」も盛り上がりましたが、その後はあまり話を聞きませんね...)。

そして、先日なんとiOSアプリ辞書も出ました。iOSアプリ辞書で定評のある物書堂さんです。

物書堂 精選版 日本国語大辞典

こちらも、明日(1/31)までなのですが、発売記念セールを実施していて、定価7,800円のところ、4,800円で買えます。

では、本家「日国」と精選版とはどう違うのでしょうか。

いちばんの違いは、用例の数です。精選版にも必要最小限の用例は載っていますが、日国の用例の多さには圧倒されます。

そのほか、「日国」だと方言や語源といった情報も楽しめます。

翻訳していて、直接の役に立つかどうかは分かりません。が、やはり自分の母語について、これだけ詳しい情報を利用できるというのは、ありがたいものです。

11:13 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2017.01.27

# 『辞書力を鍛える』、余談

前の記事で紹介した本、『『辞書力を鍛える - あなたの英語を変える快適辞書活用術』で、いちばん時代を感じたのが、

12冊の「ポケット判英和」を比較・検証する

という項(p.232~)でした。

新世紀幕開けと前後して、新しいポケット判英和辞典が相次いで刊行され、この分野は俄然活気を帯びてきた。

もちろん、紙の辞書の話です。

この本が出た2002年当時には、まだ紙の携帯版辞書というものに、これだけ需要があったんですね。この後まもなく電子辞書が主流になっていったので、「俄然活気を帯びてきた」のって、ほんの一瞬だったのだろうと思います。

で、この項に挙げられた辞書が今はどうなっているのか、気になって調べてみました。


取り上げられていた12冊は、次のとおり。

『エクシード英和辞典』(三省堂、1998年、12万)
『ポケットプログレッシブ英和辞典』(第2版、小学館、2001年、8万5千)
『パーソナル英和』(学研、2000年、8万)
『インフォワード英和辞典』(ベネッセ、1999年、8万)
『カスタム英和辞典』(研究社、2000年、8万)
『カラーエポック英和辞典』(旺文社、1999年、8万)
『デイリーコンサイス英和辞典』(第6版、三省堂、1997年、7万7千)
『角川モバイル英和辞典』(角川書店、2000年、6万5千)
『カラーパックス英和辞典』(講談社、1995年、6万4千)
『デイリーニューフォニックス英和辞典』(三省堂、1995年、3万7千)
『プチパル英和辞典』(小学館、1999年、1万9千)
『デイリーハイスクール英和辞典』(三省堂、1998年、1万8千)

ちなみに、「ポケット版」というのは新書サイズとほぼ同じ、おおむね16 x 10cm前後の判型を指します。厚さはいろいろ。


それぞれ、こんな行く末をたどっていました。


『エクシード英和辞典』は、第2版(2004/03)まで出たようです。


『ポケットプログレッシブ英和辞典』は、第3版が2008年なので、かなり後まで健闘した模様。


『インフォワード英和辞典』は、初版だけで力尽きました。どうりで、見たことのない名前。


『カスタム英和辞典』、『カラーエポック英和辞典』、『角川モバイル英和辞典』、『デイリーニューフォニックス英和辞典』、『プチパル英和辞典』、『デイリーハイスクール英和辞典』も、いずれも初版だけで、後は続かなかったようです。

これなどは、なかなかおしゃれなデザインですが、角川の英和辞典というのは、どんなもんでしょうね。いかにもブーム便乗商品だったのかも。

こちらは講談社で、見かけはパッとしませんが、定評のあった川本茂雄の『講談社英和辞典』を受け継いでいたようです。


『デイリーコンサイス英和辞典』は、最新が2016年の第9版と、今でも立派に現役です。さすが、『袖珍英和辞典』の末裔です。


そして、12冊のうちでいちばん見事な商品展開で生きのびている、と思ったのが『パーソナル英和』です。

本家の『パーソナル英和』としては第2版(2003/03)までしか続きませんでしたが、今ではなんと、

あるいは

そして、

こんな形でその名を残しているのでした。

『ポケットプログレッシブ』も、第2版にはピーターラビット版、第3版にはハローキティ版とか、そんな展開もあったんですね。

あ、ポケット判で思い出した。大学のとき、通学中にはもっと小さい辞書を持ち歩いてました。

1701261
(ヤフオクにしか、写真がなかった...)

新書よりさらに小さいサイズでした。

12:07 午前 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.01.26

# 『辞書力を鍛える - あなたの英語を変える快適辞書活用術』

辞書について、久しぶりにおもしろい本を読みました。

といっても、新しく出た本ではありません。初版が2002年と、紙の辞書の存在感が今よりはまだ大きかった時代の発行です。

その証拠に、読みはじめるとすぐ、こんな記述に出くわします。

手元にある自分の辞書にあまり連結(引用者注:コロケーションのこと)情報が載っていない場合はどうすればいいのだろうか。もちろん,別の辞書に買い換えるのも1つの手であるが,その前に,該当ページの余白に学習した連結を書き込む習慣をつけることを勧めたい。

辞書に書き込みする!

やってましたよね? 私も、恩師のもとで使っていた辞書(英和中辞典~現代英和辞典)には、引くたびにチェックマークを付け、いろいろとメモも書き込んだものでした。

関連記事:side A: # 辞書の記憶をたどってみた

この箇所を読んだだけで、きっと面白い本に違いないと直感しました。

そして、そのすぐ後に出てくるのが、「パラフレーズ思考」と「ループ思考」という本書のキーワード。

詳しくは、ぜひ読んでいただきたいのですが、英和、和英、英英のどの辞書についても、パラフレーズということの重要性が繰り返し出てきます。

考えてみれば、英英辞典というのは、的確なパラフレーズの集大成であり、各辞書の個性とは、そのパラフレーズのしかたの違いにほかなりません。それを意識して使えば、意味を知りたいときでも、自分で英語を書くときでも(本書は、「英語の発信」という言い方で、英語ライティングも重視しています)、英英辞典の語義の見え方が大きく違ってきます。

品詞やコロケーション、コンテキストの理解が重要であるということも、もちろん説明されています。あるいは、「動詞型のチェック: 最長一致の法則」という項には、こんな例文が出てきます。

They call on the state to educate police about domestic violence.

call onだけ調べていたのではダメで、call on ... to ... という成句を考えなければいけない。当たり前の話だとお思いでしょうが、いろいろな答案を見ていると、意外と引っかかる人が多いポイントです。

この例でもわかるように、具体例は大学受験から学部生くらいまでに適した内容なのだろうと思いますが、翻訳者として、自分の

辞書の読み方を見直す

にも適した一冊だと思います。

目次

第1章 ここから見直す英語辞書の活用法
 ・基本的活用法(でも知らないことも多いはず)
 ・歩進める英語辞書活用法
第2章 ここまでできる!各辞典に見る意外な活用法
 ・英和辞典の意外な活用法
 ・和英辞典の意外な活用法
 ・英英辞典の意外な活用法
 ・その他の書籍辞書の意外な活用法
 ・電子辞書はこんなふうに使ってみよう
第3章 辞書紹介と比較
 ・英和辞典はこれを見よ
 ・和英辞典はこれを見よ
 ・英英辞典はこれを見よ

COBUILD などで使われている文定義(かならず、文で語義を書く)がなぜ優れているのか、各種の英和学習辞典はそれぞれどんな特徴があるのか、辞書を選ぶときに何を目安にすればいいのか、などなど、改めて気づかされることは多いはずです。

第3章は、取り上げられているラインアップが今とだいぶ違うので、直接の参考にはなりませんが、英英ご三家(Longman、OALD、COBUILD)の違いなどは、今でも有効です。『ジーニアス英和大辞典』が出た直後の出版なので、G大がいかに画期的な辞書だったかも、よくわかります。

2
ただし、Weekly Asahi連載だったいうこともあって、「辞書の引き方を基本から体系的に説明している」わけではない点に注意してください。むしろ、ある程度は辞書を使いこなしているつもりになっている、くらいのレベルの方におすすめ。つまり、私たち翻訳者にぴったりということ。

もちろん、書かれている内容はどうしても古くなるわけですが、その古さが、逆にいま読むとおもしろかったりもします。

私たちがいまお世話になっているような環境については、DDWINしか紹介されていませんが、こう書かれています。

まずDDWINというフリーソフトをインターネットからダウンロードする(たとえば、ベクターのホームページwww.vector.co.jpから)。パソコン雑誌の付録になっていることも多々ある。

パソコン雑誌の付録!

そして、なんといっても時代の差をいちばん如実に感じられるのが、

12冊の「ポケット判英和」を比較・検証する(p.232~)

という項でした。この話は、ちょっとおもしろすぎるので、別の記事にします。

もっと基本のところが知りたいという場合は、こんな本も参考になります。

初版が2007年なので、電子辞書端末のノウハウなどまでカバーされています。

こちらは、岩波ジュニア新書ですが、ばかにしたものではありません。辞書を「読む」ためのヒントがたくさんあります。

そういえば、『辞書力を鍛える』って、どこかで見たなあと思っていましたが、一昨年の秋にイカロス出版から出た『翻訳力を鍛える』というムックで、私が担当した辞書のページ、タイトルの一部が「辞書力を鍛える」でしたw

06:37 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (4)

はてなブックマークに追加

2017.01.11

# 辞書ブラウザの本文内を検索

今まで、どのセミナーでも触れてこなかった辞書ブラウザの機能について、書いておきます。

単語を検索してから、検索の結果、つまり

本文内を検索する

という機能です。


つまり、昔なら 紙の辞書で単語を引く → 成句や用例を目で追いながら目的の語句を探す ということを当たり前にやっていたはずで、それをデータ上でもう少し効率的にやろうということ。

電子データになってからは、成句からでも引けるようになったので、このような使い方はあまりしなくなったかもしれません。が、インデックスの作りによっては、成句が見つからないこともよくあります。そんなときのために、昔ながらの「本文内検索」は、できるようにしておく必要があります。

「辞書ブラウザ」という言い方、だいぶ定着してきたかとは思いますが、念のためにここでも定義しておきます。

辞書ブラウザとは、

EPWING、LogoVstaなどの共通仕様データをまとめて登録し、一括検索できるアプリケーション

のことです。

Jamming(現在は入手は不可)
Logophile(Jammingの後継アプリケーション)
EBWin4
DDWin

などが代表的です。

以下、代表的な辞書ブラウザごとに、この機能を紹介します。


Jamming

[検索]メニュー → [本文内をテキスト検索]、または Ctrl + F

1701111_2

[本文内をテキスト検索]ダイアログが開きます。

残念ながら、オプションがいっさいなく、機能は貧弱です。しかも、いちど検索するとダイアログが閉じてしまうので、続けて検索するには、Ctrl + Shift + Fを押します。

検索した語は、その後もフィールドに残ります(検索履歴はない)。

※ただし、私のメインPCだけらしいのですが、Ctrl + Shift + Fを押すと、なぜか検索語入力フィールドが右寄せになってしまうという不思議な現象が起こります。


Logophile

[編集]メニュー → [本文内をテキスト検索]、または Ctrl + F

1701112

[検索]ダイアログが開きます。

だいぶオプションが増えています。いちど検索してもダイアログが閉じず、[次へ]で順々に検索していけるので、だいぶ使いやすくなりました。

ところが、検索した語が、フィールドに残りません。いくつかの語句を引き比べながら、同じ語句を本文内検索したいときには、けっこう不便です。


EBWin4

[編集]メニュー → [このページの検索]、または Ctrl + F

1701113

[検索]ダイアログが開きます。

Logophileのときとまったく同じ。おそらくWindowsで同じAPIを使っているのでしょう。機能もまったく同じですし、検索した語がフィールドに残らない点も同じです。

※ひとつだけ違う動作がありました。検索直後は、[このページの検索]がグレーアウトされていて使えません。フォースが結果リストのほうにあるからです。本文(右側)を1回クリックすると、このコマンドが使えるようになります。


LogoVista固有ブラウザ

[編集]メニュー → [本文内検索]、または Ctrl + F

ダイアログも機能も、Logophileとまったく同じです。


いままで、成句や用例を探そうとして見つけられなかった人は、この機能で本文も検索してみてください。

02:40 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.12.08

# 最近買った国語辞典たち ~ すべて書籍版

紙の国語辞典が3冊増えました。

161208

本棚の整理と入れ替えが済んでいないので、PCデスクのすぐ横に積んだまま使っています。

きっかけは、この本でした。

言うまでもなく、「日国」こと『日本国語大辞典』の編者である松井栄一(まついしげかず)さんが、祖父~父~ご自身という三代にわたる辞書一家のことと、日国の完成に至る経緯を紹介した本。

『舟を編む』で感動した方は、その次に読むといいかもしれません。

この経験を踏まえ、日本語を学ぶ外国人に役立つようにと、配慮を加えた新しい辞書の第一歩として、私は『日本語新辞典』を二〇〇五年に刊行しています。

松井先生の『類語使い分け辞典』は持っていましたが、不勉強なことに、この辞書のことは知らなかったので、さっそく買ってみました。


辞書その他のセミナーで、私はよく「(英日翻訳で)日本語を書くとき、

自分の言葉選びに根拠を持てる

ようにしよう」という話をします。ところが、一般の国語辞典は、類語や使い分けなどの情報、それがわかる用例が十分とは言えません。そういう情報を得たければ、

外国人相手の日本語教師向けの参考書

が便利。ということもセミナーでよく紹介しています。スリーエーネットワークの一連の本などです。

『日本語新辞典』は、そういう「現代日本語の使い方についての情報をなるべく載せよう」という方針で作られました。

類語情報は、先に挙げた『類語使い分け辞典』とかぶっている部分もありますが、収録されているのは『類語使い分け辞典』が501グループ、約2400語。『日本語新辞典』が約1,500グループ、約4,500語と、だいぶ多くなっています。

たとえば、「特に/殊に/とりわけ」の使い分けなどは『日本語新辞典』にしかありません。「議論/論議」の使い方なども、かなり詳しく説明してくれています。

「相棒」の項に、「◆相手が目上の場合はあまり使わない」などの補足があるのも助かります。ちなみに、『新明解』には、「上下の意識なく一緒に仕事をする仲間」と書いてありますが、これはあくまでも意識の問題で、実際に「相棒」と呼ぶかどうかという「用法」を説明した情報ではないと思われます。

もう少し使い込んだら、改めてレポートを書くかも知れません。

他の2冊は、先週の土曜日に久しぶりにJAT(日本翻訳者協会)の忘年会に出かけたとき立ち寄った八重洲ブックセンターで見かけた1冊。

そして、あとからネットで買った1冊。

副詞や形容詞について、すべて「プラスイメージかマイナスイメージか」という解説が付いています。

みるからに[見るからに]
【解説】外見から典型的であることを推量する様子を表す。ややマイナスイメージの語。

こんな具合です。


副詞と言っても、広く連用修飾語が収録されているので、「ちかって」のような動詞の連用形とか、「ただもう」のような複合語も載っているところが◎です。

また、索引もかなり工夫があって、どんな人が使うかという観点や、どんな心理で使うかというシチュエーションから引くこともできます。

比較表現を訳すときにできれば使いたくない「より~」については、こんな例文と解説が載っています。

④よりよい地球の未来を目指します。(CM)
⑤計画がより具体化したところで改めて検討する必要がある。

④のように次にくる形容詞との結合が強くなると、一語の形容詞として扱われる。
⑤は信仰を表す動詞に係る修飾語の用法である。かなりかたい文章語で公式の発言や報道に用いられ、くだけた会話には登場しない。

安くない買いものでしたが、この2冊、かなり役に立ちそうです。

04:23 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (1)

はてなブックマークに追加

2016.12.01

# 紙の辞書はどうやって使う?

さてさて、日付が変わって今日から12月。

side Aも、しばらく翻訳祭ネタばかりでしたが、ぼちぼち通常モードに戻ります。


わりと先ほどですが、Twitterで

紙の辞書の箱は捨てるかどうか

という話が出てきたので、私が紙の辞書をどうやって使っているのか、紹介しておきます。このネタ、今までまったく思いついてませんでした。

1612011

私が主に常用している紙の辞書たちです。紙の箱、捨ててません。

と言っても、これは撮影用に置き直してあり、ふだんの状態とは違います。

・紙の箱を裏返す

・本体は横向きに、つまり箱に対してL字型を作るように箱に入れる

つまり、

1612012

こんな状態で置いています。

ぜんぶの辞書をこのように収納したところが、これ。

1612013

こうやって置くと、取り出すのも、元に戻すのも、けっこうスムーズです。箱があるので、本体もよれたりしないし。

それから、もうひとつメリットがあります。

小口に付箋が貼ってあるのが、上の写真でも見えています。この置き方にすると、上小口でも前小口でも、付箋を貼ったままにしておけるわけです。


12:49 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.11.13

# PASORAMA搭載機種の中古

PASORAMA搭載機種の入手について、ちょっとおもしろい話を聞きました。


ご存じのように、PASORAMA搭載機種のフラッグシップ、DF-X10001は、ときどき中古が出回っていますが、かなりの高値が付いています。

DAYFILERというキーワードで検索すると、こういう高額の商品しか見つかりませんが、実はDAYFILERの名を冠する前にもPASORAMA機能の搭載は始まっていました。

中古を探すとき、"DAYFILER" ではなく "セイコー PASORAMA" などで検索してみてください。そうすると、手頃な価格でPASORAMA搭載の機種が、まだ見つかります。

なかでも、おすすめなのがこれ。

……とか言って書いちゃったら、あっという間になくなりそうですが。


あるいは、これ。

「生協モデル」というのは販売形態が違っていただけで、実際にはSR-G9003です。型番がちょっと違いますが(-NH3)、これはコンテンツが少し増えたバージョンで、基本はSR-G9003と同じ。


私も、この機種持ってます。

リンク:side A: # 電子辞書 SR-G9003 を導入

5年前ですね。詳しくはこちらのブログをご覧ください。

DF-X10001と大きく違うのは、「リーダーズ第3版」が入っていないことと、いくつかの辞書でバージョンが違うこと。

逆に、DF-X10001に載っていない魅力的なコンテンツも入っています。

- 研究社 ルミナス英和辞典2版
- 岩波書店 岩波理化学辞典 第5版
- The Concise Oxford English Dictionary, 11th Ed

CODが載っている電子辞書端末というのは、かなりレアです。

端末そのものも、画面がモノクロ、タッチ操作非対応などと差はありますが、翻訳者には気にならないはず。


PASORAMA搭載端末、まだ入手のチャンスありです。

ただし、中古なので、必ず

状態や付属品を確認

してからご購入ください。


また、Windows 8や10では、PASORAMAがうまく使えない可能性があります。その場合は、ドライバが公開されていますので、試してください。

リンク:ダウンロードサービス|SII電子辞書

07:11 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2016.11.01

# Jammingの「入力文字種の変換オプション」に注意

お伝えしていたように、名古屋翻訳者勉強会で辞書の話をしてきました。その様子については、また改めてご報告しますが、なんとか、お伝えしたいことを伝えられたように思います。


さて、最近の辞書セミナーで、Jammingの機能にはあまり触れません。すでに入手できなくなっているからです。が、名古屋では、私がふだんどんな辞書環境を使っているか、という質問をいただいたので、

「実は、JammingもLogophileと並んでメインで使っています」

とお答えしました。


そのJammingで、日本語を検索するときのオプションに、私としては新しい発見がありました。

[オプション]メニューの上のほうにある機能です。


結論から先に書きます。

[オプション]メニューの上のほうに、こんなコマンドが並んでいます。

1611011


このうち、[欧→英]はデフォルトでもオンのようなので、そのままでかまいませんが、その下の「かな」と「カナ」のオプションです。これは

[かな・カナ]

にしておいたほうがよさそうです。


Jammingのユーザーズガイドには、こう書かれています。

1611012

これを見ると、
 カナ→かな
 かな→カナ
 かな・カナ
をそれぞれオン/オフできるようにも読めますが、実際にはexclusiveで、いずれか1つがオンになります。

[かな・カナ]

にすると、時間がかかると書かれていますが、私の環境ではそれほどでもありませんでした。

さて、このオプションに改めて気付いた顛末です。


今週のニュース翻訳案件に、bumpという単語が出てきました。調べていたら、

研究社大英和
RHD2
リーダーズ2
リーダーズ3

で、こんな語義が目にとまりました。

bump 2
n 《響きわたる》サンカノゴイの鳴き声.
vi 〈サンカノゴイが〉鳴く.

仕事に出てきたのは1のほうの語義なので、これは関係いのですが、「サンカノゴイ」という文字列が、なんとも気になりました。もしかしたら、ゴイサギ(五位鷺)の仲間かなぁと思ってググってみたら、案の定、サギの一種だそうで。

リンク:サンカノゴイ(Wikipedia)

なんで、そんなspecificな鳴き声が単語になってるんだ、と思いましたが、ゴイサギというのは鳴き声がけっこう特殊らしいので、そのせいかもしれません。


さて、ここからが辞書の話です。

この「サンカノゴイ」の話をFacebookに投稿しようと思いましたが、納品が終わって何時間かしたら、もう元の英単語をすっかり忘れていました。

さて、手元の辞書で、どうやって引けばいいでしょう。

「サンカノゴイ」からの逆引きかと思いましたが、LogophileとEBWin4では、「前方一致」だけでも、RHD2、リーダーズ2、リーダーズ3では bump 2 がヒットしました。

一方、Jammingだと、「前方一致」でも「一網打尽」でもヒットしません。


そこで、ふと気づいたのが、上述のオプションだったというわけです。

デフォルトがどれなのかわかりませんが、私のJammingは[カナ→かな]になっていたのでヒットしなかったようです。これを[かな→カナ]に変えるだけでもヒットしましたが、どうせなので、[かな・カナ]で使ってみることにします。


08:15 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.10.03

# 訳出のバリエーションと「EDICT2」

アルクさんの通訳・翻訳ポータルサイト「翻訳・通訳のトビラ」に、今春開催した翻訳フォーラム・シンポジウムの特集記事が掲載されていることは、すでにお伝えしました。以前は一部でしたが、記事がすべてそろいました。

リンク:「翻訳フォーラムシンポジウム2016」レポート|翻訳・通訳のトビラ|アルク

161003alcbanner


最後に追加されたのが、「翻訳フォーラム・ワークショップ「めだかの学校」発表会」という記事です。

シンポジウム当日は、この発表内容が特に好評だったようで、このワークショップで取り上げた内容を聞いてみたいという要望が多く寄せられました。そこから生まれたのが、前エントリーでも紹介した「翻訳フォーラム・レッスンシリーズ」です。


今回は、この記事のうち「2. 訳例カード班」というセクションにご注目ください。形容詞mostをどんな風に訳せるか、そのパターンをいろいろと分析するという内容です。

同じ原語でもいろいろ訳し方を変えてみるというのは、翻訳者なら日常的にやっているはずです。が、それを「訳例カード」---辞書作りの現場を簡単に再現したイメージです---という形で実際にやってみると、驚くほどの再発見があります(訳例カードを使うレッスン・シリーズについては、決まり次第ご案内します)。


そこまでいかなくても、「意図的に訳出のパターンを変えてみる、手持ちの表現力を増やす」ということを意識していなかった人は、そこを意識してみることをおすすめします。

たとえば、at least という熟語を相手にしたとき、「少なくとも、最低でも」くらいの手持ちしかないと、前から修飾するパターンでしか訳文を作れません。前後のつながりによっては、使いにくいこともあるでしょう。

こんなときは、「うんのさんの辞書」に頼るのもひとつの方法です。うんのさんでも、版が変わると訳語が増えています。


少なくとも, 最低で, せめて, とにかく, いずれにせよ 【うんの 第3版】

少なくとも, 最低でも, せめて; とかく, とにかく, ともかく, いずれにせよ, いずれにしても 【うんの 第5版】


これだけ訳語候補が挙がっていますが、それでもすべて

「前から修飾」のパターン

しかないことにお気づきでしょうか。


辞書によっては、用例を見ていけば、「~以上」という訳し方は見つかるかもしれません。


こんなとき、なかなかやるなぁという辞書があります。しかも無料。以前もご紹介した、EDICT2です(参考過去記事:# EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち)。

EPWINGデータを以下のページからダウンロードできます。

リンク:EDICT2 (EPWING)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!


このEDICT2でat leastを引いてみると、

~くらい、ぐらい
~だけは

という形式名詞を後ろに付ける"訳し方"も見つかります。


probablyを引いたときも、なかなかおもしろい訳し方が見つかりました。

~であろう
~まい probably isn't (doesn't, won't, etc.)
蓋し

海外の学者が作っただけあって、逆にふつうの英和辞典編集では採用できない形がいろいろと収録されているようです。

probablyの項に、「む」と出てくるのは、なかなか高度です。

(aux-v) (4) (after a -nai stem) probably

「ない」の語幹に続く助動詞、ということですね。「なから-む」という古語のことでしたw

01:33 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.07.24

# 『デジタル類語辞典』のこと

これまでの辞書セミナーなどでも、実はあまり詳しくお伝えしてこなかった辞書があります。

そのひとつが、これです。

リンク:デジタル類語辞典 マインドマネージャーストア

1607241


なぜあまり紹介していないかというと、販売状況が微妙なことがあったからなのですが、現在の販売元(上記のサイト)に行けば入手できるようです。



7/24現在も、Amazonでは「取り扱っていません」あるいは「出品者からお求めいただけます」となっています。出品者名は上記サイトのメーカーです。

【7/25追記あり】
JammingとEBWin4の場合について、ちょっと補足しました。


その名のとおり、日本語の類語辞典です。

1607242

EPWINGなどの統一規格ではなく、データの変換もできないようなので、このように単独のアプリケーションとして使用します。

『日本語大シソーラス』のように、概念カテゴリで分類して示すのではなく、類語を羅列するだけです。訳語を悩んでいるときには、この形で候補をざっと眺めたほうがいいときも多いものです。

ただし、「同義語」、「広義語」、「狭義語」、「関連語」などの分類はあります。


こういう一覧を表示する最小限の使い方だけでも重宝しますが、いくつか便利かもしれない使い方を書いておきます。


類義語に移動

上のスクリーンショットは「冗談」を引いたところです。「諧謔」、「ユーモア」などの類義語が並んでいるので、これをダブルクリックすると、その語で改めて検索できます。つまり、表示された候補を次々とダブルクリックしていけば、類語ネットワークをどんどん移動していけるという仕組み。

移動した履歴は、ツールバーにある「前」/「後」ボタンで行ったり来たりできます。


他の辞書を引く

機能性にちょっと難点もあるのですが(後述)、なかなか便利な機能です。

候補の語を選択して右クリックすると、[他の辞書を引く]というコマンドがあります。これを使うと、設定してある辞書を検索できます。

製品の案内ページを見ると、連携できる辞書が実はかなり多彩です。

【連携可能な電子辞書】
・LogoVista辞典ブラウザ
・Microsoft Bookshelf 3.0
・Microsoft/Shogakukan Bookshelf Basic 2.0/3.0
・DDWin Ver2.59/Ver2.66
・Jamming Ver2.1/Ver2.3.1/Ver2.6.4/Ver3.9.9
・Personal Dictionary for Win32Ver4.33/Ver4.42/Ver4.53/Ver4.74
・PDIC/Unicode Ver.5.2.5
・広辞苑 第六版
・エンカルタ百科事典2001
・現代用語の基礎知識
・新英和・和英中辞典
・類語例解辞典
・マイペディア百科事典
・学研super日本語大辞典ver1.0.2
・マルチメディア総合辞典
・スーパー大辞林
・デジタル大辞典
・ザ・完字変換
・理化学辞典
・ViewIng Ver2.42/Ver3.0
・DTONIC Ver2.44
・ことといLight Ver3.5.2
http://v-networks.co.jp/SHOP/VNC_TH08.html より)

EBWin4はこのリストに入っていませんが、試してみたら大丈夫でした。


設定は簡単です。

  1. [ツール][他の電子辞書との連携設定]を選択する と、こんなダイアログが出てきます。

    1607244

  2. [名前]に辞書名を入力します(名前は任意ですが、入力は必須)。
  3. ダイアログにあるこのボタン
    1607245_2
    を、使いたい辞書の入力フィールドまでドラッグ&ドロップします。この操作、「かんざし」に似てますね。
  4. [状態]はデフォルトで[可]になるはずなので、そのまま[終了]をクリックします。

これで、語句を右クリックして[他の辞書を引く]すれば、たの辞書を引けるようになります。辞書はいくつでも登録できます。その場合は、「かんざし」のときと同じように1回の動作で複数の辞書が勝手に検索されます。


ただし、ちょっと機能に限界があります。

いったん辞書を設定しても、辞書の側で検索方法を切り替えたり辞書を切り替えたりすると、そこで連携が切れてしまうということです。

しかも、元の設定に戻してもダメで、「デジタル類語辞典」のインターフェース自体を再起動すれば、また使えるようになります。

たぶん、連携設定した時点の辞書側のウィンドウ状態を記憶しているからで、その状態がいったん変わってしまうと、元に戻してもダメなんでしょう。

ちなみに、私の環境では、こんな感じでした。

Jammingだと---
検索方法(前方、一網打尽など)を切り替えるとダメ。辞書を切り替えてもダメ。

EBWin4だと---
検索方法(前方、自動など)の切り替えだけなら連携は切れない。辞書を切り替えるとダメ。


Webサイトを検索する

EBWin4とかLogoVistaブラウザでもおなじみのWeb検索機能です。

[ツール][ウェブサイトの設定]で、Webサイトを設定します。

1607246

デフォルトで、Googleなどいくつかの検索エンジンが登録されています。[状態]が[有効]になっている検索エンジン全部で検索を実行してくれるので、オンラインの国語辞典を使っている人は、ここに登録しておくといいかもしれません。

不要なエンジンは[削除]もできますが、[状態変更]を押して[無効]にするだけでもOK。


で、おもしろいのはここからです。

デジタル類語辞典のインターフェースでは、複数の候補を選択できます。その状態でこのWeb検索機能を使うと、そのすべてをキーワードにしてWeb検索されます。

たとえば、上のスクリーンショットで「ユーモア」と「戯れ言」を選択してGoogle検索すると、

1607247

こうなります。


候補をコピーする

ヒットした各ウィンドウで語句を選択し、右クリックで[コピー]を選択する(または Ctrl+C を押す)と、その語をコピーできますが、複数選択(Shiftキーを押しながら、とかCtrlキーを押しながらとか)してコピーすることもできます。

類語候補をまとめて別ファイルに貼り付けて確保しておく、みたいな使い方ができそうです。

ただし、(おそらく著作権の問題で)複数コピーできるのは最大で10個ずつです。候補がそれ以上あるときは、改めて次のまとまりを選択する必要があります。

また、デフォルトでは、複数候補をコピーすると、区切りがまったくありません。つまり、たとえば上の例で「同義語」をすべて(6つの語句)をコピーし、貼り付けると、

諧謔こっけいユーモアかいぎゃくジョークじょうだん

こうなってしまいます。もちろん、設定で変更できます。

メニューから[編集][コピーセパレータ]を選択すると、

1607243

このダイアログで区切り文字を選択できます。


というわけで、基本機能だけ使っていたのではもったいない辞書の話でした。


【7/25追記】

Logophileには日本語辞典をほとんど入れていないので、JammingとEBWin4の場合について補足しておきます。

「辞書の側で、検索方法や対象の辞典(グループ)を切り替えると動かなくなる。類語辞典を再起動すると直る」

という点は変わりませんが、辞書によってこの辺の状況も変わります。


Jammingの場合、検索方法別に連携を登録しておく必要があるようです。

たとえば「前方一致」の状態でのみ登録した場合、「一網打尽」に切り替えると動作しなくなるのは通常どおりですが、類語辞典を再起動しても「一網打尽」に対しては動作しません。この2種類の検索方法をよく使う場合には、「前方一致」と「一網打尽」それぞれの状態で連携を登録する必要があります。


EBWin4の場合、検索方法を切り替えただけなら、類語辞典の再起動は不要です。この点は便利です。辞典(グループ)を切り替えたときは、もちろん類語辞典の再起動が必要。

12:57 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.07.10

# Logophileのみ対応している辞書タイトル

この話は、『翻訳のレッスン』でも軽く触れていますし(pp.104-105)、辞書についてのセミナーでも機会があれば紹介していますが、こちらのブログではまだ取り上げていませんでした。


Logophile(ver1.6)が対応している辞書の一覧は、ユーザーズガイドのページにあります。

リンク:Logophileユーザーズガイド


このうち、LogoVistについては、ある時期以降のデータを読み込めなくなっていることは、すでにご存じかと思います。

注目は、もともと単独のアプリケーションとしてインターフェースを起動しなければならない辞書タイトルが、Logophileにはそのまま登録できる(データの変換などが不要)ということ。

以下、そういう辞書タイトルのうち、私が使っているものを紹介しておきます。

リンク先はいずれもAmazon。アルファベット順です。

Cambridge Advanced Learner's Dictionary 3rd Edition(CALD3)

基本は英語ですが、米語にも対応しています。語釈はあくまでもオーソドックス。例文が豊富なのも長所です。

ただし、Logophileが対応しているのは第3版で、現時点で最新は第4版(2013年刊)です。ご購入の際はご注意ください。


Collins COBUILD 2006

説明は不要でしょう。豊富な用例のWordBankが付いています。Logophileに登録するときは、本体とWordBankを別々に登録します。


Longman Dictionary of Contemporary English 5th(LDOCE5)

こちらも説明は不要。最新は第6版ですが、データとして手に入るのはこれが最新です。

文法事項、類語情報なども高い再現性で収録されます。


Longman Advanced American Dictionary 2nd(LAAD2)

かなりの部分がLDOCE5と共通ですが、同じ単語を引いても、たとえば語義順やレジスターなどに違いがあるので、たとえばsmartなども、ずいぶん違います。


Macmillan English Dictionary for Advance Learners 2nd(MED2)

個人的に好きな辞書です。語釈は、ある意味でCOBUILDより平易。

単語によっては、大きいカテゴリーが冒頭にまとめてあるというタイプです。

1607103

また、学習者向けの語法情報なども豊富です。

1607104


Oxford Advance Learner's Dictionary 8th(OALD8)

これも、最新は第9版ですが、データとして手に入るのはこちらが最新。

次に紹介しているOLTの類語情報も、ある程度まではこちらでも確認できます。

音声やレイアウトまで含め、Logophileでの再現性がなかなか高いのもうれしいところです。


Oxford Learner's Thesaurus(OLT)

類語辞典として、私があちこちでお奨めしている辞書です。「類義語になっている」という観点だけでなく、「類義語になっていない」という観点まで考えると、うまく使いこなせます。


E-Dic 第2版

こちらは、以前紹介しました。

リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

なお、以上で紹介したタイトルは、いずれもLogophileユーザーズガイドに掲載されているISBNからAmazonで検索したもので、旺文社など日本の会社が介在して販売している製品が多くなっています。

もともとの海外版でも、同じ版のCD/DVD-ROMなら読み込めると思うのですが、保証の限りではありません。

私自身も、素直にISBNで検索し、ここに挙げた商品を購入しました。

※つまり、ここから買ってくれるとうれしい、という意味です ^^

03:07 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# Logophileのインデックスは壊れることがある?

いつ頃からそうなっていたのか定かではありませんが、Logophileで全文検索が効かなくなっていました。


いろいろ調べてみたのですが、結論から言うと、Logophileのインデックスはなんらかの拍子に正しく機能しなくなるようです。

ただし、これは私の現在のメインマシン上で起こっただけであり、別のマシンで再現テストは行っていません。また、ほかの方から同類の症状を聞いてこともないので、あくまでも参考程度のお話です。

この症状に気づくまで、私のLogophileにはめぼしい辞書がひととおり入っていました。

ところが、ふと気づいてみると、その状態で全文検索がまったくできない……。気づいたのは研究社新英和大を使っているときでしたが、そのほかの辞書でも同じです。

これでは、高速な全文検索が売りのはずのLogophileを使っている意味がありません。


しかたがないので、[全インデックス削除]を実行して、30個ほどある辞書のインデックスを作り直しました。これ、仕事と並行した "ながら作業" ではあっても、一晩くらいかかります。


インデックスを、なぜ辞書単位では削除できず、[全インデックス削除]しかできないかというと、Logophileのインデックスは、辞書ごとに作成されるのではなく、

1607102

このようにすべてが1つのデータベースになっているため、のようです(ファイルが複数ありますが、これは各辞書に対応しているわけではありません)。


だから、もしかすると特定の辞書データに不具合があると、それがインデックス全体に影響してしまうのかも、という仮説も出てきます。


実験1

そこで、今回は念のため辞書のインデックスを作成するたびに全文検索の動作を確認していくことにしました。

すると、OEDのEPWINGを追加したところで全文検索がダメになり、OEDが容疑者になりました。というのも、OEDのEPWINGというのは純正ではなく、スクリプトで生成したカスタムデータだからです。

試しに、[全インデックス削除]ではなく、OEDだけ削除してみると、全文検索機能は復活しました。


実験2

この段階で、もう一度[全インデックス削除]を実行し、今度はOEDから追加してみました。が、それだけでは特に異常がありません。新英和大や、比較的新しく追加したデータ(Cambridgeなど)から順に追加していきましたが、10個ほどまでは正常。

ところが、ある程度進んだところでまたダメになる。

ということは、必ずしもOEDが犯人ということではないようです。

しかも、それ以外にどの辞書のインデックスを作るとダメになるか、というのも固定ではありません。


しかたがないので、Logophileは当面、どうしても入れておきたい辞書と、Logophileでしか使えないデータのみに絞る、ということにしています。それ以外の辞書で全文検索が必要なときは、EBWin4に頼ることにします。

・新英和大
・新和英大
・新編活用

・Cambridge Advanced Learner's Dictionary 3rd Edition
・Collins COBUILD 2006(WordBank含む)
・Longman Dictionary of Contemporary English 5th
・Longman Advanced American Dictionary 2nd
・Macmillan English Dictionary for Advance Learners 2nd
・Oxford Advance Learner's Dictionary 8th
・Oxford Learner's Thesaurus
・E-Dic 第2版

これだけです。


このうち、赤字で示したのが、

本来はすべて個別アプリケーションだが、Logophileのみ独自に対応している

辞書タイトルです。

Logophileも使う最大のメリットは、この点にあると断言します(まあ、英英なので大半はオンラインでも引けるんですが)。

これについては、次のエントリで紹介します。

02:16 午後 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.07.06

# EBWin4でWeb検索―実はなかなか便利だった

老舗のJammingやLogophile、DDWinになく、後発のEBWin4にある機能が「Web検索」です。


「辞書ブラウザで検索した語句を、そのままWebでも検索できたら便利かも?!」

という発想でしょう。自分はあまりそういう使い方をしないので、これまで試していませんでしたが、オンライン英英をよく見るようになってきたので、使ってみました。


結論から言うと、なかなか便利そうなので、使い方をご紹介することにします。と言っても、たいして難しくはないんですが……。

【2016/7/6追記:Logophileには、Web検索を設定する機能はありました。ただし、既定のブラウザで検索ページを開くだけで、Logophileウィンドウ内に表示されるわけではありません】

ちなみに、Web検索のできる辞書ブラウザは、EBWin4のほかにもあります。


ひとつは、Dicregate

電子辞書もWeb辞書も登録でき、すべてがタブ表示されます。ただ、このソフトウェアは検索オプションがないので、通常の辞書も含めてこれをメインで使う気にはなれません。


もうひとつはPASORAMAですが、指定できるWebが1つだけで、切り替えるにはいちいちオプションダイアログを開かねばなりません。

1607061


こう考えると、総合的にはEBWin4が私にはいちばん使いやすい。ただし、ふつうに検索して電子辞書とWebがいっぺんに検索されるDicregateと違って、通常の検索では電子書籍しか検索されません。Webを検索するには、その後で

1607062

オプションバーのこのボタンを押す必要があります。が、1回押せば、

1607063

このようにWebページが一覧されるので、後はクリックして切り替えられます。ひと手間多いだけです。

YahooやWikipediaなどのURLがあらかじめ登録されていますが、もちろん自分で追加できます。

  1. Web検索のアイコンにカーソルを置くと、右に下向き▼が表示されるので、そこから[Web辞書の編集]を選択します。

    1607064

  2. 左下にある[Add]ボタンをクリックします。
  3. [Name]に任意の名前を付け、[URL]に検索URL(後述)を入力します。
  4. [Post String]はほとんど必要ありません。
  5. [Enabled]をチェックします(これを忘れると表示されない=使えない)。

削除はしないが通常は使わないWebについては、[Enabled]のチェックを外します。

手順はこれだけで、削除もできるのですが、残念なことに

順序を変えるオプション

が今のところありません。暫定的な方法は、後述します。


さて、問題のURLですが、まず代表的な(無料の)英英辞典のURLを挙げておきます。これを[URL]フィールドにコピペすればOKのはず。

※上のスクリーンショットで赤く囲った6つのサイトはデフォルトです。

Dictionary.com
http://www.dictionary.com/browse/

American Heritage Dictionary
https://www.ahdictionary.com/word/search.html?q=

Cambridge Dictionaries Online
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/

Collins Dictionaries
http://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/

Longman English Dictionary Online
http://www.ldoceonline.com/search/?q=

Macmillan Dictionary
http://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/

Merriam-Webster
http://www.merriam-webster.com/dictionary/

Oxford Dictionaries
http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/

DictJuggler - 訳語辞典
http://www.dictjuggler.net/yakugo/?word=

Microsoftランゲージポータル
[URL]https://www.microsoft.com/language/ja-jp/Search.aspx?sString=
[Post String]&langID=ja-jp

※これだけは、[Post String]も必要です。


これ以外のサイトを使いたい場合も、特に難しいことはありません。

  1. 使いたいサイトに行って、何か検索します。
  2. 検索結果のURLバーを見て、検索語の前の部分を[URL]に、後の部分を[Post String]に入力します。たとえば、英辞郎(無料版)で fairy を引くと、URLはこうなります。
    http://eow.alc.co.jp/search?q=fairy&ref=sa
    この場合は、
    [URL]が http://eow.alc.co.jp/search?q=
    [Post String]が&ref=sa
    です。

いろいろ試してみてください。

ただし、検索サイトで特殊なスクリプトが使われていたりすると、うまくいかないこともあります。検索できても、表示が少し崩れることもあるようです。

また、

1607065

このように、検索フィールドが空になるサイトもありますが、検索はちゃんとできています(なぜか、American Heritageは、表示がかなり下になります)。

最後に、Webサイトを登録するダイアログで順序を変更できない問題について書いておきます。

Webサイトの指定は、以下のファイルに記録されています。

C:\Users\<ユーザーディレクトリ>\AppData\Roaming\EBWin4\engines.dat

こんな感じのテキストファイルです。

1607066

このファイルを編集すれば順序は変更できる……はずなのですが、私は一度、EBWin4自体が起動しなくなりました(このときは、デフォルトの6つのサイトを削除した)。

その後もう一度試したら無事に編集できましたが、起動しなくなった理由は不明です。

もし、このengines.datファイルを編集して順序を変えようという場合は、必ず正常な状態でengines.datのバックアップを確保してから作業してください。

02:15 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.07.04

# 『語句楽辞典』を、ちょっとだけPASORAMAライクに

DAYFILERに搭載されていたPASORAMAは、電子辞書端末のインターフェースが(ほぼ)PC上に再現されるという画期的なソフトウェアでした。

・PC上で入力・検索できる
・検索結果をPC上で見られる
・辞書の内容をコピーできる

iPad上のアプリ『語句楽辞典』も、メーカーさんがその気になってくれれば、PASORAMAと同じようなインターフェースをまた開発してくれる可能性がないでもありません(ないかもしれません...)。

少しでもそれに近い操作ができるものはないものものか---と探していたら、ひとつだけありました。

Wifi Keyboard

というiOSアプリです。

1607042

リンク:Wifi Keyboard


ここでは、『語句楽辞典』を使う前提で紹介しますが、基本的には

PCのキーボードを使ってiPad上で入力する

ためのツールです。たとえば、iPad上の「メモ」アプリとかEvernoteに、PCのキーボードを使って入力できるということです(それはそれで、使い道がありそう)。それを、辞書検索に使おうというわけです。


使うまでの設定は、以下のとおりです。

  1. iPadとPCを、同じLANに接続している必要があります。
  2. iPad上のApp Storeで「Wifi Keyboard」を検索し、インストールします。基本は無料ですが、日本語キーボードだと有料です。240円なので、アプリ内で購入しましょう。
  3. iPadの「設定」を開き、「一般」→「キーボード」と進み、「キーボード」→「新しいキーボードを追加...」の順にタップして「Wifi Keyboard」を追加します。

    1607043

  4. 追加された「Wifi Keyboard」をタップして、「フルアクセスを許可」をオンにします。
  5. メモでもなんでも、文字入力を伴うアプリを開いて入力モードにします。
  6. 地球儀アイコンをタップすると(あるいはしなくても)、スクリーンキーボードに次のようにIPアドレスが表示されます。

    1607044

  7. PC上で、ブラウザにこのIPアドレスを入力してアクセスすると、こんな画面になるはずです。

    1607045

    上の図のように、Connectedと表示されていれば成功。

これで、『語句楽辞典』を起動し、ブラウザの「Wifi Keyboard」ウィンドウに語句を入力すれば、あ~ら不思議。入力した文字が『語句楽辞典』の入力フィールドに入力されるはずです(ほかのアプリでも入力できるはず)。


もちろん、できるのは入力だけです。PASORAMAのように、結果がブラウザ上に出てくるわけではありません。検索結果を選んだり辞書を切り替えたり、これ以降は、すべてiPad上の操作になります。

それでも、入力をPC上でできるだけで、私としては十分に使いやすくなる気がします。これで、『語句楽辞典』は十分に常用辞書環境に組み入れられました。


ただし、iPad上で操作して、カーソルが検索フィールドから外れてしまうと、とたんにブラウザ上の「Wifi Keyboard」はこのように......

1607046

Disconnectedとなり、入力操作ができなくなってしまいます。こうなったら、iPad上で検索フィールドをタップすれば、瞬時にConnectedになります。


逆に、このソフトウェアを使うメリットがほかにもあります。

これは『語句楽辞典』の欠陥なのですが、いったん入力した検索フィールドを、いっぺんにクリアする方法がありません。Backspaceで1文字ずつ消すしかない。これはイヤです。

ところが、「Wifi Keyboard」には独自のショートカットがあります(ブラウザウィンドウの「Shortcuts & Functions」以下にある)。

ここに、

Delete (Word) Shift + Delete

Delete (Line) Shift + Ctrl + Delete

というショートカットが用意されています。これを使えば、語句楽辞典の検索フィールドを一発クリア。


iPad上で容量を確保できたら、あとはこのアプリでここまでできます。いかがでしょう。

06:00 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# 『語句楽辞典』―SIIの辞書ビジネスがついに復活!

PASORAMA機能搭載のDAYFILERシリーズでたくさんの翻訳者に愛されていたセイコーインスツル(SII)さんが辞書ビジネス市場を去ってから、1年以上が経ちました。

撤退発表の声明文のなかに、こう書かれていたのを、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

なお、本事業で培った、辞書コンテンツの利用ノウハウやそれらを活用した検索サービス等については、セイコーホールディングスグループ内にて、ビジネス展開の可能性を検討していく予定です。
電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーインスツル株式会社


その言葉どおり、SII の辞書コンテンツが、ついに

iPadアプリとして復活

しました。

リンク:語句楽辞典 | 電子辞書アプリケーション | セイコーソリューションズ

リンク:セイコー電子辞書アプリ『語句楽辞典』

1607041

本体はiPadアプリで、ライセンスを購入するとデータをダウンロードできるというモデルです(iPhoneには対応していません。また、iPadも古い機種には非対応です)。


リンク:語句楽辞典を App Store で - iTunes - Apple

(本体アプリは誰でも無料でダウンロードできますが、これにはサンプルデータしか入っていません)


辞書データのほうは、

・高校生向け、2モデル(スタンダード、プレミアム)

・大学生向け、2モデル(スタンダード、プレミアム)

というラインアップで(収録コンテンツはリンク先を参照)、その名のとおり、対象は学生という位置付けです。

しかも残念なことに、(少なくとも当面は)高校生・大学生(および教員)向けにしか販売しないのだそうです。


が、しかし!

教育機関向けを除くと唯一、

翻訳フォーラムを通じて購入

できることになりました。

リンク:辞書アプリ『語句楽辞典』用コンテンツのご紹介

大学生向けと称していますが、上位バージョン(プレミアム)は、翻訳者も十分に使えそうなコンテンツがそろっています。

【英和・和英】
リーダーズ英和辞典 第3版(研究社)
リーダーズ・プラス(研究社)
ランダムハウス英和大辞典 第2版(小学館)
新英和大辞典 第6版(研究社)
新和英大辞典 電子増補版(研究社)
ビジネス技術実用英語大辞典 V5 英和編&和英編(プロジェクトポトス)
180万語対訳大辞典 英和・和英(日外アソシエーツ)

【英英・類語】
ロングマン現代英英辞典 6訂版 ★
オックスフォード現代英英辞典 第9版 ★
小学館オックスフォード英語類語辞典(小学館)

【英和・和英学習】
プログレッシブ和英中辞典 第3版(小学館)
ルミナス英和辞典 第2版(研究社)
ルミナス和英辞典 第2版(研究社)

【国語】
広辞苑 第6版(岩波書店)
デジタル大辞泉(小学館)
新明解国語辞典 第七版(三省堂)
新明解四字熟語辞典 第二版(三省堂)
全訳漢辞海 第三版(三省堂)、

【その他】
岩波 理化学辞典 第5版(岩波書店) ★


お手元の辞書ラインアップと比較してみてください。DAYFILER時代のSII 製品とかぶっているものも、そうでないものもあります。DAYFILERの最高峰だったDF-X10001と比べると見劣りしますが、特に★を付けたコンテンツは注目。

ロングマン現代英英辞典 6訂版(Longman6)

オックスフォード現代英英辞典 第9版(OALD9)

この2つは、電子データでほぼ入手できないタイトルです。

OALD9は、単独アプリケーションが売られていますが、どの辞書ブラウザにも載りません。Longmanは、書籍を除くとオンライン展開が中心になってしまい、Longman6の電子データは売られていません。唯一、カシオのXD-Y20000にはOALD9とLongman6がどちらも収録されています。

岩波 理化学辞典

は、SR-G9003(DAYFILERシリーズになる前のPASORAMA対応機種)に収録されていましたが、DF-X10001ではなぜか見送られました。


そのうえ、リーダーズ、研究社英和・和英、うんのさんという基本がそろい、「180万語」までそろっているのですから、

・これから辞書環境をそろえたい

・DAYFILERシリーズを買い損ねた

・DAYFILERを持っているが、壊れたら次はどうしよう

という方で、しかもiPadをお持ちであれば、かなりお手頃かもしれません。


そうなると、お値段が気になるところですが、実はSIIや加賀ソルネットのサイトには書いてありません。

翻訳フォーラムの特設サイト(こちら)には載せてあります。こちらでは具体的に書きませんが、かなりお得な価格です。


iPadとセットでこれからそろえるとなると、ちょっとかさみますが、iPadがあれば(容量が空けられれば)、これからの選択肢として、なかなかよさそうです。

とは言っても、PASORAMA時代と違って、iPad上でしか使えないんだったら、別にカシオの辞書端末でも変わらない……。

そうかもしれません。翻訳者にとっては、「PASORAMAに代わるもの」にはならないようです。


ただ、iPadアプリになったということは、今後もしかしたらPCから操作できるようになる――第2のPASORAMAが実現する――日が来ないとも限りません。


今のところ、少なくとも入力をPC側でできるソフトウェアを見つけました。

次のエントリで、それをご紹介します。


04:55 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.06.22

# 古い辞書を調べるということ

Facebookにちらっと書いたとおり、たまたま空き時間ができたので、久しぶりに神保町に立ち寄り、古書店ものぞいてきました。

短時間だったし、あてもなくぶらぶら店頭をブラウズしただけですが、1軒だけちょっと時間をかけたのが、こちら。

リンク:英米文学・言語学・日本学・洋雑誌 小川図書

語学書や辞書の専門店なので、大学時代から必ず毎回寄っていたお店です。CODの旧版とかみ、ここで買いました。


『ランダムハウス英和大辞典』の元になった英英辞典(今ある、Random House Webster's ではない)とか、気になる辞書もたくさん並んでいるわけですが、もちろん紙です。お値段も当然、5桁。おいそれと手が出るものではないし、だいいち持って帰る気になれません。置く場所もない。


それで、特にビブリオ的に価値があるわけではない、こんなのを300円で買ってきました。

1606221

『斎藤和英大辞典』の編者、斎藤秀三郎と非常に紛らわしい名前ですw

それに「外国からきた」ってのも、時代を感じさせます。

初版が出たのは1961年のようですが、私が買った版の奥付には、こうあります。

昭和四十四年十月十日 改訂二十三版発行
昭和四十七年四月十日 新版八版発行

前書きは「増補改訂に際して」と題して、1970年5月 という日付になっています。

つまり、この辞書は

1970年5月時点の新語辞典

ということです。


当然、カタカナばっかり並んでいるわけですが---


たとえば、「ビット」は載っていますが、「バイト」は載っていません(当然、「キロバイト」、「メガバイト」なども)。

ビット[bit]情報量の単位.記憶容量を表わすのによく用いられ,0と1の2進数が保有し得る最大の情報量を表わす

と書かれています。


「ディスク」は、次のように②の語義まで載っていました。

ディスク[disk]①円盤,蓄音機のレコード.②電子計算機で,磁気ディスク記憶装置の略.

つまり、1970年の時点でコンピュータに使う「磁気ディスク記憶装置」というのが、一般的に知られていたことがわかります。ところか、今ならそれを「ハードディスク」と呼ぶはずですが、「ハードディスク」は載っていません。まして、「フロッピー」も見当たりません。

すこし調べればわかりますが、フロッピー、つまり「ハード」でないディスクが登場したからこそ、それまでの「ディスク」をわざわざ「ハード」と呼ぶようになったということでしょう。


こんな風に、今なら当たり前になっているカタカナ語が、40年以上前には使われていたのか、(辞書に収録されるくらい)一般的だったのか、ということを調べられて、なかなか楽しい。


ちなみに、初期の『仮面ライダー』で、ショッカーの首領が口にしていた「バーリア」---「バリアー」ではない---は載っていませんでした。それどころか、「バリアー」のほうもありません。

うーん、子どもたちまで「バリアー!」とか言い出した、もうすこし後だったかなぁ。


逆に、私はこんな単語が載っていてビックリしました。

シズル[sizzle]フライパンで肉を焼くときの音.用例:シズル効果(見込み客の感覚を刺激して引きつけること.次項参照)

で、その次項には「シズル セール」という項目がある。

それから、こんなのも。

ワン ストップ ショッピング[one stop shopping]消費者が商品を買う場合,1か所ですべての買いものをすませる購買行動.

もちろん、どちらもマーケティング用語ですから、その分野の人なら「けっこう昔からあったよ」と思うくらい当たり前の話なのかもしれません。でも、この2つ、どちらも私は、過去10年くらい以内に知った言葉でした。

使い方からして、かなり新しそうだと思うじゃないですかぁ。それが、大阪万博のころにもうあったなんて......。

こういうことって、英語ならGoogleのNgram Viewerで調べられるんですが、日本語はダメですよね。だから、こんな紙の情報が役に立つ。


これが300円なんて、とてもお得でした。

12:32 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (4)

はてなブックマークに追加

2016.06.15

# Webster辞書についての追記と、EPWINGデータ集

前エントリについて、Faceboookのほうでコメントをいただいて思い出した点があるので、追記しておきます。


ジャーナルの記事にも書きましたが、Webster辞書の初版は1828年に発行されました。この1928年版の内容が、オンラインで公開されています。

リンク:https://1828.mshaffer.com/

Search, browse, and study this dictionary to learn more about the early American, Christian language.

と書いてあって、なぜかトップページにはあらかじめmessiahのエントリが載っています。

続く第2版は1841年に刊行されました。

その第2版のうち、1844年に印刷された版を詩人のエミリー・ディキンソンが愛用したということで、ディキンソン研究者がEmily Dickinson Lexiconという名前で公開しています。

リンク:Emily Dickinson Lexicon

ちなみに、「私たちが直接知っている、1961年版のWebster大辞典(Webster's New International Dictionary of English Language, 3rd)は、今でももちろん紙版を入手できますが、とてもじゃありませんが、あの巨大な1冊を日常的に使うわけにはいきません。

データ版(CD-ROM)は、かつて出ていましたが、今ではほぼ入手できません。

(リンクは貼ってますが、「現在お取り扱いできません」です)


かわりに、時代に合わせてオンラインに移行しています。

リンク:Merriam-Webster Unabridged

ただし有料です。月額4.95ドル、年額29.95ドル(半年分で済む)。Unabidgedの内容が入っているほか、第3版以降の新しい内容も収録されています。また、Collegiateの内容も選択できます。

ちなみに、Merriam-Webster社には無料のオンライン版もあって(http://www.merriam-webster.com/)、通常はこちらで十分でしょう。

また、1913年版のダウンロードページを見て「聖書がある」と気づいてくださった方もいらっしゃったので、その点も書いておきます。


市販の辞書タイトルでEPWING仕様のものはすっかり減ってしまいましたが、今でもオンラインで手に入るいろいろなEPWINGデータがあります。

仕事に直接役に立つというより、むしろ趣味に関わるようなコンテンツが大半ですが、そんなデータをダウンロードできるサイトをまとめて紹介しておきます。


FPWBOOK

データだけでなく、EPWING変換のためのスクリプトも含まれている点に注意してください。

惡魔の辭典
Easton's 1897 Bible Dictionary
EDICT
Webster's Revised Unabridged Dictionary (1913)

WordNetのデータもありますが、もっと新しいバージョンが他のサイトにあります。


極めよDDwin+EPWING/EB辞書
更に極めよ「EPWING/PDIC辞書」

こちらは、どちらかというとデータそのものではなく、EPWING変換のためのスクリプトやノウハウを紹介したページ。


Maximilk

前エントリで、Webster 1913のリンク先として紹介したページです。そのほか、

EDICT2
Holy Bible(KJV)

などをダウンロードできます。


EPWING辞書のご紹介●大久保 克彦 | JTFジャーナルWeb

そして、EPWINGといえば、この方を紹介しないわけにはいきません。

WordNet最新版(3.1)
青空文庫

などのデータを作成して公開くださっているほか、

OEDの変換スクリプト

という、とんでもなくありがたいツールまであります。

【追記】

ちょっと前まで、Androidに対応したUnabidged版のアプリがあったのですが、今は見当たらないようです。

それから、1928年初版は、iOS対応のアプリがありました。

10:36 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2016.06.14

# 1913年版のWebster辞書

『翻訳のレッスン』、p.70の脚注に、

1913年発行の英英辞典
Webster's Revised Unabidged Dictionary

というのが出てきます。

本文を見ると、これが「古い辞書」であることはわかるのですが、もう少し補足しておきたいと思います。


なお、本記事と併せて、「JTFジャーナル」5/6月号で連載を開始した私の記事もお読みいただくといいと思います。

リンク:JTFジャーナルWeb

※リンク先のWebページではなく、PDFをダウンロードしてご覧ください。PDF版のp.16からです。

私たちが直接知っている「Websterの大辞典」は、1961年に発行された

Webster's New International Dictionary of English Language, 3rd ed., 1961

です。

Webster3rdinternational_2

タイトルに"New International"と付いてからの、これが第3版です。発行から50年以上経っていますが、第4版が出ていないので、これが「最新版」です(オンラインでは新しい語も追加されています)。

"New International"は、初版が1909年、第2版が1934年に発行されました。


タイトルに"New"が付いているので見当がつきますが、これ以前には、"New"の付かない"International"版がありました。

Webster's International Dictionary of English Language(1890)

Webster's International Dictionary of English Language(増補、1900)

です。1900年に発行されたこの"International"増補版の1913年版が、名前を変えて

Webster's Revised Unabridged Dictionary(1913)

となります。

これが、今オンラインで入手できる「1913年発行のWebster辞書」というわけです。


なお、オンラインではいろいろなサイトで公開されていますが、私たちが使うには、EPWING版のこちらがいちばん便利でしょう。

リンク:Webster's 1913(EPWING)

『翻訳のレッスン』にも、このWebster 1913の例が載っていますが、ここでは、computerを引いてみましょう。

n. One who computes.

今のようなコンピューターが生まれる以前にもcomputerという単語はあったのですが、当然ながら、「computeする人」という意味だったわけです。

あるいは、network はこうなっています。

1. A fabric of threads, cords, or wires crossing each other at certain intervals, and knotted or secured at the crossings, thus leaving spaces or meshes between them.
2. Any system of lines or channels interlacing or crossing like the fabric of a net; as, a network of veins; a network of railroads

09:45 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2016.06.13

# EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

けっしてメインの辞書としては使えないものの、思わぬときに役立つことがある辞書を2つ紹介します。名前が似ていて、ちょっとややこしいのですが......。


1つ目は、EDICTという、無料で使える辞書データです。オーストラリア、モナシュ大学のJim Breenという教授が、研究の一環として作成した辞書データです。元はシンプルなテキストファイルで、現在のバージョン(ver. 0.5、2013/5/8)はこちらからダウンロードできます。テキストでも15MBあります。

リンク:The EDICT Dictionary File

見ればわかるとおり、辞書というより英和の単語帳みたいなものですが、こんなエントリがあったりします。

  100円均一   hundred-yen store; 100 yen shop

あるいは、実はこれを見つけたので改めてこの記事を書くことにしたのですが、こんなのも載っています。

  the fact is  のです(P);のだ(P);んです;んだ [exp](P)

こんな風に、ほかの辞書にはない言葉とか、意外な観点のエントリがあるので、ときどき感心させられます。


上のページにあるのはテキストファイルですが、これをEPWING化したデータも公開されています。

リンク:EDICT2 (EPWING)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!


今や貴重なEPWING形式なので、汎用の辞書ブラウザ(Jammng、Logophile、EBWIN4)で使えますし、無料です。冒頭でも書いたようにメインの辞書にはなりえませんが、サイズもたいしたことなく邪魔にはならないので、入れておいてもいいのではないでしょうか。

もうひとつは、『E-DIC』という市販の製品です。

こちらのサイトでも、以下のように紹介されています。

素性のしっかりした様々な紙の専門辞書をまとめて電子化したもので、大変廉価な上にユーザー登録すると最新用語が無料で追加できるのもありがたい。基本的な英和・和英辞典は持っているという前提で、追加・補足的に使いたい。

「素性のしっかりした様々な紙の専門辞書」というのは、たとえば以下のような書籍版です。


『アメリカ口語辞典』


『最新日米口語辞典』


『米英俗語辞典』


『会話作文英語表現辞典』


『最新 和英口語辞典』


いずれも、今から見るとやや古い気もしますが、なにしろ用例が豊富なので、たとえばimpressを引いて

You've got to use your head if you want to impress the boss.
社長に認められようと思うなら、頭を使わなければだめだ。

こんな用例と訳が出てくるので、意外と使えます。


こうした、元々は市販の書籍タイトルだったもののほか、メインとして収録されているのは

E-DIC英和辞典

E-DIC和英辞典

なんだそうで、これの素性がはっきりしないのですが、この辞書の版元である朝日出版社がかつて運営していた、ASAHI PRESS SENTENCEといのがベースのようです。といっても、それがどんなものだったのかが、今となってはよく分からないのですが......。


最初のEDICTは、前から入れていましたが、E-DICのほうは、ネストさんに紹介されて買ってみました。

EPWINGデータではありませんが、Logophileにはそのまま載せることができます。E-DICオリジナルの検索アプリケーションももちろんインストールされますが、さすがにインターフェースが古くさい。


なお、上記の製品版に入っているアプリケーションは32ビット版のみで、最近の64ビットマシンでは起動しません。そのため、64ピット版アプリケーションは別途ダウンロードできるようになっています。

その辺の対応がきちんとしている点は、とても好感が持てます。

06:03 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.06.05

# OALDのおまけ小冊子

学習英英辞典の定番OALD(Oxford Advance Learner's Dictionary)は、DVD-ROMの付いた書籍版、しかも旺文社がパッケージにして売っている製品を買うのが簡単です。

上が第8版、下が第9版です。

どちらも、購入すると「活用ガイド」という小冊子を入手できます。「OALD8活用ガイド」と「OALD9活用ガイド」、著者が違うため内容はだいぶ違いますが、どちらも一読をおすすめします。

1606051

※検索すれば誰でも無料でダウンロードできますが、購入者特典みたいな扱いでもあるので、いちおうURLは書きません。


特に、「OALD9活用ガイド」の第2部「OALD9の活用法」に書かれている、

「辞書検索の7ステップ」

というアプローチはおすすめ。

辞書の引き方は、人それぞれいろいろあっていいと思いますが、この「7ステップ」に書かれている概念は抑えておくと役に立つはずです。

OALD8とOALD9は、どちらも単独で起動するアプリケーション型ですが、第8版のほうは

Logophileに載せることができ

て便利です。


また、iOSアプリ版は、この前までOALD8だけでしたが、3月にOALD9が出ていたようです。

しかも、定価は3,600円ですが、アップグレードのオプションがあります。

1606052

OALD8を2015/6/3より前に購入した人は720円で、2015/6/3以降に購入した人は無料でアップグレードできます。

※ただし、アップグレードすると9だけになるのか、8と9の両方になるのかは不明です。試していません。

ところで、冒頭にあげた小冊子の写真。

言うまでもありませんが、ダウンロードできるのはPDFファイルです。これを、Acrobatの印刷オプション「小冊子」で印刷すると、ちゃんと中綴じ製本できるページ順に印刷してくれます(Acrobat ReaderでもOK)。

家庭用プリンターだと最大でA4なので、A5サイズの小冊子ということになります。

念のために書いておくと、「中綴じ製本できるページ順」というのは、たとえば全部で24ページの場合、

1枚目の右がp.1、左がp.24、その裏がp.2とp.23

のようになっている印刷です。

これを中綴じでホチキスどめするわけですが、こういうのを使います。

一見するとふつうのホチキスですが、

1606053

こんな風に90度回転して、中綴じができるようになります。

ちなみに、左のやつは私が学習塾で国語の教師をしていたころから愛用していた30年もの。右のが最近になって買い換えたやつです。


10:46 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.05.09

# その後の電子辞書(端末タイプ) - 翻訳者ご用達になるか?

2015年3月にSII(セイコーインスツル)が電子辞書ビジネスから撤退して以来、すっかり電子辞書端末には興味がなくなっていましたが、最近こういう記事を見かけたので、またちょっと調べてみました。

リンク:日経電子版:スマホでは代替できない、衝撃的なコスパの電子辞書


もちろん、翻訳者のような視点で辞書を語れというのは無理な話だろうとは思いますが、

いくつかのコンテンツをスマホに常備しておくのは便利だろうが、スマホ自体を電子辞書並みに使うのはあきらめた方がいい。

容量不足だけを理由にこう断定しているのは、ちょっと浅はかというもの。電子辞書端末のコンテンツは固定(カードなどでの限定的に追加できる分を除き)、スマホなら新しいバージョンが出たら入れ替えは自在、という観点が抜け落ちています。

それに、コンテンツを精選すれば自分用の辞書端末には十分なるわけですが、そもそも「コンテンツ数が多いほうがいい」という前提で書いているから、まあそういう使い方に思い至らないのは当然かもしれません。


さて、この記事中でも「英語モデル」と紹介されている「「EX-word XD-Y9800」は、どんなものなんだろうかと思って、以前からあるリストを更新してみました。

訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧 - 2016/5/9版(Excelファイル)
(※クリックすると、すぐにファイルがダウンロードされます)

記事で紹介されているもうひとつの製品「EX-word RISE XDR-A20」というのは学習モデルで、ラインアップとしても完全に別なので入れていません。


XD-Y9800の特長を示すアイコンはこのとおり。

1605091

さて、英語コンテンツの実際の充実度はどんなものでしょうか。


そもそも、かつてのSIIのラインアップとカシオ製品では、「収録コンテンツの多さ」についての哲学がまったく違っていたことは、以前の記事に書きました(side A: # SIIの電子辞書ビジネスからの撤退に思う、その2)。


比較表の最後に「総コンテンツ数」という行を追加してみました。

SIIさんは、PASORAMA搭載の初期型だったSR-G9003では、一時期コンテンツ数を増やしていたんですね(日経の新書サイズ本など)。それでも60です。

ところが、翻訳者向けの大本命となったDAYFILERシリーズの DF-X10000/DF-X10001 になって、またそういう辞書以外のコンテンツをばっさり切り捨て、コンテンツ数を44と絞り込んでいたんでした。

そりゃねえ、翻訳者以外には、

売れるわけない

商品だったんですね、と改めて確認。


さて、EX-word XD-Y9800です。

たしかに、新しいだけあって、わりと最近出たコンテンツはおさえてあります。これはいいですね。

・大修館書店 ジーニアス英和辞典 第5版
・Oxford Advanced Learner’s Dictionary, 9th Ed
・大修館書店 明鏡国語辞典 第二版

気になるのは、

・ジーニアス大和英インデックス

というやつです。これ、G大の例文から和英で逆引きできるようにするためのインデックスですよね。ということは、わざわざこういうインデックスを追加しないと逆引きはできないのでしょうか。


それから、EX-wordの以前のモデルでも気になっていたのが、以下の辞書の版です。

・研究社 新和英大辞典 第五版

最近はどれも「電子増補版」と書いてあるのですが、Ex-wordでは一度もそう書いてあるのを見たことがないのです。どうなんでしょ。

・Oxford Dictionary of English, 2nd Ed
・Oxford Thesaurus of English, 2nd Ed

この2つも、しばらく前に第3版が出ていて、SII も最後には収録していたのですが、なぜ今になっても第2版のままなのでしょうか。


といっても、まあここまでは瑕瑾。英和・和英のラインアップとしては合格でしょう。


ちょっと残念なのは、英英のラインアップです。

すでに書いたようにOALDが最新の 9th になっているのは◎ですが、それ以外は不合格でしょう。

英英がOxford系しかない

からです。

SII では収録されていた Collins COBUILDは、Ex-wordではこれまでも一貫して収録されていないので、おそらく権利取得の問題なのでしょう。Longman は、2年前の最上位モデル「XD-U18000」には入っていたのに、これには入っていません。


国語辞典も、明鏡が第二版になったのは○ですが、大辞典が「デジタル大辞泉」のみというのは寂しい(ネットで引けるコンテンツですし)。


一方、メインの辞書コンテンツ以外は、まあたしかにスゴいですよ。以前はとにかくコンテンツ数を売りにするためだけにあまり意味のないコンテンツを押し込んでいた風情もありましたが、今回のモデルを見るかぎり、そういうことはやっていません。

NHKラジオのコンテンツ3種をはじめ、アルクのコンテンツ(「キクタン」シリーズなど)が20、「ひとり歩きの英会話」シリーズが17、TOEIC/TOEFL対策本が16など... 要するに英語を学習する人には、とても向いていそうです。

つまり、これが「英語モデル」であることは間違いありませんが、「XD-U18000」がそうだったように

「英語プロフェッショナルモデル」ではない

ということです。


まとめると---

・「G5」と「OALD9」が入っている点は◎
・国語系が弱いのが×
・英英が圧倒的に弱いので××
・学習コンテンツは豊富なので、英語学習用としては○

という感じでしょうか。

ここまで書いてから、あらためてカシオのサイトを見ましたが、「英語プロフェッショナルモデル」に該当するのは、XD-U18000の後継モデルとしてこの2月に出た「XD-Y20000」ですね。

リンク:XD-Y20000 | 生活・教養 | 電子辞書 | CASIO


よく見ると、こちらはかなりいいかもしれません(リストには、これも追加しました)。

XD-Y9800と同じく、

・大修館書店 ジーニアス英和辞典 第5版
・Oxford Advanced Learner’s Dictionary, 9th Ed
・大修館書店 明鏡国語辞典 第二版

が入っているほか、サイトの情報が間違っていないかぎり、なんと

LDOCE6

が入っています。2014年に出た最新版ですが、これ、単独のCD/DVD-ROM製品は出ていないので、いちばんの目玉かもしれません。

そのほか、

・ランダムハウス英和大辞典
・精選版 日本国語大辞典
・大修館書店 日本語大シソーラス

が入っている点は、かつてのSIIと同じです。そして、このモデルならではのラインアップが以下のとおり。

・ウィズダム英和辞典 第3版

・ウィズダム和英辞典 第2版
・旺文社 オーレックス英和辞典 第2版
・旺文社 オーレックス和英辞典

などの学習辞典と、

・The New Oxford American Dictionary 2nd

が入っています。これらのコンテンツは、書籍版以外は一部のモバイルアプリに限られるので、かなり貴重なコンテンツです。


メインの辞書以外の雑コンテンツも、XD-Y9800より実用的な感じです。


今だったら、翻訳者ご用達ということであれば、XD-Y20000で決まりじゃないでしょうか。

ってか、これ欲しいなぁ...。

でも、PASORAMA的なインターフェースを考えてくれたら、もっといいなぁ。

07:43 午後 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.03.15

# 翻訳者の辞書 - データ編 - 第3回

第3回は、LogoVista(以下、「LV」)データについて、何点か補足です。


1. ユーザー登録

LVタイトルを買うと、なんらかの形で製品登録があるので、その段階でユーザー登録もしているはずです。ユーザー登録すると、購入した製品のインストーラを再ダウンロードできるなど、いろいろメリットがあります。購入したら、ユーザー登録、製品登録をお忘れなく(ポイントも付くし)。

2. インストール

Jamming/LogophileやEBWin4などの辞書ブラウザのように、「ブラウザに辞書データを登録する」という方式ではないことにご注意ください。数年前、マシンを移行するとき私自身が完全に忘れていたので、メモっておきます。


オンラインで購入すると、

Lvinstaller

こういうインストーラがダウンロードされます。インストーラといっても、実行可能(exe)ファイルで、実際には自己解凍形式の圧縮ファイルです。

ファイル名はまったくの暗号なので、どこかにメモしておかないと、

どれが何のインストーラだか

わからなくなります。


これを実行すると、一時フォルダにファイルが展開され、自動的に実行が始まります。

パッケージ製品の場合は、CD-ROMをドライブに入れると勝手にインストーラが起動してインストールが始まると思います。裏でやってることは、オンライン版のときと同じです。


LV製品を初めてインストールすると、辞書ブラウザもいっしょにインストールされ、そこに最初の辞書が登録される仕組みです。2つ目以降は、ちゃんと同じブラウザに追加されていきます。


なお、LV辞書のインストールディレクトリは、こういう構成です。

Lv3

デフォルトではProgram Files以下だったと思いますが、各辞書タイトルのデータがあるのは、

LogoVista\LVEDBRSR\DIC

です。汎用ブラウザで読み込むときは、この場所を見つけなければならないので、覚えておいてください。

DIC以下の辞書別フォルダも、ネーミングにちょっとクセがあります。

GENIUS43 …… G4

GENIUS53 …… G5

は見当がつきます。その上の「GEN2005」はG大です。

フォルダ名でどの辞書かわからない場合は、そのフォルダを開いてヘルプファイル

Hanrei

を開けば、

Hanrei2

ヘルプ形式で凡例が開くので、名前もわかります。


3. インストーラの再ダウンロード

ユーザー登録してあれば、LVサイトでログインしてください。「ユーザーマイページ」の下のほうに、こういうセクションがあります。

Lv

ここで、「所有製品(シリアル番号)の確認/新規ご登録と再ダウンロードサービス」に進むと、

Lv2

このように、再ダウンロードのボタン(左)があり、各製品のシリアル番号が書いてあります。


インストール回数に制限があるとのことです。ただし、LVさんに連絡すれば解除してくれる(その方法を教えてくれる?)そうなので、その点はあまり心配なさそうです。


4. 汎用ブラウザへの登録

Jammingの場合

[オプション]から[辞書の追加と削除]ダイアログを開き、

Jamming1

上の図で赤く囲ったボタンを押します。

※LogoVista辞書は、「システムソフト」という名前です(互換性のある昔のフォーマットのこと)。

ファイル選択ダイアログが開いたら、上で説明したDICフォルダの中で目的の辞書フォルダを探し、

Jamming2

IDXという拡張子のファイルを選択してください。

もし、数字にIDX(またはidx)という拡張子がある場合、そちらは選択しません。このようにIDX(またはidx)ファイルが複数あるタイトルは、汎用ブラウザでうまく読み込めない確率が高いようです。


Logophileの場合

LogophileDicManagerを開いて、[辞書を追加]ボタンを押します。

Logo1

次に選ぶのは、Jammingとは違って辞書の入っているフォルダです。

Logo2

DIC以下にある目的のフォルダを選べば、それを読み込めれば勝手にIDXファイルを認識してくれます。対応していなければ、読み込めずにそこで終わります。


EBWin4の場合

グループ化しない場合は[ファイル]→[辞書の追加]を選択します。

グループを作っている場合は、(そのグループを選んだ状態で)[ファイル]→[辞書の編集]を選んで[追加]を押します。

あとは、Jammingのときと同じようにIDXファイルを選択します。対応していなければ、読み込めずにそこで終わります。


5. 全文インデックスの作成

Logophileの場合、LogophileDicManagerで登録した後で、必ずインデックスを作成することになります。その時点で「全文」オプションも選択すれば、全文インデックスが作成されます。


EBWin4の場合、残念ながらのLogoVista純正データに対しては全文インデックスを作成できないことになっています。

ただし、その状態でも全文検索はできる(インデックスなしの全文検索。Jammingと同じ)のですが、当然、時間はかかります。全文インデックスを作りたい場合は、次の 6. の手順が必要です。


6. LVタイトルのEPWING化

LVタイトルをEPWING化できるユーティリティソフトウェアがあります。

リンク:dessed

ほかならぬ、EBWin4の作者様が公開しているソフトウェアです。Windows GUI版であれば、特に難しいこともなく使えると思います。

ただし、例によって最近のたタイトルはアウトです。


以上、LogoVista辞書の注意点と、それを汎用ブラウザで使う場合の特徴でした。


02:03 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.03.13

# 翻訳者の辞書 - データ編 - 第2回

間が空いてしまいました。

第2回は、今後も主力になりそうなLogoVistaデータです。

リンク:高精度翻訳ソフトと豊富な電子辞典|ロゴヴィスタ LogoVista


LogoVista(以下、「LV」)辞書については、まず以下の点をおさえておきましょう。

  • LV専用の辞書ブラウザがある。
  • 専用辞書ブラウザは、使い勝手が今ひとつ。
  • EPWING辞書ブラウザでも、LV辞書は使える。ただし、ある時期以降の辞書タイトルは不可。
  • インストール回数に制限がある(ただし、連絡すると解除してくれるとのこと)。
  • 内容をコピーすると出典情報が付いてくる。

LVタイトルを買うときは、本家とAmazonで価格変動をよく見ておくといいようです。というのも、本家では頻繁に50%引きなどのセールをしている(会員になる必要があります)一方、Amazonでもかなり安い場合があるからです。

ちなみに、『研究社 新英和大辞典第6版』は、定価が14,688円とかなりのお値段ですが、本家の「感謝セール」価格だと8,640円、Amazonでも同額です。

また、ダウンロード版だとさらに安くなるので、パッケージが不要な場合は、それもおすすめです(ダウンロード版で買った場合、インストーラは会員ページから再ダウンロードできるようになっています)。

以下、主なLVタイトルと、辞書ブラウザ対応状況をまとめておきます。
(私が持っていないタイトルも多いので、対応状況などの一部は、ほかの方のレポートなどに基づいています)

以下、タイトルはLogoVistaサイトに書かれているとおりに記載しました。

また、対応状況についての記号は次のとおりです。

◎ …… 正常に表示され、問題なく使える
○ …… ほぼ問題なく使える(必要に応じ補足)
△ …… 表示や機能に問題あり(必要に応じ補足)
× …… 使えない(必要に応じ補足)


■国語辞典系

広辞苑 第六版 DVD-ROM版-動画・画像・音声付きM版-動画・画像・音声付き

Koujien6
(発売日情報なし)

すいません、私自身がLV版を持っていないので、対応状況はわかりません。わかりしだい追記します。


岩波 国語辞典 第七版 新版

Iwakoku_3
(2013/8/30発売)

Jamming = △(文字化け、位置ずれ)
Logophile = ◎
DDWin   = △(文字化け、位置ずれ)
EBWin4  = ○(記号に一部文字化け)

本家LogoVistaでも、[検索結果]リストに一部文字化けがある?


大修館「明鏡国語辞典 第二版」

Meikyou_4
(2013/2/15発売)

Jamming = △(文字化け)
Logophile = ◎
DDWin   = △(文字化け)
EBWin4  = ◎


三省堂「新明解国語辞典 第七版」

Shinmeikai_3
(2013/2/15発売)

Jamming = △(文字化け、位置ずれ)
Logophile = ◎
DDWin   = △(文字化け、位置ずれ)
EBWin4  = ○(文字化け、位置ずれ)


大修館「日本語大シソーラス-類語検索大辞典-」

Jthesaurus
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ○(下記参照)
EBWin4  = ◎

DDWinでは「クロス検索」が最大の検索方法ですが、他の3つはインデックスの組み合わせでもっと詳細な検索ができます。

本家LogoVistaでは、「クロス検索」と「条件検索」で違った結果が出ます。


研究社日本語表現活用辞典

Jhyougen
(発売日情報なし)

Jamming = ×
Logophile = ×(登録できるが表示されない)
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎

商品説明では、

一般の国語辞典ではなかなか引くことができない「日本語のコロケーション(語と語のつながり)」が分かる画期的な日本語辞典です。

と書かれていますが、インデックスの構成があまり良くなく、本家LogoVistaでさえ使いにくい気がします。内容的にも、少納言やNinjalがあれば要らない程度かも。


研究社 日本語口語表現辞典

Jkougo
(2015/2/27発売)

Jamming = ×
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = ×(登録できるが表示されない)
EBWin4  = ×(登録できるが表示されない)

ひとつ前の「表現活用」と違って、中身はなかなかおもしろいのですが、LogoVistaブラウザ以外の対応は全滅。もったいない気がします。


研究社 日本語コロケーション辞典

Jcolo
(2015/2/27発売)

Jamming = ×(要注意。下記参照)
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = ×(登録できるが表示されない)
EBWin4  = ×(登録できるが表示されない、場合によってはエラーになる)

Jammingでは、登録しようとしてエラーになるだけでなく、高い確率でJamming自体が起動しなくなります。

新しい辞書タイトルを追加しようとしてJamming自体が起動しなくなっ場合の対処方法は、本エントリの最後に書いてあります。


■英語辞典系

大修館 「ジーニアス英和大辞典」

Genius

これもLV版を持っていないので、対応状況はわかりません。わかりしだい追記します。
(たしか、大丈夫なはずです)


研究社 「リーダーズ英和辞典 第3版」

R3
(2014/3/28発売)

Jamming = △(文字化け、位置ずれ。下記参照)
Logophile = ○(下記参照)
DDWin   = △(文字化け、位置ずれ)
EBWin4  = △(文字化け、位置ずれ。下記参照)

LVタイトルを純正以外のブラウザでは正しく表示できないと話題になり始めたのが、そもそもR3あたりからでした。
しかも、R3は初期バージョンのインデックスに不備があってパッチが公開されるなど、商品展開上の不備も目立ちました。

R3のときは、大久保克彦さんが外字マップを作ってくださったので、文字化けはだいぶ解消されました(Jammingでは一部不完全など)。外字マップの設定方法については、こちらをご覧ください。

リンク:Project Zephyr


研究社「リーダーズ・プラス」

Rplus
(発売日情報なし)

これも、私自身がLV版を持っていないので、対応状況はわかりません。わかりしだい追記します。


なお、ご存じのことと思いますが、リーダーズ2 → リーダーズ3の編纂と、リーダーズ・プラスの編纂は別系統です。内容に一部重複はありますが、リーダーズ3にはプラスの内容がすべて反映されているわけではありません。

たとえば、

Dab Dab(ドリトル先生に出てくるアヒル)
Eagle Has Landed(Jack Higginsの小説、および同名映画)

のように、プラスにしか載っていない情報もかなりあります。

上に書いたのはR3とプラスそれぞれ単品ですが、セット商品も売っています。


研究社 新英和大辞典第6版

Eiwadai
(発売日情報なし)

研究社 新和英大辞典第5版

Waeidai
(発売日情報なし)

この2つも、私自身は持っていないのですが、各ブラウザで問題なく使えると聞いています。


研究社 「新編英和活用大辞典」

Shimpen
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


研究社新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典-音声付き

Eiwachu
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


メリアム・ウェブスター英英辞典

Mw
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎

あちこちで言ったり書いたりしてますが、このタイトルは紛らわしいので注意してください。本来のタイトルは

Merriam Webster Advanced Learner's Dictionary

つまり、OALD、Longman、COBUILDなどと同じ学習レベルの辞典です。ご注意ください。


大修館 「ジーニアス英和(第5版)・和英(第3版)辞典」


G5

(2016/2/5発売)

Jamming = ×(要注意。下記参照)
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = ×
EBWin4  = ×

R3のときはまだ何とか対応できましたが、最近出るタイトルについては、汎用ブラウザでもうどうにもならないようです。

G5が出たので、LogoVistaのサイトではG4はもう売っていません。新旧を比較してみたい、という用途でもないかぎり、今からG4を買おうという人はいないかもしれませんが、Amazonに行くと、まだG4も在庫があるようです。残りわずかかも。


■その他

旺文社「ロイヤル英文法改訂新版」

Royal
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


岩波理化学辞典第5版

Iwascience
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = ◎
EBWin4  = ◎


岩波 生物学辞典 第5版

Iwabio
(2016/3/11発売)

Jamming = ×(要注意。下記参照)
Logophile = ×(DicManagerがエラーになる)
DDWin   = (×)
EBWin4  = (×)

こちらは、私が検証したわけではなく、翻訳フォーラムのメーリングリストで報告があったものです。

≪6/15追記≫

コメント欄に情報をいただきましたので、追記しました。


南山堂医学大辞典 第20版

Nanzando
(2105/10/2発売)

Jamming = ×(登録できるが検索できず)
Logophile = ×(同上)
DDWin   = (×)
EBWin4  = (×)


南山堂 医学英和大辞典第12版

Nanzando12
(発売日情報なし)

Jamming = ◎
Logophile = ◎
DDWin   = (◎ 未調査ながら、たぶん)
EBWin4  = ◎


研究社 医学英和辞典第2版

Kenkyushaigaku

Jamming = △(リンクに一部文字化け)
Logophile = ◎
DDWin   = (◎ 未調査ながら、たぶん)
EBWin4  = ◎

以上3タイトルの情報、ご提供いただいたべんがらさん、間接的に井口富美子さん、ありがとうございます。m(__)m

LogoVista辞書タイトルを登録しようとして、

Jammingが起動しなくなった

場合の対処方法を書いておきます。

登録した辞書の情報は、Jammingをインストールしたディレクトリにある以下のファイルに書き込まれています。デフォルトのままなら、Cドライブ以下です。

C:\Program Files (x86)\Jamming\初期設定\dicpath

これをテキストファイルで開くと、こんな風になっています。

Dicpath

この最後に、追加してエラーになった辞書のパスも入っているはずです。

そのなかで、

[SS-NEW]
B:\Dictionaries\LogoVista\LVEDBRSR\DIC\KQJCOLLO\KQJCOLLO.IDX

という2行を削除してください。

※ファイルの末尾にある [END] は削除しないこと!

こうすれば、Jamming自体はまた正常に起動するようになるはずです。

私が持っていないため対応状況を書いていないタイトルについて、もしご存じの方はコメント欄またはメールでご連絡いただけはれば、随時追加します。

04:33 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2016.03.01

# 翻訳者の辞書 - データ編 - 第1回

先日、フェローの受講生さんに、

「通翻ジャーナルや翻訳事典で辞書の記事を読んでいるが、おすすめの辞書でも手に入らないことがある」

という指摘をいただきました。ごもっともでござる。


記事だと、紙面の都合でどうしても具体的にデータ/書籍のことまでは書けないので、補足の意味で、何回かに分けて具体的なデータを書いておこうと思います。

基本的には、専門辞書は対象としない予定ですが、目についたものは載せるかもしれません。

ということで、第1回はEPWINGデータです。

現在(2016/3/1)、無理をせず入手できるEPWING仕様のデータは、ほぼ以下のとおりです。


ジーニアス英和大辞典 CD-ROM版


ビジネス技術実用英語大辞典V5 英和編&和英編 CD-ROM版


広辞苑 第六版 DVD-ROM版


主なところでは、たったこれだけです……。


たしかに、「おすすめされても手に入らない」というのは、そのとおりでした。


でも、ご安心ください。これ以外は、LogoVista版を買えば、EPWING仕様の辞書ブラウザ(Logophile、EBWin4)で使えます。

LogoVista版については、次回以降にまとめてご紹介します。


主な辞書で、LogoVistaまで含めてもほぼ入手できないタイトルは、以下のとおりです。


ランダムハウス英語辞典 第二版 CD-ROM版

※書影は載せましたが、中古まで含めて在庫はありません。

小学館さんは、CD-ROM版の販売をすっかりやめ、電子辞書へのデータ提供と、アプリ版の展開に限定してしまったようです。かわりに、と言ってはなんですが---

最近、goo辞書にランダムハウスが入りました。

リンク:ランダムハウス英和大辞典 - goo辞書 英和和英

オンラインでCD-ROMとおなじ内容をすべて閲覧できますし、簡単ながら検索オプションもあります。


なお、以下の書影の製品が中古で出ていることもありますが、これはEPWINGではないようです。私も未確認です。

1603011

それから、ONESWING規格の製品というのも、いくつか見つかります。

1603012_2

などです。

ONESWINGというのは、EPWINGの後継規格ということなのですが、LogophileとEBWin4はこの仕様に対応していないので、ご注意ください。

03:35 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (1)

はてなブックマークに追加

2016.02.14

# 辞書世界の新しいトレンドか - ATOK辞書のラインアップ

昨年1年くらいかけて、「翻訳者が使う辞書環境」のことを自分なりにいろいろと調べ、あちこちで話したり書いたりしてきたことは、すでに何回かお伝えしました。

おかげで、現状と対策がおおむね見えてきたかな、というところでしたが、ここにきて(2016年2月)、また新しいトレンドが出てきました。前エントリでも書いた、ATOK(ジャストシステム)の連携辞書です。

もちろん、これまで慣れてきたEPWING辞書ブラウザなみの検索機能はないのですが、LogoVistaの新タイトルが汎用ブラウザに対応しなくなった今となっては、このATOK連携辞書が充実していけば、新しい選択肢になりうるかもしれません。


現時点で、どんな辞書があるのか、まとめてみました。

リンク先はすべて、ジャストシステムのオンラインショップです。特に、各辞書の版にご注意ください。

ジャストシステムの製品は、会員になっておくと若干お得です。

また、たいていはパッケージ版とダウンロード版があり、ダウンロード版のほうが若干お得。インストールCDがないと不安になるかもしれませんが、製品登録しておけば、会員専用ページで再ダウンロードできるので、心配はありません(インストール時に必要なシリアル番号も表示されます)

会員価格でダウンロード版だと、一般価格のパッケージ版より1,000円くらい安くなるようです。


明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.4 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

以下の辞書のセットです。

・明鏡国語辞典 第2版。現時点で最新版であり、LogoVista製品と同等です。

・ジーニアス英和 第4版/和英 第3版。ジーニアスは、最新(G5)ではなく、ひとつ前のバージョンです。ご注意ください。


三省堂 スーパー大辞林・敬語のお辞典 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

「スーパー大辞林3.0」という、書籍版『大辞林 第三版』を増補したデータです。これ、単体で入手できるのは、この製品だけのようです(そのほか、iOS用などのアプリあり)。


広辞苑 第六版 for ATOK

パッケージ版

これは、パッケージ版しかないみたいですね。今のラインアップのなかでは比較的古い製品で、インターネット連携機能について「対応ブラウザはInternet Explorerのみです」などと書いてあるのは、今だったらどうなるのか気になるところです。


角川類語新辞典 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

これも、単体のデジタル製品は出ていません。アプリケーションはあります。1981年に出た版のままですが、まあ新語を求めるタイプではないので問題ないでしょう。

ただし、こちらはATOK連携辞書ではなく、連想変換辞書なので、変換中に参照できるタイプです。イミクルには対応していません。


ロングマン英英/英和辞典 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

以下の辞書のセットです。

・ロングマン現代英英辞典(LDOCE)4訂増補版

・ロングマン英和辞典

ロングマンは、最新版ではなく第4版です。もっとも、新語ではなく基本語彙を確認する目的のほうが多いでしょうから、あまり問題はないかもしれません。

参考までに、LDOCEの最新は第6版(2014年)ですが、最新版はCD/DVD-ROM付属の商品がなく、どうもオンラインのサブスクリプションが付くだけのようです。

CD/DVD-ROMが付属する範囲の最新は第5版で、LDOCE5であれば、単体として使うほか、Logophileでも使えます。

ロングマン英和辞典のほうは、SIIなどの電子辞書に載っているのと同じ版です。というか、新版は出ていません。

これも、単体のデジタル製品はなく、電子辞書か、アプリしかありません。


医学辞書2015 for ATOK

パッケージ版

ダウンロード版

すいません、こちらは私の専門外なので、よくわからないのですが、製品紹介ページに、辞書の詳しい説明がありません。

収録語数50万語以上。日本語入力システム「ATOK」と連携し、医療用語や病名をスムーズに変換。電子カルテの入力はもちろん、各種書類やレポート作成がスピーディーに行えます。

辞書の素性が書いてないとは……。まるで●eblioの一部のデータみたいで、これはよろしくありません。あ、こちらの製品情報ページに載ってました。

リンク:医学辞書2016 for ATOK

出典は必ず確認して購入しましょう^^


ライフサイエンス辞書Plus 2015 for ATOK

ダウンロード版

ダウンロード版だけです。また、こちらは「専門用語変換辞書」なのですが、辞書を検索したときにも表示されるということです(井口富美子さん情報)。

これも、製品についての詳しいページはこちら。ライフサイエンス辞書は、定評があります。

主なラインアップはこんなところですが、ほかにも以下のようなデータがあります。タイプ別に名前だけ挙げておきます(私は使ったことありません)。

専門用語変換辞書

・NHK 漢字表記辞書2015 for ATOK(ダウンロード版のみ)

・共同通信社 記者ハンドブック辞書 第12版 for ATOK(ダウンロード版のみ)

・社団法人日本原子力学会 原子力用語辞書2010 for ATOK(ダウンロード版のみ)


連携辞書

・角川俳句歳時記 第四版 for ATOK(パッケージ版、ダウンロード版)

・建築・土木用語変換・対訳 for ATOK(ダウンロード版)

01:35 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.02.11

# ATOKの辞書環境 ~イミクルで注目度アップ

ジャストシステムの日本語入力システム「ATOK」は、翻訳者のあいだでも以前から定評があります。

いろいろな辞書アドインを連携する機能は以前からあったのですが、この2月に発売された新バージョン「ATOK 2016」に、イミクルという機能が追加されたのを機に、少なくとも私のまわりでは、ちょっとした話題になっています。


簡単に言うと、従来はあくまでもATOKの補助機能だったので、入力中や変換中に辞書を参照することもできる、というくらいの扱いでした。

一方、新しいイミクルだと、

範囲選択して任意に引ける

ようになった。この1点がかなり大きいのかもしれません。


この新機能のおかげで、初めて(もしくは、久しぶりに)ATOKを入れてみる、という方もちらほら。


ただし、ATOKにおける辞書の設定や動きはちょっとわかりにくいかもしれません。そこで、いつものように自分の整理も兼ねて、ATOKの辞書についてまとめてみました。

【追記】

翻訳者であり勉強会「十人十色」の代表でもある井口富美子さんが、ほとんど同じタイミングでATOKの記事をアップしていらっしゃいました。そちらのほうが丁寧に説明してある点も多いので、ぜひ併せてご覧ください。

リンク:ATOK2016新機能とATOKのおさらい | It's a Wonderful Life



通常の変換中

まず、スペースバーを押してふつうに変換するとき、候補ウィンドウが出てきて、ちょっと遅れてその右に辞書ウィンドウが開きます。

1602111_3

候補ウィンドウで、右向き > が表示されている候補には、なんらかの辞書情報があります。辞書が複数ある場合にはタブ表示され、Ctrl+Endキーでウィンドウを切り替えることができます。

※右向き矢印が何種類かありますね。この違いは、今のところ私にもわかりません。

※スペースバーを何回押すと候補ウィンドウが表示されるかは、[プロパティ(環境設定)]→[ATOKのプロパティ]→[設定項目]→[候補ウィンドウ]と進み、[候補ウィンドウ表示までに必要な変換回数]で設定できます。辞書ウィンドウが開くまでの待ち時間設定はないようです。


特定の辞書で変換

上のスクリーンショットは「こんめい」を変換したところですが、漢字候補のほか、いちばん下には confusion という英訳の候補も出ています。これはジーニアスが変換辞書として機能しているからです。

いわば、「辞書を引きながら変換する」という感じでしょうか。

ふつうに変換するとこうやってずらって出てきますが、特定の---たとえば、「こんめい → confusion」のような---和英変換をいきなり引くという使い方もできます。

たとえば、同じく「こんめい」と入力して[F4]キーを押すと、こうなります。

1602112_2

さらに[F4]キーを押すと、

1602113

こうやって辞書の内容も出てきます。つまり、ふだんのスペースバーではなく、別のキーで変換候補を出すということです。

※[F4]キーというのは、たまたま私の環境でそうなってるだけです。

1602114

これが私の環境での設定画面です。


イミクルで引く

これが今回いちばんの売りですね。単語を選択してCtrlキー2回を押すと、登録されている辞書をすべて検索できます。

1602113_2

起動キーは変更できるのですが、Ctrl x 2のほかも、Alt x 2か Shift x 2だけしか選択肢がないので、ここはちょっと変わるといいかもしれません(AHKで変えるという手はありそう)。

それから、変換中に辞書が出てきたときは、Ctrl+End で辞書を切り替えられたのですが、イミクルの場合は、同じショートカットがきかず、マウスでクリックするしかありません。Ctrl+Endすると、文章の最後に移動してしまいます。

これは、イミクルを使っても、フォーカスは元のアプリケーションから移動しないので、たぶんそのせいだと思います。

なお、今回はATOK 2016プレミアム版などに付属する『精選版 日本国語大辞典』と『ジーニアス医英和辞典 第5版』が話題になっていますが、これまでジャストシステムからATOK用に発売されていた辞書はどれも、イミクルに対応しています。

ややこしいのですが、上記のような辞書機能のほか、ATOKには「連想変換」という機能もあります。こちらは、類語辞典のような機能です。

1602116

「日本語使いさばき辞典」と「文章表現辞典」は、もともと組み込まれている標準辞書、「角川類語」はオプションで追加した辞書です。

横長にしか広がらないという、ちょっとがっかりなインターフェースですが、類語をさっと確認したいときには便利です。

11:29 午前 翻訳者のPCスキル, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.02.07

# 「ATOK 2016 プレミアム」と、G5の新語

昨年のうちにちょっと話題になりましたが、今回のプレミアム版には、G5と『精選版日本国語辞典』が付きます。

定価は12,000円ですが、ジャストシステムの会員だと10,000円弱です。


前エントリで書いたように、LogoVistaのG5が到着したばかり。ダブってしまいましたが、LogoVistaブラウザを立ち上げずに引けるというのは便利かもしれません。範囲選択してCtrlキー2回でも引けます。


ということで、新語の採用状況や訳語の変化を調べてみるために、「私家版英語辞典@帽子屋」に載せている単語を、Ctrl x 2 で、片っ端から引いてみました。


backronym

バクロニム《元は頭字語でない単語の各文字に後から語を当ててある意味を持つ頭字語化した語;SOS (Save our ships.)など》


decision making

(集団・組織などの重要な件に関する)意思決定


digital native

デジタルネイティブ《幼い頃からインターネットや IT 技術に慣れ親しんで育った世代》.


hacktivism
hacktivistとして追加されています。

【hacker+activist】 《略式》[コンピュータ]政治的ハッカー


initiative
訳語と構成がかなり変わって、こうなりました。かなり整理されたと思います。

1 〔…のための/…する〕新構想, 新規計画, 新しい試み〔for / to do〕
2 (人の指示を待たず)自ら決定[行動]する力, 自発性
3 [the ~] 〔…する/…における〕主導権, イニシアチブ〔to do / in〕
4 《米》[法](国民の)発議権

G4ではこうでした。
1 自発性, 企業心, 独創力, 進取的精神
2 (事態改善への新規の)構想, 計画, 新しい試み, 戦略
3 [通例 the / one's ~] 手始め, 開始, 首唱;[the ~] 主導, 主導権, イニシアチブ, 〔法〕 (国民の)発議権


leverage
語義が追加されています。

1 …を(巧みに)活用[利用]する.


pluto
動詞の語義が追加されました。語源については何の説明もありませんが、2006年に冥王星が準惑星に格下げされてしまったことから来ています。

1 …を降格させる;…の価値を下げる(demote)2(特定のグループなどから)…を除外する, 外す(remove)


spear phishing

[名] スピア[ねらい撃ち]フィッシング《特定の人物やグループに対して知人などを装ったメールを送るフィッシング詐欺》


virality
は載っていませんが、viral に語義が追加されました。

2 (インターネットなどを介して)拡散する, 有名になる


wikiality

ウィキアリティ《客観的な事実ではなく, 多くの人がそうだと思うことによって真実だとみなされていること》


wonk
これも訳語が追加されています。

2 (細部にまでこだわる)政策通


ご覧のとおり、新しい単語や語義がかなり追加されいることがわかります。さすが、電子編集をいち早くとりいれた辞書だけのことはあります。


こういう語をこれまで取り上げていた自分にも、ちょっと感心 ^^


01:56 午後 翻訳者のPCスキル, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2016.02.04

# LogoVistaから「G5」

『ジーニアス英和辞典 第5版』のデータ版が、書籍の発売(2014年12月)から1年以上経って、ようやく登場しました。

ご覧のとおり、LogoVista版です。

リンク:LogoVista

和英は第3版なので、これまでのデータ版と変わりません。

そのほかの特長などは、LogoVistaのサイトに詳しく載っています。学習英和辞典として、さっそくアップデートしておいて損はないタイトルでしょう。

ただし、

EPWINGブラウザにはまったく非対応

です。LogoVista純正ブラウザを使うしかありません。


EPWINGブラウザでひととおり試した結果は、以下のとおりです。


Jamming

[辞書の追加と削除]で登録でき、辞書ウィザードにも出てきます。ところが、登録後にJammingを起動しようとすると、

1602043_2

というアプリケーションエラーが出て、起動すらできなくなってしまいます。こんなエラー、初めて見ました。

試しちゃいけませんが、もしこうなってしまった場合は、

<Jammingのインストールディレクトリ>\初期設定\dicpath

というファイルをエディタで開き、該当する行を削除してください。ファイルの末尾にあると思いますが、具体的には、こんな2行です。

1602041


Logophile

LogophileDicManagerで登録しようとすると、その時点でエラーが出ます。Jammingの場合より、たちがいいとも言えます。


EBWin4

やはり、追加しようとした時点でエラーになります。


dessedで変換

それじゃ、とうことで、LogoVistaデータをEPWINGデータに変換する秘密兵器、dessed を使ってみました。

一見すると、変換は正常に終わります。各ブラウザで登録もできました。が、実際に検索してみると、まともに機能しません。Jammingでは見出しだけ、Logophileではなんだか空っぽ、EBWin4はアプリケーションが死にます。

こうなってくると、もう本格的にLogoVistaに対する運動を展開するしかありません。

以下、私が考えている要望です。

まず、いちばんいいパターン。

正規購入者だけEPWINGデータを使えるようにする

たとえば、EPWINGブラウザの開発者にも協力してもらって、IDXファイルを読み込むときにシリアル番号を要求するようにするとか。難しいかなぁ。

でなければ、LogoVistaさんのほうで、EPWING変換サービスを始めてもらう。これ、有料でもいいと思うので、そしたらそこそこ商売になって現実的な気がします。どうでしょう、LogoVistaさん。


それがダメであれば、

LogoVistaブラウザを、とにかく使いやすくしてもらう

改めてLogoVistaブラウザを使い込んでみて、ここがいかん、こうしてほしいという要望をまとめようと思っています。で、それをもってLogoVistaに乗りこみます。

もし、この方向で前進したら、その次に、

LogoVistaブラウザで、EPWINGデータも読み込めるようにしてもらう

そうなったら、現行のEPWINGブラウザが不利になりそうですが……。

01:59 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (1)

はてなブックマークに追加

2016.01.24

# 辞書のCD/DVD-ROMの収納

今日は、CD/DVD-ROM辞書のメディアのお話です。

Oxford系の辞書(OED、SOED、COD)や、かつてのEPWING版ジーニアスのように、ROMメディアだけでパッケージになっているものは、本棚に並べることもでき、収納に困ることはありません。

LogoVistaになると、パッケージがけっこう邪魔になりますが、最近はほとんどダウンロード購入にしています。

困るのは、たいてい紙の辞書とメディアがセットになっている英英辞典たちです。

1601243

昨年の後半に買ったタイトルだけで、あっという間にこうなりました(その後、このほかにまた2冊増えました)。


辞書本体にはひとまず用がないので、倉庫に運んでしまいますが、問題なのは辞書メディアの保管です。

辞書とメディアがセットの場合、メディアはたいてい巻末にくっつけてあるスリーブに収納されています。

インストールが終わったら、普通はそのスリーブに戻すのかもしれませんが、ウチの場合、インストールが終わると辞書本体は段ボールに詰めて倉庫に収めてしまう。そういうのがたまっていくと、再インストールが必要になったとき、メディアを探し出すのが大変になるわけです。

そこで、辞書メディアだけを、こんな風に収納・保管することにしました。

1601241

辞書メディアだけでなく、普通のソフトウェアのインストールメディアも、今まであちこちに散らばっていたのを全部ここに集約しました。

1601242

文房具店に売っている---さすがに、これは百均にはないと思う---、こういうバインダーです。これからも、どれだけ増えるかわからないので、いちばん大きいのを購入。


インストールメディアと一緒に、同サイズの取扱説明書(またはインストールマニュアル)が付いているときは、

1601244

このように、それも一緒にしまっておきます。

また、インストールするときシリアル番号とかインストールキーが必要なやつは、

1601245_2

こうやって、パッケージから切り取ったり付箋を使ったりして、必要な情報も一緒にしておきます。


これで、紙の本体とか、かさばるパッケージをだいぶ整理できました。

01:43 午後 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.12.29

# Merriam Webster - オンラインの有料版と無料版

昨日のエントリで、ランダムハウスの日本語版がほとんど入手不可と書きました。

現在、電子データ版をほとんど入手できないもうひとつの大物が、これ。

Webster's Third New International Dictionaryです。

Random House Websterについてのエントリでもちらっと書いたとおり、"Webster"というブランドは誰でも使えるようになっていますが、Third New International は、現在のMerriam-Websterにつらなる、いわば「正統派Webster」の最新版です。

最新版といっても発行は1961年。

つまり、私と同い年なわけで、とても「最新」とは言えない。第4版の編集が進んでいるという噂もありますが、いつ出るものやら定かではありません。

したがって、正統派をうたうMerriam-Websterとして情報がこれより新しいのは、

こちらのCollegiate版(11th)ということになります。


では、Merriam-Websterさんは最近お仕事してないのかというと、そんなことはなくて、やはり現在はオンライン版が充実しています。

しかも、無料版と有料サブスクリプション版があるので、その比較も含めてご紹介しておこうと思います。

無料版はこちら。

リンク:Dictionary and Thesaurus | Merriam-Webster

基本的な特徴は、英英の各種オンライン辞書について書いた以前のエントリに書きました。

Websterの伝統にのっとった、百科事典的に詳しい説明が特長です。また、メインの語義のほか、やさしく言い換えた語義が載っていたり、学習辞典へのリンクがあったりするのも親切。

一方、こちらが有料サブスクリプション版。

リンク:Merriam-Webster Unabridged

1512281

その名も Unabridged。

年間29.95ドルなので、KODの半分くらいですが、1冊だけでこれ、と考えると割高かもしれません。


では、無料版と有料版を比較するために、commodityという単語を引いてみます。

「ハードウェアがコモディティ化した」という使い方があります。コトバンクを見てみると、

コモディティとは一般化したため差別化が困難となった製品やサービスのことをいう。

と解説されていますが、この語義が載っている辞典はまだわずかです(手元で確認できたのは、Longman Advanced American Dictionary 2nd、American Heritage 5th、リーダーズ第3版くらいでした)。


まず、無料版から(クリックして拡大してみてください)。

1512282

赤線で囲んだのが、最近の用法に当たる語義です。語釈はすこし違いますが、1 c と 4 がどちらも該当します。1はeconomic goodとしての下位分類、4はもっと広い使い方ということでしょうか。

いずれにしても、こういう新しい用法がちゃんと収録されていました。さすがです。

ちなみに、See commodity defined for English-language learners というリンクがあります。このリンク先にあるのは、Merriam Webster Advanced Learner's Dictionary の内容。LogoVistaさんが『メリアムウェブスター英英辞典』という曖昧な名前で売っているのと同じです。


では、次に有料版。

1512283

無料版の 1 c と同じ語義が、2 c として立項されています。が、無料版の4のような詳しい語義はありません。


有料版のほうが役に立たない……という単純な話ではありません。新しい用法の情報が少ない分、本来の歴史主義に即して、archaic というラベルの付いた語義が 1 として立項され、例文も載っています。


要するに、有料版のほうは、Third International で止まってはいるものの正統派Websterの伝統を守りつつ、新しい用法も慎重に採り入れている。いわば、学究的な内容だということ。

対する無料版のほうは、多くのユーザーの役に立つよう無料で提供し、新しい使い方もどんどん紹介していくという現実路線。

そういう違いなのでしょう。無料版と有料版の差別化としては、なかなか妥当だという気がします。

それにしても、無料でこれだけの充実度。感謝です。

12:03 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.12.27

# ランダムハウスの特色、日英も比較しつつ

Random House Webster(ランダムハウス英和大辞典の親本)を買ったというエントリで、

> ランダムハウスのほかにはあまり見ない語義が載ってたりすることもある。

と書きました。


ランダムハウスの最大の魅力は、

語義の分類が細かく丁寧な(場合が多い)こと

です。

その一例を挙げてみます。

引いてみたのは、party という単語。

日本語版である『小学館ランダムハウス英和大辞典』と、英語版である Random House Webster's Unabridged Dictionary の語義を並べて書いてみます。

日本語版が上の行、英語版が下の行(青字)です。語義以外の情報や例文、【11】以降の俗語などは、適宜割愛しています。


【1】社交的な集まり,会合,パーティー:
 a cocktail party カクテルパーティー
1. a social gathering, as of invited guests at a private home, for conversation, refreshments, entertainment, etc.: a cocktail party.

【2】
(1)(ある目的・任務などのために共に行動する)団体,グループ,一行[隊],(愛好者)仲間,連中;(動物の)一群
 a party of pilgrims [tourists] 巡礼者[旅行者]の一行
2. a group gathered for a special purpose or task: a fishing party; a search party.

(2)(通例,2人以上の)(レストランなどの)顧客,常連;(行事などへの)参列[参会]者,同席者,一行
11. a person or, usually, two or more persons together patronizing a restaurant, attending a social or cultural function, etc.: The headwaiter asked how many were in our party; a party of 12 French physicists touring the labs; a party of one at the small table.

(3)(特定の任務を帯びた)小部隊,分隊,分遣隊:
3. a detachment, squad, or detail of troops assigned to perform some particular mission or service.

(4)(論争・紛争・問題などでの)支持団体[グループ].
4. a group of persons with common purposes or opinions who support one side of a dispute, question, debate, etc.

【3】*しばしば P-*政党:
5. a group of persons with common political opinions and purposes organized for gaining political influence and governmental control and for directing government policy: the Republican party; the Democratic party.
6. the system of taking sides on public or political questions or the like.

【4】党派,派閥,結社;党派心,派閥的精神(partisanship):
7. attachment or devotion to one side or faction; partisanship: to put considerations of party first.

【5】*法律*
(1)訴訟当事者:原告または被告.
8. a. one of the litigants in a legal proceeding; a plaintiff or defendant in a suit.

(2)(証書・契約書などの)署名[記入]人*to**:
8. b. a signatory to a legal instrument.

(3)(犯罪の)加担者,共犯者*to, in**.
8. c. a person participating in or otherwise privy to a crime.

【6】(行動・計画などの)関係[関与]者*to, in**:
9. a person or group that participates in some action, affair, plan, etc.; participant: He was a party to the merger deal.

【7】*主に英話**おどけて*問題[話題]の人,特定の個人;人:
 an odd old party 変な老人.
10. the person under consideration; a specific individual: Look at the party in the green velvet shorts.

【8】電話の相手:
12. a person participating in a telephone conversation: I have your party on the line.

【9】(パーティーに似た)行為,大騒ぎ,…パーティー;…し合い[騒ぎ]
13. any occasion or activity likened to a social party, as specified; session: The couple in the next apartment are having their usual dish-throwing party.

【10】(しばらく続く)幸運な[都合のいい]時;楽しいこと:
14. an advantageous or pleasurable situation or combination of circumstances of some duration and often of questionable character; period of content, license, exemption, etc.: The police broke in and suddenly the party was over for the nation's most notorious gunman.


日英では、収録の順番が違っており、大項目と小項目の分類もすこしずつ違っています。このあたり、日本語版の編集でいろいろ工夫していることが感じられて、おもしろいところです。

ここで注目したいのは【10】(英語版の14)の語義です。具体的な「パーティー」ではなく、「お楽しみはこれからだ」みたいに使うときの語義です。


そのほかの辞書では、大辞典から学習辞典までいろいろ見てみましたが、この語義は立項されていません。

用例まで細かく見ていけば、同じような内容はあるのですが、だいたい「パーティー」の項に吸収されているようです。

The ~ is over. パーティーは終った;((略式))楽しいことはもうおしまい.【G大、1の項】

The party is over and I'm still basking in the afterglow of renewing old friendships.【うんのさん】

The party's over. ((口)) お楽しみはおしまい.【R3】

大切なのは、ランダムハウスではこれが独立したひとつの語義として立項されているということです。

以前、類語辞典についてのエントリで、類語かどうかのカテゴリー分けに意味があるという意味のことを書きました。

それと同様、ある辞書がどういう語義を立てているか(あるいは大項目、小項目などの分類も)という観点は、辞書の編集方針を反映し、辞書の特色となるポイントです。


ただし、細かく立項しているほうがいい、と言っているわけではありません。それぞれの辞書の特徴だという話です。当然ですが、各種の国語辞典を見ても、こういう違いはあります。


ちなみに、OED ではこうなっていました。

9. b. Phrases: the party is over: enjoyment must stop; the happy or easy times are at an end; to keep the party clean: to act responsibly; to conform to accepted patterns of behaviour.

ということは、ほとんどこの句でしか使われない語義を、ランダムハウスはわざわざ立項したとも考えられます。

そういえば、英和大辞典のうち、G大と研究社英和大は、LogoVistaなども利用すれば今でもそろえられますが、ランダムハウスだけは、辞書ブラウザに使えるデータがほぼ入手不可になっています。

201512271_2

あいかわらず電子辞書には収録されており、アプリもあるようですが、小学館さん、CD-ROMの再版を考えてくれないものでしょうか。


12:49 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.12.08

# Random House Websterを買ってみた

こんな辞書を買いました。

私が買ったのは米国内で出ていた中古版で、配送料も入れて3,400円くらいでしたが、今はもっと高くなっているようです。

10/21に注文して、船便ではるばる……12/7に到着。中古ですが、書籍自体もけっこうきれいで、CD-ROMもちゃんと付いてました(しかも、ビニールのスリーブが未開封だった!)。

タイトルは Random House Webster's Unabridged Dictionary

これはいったい、Random Houseなんでしょうか、Websterなんでしょうかw


ランダムハウスというと、日本では小学館から出ている『小学館ランダムハウス英和大辞典』をさすのが一般的です。

初版が1973年に出て(4巻本)、その後1979年に1巻本が出ました。余談ですが、1980年に大学に入ったとき、私の恩師(故人)が入学祝いにこの1巻本をくださいました。

そして、今も出ている第2版の出たのが1993年。以来、英和大辞典の定番中の定番として、CD-ROM版が出たり(現在は入手困難)、電子辞書にも必ず収録されるようになっています。アプリも出ています。

第2版の序文を見ようとしたのですが、電子版には入ってませんね(CD-ROM版も、DAYFILER収録版も)。

ジャパンナレッジに簡単な解説だけありました。

米国版第2版にはない見出し語3万語と語義5万を追加し、用例は米国版の6万5,000に11万を加えた17万5,000にのぼります。(中略)米国版に不足しているイギリス英語、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドはもとより、アフリカ・中南米など第三世界の英語まで幅広く収録しています。


そう、日本語版は、英語版にない編集が入ってるんですよね。それから、ランダムハウスのほかにはあまり見ない語義が載ってたりすることもある。


そんなわけで、小学館ランダムハウスのもとになった英語版がほしかったのですが、定本だった

Random House Dictionary of the English Language

は、望ましい形では手に入りそうにありません(試しにAmazonで検索してみてください)。実際、この名前で検索すると、Wikipediaも

Random House Webster's Unabridged Dictionary

にリダイレクトされます。

つまり、私が今回買ったのは、タイトルこそちょっと変わっていますが、中身は小学館ランダムハウスの定本と同じらしいのでした。

さてさて、そうなると、このタイトル Random House Webster's を不思議に思われる形もいらっしゃるかもしれません。

「Webster」の名を冠した辞書については、Wikipediaの解説をご覧ください。

リンク:ウェブスター辞典

(英語版はこっち


私が---たぶん、これをお読みの多くの人も---直接、見たり使ったりしたことがある、いわゆる「Webster の辞書」は、1961年に出た

Webster's Third New International Dictionary

でしょう。

ところが、"Webster"という名称が固有の登録商標としての権利を失ってしまい、あちこちの出版社がいわば「大辞典」の代名詞のように "Webster" の名を冠するようになったんだとか。日本で言えば、「言海」が一般名になっちゃって、「岩波大言海」とか「大修館言海」とか「角川・ザ・言海」とか「小学館 言海ナレッジ」とか「ベネッセ言海」みたいに乱立したようなもんか。


ちなみに、LogoVista版『メリアムウェブスター英英辞典』をお持ちの方は、[ヘルプ]→[凡例]を開いてみてください。

なお、『メリアムウェブスター英英辞典』というのも、これはこれで紛らわしい名前です。LogoVistaさんに再考を求めます。原題は、下のスクリーンショットにもあるとおり、

Merriam-Webster Advanced Learner's Dictionary

です。

1512083

「ウチ以外の "Webster" は信用できるとは限らないからね」と断言しています。ここんとこ、日本語版のWikipediaには書いてありませんが、英語版ではこう解説されています。

the only succeeding dictionaries that can trace their lineage to the one established by Noah Webster are those now published by Merriam-Webster.

つまり、Merriam の付く辞書だけが、ノア・ウェブスターさんからの直系である、と。

じゃあ、その直系の辞書は今どんなのがあるかというと、英日でメインになるのは、

Merriam-Webster Advanced Learner's Dictionary

Merriam-Webster Collegiate Dictinary

くらいです。1961年に出たInternational Thirdの電子版というのも、なかなか手に入りません。

さて、Random House のほうは、1966年に

The Random House Dictionary of the English Language: The Unabridged Edition

を出版。これが最初の『小学館ランダムハウス英和辞典』の底本ですね。で、1987年に第2版を出す。その時点では、まだ

The Random House Dictionary of the English Language, 2nd Edtion

だったわけです。別に "Webster" という名前を借りなくたってよかったと思うのですが、その後、Random House Webster's になって今日に至る、と。


なお、CD-ROMはXPまでしか正式に対応していないようでしたが、Windows 7 64bitでもちゃんとインストールでき、動いています。ただ、一部文字化けは起きています。

1512084


10:28 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.11.21

# 今年最後の辞書セミナー ~ ノウハウを中心に

こちらでの告知が遅くなりました。


私が今年の後半にあちこちでやってきた辞書セミナーについては、以前こちらにまとめました。

リンク:# 辞書について思うこと


そして、今年最後(来年あるかどうかは未定)の辞書セミナーを、東京ほんま会の主催でお届けします。

リンク:【開催予定】「辞書ブラウザを使いこなせ!」セミナー

日時 :12月13日(日)13:00~16:30
定員 :40名
受講料:3,500円

【11/29追記】
おかげさまで、満員御礼となりました。これ以降は、キャンセル待ち受付となります。ご了承ください。


時間は3時間以上あるので、8月に大阪のほんま会でやった内容に近くなりますが、東京開催では今まででもっとも時間をとって話をすることになります。

かつ、今回はタイトルにあるとおり、辞書ブラウザの使い方を徹底的に説明する予定です。


具体的には、以下のような内容になる予定。

・翻訳者の辞書環境

・これから揃える辞書環境

・Jamming/Logophile/EBWin4/LogoVista各辞書ブラウザの特徴

・各辞書ブラウザの具体的な使い方

WordNet 3.1の紹介と詳しい使い方

類語辞典(Oxford Learner's Thesaurus、他)の詳しい使い方

など。

※英和、和英、英英、国語のいずれも扱いますが、専門用語については触れません。


前にも書いたとおり、この半年くらい、辞書については私自身でもいろいろと発見の連続でした。だいぶ投資もしました^^

その発見を共有するためのセミナーでもあります。


これから辞書をどうしようかと迷っている方、手元の辞書を活用しきれていないと思っている方、ぜひご参加ください。
(お申し込みは、上記、東京ほんま会のページからお願いします)

09:43 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.11.19

# 『日本語大シソーラス』と「シソ改」の事例比較

以前、大修館の『日本語大シソーラス』と、そのデータを大久保克彦さんが加工してくださった『シソ改』の話をかきました(参照リンク:# 日本語の類語辞典 ― 『日本語大シソーラス』と「シソ改」)。


そのときも例は出したのですか、何が違うのかよくわからなかったかもしれません。
もう少しわかりやすい例があったので、改めて紹介しておこうと思います。


なお、大久保さんの解説サイトでは、「前方一致」または「条件検索」が使われていますが、語句によってはそれではヒットしないことがあります。やはり「自動検索」がいいのだろうと思います。


「かなり」を引いた例

こちらが本家『日本語大シソーラス』

1511191

こちらが『シソ改』

1511192

本家では、「然るべき・~に足る」から「随分」まで4つの概念分類が並び、その先に進むと詳しい画面が現れます。

『シソ改』では、「然(しか)るべき・~」と「随分[程度[質的・意力]]という2つの概念分類のあとに直接、類語が並んでいます。概念分類(青字)をクリックすれば、本家と同じように詳細画面に進みます。ただし、本家にあった「凡そ」と「一通り」という概念分類はなくなっています。

この例だと、どちらがいいと一概には言えない感じですが、シソ改のほうが一覧性に優れている、ひとまずざっと見たいときにはいい、というところでしょうか。


「そこそこ」を引いた例

こちらが『日本語大シソーラス』
(引いた直後ではなく、「そこそこ」)を選んだ状態

1511193

こちらが『シソ改』

1511194

本家では、「縁が薄い・縁がない」から「温情主義」まで、概念分類の数がだいぶ多く、これをすべて見ていくのは、そこそこ大変そうです。

これが『シソ改』となると、概念分類ごとにすでに類語が並んでいるため、いろいろな類語が一目瞭然。さきほどの例よりずっと、一覧性が高いことのメリットが感じられます。

『日本語大シソーラス』のデータ変換は、慣れていればさほど難しくないのですが、もし不明な点などあれば、翻訳フォーラムのメーリングリストで質問するか、こちらにコメントをいただいてもOKです。

07:06 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.11.07

# 英語の類語辞典 ― Oxford Learner's Thesaurus

前エントリで、日本語の類語辞典を紹介しました。続いて、英語の類語辞典も紹介しておきます。

もともと、類語辞典(Thesaurus)は英語圏のほうが充実していますし、ふつうの英語辞典(英和、英英)にも、類語情報はかなり載っています。


が、今回のイチ押しは何といってもこれです。


英語世界で最初の類語辞典はRoget's Thesaurusということになっています。

その1911年版がオンラインで検索できるようになっています。

リンク:Roget's Thesaurus (1911) - The ARTFL Project

たとえば、このサイトでcriticalという語を引いてみました。

ただし、[Search headwords:]で検索してもヒットせず、[Search full text:]で検索するとヒットします。つまり、criticalは見出し語にはなっていないということです。

1511071

上のスクリーンショットでは一部しかわかりませんが、

134. Occasion.
480. Judgment. [Conclusion.]
642. Importance.
665. Danger.
704. Difficulty.
8. Circumstance.
932. Disapprobation.
934. Detraction.

と並んで、その中に類語が品詞別に並んでいます。つまり、この辞書は前エントリで紹介した『日本語大シソーラス』と同じように、概念カテゴリーでグループ化する「分類型」だということです。

これと同じデータが、EPWING版でも公開されています。

リンク:FPWBOOK

1511072

が、はっきり言ってこれ、私には使いこなせません。英語ネイティブでも……どうなんでしょうか。


そのほか、私の手元には、

Merriam Webste'r Collegiate Thesaurus(同 Dictionary 11thとセット)

『Oxford Thesaurus of English 3rd(DF-X10001)

などがあるほか、LDOCEでも類語情報はかなり充実しています。

1511073

この赤枠のなかに、ThesaurusとLongman Language Activatorというのがあって、機能は違いますが、いろいろな関連語を調べられるようになっています。


また、Oxford Learner's Thesaurusと同系列であるOALDでも、類語情報は豊富です。

1511074

このように、共通の語義(These word all describe... )を書いたうえで、各単語の詳しい説明や用例を載せ、さらには、特にまぎらわしい語には比較説明もあります(crucial or critical など)。


Oxford Learner's Thesaurus(OLT)も、実はこのOALDの類語情報と、基本的には同じです。が、類語という観点で調べたいときには、OLTのほうがだんぜん便利です。

1511075

criticalを引くと、まず

CRITICAL
ESSENTIAL
SERIOUS

のように語義の大分類があって、それぞれに類語情報が表示されます。ここでは、ESSENTIALの項を見ています。


最初に、類語の一覧と共通語義が示されます。これはOALDと同じ(ただし、OALDではいつも出てくるわけではない)。

essential • vital • crucial • critical • decisive • indispensable • imperative • pivotal • of the essence
These words all describe sb/sth that is extremely important and completely necessary because a particular situation or activity depends on them.

criticalを探すと、crucialとしか書いてありませんが、crucialを見ると、

extremely important because a particular situation or activity depends on it

と書いてあり、さらには

NOTE crucial or critical? There is no real difference in meaning between these words and they can be used with the same range of nouns and structures. However, there is sometimes a slight difference in context. Critical is often used in technical matters of business or science; crucial is often used to talk about matters that may cause anxiety or other emotions.

と、比較説明もあります。

載っている情報はおおむねOALDと同じですが、肝心なのは、この見やすさ。


まずポイントになるのが、最初に並ぶ類語の一覧です。これを見れば、いくつかの単語が

そもそも類語と見なされているのかどうか

がわかります。


たとえば、先日も授業でこんな英文を扱いました。

It is every traveler’s nightmare: weather hazards causing large numbers of unexpected flight cancellations and disrupting the plans of passengers, resulting in anguish and anxiety.

anguishとanxiety、OLTではどうなっているでしょうか。


例によって、この2つの単語の違いがよくわかっている人はいいんです。

でも、現にこれを「苦悩と不安」と訳してくる方はたくさんいて、じゃあ、その違いってなんなんでしょうと聞くと、実はよくわかっていない。英単語を日本語に置き換えただけで、anguishとanxietyの語義を本当にはとらえていないからです。


OLTでこのふたつを引くと、こう出てきます。

1511077

これが、anguishを含む親見出し、distressです。

distress • pain • suffering • anguish • torture • agony • hurt • misery

と並んでいますが、ここにanxietyはない。

1511078

一方、anxietyの親見出しはconcernでした。

concern • worry • anxiety • apprehension • unease • angst • agitation

やはり、類語グループにanguishはありません。

この段階で、このふたつは類語と思われていないということがわかります。それぞれの共通語義を見てみると、

anguishのほうは「感情的な痛み、苦しみ」、anxietyのほうは「不安、心配」ということです。anguishのほうが実際に起きてしまったことによって受けている精神状態、anxietyのほうはこれからのことに対する不安、とも言えるかもしれません。


もちろん、このように違いがわかっても、さてそれをどう訳すのか……というのは別の問題です。が、少なくとも、それぞれの共通語義を見たら、「苦悩と不安」だけでは

原語の違いが伝わらないんじゃないか

と疑問を持つことはできるはずです。


上に挙げたスクリーンショットは、OLTの固有ブラウザですが、

LogophileはOLTに対応

しています。この点は、Logophileを使う大きいメリットと言っていいでしょう。

ただし、Logophileで読み込めるのは、冒頭に紹介したバージョンです。『オックスフォード英語類語活用辞典』という名前で、日本語解説付きのバージョンも出ていますが、こちらのデータを読み込めるのかどうか、Logophileのサイトでは保証していません(CD-ROMデータ自体は同じようにも思いますが、当然ながら未検証です)。


ちなみに、しばらく前から話題にしているWordNetでも、基本的にこれと同じような類語の調べ方ができます。

そして、このOLTの(完全ではないが)翻訳版も出ています。つまり、語義説明と類語に訳を当てたものです。もともとは書籍版で、CD-ROM版は出ていませんでしたが、つい最近iOSアプリが出ました。

リンク:小学館 オックスフォード英語類語辞典 | iPhone | 物書堂

これを単独で使うのは、あまり意味がないように思います。語義説明は、あくまでも上の例のように、まず英語で確認すべきです。

ただ、こちらのバージョンも併せて使うと、訳語を探すヒントになるかもしれません。

1511079

15110710

この「類語訳」のところに並んだ訳です。

03:48 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.11.05

# 日本語の類語辞典 ― 『日本語大シソーラス』と「シソ改」

日本語の類語辞典もいろいろ出ていますが、大きく分けると分類型と非分類型があります(正式な用語じゃないかも)。

分類型というのは、概念を項目にして(場合によっては、大項目-小項目のようにレベルを設けて)、そこに分類される単語を示すタイプ。

大修館の『日本語大シソーラス』などが代表です。


非分類型というのは、単語を項目として、その類語を羅列するタイプ。

このタイプでは、『デジタル類語辞典』が手軽に使えます。

そのほか、『学研国語大辞典』(Super日本語大辞典版)にも類語の機能があります。



これが『デジタル類語辞典』の画面(単独アプリケーションです)。

1511051

非分類型ですが、「同義語」、「狭義語」、「関連語」などのカテゴリに分類されているので、とにかく見やすく手軽。訳語さがしには重宝します。


こちらが『学研国語辞典』の画面。
Super日本語大辞典版をEPWING化したデータです)

1511052

ずらっと並んでくれるのはいいのですが、ルビがちょっと邪魔です……。


そして、これが『日本語大シソーラス』の画面。
(LogoVistaデータをEBWin4で使っています)

1511053

「賢い」を引いても類語がすぐに出てくるわけではなく、このように「0385 賢い」という親見出しの下に、「0385.01 知的」とか「0385.07 賢い」のように下位概念が並び、その先に進むと

1511054

このように類語が表示されます。この構造が分類型の特徴です。

注:EBWin4で『日本語大シソーラス』を使う場合は「自動検索」がいいようです。

この分類型も、用途によっては非常に便利です。たとえば私は、英英で概念をつかんだあとに、そのぼんやりした輪郭を抱えたままこの『日本語大シソーラス』に進んで言葉を探しはじめることがよくあります。

でも、とにかく類語を一覧したいというときには、こういう構造にしばられず、もっと自由に---ふつうの国語辞典のように---検索したいこともあります。

実は、そう感じた人がほかにもいました。EPWINGの救世主、大久保さんです(下のリンク先を読むとわかりますが、故・山岡洋一さんも同じようにお考えだったらしい)。

リンク:シソ改 ~~ 『日本語大シソーラス』の全語彙検索EPWING化 ~~

LogoVista版のデータを持っていれば、このページの説明に従って、分類型の構造にしばられないデータを作ることができます。

大久保さんのサイトであげられているのとは違う例を出しておきます。

1511055

これが、ふつうの『日本語大シソーラス』を引いたところです(自動検索)。ここから概念分類に沿って、たとえば「0413.01 意義深い」に進んで言葉を探すことになります。

これを「シソ改」に切り替えてみるとこうなります。

1511056

ヒットするのは、ふつうの国語辞典と同じように五十音順の見出し(ここだけで、簡易なコロケーション辞典にもなります)。この中で「興味」を見れば、とりあえず類語を一覧することができ、「趣き」方向かなーと思ったら「趣き」をクリック、「おもしろい」系かなーと思ったら、そこにある「0413.01」のリンクをクリックすれば、最終的には元々の分類にたどり着きます。

リンクを行ったり来たりするので、これを使うなら断然、EBWin4が便利です。


もとは同じデータでありながら、分類型の類語辞典としても使え、シソ改に切り替えれば国語辞典的にも使えるので、もし類語辞典がピンとこない人は、シソ改から入ってみるといいかもしれません。

ところで、『日本語大シソーラス』はもともとLogoVista版なのですが、当のLogoVistaブラウザでは使い方に注意しないといけないようです。

上のEBWin4で「賢い」を引いたときは「自動検索」を使いましたが、LogoVistaブラウザにそういう機能はありません。

「前方一致」の検索結果はこれだけ。

1511057

「0385.07 賢い」がヒットするだけで、親項目である「0385 賢い」が出ててきません。

「条件一致」にしてみました。これがいちばん多くヒットしそうだからです。ところが---

1511058

これでも、0385.07、0385.15、0853.07という3つの分類しかヒットしません。正解は---

1511059

「部分検索」でした。これでようやく、「0385」の親項目がヒットし、「0385.01 知的」~「0385.16 愚者も一得」までの観点が並びました。

LogoVistaブラウザは、もっとがんばってもらいたいものです。

【追記】

『日本語大シソーラス』は、電子辞書(DAYFILERやカシオ製品など)にも収録されているモデルがあります。私の手元のDF-X10001にも実は入っているのですが、なんとこれが、

PASORAMA非対応

なんですね。つまり、本体でしか使えない。なんでそんなことになってるのかよくわからないのですが---。

で、めったに使わない本体を開いて、ためしに「賢い」を引いてみました。

結果は、LogoVista版の「条件検索」と同じようです。ある程度の検索はできていますが、この辞書の本領は発揮できていません。カシオ製品とかだと、どうなのかなー。


【さらに追記】

カシオ製品、ちょっと古いモデルですが、手元にありました(XD-GW9600)。

15110510

やはり、LogoVistaブラウザの「条件検索」と同じ結果でした。

これでいいのか?

02:51 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.11.01

# 英英辞典ひかない、なんてありえない

イカロスさんから、こんなムックが出ました。

私も、辞書についての記事を1本書きましたが(pp.16-21)、英英辞典についてはちょっと補足しないといけないような気がしてきました。

英英辞典を引くということについて、「訳語」ではなく「語義」をつかむことが必要だと書いたうえで、

それが、遠回りのように見えて実は最も確実な道筋です。

と私は書いています(p.20)。


また、同じく辞書について書いておられる松田浩一さんは、こう書いていらっしゃいます。

適切な訳語が英和辞典に載ってない場合は原点に立ち返りましょう。(中略)英英辞典をうまく活用することが上達の早道だと思います。

ふたりとも、「何がなんでも英英を引け」という書き方ではなく、どちらかというと「できるだけ引こう」くらいにしか書いていません。でもやっぱり、

英英辞典引こう

ではなく、

英英辞典から引こう

だな、と思うわけです。


実例として、sidekick という語を考えてみます。

あ、もちろん、この語の使い方とか語感をよーく知っていて辞書なんか必要ない、という人はいいんですよ。この語に限らず、自分の語彙力が豊富であれば、原語を読んで理解するにしても、それを訳文として出力するにしても、自分の語彙を使いこなせばいい。

10/15のセミナーでもちらっと言いましたが、辞書の話をするときに実例を出すのって、「自分はこんなことも、調べないとわかりませんでしたー」というのを暴露する行為なわけですね。でも、別に隠すことでもないでしょう。

ということで、sidekick です。「人物Aが、あるプロジェクトで人物Bのsidekickだった」という文脈で使われていました。まず自分の頭から引き出せる情報は、こんな程度です---

「sidekickって、何かいっしょにやる人とか、助手みたいな意味だったよなあ……」

そうなると、人物AとBの関係も知る必要があります。調べてみると、AとBはほぼ同年齢なので、「助手」ということはないんじゃないか…… そう考えながら辞書を引いてみます。

ランダムハウス 2nd
1 ⦅俗⦆ 親友.
2 ⦅俗⦆ 共謀者,相棒(confederate);助手

研究社大英和 6th
⦅口語⦆ 仲間 (companion); 親友 (close friend); 相棒, 同類 (partner, confederate).

ジーニアス大英和
⦅米略式⦆ 1 親友;仲間;助手.
2 共謀者.

リーダーズ 3rd
《口》 親友,助手,相棒,共謀者

ロングマン英和
(映画の登場人物などの) 右腕(役),相棒,仲間


…… こういう英和を見て「仲間」とか「同僚」みたいにしていいものでしょうか。英英を確認してみましょう。

LDOCE 5th
n [C] informal
someone who spends time with or helps another person, especially when that other person is more important than they are

Collins COBUILD
noun (informal)
a person who helps another more important or more intelligent person:
◇Batman and his young sidekick Robin

OALD 8th
Someone’s sidekick is a person who accompanies them and helps them, and who you consider to be less intelligent or less important than the other person.[INFORMAL]

ODE 3rd
a person’s assistant or close associate, especially one who has less authority than that person.


赤字の部分に注目してください。どれを見ても、上下関係というか優劣というか、そういうことが書いてあります。COBUILDの例文でも一目瞭然。

バットマンから見て、ロビンがsidekick

なんですね。

ちなみに、英和でも学習辞典でこの補足が見つかりました。

オーレックス英和
((口))仲間, 同僚, (自分より役柄が下の)相棒、助手


やはり、年齢差はあまりなくても、人物Aは人物Bの助手的なはたらきだったようです。

英和を調べただけの段階で「仲間」としてしまったら、実際とズレた訳になってしまったかもしれません。

こういう例を考えると、やはり「英和を調べてぴったりする訳語がなかったら英英も調べる」ではダメだ---少なくとも、ダメな場合がある---ということになります。


だいいち、英和を調べて「ぴったり」だという自分の判断は、どれほど当てになるものでしょうか。


もちろん、「サイドキック」という言い方は(映画などの用語として)だいぶ見かけますし、Wikipediaにもこういうエントリーがあるわけで、

サイドキック (Sidekick) は物語やゲームに登場するキャラクターの役割の一つであり、主に、等身大ヒーローである主人公と行動をともにして、主人公の補佐を行う登場人物(脇役)のことである。相棒、親友といった意味合いに日本語訳されることもある[1]。

ちゃんと自分の語彙として知ってるならいいんですよ。

でも、なんでもかんでもよく知っているということがありえない凡人としては、やはり辞書を引く、しかもちゃんと引くということを何度も何度も繰り返さないといけないのでした。

04:14 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.10.21

# まだまだ調べ尽くせない辞書ブラウザの特性

前エントリで書いたように、この半年くらいずっと、自分の中でも辞書環境の再整備と研究がテーマになっていますが、辞書ブラウザの挙動については、いくら調べても調べ尽くせないと感じています。


cell tower

これが載っている辞書は、まだ多くありません。

私の手元では、ひとまず英辞郎に記載がありました。

携帯電話の基地局

v145にも載っていますが、v114にすでに収録されていました。英辞郎の更新履歴が調べられないので確かなことはわかりませんが、まだEPWING仕様でダウンロードできたころのデータで、たぶんもう5年くらい前だろうと思います。

ちなみに、Wikipedia(En)ではこうでした。

A cell site or cell tower is a cellular telephone site where antennae and electronic communications equipment are placed, usually on a radio mast, tower or other high place, to create a cell (or adjacent cells) in a cellular network.

これでわかるように、tower と site がほぼ同義に使われてるようなので、アンテナ塔だけでなく、まさしく「基地局」をさしているようです。

KODには収録されている、とご報告いただきました。


これに近いのが、唯一、うんのさんの辞書の用例にあったのですが……

there is an increasing demand for the construction of cell phone towers

移動電話塔の建設需要が増大[増加]している

この用例がいちばん簡単に見つかったのは、実はPASORAMA(DF-X10001)でした。


他の辞書ブラウザと比べると検索オプションがあまりにも貧弱なPASORAMAですが、実は[例文検索]のインデックスだけは優秀です。

cell towerで検索して、本文中の

cell phone towers

にヒットするのですから、JammingやLogophileで言えば、

全文検索 + 語尾補正

ができていることになります。


では、これと同じ検索が、他の辞書ブラウザでできるのかどうか調べてみました。


Jammingの一網打尽

1510211

いちばん右のボタンを[熟]にすると検索できません。[And]にしてください。

※今回は[条]、[複]、[ク]の3つはオフでも検索できました。が、これらのオプションは効果がなかなかわからないので、たいてい押しっぱなしにしています。

[熟]=熟語と、[And]との違いは、基本的に語順なのですが、tower/towers という語形の違いも影響しているようです。


Logophile

1510212

例文が2件ヒットしています。下のほうが、PASORAMAで見つかったのと同じ例文。

オプションは、[前]+[後]+[キ]+[全]+[And]+[字]です。

(実際には、[後]と[字]はオフでもいけました)

[And]オプションにしなければならないのは、Jammingと同じ理屈です。もうひとつ気を付けるのは、

[完]をオフにする

こと。Logophileのユーザーズガイドによれば、[完]オプションというのは、

オンの場合は入力された語と同じもののみを検索します

ということなの完全一致みたいなのですが、実は使ってみるとその効果がはっきりしません。試しに、[完]をオンにして検索してみたら、こうなりました。

1510213

例文1件だけになってしまいます。しかも、

The tower commands an excellent view

と、単語の一部に当たっています。ということで、[完]をオンにすると結果が絞られることは確かなのですが、違いが今ひとつわかりません。


ちなみに、Logophileだと「メリアム・ウェブスター英英辞典」もヒットしています。

1510215

この辺も、JammingとLogophileで挙動の違うところです。ただし、解説はありません(参照先になってるのは、ivory towerでまったく無関係)。


EBWin4

おっと、開発者のサイトを見にいったら、10/18付でアップデートされてました。素晴らしいペースです。

残念ながら、今回のお題だと、[自動検索]でも[全文検索]でもヒットしませんでした。

1510214

このように、[複合検索]で単語をひとつずつ指定しなければなりません。

最近はEBWin4をおすすめしているのですが、この辺はまだLogophileに一日の長があるようです。


DDWin

[総合]検索で全オプションをオンにして検索してみたのですが……

1510216

実はひとつも、上の例文にはヒットしていません。

[全文]検索にしてみました。

1510217

いくつかヒットしていますが、上のと同じ例文はいったいどこにあるのでしょうか……


答えは、increasing の中の例文、でした。この手の検索に関してはDDWinがいちばん分が悪いようです。

ところで今、DDWinのヒット結果でも、

there is an increasing demand for the construction of cell phone towers

移動電話塔の建設需要が増大[増加]している

という例文がどのエントリに含まれているのか、調べるのはけっこう骨でした。

実は、この点に関してはJammingもLogophileも似たようなもので、見つかった例文がいったい何のエントリに出てきた例文なのか、というのは簡単にわかりません。

その点も、PASORAMAは優秀でした。

1510218

このように、用例の頭にちゃんと、見出しが書いてあります。

つくづく、SIIの撤退はもったいないことだと思います(そういえば、"新サービス"はまだ始まらないんだろうか……)

というわけで、辞書ブラウザについては「どれがおすすめ」ということではなく、

「手に入るものはできるだけ手に入れ、同じ辞書データを入れて使い比べ」

てみたほうがいい、というのが目下のところ私の結論です。

01:15 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.10.16

# 辞書について思うこと

この半年、あちこちで辞書について話したり書いたりしてきました。

5/9(土)- 翻訳フォーラム
「学習辞書について」をメインに話すつもりでしたが、私用でやむなく欠席し、ご参加のみなさんにはご迷惑をおかけしました。m(__)m

7/5(日)- 十人十色
欠席した5/9の穴を少しでも埋めるべく、ただしEPWING辞書ブラウザの話をメインにして、学習辞書をちょこっと入れた内容でお話ししました。ただし枠が15分だったので、あちこち2倍速でプレゼン。

8/9(土)- 大阪ほんま会
十人十色に用意したのとほぼ同じ内容を、2時間枠で話しました。今までのところ、このときがいちばん時間枠に無理がなく、じっくり語れたと思います。

10/15(木)- JTF翻訳セミナー
これが昨日です。深井さんと二人だったので、こちらの持ち時間は50分。今回こそ学習辞書の内容をゆっくり話したかったので、EWPINGブラウザなどのノウハウについてはわりと駆け足になりました。

5年ぶりのJTF翻訳セミナー登壇で、130人くらいという久々に大きいオーディエンス。

ふだんのJTFより個人の参加が多かったように思うのですが、オンライン以外の辞書を利用している人が予想以上に少なかったという印象です。もしかしたら、辞書というものについての考え方が根本から変わってきているのかもしれません。

私(たち)としては、私たちが考える辞書の使い方を伝えていくしかないわけですが……




この半年、人前で話す準備も兼ねて、自分でも辞書環境をいろいろと整備し直したり、事例をためてきたりしました。その間の変化や、感じたことをまとめておきます。

1. 紙の辞書が増えた

辞書の種類を問わず、紙の辞書が一気に増えました。

学習英英のほとんど(LDOCE、COBUILD、OALD)は、紙の辞書にCD-ROM/DVD-ROMを付ける形で販売されており、データのみでは売っていません。OED、SODなどはむしろ例外的です。手元にある版が少し古かったり、あるいは元からあったデータがうまく読み込めなくなってたりして、何冊も買うことになりました(本棚に収まるはずもなく、足元に積んであります)。

国語関係が増えた最大の要因は、「ふつうの国語辞典ではカバーされていない、語句・表現の違いを説明する」ための資料を探したこと。『日本語 語感の辞典』、『日本語 誤用辞典』、『日本語類義表現使い分け辞典』などがそうです。


2. 辞書の個性があらためて見えてきた

いちばん自分で収穫だったのはこれです。

同じカテゴリーの辞書どうしの違い。今までも感覚的にはわかっていたつもりでしたが、資料を作るために同じ語句を引いて比べてみると、改めて辞書ごとのポリシーとか語釈のしかた、長所短所、個性が見えてきました。

ただし、辞書の個性をどうとらえるか、まして好き嫌いについては意見が分かれるところです。辞書のことを本気で考えてみたい人は、

自分で同じ語句を複数の辞書で引き比べてみる

(できれば、書き出してみる)

というのをおすすめします。辞書の個性がわかってくれば、どんなときどんな辞書に当たればいいのか、という感じもつかめてくるので、けっして時間の無駄にはなりません。


3. 辞書ブラウザの特徴を把握できた

Jamming、Logophile、DDWin、EBWin4、(LogoVista)。それぞれ長所も短所もあります。使ってみてどれかに絞るというのではなく、

使えるブラウザはぜんぶそろえておく

のが基本かもしれません。昨日も言いましたが、インデックスごとの挙動が辞書やブラウザによって違いますし、そもそもインデックスの作り方も違うからです。


4. これから辞書をそろえる方へ

残念ながら、以前のようにいずれかの辞書ブラウザにすべてを集約することは難しそうです。これから辞書環境をそろえようという人に、ひとつのモデルを提示しておきます。

  1. 現時点でそろうEPWINGデータを辞書ブラウザで使う

  2. WoreNet 3.1
    うんのさんの辞書
    ジーニアス大英和

  3. オンラインの辞書をひととおりブックマークする

  4. 必要に応じて、LogoVistaのタイトルをそろえていく

LogoVistaのタイトルは、昨日お話ししたとおり「セキュリティ上の理由から」フォーマットがたびたび変わります。『リーダーズ第3版』以前に出たタイトルはだいたい、EPWING辞書ブラウザで読み込めるようです。

01:16 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.09.12

# オンライン辞書のことも少し~ただし英英

続けて辞書の話ばかりしていますが、ここらでオンライン辞書のことも書いておきましょう。

といっても、私自身は実はあまり使っていないので、このブログをお読みの方のほうが詳しいんではないかと思います。オンラインを串刺しで検索するDicregateのこともまったく知りませんし……

別にオンライン辞書の実力を軽視しているからではなく、私の場合は単に「辞書を手元に集めるのが好き」という好みの問題です。

翻訳者ご用達で代表的なのは、やはり研究社のKODでしょうか。でも、私はここを有料利用していないので、今回は除外します。

そのほか、日本のサイトはちょっとおいといて、英英のサイトに絞ってみることにしました。以下6つのサイトをご紹介します。

WordNet Search - 3.1

Collins Dictionaries

Longman English Dictionary Online

Oxford Dictionaries

Merriam-Webster

American Heritage Dictionary

先日もエントリにしたWordNetと、学習英英ご三家、そしてネイティブ向けとして2つのサイトです。

このほかにも、Macmillan Dictionaryなどいくつかのサイトがありますし、

Dictionary.com

OneLook Dictionary Search

のような辞書ポータルサイトもありますが、今回は取り上げません。

いろいろな紹介のしかたがあるはずですが、今回は「新しい語彙を引いて、定義のしかたを比べてみる」ということをしてみようと思います。

WordNet Search - 3.1

もちろん、無料です。

こちらは、検索フィールドと表示オプションがあるだけで、先日紹介したEPWINGのような細かい使い方はできません。もっとも、オンライン辞書のほとんどはそういう細かい検索オプションはないのがふつうです(私が個人的にオンライン辞書をあまり使わない理由のひとつがこれです)。

carbon footprint

を引いてみましたがヒットしませんでした。語釈のしかたは、先日のエントリに書いたとおりです。carbonだけ引用してみましょうか。

1509121

an abundant nonmetallic tetravalent element occurring in three allotropic forms

専門語を遠慮なく使ってギューっと濃縮された感じの説明です。abundantというひと言が入っているのがおもしろいですね。


Collins Dictionaries

サイトの見出しに"ALWAYS FREE"と書いてあるとおり、完全無料です。すごいなぁ。

まず、このインターフェースにあるタブに注目してください。

1509122

[English]のほかに[English for Learners]とあります(なんと英語以外も引ける)。

"carbon footprint"を引いて、この2つの違いを並べてみましょう(1回検索してタブを切り替えるだけでOK)。

[English]タブ:

a measure of the amount of carbon dioxide released into the atmosphere by a single endeavour or by a company, household, or individual through day-to-day activities over a given period

[English for Learners]タブ:

Your carbon footprint is a measure of the amount of carbon dioxide released into the atmosphere by your activities over a particular period.

Your... というのがCOBUILDの特徴的な書き方ですが、そのほか下線部が大きい違いです。学習レベルの読者に対する配慮はさすが。


COBUILDについては、後でもう一度触れます。


Longman English Dictionary Online

やはり無料です。有料サブスクリプションはないようです。

同じように"carbon footprint"を引いてみると……あれ、ヒットしません。いつの辞書データなんでしょうか。LDOCE 5thには収録されてるんですが。

the amount of carbon dioxide that a person or organization produces by the things they do, used as a way of measuring the amount of harm they do to the environment

とてもわかりやすい。排出源が平易に書いてあるほか、なんでこんな指標があるのか、その用途が後半に書いてあります。オンライン版は、無料な分すこし古いってことでしょうか。


Oxford Dictionaries

無料ですが、広告表示がなくなるなどの有料サブスクリプションサービスもあります。また、同じOxfordに、

Oxford English Dictionary

を使える有料サイトもあります。ひとまず無料の範囲で"carbon footprint"を引いてみます。

1509123

The amount of carbon dioxide released into the atmosphere as a result of the activities of a particular individual, organization, or community.

COBUILDの[English]と[English for Learners]の中間くらい……という感じ。これはODEのコンテンツのようですね。デイファイラーなどに収録されているのと同じ定義です。

おもしろいのは、

See definition in Oxford Advanced Learner's Dictionary

と、OALDへのリンクがあるところです。そちらに飛んでみると---

a measure of the amount of carbon dioxide that is produced by the daily activities of a person or company

となります。COBUILDの[English for Learners]と難易度はほぼ同じです。

ここでおもしろいのは、例文の下に Collocations というある領域。「+」アイコンをクリックしてみると、Environmentに関するコロケーションがずらーっと出てきます。これは参考になりそうです。同じ機能は、デイファイラーに収録されているコンテンツにもあります。単独で売られているタイトルでも同じでしょう。

あ、そういえば、OALDは新版がもうすぐ出ますね。


Merriam-Webster

こちらは無料版です。

the amount of greenhouse gases and specifically carbon dioxide emitted by something (as a person's activities or a product's manufacture and transport) during a given period

他のサイトと大きく違うのは、二酸化炭素に限定せず「温室効果ガス」と言って、「なかでも特に(specifically)二酸化炭素」と詳しく書いているところです。

このあたりは、「百科事典的な要素をとりいれる」というWebsterの伝統をしっかり受け継いでいるのでしょう。初出年のデータも載っています。

もうひとつおもしろいのは、Oxfordのサイトと同じく易しいバージョンも紹介されているところ。すこし下にいくと、

CARBON FOOTPRINT Defined for Kids

として

the amount of greenhouse gases and especially carbon dioxide given off by something (as a person's activities) during a given period

と書かれています。こちらも、排出源の細かい説明を省いただけで、"greenhouse gases and especially carbon dioxide"という定義は譲っていません。

なお、Merriam Websterには有料サイトとして Unabridged も用意されています。こちらでも定義は同じでしたが、例文、語源などの情報が増えていました。


American Heritage Dictionary

1509125

The amount of carbon-containing greenhouse gases released into the environment by an activity, process, individual, or group, expressed usually as the equivalent in kilograms of carbon dioxide.

これも、百科事典的にかなり詳しい。「炭素を含む温室効果ガス」というところと、「二酸化炭素当量」になっているところがいいですね。

COBUILDについてちょっとだけ補足しておきます。

そもそもCOBUILDという名前は、"Collins Birmingham University International Language Database"の略で、WordNetと同じように膨大なコーパスをもとに作成されています。このコーパス、Bank of Englishと言って、もともと5億語のデータでできています。Collinsのサイト(http://www.collinsdictionary.com/wordbanks)によるによると "550 million" とあります。一方、PASORAMA辞書 FD-X10001に搭載されている COBUILD(第6版)の説明によると、新語を入れて "645 million" に増えているそうです。

そして、COBUILDというと学習用というイメージですが、実はこのコーパスを元にした大辞典も出ています。

ただし、書籍版とKindle版だけで、CD-ROM版は、少なくとも最近の版では出ていないらしい。iOSアプリは、物書堂さんから出ています。

リンク:コリンズ英語辞典+シソーラス | iPhone | 物書堂

(この、物書堂さんは、辞書アプリでなかなかいい仕事なさってます)

この大事典に当たるのが、オンラインでは[English]タブに当たると思われます。[English for Learners]が、定番のLearners版です。

こうして英英のオンライン辞書を見てみると、定義の違いがおもしろいというほかに、いくつかの特徴に気づきます。

無料版でも、かなり十分な情報を提供している

学習者向けに配慮されていることが多い

ということです。

これはやはり、世界語ならではというところなのかもしれません。日本語辞書のサイトに同じことを求めるのは酷かもしれません。

04:21 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.09.10

# Jamming/Logophileの検索方法の違いを具体的に

すでにあちこちで話したり書いたりしていますが、Jamming/Logophileは検索方法をちゃんと知らないと、

あるはずの情報を活かせない

ことになります。

Jammingの場合は[検索方法]メニューを使います。

1509101

いろいろありますが、基本的には

[前方検索] Ctrl+4

[一網打尽] Ctrl+1

のふたつを使い分ければ十分です(ショートカットが便利)。


一方、Logophileの場合は[検索]メニューもありますが、

1509102

検索フィールドの右にあるボタンを使うほうが簡単です。

1509103


検索方法によって結果が大きく変わるのは、とくに熟語のときです。ここでは、サンプルとして under the hood という慣用句をひいてみます。


Jammingの[前方検索]

1509104

Longmanの例文と、Jargon File、FOLDOCしかヒットしていません(あくまでも、私の持ってる辞書タイトルの範囲です)。Jargon FileとFOLDOCって、ITじゃない人はあんまり使ってないかもしれませんね。ギーク系の俗語がたくさん載ってる辞書です。


Jammingの[一網打尽]、前+後+条+複+ク+AND

1509105

[一網打尽]にすると、「研究社新和英」と「新編英和活用」もヒットしました。どちらも、例文がヒットしています。

「リーダーズ+プラス」とか「EDICT」は、順不同でヒットしていることによるゴミです。順不同ではなく、あくまでも "under the hood"という語順で検索したい場合は、ボタンの最後を

AND → 熟語

に変えればいいはずです。

Jammingの[一網打尽]、前+後+条+複+ク+熟語

1509106

ところが、「研究社新和英」と「新編英和活用」はヒットしなくなりました。なぜかというと、新和英の場合は

1509107

と、theとhoodの間に変な記号が入っているためと思われます(これは別の語もとれることを表します)。

「新編英和活用」の場合は、

under [underneath] the hood

と、これもやはり別の候補が入ったため "under the hood"とかつながっていないためでした。


[AND]と[熟語]の検索結果の違いでよくわからないのは、英辞郎(v.114)の動きです。[AND]ではヒットしていなかったのに、[熟語]にしたときだけヒットしています。

Logophileの場合、ボタンでオプションは増えますが、基本的にはJammingの一網打尽と同じ動きをします。

特に違うのは、

[語]= 語尾補正
[字]= 文字補正

のオプションです。普通は、オンにしておいたほうがいいようです。


Jamming/Logophileのいずれにしても、上に書いた英辞郎の場合のように、予想と違う動きをすることもあるので、手持ちの辞書タイトルでいろいろ試してみることをおすすめします。


04:33 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.09.07

# WordNetについて、あらためて

(アップしなおし)

大久保克彦さんがWordNetのデータを使いやすくしてくださって以来、あちこちで言ったり書いたりしてますが、よく見たら、このブログでまだちゃんと紹介したことがありませんでした。

ちょうどいいので、書いておこうと思います。

本家Princeton大学のWordNetのサイト:About WordNet - WordNet - About WordNet

大久保克彦さんによるEPWINGデータ:WordNet EPWING ~ 日本語・英語WordNet(シソーラス)のEPWING版 ~

最新バージョンは3.1です。


そもそもWordNetとは何かというと、説明するのがめんどくさいので、本家に書いてある About WordNet をお読みください。冒頭だけ引用します。

WordNet® is a large lexical database of English. Nouns, verbs, adjectives and adverbs are grouped into sets of cognitive synonyms (synsets), each expressing a distinct concept. Synsets are interlinked by means of conceptual-semantic and lexical relations. The resulting network of meaningfully related words and concepts can be navigated with the browser. WordNet is also freely and publicly available for download. WordNet's structure makes it a useful tool for computational linguistics and natural language processing.
WordNet superficially resembles a thesaurus, in that it groups words together based on their meanings. However, there are some important distinctions. First, WordNet interlinks not just word forms—strings of letters—but specific senses of words. As a result, words that are found in close proximity to one another in the network are semantically disambiguated. Second, WordNet labels the semantic relations among words, whereas the groupings of words in a thesaurus does not follow any explicit pattern other than meaning similarity.
(太字は引用者)

つまり、

・まず巨大な用例データベースがあって(Brown Corpus、1960年代に開発)、
・そこから品詞ごとに、類似した単語をグループ化し、
・そのグループに共通に簡単な語義を付け
・さらに単語間にリンクを貼った

ものです。要するに、

語義がわかる
類義語や反義語、上位語や下位語、関連語などもリンク先で見つかる
さらには、それぞれ元の用例までたどれる

という、ハイパーテキストの特性をフルに活かした辞書になっているわけです。

ただし、本家のブラウザ(WordNet Search - 3.1)で引くと、やはりシソーラス的な作りになっているため、翻訳者ご用達としては、やや不向きです。

1509071

語義にあたる部分は、このようにカッコの中に書かれています。


いくつかの形式でデータのダウンロードもできますが、すぐ利用できる形ではありません。そのデータを、なんとEPWING形式にしてくれたのが、大久保克彦さんというわけです。

最初のバージョンが公開されてから、翻訳フォーラムでのやりとりを経て、現在の形に至っています。

1509072

このように、ふつうの辞書のように見ることができます。

使うには多少の慣れが必要ですが、まずはラベルをひととおり覚えておくといいでしょう。

ラベルも含めた詳しいGlossaryが本家にありますが、

リンク:WNGLOSS(7WN) manual page

大久保さんのこのページにもいろいろと(ラベルの説明なども)まとめられていますので、これから使おうという方は、まずこのページを熟読なさるといいと思います。


上のスクリーンショットを例に、一部だけ説明しておきます。

syn = synset。類義語のセット。

hype = hypernym。上位語。

hyp = hyponym。下位語。

derv = derivationally related forms。派生語(共通の語幹や意味を持ち、別のカテゴリに分類されている語)。

sim = similar。類似の形容詞。

ant = antonym。反対の形容詞。

これらのラベルがわかれば、たとえば調べた語について、もっと広い概念(hype)や狭い概念(hypo)をとらえたり、関連語のカテゴリに飛んだり(synset)できます。

corpusのリンクをクリックすると、出典の原文を確認できます。


ただし、語義にあたる部分は各単語の語釈ではなく、synset ごとの「共通する語義」です。つまり、非常に精密にカテゴリ分けされたグループに付けられた説明なので、LongmanやCOBULDのような具体的な語釈ではなく、かなり抽象化された定義になっています。

が、その抽象化のレベルが絶妙なおかげで、英英として引いてみて、これほど

ストンと腑に落ちる

ものはありません。個人的には、CODに近いがもっと精密というイメージ。


大久保さんが作ってくれたデータはEWPING仕様なので、Jamming/Logophile、DDWin、EBWin4のどれでも使えますが、お薦めは、EBWin4かDDWinです。

なぜなら、

前進・後退

ができるからです。WordNetを使う場合、類義語や出典でリンク先に移動することが多い。ところが、Jamming/Logophileでは、前進・後退のナビゲーション機能がないため、戻るのがちょっと手間です。

ということで、私はEBWin4(無料。かつもっともアクティブに開発継続中)もよく使っています。

08:15 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.07.27

# 最近の辞書環境について - セミナーの予告を兼ねて

すでにご存じのとおり、(世間一般ではなく)翻訳者にとっての辞書環境は、この数年でだいぶ先行きが見えない状況です。

  • EPWING仕様の辞書ブラウザは細々と開発が続いているが、辞書タイトルは絶滅危惧種(うんのさんご夫妻は、今後もEPWING仕様を継続するとおっしゃっていたそうです)
  • SIIの「デイファイラー」シリーズは2015年3月で終了
  • ほぼ唯一残ったといっていい統一規格のLogoVistaは、辞書ブラウザがまだまだ未熟

まず、これから辞書をそろえたいと考える人たちに、辞書のおすすめができなくなりつつあります。

そして、ある程度の辞書をすでにそろえている現役にとっても、「今の環境をいつまで維持できるのか」という不安はとても大きい(特にOSの移行を考えると)。


前のエントリで紹介した今後数か月間でのセミナーでは、そういう辞書環境の現状についても少し触れますが、それ以前の話、つまり

そもそも、今ある辞書をちゃんと使えていますか?

という話をするつもりです。

  1. 辞書の「凡例」について
  2. 主な辞書ブラウザ(Jamming、Logophile、EBWin4、DDWin、LogoVista)の機能
  3. 「串刺し」を超える使い方

特に 2 については、「前方一致」と「後方一致」まではわかるとして、それより詳しい検索機能をちゃんとわかっていないと、

せっかく載っている情報を活かせない

ことになります。Jammingと、その後継バージョンであるLogophileでも、検索機能は同じではありません。

というわけで、まずは今ある辞書リソースをちゃんと使えるようにする、そのことをお話しします。

私の持ち時間は、8/9(日)の「翻訳者のためのマクロ勉強会(ほんま会)」がいちばん長いので、このときがいちばん詳しくなるはずです。


9月19日(土)~20日(日)の「翻訳パワーアップ合宿」は、和訳の話がメインになりますが、辞書についても軽く触れる予定です。


10月15日(木)のJTF翻訳セミナー 「『辞書・コーパス・用語集』最新情報」では、私の持ち時間は1時間弱くらいになると思いますが、深井先生の話とあわせて、もっと広い視野の「調べ方」が見えてくるはずです。


準備を進めるなかで、私自身も各ブラウザについていろいろと発見しているところです。

その発見を、できるだけ多くのみなさんに共有しようと思います。

【追記】
EPWINGは全大文字が正しい表記のようです。失礼しました。m(__)m

10:11 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.07.12

# 十人十色(7/5)の発表資料の補足 - PASORAMAの凡例

各辞書の凡例の見方を紹介したとき、PASORAMAについてはこう書きました。

 初期画面から[凡例]を選択


すいません、これだけじゃよくわかりませんでしたね。

白状すると、私はDAYFILERを買って以来ずーっと、PASORAMAにつないで使っているだけで、本体を操作したことはほとんどありません。発表資料に書いた上のひと言も、マニュアルからはしょって引用しただけです。

改めて補足・解説しておきます。

マニュアルには、以下のように書いてあります。

各辞書の初期画面のとき、補助メニュー(→P6)の「凡例」をタップすると、凡例の項目が表示されます。
(p.70)

で、この「補助メニュー」の出し方すら知りませんでした。p.6に飛んでみます。

■補助メニューの使いかた
画面最下部の中央「^」マークを指で上にスライドさせると、画面下部から補助メニューがポップアップ表示されます。 Ctrlキー+[↑]で同様に補助メニューがポップアップ表示されます。

1507121


それにしても、DAYFILER本体って、

タッチ操作がけっこうトロい

ですねぇ……

ベースになってるAndroidのバージョンはわかりませんが、これはイカンなぁ。

03:34 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2015.07.06

# 十人十色(7/5)の発表資料といくつかの補足

昨日7月5日は、Facebookグループの勉強会「十人十色」が、「東京編2015」と題して久しぶりの勉強会を開催しました。


午前の部

矢能千秋さん「産業翻訳者が出版翻訳の世界に踏み出すには:第四弾」


午後の部

ツール編
井口富美子さん「Evernote活用法」
中島拓哉さん「クラウド型工程管理ツール」
東尚子さん「Xbenchの活用方法」

翻訳編
高橋さきのさん「ライティングの基本」
大光明 宜孝さん「私の翻訳法」

辞書編
大久保克彦さん「青空WINGなど自作公開EPWING形式」
水谷健介さん「dicregate を中心に検索について」
内山卓則さん「自作のツール「かんざし」の紹介」
高橋聡「代表的な辞書ブラウザの使い方と学習辞典」


いつも以上に活発で刺激の多い会となりましたが、その最大の要因は、初めて登壇してくれた方がたくさんいらっしゃったことでしょう。

発表者のみなさん、ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。




私も最後に辞書ブラウザのことを話しましたが、そのときの資料をここにもアップしておきます。
(ファイルアップロードの制限の関係で3分割してあります)

高橋の発表資料その1

高橋の発表資料その2

高橋の発表資料その3

※クリックするとすぐ、pptxファイルがダウンロードされます。


なにしろ持ち時間が少なかったので、いくつか補足しておこうと思います。

1507061

私のスライドでJammingの画面を見て、左側のツリー表示がなんだか違う……と思われた方もいるかもしれません。

これは、私がリスト表示のオプションをこのように変えているからです。

1507062

([表示]→[検索結果のリスト]→[指定数を開く]


そのうえで、[オプション]→[環境設定]→[操作]タブで、このオプションも設定します。

1507063

こうしておくと、ヒットした項目が6個以上あっても、各辞書では最大5個までしか表示されません。辞書名の左にある[+]と[-]のアイコンをクリックすれば、

1507064

このように、本来あるはずの数が表示されます。

この[表示]→[検索結果のリスト]オプションを、[すべて開く]にすれば、数の制限なくすべてが表示されます。

また、[すべて閉じる]にすると、辞書名だけがリストされて、[+]アイコンをクリックして初めてリストが表示されます。

好みだと思いますが、個人的には[指定数を開く]が便利だと思っています。いろいろお試しください。

Logophileには、このような表示オプションも(今のところ)実装されていません。これも残念な点です。


表示関連で言うと、[表示]→[本文]→[単項目表示]/[連続表示]の違いにも注意してください。

1507065

辞書タイトルによっては、このオプションで表示がまったく違うことがあります。たとえば、『ジーニアス英和大辞典』では、[単項目表示]にすると、

1507066

これしか表示されません。[連続表示]にすると、すべての内容が見えます。

1507067

この動作は辞書タイトルによって違うみたいです。


02:41 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.06.26

# 「検索ハブ」についてもう少し - マルチタスク対応を期待

前エントリで紹介したiOSアプリ「検索ハブ」、残念ながら開発は2012年12月で止まっています(バージョン3.3)が、最新のiOSでも問題なく動いています。


開発が止まってしまった原因の一部が、もしかしたら私にもあったのかな~、と思い至ったので、裏話を書いておきます。


実は、このアプリの作者には2011年7月、つまり開発のごく初期にメールでご連絡をいただいています。このアプリを使ってみて、感想などフィードバックしてほしいということでした。

ところが、当時はまだiOSアプリ版の辞書にほとんど興味がなく---EPWingもまだ健在で、PASORAMAのSIIも元気だったので---、実際問題として、自分のiPad/iPhoneには辞書アプリがぜんぜん入っていなかったので、試す機会がなかなかありませんでした。


そのため、このアプリがPC上からも使えるようになっていたことも、今回まで知らずにいたという次第です。


作者様、これまでなかなか試用する機会がなく、ご連絡もしていなかったことを、ここで深くお詫び申し上げます。


そんなわけで、実際に「検索ハブ」を使ってみて、何か不便な点を感じたら、作者ページ(ブログ)にコメントすれば、きっとまた作者様がやる気を出してアップデートを始めてくれるのでは……などと虫の良いことを考えています。

現状でどうしても不便なのは、やはり

いったん検索した後で、いちいち検索ハブに戻らないといけない

という点でしょう。


ところで、もうすぐリリースされるiOS 9はマルチタスキングがさらに進むことになっています。

リンク:フルサポートはiPad Air 2のみ:「iOS 9」はマルチタスクを強化――iPadで“画面分割による2アプリ操作”が可能に - ITmedia PC USER

もしこれに対応すれば、「検索ハブ」が表で動いていなくても使えるようになるのでは? とひそかに期待しているのですが、いかがでしょうか。

それから、もうひとつ。

AutoHotKeyを使っている方であれば、PC上で「検索ハブ」を使うときも、当然AHKを使いたいと考えると思います。

私も、それをある程度までやっています。

Chrome上のタブで「検索ハブ」を開いている状態なら、なんとかなりました。

が、以下のことができていません。

・「検索ハブ」以外のタブが開いているとき、「検索ハブ」に移動してから検索する。

・「検索ハブ」以外のタブが開いていないとき、開いてから検索する。

きっと、この記事を見たAHKのプロ(○○さ~ん、▲▲さ~ん!)が解決してくれることでしょう。

04:55 午前 辞典・事典, iPhone/iPad, パソコン・インターネット | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

# iOSアプリ「検索ハブ」 - さらにPASORAMAに近い

前エントリに、作者の中山様からコメントをいただきました。中山様、ありがとうございます。m(__)m


知ってる方はすでに知っているようですが、前エントリで紹介した「myPhoneDesktop」より、もっと

PASORAMA的に使えるアプリ

がありました。

リンク:Unit Kay's Blog(作者のページ)

リンク:検索ハブ(App Storeのページ)


PC上で入力した長い文章をiOS側に渡すときは、前回の「myPhoneDesktop」のほうがよさそうですが、PASORAMA的な辞書アプリとしては、断然こちらのほうが使いやすいことがわかりました。

1506261

これが「検索ハブ」アプリの画面(これはiPad版)。iOS上にインストールされていて、「検索ハブ」が対応している辞書アプリが自動的に検出されて表示されます(私がカスタマイズした後なので、初期画面とは違っています)。


iOSアプリなので、もちろんこの画面上だけでも使えるわけですが、PASORAMAのようにPCから操作するには、以下のように設定します。

  1. アプリ上の[i]アイコン(検索フィールドの左)をタップしてヘルプ画面を開きます。
  2. 左上にある[設定]ボタンをタップします。
  3. [リモートからの接続]を[オン]にします(デフォルトはたぶんオフ)
  4. 右上の[完了]ボタンをタップしてヘルプ画面に戻ると、ちょっと下のほうにIPアドレスが表示されています。

    1506262

  5. 右上の[×]ボタンを押してメイン画面に戻ります。これで「検索ハブ」側の設定は終わり(辞書のカスタマイズについては後述)。

  6. PC上のブラウザで、さっきのIPアドレスを開きます。このとき、iOS側で「検索ハブ」が開いている必要があります。スリープしていてもダメ。

    1506263

  7. ここまでいけば、後は検索フィールドに検索語を入力して(あるいは貼り付けて)、目的の辞書ボタンをクリックすれば、検索語が渡されて、iOS側で辞書が開きます。


かなりいい感じなのですが、いくつか注意点があり、やはりあくまでも「疑似PASORAMA」です。

  • PC上のブラウザで「検索ハブ」画面を開くとき、必ずiOS側で「検索ハブ」を開いている必要があります。開いていないと、「通信エラー」と言われます。
  • いったん検索した後も、iOS側でそのつど「検索ハブ」アプリに戻る必要があります。

    1506264

    アプリ上では、画面上部の通知バーに「検索ハブに戻る」というリンクが出てきます(辞書アプリによっては出ないこともある)。

以上の点にさえ慣れれば、かなり快適にiOS上の辞書アプリを検索できます。

辞書の対応状況については、作者のページに一覧されています。

使いたい辞書がこの一覧にない場合は、さらにこのページの下のほうにいくと掲示板があって、そこで

リクエストすると対応

してくれます(ただし、フォーマットにより、対応できない辞書タイトルもあるとのこと)。


ちなみに、私の場合は『三省堂国語辞典・第七版』と『新明解国語辞典・第七版』が使えないので確認してみたところ、販売元の違いが原因でした。

App Storeを見るとわかりますが、同じ辞書タイトルでも複数の販売元から販売されているものがありますよね。「三国」と「新明解」も、BIGLOBE版物書堂版があって、「検索ハブ」はBIGLOBE版には対応していましたが、物書堂版には対応していなかったとのこと。リクエストしてから半日もしないうちに、解決してくださいました。


リクエストしたタイトルに対応してくれると、掲示板に http://tinyurl で始まるURLを載せてくれます。iOS上のブラウザでそのURLを開くと、自動的に「検索ハブ」に追加される仕組みになっています。これがとても快適でした。

そのほかの設定についても若干、補足しておきます(私自身が気付きにくかったので)。

  1. [i]アイコン → [設定]画面で、下のほうに進むと、[検索エンジン1]で始まる項目があります。上のようにリクエストして対応された辞書も、ここに追加されます。リストは[検索エンジン30]まであります。
  2. 上の検索エンジンリストがずーっと続いているせいで、最初は見落としていたのですが、さらにその下に進むと、デフォルトで入っている検索先のオン/オフスイッチがあります。デフォルトでは、App Storeとか「ミュージック」なども検索先に指定されているので、邪魔ならここでオフにできます。
  3. 上のオン/オフスイッチは、辞書タイトルごとにもあるので、もしインストールされていても使わない辞書があるなら、ここでオフにできます。


ということで、有料アプリではありますが、EPWingの雲行きが怪しくなる一方、iOSアプリのタイトルはどんどん増えているという現状では、

試してみる価値はおおいにアリ

です。

04:22 午前 辞典・事典, iPhone/iPad, パソコン・インターネット | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2015.06.24

# iOSアプリ「myPhoneDesktop」 - 疑似PASORAMAになるか

iPhone/iPadからデスクトップPCを操作するリモートデスクトップ系のアプリはいろいろありますが、逆にデスクトップPCからiPhone/iPadを操作したり、データを渡したりするアプリはなかなかありません。ひとつだけ見つかったのがこれです。

リンク:iPhone on your Desktop | myPhoneDesktop(開発元のページ)

リンク:myPhoneDesktop(App Storeのページ)


AppBankの紹介ページを見ると手っ取り早いでしょう。

リンク:[iPhone, iPad] myPhoneDesktop: iPhone を遠隔操作!電話番号やテキスト・画像が PC から送れる!


PCから電話を操作できるとかいう機能もありますが、私が使いたかったのは、

PCで入力したテキストをiOS側に送れる

という機能です。


なんでそんな機能が欲しいかというと、

iOS上の辞書アプリをPASORAMAみたいに使えるかも

と期待したからです。

iPhone/iPadにアプリをインストールし、PC側にも専用のアプリケーションをインストールします。

通信できるように、アカウントを作って初期設定を済ませたら準備OK。

ほかのモードはどうでもいいので、[Text]モードを選択して---

1506241_2

--テキストを入力します。

[Send]ボタンを押すと、iOS側のアプリのウィンドウに送信されます。

[Copy]ボタンを押すと、iOSのクリップボードに格納されます。

私の使い方では、コピーしてiOS上の辞書に貼り付けたいので、[Copy]を押します。これで、iOS側のクリップボードに貼り付けられます。


iOSで辞書アプリを開き、貼り付けます。

1506242

これで、辞書が引けました(これは、『ウィズダム2』)。

1506243


というわけで、この一連の動作をAutoHotKeyに登録してしまえば、PASORAMAとまったく同じように、とは言いませんが---iOS側で貼り付けが必要---、少なくともPCのキーボード上で入力、あるいはいつもと同じようにPC上でコピーしてからiOSのアプリ上で検索、という操作が可能になります。

(ただ、ときどき受け渡しがイマイチうまくいかないこともあり)

こんな風に辞書との連携で使いたかったのですが、今日たまたま一時的に、なぜかPCのWeb上でだけFacebookが不調(しかも日本語環境だけらしかった)という時間帯がありました。そのときも、このアプリを使ってPC上で入力し、iPad上のFacebookアプリに文字を送るということができたので、けっこう便利でした。

08:20 午後 辞典・事典, iPhone/iPad, パソコン・インターネット | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2015.06.22

# EBWin4、地道にバージョンアップ継続中

Jammingの公開が完全になくなり、後継アプリケーションLogophileのバージョンアップもあまり進まない(最新版が2014/4)なか、EBWin4がコツコツとバージョンアップを続けています。

リンク:EBWin4

最新バージョンは、全文のインデックス化にも対応したようです(私自身は試していません)。

確認できた範囲で、ひとつ嬉しいのは、

LogoVista版タイトルの外字対応が、Jammingよりだいぶマシ

ということです(詳しくは後述)。



あらためて、翻訳者が使いたい辞書環境の現状を整理してみると、2015年6月の時点では以下のような感じです。

  1. EPWing規格は先細り。過去にあったEPWingタイトルも次々と絶版になり、新しいEPWingタイトルはまったく発売されなくなりました。
  2. 期待の星だったSIIが電子辞書事業から撤退。翻訳者にとって救世主的な存在だったPASORAMAも、今や現存機種が生きているうちしか使えない、という不安な状態です。
    ちなみに、Windows 10(プレビュー版)でもPASORAMAが動くことは、内山さんが確認してくださいました。

    リンク:Windows 10 プレビュー版でPASORAMAを動かしてみた: かたかむーす

  3. 同じフォーマットで今後もタイトル追加が期待できそうな、今や唯一のプラットフォームとなったのがLogoVistaです。ただし、
    ・ブラウザの使い勝手がまだまだ
    ・インストール回数に制限がある(解除は可能)
    ・タイトルによってフォーマットが次々と変わる
    など、ユーザーの間でも評判はいまひとつ。
  4. オンラインの、特に有料版が浸透しつつあります。研究社のオンライン辞書サイト「KOD」は、翻訳者の間でもだいぶユーザーが広がりつつあります。


ということで、これからはたとえば

オンライン辞書 + LogoVista

という使い方が定番のひとつになるのかもしれません。

そんな状況でも、EPWingブラウザとして少しずつ進化を続けているのがEBWin4です。

まだまだJammingほど完成度は高くなく、環境によってはエラーも少なくありません。

  • 辞書の追加、特にグループ設定が不自由。Jammingのように、一度追加した辞書を簡単にグループ化できるわけではなく、グループを設定したら、そこにまたいちいち辞書タイトルを追加しなくてはいけません。
  • 辞書ボタンが1列にしか並ばない。
  • 表示オプションもまだ多くない。
  • タイトルによっては異常終了する(私の環境では、Longmanが動きません)。


逆に、Jammingより良い点もあります。

  • 使用可能な検索方法をすべて試す「自動検索」がある。
  • 辞書内でリンクをたどったとき、履歴を「戻る/進む」ボタンがある。

そして何より、

タイトルごとに外字テーブルを指定

できるというのが、Jammingより強いところです。

つまり、LogoVistaタイトルでも、外字の文字化けがなくなる、もしくは軽減するということなのです。


Jammingでは、[オプション]→[環境設定]→[辞書別]タブを開くと外字を設定するオプションがありますが(タイトルによっては表示されない)、

1506221

ここから進んで、

1506222_2

1文字ずつ指定するようになっています(たしか、手動で外字テーブルを作って所定のフォルダに置くこともできたと思いますが……)。


一方、EBWin4では、[ファイル]→[辞書の編集]ダイアログを開くと、[外字マップ]というドロップダウンメニューがあって、そこでLogoVistaの外字ファイルを選択できます。

1506223

タイトルによって差はありますが、私の環境で、明鏡国語辞典についてはこうなりました。


1506224
これがJamming上。


1506225
こちらがEBWin4


ということで、今後、既存のEPWing仕様データとLogoVistaタイトルを併用するための辞書ブラウザとしては、EBWin4も十分に選択候補になりそうです。

少なくとも今いちばん、作者がユーザーの声を反映して

バージョンアップを続けてくれそう

であり、応援してみる価値のあるアプリケーションはこれではないかと。

05:03 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2014.10.27

# ということで、SIIさんに提案

「電子辞書ビジネスからの撤退について」と題したSIIのニュースリリース。

リンク:電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーインスツル株式会社

末尾にこう書いてあるのが、わずかながらの希望でしょうか。

なお、本事業で培った、辞書コンテンツの利用ノウハウやそれらを活用した検索サービス等については、セイコーホールディングスグループ内にて、ビジネス展開の可能性を検討していく予定です。

要するに、電子辞書というハードウェアのビジネスで失敗しちゃったわけだから、コンテンツビジネスを模索するという道はありそうですよね。

コメントにもいただきましたが、翻訳者が重宝しているDAYFILERシリーズも、電子辞書単体としては

・重い
・バッテリーの持ちが悪い

この2点だけで完全に負けてるわけです。

だったら、これからは

辞書コンテンツ + PASORAMA

という売り方はできないものか、と。

DF-X10001の後継製品が、たとえばコンテンツだけ少しずつ変わって、PASORAMAもアップデートを続けていったら---現状の使いにくさを、3月にはSIIの方にいろいろアピールしたのですが、今思うと、きっとそれどころじゃなかったんでしょうね---、かりに今とほぼ同じ値段だとしても、一定数は売れる気がします。


あるいは、PASORAMAを有料アプリケーションにして---今のままではダメですが---、そこに載せる辞書コンテンツを単体で売るようにする。うーん、それじゃ、LogoVistaと同じビジネスモデルになっちゃうか......


そもそも、SIIって、コンテンツ屋さんではなく器械屋さんだもんね。ハードウェアを離れたビジネス展開ってのは、想定できないか.もしれませんね。

11:54 午後 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2014.10.26

# SIIの電子辞書ビジネスからの撤退に思う、その3

カシオ、シャープ、SIIの3社のコンテンツについての考え方に、もう少し踏み込んでみます。

カシオもシャープも120~180と3桁のコンテンツ数を誇っていますが、製品ページをちょっと見ればわかるように、そのかなりは

・歳時記とか薬の本のような日常的リファレンス本
・英会話など、どちらかと言うとハウツー系コンテンツ
・日経ビジネスなどのビジネス書のうち用語集の体裁をしたもの

が占めています。

参考:EX-Word収録コンテンツ一覧表

一家に一台の「生活家電」としてはこのほうがありがたいのかもしれませんね。

そういうコンテンツを除き、本来的な意味での辞書だけをまとめて比較した表を以前にもアップしましたが、今回は以下に書いたシャープの2機種を追加してみました。

翻訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧 - 10/26版(Excelファイル)
(※クリックすると、すぐにファイルがダウンロードされます)

英語のプロ向け機種と思われるのは

SIIのDF-X10001(F列)
カシオのXD-U18000(J列)

ですが、カシオはウィズダムやオーレックスのような学習辞書、古語辞典、それから百科事典が充実しています。汎用性が高い、想定ユーザーが広いということでしょう。

実際、カシオの機種は私も気になることがあります。


わからないのは、シャープの製品です。

リンク:タイプ別で選ぶ(ビジネス・語学)| 電子辞書:シャープ

ここを見る限り、上の2機種に該当しそうなのは

PW-SB1
PW-A9300

の2機種ですが、まず実売価格にびっくり。PW-SB1が21,713円、PW-A9300が19,400円(ともに価格.com)だそうです。ちなみに、価格の高い順に並べてみたら、いちばん高いのは2008年モデルでした(それでも36,000円)。

PW-SB1もPW-A9300も、英和大が「ジーニアス」のみ、英英がOALDのみと、ふつうのビジネス用途ならともかく、通翻訳者のご用達にならないのは明らかです。


特に首をひねってしまうのが、このあたりのラインアップです。

200万語専門用語英和和英大辞典(日中韓辭典研究所)(PW-SB1)

専門用語100万語和英大辞典(日中韓辭典研究所)(PW-A9300)

英語類語使い分け辞典(創拓社出版)(両機種)

例解 慣用句辞典(創拓社出版)(両機種)


日中韓辭典研究所の辞書はWeblioに収録されていて、以前、友人から聞いた情報をエントリにしたことがあります。けっして怪しいデータではありませんが、異色であることは確かです。

リンク:A: # ジャック・ハルペンさんの日中韓辭典研究所

創拓社というのは、どっちかというとハウツー語学系でしょうか。私は知りませんでした。

こうやって、電子辞書各社の特徴を並べてみると、辞典・事典というものに対する世間一般の認識と、通翻訳者の意識には、相当のずれがあることがはっきりします。

通翻訳者に近いのは大学の先生とか研究職の一部かもしれませんが、それをぜんぶ合わせても、マーケットとして弱小なんですよね、きっと。

いろいろと考えさせられました。

03:01 午後 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

# SIIの電子辞書ビジネスからの撤退に思う、その2

というわけで、SIIの電子辞書ビジネスについて調べてみました。


きちんとしたデータはなかなか見つからないのですが、ひとまずWikipediaによると、2011年のデータはこうなっています。

1410261_2

SIIなんて、名前も出てこないんですね。

上位3社の合計で92.1%に達してますから、SIIはシェアのうえで呆れるほど苦戦していたことがわかります。

それにしても、シャープがこんなに強いなんて知らなかった。

ほかにも、いくつか参考になるデータを見てみました。

リンク:価格.com - 電子辞書業界の市場シェアデータ速報 トレンドサーチ

2014年10月13日(月)~2014年10月19日(日)の期間において、価格.com トレンドサーチで電子辞書のPVシェアの多かったメーカーをご紹介します。

純粋なシェアデータではなく、要は注目度みたいなもんだと思いますが、

1410262_2

キヤノン(wordtankシリーズ)にこそ勝っていますが、こちらでも5%足らず。カシオとシャープの2強だけで92.72%と、「圧倒的じゃないか、我が軍は」状態です。


同じ価格.comで、電子辞書の「人気売れ筋ランキング」と「満足度ランキング」も見てみました(ランキングはころころ変わります)。

DAYFILER DF-X10001が15位(満足度は12位)
SR-G6100NH2が19位
DAYFILER DF-X8001が33位
AYFILER DF-X9000が37位(満足度は6位)

と、満足度のわりに売れてはいません。


価格と売れ筋、全体の市場規模ということでは、こんな記事もありました。

リンク:売れるのには理由がある:学生に絶大な支持を得るカシオの電子辞書「エクスワード」

リンク:ガラパゴる日本の家電メーカー 電子辞書の世界 : アゴラ - ライブドアブログ

リンク:全文表示 | ネットで何でも検索できる時代 電子辞書は生き残れるのか : J-CASTニュース

大雑把にまとめると、

・全体の市場規模もどんどん縮小している(過去6年でほぼ半減)
・学生が最大のターゲット
・売れ筋は1~3万円台

ということだそうです。上に挙げたランキングに入っているSIIの3機種を見ると、DF-X10001だけが49,790円と売れ筋価格帯から大きく外れており、DF-X8001とDF-X9000は売れ筋価格帯に入っています。そう考えると、

DF-X10001は価格の割に健闘している

と言えそうです。


ところで、通翻訳者の間では、英語・国語関係のコンテンツもさることながら、「PASORAMAがあるからSII」というのが当たり前のように定着していますが、世間一般から見ると実はPASORAMAなんて差別化要因にはまったくなっていなかったのではないか、ということもうかがえます。

まず、いちばん上でメーカー別シェアをひろったのWikipediaは「電子辞書」の項目ですが、この中ではPASORAMAという固有名はもちろん、

PC上で操作できる

という特長にはまったく言及がありません。上に挙げた3つのオンライン記事もまったく同様です。SIIには、学習用にもPASORAMA搭載機種がありますが、考えてみたら、学生さんって

勉強するときはパソコンに向かってない

んじゃないの? とも思いました。


一方、私がまったく意外だったことに2位のシェアをキープしているシャープも、そして堂々1位のカシオも、製品ラインアップを見ていると

単体での使い安さとデザイン

が最重要視されています。実際に消費者もそれを求めているようです。


そういう需要を考えると、SIIがDAYFILERシリーズで失敗した要因のひとつは、Android搭載という冒険に出たことだったのかもしれません。単体で持ち歩いてみるとわかるように---なんだそうです。私はPCにつなぎっぱなしなのでわからない--、基本的にAndroid端末なので、バッテリーの持ちがかなり短い。


収録コンテンツはどうかというと、カシオもシャープも、とにかくコンテンツ数の多さをアピールしています。

1410263
これはシャープ。

1410264
これがカシオ。

かたや、SIIの電子辞書には、こういう「コンテンツ数をアピールする」見せ方はほとんどありません。ついでなので、具体的なコンテンツ数も比べてみました。

上に挙げた価格.comのランキングから、上位5機種(カシオとシャープ)と、順位はそれより低いSIIの3機種、計8機種の比較です。

1410265

なんと、コンテンツ数は1桁違います。カシオの最上位機種XD-U18000など、180コンテンツだそうです。

コンテンツの比較については、こんなページも見つけましたので、参考にどうぞ。

リンク:「くらべて.com」-楽しいこと比較サイト /電子辞書(英語重視タイプ中心)の一覧比較[2014年後半版]

要するに、SIIの製品には通翻訳者の目から見て(ただし、比較した機種のうちSR-G6100NH2は学習用)「欲しい」と思う辞書が厳選されて収録されている。一方、カシオとシャープは、とにかく数をそろえて迫ってくる。そういう、基本的な発想の違いがあるわけです。


こう見てくると、SIIさんって、

「英語と日本語を使うプロ、特に通翻訳者が重宝する製品」を積極的に志向して頑張ってきてくれた。PASORAMAでPCと連動するとか、Android OSを搭載して拡張性も考えるとか、とてもいい設計思想を持っていた。でも、いかんせん市場の需要には合っていなかった。

― そして、それが最終的にはビジネス上の敗北につながってしまったということのようです。


01:11 午後 辞典・事典 | | コメント (8)

はてなブックマークに追加

# SIIの電子辞書ビジネスからの撤退に思う、その1

みなさんすでにご存じのように、セイコーインスツル(SII)が

電子辞書ビジネスから撤退

するというニュースが今月の初めに流れ、通翻訳者の間にも大きい衝撃が走りました。

リンク:電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーインスツル株式会社


なぜこれが通翻訳者にとって大きい衝撃だったかというと、SIIの現行DFシリーズが搭載しているPASORAMA機能、これが圧倒的な支持を受けていたからです。

SIIの製品とPASORAMAについては、拙ブログでもこれまでにたびたび記事にしています。興味があれば、左カラムの「カテゴリー」から「辞典・事典」からご覧ください。


PASORAMAだけではなく、SIIさんはコンテンツの面でもかなり通翻訳者志向の路線をとっていた気がします。

「英語モデル」の上位機種・最上位機種では常に、通翻訳者がほぼ満足できる辞書がひととおり載っていました。これはあくまでも私見ですが、カシオの競合製品(たとえば、XD-U18000)と比べても、辞書のラインアップはSIIのほうが一枚上という感じです(こちらの記事の比較リストを参照)。

また、

リンク:side A: # 電子辞書 SR-G9003 を導入

で書いたように、「うんのさんの辞書」を初めて収録したのもSIIでしたし、リーダーズ第3版を初めて収録した---しかも、その時点では紙版以外の媒体は初めてだった---のも、SIIのDF-X10001でした。

そしてどうやら、そのDF-X10001より新しい「通翻訳者ご用達」製品はもう出そうにない、ということになってしまったわけです。


SIIといえば、この3月には翻訳フォーラムのイベントに全面協力してくださいましたし、6月のIJET-25では、DF-X10001を参加者プレゼントとして2台も提供してくださいました。そういう姿勢もあって、ここんところSIIさんの人気は、通翻訳者のなかでは圧倒的だったと思っていました。


でも、翻訳業界というのが社会全体で言えば極小であるように、「通翻訳者に受ける」というのも、世間一般で言えばけっきょく、ごくごくマイナーな需要でしかなかったようです。そんなことを、今回の撤退騒動であらためて実感したので、そもそもSIIさんの電子辞書ビジネスって、実際にはどうだったのか、ちょっと調べてみました。

次のエントリに続きます。

10:10 午前 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2014.10.06

# PDic Unicode版

たぶん、私が知らなかっただけーって話だろうと思います。

PDic(Personal Dictionary)を、私は辞書検索ツールとしては使っていません。単語を登録するときのラベル設定などを細かくカスタマイズできるので、私家版辞書を作るときだけ使っています。

その程度のライトユーザーなので、長らくバージョンアップもしていなかったのですが、ふと見たら --- side TRADOSで、メモリーをPDicに移せないかというコメントをいただいたもので ---、その後Unicode版というのが開発され、そちらは今に至るまで着実にバージョンアップしていることがわかりました。

リンク:PDIC Home Page

このページの「PDIC/Unicode」がUnicode版、「PDIC for Win32 Download」が従来版(最終バージョンは4.87)です。

さっそくUnicode版をダウンロードしてみました。

1410061

これが従来版のインストーラー。

1410062

こちらがUnicode版のインストーラー。

ということで、デフォルトでもインストール先は別なので、従来型を残したままUnicode版をインストールできます。

旧バージョンで、辞書グループとかラベルなどをカスタマイズしている場合は、インストール後の初回その設定の有無を検出し、設定移行のダイアログが表示されるので---

1410063

基本的には移行も楽チンです。

ただし、私がやってみた限りでは、表示フォント設定など一部が引き継がれませんでした。


また、辞書データの形式も旧版とUnicode版では違うそうです。が、これも引き継ぐときに自動的に変換してくれるので、これも手間要らず。このあたりは、

とても親切な設計

だと思います。

使ってみて気づいた点をいくつか書いておきます。

・Unicode版は、URLを入力するとちゃんとリンクとして機能する

これはいいですね。私の私家版辞書は、ネットで調べた情報をURL付きで書きとめておくことが多いので。


・大文字小文字とか略語の並び順が変わる?

これ、設定はなかったと思うのですが、旧版では大文字は小文字と別扱いで並んでいたようですが、Unicode版では大文字小文字を区別せずに並びます。このほうが見つけやすいですね。


・辞書の追加がわかりにくくなったかも

旧版では[File]から[辞書グループの編集]ダイアログ開けば[辞書追加]というボタンがありましたが、Unicode版では[File]→[辞書設定<詳細>]を選択したうえで、ダイアログを右クリックしないと追加コマンドが出てきません。

1410064

1410065

[辞書の変換]コマンドなども、この右クリックメニューの下にあるので注意してください。

02:45 午後 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2014.05.01

# リーダーズ第3版 - EBWinでの文字化け対策

前々エントリで、

リンク:ロゴヴィスタ版リーダーズ第3版をJammingで使う方法 : Jamming and Day Filer (PASORAMA)

こちらを紹介しましたが、mikoさんはJammingひとすじ80年で、EBWinはお使いでないということなので、EBWinの文字化け対策については、私が責任をとることにしますw


と言っても、大久保さんが翻訳フォーラムに投稿してくださった方法と、大久保さん作の外字マッピングファイルを紹介するだけですけど。

1. 以下の外字置換ファイルをダウンロードします。

http://projectzephyr.sourceforge.jp/

http://sourceforge.jp/projects/projectzephyr/downloads/60951/readers3gaiji-140411.zip/

(これ以降は、↑ のダウンロードに含まれるReadmeの内容です)

2. EBWin4用の外字置換ファイルは、Readers3.mapです。

3. Readers3.map ファイルをEBWinのアプリケーションディレクトリにコピーします。

アプリケーションディレクトリは、EBWinで[ファイル]→[設定]で[アプリケーションディレクトリ]をクリックすると開くようになっています。

私はLogophileをあまり使わないのですが---新しいメインマシンにはインストールさえしていない---、Logophleの文字化け対策も書いておきます。だいたい上の手順と同じ。

1. さっきダウンロードしたファイルに、Logophile用の外字置換ファイルも入っています。

2. リーダーズ英和辞典 第3版-全角外字.zgai、リーダーズ英和辞典 第3版-半角外字.hgai です。

3. LogophileDicManagerで、辞書名『リーダーズ英和辞典第3版』を選択し、[外字代替]→[リスト編集]をクリックします。

4. 全角と半角それぞれについて、[読み込み]を実行します。

以上。


それでも、Jamming上ではもっと文字化けのひどいLogoVista辞書もあるので、今回のデータはまだ幸いだったかも。

10:16 午後 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# リーダーズ第3版の進化を具体的に

そんなわけで、DF-X10000改だけではなくLogoVista版も導入することになったリーダーズV3。

V2からどのくらい進化しているのか、ここ1か月ほど意識してデータをためておきましたので、前回あげた例も含めて、紹介しておこうと思います。

以下、文字化けが起きないように記号は適宜変えています。また、【V2】はリーダーズ第2版、【P】はプラス、【V3】はリーダーズ第3版を表します。V3で大きく変わった箇所を赤字で示しました。


viral

-a ≪医≫ ウイルス(性)の.【V2】

-a ≪医≫ ウイルス(性)の; ≪電算≫ コンピューターウイルスの; (インターネット経由で)急速に広まる[人気が出る] viral hits バイラルマーケティングのヒット商品
go viral (インターネットなどで)一気に広まる.
-n バイラル(インターネット経由で急速に広まるおもしろい映像・写真・ジョークなど)
【V3】


initiative

-n 1 第一歩, 手始め; 率先, 首唱, 主導; ≪軍≫ 先制.
2 先駆けて事を行なう才能, 創業の才, 企業心, 独創力.
3 [Uthe 〜] ≪政≫ a (議会での)発議権, 議案提出権. b 国民[州民, 住民]発案, イニシアティブ(一定数の有権者が立法に関する提案を行なって選挙民や議会の投票に付する制度[権利]; cf. →REFERENDUM).
-a 始めの, 発端の; 初歩の.【V2】

-n 1 第一歩, 手始め; 率先, 首唱, 主導; ≪軍≫ 先制.
2 先駆けて事を行なう才能, 創業の才, 企業心, 独創力.
3 新規の(行動)計画[提案, 構想]

4 [U the] ≪政≫a (議会での)発議権, 議案提出権. b 直接発案, 国民[州民, 住民]発案, イニシアティブ(一定数の有権者が立法に関する提案を行なって選挙民や議会の投票に付する制度[権利]; cf. referendum).
-a 始めの, 発端の; 初歩の.【V3】


populate

-vt …の中に場所を占める; 〈市など〉の人口を構成する; 住む; 〈ある場所〉に居住[棲息]させる, 植民する.【V2】

-vt. 1 ≪劇≫ …に〈人を〉配置する 〈with〉. 2 ≪電子工≫ 〈半導体チップを〉基板上のソケットに挿す. 3 ≪廃≫ 荒らす, 荒廃させる, 破壊する.【P】

-vt …に住む, 存在[登場]する; 〈ある場所〉に居住[棲息]させる, 植民する; ≪電算≫ 〈データベースなど〉にデータを追加[蓄積]する; ≪電子工≫ 〈プリント回路基板〉に部品を装着する; 〈データを〉付け加える 【V3】


represent

- vt 1a ≪絵画・彫刻・音楽などで≫表現[描写]する; 描いてある (portray); 思い描く[浮かべる], 思い出す.
b 表わす, 象徴する; 意味する.
c …になる[相当する]; …の代わりになる.
2a 代理[代表]する; 代弁[弁護]する〈in court〉; …の代議士[代表者]となる. b …の標本[典型]を示す.
3 〈劇を〉演ずる, 上演する; 〈役〉に扮する.
4 表明[提示]する, 指摘する, (強く)説く; 〈…だと〉述べる, 申し立てる, 主張する.【V2】

-vt 1a ≪絵画・彫刻・音楽などで≫表現[描写]する; 描いてある (portray) ; 思い描く[浮かべる], 思い出す; 表象する
b 表わす, 体現する, 象徴する; 意味する
c …である, …に相当する; …の代わりになる.
2 a 代理[代表]する, …の代理人をする; 代弁[弁護]する〈in court〉; …の代議士[代表者]となる
b …の標本[典型]を示す
3 〈劇を〉演じる, 上演する; 〈役〉に扮する.
4 表明[提示]する, 指摘する, (強く)説く; 〈…だと〉述べる, 申し立てる, 主張する 【V3】


startup

-n 操業[運転]開始, 始動; 新設企業; 《古》 成り上がり者 (upstart).
-a 操業[運転]開始の(ための); 活動を始めたばかりの, 新進の. 【V2】

-n 設立したばかりの会社, 新設企業[会社] (= cmpany).【P】

-n 操業[運転]開始, 始動, 起動; 新興企業; 《古》 成り上がり者 (upstart) .
-a 操業[運転]開始の(ための); 活動を始めたばかりの, 新進の. 【V3】


compliant

-a すなおな, 従順な, 人の言いなりになる; [Ucompd] 一連の規則に従って作られた.【V2】

-a すなおな, 従順な, 人の言いなりになる; 基準[規格など]に対応[準拠]した; ≪理≫ compliance の特性をもつ.【V3】

ところで、今まで

リーダーズ第2版
リーダーズ・プラス

というラインアップだったのに、リーダーズ第3版はプラスの内容を完全に吸収したわけではなく、プラスはプラスで独立した存在になるらしく、これは研究社の人もそういうものと思っているらしかったのですが、リーダーズ各版の「まえがき」を見ていたら、プラスというのはどうもそうらしいことがわかりました。

『リーダーズ英和辞典』が初めて出版されたのは 1984 年のことであるが, その豊富な語彙と精密な語義記述は数多くの熱心な利用者を得た. 以来 15 年, 英語と英語が表現する文化は大きく変化発展した. ここに改訂第二版を刊行する所以である.(中略)生きた言語は生々発展してやむことがない. 英語のような巨大でダイナミックな文化の反映である言語は特にそうである. その一端を追跡記述しようとしたのが 1994 年の『リーダーズ・プラス』であった. この第二版は『プラス』の情報も活用しつつ, この間の英語の変化発展に対応したものである. 【リーダーズ第2版まえがきより】


先行する二つの版は, 編集主幹の松田徳一郎教授と社内にあって編集部を統轄した池上勝之氏の合作である. 二人は初版 (1984) 刊行以前から別に準備を進め, 「すべての英和辞典の補遺」と銘打って, 19 万項目に及ぶ多彩な語彙を収めた『リーダーズ・プラス』(1994) を世に問うた. また併行して, 「擬音語」「ビジネス」「理化学」「医学」に関する本格的な専門語辞典を企画し, 次々に上梓した. これらが『プラス』とともに『リーダーズ』第 2 版の信頼性を高めたことはいうまでもない.【リーダーズ第3版まえがきより】


『リーダーズ・プラス』 (1994) は『リーダーズ英和辞典』の初版 (1984) に収録されていない語を約 19 万集めた辞典です. 『リーダーズ英和辞典』第 2 版 (1999) の編集にあたって『リーダーズ・プラス』から取り入れたものもあるため, 両者の間にはいくらかの重複があります. 【研究社EPWing版 リーダーズV2+プラスの「このディスクについて」より】


あいにく、私は「プラス」単独版を持っていないので、そのまえがきがどうなっているのかは確認できていません。

09:14 午後 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# リーダーズ第3版 - LogoVista版リリース以降の顛末

2012年8月に書籍版が発売されて以来、長らく電子データ版の不在が嘆かれていた『リーダーズ英和辞典 第3版』。

昨年の秋、単独の電子データ版ではなく電子辞書収録のほうが先行することになったのは、すでにお伝えしたとおりです。

リンク:# DF-X10000改 - リーダーズ第3版は、どうだ

その待望の電子データとして、LogoVista版が3月にリリースされました。


私はDF-X10000改があるので様子見だったのですが、しばらくして翻訳フォーラムで

・前方検索以外が使えないっぽい

・Jammingで読み込めるが、ちゃんと表示されない
(文字化け、インデントのくずれ)

という報告が出始め、結論から言うとLogoVistaからアップデータが公開されました。

LogoVista版の購入~ アップデータの適用 ~ Jammingへの追加

までの手順を、mikoさんがきれいにまとめてくださっています。これからリーダーズ第3版を導入しようという方は、ぜひご覧ください。

リンク:ロゴヴィスタ版リーダーズ第3版をJammingで使う方法 : Jamming and Day Filer (PASORAMA)


後方検索などを正しく---パッケージなどで謳われているとおりに---使えるようにアップデータをリリースしたLogoVistaの対応はわりと迅速でしたが、Jammingでの文字化けに対応してくださったのは、今やEPWing界の救世主と言ってもいい大久保さんです。WordNet 3.1のオリジナルデータや青空文庫を、いろいろと使いやすいEPWing形式に編集して公開してくださっています。


ただし、インデントがくずれる点はどうにもならないので、現状でJamming上のリーダーズはこんな風に見えます。

1405011_2

この例で、見出しの右肩に付いているアスタリスク(*)は、≪米≫を表す記号ですが、この辺が初期状態では文字化けしていました。外字のマッピングの問題です。ちなみに、≪英≫を表す記号は || です。


EBWin4では、文字化けもレイアウトの崩れもなくきれいに表示されています。Logophileでは確認していません。

1405012_2


ついでに、LogoVistaブラウザでの本来の表示はこうです([本文の連続表示]をオン)。

1405013_2


あ、そうそう。LogoVistaブラウザで辞書ごとの凡例は、[ヘルプ]→[凡例を開く]で見られることも、今回の一連のやりとりのなかで知りました。

07:52 午後 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2014.04.29

# Windows 7環境構築のまとめ - 辞書編

さて、私たちにとって欠かせない商売道具、辞書データの移行です。

これまでも私は基本的に、辞書はすべて---EPWingデータも、単独アプリケーション版も---同じディレクトリにインストールしてあるので、そのフォルダをコピーするのは簡単です。ただし、

・JammingやEBWinは、辞書登録の設定が必要

・アプリケーション版は、そのまま動くものもあるが、基本的には再インストールが必要

です。

まず、基本中の基本、Jammingです。

ところで、しばらく前にも翻訳フォーラムでLogophileへの移行の話が出ました。Logophileも少しずつ進化してるし、LogoVista版データなどはLogophileのほうが有利なのですが、私自身は未だになじめません。EBWinのほうがいい感じです。


Jammingの移行

Jammingのインストールディレクトリを開くと、[初期設定]というフォルダがあります。旧環境から新環境へこれをコピーすれば、Jamming自体の設定や辞書の登録設定を引き継ぐことができます。

大切なのは、

browser
dicpath
dicwiz


と並んでいる拡張子のないファイルです。各ファイルには、おおむねファイル名から想像されるとおりの設定情報が入っています。特に、旧環境と新環境で辞書データのパスが変わる場合には、

dicpath

ファイルの中身を書き換えないといけません(というわけで、辞書データの置き場はいつも同じにしておくと移行が楽)。パスがちゃんとすれば、新環境でも今までと同じように使えるようになるはずです。

ちなみに、ファイルのほかにBAS、COBUILD... EPWING...などのフォルダがありますが、これはJammingの[辞書の追加と削除]ダイアログにある辞書の分類に応じたフォルダです。たとえば「EPWING」フォルダを見れば、自分が登録していた辞書のデータが入っています。ただ、中身は空っぽの場合もあります。


EBWinの移行

旧環境では、EBWinに辞書をほとんど登録してなかったので---EBWinはサブマシンで使っていた---、今回に限っては「移行」の手間はありませんでした。新規に登録しました。

よって、移行するとき、どのファイルを引き継げばいいのか、今回は検証していません。


EBWinの辞書登録で残念なのは、[辞書の追加]/[辞書の編集]機能と、辞書グループがちゃんと連動していないこと。Jammingの場合は、辞書をひととおり追加しておいて、グループ分けはウィザードで後からいくらでもできますが、EBWinの場合、グループを作ったら、グループごとにまた[辞書の追加]をしないといけません。

ですよね? > EBWinユーザーの方


LogoVistaの移行

今回びっくりしたのが、LogoVistaの辞書ブラウザ。いくら探しても、JammingやEBWinの「辞書の追加」に当たる機能がないんですよね。ぜんぶ、インストーラからやり直さないといけない。

もちろん、LogoVista辞書といってもJamming上で使っている分は、上の手順でそのままいけるのですが、Jammingにうまく載らないLV辞書(下記※)については、どうしてもLV純正ブラウザが必要です。LV辞書については、インストール後もちゃんとインストーラは確保しておく必要があります(下記※※)。


LogoVistaの辞書データって、なんか仕様がたびたび変わっているみたいですね。最近のLV辞書は、かなりの確立でJammingでちゃんと表示されません。私のところで言うと、「ジーニアス英和・和英」と、「リーダーズ第3版」がそうです。

※※
ダウンロード購入した製品であれば、LogoVistaサイトにログインすれば再ダウンロードできるようになっています。


Oxford系の移行

OED、SOD、CODはいずれもスタンドアロンアプリケーションなので、再インストールが必要です。しかも、「初回の起動時のみCD-ROMを認識する必要がある」という仕様。

OEDとCODはうまくいきましたが、なぜかSODだけは、この初回認識にトラブってしまい、どうしても移行できませんでした。使用頻度は高くないので、サブマシンにインストールしてCD-ROMを入れっぱなしにしてあります。


その他スタンドアロン版の移行

「ランダムハウス第2版」は、製品パッケージありますが、今さらスタンドアロンで使う予定もないのでインストールせず。

……と思ったら、再インストールしなくてもそのまま起動しました。
……と思ったら、インターフェースは出るけどちゃんと動作しませんでした。

RHDは、そのままでもJammingで読み込めますが、私の手元にはEPWing化したデータもあって、主にそちらを使っています(参照リンク:# ランダムハウスの純正データとEPWingデータ)。

で、再インストールしないとスタンドアロン版も動きませんが、Jammingでも純正データを読み込もうとすると、こんなエラーになってしまいました。

1404292

スタンドアロン版/準性データを使いたければ、まじめに再インストールするしかないようです。

「Merriam Webste's Collegiate Dictionary」は再インストール。

「OALT(Oxfor Advanced Learner's Thesaurus)」は、おもしろいことにインストールディレクトリをそのままコピーするだけで起動できました。

「学研Super日本語大辞典」。今だから白状しますが、たいへん重宝している学研国語大辞典。実は「入手不可」ということで、実はある方からデータを "お借り" していたのですが、今回調べてみたら、実は「Super日本語大辞典」の形でまだ手に入ることがわかったため、ちゃんと購入しました。

これがまた、古色蒼然と言いたくなるようなインターフェース。

1404291

笑えるくらいのWindows 95時代デザイン。むしろ、インストールできたのが不思議なくらいです。フォント設定すら変更できず、こんな汚い明朝文字をみせられることになるので、もちろんJamming上でしか使いません。あ、これは変換スクリプトが公開されています。

リンク:EBStudio 変換スクリプト集


Microsoft Bookshelf 2.0

これがどんな辞書かという話は以前書きました。

リンク:# カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf

残念なことに、どうしてもこれだけはインストーラディスクが見つからず、単純なディレクトリコピーでも実行できず、悔しい思いをしています。

DF-X10000改に『精選国語大辞典』が載ってはいるのですが、『日本国語大辞典』が手元になくなってしまうのは、何とも無念。American Heritageも。

09:10 午前 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (8) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2014.04.09

# 電子辞書情報 - 4/9版

翻訳フォーラムをはじめとする通翻クラスタでは、しばらく前から辞書まわりが熱いことになっています。


最近の話題は、なんといっても研究社の「リーダーズ第3版」。

長らく書籍版しかなかったこの辞書が、ここでもすでに取り上げたように、昨年まずセイコーインスツルの電子辞書DF-X10000とDF-X10001に搭載され、先日ようやくLogoVista版も発売されました(当の研究社がデータ版を売り出す見込みはまったくない模様)。


ところが、このLV版、発売間もなく、色々と問題のあることがわかってきました。JammingやLogophile、EBWinにも載りはしたものの文字化けがあったりとか、これは外字のマッピングの問題で、まあとかくお騒がせの多いLV仕様だからねぇ... というところですが(Logophileでは、外字のマッピングを設定すると解消する)、実はもっと深刻なバグがありました。

それは、後方検索その他の検索方法が(売り文句には書いてある)機能しないということ。

さっそく、翻訳フォーラムのメンバーがメーカーに問い合わせたところ、さっそくアップデートデータが公開されました。ダウンロード版でもパッケージ版でも、購入した人であれば、LogoVistaのマイページからダウンロードし、手元のリーダーズV3を更新できます。

1. LogoVistaサイトでログインする。

2. [所有製品(シリアル番号)の確認/新規ご登録と再ダウンロードサービス]をクリック。

3. [所有製品(シリアル番号)の確認/新規ご登録と再DL]というページが開く。

4. リーダーズを登録してあれば、このページの一覧にあるはずなので、[再ダウンロード]ボタンをクリック。

これでダウンロードが始まります。


それでも、LV純正ブラウザ、Jamming、Logophile、EBWinでそれぞれ動作が異なるので、いろいろと検証が進んでいるところです。


そんなわけで、辞書まわりのことを調べたついでに、このファイルも更新しました。


翻訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧 - 4/9版(Excelファイル)
(※クリックすると、すぐにファイルがダウンロードされます)

変更点は以下のとおり。

・DF-X10001について、PASORAMAでひける辞書のチェック列を作りました(G列です)。これでわかるとおり、大修館の「日本語大シソーラス」と、Collings Wordbankが対応していません。

・ついでに、カシオの最新フラッグシップ機を追加しました。ただし、実用書レベルの細っかい書籍の分は面倒なので更新していません。翻訳者としては特に決め手になるコンテンツはありません。

・緑と黄色の色が付いているのは、ブログ主が持っているPASORAMA対応機種で、それぞれの異動を示しています。たとえば、岩波理化学辞典はSR-G9003にしかないのです。


このリストを作りながら、セイコーインスツルさんのサイトに誤りを発見しました。DF-X10000の頃から続いているので、きっと誰も気づいてないんでしょうね。

リンク:DF-X10000-SII電子辞書、または

リンク:DF-X10001-SII電子辞書

ほぼ同じこのページに、「PASORAMA一括検索 対応コンテンツ:38コンテンツ」と書いてありますが、よく見ると、「人文社会37万語英和対訳大辞典」がダブっています。したがって総数は38ではなく37。


それにしても、WordbankはPASORAMA対応してほしいなぁ …… あれ? 例文検索だとPASORAMA対応の状況が違う?おー、リスト作り直しだ。でももう今は時間がないので、ひとまずここまで。明日また更新します。

ところで、このリーダーズで盛り上がるより前、昨年の秋くらいから、翻訳フォーラムはPrinceton WordNet 3.1のデータのことで盛り上がっていました。

そのことも、近いうちに書こうと思います。

04:04 午前 辞典・事典 | | コメント (1) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.11.07

# DF-X10000改 - リーダーズ第3版は、どうだ

発送してからちょうど1週間かな、ソフトウエア書き換えサービスに出してたDF-X10000が、中身DF-X10001相当になって帰ってきました!

PASORAMAもDF-X10001用に変わっているてので、再インストールしないといけません。

1311071_3


さて、この子の名前を考えてあげたいところですね。DF-X10001と呼ぶわけにはいかない。

「DF-X10000 MK-II」ってのも捨てがたいけど、ここはやはり、

DF-X10000改

ってことにしましょう。

インストールしなおしなので、配色などもリセットされます。なんとなく薄いクリーム色にしてみましたが、

1311072

これより、薄いグレーにしたほうが、

1311073

Windows明朝系フォントのしょぼさが目立たない気がします。


ではさっそく、リーダーズ第3版が入った「DF-X10000改」の実力を調べてみたいと思います。

拙ブログ「私家版英語辞典@帽子屋」に載せている単語を片っ端からひいてみました。


virality

はダメでしたが、形容詞viralはリーダーズ第3版でこうなっていて、ちゃんと新しい意味が追加されています。

1311074


ransomware、typosquat のような最新のセキュリティ用語にはさすがに追いついていませんが、


hacktivism

a person who uses computer crimes to further social or political ends.

というのがODEに載っていました。ODEも、これまでのSR-G9003では第2版だったのが第3版になった威力ですね。この単語、親辞書であるOEDに早くも収録されている(# OED がさっそく役に立った話)ので、そこから反映されたようです。


installation

これは、期待したんですがぜんぜんダメでした(参考:私家版英語辞典@帽子屋: installation)。期待している用法(インストールしたソフトウェア、環境、などを表す)が分野限定で特殊すぎるのかも。


initiative

これは、リーダーズ第3版が対応しました。

3. 新規の(行動)計画[提案,構想


megacity

私家版英語辞典に書いたとおり、比喩的に「百万都市」ならわかりますが、わざわざ「人口100万人の都市」(研究社大英和)とか「人口100万以上の都市」(ランダムハウス)と書いてあって気になった単語です。リーダーズ第3版は、今までとかわらず「百万都市」だけですが、ODEで追加されています(第2版にはなし)。

a very large city, typically one with a population of over ten million people


populate

リーダーズ第3版、期待に応えてくれました。

1311075

いいですね。着実な成長が感じられます。


represent

地味ですが、リーダーズ第3版には語義が加えられていました。

1311076

いいですぞ...。


というわけで、わたしがこれまで集めてきた新語にもいくつか対応しているようで、なかなか良いようです。


次回は、私の楽しみにしていた国語辞典なども取り上げてみたいと思います。

07:27 午後 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.10.31

# DF-X10000 ~ ファーストインプレッションと問題点

さて、さっそくPASORAMAを起動してみました。

1310316

……

……

…… なんだかなぁ。装飾過多って感じ。



まあ、インターフェースの印象は好みの問題かもしれないけど。

ボタン大きすぎじゃね?

ちなみに、旧PASORAMAはこんな感じでした。

1310317

個人的には、こっちのほうがすっきりしてて、ずっと好きなんですけど。


辞書ブラウザって、だいたいどれもデザインはあっさりしてて、LogoVistaなどもけっこう控え目です。そんななかでは、Oxford系がどれもデザインにちょっと凝ってますが、もっと洗練されている気がします。

参考:「# Oxford の親分」
(最後のスクリーンショット)


実際、好みの問題だけじゃなく、ボタンのサイズが変わらないから、ウィンドウ全体を小さくすると、ボタンの一部は表示されなくなってしまうのですよね。まあ、右のほうはあんまり使わないボタンなんだけど。

要望その1:
ボタンサイズの変更オプション

を付けてください。


ついでですが、表示のオプションはもう少しあってもいいですね。背景や文字などの配色は変更できますが、フォントを変えたい(個人的に、Windowsマシンの明朝系フォントはあんまり見たくないのです)。

要望その2:
表示オプションを強化

してください。


ミニ辞書 ←→ 標準辞書、という切り替えもありますが、切り替えるたびにウィンドウの表示位置が初期設定(たぶん右下)になってしまうのも×です。ミニと標準のどちらも、好きな位置に置きたい。

要望その3:
ウィンドウ情報を記憶
できるようにしてください。


というあたりで実際に動かしてみましょう。


……あれ? 検索動作は、あいかわらずインクリメンタルだけなんだっけ?

でも、けっこうきびきび動くからいいか(XPマシンだったら、もっと辛かったかも)。画面自体も、きれいで見やすいと思います。

ちなみに、DF-X10000に付属しているPASORAMAのバージョンは「PASORAMA for G10001 1.0」。最新版は1.2のようで、こちらもSIIのサイトからダウンロードできますが、有償ソフトウエア書き換えサービスに出せば、これも更新されるようです。

要望その4:
インクリメンタルをオン/オフ
できるようにしてください。


どうしてもJamming/Logophileの機能と比べてしまう、というのはありますが、

要望その5:
辞書の順番を変えられる
ようになると嬉しいですね。


さて。あんまり使わないんですが、インターネット検索のオプションも確認してみました。旧PASORAMAと変わってませんねー。検索エンジンを追加/削除できるのは○ですが、

Google先生が入ってない

のは何か理由があるんでしょうか?
※私の旧PASORAMAにはGoogle入ってますが、たぶんこれは自分で追加したもののようです。

1310318

で、そのインターネット検索、エンジンに最初から Merriam WebsterとかCollins、Longmanなどのサイトも入っていて、けっこう良いのですが、いちいちオプション設定で切り替えるというのは、いかにも不便です(だから使ってないのよ)。そこで、

要望その6:
インターネット検索エンジンの切り替え
を表でできるようにしてください。


ところで、旧PASORAMAになかった「熟考翻訳」なんてボタンがありますね...ポチ。

おおぉぉ。なんと機械翻訳サイトに飛びますね。あ、ロゼッタのサービスか...、ふーん。


「クリップボード検索」、これも私は使わないんですが、ボタンを押した状態と押してない状態の違うがほとんどわかりませんね。

コンテンツについてもちらっとだけ。

楽しみにしていた『精選版 国語大辞典』(以前の記事:カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf)。Bookshelf 2.0に入っていた国語大辞典より詳しくなっているものもありますね。これは楽しみ~。

1310319


もうひとつ楽しみにしていた『平凡社 世界大百科事典』。

デフォルトでは、図版は表示されずリンクになっていますが、クリックしても表示されるウィンドウが小さく、わざわざ拡大しなければいけません。[全文表示]にして、かつウィンドウをスクリーン最大にして使うと見やすい感じです。

ただ、図録のスキャン精度があんまり良くない気がします。これ、たぶん本体のスクリーンではもう少しキレイに見えるのかもしれません。

13103110


なお、肝心のリーダーズ第3版については、ソフトウェア更新してからまたレポートしたいと思います。


最後に、ハードウェアについて1点。

要望その7:
USBケーブルを長く
してください。

これは以前の機種から不便に思ってましたが、付属のUSBケーブルは短すぎます。PC本体背面のUSBポートを使おうと思ったら、本体の置き場がないですよ。

03:10 午前 辞典・事典 | | コメント (1) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# DF-X10000 ~ 接続からインストールまで

DF-X10000が到着しました。

リーダーズ第3版を載せるための有償ソフトウエア書き換えサービスにそのまま送っちゃおうかとも思いましたが、やはりちょっとは様子を見てみたかったので、接続してPASORAMAを起動するところまでやってみました。

ひとつには、Windows 7 64ピットマシンだとUSB経由で正常に認識されない例があるというのが気になっていたからでもあります。

以下、接続から、PASORAMAとドライバのインストール、PASORAMAをちょっと動かしてみるまでのファーストインプレッションです。

ちなみに、メインのXPマシンには旧PASORAMAがインストールしてあって、そちらでSR-G9000が動いています。バージョン違いのPASORAMAは共存できるとも聞いているのですが、XPマシンはだいぶ非力でもあり、いずれWindows 7に移行しなければならないので、最初っからWindows 7マシンで試しました。

DF-X10000がうまく動けば、SR-G9000は取り外して学校でだけ使おうかな。


USBについての注意

まず、これはインストールガイドにも書いてありますが、USBハブはひとまず避けたほうがいいようです。私も最初はハブを経由したのですが、うまくいきませんでした。


USBについての注意、その2

これは、旧PASORAMAシリーズを使っている人だけですが...

最初は、旧PASORAMAが入っているXPマシンにそのまま接続してみようかと思ったんですよ。そしたら何と、

USBケーブルの仕様が違う

のですね。

旧PASORAMAのUSBケーブルはミニUSB(たぶんB)、新しいPASORAMA用のはマイクロUSB(B)になってます。

まず、接続してみて戸惑ったのは、なぜだか本体が二重に認識されていること。

1310311

「SII DAYFILER」って出てきたら、これがそうだと思うじゃないですか、ふつう。

ところがここをいくら探しても、あるはずのインストーラ(の入っているフォルダ)がない...... で、もいっぺんエクスプローラを見てみると、

1310312

「リムーバブルディスク(F)」というのも認識されてて、この中に「PASORAMA」というフォルダがありました。

でもまあ、これは環境によって違うような気はします。


あとはインストーラをダブルクリックすれば、PASORAMAのインストール自体で特にトラブルはありませんでした。

1310313

ちゃんと、64ビットネイティブのアプリケーションになっているようです。


インストールが終わると、こんな画面が出てしまいますが ---

1310314

これは想定内らしく、インストールガイドにちゃんと書いてありました。[キャンセル]するだけで問題はないとのことです。


ではさっそくPASORAMAを起動してみます......

1310315

出ました~!

PASORAMAユーザーなら、一度はお目にかかるメッセージじゃありませんか、これ?

しかも、このメッセージが出たときの対処方法が、インストールガイドにもスタートアップガイドにも書いてません。これは問題だと思います。

で、ググってみると、ちゃんとSIIさんにFAQページが用意されています。

リンク:サポート:FAQ-セイコーインスツル株式会社

PASORAMAをインストールして、電子辞書をUSB接続し、PASORAMAソフトを起動しても、「本体をPASORAMAモードにしてから再度、接続してください」というメッセージが表示され、先に進めません。
デバイスドライバがインストールされていない可能性があります。 電子辞書をPASORAMAモードにしてUSB接続しているときに、パソコンのデバイスマネージャのUSBコントローラに「!」マークが付いているデバイスがある場合は、以下の解決方法を実行してドライバをインストールしてください。

あ、そう......

で、「ドライバの再インストール」というページもちゃんとあって、デバイスマネージャーでドライバの更新をすると、ドライバを正常にインストールできます。


まあ、インストール時のトラブルとしては軽いでしょうが、途中からはネット検索しないとダメって、どうなんでしょう。

なんかね、SIIさんのマシンって、スタンドアロンの使い方のほうが圧倒的に多数で、わざわざPCにつないでPASORAMAを使うというのは少数派、しかもその少数のユーザーは一定以上のPCスキルがあるだろうから、「トラブったらググってね」みたいな印象です。

まあ、少数派なんでしょうけど。

02:02 午前 辞典・事典 | | コメント (8) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.10.28

# 電子辞書情報 - 10/27版の追記

1つ前のエントリを書いてから、念のためと思ってこちらのサイトを確認しました。

リンク:その他 - 翻訳者の薦める辞書・資料


そうでした、そうでした。

【DF-X10001発売記念】「DF-X10000有償ソフトウエア書き換えサービス」が期間限定で行われます。本体をメーカーに送付すると、約1週間後に「リーダーズ第2版」が「第3版」に置換され、追加機能も搭載されます。1台5,000円(税込・代引)。サービス期間 2013年9月27日~2013年11月29日(メーカー到着)。詳しくはこちら[リンク]。[Update:2013/09/28]

つまり、この期間であれば、

45,000円弱のDF-X10000 + 5,000円

で、DF-X10001相当の機種になる、ということなんですよ!!

あー、これはもうiPadより優先で買いだわー。

【追記】
Amazonの価格はころころ変わります。記事中の値段から変動している場合も多いので、あらかじめご了承ください。

12:02 午前 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# 電子辞書情報 - 10/27版

書籍が出たのはもうしばらく前で、その後電子データがなかなか出てこなかった

『リーダーズ英和辞典 第3版』

ですが、これを搭載したセイコーインスツル "DAYFILER" シリーズの最新機、DF-X10001が9月に発売されました。


以前作った比較表に、この最新機種を載せて更新しました。

翻訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧 - 10/27版(Excelファイル)
(※クリックすると、いきなりファイルがダウンロードされます)

1世代前のDF-X10000に色付きセルが1つあるのは、さっき確認して漏れてたものの修正分です。


さすがにまだ実勢価格はだいぶ高く、Amazonでも10/27現在、58,000円ほど。これから一気にそろえる、というのならともかく、買い換えとなるとなかなか難しいお値段です。


……で、この比較表を見てわかるとおり、1世代前のDF-X10000との違いは、

・『リーダーズ英和辞典 第3版』

・『DHC 巽一郎、巽スカイ・ヘザー著 英会話ビジネスひとこと辞典』

だけです。


ところで、セイコーインツスルさん、11月からこんな新しいサービスも開始するそうです。

リンク:DAYFILER CLUBについてのお知らせ!

そして、リーダーズ第3版もこの追加コンテンツとして提供されるらしいのです。


それを念頭に、Amazonで1世代前のDF-X10000を見てみると……

こちら、45,000円弱です。


ということは、もしDAYFILER CLUBでリリースされるリーダーズ第3版が13,000円以下であれば、

今DF-X10000を買うのもアリ

ってことじゃありません?


そろそろ買いだよなぁ……。でも、新しくなった iPad(またはmini)も欲しいしねー。

サンタさん来ないかなぁ。

12:01 午前 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.06.06

# ランダムハウスの純正データとEPWingデータ

今まで気づかなかった私も、いいかげんマヌケだなぁと思いますが、ちょっと前にJammingのウィンドウで、ある事実を発見しました。

1306061_2

ランダムハウスの本文なのですが、赤丸で囲った範囲の青い字、各品詞とか「成句」、「類語」にリンクが設定されているんですよ。当然、クリックするとその先にジャンプします。

これって、辞書ひくとき、むちゃくちゃ便利じゃありませんか?






ってなことを昨日ツイートしたら、通翻のみなさんのJammingでは、こんな機能はないということでした。


あれ?


あ、そうかそうか。ウチ、データがちょっと違いました。

Jammingというのは、言うまでもなくEPWing仕様の辞書を検索できるブラウザですが、実はEPWing以外の規格にも一部対応しています。

[オプション]→[辞書の追加と削除]を選択すると、

1306062

このダイアログが表示されます。EPWing辞書を追加するときは、いちばん上の[電子ブック...]というオプションを選択するわけですが、その下にある[ランダムハウス]というボタンを押すと、実はランダムハウスをインストールしたそのままのデータを読み込むことができます。

ランダムハウスをJammingで使う場合は、こちらのオプションのほうが一般的です、たぶん。


でも、これだと上に書いた品詞リンクは出てこないのですね。

私のJammingには、(オリジナルのRHDももちろん入ってますが、)実はEPWing仕様に変換したデータが読み込んであります。品詞リンクの機能は、こちらだけの特典でした。


で、いったいどうやってランダムハウスのデータをEPWing化したかというと、たとえば以下のようなサイトがあります。

リンク:ランダムハウス英語辞典Toolkit 開発中バージョン

リンク:「ランダムハウスを EPWING 形式に変換する」ガイドⅡ パソコン初心者向け
(こちらはPDFです)

前者を読むと... たぶんそうとう煩雑そうです。後者は、それを簡単に書いてくれたPDFです。

興味のある方はトライしてみてください(私自身がどれを参考にして変換したか、もう忘れました......)。


ちなみに、この品詞リンクはEPWing仕様の機能なので、DDWinでも同じように機能するそうです。


品詞リンク、ほかの辞書でも標準実装されてるといいのになぁ。

10:41 午前 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.02.28

# 電子辞書情報 - 2/28更新

前回の記事に、貴重なコメントをいただきました。

"国語系充実モデル" DF-X10000 は、Oxford 系辞書の一部が新しくなるようです。


・Oxford Dictionary of English (ODE)

・Oxford Thesaurus of English (OTE)

の2つが、第3版ということです。


公開しているExcelファイルも修正しました。

翻訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧 - 2/28更新版(Excelファイル)
(※クリックすると、いきなりファイルがダウンロードされます)

ついでに、各製品へのリンクも追加してみました。

カシオのXD-N10000のほうは、発売時期がわずか1か月違うだけで第2版になっているので、きっと微妙な差だったんでしょうね。

こーゆー点も、電子辞書の辛いところです。コンテンツはあくまでも固定なので、一部に新しいデータが出ても、それだけ差し替えるという融通がききません。


コンテンツの一部が新しくなったら、その分だけアップデートデータで更新する、みたいなシステムになりませんかねー。もちろん有償でオケーなんだけど、それでもメーカーさんはやってくれないでしょうねぇ。


あ、第3版って、これか。紙版は2010年にもう出てるみたいですね。

Thesaurusのほうか、2009年に出てるんだ。

話は違いますが、Macmillan English Dicionary for Advanced Learners なんてものを買ってみました。こちらについては、また別の機会にレポしてみたいと思います。

12:43 午前 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.02.21

# SII DF-X10000 - 電子辞書情報 - 2013年春改訂版

前回のエントリに対するコメント欄で、バックステージさんが教えてくださいました。

セイコーインスツルから、PASORAMA+ 搭載の

国語系充実モデル

が3月に出るそうです。


リンク: DF-X10000-SII電子辞書


さっそく、前回のリストにこの機種を追加した更新版リストをアップしました。

翻訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧 - 2/21更新版(Excelファイル)
(※クリックすると、いきなりファイルがダウンロードされます)

バックステージさん、いつもながら、いち早い情報のご提供ありがとうございます。


なお、新しいファイルには、私が気になるところに勝手に色が付けてあります。あらかじめご了承ください。

DF-X10000で、私が気になっているコンテンツは以下のとおり。

精選版 日本国語大辞典
なんといってもこれですね。すでに書いたように、親辞書に当たる『日本国語大辞典』はいちおうありますが、第二版ではないので、ぜひこれを使ってみたい。

広辞苑 第六版
実はまだ手元には第五版しかないんでした。

大修館書店 日本語大シソーラス
これも今は持ってません。

Longman Pronunciation Dictionary
セイコーインスツルさんでLongmanが載るのは、ほとんど初めてじゃないかな。先日、EPWING版の4thを仕入れたばかりですが、5thも気になります。

Collins COBUILD Advanced Dictionary of English
COBUILDの搭載も久しぶりです。

平凡社 改訂新版 世界大百科事典
これまで、電子辞書に収録されている百科事典って、ブリタニカばっかりでしたね。平凡社というのは、とても気になります。


このほか、研究社英和大、ランダムハウス、ジーニアスの三大英和も海野さんもそろっています。

気になるお値段はまだ出てきてませんが、タッチパネルとか、いろんな機能もてんこもりなので、あまりお安くはなさそうです。

もうひとつ気になっているのは、既存の

PASORAMAに加えて、PASORAMA+ も共存できるのか

ということです。USBに2台つないで、それぞれ別々に認識してくれるんでしょうか?

09:30 午後 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2013.02.11

# カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf

前のエントリの続きです。【補足】として追加しようかとも思いましたが、長くなりそうなので、新しいエントリとしました。

きっかけは、Facebookのほうにいただいたコメントです。

前のエントリで書いたカシオのXD-N10000、PCに連携できないというその一点を除けば、実はかなり魅力的です。現時点で、コンテンツだけで言えば個人的にいちばん気になっています。

・リーダース
・ジーニアス英和大辞典
・ランダムハウス
・新英和大辞典

の4大辞典が揃っているのはセイコーインスツルのDF-X9000と同じですが、Oxford系で

・New Oxford American Dictionary

が入っています(これ、地味ですがけっこう使える辞書です)。英英では

・Longman Dictionary of Contemporary English

が入っているのも最近では少数派です(それ以上に、Collinsは収録されなくなっているようですね、なんでだろう)。また、DF-X9000と同様、

・ロイヤル英文法
・実践ロイヤル英文法

これらも入っています。


しかし、何と言っても気になるのは、国語系と百科系の充実ぶりでしょう。

・広辞苑 第六版
・新漢語林 第二版
・日本語大シソーラス
・明鏡国語辞典 第二版

これだけでもセイコーインスツルのどの機種より勝っていますが、最大の目玉は、

小学館 精選版 日本国語大辞典

これなんです。書籍版で買ったら、46,200円もします。しかも、スタンドアロンの電子版は売られていませんし、電子媒体で手に入れようと思うと、今はこれくらいしか選択肢がなさそうなのです。

さて、この「精選版」の親辞書は、言うまでもなく小学館の『日本国語大辞典』です。こちらも、電子媒体はまったく出ていませんが、実はかつて出回っていたことがあります。


1998年に発売された、Microsoft/Shogakukan Bookshelf(R) Version 2.0に収録されていました(ただし、2000年から刊行された第2版ではありません)。

収録されている辞書:

・国語大辞典(新装版) (C)小学館 1988
・プログレッシブ英和中辞典 第3版 (C)小学館 1980, 1987, 1998
・プログレッシブ和英中辞典 (C)小学館 1986, 1993
・類語例解辞典 (C)小学館 1994
・故事ことわざの辞典 (C)小学館 1986
・電子ブック版・データパル 総合版 91-96 (C)小学館 1996
・データパル 97-98 (C)小学館 1997
・データパル 98-99 (C)小学館 1998
・The American Heritage(C) Dictionary of the English Language, Third Edition (アメリカン・ヘジテイジ英英辞典 第3版)

これ、今ではたぶん実現できないラインアップかもしれません。国語大辞典も貴重ですが、American Heritageも、実はあまり電子化されていないからです。

これが手元にあるのは、けっこうラッキーなのですが、親辞書とはいえ第2版でないことを考えると、やはり「精選版」にはかなり引かれてしまいます。カラーで見られるナショジオ系コンテンツも気になるし...

でも、ここでもやっぱり、

リーダース第3版はいつ出るんだ?

という点がネックになって購入を躊躇してしまいます。

私と同じ理由で電子辞書を買い控えている人、けっこういるんじゃないかな。

研究社さ~ん、そこんとこ、わかってますかー?

08:52 午後 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# 翻訳者のための電子辞書情報 - 2013年春版

最近の電子辞書の世界をちょっと調べてみました。

コンテンツの面では、2年前のSR-G9003(セイコーインスツル)に、「うんのさんの辞書」が初めて収録されたほどの大事件はない感じです。

が、同じセイコーインスツルメントの最新機 DF-X9000 で、PASORAMA が大幅に進化したらしいというところが気になっています。ついでに、最近しばらくチェックしていなかったカシオの同じカテゴリーも覗いてみました。

シャープとキヤノンからも電子辞書は出ていますが、少なくとも「翻訳者ご用達」という観点で見た限り、やはり前2社に比べるとかなり見劣りします。

セイコーインスツルとカシオの現行機種のうち、翻訳者として気になるものだけ、収録コンテンツを一覧してみました。比較したのは、以下の5種。

・SR-G10001
・SR-G9003NH3
・DF-X9000 (以上、セイコーインスツルメント)
・XD-N9800
・XD-N10000(以上、カシオ)


以下のリンクでダウンロードできます。

翻訳者ご用達電子辞書の収録コンテンツ一覧(Excelファイル)

ただし、TOEIC対策とか英会話とか実用コンテンツは省略しています。もし一覧にミスがあったら、ご指摘くだされば修正します。

それから、両メーカーで辞書の説明が若干違うので、版などが違うと思われる辞書は別立てしました。

進化したPASORAMA+は気になるものの、コンテンツとしてSR-G9003NH3と違うのは(私が持っているのはSR-G9003ですが、NHK英会話コンテンツの差だけです)、主なところでは、

・ジーニアス英和大辞典
・徹底例解ロイヤル英文法
・実践ロイヤル英文法

くらいしかないんですよね。リーダースの第3版がいずれ何かに収録される可能性もなくはないし、まだ待ちかな。


それにしても、改めてこうして眺めてみても、セイコーインスツルは

国語系が貧弱

すぎます。広辞苑を載せなくなったのは、何か理由があるんでしょうか?

なお、PASORAMAは、新しい機種ほど機能がよくなっているので、その点も考慮したほうがいいでしょう。と言っても、店頭でPASORAMAやPASORAMA+の実機確認までできるところは少ない気がしますが。

カシオのラインアップは、ひさしぶりに見ましたが、実用系のコンテンツをまるで強迫観念のようにやたらたくさん揃えてる感じは、ちっとも変わりませんね。カシオらしさと言えばそうなんでしょうけど。

ナショジオ系とか、それから山川の日本史・世界史シリーズも、実は欲しいんですけどね。でも、PASORAMAを知ってしまった今となっては、電子辞書単体にはもう戻れない......。カシオもPC連携してくれませんかねー。


【補足】

コメント欄にもいただきましたが、ランダムハウス2ndは、本家のCD-ROMがどうやら絶版のようです。その一方で、iOSアプリも出ていて、CD-ROM版より値段もだいぶ手頃ですが、でも「翻訳者ご用達」という以上やはりPC上で使えないと、ありがたさも半減です。

そうなると、これから辞書を揃えようかという人にとってはとても不便。小学館さん、早いところ再版してくれませんか? 書籍ほど難しくないですよね?

それから、検索していて、こんなサイトも見つけました。

4大英和辞典徹底比較-セイコーインスツル株式会社

これから揃える人には参考になると思います。この記事が掲載されている「レックス先生のスペシャル講座」というコーナー全体もおもしろそう。

「コーパスって何?」とか、「英英辞書早わかり」とか。

次の授業でも奨めてておこう。

03:20 午後 辞典・事典 | | コメント (4) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.10.24

# Jammingで辞書の名前を変えたいけど......

これは、まずJammingの機能上の問題なんですが、表示される辞書の名前は各辞書の内部データで決まっていて、ユーザーが勝手に変えることはできません。全角英字が気に入らないとしても、我慢するしかない。


たとえば、私のJamming辞書の中には、LogoVistaの

『メリアム・ウェブスター英英辞典』

というのが入っていますが、こいつの、

名前がよろしくない

わけです。


もちろんこれはJammingのせいではなく、命名の責任はLogoVistaに、もしくは元の書籍版を日本で出した出版社(←というのがあるのかどうか、確認できていませんが)にあります。

英語の辞書にすこし詳しい人なら知っているとおり、"Webster"を冠する辞書は山のようにあって、"Merriam-Webster"に限っても何種類か出回っています。

ちなみに、私の環境では、同じJammingに『WEB1913』というのがあって、これは

Webster's Revised Unabridged Dictionary (1913)

です。いわゆる「Websterの辞書」の元祖。


それから、EPWing対応ではないのでスタンドアロンの辞書としてですが、Merriam-Webster's Collegiate Dictionary and Thesaurus があって、これも Collegiate 版として有名なやつです。


では、LogoVistaの『メリアム・ウェブスター英英辞典』って、いったい何なのでしょうか。

Webstercd

LogoVista

書影でわかるとおり、Advanced Learner's Dictionary ですよね。つまり、OALDなどと同じレベル。


辞書タイトルでそれがわからないって、問題だと思います。

辞書の名前を変更できないのは、Logophileでも変わってないみたいですね。

10:18 午前 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.10.08

# ジャック・ハルペンさんの日中韓辭典研究所

少し前に書いた

# Weblioを使うときの注意

で、収録されている「日中韓辭典研究所」という辞典と、それを編纂している春遍雀來(ハルペン・ジャック)という人について情報提供を求めたところ、大学時代の友人がメールで詳しい情報を送ってくれました。

以下、その友人の承諾ももらったので、簡単に紹介しておきます。

ジャック・ハルペン氏の略歴。

・1946年ドイツ生まれ、国籍はイスラエル。
・日本語を愛するあまり自ら〈春遍雀來〉と和名をつける。
・それだけではなく、同じイスラエル人である奥さんにも2人の子どもにも和名をつける。
、8言語をマスターするが、日本語に魅了され1年間日本語を独習する。
・1973年に来日。

日中韓辭典研究所 - 日中韓辞書データに載っているご本人の風貌は、なんとなくビル・ゲイツっぽくもあります。


外国人が漢字をどう学ぶか、という方法論をかなり研究されたようで、その成果が研究社と講談社から辞書として発売されています。

Kanji Dictionary Publishing Society - Kanji Dictionary: New Japanese-English Character Dictionary(新漢英字典)

Kanji Dictionary Publishing Society - Kanji Dictionary for Japanese Learners(講談社漢英学習字典)


内容は、講談社のページのサンプルPDFを見るとよくわかります。本職の国語学者さんの目にどう映るかわかりませんが、おもしろい試みのように思えます。友人からも、こんなコメントが付いていました。

どの程度、言語学的に妥当かどうかは別として、自らが学習した「外国語」と「その文字」について、自身の経験と言語的直感(これは信頼に足ると思います)を活かして編んだ辞書と言えると思います。(彼の日本語力と漢字力については、これまた信頼に足ると思います。


ちなみにこの友人は、私などと違ってドロップアウトもせず、卒業後も英語と語学の道をまっとうに歩いている人物なので、このコメントは信頼できると私も考えます。

Tさん、この場を借りて情報提供にお礼を申し上げます。


そんなわけで、だいぶ遠回りしましたが、Weblio収録の「日中韓辭典研究所」については、信頼性はともかく、出自はだいぶはっきりしました。

おそらくWeblioさんだって、あまり信頼性の高くない情報を無条件に掲載するようなことはしていないだろうと想像しているのですが、それにしても問題なのは、掲載している情報の素性をはっきり書いていないことです。

研究社とか小学館のような大手ならともかく、このケースのように知名度が今ひとつ、という場合には、


その情報を安心して使えるのかどうか


というデータをしっかり提示することが、情報ポータルサイトには必須の義務でしょう。

11:08 午前 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.09.23

# Weblioを使うときの注意

(はじめは、「辞書の権威」という大仰な見出しにしようかとも思ったのですが、ちょっと手に余るので、現実的な話にとどめることにしました)

Weblioのことをこのブログで初めて紹介したのは、もう6年も前のことでした。その後、収録される辞典/事典/用語集の数は着実に増え、最近はGoogle検索してもかなりの確率で上位にくるようになりました。


ただ、そうなると気になるのが、はたして収録されているデータの信憑性はどうなのかということ。辞書と付き合うとき、

信じるはバカ、引かぬは大バカ: Buckeye the Translator

が大前提であるのは言うまでもありませんが、そのためには、辞典/事典/用語集の素性をわかっておく必要があります。

たとえば、installation という単語を引いてみます(Weblioのサイトからでもいいですし、ググってもたいてい上位にきます)。

リンク: installationの意味 - 英和辞典 Weblio辞書


語義は、辞書ごとのセクションに分かれて表示されますが、各セクションの頭には必ず、出典を示すリンクがあります。

1209231

左側の「研究社 新英和中辞典」をクリックすると、Weblio内で出典を簡単に説明したページにジャンプし、右側の「研究社」ロゴをクリックすると研究社のサイトに進みます。

せっかくなので、installationのページに並んでいる出典を確認してみます。


Ws000000

Ws000001

の2つは、どちらもサイトのトップページに飛ぶので出典がすぐ出てくるわけではありませんが、サイト内で検索すれば出典がどんな辞書か簡単にわかります。新英和中はまあいいとして、同じ研究社の『英和コンピューター用語辞典』も、日外の『斎藤和英大辞典』も、(ちょっと後に出てくる)『コンピューター用語辞典』や『機械工学英和和英辞典』も、素性ははっきりしています。


では、4つ目に出てくる(2012/09/23現在)、「和英マシニング用語集」

Ws000002

ってのはどうでしょう。リンク先はやはりトップページですが、ページ下部に行くとサイトマップがあって、「マシニング関連和英辞典」というリンクがあります。説明はいっさいないので、権威付けにはやや欠けますが、天下の住友電工が掲げている以上、業界用語としてまるでデタラメというわけでもなさそうです。


そのすぐ後には、

Ws000003

がありますが、ロゴからではなく「マイクロソフト用語集」のリンクから進むと、おなじみの「Microsoftランゲージ ポータル」が開きます。ここを疑ってしまうと、たぶんIT翻訳業界のあちこちが成立しなくなります。


少し進むと、だいぶ毛色の違うロゴ。

Ws000004

そんな協会があるんですねw リンク先に「河川・水資源 日英用語集」という項目があって、無条件に使えるかどうかは別として、いちおうある程度の業界団体が作っているとわかります。


その次の

Ws000005

これはWeblioでよく見かけます。リンク先が go.jp ですから、信憑性はともなく権威はありますね。少し後にある

Ws000006

こちらもほぼ同様です。


その近くにある「ライフサイエンス辞書」はどうでしょうか。

Ws000007

おっと。リンク先は京都大学ですねー(kyoto-u.ac.jp)。「About Us」を見ると、このサイトの詳細がわかりますし、なかなか使えそうです。


……と、ここまでは素性もわかるし、アテになるかどうか、少なくともその判断材料はそれなりにありました。問題はここからです。

Ws000008

このロゴ、ある時期からとてもよく見かけるようになりました。「日英・英日専門用語辞書」ということですが、編集しているのは「日中韓辭典研究所」というところ。代表者は春遍雀來(ハルペン・ジャック)という人で、辞書編集者として実績があるようです(なにかご存じの方がいらっしゃれば、ぜひ情報をご提供ください)。そのうえ、収録データについても詳しいページがあって、

The CJK Dictionary Institute, Inc. - Chinese, Japanese and Korean (CJK) Dictionary Data

基本的には、別資料からの孫引きではなく、すべてこの方が収集したデータということなのでしょうか。信頼できるのかどうか、ちょっと悩んでしまいます。

そして、最後に登場するのがこれです。

Ws000009

「クロスランゲージ 37分野専門語辞書」。あのクロスランゲージさんですね。

Weblioサイト内では、「ビジネス、科学技術、医療、医学分野など複数の分野の専門用語を収録した総合的な英和対訳辞書です」と説明されています。リンク先は同社のトップページですが、今までのサイトと違って、この「37分野専門語辞書」についての説明はまったく見つかりません。

Google検索しても、ヒットするのはWeblioのページばかりで、ようやく見つかったのがこのページです。

リンク: 仕様|プレミアム機械翻訳|クロスランゲージ

が、このページにも収録語数と分野が列挙してあるだけで、このデータがどんなものなのか、正体を知ることはまったくできませんでした。

念のために付け加えますが、最後の「37分野専門語辞書」のデータがまったく信用できないと言っているのではありません。信頼できる辞書なのであれば、ちゃんと、素性を書いておくべきだということです。

その点では、これを採用しているWeblioについても責任の一端はあると思います。この辞書が追加されたときのWeblioブログにも、

「早期ビリルビン」、「有機すず重合体」、「nannoplankton」など、ビジネス、科学技術、医療、医学分野など複数の分野の専門用語を収録した総合的な英和対訳辞書です。

としか書いてないからです。

もっとも、根拠薄弱なまま採用されているデータはこのほかにもけっこうあるみたいです。この手のサイトは取扱い要注意、という原則はやはり忘れるべきではありません。

09:35 午前 辞典・事典 | | コメント (10) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.09.05

# CODの初版復刻版

こんなものを買ってしまいました。


これは仕事用というより、ほとんど趣味の世界ですね。

もともと、Oxfordファミリーの中でもCOD(COED)ってけっこう好きで、今はもっぱら電子版(11th)しか使いませんが、大学生のときには、当時最新だった第6版のほか、少し遡った第4版、第5版とかもそろえてありました。

さすがに初版を手に入れようと思ったことは一度もなかったのですが、刊行100周年を記念して、実にお手頃な価格で復刻されたのが本書です。

さっそく、1911年刊行のこの初版と、電子版の第11版を比べてみます。


当たり前のことですが、これよりだいぶ後に追加された単語、つまり当時の新語は収録されていません。たとえば、

hobbit

という語(言うまでもなく、J.R.R.Tolkienの造語です)は、作品の発表が1937年なので、初版に載っているはずもありません。

hobbit
noun a member of an imaginary race similar to humans, of small size and with hairy feet, in stories by J. R. R. Tolkien.

ORIGIN
1937: invented by Tolkien in his book The Hobbit, and said by him to mean 'hole-dweller'.

それから、当然ながら時代とともに語義が変わったり増えたりする単語というのもありますね。ためしに、

cute

という単語を引いてみると、11thにはこう書かれています。

cute
adjective
1 endearingly pretty. /North American informal sexually attractive.
2 North American informal clever; shrewd.

これが、初版ではこうです。

cute
a. (colloq.). Clever, shrewd ; ingenious

つまり、今では一般的な「かわいい」系の使い方は、20世紀初頭にはまだなかったということになります。念のために、親分であるOEDを確認してみました。

cute, a. colloq.
1. Acute, clever, keen-witted, sharp, shrewd.

2. (orig. U.S. colloq. and Schoolboy slang.) Used of things in same way as cunning a. 6. Now in general colloq. use, applied to people as well as things, with the sense ‘attractive, pretty, charming’; also, ‘attractive in a mannered way’.

「かわいい系」の語義は、2. として載っています。そしてこの後には1834年、1857年、1868年... と、かなり古い年代の用例がちゃんと採録されています。

ということは、COD初版が出た1911年には「かわいい系」の語義がちゃんとあったんですね。にもかかわらずCODには載らなかった。この辺の違いがなかなか興味深いところです。紙面の制約というだけではなく、OEDとCODという辞書の性格の差かもしれません。

同じような例で、

mystery

をひくと、11thには2番目の語義として

a novel, play, or film dealing with a puzzling crime.

と、小説のジャンルとしての語義が書かれていますが、初版にはありません。

モノとしての変化などがわかる例もあります。

handkerchief

をひくと、初版では "Square of linen, silk, &c" ですが、11th になると "a square of cotton or other material" と、材質についての記述が大きく変わっています。


というわけで、翻訳の役に立つわけではありませんが、ときにはこんな楽しみ方もいいものなんでした。

03:02 午後 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.08.30

# 研究社『日本語表現活用辞典』の実際

前エントリでNestさんからもリクエストがありましたので、この辞書を使ってみるとどうなるか、ちょっと試してみました。

比較対象としたのは、これより後に買った『てにをは辞典』です。
(参考エントリ:)禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 『てにをは辞典』(三省堂)

まず、自分が引いてみたい単語をランダムにひいてみました。以下、辞書名は「表現活用」、「てにをは」と略します。

一意
表現活用:エントリなし。全文検索でもヒットなし。
てにをは:~▲的に 定まる

固有
表現活用:エントリなし。全文検索で「固有の文化と外来の文化~」という例文あり。
てにをは:▲の 色。名。文化。方法。文字。領土。

金銭
表現活用:エントリなし。全文検索ではいくつかの項目がヒット。
てにをは:▲が 介在する。絡む。▲を 預かる。あなどる。失う。……▲で あがなう。▲に 困窮する。……


これでわかるように、そもそも項目数にだいぶ差があります。

「表現活用」は、前書きにこう書いてありました。

「1 級語彙表 10,000 語」を中心に適宜、選択・補充し、動詞 1180 語、形容動詞類(「~の」の形で形容動詞に準じた働きをするものも含め)364 語、併せて 1544 語

つまり、項目数は12,000弱。そして、研究社さんのサイトによると、例文は約25,000。

一方の「てにをは」は、
・見出し数35,000語
・結合語のべ600,000


それから、全文検索は、Jammingではもちろんのこと、Logophileでインデックスを作るとき[全文]もチェックしたのですが、やはり使えていません。「固有」と「金銭」についてヒットしたのは、LogoVistaの辞典ブラウザを使った場合です。

しかも、

1208291
(「固有」を全文検索した結果)

1208292
(「金銭」を全文検索した結果)

このように、全文検索でヒットはするものの、それがいったいどの項目に載っているのか、すぐにはわからないという欠点があります。例文の中から共通の語彙を探すと、前者は「混ざる」の例文、後者は「考える」の例文であることがやっとわかります。


ということで、『てにをは』辞典で重宝しているような使い方を「表現活用」に求めることは、ちょっとできない感じ。少し違う使い方があるのかなぁ。

03:22 午前 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.08.28

# 研究社『日本語表現活用辞典』、Jammingでは「連続表示」に

数少ない日本語コロケーションの辞書として、標題の『日本語表現活用辞典』をしばらく前に買ってありました(ユーザー登録を見たら4年も前だった)。

研究社日本語表現活用辞典
Jpn_03

LogoVista形式の辞書データはいちおうJammingでもLogophileでも使えるようになっています(*.idxファイルを読み込める)。広辞苑も、Merriam-Webster's Advanced LEARNER'Sも、表示に多少の違いはあってもほぼ問題なく使えていたのですが、『日本語表現活用辞典』だけは、Jammingで引くとマトモに機能しないようなので、そのまま放置していました。

今回、Logovistaで『明鏡国語辞典 第2版』と『ジーニアス英和 第4版』を買ってインストールしたので、ついでに『日本語表現活用辞典』も改めてLogoVista辞典ブラウザで使えるように再インストールしてみました。


【追記】
このエントリを公開して1分後に、Jammingの達人NestさんがTwitterで指摘してくださいました。

@baldhatter 表示>本文>連続表示でもだめですか。

おぉぉーーーーあっさり解決。

ということで、エントリのタイトルごと変えました。

専用の辞典ブラウザで引くと、

1208282

これが本来の表示のようです。

これをJammingの「単項目表示」で引くとこうなります。
([表示メニュー、[本文]→[単項目表示]])

1208281

でも、[本文]→[連続表示]に切り替えると、

1208284

このように、正しく表示されました。

[単項目表示]と[連続表示]はショートカットキーで簡単に切り替えられます。


ちなみに、Logophileでは

1208283

「単項目表示」に当たる表示モードしかなく、Jammingの「連続表示」のような正しい表示は得られません。

12:05 午後 辞典・事典 | | コメント (7) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2012.07.16

# 辞書の記憶をたどってみた

しばらく前に、英語の恩師のことを書きました。

禿頭帽子屋の独語妄言 side B: ♭ 恩師の英語指導

その恩師のもとで英語を習っていたおよそ7年間、当然ながらいろいろな英語辞典に接しました。その記憶がけっこういい加減だったことに今朝気づいたので、ちょっと記憶をたどってみることにします。

恩師のもとに通い始めたのは、小学5年生の終わり頃のことで、まず指定されたのが『研究社 新英和中辞典』。たぶん第3版あたりでしょう。授業は中学1年生用の教科書からでしたが、辞典だけはいきなりこれを渡されて、「予習の段階で単語をすべてひいておくこと。1回ひいたら、見出しにチェックマークを付けること」と指示されました。

(そのほか、発音記号の見方とか、辞書の例文を読めとか、いろんな指示はありましたが、ここでは立ち入りません)


基本語彙にチェックマークが何十個も付いて、テキストも教科書からペーパーバックとか英字新聞に変わったころ、辞書も次の段階に移行しました(英和中も併用し続けました)。


記憶に間違いがあった、というのが、ここんとこです。


私は、このときから「リーダーズ」を使っていたように思い込んでいたのですが、調べてみたら「リーダーズ」の初版って、1984年なんですよね。大学に入ったのが1980年で、恩師の指導もその春までだったので、授業でリーダーズを使ったというのはありえない。

手元に現物があれば即解決した話ですが、たぶん現物は物置。いろいろ調べた結果、これだこれだ、というのが見つかりました。

4110hba4fal_sl500_aa300_

Amazon.co.jp: 現代英和辞典: 本

やっぱり岩崎民平w

1976年発行だし、「リーダーズの前身」みたいにも書いてあるので、これに間違いありません。つーか、私がリーダーズと勘違いしていたくらい、たぶん辞書としての作りは似ていたはずです。


日曜の朝から思わぬ記憶さがし。でも解決してよかったー。

大学合格が決まった(めでたく恩師の後輩になれた)1980年の春、恩師からは入学祝いに『ランダムハウス英和大辞典』(1巻本)をいただきました。

大学にいる間、この1冊はもちろんとことん使い果たしました。見出しにチェックマークを付ける習慣は、その頃もまだ続けていた気がします。

その愛用の1冊も、今は開かれることもなく、たぶん物置に眠っています。最近は、第2版を電子辞書として手軽にひけるようになりました(というより、もはや電子辞書の定番)。

ついでに言うと、恩師の書斎(兼教場)に燦然と輝くように並んでいたOEDも、今ではCD-ROMで手軽に手に入るようになりました。

恩師が存命であったら、この時代にどんな電子辞書をどんな風に使うのか、ぜひ見てみたかったなぁと思います。

09:40 午前 辞典・事典, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (5) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2011.06.14

# OED がさっそく役に立った話

先日のエントリに書いた Oxford English Dictionary。

私の日頃の仕事で直接役に立つことは特に期待していなかったのですが、新語を 7,000 単語収録しているというのはダテじゃなかったようで、手元のほかの辞書には(FOLDOC などまで含めても)まったく載っていない単語が OED には収録されていた、というケースにさっそく遭遇しました。もちろん訳語が載っているわけではありませんが、語義が見つかるという安心感はやはり大きいものですね。

その単語については「私家版英語辞典」のほうに書きました。
私家版英語辞典@帽子屋: hacktivism

面白かったのは、この単語のページに、

110614_hacktivism_2_2


ちゃんと "Draft entry" と書かれていたこと。なるほど、という感じでした。

110614_anonymous

こちら、ソニーの人が見たら腹が立つかもしれない、アノニマスのみなさん。

05:49 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2011.06.06

# Oxford の親分

Concise Oxford Dictionary (11th)
Shorter Oxford Dictionary (6th)

を愛用していますが、彼らの親分格である Oxford English Dictionary の CD-ROM 版は、最初に出てからずいぶん長いあいだ、動作が不安定(検索ソフトがすぐに落ちる)という話だったのでずっと見合わせていました。少し前に Version 4.0 が出て安定したということ話なので、ようやく導入です。

CD-ROM 2 枚組のパッケージを開いたところ。

Oed01

右上にいる見事な山羊ひげのおじいさんが、初代編集者である言語学者の James Murray。

データはすべて HD にインストールできますが、インストール後の最初の起動時だけは、インストールディスクを入れておく必要があります。この辺は COD、SOD も同じ仕掛け。それをうっかり忘れて起動しようとしたときのメッセージ画面がこれ(日本語化してあるのは驚き)。

Oed03

「オリジナル」というのがちょっと気になりますね :P

起動してみたインターフェースがこちら。

Oed06

そこはかとない高級感が、ある? 少なくとも、フォントはいちばん読みやすい感じです。

せっかくなので、三役そろいぶみのショットを撮ってみました。

Oed05

【6/14追記】
知り合いの翻訳者さんから、これと同じ OED Ver4.0 を、Vista マシンにだけインストールできなかったという報告がありました。Vista の場合には注意が必要かもしれません。

04:11 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2011.02.16

# 『てにをは辞典』(三省堂)

久しぶりに紙の辞典を買いました。

たとえば、unique という単語をコンピュータ系の翻訳では「一意」と訳すことになっています。unique name だったら、要するに「ほかと重複しない名前」ってことなのですが、「一意」という定訳を使うとすれば、

一意の名前
一意な名前

のどちらがいいのか悩むことがあります。もちろん国語辞典的に言えば「一意」は名詞であって形容動詞ではないので、「一意な」は無理があるのですが、実際の IT 翻訳ではよく見かけます。

ちなみに、今 Google 大明神におうかがいをたててみたところ、

"一意な名前"……もしかして "一意の名前"(約 42,300 件)
"一意の名前"……約 384,000 件

ってことなので、やはり「一意な」は無理がありそう。

『てにをは辞典』には、こういう語尾や助詞とのつながり、「自然→界」のような造語要素、「不思議に→気が合う」のような修飾関係など、「言葉と言葉のつながり」(コロケーション)が用例としてたくさん収録してあります。

とは言っても、用例の収録元が主に文芸作品なので、産業翻訳でストレートに役立つとは限りません。先ほどの「一意」にしても、実際には「一意→的に」という用例しかなく、上に書いた私の疑問は解決されませんでした。

でも、やはり頻繁に遭遇する「固有」という単語の場合、大辞林や大辞泉では形容動詞としても分類されているので、「固有な」という形が可能ということになりますが、『てにをは辞典』でひくと「固有→の」という助詞の続き方しか例がないので、世間一般的には「~の」としたほうが自然なのかな、という見当がつきます。

「一意な」がいい例ですが、日頃自分が接している用語が、実は分野限定の特殊なものだということに気づく役に立ちそうです。

12:22 午前 辞典・事典 | | コメント (7) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2011.01.27

# SR-G9003 の続き

前エントリをアップしたらさっそく Nest さんからコメントをいただいたので、もう少し SR-G9003 のこと、と言うか PASORAMA のことを書いてみます。

以下、Jamming と比較してたりします。後継アプリケーションである Logophile が登場し、Jamming はもう開発が終わってしまっているので、この比較はあまり意味がないのかもしれませんが、私は未だに Logophile に移行できず、まだまだ Jamming が現役なのでした。



任意の文字列を選択してジャンプできる

この点は、Jamming より勝っています。表示されている本文で、単語の一部とか複数の単語とか、任意の文字列を選択、ダブルクリックしてジャンプできます。Jamming は単語単位でしかダブルクリックできません。


「戻る」ボタンと検索履歴

110126_pasorama2

Jamming と比べて優劣はありませんが、わかりやすいと思います。戻る操作はツールバーの「戻る」ボタン、履歴の表示は検索フィールドのドロップダウンリストと、どちらも簡単です。Jamming で検索語を遡るには、[表示]→[本分]→[戻る]という選択が必要ですし、検索履歴は[表示]→[表示した項目の履歴を開く]となっています。ただし、Jamming ではどちらもキーボードショートカットがあるので、慣れていれば問題になりません。逆に、PASORAMA のインターフェースはショートカットという配慮がほぼゼロなので(ニーモニックはある)、やはり発想が PC 的ではないのだろうと思われます。


ミニ辞書

110126_pasorama3_2

最小限のウィンドウで表示するモードですが、標準モードと違って、辞書が英語と日本語 1 つずつに限定されてしまうので、私にはあまり用がありません。なんだろ、たとえば電子書籍を PC で読むときに傍らで表示しておくとか、そんな使い方でしょうか。


インターネット検索

同じ機能が Jamming にもありますね。検索エンジンを設定から選べるようになっていて、新規の URL も追加できるという点もほぼ同じです。検索エンジンのなかに、Oxford とか Collins などのサイトが事前定義されている点が、なるほどというところ。

惜しいと思うのは、検索エンジンをいちいち設定で切り替えなければならないところ。ドロップダウンなどでエンジンも選択できるようにすればもっとナイスです。


スペルチェック機能

という名前ですが、いわゆるスペルチェックではなく、「スペル類推検索」です。

110126_pasorama4

こんな風に、うろ覚えのスペルを入力すると、通常検索では「該当なし」ですが、「スペル」ボタンを押すと、このように候補を表示してくれます。

翻訳しているときの使い方としては、原文からコピペして検索することがほとんどなので、あまり出番のない機能ですが、もしかすると便利かもしれません。あ、原文に綴りミスがあるとき使えるなぁ。

PASORAMA で使っているとこんな風にけっこう便利ですが、単体で使うとなると、バックライト付きのカシオ製品に比べて画面がかなり見づらい気がします。

それからもうひとつ。これはこの機種ということではなく、SII さんとして非常に残念な点があります。

シルカカードという名前の、コンテンツ追加のための IC カードシリーズが用意されていますが、こちらのラインアップが貧弱すぎるということです。英和、英英、和英で 5 種類、フランス語などの各国語が 7 種類など、ぜんぶで 17 点しかありません。しかも、挿せるカードは 1 枚だけ。

かたやカシオの追加コンテンツが、広辞苑などの一般辞書から六法全書、南山堂の医学大辞典までかなり豊富に揃っていて、しかもメモリー容量の範囲で複数を追加できるのですから、この点ではライバルに大きく負けています。

08:53 午前 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (1)

はてなブックマークに追加

2011.01.26

# 電子辞書 SR-G9003 を導入

セイコーインスツルメントの電子辞書、SR-G9003 を買ってみました。

リンク: SR-G9003-セイコーインスツル株式会社

"うんのさんの辞書"(Project-Pothos.com)が搭載された初めての電子辞書として、ちらほらと話題になっていますが、私としては以前にも触れたことがある PASORAMA(# 辞書やテキスト入力まわりに好ましい傾向が続く)を使ってみたいという動機もありました。

話題の "うんのさんの辞書"(第 5 版)はもちろんもう持っていて EPWING 環境で使用しているので、搭載コンテンツとしては必ずしも目玉があるわけではないのですが、

- 研究社 新編 英和活用大辞典
- 研究社 ルミナス英和辞典2版
- 岩波書店 岩波理化学辞典 第5版

が、いずれも導入していない辞書でした。そのほか、Concise Oxford Dictionary も電子辞書としては珍しいようです。スタンドアロン版は持っていて愛用していますが(# ここいらでまた辞書の話、その2)、やはり他の辞書と串刺し検索できる環境にあると便利です。

さて、肝心の PASORAMA です。以前のバージョンはかなりダメダメだったような情報も見かけますが、今のバージョンは、万全とは言えないものの、ストレスなく使えるくらいの出来です。

110126_pasorama

Jamming と比べてさえ地味なインターフェース。いくら実用アプリケーションとはいえ、少しくらい洒落っ気が欲しいところです。ではありますが、画面は見やすいと思います。

- 検索の動作
クリップボードにある文字列は貼り付けボタン(左から2番目)で簡単に検索できます。ただし、Jamming だと、フォースがどこにあっても Ctrl+V でペースト→検索できますが、こちらはあくまでも検索フィールドをフォーカスしてからボタンを押さないといけません。

インクリメンタル検索なので Enter キーを押す必要はありませんが、非インクリメンタルの動作に切り替えるオプションがないのは×です。

- 設定
例文検索のときの語順指定の有無とか、辞書として基本機能はだいたい用意されていますが、やはりインターフェース上のオプションは貧弱です。カラー表示どころか、文字はサイズを変えられるだけで、フォント指定さえできません。これは PC 上のアプリケーションとしてはかなり×。

ひとつありがたいのは、TagEditor + Jamming 環境で起きてしまう、「隠し文字を拾ってしまう」現象(TagEditor と Word の違い - その2)がないこと。

自分の作業環境でメインになるほどではありませんが、PASORAMA は予想以上に便利でした。本体は USB 接続したまま、ほとんど開いたことがありません。今後は、たとえば複数の電子辞書本体を接続して 1 つの PASORAMA 上で切り替えて使えるようになったら強力だと思うのですが、どうでしょうね。

ところで、上のスクリーンショットに出てるのは、FUD という語のランダムハウスによる語義ですが、

(セールスマンがつけこむ購買者の)fear, uncertainly, and doubt.

これ、誤植がありますね。名詞の列挙のはずなので、uncertainly じゃなく uncertainty です。

11:45 午後 辞典・事典 | | コメント (4) | トラックバック (1)

はてなブックマークに追加

2010.07.21

# 「うんのさんの辞書」のこと

昨日のエントリで新版の発売予定をお知らせした『ビジネス技術実用英語大辞典』。

実務翻訳に携わっている人なら必携、というか、私の周りの翻訳者さんはほとんどみなさんお持ちのようなので、今さら私などがその良さを宣伝する必要もないのですが、せっかくなので「私にとってどう良いか」という視点で書いておこうかと思います。

この辞書をまだお使いでない方、あるいは購入をご検討中の方は、私の駄文をお読みになる前にぜひ、こちらの「ビジネス技術実用英和/和英大辞典 序文」をお読みください。この辞書の編纂意図や特徴がよく判りますし、初版の謝辞を読むと、この辞書を使わせていただいていることの有り難さが倍増します。

用例や言い換えが豊富であることは、使い始めてすぐに気づきますし序文にも書かれています。それが、「実用」という名を冠するに相応しい、この辞書の最大の特徴でしょう。

豊富な用例や言い換えを挙げるというのは、語義を「訳語」として固定的に列挙していくという一般的な辞書のアプローチではなく、「こんな感じ」、「こんな使い方をする」という示し方によって

言葉を立体的に浮き出させ

ようとすることです。

そういう作りの辞書がどれほど貴重な存在であるか、翻訳者はみんな皮膚感覚のように判っていて、それが

- 単語の手ざわりをつかみやすい
- 訳語を思いつく手掛かりになる

という評価や賛辞につながっているのだと思います。

そんなわけで、私にとってはふつうの英和辞典ではなくむしろ英英辞典、特に Collins COBUILD などに近い存在です。

もちろん、こんなことは序文にもちゃんと書かれています。

多少くどく感じますが、探している言葉を思い付くための発想の助けになったり、言葉が持つ意味の幅の広さを示せるものと思います。

もちろん、訳語や用例がそのまま役に立つことも少なくありません。以下はその一例。

このエントリを書く前に、「私家版英語辞典」に initiative を追加しました。

代表的な大辞典の多くで記述が不完全なこの単語についても、「うんのさんの辞書」には第 3 版(2000年)ですでに「構想」という訳し方が用例として掲載されています。

11:43 午前 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2010.07.20

# 「うんのさんの辞書」第5版、出版記念オフ会!

翻訳者のあいだで、新版の刊行がこれほどまでに待ち望まれていた辞書はかつてなかった、と断言していいでしょう。そんな、待望の辞書の新版が出ます。

正式名称は『ビジネス技術実用英語大辞典』ですが、特に翻訳業界では、編者である海野さんご夫妻のお名前から、もっぱら「うんのさんの辞書」と通称されています。

その第 5 版の出版を祝して、出版記念オフ会が開かれます。

- 日時: 2010年9/4(土) 18時~(予定)
- 場所: 新宿(予定。お申し込みの方には後日メールでお知らせします)
- 費用: 一人4,000-4,500円前後(予定) 当日徴収

詳しくは、このオフ会の世話人を務めてくださっている Nest さんのサイトをご覧ください。
リンク: It's a Celebration! 『ビジネス技術実用英語大辞典V5』発売記念オフ 2010/9/4

私ももちろん海野さんご夫妻とは面識がありませんが、例によって図々しく参加する予定です。

08:15 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2010.03.04

# 英辞郎の収録語数

英辞郎の収録語数については、公式サイトやアルクのサイトで探しても、あまりきちっとした説明が見つかりませんが、そういうデータを電子辞書の売り物にしちゃうというのはいかがなものかと。

リンク: キヤノン、英辞郎を収録した電子辞書「wordtank V330」など6機種を発表:ニュース - CNET Japan

キヤノンマーケティングジャパンは1月15日、電子辞書「wordtank(ワードタンク)」シリーズにおいて、170万項目の英和データベース「英辞郎」を収録した「wordtank V330」1機種と、コンパクト&シンプルモデルの「IDP-700G」など5機種を発表した。1月20日から順次発売する。

私の手元にあるのは、v114(2008年11月)の EPWING 版で、収録語数は 168万項目ということになっていますが、たとえば lightning-fast という語を(ハイフンやスペースを無視して)検索すると、

lightning fast
―adj. <→lightning-fast>

lightning-fast
―adj. 電光石火の

lightningfast
―adj. <→lightning-fast>

となっていて、3 項目のうち 2 つは空見出しなわけですね。もちろん、どんな辞書でも公称の項目数には空見出しが含まれていると思いますが、英辞郎の空見出し率は、たぶん普通の辞書よりはるかに高いはずです。その辺は、どこかできちんと説明しておくべきかと思いますけど、どうなんでしょう。

02:04 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2009.03.20

# 翻訳者にとっては特に "キラー" ではなく

一般ユースなら、この収録内容で十分でしょうね。

ネタ元: CloseBox and OpenPod > これ1本で電子辞書キラーになる「全部入り」iPhoneアプリ : ITmedia オルタナティブ・ブログ

なんと言っても、iPhone 上の表示が電子辞書よりはるかにキレイですし。

目下のところ私にとっての "キラー" アイテムはこれ。
リンク: SR-G10001-セイコーインスツル株式会社

昨年 11 月にネタにした SR-G9001 の上位機種で、PASORAMA というアプリを使って PC から操作できるという売り。ということは、今のところ Oxford Dictionary of English(OED ではない)を PC から引ける唯一の環境ということになるわけです。

でも、実売 70,000 円は、まだちょっと高いなぁ。

10:21 午前 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (4) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2008.11.20

# もひとつ電子辞書の話題

リンク: シャープ、Wタッチパネルを採用した電子辞書「Brain PW-TC980」:ニュース - CNET Japan

Brain PW-TC980は、手書きパッドに加え、メイン画面のカラー液晶もペンタッチに対応することで、直感的な操作を可能とした。たとえば、表示された単語や文章をペンでなぞると、「マーカー(マーカーを引く)」「音声(英単語など音声再生)」など使用できる機能のマークが表示され、マークをタッチすればメニュー画面の切り替えや英単語の音声再生ができるという。

まあ、前エントリの SR-G9001 とはまったく違う方向性ですが、ユーザー層によってはこーゆーのもありですかね。

ところで、前から「電子辞書にテキストエディタ機能が付けばいいのに」と[思って|言って]ましたが、よく考えてみたら、今の電子辞書サイズのキーボードじゃ入力は辛そう。少なくともポメラ並みのキーボードが必要です。

09:33 午後 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# 辞書やテキスト入力まわりに好ましい傾向が続く

ポメラに続いて、なかなか方向性のいい商品が出るようです。

リンク: SII、PCとつながる電子辞書「SR-G9001」発売へー--コピー&ペーストで引用もラクに:ニュース - CNET Japan

エディタ内蔵の辞書までもう一息かなー。

で、セイコーさんのサイトにあった必要環境。

Pasorama_spec_2

comptoble

って何ですかね。

アクセスしてくる人種を考えたら、コンテンツのこ迂回前に最低限のスペルチェックくらいはかけたほうがいいよね。

01:36 午前 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (4) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2008.10.18

# EPWING 以外の辞書のインターフェース、その2(COD)

シリーズ第 2 回は、いろいろ考えたのですが、Concise Oxford English Dictionary 11th Edition を取り上げます。

この辞書のことは、買ったときのエントリで書きました

英語版の辞書ソフトは、基本的に EPWing 仕様ではありません(EPWing 自体が日本の規格なので当然ですけど)。Longman とか Cobuild あたりは EPWing 変換のツールやスクリプトも充実していますが、それ以外の辞書は まったく EPWing 対応しておらず、やむをえず独自インターフェースを使うことになります。

本文内を検索できないという欠点は、前回のランダムハウスと同様ですが、その点は "Advanced search" という機能で不完全ながら補われています。

Cod_advanced

たとえば "find fault" と入力すれば、fault の項の本文で "find fault" がハイライト表示されますし、pick という単語もヒットしていて、"pick holes in" という熟語が同じ意味であることがわかります。

ちなみに、前回のランダムハウスには「成句・用例」という検索機能があるのですが、COD の Advanced search と同じ使い方はできません。"find fault" を見つけたい場合でも "find fault" で検索することはできず、fault を入力して数あるヒット結果から目的の熟語を見つけなければなりません。中途半端です。

前回のエントリで、「語義説明の中をクリックするとその単語にジャンプする」と書きましたが、これは意図しない場合にも動作してしまうので、必ずしも便利とは限りません。

インターフェース上で面白いのは、アナグラムとかスクラブルみたいな、単語遊びのゲームが付いているところでしょうか。

設定できるオプションもほとんどなく、インターフェースとしての完成度ということはほとんど考えられていない印象です。道具としての機能は必要にして最小限、後は中身で勝負...と、そんなところでしょうか。

--------------------
ところで、ここで取り上げたのは第 11 版で、書籍版も現行バージョンは同じようですが、私が現役大学生だった頃の COD は第 6 版でした(1976年刊行。次の第 7 版が 1982 年)。

当時はよく、「COD の語義定義が面白かったのは第 5 版まで。6 版でつまらなくなった」というのがもっぱらの評判でした。実際、あの頃神田の古本屋をめぐっても第 5 版は品薄でした。

07:52 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2008.09.23

# EPWING 以外の辞書のインターフェース、その1(ランダムハウス)

Buckeye さんが、主に EPWING 規格の電子辞書の話をエントリなさっていたので、こちらでは、非 EPWING 規格の辞書の、内容ではなく主としてインターフェースに関する話をシリーズ化してみます。

リンク: Buckeye the Translator: 電子辞書の選び方・使い方

基本的には、「非 EPWING 規格の辞書で採用されている独自インターフェースがいかに使いにくいか」という話です。

第 1 回は、翻訳者さんの中でも利用率が高いと思われる『ランダムハウス英語辞典 第 2 版』

Rhd1

このインターフェースの最大の欠点は、本文内を検索できないということに尽きます。EPWING 規格で定番の DDWin や Jamming では当たり前に実装されている機能なのですが、これではせっかく電子化しても活用性が半減します。

RHD の独自インターフェースは、実は第 1 版の頃からあまり進歩していません。アプリケーション開発のスタッフって、ふつうは類似アプリケーションを研究したりするものだと思うのですが、どうも小学館さんって、その辺の感覚は鈍いようです。

本文セクションの上に並んでいるツールバーボタンにポップアップヒントがない(カーソルを置いても機能が表示されない)のもいただけません。設定機能が貧弱なのは言うまでもなく。

ただし、他にはないちょっと便利な機能がありました。それは、検索された見出し語(上のショットでは bread)を右クリックすると、

Rhd2

こんな風に本文のセクションが表示されること。もちろん本文検索にはとうてい及びませんが。

ということで、ランダムハウスは、EPWING データに変換するか(そのための方法やスクリプトも公開されています)、Jamming で使うのがお勧めです。
※Jamming では、RHD のオリジナルデータをそのまま読み込めます。「対訳君」でのバンドル版である Jamming Light ではオリジナルのままでは読み込めません。EPWING 化が必要です。

10:30 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典, パソコン・インターネット | | コメント (8) | トラックバック (1)

はてなブックマークに追加

2008.06.03

# 辞書データ集 Ver.2

タイトルは簡潔にしましたが、これは「# 役に立たない EPWing 集」ではなく、「# 役に立つかもしれない辞書データ集」のアップデート版です、念のため。

ただし、掲載順は以前と変わっています。

黒字の辞書は以前から変化なし(ただしコメントは変わっているのもあり)。青字の辞書は新規、または改訂版です。

リーダーズ+プラス V2( (EPWING)
    ちっともバージョンアップしないと思っていたが、今年の 2 月に、新語を追加した『リーダーズ+プラス GOLD』というのが出ているらしい。でも要らないかな。

ランダムハウス英語辞典 第 2 版 (固有形式、EPWING)
    第 2 版になっても固有ブラウザの使いにくいさはあいかわらず。本文内を検索できないなんて、設計者はよほどマヌケに違いない。幸い EPWING 化できたので、そちらばかり使っている。

英辞郎 Ver.102 (対訳君形式)
    今のところ最新版は Ver.111。でもまだしばらく要らない。最近 EPWING 版も公式に出たらしいが、価格設定が高すぎという声も多い。

CD-180万語対訳大辞典 英和・和英 (EPWING)

Concise Oxford English Dictionary (固有形式)
    以前のエントリで紹介済み。紙の時代から含めて、やはりいちばん相性がいい辞書のひとつ。

Shorter Oxford English Dictionary (固有形式)
    OED に不具合が多いらしいというので、ひとまずこちらを導入。COD より詳しい情報が欲しいときに使うが、固有ブラウザの起動が少し遅い。

Merriam Webster's Collegiate Dictionary 11th (固有形式)
    先日のエントリで紹介済み。固有ブラウザは、使いやすくはない。EPWING 化したい。

Longman Dictionary of Contemporary English (EPWING)
    そろそろ新しいバージョンを買いたい。

Collins COBUILD Advanced Learner's English Dictionary (EPWING)
    同上。

広辞苑 第 5 版 (EPWING)
    第 6 版はまだ買っていない。たぶん当分買わない。

大辞林(1992年版) (EPWING)

Webster's Revised Unabridged Dictionary (1913) (EPWING)

Roget's Thesaurus (EPWING)

デジタル類語辞典 第 6 版 (固有形式)
    最新版にアップグレード。

角川類語新辞典 (ATOK 組込み版)
    ATOK のアドインなので、漢字を変換するときに類語をざっとブラウズできる。これは意外と便利で、訳語のイメージがふらふらしているときなどに使える。

小学館・国語大辞典 Bookshelf 版 (固有形式)
    個人的には広辞苑よりしっくり来ることが多い。

01:10 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2008.06.01

# Webster について補足

ちょっと前に「# Websterのオンライン辞書がすごい」というエントリを書きましたが、このサイトは Merriam Webster の辞書とは無関係、ということを補足しておきます。

そもそもこのサイト、単語の語義が WordNet のものなんですね(WordNet はプリンストン大学の認知科学研究所で運営されている概念辞書)。しかもバージョンがちょっと古くて、1.7.1 です(最新版は 2.1)。

じゃあ、なんで "Webster's" という名前が付いているかというと、アメリカでは "Webster's" というのが今では「英語辞典」の代名詞みたいなものになっていて、本家本元の Merriam Webster 社でなくともけっこういい加減にこの名前を冠しているわけでした。たとえば、Random House からも "Random House Webster" という名前の辞書が出ています。

Webster という名前の本当の元祖は、言語学者の Noah Webster さん(1748-1843)で、彼が編纂した辞書 An American Dictionary of the English Language から連綿と続いているのが、Merriam Webster 社から発行されている一連の辞書群です。

詳しくは、英語学者さんたちの研究がいろいろあるみたいですのでそれらをご覧ください。

--------------------
本家 Merriam Wester のシリーズでいちばん有名なのが、おそらく "Webster's Third New International Dictionary" です。OED と違って 1 冊本なので、重さが 6 kg もありました(私の恩師のところにありました)。

で、これの簡易版として版を重ねているのが、"Merriam-Webster's Collegiate Dictionary"。日本人がふだん使う分には、親本よりたぶんこっちの方がハンディです。最新が 11 版で、Thesauraus も付いた CD-ROM 版が実に手頃なお値段です。

この CD-ROM 版でユニークなのは、他の辞書にはない変わった検索条件があることです。

「検索語と韻を踏む語」
「同音異義語」
「検索語を語源に含む単語」
「検索した人物からの引用句」

などなど。実際にはどれだけ有益かわかりませんが、電子版ということで、いろいろなインデックス付けが可能だという試みのひとつとして評価できます。

12:21 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2008.05.14

# Websterのオンライン辞書がすごい

オンラインでもスタンドアロンでも、飽くなき辞書リソースの探求は今日も続きます :)

Webster's Online Dictionary - with Multilingual Thesaurus Translation

もちろん実用的ですが、それとは別にちょっと時間のあるときにゆっくり参考にしたいような辞書です。

単語を引くと、これでもかというくらいに盛りだくさんの情報が出てきます。

一般語義
特殊語義
商標
固有名詞などの百科項目(Wikipedia より引用)
同義語
反義語
クロスワードパズル用のデータ
画像
著名な引用
文学作品での用例
ノンフィクションでの用例
聖書での用例
インターネット上の関連キーワード
各国語での翻訳
押韻する単語
アナグラム



などなど、単語によって異なりますが、とにかく関連する情報は何でもあり、という感じです。

10:27 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (1)

はてなブックマークに追加

2008.04.27

# 辞書は多い方がいい

bandwidth というお馴染みの単語が、どう見ても比喩的に使われている文脈がありました。

が、英和・英英のどの辞書を見ても、いわゆる「帯域幅」に当たる訳語しか載っていません。英辞郎には

〔コンピュータ機器・人の〕処理能力

という書き方で、人の能力にも使うと書かれていますが、英辞郎の訳語はもちろん裏を取る必要があります。

ようやく比喩的な定義が見つかったのは、電子辞書(XD-GW9600)に収録されている『The New Oxford American Dictionary』だけでした。

《figurative》 the breadth of a person's interests or mental capacity.

こーゆーことがあるとまた色々と辞書を物色したくなり、密林を見てみたら、なんと OED の CD-ROM 版が 30,000 円ちょっとという格安なお値段(ただし ver3.1。最新版は 3.1.1 らしい)。

さっそくポチッとしそうになりましたが、レビューを見てみると、どうも検索用アプリケーション --- EPWing のような標準規格ではない --- に不具合が頻発するらしく、さらにはインストールさえできないケースもあるということなので、ひとまず見送りました。

10:56 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.07.28

# ここいらでまた辞書の話、その2

次は、Concise Oxford English Dictionary の CD-ROM 版。

ようやく手にしれました。
以前書いたように、オックスフォード系の辞書はなぜか電子辞書にはよく収録されているのに、単体の辞書データとしてはなかなかお目にかかりません。

AskOxford.com のオンラインショップには一通り並んでいますが、Amazon.co.jp には書籍本体と CD-ROM のセットしかないみたいだし、日外さんには OED と SOD しかありません。丸善の日本橋店で見つけました。

インタフェースが英国風? にお洒落です。

Cod

このインタフェースでさりげなくスゴイのは、特にリンク設定がなくても、語義説明の中をクリックするとその単語にジャンプするところ。その他の機能も必要にして最小限(アイコンの意味はわかりにくいです)で、なんだかインタフェースまで concise なつくりです。

きれいな発音が聞けるところもうれしい機能ですが、男声と女声が混じっているのが不思議。今のところ規則性が見つかっていません。

04:20 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# ここいらでまた辞書の話、その1

以前、少しは翻訳屋の blog らしく辞書の話をまとめて取り上げました。

# 役に立たない EPWing 集
# 役に立つかもしれない辞書データ集
# XD-GW9600

その後またちょっとだけ変化があったので、また辞書の話をしてみます。

通信用語の基礎知識

以前ご紹介したのは「2004 年後期版」で、これは私の手元にある EPWing データとしては最新版なのですが、本家サイトのデータから見ればいささか古くなってしまいました(現在は 2007 年後期版)。最新版データを使うには、データを本家からダウンロードしたうえで、
- 専用の検索ツールを使う
- 公開されているスクリプトで EPWing 化する
のどちらかが必要です。

もちろん、本家サイトのフォームでそのまま検索してもいいんですけどね、手元にデータとして揃えたいと、どーしても思うわけです。

検索ツールは以前から代表的なのがありましたが、残念ながら使い勝手が(小生には)もう一つでした。最近ようやく、Prester というのが登場して、これがなかなか良い感じです。Java アプリケーションなので、ランタイムなどの面倒があったり、マシンによっては重かったりするかもしれませんが、インタフェースとか、けっこう使いやすくできています。

一方、EPWing 化のためのスクリプトはこちら我楽多置場で公開されています。ただし、Ruby の環境と EBStudio が必要です。

<長くなるので、次の辞書の話はエントリを改めます>

03:10 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.05.18

# XD-GW9600 の続き

XD-GW9600、けっこう売れてますね。価格.com でも上位にいるし、数日前にはヨドバシ・アキバの売り場でも 1 位になってました。

翻訳・通訳関係の方にもちょっと注目されているみたいなので、使用レポの第 2 弾を書いてみました。ただし、他の電子辞書は使ったことがないので、GW9600 が他の製品に比べて良いかどうかは判りません。あくまでもこの製品の使用感レポートということで。

参考リンク: “Living” is the key word - カスタマイズできたらいいな、電子辞書
参考リンク: 通訳という名の迷宮: 電子辞書 カシオ XD-GW9600

テキストファイルの読み込み機能
通訳では必要ないかもしれませんが、翻訳の場合はソースの文章(データがあれば)を取り込んでおいて GW9600 上で読むということが可能です。読みながら辞書も引けます。ただ、小生の場合は通勤とか移動がほとんどなくなったので、便利さを実感するには至っていませんが...。---> ろーんうるふさん

コンテンツ追加と容量も、気になるところです。
追加コンテンツはそれなりに充実していますが、コウビルド系の辞書が 1 冊もありません。コンテンツの傾向は、各メーカーの契約上の問題なんだろうと思いますが、もう少し柔軟に対応していてほしいですね。
本体容量は 50MB までなので、たとえばブリタニカなんかは収まりません。ただし、SD カードに対応しているので、2GB を 1 枚挿しておけば、だいたい何でも入りそうです。
実際にはコンテンツを追加できるだけなので、「カスタマイズ」というほど自由度は高くありませんよね --- > imoさん

翻訳・通訳関係者の間では、「英辞郎」を追加できるという点が高ポイントなのかもしれません。小生の場合、電子辞書はあくまでもデスクトップ PC の補助で、英辞郎はそっちに入っているので追加コンテンツとしては必要ないのですが。

小生が追加コンテンツで不満なのは、他の辞書製品に収録されているコンテンツが、追加コンテンツとしてすべて用意されていないということです。たとえば、高校生用として人気が高い XD-SW4800 には、山川の日本史/世界史小辞典が入っていますが、これは追加コンテンツとしては売られていません(XD-SW4800 の収録内容も、実はなかなか魅力的なのですよ)。辞書製品間でコンテンツの交換ができたらすごいんですが、それは商売上ちょっと無理なお願いでしょうね。

ハードウェア面についても一言。
キーボードはあまり気になっていません。どのみち PC と同じような打ち方ができる大きさではないので、小生は「両手で持って両親指打ち」のスタイルです。
手書き入力の認識はけっこう優秀ですが、英語発音は、音質面などまだまだ改良の余地あり。液晶画面も、バックライトないだと暗すぎ。

--------------------
テキストを読み込めるんだから、もう一歩進めてテキストエディタを装備してほしいですね。こういう要望はけっこうあるようなので、そろそろ実現してもいい。少なくとも、ワンセグとか付けている場合ではないと思います。

エディタもそうですが、全体にもう少し PC との親和性が高くなるといいんですね。コンテンツの追加にしても、たとえば EPWING に対応すれば相当便利じゃないですか。

でも、あれだな。そういう方向に行くと、どうしてもハンドヘルド/パームトップ PC との境界線が曖昧になっちゃうんでしょうね。

11:41 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.04.24

# XD-GW9600

というわけで、躊躇していた電子辞書の購入に踏み切りました。カシオでこの 2 月に出たばかりの XD-GW9600。実際に使ってみると、なかなかどうして便利なのでした。

今まで入手していなかった辞書のラインアップが一気に増えたのは、もちろん嬉しい。
- 大辞泉
- 明鏡国語辞典
- 漢字源
- 日本語大シソーラス
- ジーニアス大英和
- Oxford 系辞書

が、意外にいちばん重宝するのが、んなもん要らんと思っていた「手書き機能」の手軽さでした。何が便利って、

手書きで漢和辞典がひける

これは想像以上に楽なわけです。しかも認識精度がなかなかよいし。ただし、『漢字源』の記述そのものは、ちょっと物足りない気がしました。

タッチペンと言えば、ウチの子らが DS で遊んでいるところを連想するくらいでしたが、実はまだまだ応用の可能性は高いのかもしれません。

12:44 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (2)

はてなブックマークに追加

2007.04.23

# 翻訳に使う辞書

前エントリで羅列した辞書データについて、少しばかり補足です。

小生の辞書リストには、専門であるはずのコンピュータ関連の辞書がほとんど入っていません。あるとすれば、FOLDOC とか Jargon のような特殊な辞書だけ。IT 関連の翻訳をしていると、実はコンピュータ用語の辞書というのはほとんど役に立たないからです。今や、基本的な用語なら(必要になったとしても)オンラインの方が詳しく載っていますし、新しい用語ならやはりオンラインでないと見つかりません。

オンラインでほとんどの調べものが可能になった現在、産業翻訳で頻繁に使う辞書は---小生の場合---、
  (1) ごく専門的な用語辞典
  (2) 基本的な語義を訳出するときのイメージの助けになる英英辞典
という両極端になってきたように思います。

それでもいろいろと辞書を揃えたくなってしまうのは、なかば趣味みたいなものなんですが。

で、前にも書いたように Oxford 系の辞書だけはなかなか使えるものがなく、悩んだ結果、カシオの XD-GW9600 を買ったわけなのでした。

03:58 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# 役に立つかもしれない辞書データ集

先日、非実用の辞書データを紹介しました。そのエントリが大反響だったという話はまったく聞きませんが、実用データの方も挙げておかないことには、片手が不自由な人(注1)になってしまうので、「実用 辞書データ集」もやってみることにしました。

(注1: 正しい言い換えは「気配りを欠く、不公平」なんだそーだ。へぇ)

今回のデータは市販のものが多いので、ほとんどは
TranRadar電子辞書SHOP
などを調べれば詳細が載っています。EPWING データかそれ以外のデータ形式かも示しました。

CD-180万語対訳大辞典 英和・和英 (EPWING)
    高いっす。でも、いろんな方面で助かります。用語をググるヒントにもなります。

Collins COBUILD Advanced Learner's English Dictionary (EPWING)
    市販の書籍付属版の CD-ROM から、EBStudio でデータ変換したもの。オリジナルのブラウザは使いにくい。

大辞林(1992年版) (EPWING)
    国語辞典はいくらあっても多すぎません。

英辞郎 Ver.102 (対訳君形式)
    「対訳君」とセットのデータ。この他、EPWING データの Ver.64。

広辞苑 第5版 (EPWING)

Longman Dictionary of Contemporary English (EPWING)
    市販の書籍付属版の CD-ROM から、EBStudio でデータ変換したもの(バージョン情報が出てこない……)。COD を除いて、小生が最強だと思っている英英辞書。訳語を考えるときのイメージ化には不可欠であり、翻訳には必須。

Webster's Revised Unabridged Dictionary (1913) (EPWING)
    電子辞書オープンラボより。データは Project Gutenberg 版。

Merriam Webster's Collegiate Dictionary (固有形式)
    書籍付属版。語義がわりと小生の好み。

ランダムハウス英語辞典 (固有形式だが DDWin や Jamming で対応可)
    オリジナルのブラウザはかなり使いにくい。

Roget's Thesaurus (EPWING)
    電子辞書オープンラボより。でも詳しすぎてほとんど使わない。

デジタル類語辞典 第3版
    オンライン版で多用していたが、あるときから使用制限が付くようになったので慌てて製品版を購入。今は第 4 版が出ています。

リーダーズ+プラス V2( (EPWING)
    これを持っていない翻訳者/翻訳家はいないと思われるほどのデファクト的辞書。だから、そろそろバージョンアップしてください。

小学館・国語大辞典 Bookshelf 版 (固有形式)
    個人的には広辞苑よりしっくり来ることが多い。

03:33 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.04.19

# 役に立たない EPWing 集

翻訳者のはしくれとして、小生もいろいろな辞書 --- 実用と趣味の両方で --- を集めています。基本的にはやはり EPWING が望ましく、固有形式の辞書(つまり検索に専用ツールが必要)はできる限りデータ変換して使っています。

市販/有償の辞書データも当然いくつも購入して使っていますが、最近は、無償の EPWING データもネット上にいろいろ公開されていて、そういうサイトを定期巡回して最新版のデータを探し出してくるのもなかなか楽しいわけでした。

ネタ元: 技術者から翻訳者へのシルクロード:翻訳にとても役立つCD-ROMソフトのリスト(内容見直し070419)

こちらのように、翻訳関係のサイトやブログでは「翻訳に役立つ」辞書の紹介はよく見かけますが、ここでは、小生が今まで集めてきた「役に立つかもしれない、立たないかもしれない」EPWING 辞書を紹介してみようと思います。

※4/22 追記: 別エントリを追加した関係でエントリタイトルを変えました。
(役に立つかもしれない EPWing 集 → 役に立たない EPWing 集)

データ入手先の大半は、「電子辞書オープンラボ」の FPWING データ集です。それ以外の URL 等はめんどうなので載せていません。

以下のような役立ち度を記しました。
☆……ただの趣味
☆☆……ときどき役に立つ
☆☆☆……思いがけず実用的

The Devil's Dictionary
    電子辞書オープンラボより。データは『惡魔の辭典』Project Gutenberg 版。

Easton's 1897 Bible Dictionary
    電子辞書オープンラボより。データソースは Bible Foundation。

Free On-line Dictionary of Computing (FOLDOC) ☆☆☆
    FOLDOC の本家サイトより。
    電子辞書オープンラボにもありますが、本家の方でデータが更新されています。

Holy Bible ☆☆
    ソースは忘れましたが、データを入手して EBStudio 変換したもの。
    Web 版(現代英語)と King James Version を同時収録しているうえ、上記 Easton's Bible Dictionary や、その他にも聖書関係の資料を収録しているというスグレモノです。

JARGON FILE ☆☆☆
    Jargon File の本家サイトより。
    電子辞書オープンラボにもありますが、本家の方でデータが更新されています。
    趣味にも実用にも、IT 翻訳者必携でしょう ww

PDD 百科辞書と PDD 人名辞典 ☆☆
    私立 PDD 図書館のサイトより。

Star Trek
    ソースは忘れました。歴代シリーズのエピソード名や人物名を検索できます。

Virtual Entity of Relevant Acronyms
    電子辞書オープンラボより。
    略語集。

Word Net ☆☆☆
    Word Net 本家サイトより。
    電子辞書オープンラボにあるデータは ver1.6。本家では 2.0 データをダウンロードできます。

WHO WAS WHO
    電子辞書オープンラボより。
    物故者辞典。記述が面白い。

銀河声優辞典
    ファンサイトより。ただし現在はデータの入手は困難かもしれません。

通信用語の基礎知識 (2004 年後期版) ☆☆☆
    電子辞書オープンラボより。
    本家サイトにはもっと新しいデータがあるのですが、全部ダウンロードして EPWING 変換するのが大変そう(専用の検索ツールも公開されています)。
    オタク的辞書ですが、しっかり実用的です。

不明解略語辞典 ☆☆
    電子辞書オープンラボより。データソースは同名のオリジナルサイト。

歴史DB
    歴史データベースのサイト。

10:06 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.02.18

# FOLDOC 最新状況

FOLDOC をご存知でしょうか。

Foldoc_1

Free OnLine Dictionary of Computer というフルネームが示すとおり、ごく普通のコンピュータ用語から Jargon Files と重複する内容まで色々と収録されています。常に重宝するという辞書ではありませんが、ときどき役に立つので、EPWing 化して手元に置いています。

今回も、Account Rep(resentative) という用語の定義が役に立ちました。

FOLDOC は、1993 年という早い時期から始まっていながら今でもきっちり更新されている息の長い辞書で、オンライン版ですがテキスト・データも公開されているという親切設計です。

第○版という表記はありまんが、"Recent Changes" を見ると更新記録が載っていて、現在は 2007/2/13 のエントリが最新。テキスト・ファイルも、オンラインと同じステータスのデータが用意されています。これは本当にただのテキストで、そのままではテキストとして見ることしかできませんが、
1. F2EPW (FOLDOC to EPWING) というツールでコンバート
2. EBStudio で変換
というステップで EPWing 化することができます。

というわけで、今回見つけた Account Rep(resentative) については私家版英語辞典をご覧ください。

02:04 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.02.12

# 最近の英辞郎くん

1/27 に英辞郎くんのことを書きました。小生の手元にあるデータは Ver.64 とずいぶん古くなってきたので、前回に続いて最近の動向をちょっと確認してみました。

2/11 時点で最新公開バージョンは Ver.101。ダウンロード版、CD-ROM 版とも 1,980 円です(前者はパスワード料金、後者はメディア代も送料も込み)。

英辞郎くん、もともとはデータが無料で Nifty にアップされていましたが、何年か前からダウンロード版も有料になり、それと同時に書籍販売も始まりました(書籍版の方がバージョンはどうしても若干古くなる)。

小生も便利に利用していますし、英辞郎の功績はもちろん評価しているのですが、どうも最近は不思議というか、納得しかねることが多くなっています。その最たるものがこれ。

英辞郎 EPWING版

これがなぜか税込み 5,000 円という価格設定です。PDic 形式または TEXT 形式のデータさえあれば、後は EBStudio などのツールで EPWing データに変換できます。付属のビューアにも特に差はないのに、いったいなんでオリジナルの 1,980 円が、一気に 5,000 円? 需要が少ないからでしょうか。

ところで、英辞郎の解説ページにはこんなことが書かれています。

ただし、未完成である点にご注意ください。(現在の開発体制では完成予定は2100年です)

完成予定 2100 年って、楽しいです。ケムール人も英辞郎を使うかも(奴は 2020 年からやってきた)。

02:29 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.02.06

# Oxford の話(承前)

前エントリから続いて Oxford 辞書の話。

PC 用 CD-ROM が売られていないと書いたのは、Oxford Dictionary of English、つまり "ODE" ですが、Oxford で有名な辞書といえば、もちろん "OED" の方です。今ではその OED も、CD-ROM なら約 60,000 円。書籍版を全巻揃える費用とスペースを考えれば、かなり便利になったと思います。

OED については、Oxford University Press のサイトにもカタログが載っているのですが、

ハードディスクへフルインストールした場合、90日ごとに認証が要求されます。その際は、データディスクをCDドライブに挿入して下さい。

この注意書きが気に入らないですね。不正コピー防止なんでしょうが、やり方がセコイと言いたくなります。

ついでにコメントさせていただくと、同じページの「ご注意」欄で使われている

ティピカルインストール

という訳語も、訳した方の力量が疑われます。typical install(ation) は、「簡易インストール」等と訳すのが一般的です。それとも、OED のインストーラでは「ティピカルインストール」と訳されているのでしょうか? それならそれで、ローカライズの段階で問題があったということになります。

03:28 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

# OED か ODE か?

今回もまじめなエントリ :) --- 英語辞書のお話です。

某翻訳コミュニティの雑誌を見ていて、いわゆる電子辞書が 1 つあってもいいかな、と思ったのがきっかけで、久しぶりに Oxford 辞書のラインアップを調べてみました。

実務系翻訳者の例にもれず、小生の作業環境でも紙ベースの辞書はすっかり存在意義を失い、辞書は PC 上のデータか、オンラインでまかなうようになっています。PC 上では、可能な限り EPWing データを揃え、1 つの検索ソフトで済むようにしていますが、Oxford 系の辞書だけは、オンラインのコンテンツが充実しているせいもあって、これまで未整備でした。

電子辞書の中には、その Oxford 系の辞書を収録しているもの --- 「英語の専門家用」と称しているラインアップが多い --- があるのですが、ほとんどで採用されているのが、


Oxford Dictionary of English

というやつなのですね。

となると、小生としてはこいつの PC 用 CD-ROM が欲しいということになるのですが、どーもそういう製品は用意されていないようです。つまり、書籍版と電子辞書版しかなくて、中間(?)の PC 用が存在していない。現在 CD-ROM コンテンツとして入手できるのは、以下の各辞書くらいです(専門/特殊辞書は除く)。

Oxford English Dictionary (OED)
Concise Oxford English Dictionary (COD)
Shorter Oxford English Dictionary(SOD)

書籍版でない Oxford Dictionary of English を使うには、電子辞書を買うしかないのでしょうかねー。
(この話、つづく)

02:56 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2007.01.27

# 英辞郎様、お召しかえー

リンク: J-CAST ニュース : 通信教育のアルクがVista対応英語辞典を発売へ

お世話になっていないこともないアルクさんの悪口を言うつもりではなく、「Vista対応英語辞典」という表現が、ニュース報道としての正確さを欠いているでしょう、という話。

「Vista対応英語辞典を発売」などと言うから何か新しい辞書が出るのかなと思いきや、何のことはない

「英辞郎」の新バージョン

というだけなんでした(データは Ver.98)。しかも、アルクさんの製品紹介ページを見ると、ちゃんと

本商品は製品版前の最終ベータ版Release Candidate 2(RC2)バージョンで確認されたものであり、製品版での動作を保証するものではありません。

と注意書きがあって、アルク自身はこの書籍版第三版で Vista 対応を売りにしているわけではありません。

そもそも、英辞郎が Vista で動くかどうかはビューア(検索用ソフト)の対応しだいなわけで、単なるデータである英辞郎が「Vista に対応」というのは --- Vista 対応するとデータ形式に大幅な変更があるという可能性もありますが ---、明らかに誤解を招く表現です。

英辞郎そのものが「内容に誤りのないことを保証していない」辞書だからといって、それを取り上げるニュースまで不正確でいいということはありません、よね。

04:08 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2006.07.25

# Weblio 新着辞書

すっかり Weblio 応援サイトと化してますが :)
今日追加された中に、こんな辞書が ---

「経穴辞典」

見たことのない言葉ばかり並んでいます。

11:17 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2006.07.14

# Weblio のこと・続

今日も職場で、ふとしたことから Weblio をひいたのですが、そこで偶々、かなり目立つミススペルを発見しました。

問合せ先メールアドレスが示してあるのでさっそく連絡したところ、なんとわずか 2 時間ほどで返信があり、「該当箇所を修正しました。かつ、辞書のトップページには、『誤字・脱字があればご一報ください』という趣旨の文言を追加しました」とのこと。

素早く、かつ丁重な対応に感心しました。

今後の発展を、ますます応援。

12:16 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2006.06.26

# Weblio のご紹介

職業柄、辞書や事典、特に新しい語彙が反映されやすい(しかも多くの場合無料)オンラインの辞書/事典には常に注目しているわけですが、最近始まったこちらは、ちょっと違った方向のオモシロさがあります。

Weblio -beta-

独自の辞書/事典を構築しているのではなく、他のサイトを登録しておいて、そこから一気に用語を検索するわけですが、その登録辞書がかなりのベースで増えています。新しく登録された辞書は、トップページにも一部が表示されるので、定期巡回していると、ちょっと想像もしなかったような辞書や用語集があるわけです。

実用的な用途だけでなく、「どんな辞書や用語集がオンラインに存在するのか?」ということをウォッチングできる---小生は、もっぱらそんな楽しみをしています。

6/26 現在もトップに出ている、そんな用語集の 1 つが

「ウミガメ用語集」

です。ウミガメ...

書店の雑誌コーナーでその昔、

「月刊・住職」

という雑誌を見つけたときと似たインパクトがあります。

12:48 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加

2005.03.07

# Answers.com

しばらく前に百式さんの紹介記事を見て、それ以来愛用しているのが Answers.com です。

http://www.answers.com/

普通の英英辞書から技術系の辞典まで、かなり広い範囲の辞書を串刺し検索できるのが嬉しいのですが、なんと、Firefox 用のアドインまで用意してあるのがスバラシイ(I.E.用ももちろんある)。

商売柄、市販の辞書は役に立たないことが多く、オンラインの辞書やネット検索は必要不可欠です。翻訳業界の中には、「インターネットはしません」と公言している某字幕作家もいますが、少なくとも産業翻訳に携わっている真面目な翻訳者の方なら、みなさん同様だろうと思います。

たとえば "document" という単語を検索すると、

American Heritage Dictionary
Computer Desktop Encyclopedia
Merriam-Webster's Dictionary of Law
WordNet
Wikipedia

などのオンライン辞書から検索結果がルックアップされます。

おもしろいのが、Translation の結果一覧。 WizCom Technologies Ltd の翻訳エンジンを使っているらしいのですが、ちゃんと日本語も出てきます。

12:57 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0) | トラックバック (0)

はてなブックマークに追加