# 『イノベーターズ 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史』1・2巻
目次
第1章 ラブレス伯爵夫人エイダ
第2章 コンピュータ
第3章 プログラミング
第4章 トランジスタ
第5章 マイクロチップ
第6章 ビデオゲーム
第7章 インターネット(ここまで、上巻)
第8章 パーソナルコンピュータ
第9章 ソフトウェア
第10章 オンライン
第11章 ウェブ登場
第12章 エイダよ、永遠に(ここまで、下巻)
コンピューターの歴史というと、第二次大戦後のENIACから、あるいはちょっとさかのぼって戦中の対ナチス暗号戦あたりから始まるのがふつうですが、本書は19世紀初頭、あのエイダ・ラブレスのエピソードから始まります。
19世紀後半にIBMの前身が創設され、20世紀の前半にアナログコンピューターの試みを経て初のデジタルコンピューターが現れる。プログラミングという概念が生まれ、トランジスタが発明されてマイクロチップへと進化する。冷戦時代と60年代のヒッピー文化、サブカルチャー文化を背景にビデオゲームが、そしてパーソナルコンピューターが誕生し、それがソフトウェアによって
産学官の世界でインターネットが出現し、それがオンラインの世界、WWW、ウィキペディアやブログにつながっていく――
IT史でおなじみの名前から初めて目にする名前まで、登場人物はものすごい数にのぼります。なんというか、壮大な「IT大河ドラマ」を目撃しているような気分。しかも、総集編的な通史に終わるのではなく、ちゃんと登場人物をエピソードごとに掘り下げているので、各章に深みがあります。こういうまとめ方が、アイザックソンって、本当にうまいんですよね。
上下巻そろえるとけっこうなお値段になりますが、読み応えはあると思います。
Wiredのこちらの記事も参考になります。
リンク:デジタル時代の創造性は、芸術と科学を結び付けられる人物から生まれた:ウォルター・アイザックソン『イノベーターズ』から
04:40 午後 | URL
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