« 2019年5月 | トップページ

2019.06.18

# 最近の読書術(ってほどでもないけど)

「読書術」というほどたいそうなことではありませんが、紹介しておきます。

しばらく前から、本にはブックカバーを使うようになりました。

1906181

左から、文庫サイズ2種、新書サイズ、単行本サイズです。

で、右折り返しのところに、こうやって付箋を両面テープで接着します。

1906182

こうしておいて、読みながら付箋をペタペタ貼っていく。

読み終わった後で、前回の記事のような読書記録は、貼った付箋をたどりながら書きます。これをやると、二度読みまではいかないまでも、自分の記憶も思い出しながら書いていくので、本の内容がわりと頭に定着する……気がします。

さて、上の写真にある付箋は、100均ダイソーの商品です。100均の商品ってすぐ入れ替わっちゃうので、行くたびに買いだめしています。

1906183

これだけあれば、しばらくは困らないはず。

ちなみに、ダイソーにはいろんな付箋が売っていて、本家Post-Itのこれとまったく同じ商品もあります。

が、ダイソーの類似品は、わずかに貼り跡が残るようなので、こちらは"純正品"を使います。

上の写真にあるタイプは、貼り跡も残らず、なにより枚数が多くて色分けも十分(やや剥がしにくいのと、台紙から外れやすいのが難点)。以前は、本と別にカバンで持ち歩いていましたが、あるとき、ブックカバーに両面テープで接着することを思いつきました。それ以来、今の「読書術」が定着したというわけ。

私は、こんな風に色を使い分けています(上の写真と同じ順で)

ピンク  …… 書かれている内容に異論や疑問があるとき。また、誤字など

オレンジ …… ピンクに準じる

黄色   …… 参考文献。次(以降)に買いたい、読みたい本

緑色   …… 知っていたけど改めてうなずいた内容 

青色   …… 自分なりに深くうなずいた内容

濃い紫  …… 青よりもっとうなずいた内容。青が切れたら青と同じ

紫色   …… 緑よりもっとうなずいた内容。緑が切れたら緑と同じ

こうやって使い分けていくと、そのうち偏って残ります。その分は、家に置いておいて、色分け不要の用途に使います。

 

このほか、遊び心系の付箋もいろいろ転がってます。お土産とかでつい買っちゃうんですが、でもこういうのは、逆に使えないもんですよねー。

1906184

 

11:10 午前 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2019.06.13

# 今野真二『日本語が英語と出会うとき』

6月1日に開催されたトークイベント「来たるべき辞書のために」(ジャパンナレッジ主催)は、期待どおり、なかなか充実した内容でした。

といっても、「翻訳者が辞書を使う」という実用のうえで参考になるというより、やはりあくまでも「辞書というモノが好き」という人種向けだろうと思います。

この本も、その延長上にある感じで、翻訳者に即おすすめという内容ではありません。

もちろん、持参してちゃんとサインをもらってきました(仲介してくださったネットアドバンスのNさん、ありがとうございます!)。

 

本書『日本語が英語と出会うとき』は、幕末から大正あたりまでの英和辞典・和英辞典を、日本語学者である今野先生が、

日本語の側から

俯瞰した内容です。

英和・和英という二国語対照辞典(ときには、英中和、仏英和のような三言語)において、それぞれの時代にコンテンポラリーだった日本語がどう選択され、解釈され、表記されてきたか、という視点で書かれています。つまり、あくまでも辞典という世界で展開される日本語がテーマなわけで、だからこそ、本書のタイトルは

日本語英語が出会う

ではなく

日本語英語と出会う

なわけです。

そういう視点でいろいろな辞書を読み解いていくと、たとえば日本最初の英和辞典と言われている『英和対訳袖珍辞書』について、こんな記述が出てきます。

つまり、『英和対訳袖珍辞書』初版の時点で、すでに「具体性の付与」「現代的」「ストレート/シンプル」ということがいわば意識されていたことになる。

この辺のくだりは、なかなかスリリング。

また、当時の日本語に関する「類義」語意識、明治期独特の「漢字」の使われ方と変遷、幕末から明治期の印刷事情などについても知ることができます。

1924年刊の『スタンダード和英大辞典』(宝文館)では、前書きに今で言うコーパス活用のような表現が出てくるとか、同辞典の巻末では早くも「ジャパニーズイングリッシュ」を嘆く声が現れているとか、そんなエピソードも楽しい。

本書に出てくる英和・和英(その他)辞典は、おおむね以下のとおりです(編纂に参照された辞典などは載せていません)。

『波留麻和解』1796年
『訳鍵』1810年
  『改正増補 訳鍵』
『暗厄利亜語林大成』1814年
『増訂 華英通語』1860年
『英和対訳袖珍辞書』1862年
  『改正増補 英和対訳袖珍辞書』1866年、67年、69年
  『改正増補 和訳英辞書』1869年
  『英和対訳辞書』1872年

『英和・和英語彙』1830年
  『英語箋』1857年、63年
『永峰秀樹訓訳 華英字典』1881年
『仏英和辞書』1866年

『袖珍英和節用集』1871年
『西洋画引節用集』1872年
『本朝辞源』1871年
『以呂波/字引 和英節用』1885年
『附音/挿畫 英和玉篇』1886年

『和英語林集成』1867年
  『改正増補 和英英和語林集成』

『英華字典』1869年
  『訂増 英華字典』1883年
『英華和訳字典』1879年
『英和字典』1872年
『英和双解字典』1885年

『附音挿図 英和辞彙 初版』1873年
  『附音挿図 英和辞彙 第二版』1882年

『和英/両訓 伊呂波字引』1882年
『和英大辞典』1896年
『和訳英語聯珠』1873年
『英和和英 辞彙大全』1885年
『和英対訳 いろは字典』1885年
大槻文彦『英和大辞典』原稿
『井上 英和大辞典』1915年
『新訳和英辞典』1909年
『武信和英大辞典』1918年
  『研究社 新和英大辞典 第二版』1931年
  『研究社 新和英大辞典 第三版』(勝俣銓吉郎)1954年
『冨山房 大英和辞典』
『研究社 新英和大辞典』
『新案/記憶式 和漢英活用字典』1920年
『井上 和英大辞典』1921年
『スタンダード和英大辞典』1924年
『模範英和辞典』1911年
  『模範新英和大辞典』1919年

インデントしてあるのは、同辞書の版違いで、そこに意味がある場合です。

今から見れば、まあ「骨董」的な辞書の話ですが、最後のほうでは、私たちが直接知っている『研究社新和英』とのつながりも見えてきます。

ただし、本書で扱われているのは最新でも大正あたりまでです。つまり、「日本語が英語と出会うとき」に起きる化学作用というのは、たぶんその辺でほぼ落ち着いたということ、あるいはそこから先は別の視点が必要になるということかもしれません。

ちなみに、Amazonのカスタマーレビューには「書名が内容と一致していない。明治、大正、昭和におよぶ150年の発展過程の概観を期待して購入するとガッカリ」という趣旨の声がありますが、本書に登場するのは、上にあげたように1796年の『波留麻和解』から1954年の『研究社 新和英大辞典 第三版』まで。その間は158年なので、けっして書名に偽りがあるわけではありません。

10:36 午前 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2019.06.11

# Google検索のヒット件数はほぼ当てにならない

すでに同様の報告は数年前から上がっているようですが、改めて確認しました。

検索して最初に表示される「約○○○○件」という数字は、どうもまったく参考にならないようです。

きっかけは、「パーソナライズな」という表現がアリかナシかというのを調べはじめたことでした。

1906051

 

おお、ほんとだ。ずいぶんヒットするねえ……。と思いつつページを下にスクロールしていきます(ふだんは、AutoPagerizeというChrome拡張機能が動いているので、ページ単位を超えて延々と表示されますが、このときはAutoPagerizeを止めておきました)。
1906052

 

え? 十万単位でヒットしたのに2ページ? と思いつつ2ページ目に行くと、
1906053

 

あら? たったの129件?

そう、どんな仕組みか不明なのですが、ちゃんと全部のページ(ページ数が多い場合は、ある程度まで進んだページまで)をたどってみないと、正確なヒット件数は出てこないようなのです。

ほかの検索語でも試してみました。今度は「短略的」です。もちろん「短絡的」の間違いだろうと思いますが、Forbesの記事でまで使われていて、目下「???」という言葉のひとつです。

1906054

 

先ほどより少ないものの、万単位はあることになっていますが、
1906056

 

同じようにベースを進むと3桁台になります。


日本語だけではありません。次は "based off" です(参考リンク:私家版英語辞典@帽子屋 - based off / based off of)。

1906057

 

3,200万件? すでにちょっとありえない数字ですが。ページ数はさすがに多く、
1906058

 

4ページ目までたどる必要がありました。
19060512

 

ただ、こういう表示もありましたね。
19060513

 

そのせいかとも思いましたが、[ここから再検索してください]をクリックしても、せいぜい2倍になるだけです。
19060514

最初のページにまったく桁違いのヒット数が出てくるのは、いったい何なんでしょうか。

なお、ここでは、ちょっと変な言葉ばかり検索しましたが、ふつうの単語でやっても、規模が違うだけでパターンは同じです。

もともと、「Google多数決」だけで訳語の採用不採用を決めている翻訳者はいないでしょうが、それでもヒット数を大まかな目安にすることは多かったと思います。きちんと、ヒットした内容をしっかり読まないといけません。

ちなみに、Yahoo検索でも同じような挙動があるようです。

09:47 午前 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2019.06.10

# うんのさん、Ver 6.0.2公開

翻訳フォーラム・シンポジウムから早くも2週間たってしまいました。

標題のように、『ビジネス技術英語大辞典V6』のマイナーバージョンアップがあったということを、シンポジウムのときに海野ご夫妻からお知らせいただきました。

海野さんのこちらのサイトに情報が載っています。

リンク:『ビジネス技術実用英語大辞典V6』

1906101

細かい調整だけなのですが、V6が出たとき、見出し語のあとで改行されずに本文が続いていたのは、確かに「あれ?」という感じでした。

1906102

その点が改良されただけでも、見た目がずいぶん良くなっています。

そのほか、ラベルを「省略しすぎず見やすくした」などの変更があるそうです。

06:12 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2019.06.03

# EBWin4最新版、タブモードを搭載してDockableに!

辞書ブラウザー「EBWin4」の最新版、Ver.4.7.0が公開されました。

リンク:EBWin4

作者によると、この4.7系が最終版になり、今後はあまり更新されないとのことですが、今回はかなり大きい更新です。いろいろありますが、なかでも大きいのは、

  • タブモードを採用
  • ドッキング可能(Dockable)

の2つでしょう。

1906031

 

1. タブモード

今までも見た目はタブのような表示でしたが、実際には辞書を切り替えると1つのタブで内容が切り替わるだけでした。

最新版では、左側の辞書リストから選択すると、辞書の内容が新しいタブで開いていきます。

1906033

『学研国語』『岩波国語七』『明鏡国語二』の3つがタブで表示されたところです。ドラッグすれば、タブの順序も入れ替えられます。

ウィンドウの大きさ次第ではタブが増えると表示しきれなくなりますが、右端の下向き▼をクリックすると、すべてのタブが一覧として出てきます。

1906034

Web検索の結果もタブになります。この図で「入力 - 基本検索」となっているのが、ジャパンナレッジを検索したタブです。

タブモードは、[設定]のオプション(または[表示]メニューから)オン/オフできるので、今までどおりの動作のほうがよければ、オフにしてください。

1906032

 

2. ドッキング可能

どのウィンドウも、すべて「ドッキング可能(Dockable)ウィンドウ」になりました。

ドッキング可能というのは、ウィンドウを切り離して独立(フロート)させることもできるし、好きなところに配置もできるという仕組みです。Trados Studioのインターフェースに慣れている人はピンとくるかもしません。

左側の[検索結果]リストも、検索結果の各タブも、さらには[複合検索](デフォルトでは右端にあります)ウィンドウも自由に配置できるようになっています。

1906035

 よく見ると、[検索結果]の右側に模様が付いています。これがドラッグできるようになった目印です。

 ただ、ここから先の操作はちょっとトリッキーです。ドラッグし始めると、ウィンドウが薄青になります。

1906036

同時に、ウィンドウには移動先を選ぶマーカーも表示されます。

1906037

薄青くなっている(=移動中)ウィンドウをこのマーカーまでドラッグすると、貼り付く位置がやはり薄青で示され、そのままドロップすると移動します。どのマーカーにもドロップしないでマウスを離すと、独立したウィンドウになります。

検索結果のウィンドウも同じように移動・配置できるので、たとえば、こんな表示もできるようになりました!

1906038

複数開いたタブウィンドウは、[表示]→[すべてのドキュメントを閉じる]でまとめて閉じることができます。

また、レイアウト変更がうまくいかなくてメチャクチャになっちゃった場合は、[表示]→[画面レイアウトの初期化]で元に戻ります。

 

3. [複合検索]を常時表示できるように

以上の機能追加のおかげで、[複合検索]ウィンドウを常に表示しておけるようになりました。個人的には、これがいちばんうれしいかも。

[複合検索]というのは、複数の語を指定して(AND)検索するときに使います。成句や用例を引くときなどに重宝します(※ふつうの検索フィールドで & 演算子を使う手もありますが、検索結果がちょっと変わるようです)。

今までは、検索オプションで[複合検索]を押すとウィンドウが表示され、検索方法を変えれば当然消えていました。それが、デフォルトで右端にある[複合検索]をドラッグすれば、好きな位置に固定して表示しておけます。

1906039

これで、今まで使いにくかった[複合検索]も、一気に使いやすくなりました(もちろん、インデックスが対応している辞書のみ)。

 

4. その他

ちょっとおもしろい無料辞書データ「EDICT2」(詳しくはこちら)がバンドルされたり、PDIC辞書など非EPWING系辞書データでもブックマークできるようになったりしています。

 

最終形に近いというのはちょっと残念ですが、辞書ブラウザーとして今のところいちばん使いやすいことは間違いなく、ありがたいアプリケーションです。

05:49 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加