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2019.01.26

# 『図解 英語基本語義辞典』の索引EPWING

こちらでも何回かご案内してきた『図解 英語基本語義辞典』が無事に書店に並びはじめ、同業者の皆さんも次々とお買い求めになっているようです。


この本は、通読したり、折にふれて手に取ってみるほうがいいのですが、もちろん「辞書として引く」こともできます(当たり前ですが)。


そうなると、やはり私たちとしてはEPWING辞書環境で引けるといいな、と思ったりもします。

そこで、巻末の「さくいん」から、見出しとページ番号だけをEPWING化したデータを作ってみました。もちろん、発行元のアドスリーさんと、著者である政村秀實先生の許可はいただいております。


データはこちらからダウンロードできます。
※すぐにZIPファイルのダウンロードが始まります。


よろしければ、ご利用ください。


この形式、つまり

見出し語と最小限の情報だけをデータ化

して、

実際には書籍のほうを引いてもらう

というスタイルは、5年ほど前に宮脇孝雄さんの『英和翻訳基本辞典』のテキスト化から始まりました。最初に公開してくださったのは、翻訳家の越前敏弥さん。

リンク:『英和翻訳基本辞典』インデックス: 翻訳百景

ただし、このときはただのテキストファイルだったので、Jammingなどでは「ユーザー辞書」という扱いでした。これを、辞書ブラウザに登録して他の辞書といっしょに引けるようにEPWING版にしてくださったのが、いつもおなじみ、EPWINGジェダイの大久保克彦さんです。

リンク:side A: # 『英和翻訳基本辞典』もEPWINGに--見出しプラスアルファ

見出しとページ番号だけでなく本文のごく一部も載っています。が、きちんと読もうと思ったら、書籍がないと話になりません。


そのすぐ前には、故・山岡洋一さんが遺してくださった「翻訳訳語辞典」もデータ化されています。

リンク:山岡洋一『翻訳訳語辞典』の見出しだけEPWING

こちらは、見出しとURLという構成です。JammingだとURLから直接はジャンプできませんが、EBWin4だとURLをそのままクリックして「翻訳訳語辞典」サイトを開くことができます。


見出し語は、宮脇さんの『英和翻訳基本辞典』が472、『図解 英語基本語義辞典』が500です。辞書として引くだけでなく、ふだんから読んでおくべき必読書という位置付けではありますが、

載ってるか載ってないか

を調べられるのがこの形式のメリットです。

10:37 午後 辞典・事典 | | コメント (0)

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2019.01.25

# 柳瀬尚紀『辞書を読む愉楽』

個人的にまだ柳瀬尚紀ブームが続いていて、今年に入ってから最初にAmazonで注文したのはこれだった。

柳瀬氏は2016年7月に73歳で亡くなったが、この本に収められているのは、『本の旅人』(KADOKAWA)に1995年11月から2003年1月まで連載していたエッセイ。

タイトルどおり、毎回必ずなんらかの辞書に言及があるので、この本を起点に、また次々と辞書を買ってしまう。とても危険な一冊だ。


辞書の話といってもスゴいのは、連載当時の最新と言える電子版もちゃんと使っているところ。


当時、柳瀬氏は52歳~59歳。

今の自分と大差ないが、氏は1943年生まれで、世代がまったく違う。戦中生まれでありながら、1995年には当たり前のようにコンピューターを使っていらっしゃる。知人に作ってもらったPCに、7連だか8連だかのCD-ROMドライブをつないで電子辞書を使いまくっていたのだそうだ。

だからこのエッセイには、まだ書籍版しかなかった『日国』のような定番だけでなく、OED のCD-ROM版 ver.3.0 などまで登場する。リーダーズのほかにリーダーズ・プラスもそろっていて、国語辞典だと大辞林とか大辞泉も次々とCD-ROM版が出始める時代。その検索性の愉しさに感心する様子が、たびたび描かれている。

それどころか、氏がこの頃使っていたとして紹介されるCD-ROM辞書のなかには、今では手に入らないタイトルまで並んでいて逆にうらやましいくらいだ。


もちろん、辞書の話に限らず、氏のエッセイは読んでいて愉しい。

ちなみに、「インターネット」という記事(1996年11月号掲載)には、

英語では the Internet と、定冠詞がついて頭文字は大文字で記される。

と書かれている。IT系の文書ではだいぶ前から小文字表記も珍しくなかったが、小文字表記が正式に認められたのは、わりと最近の話だ。


柳瀬尚紀は競馬が大好きだったので---東江一紀さんもそうだったらしい---競馬ネタになるとあまり楽しめないのは惜しい。今からでも覚えようかしら。


将棋ネタも多くて、2001年11月号掲載の「定跡」という話には、藤井猛竜王(当時)という名があった。将棋に疎い私は、「最近話題の、なんだっけ、藤井聡太くんか。あれのお父さんかしら」と思って調べてみたが、聡太くんは祖父母に将棋を習ったらしい。


「チューインガム」というエッセイには、イチローが大リーガーとして登場する。2001年6月号の掲載で、野球にもあまり詳しくない私などは

「え、イチローって、あの頃もう大リーグにいたの? もう18年たつのに?」

と思ってしまったのだが、調べてみたら、鈴木一郎は2001年4月にマリナーズで初出場していた。なるほど。


というわけで、どこを読んでも楽しい柳瀬尚紀。


09:44 午後 書籍・雑誌 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2019.01.16

# 「翻訳を勉強する会」公開勉強会in東京、開催します!

昨年11月10日、大阪で「翻訳を勉強する会」公開勉強会が開催されました。


いろいろな事情で参加できず、涙をのんだ方も多かったことと思います(私もそのひとりです)。だったら、ということで、そんな大悶絶の声に応えるべく、

大阪の主宰者一同を東京に呼んじゃおう

ということになり、このたび、開催が正式に決まりました!

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「翻訳を勉強する会」公開勉強会in東京

●3月3日(日)12:30~

●チケットは、PassMarketサイトから。販売開始は今週末、

1/19(土)12:00(正午)

です。

「翻訳を勉強する会」は、大阪のしんハムさんやsayoさんが「翻訳そのものを学ぶ会」として、固定メンバーで開いている勉強会。

分野に関係なく読める記事が出題され、メンバーはそれを「要約したうえで翻訳」します。当日は主催のしんハムさんが、参加者から提出された要約と翻訳を

めった斬りにする

のだそうです。この「めった斬り」に、最近ではメンバーもすっかり快感を覚えているのだとか……。


それを公開形式で実施してくださったのが、11月10日のイベントです。関西以外からも多くの翻訳者が参加し、たいへん話題になりました。当日の様子は、こちらのブログなどにまとめられています。

運営側、sayoさんのブログ公開勉強会終了しました-Side運営

参加者、星野さんのnote記事「翻訳を勉強する会」 #公開勉強会1110に参加しました

当日の実況まとめ20181110翻訳を勉強する会(仮)関連ツイートまとめ


翻訳者の間では今もいろいろな勉強会が開かれていますが、「翻訳そのものを勉強する会」がいかに強く望まれていたかというのを、あらためて実感します。間違いなく、通翻クラスタの歴史に残るイベントだったと言っていいでしょう。


今回の東京開催は、そんな熱い会に東京から参加した星野靖子(前掲のnote記事)が、感動のあまり「同じ会を東京でもやってほしい」と、10日のイベント終了直後から大阪のメンバーをくどいた結果、企画に至ったものです(帽子屋も、ちょっとだけお手伝いします)。


当日の実況ツイートなどを眺めながら諦めきれずにいた方も、たくさんいらっしゃると思います。その思いを、東京で一緒に晴らしましょう^^

定員はあまり多くありませんので、チケット発売の開始(1/19、正午)をお見逃しなく。

12:46 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

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2019.01.13

# 国語(系)辞典、五十音別項目数

擬態語を調べようとして、ふと思いついたのでやってみました。

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これ、何を撮ったものかわかりますか?

3冊の辞書を並べて、小口を写したところです。

辞典のなかには、小口にこんな風にインデックスが付いているものもあります(最近は、学習用を除くと少数派かも?)。英語の大辞典なんかだと、ここに切り欠きがあって、thumb indexになってたりする、アレですね。たとえば―

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右から『岩波国語辞典 七』、『現代国語例解辞典 五』、『てにをは辞典』の3冊を並べて小口を撮ってみると、こうなります。

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ざっと見てもわかるとおり、「あ」「か」「さ」までが圧倒的に多くて、ほぼ半分くらいを占めています。「な」行はかなり少なく、「は」行はけっこう多い。

3冊ともバランスはほぼ同じです。三浦しをん『舟を編む』でも、後半に入って、こういうくだりがありました。

 馬締は、書棚から何種類かの中型辞書を抱えてきた。ページを閉じたままの状態で、岸辺のまえに辞書を並べる。
「引きやすいように、辞書は小口(ページを開く部分)に黒い印がついていますよね。これを見ると一目瞭然なのですが、日本語は、単語の頭に来る音が『あ行』か『か行』か『さ行』であることが、とても多いんです」
「本当だ」
 岸辺は数冊の辞書を見比べた。どの辞書も、「あ行」から「さ行」までの分量が多く、「た行」がはじまるのは、全体の半分以上を過ぎたあたりだ。


さて、このインデックスが付いていない場合、私はマーカーなどを使って勝手に付けてしまうことがあります。それが冒頭の1枚だったわけです。

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さっき見た国語辞典3冊と比べると、なんとなくバランスが違う気がしませんか?

特に違っているのが、水色でインデックスを付けた、いちばん左の1冊です。

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実はこれ、東京堂出版から出ている国語系の特殊辞典「現代」シリーズの3冊です。右から『現代形容詞辞典』、『現代副詞辞典』、『現代擬音語擬態語辞典』(いずれも、飛田良文・浅田秀子著。今は、いずれも新版がでています)

つまり、水色は『現代擬音語擬態語辞典』なのですが、これだけ五十音別のバランスがかなり違っています。

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「あ」行が普通よりかなり少なく、「か」行がやや多い。それよりも目立つのが、「は」行の多さ。実際に引いてみればわかりますし、そうじゃなくても「ひらひら」とか「ぽんぽん」とか、「は」行の擬声語擬態語が多いのは想像がつきますよね。


まあ、だから何だと言われても困る、何のオチもない話なのですが、きっかけになったのは、この本です。

これに、「つかつか」という擬態語の話が出てきて、それを引こうとしたときに、ふと気づいたんでした。


11:11 午後 辞典・事典 | | コメント (0)

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2019.01.06

# 「サブカル講座 in 大阪」にお申し込みの方、メールをご覧ください。

1月20日の

「翻訳に使える文化・雑学・サブカル知識」 in 大阪

は、おかげさまで満員御礼となりました。ご参加のみなさん、よろしくお願いします!


ちょうど2週間前ですが、ご参加の皆さんには PassMarket からメールをお送りしました。詳しくは、メールをお読みいただきたいのですが、内容は以下の2点です。

● 事前課題

提出の必要はありませんが、事前課題を添付しています。ぜひ、楽しみながらやってみてください。

●書籍の頒布

こちらの本を、著者から預かって、関西のみなさんにお届けしようと思います。

リンク:悩み別にみる 辞書の選び方 特設ページ

Nayami

"辞書マニア" 西練馬さんの新作です。


事前に希望の部数を確認したいので、こちらは私宛てにメールを送っていただくようお願いしています。


「こんなことを調べたい」という場面別に、国語辞典・類語辞典の特徴が紹介されています。

翻訳者にも国語辞典、国語の類語辞典が必須なのは言うまでもありません。そのために欠かせない、最良のガイドブック。ぜひお買い求めください!

05:30 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | | コメント (0)

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2019.01.04

# 『図解 英語基本語義辞典』、1月中旬発売の予定です

『図解 英語基本語義辞典』についての続報です。

拙ブログにコメントをくださったアドスリーの三井様から、見本を1部いただきました。Amazonにはまだ情報がなく、hontoでも書影が出ていませんが、こんな表紙です。

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実際には、こんな帯が付くはず。

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「ロングセラーな」という用法は?ですけど、まあいいでしょう。


発売日は、まだ「1月中旬」までしか発表になっていません。詳しくわかったら、またお伝えします。

ということで、この辞書のおもしろさを改めて、いくつか紹介してみます。

1901043into

前置詞 into の用法。翻訳者ならもちろん、すでにしっかり把握している概念ですが、「場所」と「様態」の両方があるということをきちんと確認できます。


あるいは、newのこの図。

1901043new

「時間軸上で新しい」の意味と、「取って代わって新しい」の意味は当然おさえておく必要があります。


1901043key

次はkey。なんでもない日常語ですが、「点線の先にゴール」が書かれている点が秀逸です。key to successというのは、あくまでも点線の部分であって、successが100%保証されるわけではないということ。

the thing that will do most to help you to achieve something

Macmillanでもこう説明されています。


最後はこれ、mindの項ですが、heartとの比較が付いています。

1901043mind

わかっている人には何でもないことですが、翻訳学校の受講生さんあたりだと、この区別が怪しい人もときどき見かけます。

この違いは、河野一郎先生の『翻訳英和辞典』にも書いてあります。

mindもheartも,抽象名詞としてはともに「こころ」と訳されることがあるので,初学者には区別がつきにくい。いちおうmindには「思考・理性・知性」,heartには「心情・愛情・熱意」などの訳語が当てられているので,おおよその違いはわかるが,次のNewsweek誌の記事のように併記されると翻訳にとまどう。

How old a child must be to both know in his mind and feel in his heart that lying, stealing, cheating, hurting―let alone murdering―are morally wrong is a matter of scientific debate.

ちなみに、昨年の11月に出て「語のイメージ」表示が話題になった『コンパスローズ英和辞典』には、この4語のうちintoだけ図示がありました。

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基本語義として「めり込む」まで書いてある点は○ですが、図示のしかたはどうでしょうね。好みもあるかもしれませんが、「状態の変化」という点は『英語基本語義辞典』のほうがわかりやすいと、私は思います。


というわけで、ご予約くださった方は、発売日までもうしばらくお待ちください。


02:44 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | | コメント (0)

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2019.01.01

# あけましておめでとうございます - 2019年

あけましておめでとうございます。

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昨年も、翻訳業界のいろいろなことに関わることができ、なかなか充実した一年でした。念頭のおみくじが「末吉」だったことを考えれば、まずまずでしょう。


今年のおみくじも「末吉」

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心におごりがありませんか。緩みが出てはいませんか。自己主張が強すぎませんか。

なかなか含みのあるお言葉です。


昨年は、予定どおり3月、7月、10月と3回、関西にお邪魔しました。

3月は、JTF関西セミナー「脱・辞書の持ち腐れ《60Hz》~どの辞書をいつ引くか~」に、深井さんと一緒に登壇。翌日には、はじめて通天閣にものぼりました。

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7月は、IJET-29と、翻訳フォーラムのレッスンシリーズ in 大阪。そして翻訳祭の会場となる京都大学・紫蘭会館の下見へ。残った時間で、京都国際マンガミュージアムを再訪。「ビッグコミック50周年展‐半世紀のビッグな足跡」で貴重な資料をたっぷり見ることができました。

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手塚治虫『地球を呑む』の原画。

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こちらは、白土三平『カムイ外伝 第2部』の原画


10月はもちろん京都で翻訳祭。それにあわせて、10/23-25には夫婦で奈良を訪れました。私は高校の修学旅行依頼、家内はなんと人生初。この話は、またそのうち。


一方、辞書関係でもいろいろと楽しいことがありました。

一昨年の翻訳祭でご縁のできた関山先生には、イベントに何度かお越しいただいたほか、12月には英辞郎を扱う学会系イベントにもお呼びいただきました。

ジャパンナレッジさん(運営会社のネットアドバンス)とも関係が深まり、11月には翻訳フォーラムとの合同イベントを開催できました。

そして、10月25~26日に京都で開催された翻訳祭には、飯間浩明さんをお呼びすることができました。

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年末近くになって、『図解 英語基本語義辞典』復刊という、うれしいお知らせが届いたことは、前エントリで書いたとおりです。

今年はまず、1月20日(日)の

レッスンシリーズ第11弾「英語圏の文化・教養・雑学・サブカル~引用に強くなろう~ in 大阪」

で大阪にお邪魔します。おかげさまで、満員御礼。


というわけで、関係各位、今年もよろしくお願いいたします。

11:32 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

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