# 『誤訳をしないための翻訳英和辞典』、補完計画を始めます
河野一郎先生の名著のひとつ『誤訳をしないための英和翻訳辞典』。
初版は2002年にDHCから出ましたが、昨年の春「改訂増補版」が出ました。
どのページを開いても、ハッとさせられる内容が次々と目に飛び込んできます。収録されている情報量を考えたら、1,700円というのは格安と言っていいでしょう。
「辞典」という体裁ではありますが、通読すべき一冊。その意味では、宮脇孝雄さんの『英和翻訳基本辞典』などと同じです。私も、少しずつですが読み進めています。
ただし、「○○の辞書に載っている、載っていない」という指摘には、ときどき今の状況に追いついていない部分もあります。
たとえば、『ウィズダム英和辞典』は引用元辞書として取り上げられていません。『ジーニアス英和』は3版までですし、『リーダーズ』も第3版については言及されていません。本書を読みながら、こういう新しめの辞書を確認してみると、なかなかおもしろい発見があります。
そこで、こんなことご本人の前では絶対にできそうにないのですが、僭越ながら勝手ながら、恐れながらさりながら、当ブログでその部分を補ってみることにしました。本書に載っている項目について、最近の辞書ではどうなっているのか、確かめてみようという趣旨です。
題して、
『誤訳をしないための翻訳英和辞典』補完計画
もちろん、自分が読み進めるための動機付け、というのが最大の理由ではあります。
基本的には、本書の構成どおりアルファベット順に進み、もちろん収録項目の全部を取り上げられるはずもないので、私がおもしろいと思った項目だけ紹介していく予定です。
ちなみに、2002年に出た初版はこちら。
増補版で増えたのは、323ページからの「増補60の表現と背景」です。
すべてを精査したわけではないのですが、それ以前の本編に関しては、ページ構成までまったく同じなので、おそらくあまり手が入っていないだろうと推察します。
もちろん、その増補部分にも有用な情報がたくさん載っているので、本書をお持ちでない方は、ぜひ増補版をお買い求めください。
個人的には、河野先生が『ウィズダム英和辞典』をどう評価しているのか、聞いてみたいところです。
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