# 『英語辞書マイスターへの道』、翻訳者にもおすすめ
英語辞書の使い方を主に学習者向けに発信している関山健治先生の新刊が出ています(7月刊)。
関山先生は、今年の翻訳祭にもご登壇くださいます(私がお呼びしました)。そのご縁で8月には東京でお会いし、先日は拙ブログにもコメントをいただいたところです。
本書も、主な想定読者は高校生や大学生、あるいは英語再学習者(そういうシリーズの1冊)なのですが、辞書を日常的な仕事道具として使っている翻訳者にとっても、役に立つヒントが満載です。
本書の「辞書を引こう」や「やってみよう」にあげられている
例題を自分の辞書環境で
試してみてください。ふだん使っている辞書の特徴や限界など、いろいろな発見があるはずです。
◆
そして、この本には読者向けのうれしい特典があります。本書に収録しきれなかった情報、特に
各辞典の特徴
をまとめた小冊子をダウンロードできるというサービスです。英語の辞書(と、一部の国語辞典)の特徴が実にコンパクトにまとめてあるので、翻訳者必携です。
ただ、本書に掲載されているダウンロードURLが、最近になって機能しなくなってしまいました。
関山先生に問い合わせたところ、さっそく新しいURLを教えてくださり、このブログでも告知していいというご了承をいただきました。本書をお買いになった方は、以下のURLにアクセスしてください。
https://www.dropbox.com/s/gwlxlh9wbt4dcsd/英語辞書マイスターへの道・サポートサイト表紙.pdf?dl=0
(リンクは貼っていません。コピーしてください)
ということで、改めて本書について紹介します。
直接的には、先生の以前の著書
の続編であり、辞書の電子化に伴うアップデート版、といった位置づけです。前著も2007年の発行でしたので、もちろん電子辞書については触れられています。が、中心はあくまでも辞書の使い方の基本---ラベルの見方、語法の読み方など---でした。
10年たって、その内容を電子環境にさらに適応させた、それが本書なので、電子媒体の辞書にふだんからお世話になっている私たち翻訳者の役に立たないはずがありません。
ただし、前著に書かれていたような基本の一部は省かれているので、本当の基本にまで立ち返りたい方は、前著『辞書からはじめる英語学習』も、併せてお読みになるといいかもしれません。
例をひとつだけ紹介しておきます。
辞書を引こう2(p.33より)
up in the air を英和辞典で引いてみましょう。
この例題を、お手持ちの電子辞書端末、EPWING環境、各種辞書サイトなどの電子環境で引いてみてください。
おそらく、媒体ごとに得意不得意があるはずです。使い方のコツについても、発見があるはずです。
目次
1 辞書メディアの種類と特徴
(冊子辞書、電子辞書専用機 ほか)
2 辞書はこうやって使う
(日常的な英語学習で使う、資格試験の勉強で使う ほか)
3 英和辞典を使いこなそう
(英和辞典の種類、学習英和辞典のその先へ ほか)
4 英英辞典を使いこなそう
(こんな時に英英辞典を、英語学習者向け英英辞典と一般英英辞典 ほか)
5 こんな辞書も使ってみよう
(シソーラス(類語辞典)、コロケーション(連語)辞典)
すでにお気づきのように、私がここ数年のセミナーなどで話している内容にも、当然ですが似ている部分はあります。が、関山先生は辞書の専門家。とらえ方も説明も、私などよりはるかに精確であり、説得力があります。
10:07 午前 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | URL
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