# 新しく出る紙の辞書、2点
本が売れない、辞書はもっと売れていない……
辞書の話題になると必ず出てくる話ですが、そんなご時世に、紙の辞書が2点も出ます。
ひとつは、第六版から10年ぶりの改訂となる『広辞苑 第七版』(岩波書店)。
リンク:『広辞苑 第七版』 - 岩波書店
来年1月12日の発売ですが、新語の採用状況などをめぐって、早くもあちこちで話題になっています。
もうひとつは、実に23年ぶりとなる『角川 新字源 改訂新版』(KADOKAWA)
こちらは、明日10月30日に出ます。
『広辞苑』の現行第六版は、ほとんどの電子辞書端末に採用されており、EPWINGデータもいまだに手に入ります。
私のまわりでは当然ながら、電子媒体がどんな形でいつ出るかという点に話題が集中しています。まだ電子媒体についての情報はなく、ひとつだけ見つけたのがこれです。
いまの第六版を買うと(キャンペーン価格8,800円)、第七版のアプリが出たとき無償で移行できるという、なかなか良心的なサービス。ただし、旧版データは完全に上書きされるため、併用はできないそうです。そういうところ、アプリの売り方としては正しいのかもしれませんが、辞書ファンの気持ちはわかってくれていない。
販売元は計測技研。辞書アプリをそれなりに出している会社で、アプリとしての完成度は物書堂ほど高くない印象もあるのですが、今回はいち早く商売に動いたようです。
『角川 新字源』は、通常版
のほかに、こんな版も出すというのが目を引きました。
このイラストレーター、私は知らなかったのですが、末っ子に見せたら「学校の音楽の教科書、表紙がこの絵師さんだった」と。調べてみたところ、中村佑介さんといって、最近けっこう活躍してらっしゃる方なんですね。
辞書のジャケ買いなんてするのかなぁ……とは思うのですが、どの辞書だったか、ピンク系の装丁のが圧倒的に売れているという話も聞いたばかり。この表紙の効果で、少しでも売れてくれるなら、いい試みでしょう。
せっかくなので、私もこちらを予約してみました。
見かけだけじゃなく、中身もよさそうです。上記の特設サイトから、「もっと読みたい方はこちら」をクリックすると、PDF 20ページ分もの見本を見ることができます。
なんか、実にすっきりしたデザインで、見やすい。
二色刷ですが、色や記号の使い方がいいのでしょう。見出し字の直下にある情報の示し方も見やすい。視覚的にとても心地よいレイアウトです。漢和辞典で、ここまで楽しくなりそうな作りって、珍しいのではないでしょうか。
03:50 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | URL
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