※以下の内容は、私の知っている範囲で書いています。もっと詳しい方がいらっしゃったら、コメント欄かメールでぜひ補完情報をお寄せください。
BookshelfとBookshelf Basic
まず気をつけるのは、製品版のMicrosoft Bookshelfと、Officeに付属していたMicrosoft Bookshelf Basicがあることです。
製品版「Microsoft Bookshelf」のほうは、「Encarta 総合大百科」という名前で売られていたこともあります。
Bookshelf、Bookshelf Basicとも、1.0、2.0、3.0まで出ていたようです。
1.0 はどんなだったか、持っていないのでわかりませんが、Bookshelf 2.0とBookshelf 3.0は、以下の構成でした。
【9/13追記】
コメント欄に、『英語辞書マイスターへの道』の著者、関山健治様から情報をお寄せいただきました。ラインアップはコメント欄にもありますが、『プログレッシブ英和中辞典』が第2版だったそうです。また、(今回は百科事典系をあまり取り上げていないのですが)データパルも少し古いバージョンの模様。
Microsoft Bookshelf 2.0

収録コンテンツ
・国語大辞典(新装版)小学館
・プログレッシブ英和中辞典 第3版 小学館
・プログレッシブ和英中辞典 第2版 小学館
・The American Heritage Dictionary of the English Language 3rd
・類語例解辞典 小学館
・故事ことわざの辞典 小学館
・電子ブック版・データパル(1991-92 年度版から 1998-99 年度版までの 8年)
ラインアップを見ればわかるように、American Heritageを除けば、すべて小学館のコンテンツです。
『国語大辞典(新装版)』は、
『日本国語大辞典』 の要約を基礎に、新しい情報を加え、新たな工夫をこらしてまとめられた。
と書かれているので、『日本国語大辞典』 初版の1巻本と言ってもいい内容です。つまり、いま私たちが気軽に買えるようになった『精選版 日本国語大辞典』の "叔父さん" といったところでしょうか。これの書籍版は、パッケージの写真と収録語数などから察すると
これらしいのですが、確認はとれていません。
『プログレッシブ英和中辞典』は、現在iOSアプリなどで入手できる第5版の2つ前の版。
『類語例解辞典』については、先日、類語辞典に関する記事で言及しました。かつてはSIIの電子辞書端末にも収録されていたコンテンツですが、こっちのほうがずっと見やすい。
American Heritageも、やや古い版ながら電子データというのは貴重です(iOS版は第5版ですが、iOS 10になってから、まともに動いていません)。
Microsoft Bookshelf 3.0

収録コンテンツ
・新英和中辞典 第6版 研究社
・新和英中辞典 第4版 研究社
・新明解国語辞典 第五版 三省堂
・Encarta World English Dictionary
小学館オンリーだった2.0から、研究社と三省堂になりました。この間に、いったい何があったんでしょうね。
コンテンツとしては、明らかに2.0より見劣りします。「Encarta 総合大百科」のおまけという位置付けになってしまったからかもしれません。
なのに、なんで最近これを手に入れたかというと、Encarta World English Dictioary というのを見てみたかったからです。あまり見たことのないタイトルの辞書ですが、
しばらく前に読んだこの本に、こんな記述がありました。
1つ目は,特定の国に偏らず,世界の英語圏からのデータを収集したことである。
こういう辞書はちょっと珍しいので、ちょって手に入れておきたいな、と。たとえば、こんな単語が載っています。
lah
particle
Malaysia Singapore used to show informality: added to something said to indicate informality and intimacy(informal)
研究社の英和中・和英中は、現在LogoVista版やアプリ版で入手できる「英和中第7版・和英中第5版」のちょっと前のバージョン。
Microsoft Bookshelf Basic1.0~2.0
1.0はまだ入手できておらず、2.0だけ手元に複数枚ありますが、Wikipediaの記事によると、1.0と2.0の収録コンテンツは同じだそうです。
【9/10修正追記】
すいません、コメント欄でもご指摘いただきましたが、Wikipediaの記事を読み誤ってました。1.0と2.0ではプログレッシブの版が違うようです。
1.0と2.0は、Office 97、Office 2000時代の付属品でした。
1.0収録コンテンツ
・国語大辞典(新装版)小学館
・プログレッシブ英和中辞典 第2版 小学館
・プログレッシブ和英中辞典 第2版 小学館
2.0収録コンテンツ
・国語大辞典(新装版)小学館
・プログレッシブ英和中辞典 第3版 小学館
・プログレッシブ和英中辞典 第2版 小学館
つまり、Bookshelfからメインのコンテンツのみ抜粋したバージョンということです。American Heritageその他のコンテンツはサンプルだけ入っていて、製品版「Microsoft Bookshelf」の購入に誘導するしくみになっています。
Microsoft Bookshelf Basic3.0
収録コンテンツ
・新英和中辞典 第6版 研究社
・新和英中辞典 第4版 研究社
・新明解国語辞典 第五版 三省堂
これも、Bookshelfの収録コンテンツを絞り込んだ内容ですね。Office XPの付属品。
入手するとしたら
おもしろいことに、ヤフオクやメルカリ(何かと問題のあるサービスですが……)などで、頻繁に出回っています。
製品版のMicrosoft Bookshelfは、さすがに少ないようです。私は今までに、ヤフオクとAmazonマーケットプレイスで2.0と3.0を1回ずつ見つけて落としました。2.0は2,500円(2014年5月)、3.0のほうは7,800円(2017年1月)でした。
3.0はあまり見かけませんが、2.0はかなり安く出回っていることがあります。収録コンテンツを考えれば、とてもお買い得だと思います。
一方、Microsoft Basicのほうは、ほとんど投げ売りのような値段で、いつもたくさん出品されています。ただし、出品者があまり詳しくないせいか、
バージョンがわからない
出品がほとんどです。
見分けるためには、出品写真でOfficeのバージョン番号を確認するといいかもしれません。

Basic 1.0はOffice 97、Basic 2.0はOffice 2000、Basic 3.0はOffice XPの付属品ということですから、この写真のように
Windows NT
Windows 98
と書いてあるのは、1.0か2.0の可能性が高いと考えられます。Basic 3.0の出品が確認できたら、追記します。
修論コンテンツを見ればわかりますが、1.0と2.0が出品されていたら、買っておいて損はありません。『国語大辞典』が載っているからです。
しかも、
手順: Bookself Basic の EPWING 化プロジェクト
などに書かれているように、『国語大辞典』をEPWING変換することもできます(EPStudioは有料ライセンスが必要)。念のために付け加えておきますが、この変換スクリプトは、あくまでもBookshelf Basicにしか対応していません。手元のBookshelfデータで試しても、うまくいきませんでした。
『精選版 日本国語大辞典』とまったく同じというわけではないものの、それとかなり近い内容のEPWINGデータを確保したければ、この手しかありません。
◆
なにしろ古い製品なので、最近のWindowsではインストーラーがまともに動かないこともあります。その場合は、CD-ROMの中身をまるまるハードディスクにコピーして、そこからセットアップを実行するとインストールできたりします。
いずれにしても、購入からインストール(さらには、EPWING変換)まで、、中古商品を扱うときはすべて自己責任でお願いします。
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