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2017.02.25

# 最近読んだ/買った国語関係の本

最近読んだ国語関係の本を紹介します。


接続表現を中心とした著作の多い石黒先生の、ちょっと前の本です。


英日翻訳で、日本語に悩んでいる人におすすめです。私も、付箋だらけになりました。


1 文法のルール―その定石と裏ワザ
 (テニヲハはきちんと守る、「~をしたい/~をできる」は使わない ほか)
2 文末のルール―その定石と裏ワザ
 (文末の時制は統一する、受身の表現は避ける ほか)
3 語彙のルール―その定石と裏ワザ
 (文章では話し言葉を使わない、漢語を使うと文章が硬くなる ほか)
4 表記のルール―その定石と裏ワザ
 (漢字が少ないと読みにくい、迷ったら平仮名がよい ほか)
5 構成のルール―その定石と裏ワザ
 (接続詞は前後の文の関係を示す、接続詞は文章を読みやすくする ほか)
(Amazonの目次情報より)

「裏ワザ」というタイトルどおり、いい文章を書くときの"定説"になっているルールをまず紹介し、「そうとも限らない」という「裏」を示すという構成です。

今日の授業でもちょうど、

「訳すとき、接続詞をどこまで補っていいのでしょうか」

という質問があり、この本のpp.174~185を紹介したばかりです。

英語と日本語では、論理の構成のしかた、文脈の運び方が違う。だから、原文にない接続詞を訳文で補うのが絶対に禁止というわけではない。ただし、日本語ではいわゆる接続詞を使わなくても文脈を作れる場合が多いので、そういう文の書き方も覚えよう。

そういう話を、授業でもしました。

同じ石黒先生の、接続詞(接続表現)に絞った本がこちら。

石黒先生の言う「接続詞」はかなり広い概念です。たとえば、使い方が難しい「~のだ(のである、のです)」という文末の使い方も、この本でよくわかるはずです(第七章「文末の接続詞」)。


なお、石黒先生は、5月にJTF(日本翻訳連盟)のセミナーにご登壇なさいます。

第2回JTF回JTFセミナー「文書作成における接続詞の役割 ~接続詞を使うと文書は論理的になるのか~」

ちなみに、同じ日の午前中がテリーさん。

第1回JTF回JTFセミナー「誰も教えてくれない翻訳チェック ~翻訳者にとっての翻訳チェックを考える~」
こちらは、昨年の翻訳祭で超満員となったセッションのアンコール企画です。



おなじみ飯間先生。

底本は、『三省堂国語辞典 第七版』が出たとき(2014年)、プロモーションの一環として出版された書籍(『三省堂国語辞典のひみつ』)。

文庫化されたので読んでみたのですが、文語版あとがきに、

今回、本書が新潮文庫の一冊として刊行されるに当たり、あまりにも「『三国』万歳」的な部分には手を入れました。

と書いてあったので、元本も読んでみたくなりました。

この本を読んで、「iPadに入っている三国を、ふだん使っているPCからもっと手軽に引けないものか」という思いが強くなり、それが先日のEBPocketの話につながったしだいです。


これは、読んだというより、買ってきたのを拾い読みしています。神田の古書店で見かけて買ってきた初版本です。

「明治大正~」というタイトルですが、発行は昭和59年と、わりと最近の辞書です。

本書は明治元年からから昭和二〇年までの間に誕生した新語・俗語八〇〇語を対象とした。
(凡例より)

ということですが、もっと時代が下った用例も採録されています(昭和54年の見坊豪紀とか)

実用的に使えるというより、完全に趣味の本です。適当に拾うだけでも実に楽しい。

たとえば「青田買い」という言葉が昭和初年にはもう使われていたことがわかります(確かめたら、使われている用例は日国と同じでした)。

「あんパン」の項には、こんな話も載っていました。

また、「あんパンを食う」とは、上等兵が新兵に小言をいう場合、「そういう事をしちゃいかんじゃないか、アーン」と言ってすぐにパーンと平手で頬をなぐることから、お目玉頂戴の意味

てなことが書いてあり、日国の解説より詳しくなっています。「あんパンを食う」っていう表現、子どものころ聞いた覚えがあります(使った記憶はない)が、今の国語辞典には載っていません。

「八百長」の語源説も---信憑性はわかんないですけどね---、日国よりずっと詳しく載っています。

(八百屋の長兵衛、通称八百長という人がある相撲の年寄とよく碁をうち、勝てる腕前を持ちながら、巧みにあしらって常に一勝一敗になるように手加減したところからという)【日国】

語源は明治時代のはじめ、相撲会所の出入りであった八百屋の長兵衛通称八百長が、当時の相撲年寄であった先々代伊勢の海五太夫の碁の相手をたびに、強いくせに、お得意様のご機嫌をとるために、わざと勝を譲ったことが仲間に知れわたり、それから相撲で故意に負けることを八百長するといい始め、いつしか相撲の隠語となった。【新語俗語辞典】
(表記はママ)


実は、別の辞書を古本で探しにいったのですが、思わぬ収穫でした。

10:47 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 |

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