« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »

2017.02.26

# 無料で使える文章チェックツール

先日、WildLightのサンプルを紹介しました。

参照リンク:side A: # こそあど、~という、~こと、~ている - WildLightの活用例


私自身がふだんからやりがちなポイントを定義ファイルに書き、WildLightで実行してマーカーを付けるという(←ほら、すぐ「~という」を使っちゃう)基本的な使い方でした。定義の内容は、(前回からすこし修正し)

・こそあど言葉のうち、「これ」系と「それ」系

・形式名詞の「もの」と「こと

・文末の「~ている、strong>ていた、strong>ています」

・文末、文節末の「~ており

・文節末の「~が、

です。

このうち、「~てい」と「~ており」だけは、前に来る動詞が音便---「騒いでいる、読んでいる」のような形のこと---を起こしているときのために、ワイルドカードを使って

[てで]い
[てで]おり

としています。


さて、WildLightも無料で公開されていますが、ほかにも無料で公開されている文章チェックツールがあるので、ご紹介しておきます。

リンク:小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」 - クロノス・クラウン -

リンク:Tomarigi | PaWeL:日本語表現法開発プロジェクト-青山学院大学-



まず、サンプルとしてWilidLightを実行したファイルを貼っておきます。使ったのは、昨日2/25の当ブログの記事です。予想どおり、「~という」とか「~が、」がけっこうありますね。恥ずかしいですが、サンプルなのでこのままにしておきましょう。
「225.docx」をダウンロード

さて、ご紹介する1つ目は、クロノス・クラウン(柳井政和さん)で最近公開されたツールです。以前---Windowsであまりにメモリー管理がずさんだったころ---からフリーウェア「めもりーくりーなー」で有名だったサイトですね。
(余談ですが、ついに小説家としてもデビューしたようです。しかもイラストは『スティーブズ』の、うめ!)

「小説推敲補助」という名のとおり、そのまま翻訳に適しているとは限りません。

現時点で実装されているチェック機能は、以下のとおり。

・単語近傍探索(同じ単語の連続)
・こそあど確認(こそあど言葉)
・文末重複確認(同じ文末(現在形や過去形の連続))
・段落先頭重複確認(段落の先頭が同じでうるさく見えないか)
・文章警告(表現上注意すべき点や凡ミスを)
・画数ヒートマップ(文字の画数を元に文字の背景色を変え、読みやすさを視覚化)
・文長ヒートマップ(1文の長さに応じて文字の背景色を変え、長すぎる文を可視化)
・ルビ追加(様々な形式でルビを追加)
・文字種表示(文字種で文字の背景色を変更。漢字とかなの混じり具合や比率を確認)
・指定文字数改行(指定した文字数で改行)

使い方は簡単。起動したら、ファイルを開き(完成したファイルでなく、一時的なチェックなら、左ペインに貼り付けるだけでもOK)チェック項目を選んで「全て実行」をクリックするだけです。「ブロック実行」なども可。ほぼ一瞬で、右ペインに結果が表示されます。

1702261
同じく2/25の当ブログ記事で「単語近傍探索」を実行してみたところです。

実際にどの機能が有用かどうかは、各自お試しください。たとえば日英翻訳なら、原文の日本語に対して「単語近傍探索」を実行すれば、キーワードの確認に使えるかもしれません(英文には使えないので、英日翻訳では使えない)。私は、「画数ヒートマップ」がけっこう気に入っています。

また、設定を変えるにはJSONファイルを直接編集しなければならないので、ちょっと上級向けです。起動ファイルが、ふつうにexeファイルではなくbatファイルというところも、発想が技術屋さんです。

2つ目の「Tomarigi」は、青山学院大学で、言語研究プロジェクトの一環として開発されたツールです。

形態素解析の機能まで備えており、使いこなせばけっこういいツールになりそうです。翻訳者(や志望者)なら、うまく使えばかなり役に立つと思われます。

Tomarigi 本体のほかに、
・形態素解析ツール Mecab v0.996以上
・係り受け解析ツール Cabocha v0.68以上
が必要ですが、サイトの指示に従ってインストールすれば、特に難しくはありません。

文字数にはある程度の制限があるようですが(実際の制限と速度は、おそらくPCのリソースしだい)、機能はかなり抱負で、指摘の結果もいろいろと参考になります。


こちらも使い方は簡単。ファイルを開くか、ウィンドウに直接貼り付けて「実行」ボタンをクリックするだけ。

1702262

上の例では、敬体の文末(です、ます)が緑色で指摘されているほか、

「接続表現を中心とした著作の多い石黒先生」

という箇所もピンク色になりました。右ペインでそこをクリックすると、右下に詳細な指摘内容が表示されます。

1702263

二段構えの修飾節が存在する長文です.

と指摘されています。これが、JustRightなどにもない注目の機能です。具体的にどんなことなのかは、「図表」ボタンをクリックしてみるとわかるでしょう。

1702264

・「接続表現を中心とした」が、<連体修飾節>として「著作」を修飾しており

・その修飾節を含む「接続表現を中心とした著作の多い」が、次の<連体修飾節>として「石黒先生」を修飾している

という二段構えの修飾構造になっている。そう指摘されているわけですね。もちろん、これを修正するかどうかは、また別の問題。


さらに、「修正」の隣にあるボタンを押すと、

1702265
こういう係り受けの図も表示できます。学校やトライアルの答案でも、係り受けの変な訳文をかなりの頻度で見かけます。係り受けに自信がない人は、この図で自分の訳文を分析すれば参考になるのではないでしょうか。


別の指摘例も挙げておきます。

1702266
こちらは、MS Wordの校正機能でも指摘される「連用形中止法の多用」です。4か所と指摘されていますが、実際に連用形中止法になっているのは、

~読んで
~強くなり

です。たしかに、しまりがない感じ。

また、ここで指摘されているセンテンスの最後にはグレーの四角とピンクの丸もあります。グレーの四角をクリックすると同音語が注意され、
1702267

ピンクの丸をクリックすると、長文だと注意されます。
1702268

ただし、上の例で「読ん/詠ん」と書かれているのを見てもわかるとおり、同音語のチェックはちょっとうるさすぎるようです。


チェック項目は、かなり細かくカスタマイズできます。

1702269_2
これは、敬体/常体によって文末の指摘を選べる設定。

17022610
これは助詞の連続。「の」だけ、または「それ以外」も含めてチェックでき、連続回数も指定できます。

17022611
かな/漢字の使い分けは、デフォルトでも設定されていますが、任意で追加できます。


以下、チェックできる項目だけ挙げておきます。

・ひらがな書きすべき副詞のチェック(カスタマイズ可能)
・漢字書きすべき副詞のチェック(カスタマイズ可能)
・英数字の全角/半角(設定の切り替え可能)
・漢数字のチェック(オン/オフのみ)
・読点のチェック(オン/オフのみ)
・常用漢字のチェック(常用漢字のほか、学年別指定にも対応)
・ひらがな書きすべき接続詞のチェック(カスタマイズ可能)
・連用中止形のチェック(オン/オフのみ)
・助詞の連続(カスタマイズ可能)
・ひらがな書きすべき形式名詞のチェック(カスタマイズ可能)
・同音語/同訓語のチェック(同音、同訓ごとにオン/オフ)
・不適切な表現(若者ことば)のチェック(オン/オフのみ)
・指示語の多用(しきい値のオプションあり)
・体言止めのチェック(オン/オフのみ)
・送りがなのチェック(カスタマイズ可能)
・句読点の統一(設定の切り替え可能)
・長文の指摘(オン/オフとしきい値を設定可能)
・敬体/常体のチェック(設定の切り替え可能)
・文末の冗長表現(カスタマイズ可能)
・ひらがな書きすべき補助動詞のチェック(カスタマイズ可能)
・当て字のチェック(カスタマイズ可能)


以上のオプションを見ただけでも、かなりの高機能です。ものによっては、JustRightでは拾えない項目もたくさんあります。

それから、あちこちに再生ボタン(右向き三角)もありますね。なんと、音声読み上げもしてくれます(音声エンジンは、環境によって異なる)。

これが無料というのは素晴らしいことです。ただ、あくまでも大学の研究室のプロジェクトですから、いきなりなくなってしまう可能性もあります。

JustRight!は、個人で買っても40,000円(税別)します。値段に見合う機能はあります。表記のゆれや、誤字・脱字の指摘はやはり強力(それでも、十分ではない)。

WildLightは、自分で定義ファイルを作ってサクっとチェックするには便利ですし、単なるチェック以外の機能も豊富です。

Tomarigiは、自分の書いた日本語をじっくり分析するのによさそうです。

ひとつ注意したいのは、チェックした結果からどこをどう直すかは、あくまでも自分の力量しだいだということです。単純なミスなら修正すれば済みますが、たとえば連用形中止法を自分でよしとするか修正するかは、最終的に自分の判断です。

とはいえ、翻訳をしていて大切なのは、自分の訳文をどこまで客観的に眺められるかいうこと。そのためには、こういうツールの導入は有効でしょう。

02:52 午後 翻訳・英語・ことば, パソコン・インターネット | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.25

# 最近読んだ/買った国語関係の本

最近読んだ国語関係の本を紹介します。


接続表現を中心とした著作の多い石黒先生の、ちょっと前の本です。


英日翻訳で、日本語に悩んでいる人におすすめです。私も、付箋だらけになりました。


1 文法のルール―その定石と裏ワザ
 (テニヲハはきちんと守る、「~をしたい/~をできる」は使わない ほか)
2 文末のルール―その定石と裏ワザ
 (文末の時制は統一する、受身の表現は避ける ほか)
3 語彙のルール―その定石と裏ワザ
 (文章では話し言葉を使わない、漢語を使うと文章が硬くなる ほか)
4 表記のルール―その定石と裏ワザ
 (漢字が少ないと読みにくい、迷ったら平仮名がよい ほか)
5 構成のルール―その定石と裏ワザ
 (接続詞は前後の文の関係を示す、接続詞は文章を読みやすくする ほか)
(Amazonの目次情報より)

「裏ワザ」というタイトルどおり、いい文章を書くときの"定説"になっているルールをまず紹介し、「そうとも限らない」という「裏」を示すという構成です。

今日の授業でもちょうど、

「訳すとき、接続詞をどこまで補っていいのでしょうか」

という質問があり、この本のpp.174~185を紹介したばかりです。

英語と日本語では、論理の構成のしかた、文脈の運び方が違う。だから、原文にない接続詞を訳文で補うのが絶対に禁止というわけではない。ただし、日本語ではいわゆる接続詞を使わなくても文脈を作れる場合が多いので、そういう文の書き方も覚えよう。

そういう話を、授業でもしました。

同じ石黒先生の、接続詞(接続表現)に絞った本がこちら。

石黒先生の言う「接続詞」はかなり広い概念です。たとえば、使い方が難しい「~のだ(のである、のです)」という文末の使い方も、この本でよくわかるはずです(第七章「文末の接続詞」)。


なお、石黒先生は、5月にJTF(日本翻訳連盟)のセミナーにご登壇なさいます。

第2回JTF回JTFセミナー「文書作成における接続詞の役割 ~接続詞を使うと文書は論理的になるのか~」

ちなみに、同じ日の午前中がテリーさん。

第1回JTF回JTFセミナー「誰も教えてくれない翻訳チェック ~翻訳者にとっての翻訳チェックを考える~」
こちらは、昨年の翻訳祭で超満員となったセッションのアンコール企画です。



おなじみ飯間先生。

底本は、『三省堂国語辞典 第七版』が出たとき(2014年)、プロモーションの一環として出版された書籍(『三省堂国語辞典のひみつ』)。

文庫化されたので読んでみたのですが、文語版あとがきに、

今回、本書が新潮文庫の一冊として刊行されるに当たり、あまりにも「『三国』万歳」的な部分には手を入れました。

と書いてあったので、元本も読んでみたくなりました。

この本を読んで、「iPadに入っている三国を、ふだん使っているPCからもっと手軽に引けないものか」という思いが強くなり、それが先日のEBPocketの話につながったしだいです。


これは、読んだというより、買ってきたのを拾い読みしています。神田の古書店で見かけて買ってきた初版本です。

「明治大正~」というタイトルですが、発行は昭和59年と、わりと最近の辞書です。

本書は明治元年からから昭和二〇年までの間に誕生した新語・俗語八〇〇語を対象とした。
(凡例より)

ということですが、もっと時代が下った用例も採録されています(昭和54年の見坊豪紀とか)

実用的に使えるというより、完全に趣味の本です。適当に拾うだけでも実に楽しい。

たとえば「青田買い」という言葉が昭和初年にはもう使われていたことがわかります(確かめたら、使われている用例は日国と同じでした)。

「あんパン」の項には、こんな話も載っていました。

また、「あんパンを食う」とは、上等兵が新兵に小言をいう場合、「そういう事をしちゃいかんじゃないか、アーン」と言ってすぐにパーンと平手で頬をなぐることから、お目玉頂戴の意味

てなことが書いてあり、日国の解説より詳しくなっています。「あんパンを食う」っていう表現、子どものころ聞いた覚えがあります(使った記憶はない)が、今の国語辞典には載っていません。

「八百長」の語源説も---信憑性はわかんないですけどね---、日国よりずっと詳しく載っています。

(八百屋の長兵衛、通称八百長という人がある相撲の年寄とよく碁をうち、勝てる腕前を持ちながら、巧みにあしらって常に一勝一敗になるように手加減したところからという)【日国】

語源は明治時代のはじめ、相撲会所の出入りであった八百屋の長兵衛通称八百長が、当時の相撲年寄であった先々代伊勢の海五太夫の碁の相手をたびに、強いくせに、お得意様のご機嫌をとるために、わざと勝を譲ったことが仲間に知れわたり、それから相撲で故意に負けることを八百長するといい始め、いつしか相撲の隠語となった。【新語俗語辞典】
(表記はママ)


実は、別の辞書を古本で探しにいったのですが、思わぬ収穫でした。

10:47 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.24

# EDICT2のラベルを解説してみた

先日、串刺し的に使えるということで取り上げた辞書ブラウザアプリ「EBPocket」ですが、デフォルトでEDICT2の辞書データが入っているということも、前回ご紹介しました。

参考リンク:side A: # EBPocketで、アプリ辞書を串刺し!

参考リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち


この辞書、実はときどき目を通してみると、かなりおもしろいのですが、ラベルが独自なので、情報を読み取るにはそれを理解している必要があります。メニューから凡例を見ても、説明が英語なので、日本語文法のことなどはちょっとわかりにくそうです。

そこで、ヘルプに書いてある凡例を訳してみました。ex として例も挙げてあります。この例を見るだけでも、収録している項目のおもしろさがわかると思います。


【13:30 追記】

ブログ上に書くと、どうしても見づらいですねー。テーブルにすればいいんだろうけど。
ということで、Excel表でもダウンロードできるようにしました。興味のある方はどうぞ。

EDICT2のラベル一覧対訳
(クリックすると即ダウンロードされます)

【文法ラベル】

adj-i 形容詞[adjective]ex: あどけない
adj-na 名詞(-ナ))または形容動詞[adjectival nouns or quasi-adjectives]ex: あやふや
adj-no 名詞(-ノ)[nouns which may take the genitive case particle 'no']ex: ありき
adj-pn 連体詞[pre-noun adjectival]ex: あんな
adj-t 形容詞(-タル)[pre-noun adjectival]ex: あんたん
adj-f 上記以外で前置できる名詞または動詞[noun or verb acting prenominally (other than the above)]ex: ~あっての
adj 旧分類の形容詞(削除中)[former adjective classification (being removed)]
adv 副詞[adverb]ex: あっけらかん
adv-n 副詞的な名詞[adverbial noun]※ n-advと重複か?
adv-to 副詞(-ト)[adverb taking the 'to' particle]ex: あたふた
aux 補助語尾*[auxiliary]ex: ~ごわす
aux-v 助動詞[auxiliary verb]ex: せる; させる
aux-adj 補助形容詞[auxiliary adjective]ex: ~ない
conj 接続詞[conjunction]ex: が、ああして
ctr 助数詞[counter]ex: 脚
exp 表現[Expressions (phrases, clauses, etc.)]ex: ああだこうだ
id 慣用表現[idiomatic expression]ex: なる様になる
int 感動詞[interjection]ex: あいたた; あいた; あいたっ
iv 不規則動詞[irregular verb]
n 普通名詞[noun (common)]
n-adv 副詞的名詞[adverbial noun]ex: 一時; ひと時
n-pref 名詞、接頭辞になる[noun, used as a prefix]ex: ドラ~
n-suf 名詞、接尾辞になる[noun, used as a suffix]ex: ~ごっこ
n-t 時相名詞[noun (temporal)]ex: 二時、この頃; このあいだ
num 数詞[numeric]ex: 一兆、億
pref 接頭辞[prefix]ex: がせ; ガセ
prt 助詞[particle]ex: が、かしら
suf 接尾辞[suffix]ex: ~メートルそう
v1 一段活用動詞[Ichidan verb]ex: いじける、やればできる
v5 五段活用動詞[Godan verb](分類不完全)
v5aru 五段活用動詞「ある形」[Godan verb - -aru special class]ex: くださる
v5b バ行五段活用動詞[Godan verb with 'bu' ending]ex: 忍ぶ
v5g ガ行五段活用動詞[Godan verb with 'gu' ending]ex: たじろぐ
v5k カ行五段活用動詞[Godan verb with 'ku' ending]ex: おっ開く
v5k-s 五段活用動詞「いく・ゆく形」[Godan verb - iku/yuku special class]ex: あの世に行く、はって行く
v5m マ行五段活用動詞[Godan verb with 'mu' ending]ex: くすむ
v5n ナ行五段活用動詞[Godan verb with 'nu' ending]ex: おっ死ぬ
v5r ラ行五段活用動詞[Godan verb with 'ru' ending]ex: いちびる
v5r-i ラ行五段活用動詞・不規則[Godan verb with 'ru' ending (irregular verb)]ex: ~である、心当たりがある
v5s サ行五段活用動詞[Godan verb with 'su' ending]ex: あぶり出す
v5t タ行五段活用動詞[Godan verb with 'tsu' ending]ex: ささくれ立つ
v5u ア行五段活用動詞[Godan verb with 'u' ending]ex: あざ笑う
v5u-s ア行五段活用動詞・特殊形[Godan verb with 'u' ending (special class)]ex: 請う、恋う
v5uru 五段同時「うる形」[Godan verb - uru old class verb (old form of Eru)]
v5z ザ行五段活用動詞[Godan verb with 'zu' ending]
vz 一段活用動詞「ずる形」[Ichidan verb - zuru verb - (alternative form of -jiru verbs)]
vi 自動詞[intransitive verb]ex: ずっこける
vk カ行変格活用動詞[kuru verb - special class]ex: 来る、ぴりっとくる
vn ナ行変格活用動詞[irregular nu verb]ex: 往ぬ; 去ぬ
vs 名詞(-スル)[noun or participle which takes the aux. verb suru]ex: あんよ、うじうじ
vs-i サ行変格活用動詞[suru verb - irregular]ex: する、うっとりする
vs-s サ行変格活用動詞・特殊形[suru verb - special class]ex: 逸する、こよなく愛する
vt 他動詞[transitive verb]ex: あしらう


【分野ラベル】{ }で表記される

{Buddh} 仏教用語[Buddhist term]ex: ナンマンダブ; ナマンダブ
{MA} 武術用語[martial arts term]ex: ムエタイ、一本
{comp} コンピュータ用語[computer terminology]ex: 2ちゃんねる、2進化
{food} 食品用語[food term]ex: いとこ煮、きしめん
{geom} 幾何学用語[geometry term]ex: 対辺
{gram} 文法用語[grammatical term]
{ling} 言語学用語[linguistics terminology]ex: コプラ; コピュラ
{math} 数学用語[mathematics]ex: べき乗; 冪乗
{mil} 軍事用語[military]ex: 教練、曲射
{physics} 物理学用語[physics terminology]ex: パウリの原理


【その他の記号】
X 無作法または猥褻[rude or X-rated term]ex: 姫初め
abbr 略語[abbreviation]ex: 〒、Gパン
arch 古風[archaism]ex: いで; いでや、うむ
ateji 当て字[ateji (phonetic) reading]ex: お目出度い、印度人
chn 幼児語[children's language]ex: おんも、お絵描き
col 口語[colloquialism]ex: あんがと、おばたりあん
derog 蔑視語[derogatory term]ex: おっさん、とろくさい
eK 漢字のみ[exclusively kanji]
ek ひらがなのみ[exclusively kana]
fam 親しみ[familiar language]ex: ~ちゃん
fem 女性語[female term or language]ex: あらまあ
gikun 義訓[gikun (meaning) reading]ex: 海月; 水母、蒲公英
hon 敬称、尊敬語[honorific or respectful (sonkeigo) language]ex: お医者様、いらっしゃる
hum 謙譲語[humble (kenjougo) language]ex: お目にかかる
iK 特殊な漢字用法を含む[word containing irregular kanji usage]ex: 堆い
id 慣用表現[idiomatic expression]ex: なる様になる
io 特殊な送りがな[irregular okurigana usage]
m-sl マンガ俗語[manga slang]ex: ~たん、ヤンデレ
male 男性語[male term or language]ex: ~ぜ、拙者
male-sl 男性俗語[male slang]
ng 中性[neuter gender]
oK 古い漢字用法を含む[word containing out-dated kanji]ex: 上前を撥ねる
obs 古[obsolete term]ex: お手塩
obsc 曖昧語[obscure term]ex: ほっぽかす
ok 古いかな用法[out-dated or obsolete kana usage]
poet 詩的[poetical term]ex: あえか、愛しき
pol 丁寧語[polite (teineigo) language]ex: おべべ、~ようです
rare まれ[rare]
sens 要注意語[sensitive word]ex: き印、ぎっちょ
sl 俗語[slang]ex: DQN、フラグが立つ
uK 通例、漢字のみ[word usually written using kanji alone]
uk 通例、かなのみ[word usually written using kana alone]ex: 終わコン おわコン; オワコン
vulg 卑語[vulgar expression or word]ex: ざけんなよ; ざけんじゃねーよ


【方言】
kyb 京都弁[Kyoto-ben]ex: おいでやす
osb 大阪弁[Osaka-ben]ex: いちびり、さよか
ksb 関西弁[Kansai-ben]ex: あきまへん、あらへん; あれへん
ktb 関東弁[Kantou-ben]ex: くたばれ、かたす
tsb 土佐弁[Tosa-ben]ex: いごっそう
thb 東北弁[Touhoku-ben]ex: お晩です、めんこい
tsug 津軽弁[Tsugaru-ben]ex: あずましい
kyu 九州弁[Kyuushuu-ben]ex: ~ばい、~ばってん
rkb 琉球弁[Ryuukyuu-ben]ex: しまんちゅ、ないちゃー


ただ、分野や方言は明らかにまだ不完全です。今後の発展に期待しましょう。

文法ラベルはだいぶ頑張ってますし、ふつうの国語辞典では見出しになっていないような複合語までカバーしてあるのは、なかなかおもしろい試みです。

10:30 午前 辞典・事典 | | コメント (1)

はてなブックマークに追加

2017.02.21

# EBPocketで、アプリ辞書を串刺し!

前エントリまで、しばらくEBWin4のことを書いてきました。

ところで、EBWin4の作者であるhishidaさんは、iOS/Android上でEPWINGデータを使えるアプリも作成なさっています。

リンク:EBPocket for iOS
リンク:EBPocket for Android

Android版(とMac OS版も)もあるのですが、私が使える環境ということで、以下はiOSの話になります。


個人的には、PC上で(EPWINGデータを中心に)整備してある辞書環境を、iPadにまで持ち出す必要性はあまり感じていません。むしろ、iPadではiOSアプリでしか使えない辞書を中心にそろえています。そのため、EBPocketも、存在は知っていたのですが、試したことがありませんでした。

今回の一斉アップデートを機にちょっと見てみようと思い、Professional版を購入・インストールしてみたら---実はかすかに期待しながら---ちゃんと、他のアプリとの連携機能が用意されているじゃないですか!

なお、EBPocketをインストールすると、フリーの辞書データとしてEDICT2が入ってきます。この辞書の素性については、拙ブログの過去記事をご覧ください。
参考リンク:side A: # EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち

iOSアプリどうしが相互にデータをやり取りする(テキストをやり取りしたり、起動したりする)ために、「URLスキーム」という仕組みがあります。「検索ハブ」(残念ながら、諸事情でアップデートが止まってしまいました)も、この機能で各アプリを呼び出していました。また、物書堂さんの辞書では、検索後に他の辞書を呼び出すことができます。これも、おそらくURLスキームを使っているようです。

1702211


EBPocket Professionalをインストールして、設定画面を開いてみると、[Web検索]という設定項目があります。

1702212_3

これを開くと、デフォルトではYahooとかWeblioなどのサイトが登録してあります(下図は、もう設定が変わっています)。

1702213


ここを、使いたいアプリ辞書のデータに書き換えれば、EBPocketの検索結果から他のアプリに飛ぶ、つまり擬似的にではありますが、アプリの串刺し検索ができるというわけです。

ただ、URLスキームというのは開発者が独自に決めるので、公開されていないと使えません。この点でも、物書堂さんはユーザーに親切な会社で、基本的にすべてURLスキームを公開なさっています。

リンク:物書堂:辞典Appで検索

物書堂さん以外のアプリは、検索するとURLスキームが見つかるもの(BIGLOBEの『オーレックス』や、計測技研の『プログレッシブ』など)もあれば、公開されていないもの(MobiSystemsのAHD、ODEなど)もあります。

あとは、ここにあるデータをどうやってURLの形にすればいいか、が分かればいいのですが、この段階で私も試行錯誤しました。

指定の基本は以下のフォーマットです。

<辞典スキーム名>://<辞典アプリID>/search?text=

たとえば、『精選版 日本国語大辞典』の場合、<辞典スキーム名>が mknds 、<辞典アプリID>が NDS です。このほか、アプリとその会社ごとにURLの構成要素は違ってきます。物書堂さんの『精選版 日本国語大辞典』の場合、URLは

mknds://jp.monokakido.NDS/search?text=

となります。この後にいろいろと検索オプションを付けることもできるのですが、今回はそこまでやっていません。


以下、私のiPadにあって、しかも私が優先的に使いたい8つの辞書について、設定を挙げておきます。私が設定していない辞書アプリについては、物書堂さんの上記サイトなどを参考に、試してみてください(うまくできない場合は、メールでご相談ください)。

以下に挙げる Name と URL を、EBPocket の[設定]→[Web検索]の該当フィールドに入力すれば、使えるはずです。Name は何でもOKです。

Name:ウィズダム2(物書堂)
URL:mkwisdom2://jp.monokakido.WISDOM2/search?text=

Name:オーレックス(BIGLOBE)
URL:olexbiglobe://search?query=

Name:プログレッシブ英和中(計測技研)
URL:osw-progressiveEJ5JE4://*?k=f&q=

Name:Collins(物書堂)
URL:mkced://jp.monokakido.CED/search?text=

Name:精選日国(物書堂)
URL:mknds://jp.monokakido.NDS/search?text=

Name:大辞林(デフォルト)

Name:新明解(物書堂)
URL:mksmk7://jp.monokakido.SMK7/search?text=

Name:三国七(物書堂)
URL:mksankoku7://jp.monokakido.SANKOKU7/search?text=


「大辞林(デフォルト)」というのは、Web検索の設定に最初から設定されていたので、そのまま使っています。

また、Collinsというのは、学習英英の定番COBUILDではなく、Collins大辞典です(あまり知られていませんが)。


これで、iOS上の環境はできあがりました。EBPocketで何か検索すると、EDICT2の結果が並んだ最後に、登録したアプリの名前が並び、

1702214

と、ここまでがiOS上の動きです。これを、PASORAMA的にPC上から使うには、以前ご紹介した「Wifi Keyboard」というアプリを使います。

実は、上に挙げた8個のアプリ辞書の名前や、特にURLは、iOS上で入力しようとしたら大変です。これを設定する段階で、私は「Wifi Keyboard」を利用しました。これを使えれば、PC上でURLをコピペしてiOSに転送できるので、URLの指定もかなり楽になります。


いろいろと設定は手間かもしれませんが、ご参考までに。

12:59 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (3)

はてなブックマークに追加

2017.02.20

# EBWin4 4.4.2、「連続」と「全ての項目」の違い~国語

続いて、国語辞典ではどうなるかを紹介します。

結論から言うと、ほとんどのタイトルは前項で紹介した研究社英和大、その他と同じように動作します。

見え方が一気に変わるのが、『学研国語大辞典』です。
※残念ながら、この辞書のデータ版は入手が難しくなっています。Amazonなどで"Super日本語大辞典"を検索すると、まだときどき出回っていますが、そのままではEBWin4に載りません。変換スクリプトを使ってEPWINGデータに変換する必要があります。
参考リンク:side A: # Windows 7環境構築のまとめ - 辞書編

変換スクリプトは、EBWin4の作者のサイトにあります。
リンク:EBStudio 変換スクリプト集


『明鏡国語』を「自動検索」すると、こうなります。

「全ての項目」オフ
17022013

「全ての項目」オン
17022014

前項の英和で見たとおりの差が出ます。


次が『学研国語大辞典』です。ここでは、「完全一致」で検索しました。
「全ての項目」オフ
17022015

「連続」なので、発足、罰則、閥族、初空…… と続いています。


「全ての項目」オン
17022016

左ペインの一致候補に注目してください。
17022017
(ふだんより、ちょっと横に広げています)

お分かりでしょうか。

 はっそく【発足】

 ほっそく【発足】

というエントリに続いて、

 【発足】のシソーラス

という項目なども並んでいます。つまり、『学研国語大辞典』をEPWING化したデータは、完全一致で検索するだけでも、項目そのもののほか、シソーラス情報がヒットするということです。したがって、これを「全ての項目」表示にすると、シソーラスまで一気に表示されるわけです(通常、シソーラスがリンクになっている)。

シソーラスだけではありません。上の例ではウィンドウ外にあるので分かりませんが、実は用例も出てきます(通常、用例もやはりリンクになっている)

17022018

用例のエントリは最後に並ぶので、右ペインで下にスクロールすると出てきます。

経緯は不明ですが、『Super日本語大辞典』をEPWING化するスクリプトを作るとき、作者のhishidaさんがDDWinの「全ての項目」表示を意識してこのように作ったのかもしれません。

こういう機能が増えてみると、最近のLogoVista版タイトルをEBWin4(など)に載せられないのが、かえすがえすも残念です。

参考リンク:side A: # 翻訳者の辞書 - データ編 - 第2回

ここにも書いたとおり、『研究社 日本語表現活用辞典』、『研究社 日本語口語表現辞典』、『研究社 日本語コロケーション辞典』などは、EBWin4で使えたらずいぶん便利なのに...

05:23 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# EBWin4 4.4.2、「連続」と「全ての項目」の違い~英和・和英

EBWin4に追加された「全ての項目」表示機能は、複数の辞書を検索したときに、その内容を右ペインでまとめて表示するというのが本来の趣旨です。

が、辞書タイトルによっては、単独で使っているときでも見え方が変わるという副次的な効果もあります。

さらに、4.2.2(2/18公開)で実装された「連続表示」と「項目毎」の切り替えボタンも併せて使ってみるとどう違うのか---さっそく試してみました。

なお、使ってみるとすぐに分かりますが、「連続表示」/「項目毎」の切り替えボタンは、表示されているのが今の状態です。つまり「連続」と表示されていたら「連続」表示であり、押すと「項目毎」表示に切り替わります。「連続」を押すと連続表示になる、のではないことに注意してください。

研究社英和大 第6版

まず、研究社英和大で、「全ての項目」はオフにして、「完全一致」検索します。

「項目毎」表示
17022000

「連続」表示
17022001

「連続」にすると、footprint以降、foot pump、footrace、footrail ... と続きます。見出しごとに区切り線が入っています。

ただし、項目によっては、必要以上に区切れている場合もあるようです。

17022002

for everという成句は、なぜか用例ごとに区切れてしまいます。「項目毎」表示では情報をすべて見られていないということです。


ジーニアス英和大

すでに書いたように、残念ながらG大は項目区切りにバグがあります。「項目毎」では必要な情報すらろくに表示されません。

17022004

必ず「連続」表示にしてください。

17022005


研究社和英大 第5版
ランダムハウス 第2版
リーダーズ 第3版(LV)
リーダーズ 第2版
うんの V5
英和中辞典 第7版
斎藤和英
COBUILD
OED 2
WordNet

主立ったタイトルはいずれも、英和大と同じ動作です(変な区切れはなさそうです)。なお、LVと書いたのはLogoVista版、※は、オリジナルデータEPWING変換したデータです。

「全ての項目」をオンにすると、「連続」/「項目毎」の状態にかかわらず、左ペインでヒットした項目すべてを対象にして「全ての項目」が表示されます。

したがって、「全ての項目」で表示される結果は、検索方法によってもだいぶ変わってきます。いろいろ試してみていただきたいと思いますが、ここでは、「リーダーズ2+プラス」で "required" を「自動検索」した結果だけ示しておきます。

「自動検索」、「連続」、「全ての項目」オフ

17022006

ヒットするのは13項目。いちばん上の NCR を選択すると、
【米】 National Cash Register Company; no carbon required.
がヒットしますが、その後に続いているのは、NCSA、NC-17、NCT... などです。NCRの語義にはたしかにrequiredが含まれていますが、それ以降はただ "辞書の上で後に続く項目" が表示されているにすぎません。左ペインでヒットしている2番目(req.)、3番目(reqd)、4番目(a required subject)は、それぞれをクリックしないと表示されないわけです。

17022007


「自動検索」、「連続 or 項目毎」、「全ての項目」オン

17022008

こうすると、ヒットした13項目がずらっと並びます。「全ての項目」を単独の辞書タイトルで使ったときの機能、これでだいぶはっきりしたのではないでしょうか。


したがって、「全ての項目」表示は、研究社和英大辞典を逆引きするときなどに、絶大な威力を発揮します。

「自動検索」、「項目毎」、「全ての項目」オフ

17022009

「自動検索」、「連続」、「全ての項目」オフ
17022010

「自動検索」、「連続 or 項目毎」、「全ての項目」オン
17022011

検索語(この例ではexcited)が強調表示されているので、よく見比べてください。"exciteを和英で逆引きして訳語の手がかりを探す" という使い方なら、このような一覧を得られるのがいちばんうれしいはずです。

ちなみに、この「全ての項目」表示にあたる機能は、DDWinにもあるようです。Jamming/Logophile にはありません。

今回、「全ての項目」機能が実装されたことで、EBWin4は大きく進化したと断言できます。

ここで、この検索結果をもっと有効に使う方法をご紹介しておきます。

「全ての項目」オンで検索したら、
・[ファイル]→[印刷]、または Ctrl+P
・右ペインのどこかを右クリックして[印刷]
をクリックすると、結果を印刷できます。

このとき、紙に印刷するのではなく「PDFに出力」することができれば、検索結果をPDFとしてストックすることもできます。

17022012


04:42 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

# EBWin4が、4.4.2にアップデート

先週、EBWin4に追加された「全ての項目」表示機能をご紹介し、それにあわせて、以前からあった「連続表示」のことも書きました。

参照リンク:side A: # EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1

参照リンク:side A: # EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その2


そのときも書いたとおり、「連続表示」の設定は[ファイル]→[設定]を開いてオン/オフを切り替える必要がありました。おおむね「連続表示」のほうが使いやすいので、今までは、恒常的な設定で特に不自由はありませんでした(G大のように、「連続表示」にしないと使い物にならないタイトルもありましたし)。

が、「全ての項目」表示を使いこなすには、「連続/項目ごと」もインターフェース上で切り替えられたほうがいいと思ったので、作者のhishida様にリクエストしてみました(辞書名フィールドが広がったためツールバーが見えなくなる、というバグもあったので)。

そうしたら、わずか1週間で対応してくだり、バージョン4.2.2が公開されました。

リンク:EBWin4

hishida様、ありがとうございます!

02:34 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.14

# こそあど、~という、~こと、~ている - WildLightの活用例

Facebookの投稿で見かけたんだと思いますが、こんな記事を見つけました。

リンク:アフィリエイトの外注記事の品質を上げるための文章チェックマーカー(自作ツール紹介) - Webライターとして生きる


「~というもの」「~というのは」「~ということ」

「など」「たり」

「こと」「もの」「それ」「これ」

こういう言葉は、つい多用してしまうので、自分でブラウザベースのチェックツールを作ってみた、という記事です。


たしかに、ついつい使って「こと」だらけになったり、指示語が続いたりすることはよくあります。


この方のツールを使ってもいいのですが、テリーさんのWildLightでも、定義ファイルを作ればもちろん可能です。

実は、私自身も気になって、しばらく前に定義ファイルを作ってみたところです。

サンプルを示します。
ワイルドカードも何も指定しない、ごくシンプルなリストです。

----------サンプル始まり----------
' HColor:色番号,検索語
' 検索語を検索し、色番号で指定された蛍光ペン色を付けます。
' (検索語のみ指定色になる)
' [色番号]:01:緑, 02:明緑, 03:青緑, 04:濃青, 05:青, 06:水, 07:
' 桃, 08:紫, 09:濃い赤, 10:赤, 11:濃黄, 12:黄, 13:白, 14:25%灰,
' 15:50%灰, 16:黒, 17:蛍光ペンなし

WILDCARD:ON
HColor:02,そう
HColor:02,それ
HColor:02,その
HColor:02,そんな
HColor:06,こう
HColor:06,これ
HColor:06,この
HColor:06,こんな
HColor:07,こと
HColor:07,もの
HColor:12,という
HColor:14,てい
HColor:14,ており
----------サンプル終わり----------

指示語のうち、入れてあるのは「こ」系と「そ」系だけ。「あ」系と「ど」系は自分の翻訳であまり使うことがないため。「こ」系・「そ」系でも「ここ、そこ」「こっち、そっち」を入れていないのも、同じ理由。

上のサンプルをテキストファイルに貼って保存し、WildLightが参照するフォルダに入れてやれば、ほーら、あなたもWildLightユーザーの仲間入り :)

自分のクセと思える言葉を追加していけば、カスタム辞書ができあがります。


ちなみに、ワイルドカードを使えば、「の」の複数連続、みたいな箇所も検索できるようになります。

06:09 午後 翻訳・英語・ことば, 翻訳者のPCスキル | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.12

# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その2

さて、新機能の「全ての項目の表示」です。

ひと言で言うと、検索結果一覧(左ペイン)に表示されている項目を、右ペインですべて表示するという機能です。したがって、前エントリで書いた[連続表示]のオン/オフと検索方法によって、「全ての項目の表示」の働きはだいぶ違った印象になります。以下、いろいろなパターンをやってみます。

・[連続表示]オフ
・辞書ひとつだけを選択
・[完全一致]

これだと、ヒットする項目がひとつだけなので、何も差が出ません。

[全ての項目]表示がオフのとき。
17021281
(スクリーンショットは、クリックで拡大できます。以下同様)

[全ての項目]表示がオンのとき。
17021282


区切り線の違いだけです。


・[連続表示]オフ
・辞書ひとつだけを選択
・[前方一致]

検索方法を[前方一致]に変えると、3つの項目がヒットします。今までは、

17021291

このように、ヒットした項目をクリックすると、その項目の内容だけが右ペインに表示されていましたが、[全ての項目]表示をオンにすると、

17021292

このように3つの項目がすべて表示されるようになります。


・[連続表示]オン
・辞書ひとつだけを選択
・[前方一致]

今度は、前エントリで説明した[連続表示]をオンにしてみます。この場合、[連続表示]の機能によって、検索項目だけでなくそれ以降の項目まで表示されるので、[全ての項目]表示をオンにしても、すぐには差がわかりません。

[全ての項目]表示オフ
170212101


[全ての項目]表示オン
170212102


よく見ると、画面右端のスクロールバーが違います。[連続表示]がオンなので、[全ての項目]表示がオフのときは、下にスクロールしていくと先をいくらでも読めます。[全ての項目]表示をオンにすると、ヒットした3つの項目だけになります。


・[連続表示]オフ
・複数の辞書を選択(串刺し)
・[完全一致]または[前方一致]

新機能「全ての項目の表示」がいちばん威力を発揮するのが、おそらくこの使い方です。

[全ての項目]表示オフ
170212111


[全ての項目]表示オン
170212112


このように、

複数の辞書で違いを見たい

ときに、実に便利です。

この状態で「本文内検索」(Ctrl+F)すれば、

170212121

目的の情報を細かく調べらることができます。

ちなみに、このスクリーンショットの例は、「~次第」という接尾語は、「連絡し次第」のように動詞連用形に付けるのが正しいはず、と思って引いたら、名詞に付ける俗語法もある、ということが『明鏡国語』に書いてあったという例です。

06:58 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1

このブログでも、各種のセミナーや記事でもご紹介しているEBWin4は、汎用辞書ブラウザとしては唯一、今でも着実にアップデートを続けている貴重な存在です。

リンク:EBWin4

そのEBWin4が、また大きく進化しました(最新バージョン、4.4.1)。

・全ての項目の表示(海野文男氏・海野和子氏開発協力)
・複合検索ダイアログをモードレス化

特に「全ての項目の表示」は、いろいろとおもしろい使い方ができそうです。

ただし、その話をする前に、今までにもあった2種類の表示モードのことを書いておくほうがよさそうです。これに気づいていない人もいたかもしれないので...。

EBWin4をお持ちの方は(最新版でも、それ以前のバージョンでも)、[ファイル][設定]ダイアログを開いてみてください。

1702121
(スクリーンショットは、クリックで拡大できます。以下同様)

[一般]タブに、[連続表示]というオプションがあるのはご存じだったでしょうか。同じオプションは、Jammingにもありました。何か辞書を開いて、このオプションのオン/オフを切り替えてみてください。

たとえば『研究社 英和大辞典』の場合、[連続表示]がオフだとこうですが---

1702122

[連続表示]をオンにすると、こうなります。

1702123

つまり、紙の辞書を見ているように、前後の内容まで見渡すことができるわけです。

EBWin4の作者、hishidaさんのブログによると、

EPWINGはもともと「電子書籍」を目指しており、一冊の本、または巻物のように、最初から最後まで通読できるようになっている。このため、EPWINGの公式ビューアであるCDView(富士通)、Viewing(イースト)、こととい(岩波書店)では、基本的に連続表示を行うようになっていた。

のだそうです。

ついでに言うと、画面下にある ▽ △ ボタン(または、[Alt +↓]、[Alt +↑])を押すと、連続表示した状態で前後に移動できます。これも、紙の辞書の前後を眺める感覚でしょう。


私たち翻訳者のふだんの使い方ではあまり必要ないように思えますが、そうとも限りません。同じブログに、こう書いてあります。

ただしEPWINGには項目の区切りという概念がないので、ソフトウェアで何の識別子を項目の区切りにするかを決定しないといけない。これはたぶんUnix上のEPWING検索システムや、DDWinのようなサードパーティ製のEPWINGビューアで出てきた概念だと思う。

この区切り設定のせいだと思いますが、『ジーニアス英和大辞典』で[連続表示]をオフにすると、最小限(下手をするとそれ以下)の情報しか出てきません。

1702124

[連続表示]をオンにしてようやくこうなります。

1702125

なんだか、G大は、やたらと「項目の区切り」が細かいようです。ほかの辞書は、ここまでではありません。ちなみに、私のG大はEPWING版で、LogoVista版については未確認なのですが、Amazonのレビューなどを見ると、版元のデータ構造をそのまま受け継いでいるため、LogoVista版でも同様ということです。

この区切りがどこにあるかは、[ファイル]→[設定]の同じ[一般]タブで、[区切り線]オプションをオンにするとはっきり分かります。

1702126

ふつうは、このCOBUILDのように単語ごとに区切りが入っていますが、G大になると

1702127

このように、うるさいくらい線が入ってしまいます(うるさいのはG大だけ。G大はJammingのほうでひくことがほとんどなので、私は[区切り線]オプションを通常オンにしています)。

そして、今回のバージョンで追加された新機能「全ての項目の表示」は、[連続表示]を使っていないほうが実感できるようです。

ということで、記事を改めます。

04:17 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.10

# 「翻訳に活かすSimplyTerms」 - レッスンシリーズ第5弾

開催間近となってしまいましたが、翻訳フォーラム・レッスンシリーズの第5弾についてお知らせします。


レッスンシリーズでは初となる、ツール系のお話。翻訳者支援ツール「SimplyTerms」のことを、作者である井口耕二さんご自身が解説します。

リンク:「翻訳に活かすSimplyTerms」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#5) in東京 - パスマーケット


さて、SimplyTermsって、どんなツールなんでしょうか。

すぐ上で、私は「翻訳支援ツール」ではなく「翻訳者支援ツール」と書きました。私にとってのSimplyTermsの位置付けは、まさにこの呼び方に凝縮されています。

ExcelやPowerPointからの原文抜き出し、表記の統一、用語の置換、改行取り、常用漢字のチェック...
(レッスンシリーズ案内ページより抜粋)


いわゆる「翻訳支援ツール」は最近ますます、(翻訳ベンダーやクライアント企業における)「大きい翻訳フローの支援」を主眼とするプラットフォームになりつつあります。「翻訳支援」という名前と現状の乖離は、広がるばかりです。

それに対し、SimplyTermsはちゃんと「翻訳者を支援」します。

詳しくは、SimplyTermsのサイトをご覧ください。

リンク:Translation Tools:翻訳支援環境 SimplyTerms

1702101


ここからは、帽子屋の私見が入ります。

一番の違いは、SimplyTermsが

ブラックボックスになっていない

ことにあるのだろうと思います。SimplyTermsが扱うのは、主にOffice系のファイル(Word、Excel、PowerPoint)やPDF、そしてテキストファイルです。プログラムで使われているマクロや定義ファイルも、すべてテキストベース。

だから、どんな機能が、どんな定義を使って、どんな処理をしているかが分かるわけです。ということは、何かトラブルが起きても対処しやすい。マクロでも定義ファイルでも、加工がしやすい。

ひるがえって、現在の「翻訳支援ツール」、たとえばTradosは、Studioプラットフォームになってから一気にブラックボックス化が進み、よほど熟練しないと、どんなファイルでどんな処理が進んでいるかまったく分からない(Trados 2007までのレガシーは、まだマシでした)。翻訳者個人もしばしばトラブルに見舞われるし、下流の工程でもそれは同じ。

そうなると、使用者は「ツールを使う」のではなく、どんどん「ツールに使われる」ようになってしまいます。


そういうわけで、SimplyTermsは、

★今までツールを使ってこなかった人

にも導入しやすいと思いますが、それ以上に「ふだんからツールを使っているつもりで、実は使われている気がする」人が、いま一度「翻訳者にとって本当の意味で支援環境になるツールとは何か」を見直す契機にもなるはずです。

そして、SimplyTermsについて公式に作者自身が解説してくれるのは、2009年以来、実に8年ぶり。

この機会にぜひ、SimplyTermsに触れてみてください。

10:40 午後 翻訳・英語・ことば | | コメント (0)

はてなブックマークに追加

2017.02.08

# 『翻訳事典 2018年度版』

刊行から2週間近く経ってしまいましたが、今年もアルクさんの『翻訳事典』の季節がやってまいりました。

今年は、例年にもまして読み応えのある内容になっています。編集長・佐藤直樹さんの企画力の成果ですね。


翻訳者をめざしている方には、p.41からの「翻訳者になりたい人のための8つのドア」がおすすめです。


DOOR 1「翻訳者になるためには まず何をすべきか?」

DOOR 2「専門分野はどうやって選べばいいか?― 治験翻訳を例にして」

DOOR 3「仕事はどうやって獲得すればいいのか?」

DOOR 4「発注者(エージェント、出版社、製作会社)とどう付き合うか?」

DOOR 5「脱サラで翻訳者になることを考えたらすべきこと」

DOOR 6「プロに必要な日本語力は どうしたら身につくか?」

DOOR 7「機械翻訳で翻訳者の仕事はなくなるのか?」

DOOR 8「翻訳者がそろえるべき辞書、知っておくべき調べ物の方法とは?」

特に、これから翻訳の世界をめざしたいという人にとっては、これだけの情報がまとまっているというのは、すばらしい構成です。

しかも、DOOR1、3、4については、複数の分野(出版、実務、映像など)の翻訳者が執筆しているので、どの分野をめざす人にも役立ちます。

私は、DOOR 1 の実務編を書きました。見開きの反対側には、越前敏弥さんが並んでいます。ちょっとうれしい。


もちろん、現役翻訳者が読んでうれしい記事も満載です。

巻頭「特別企画」には、翻訳勉強会「十人十色」が開催した柴田元幸氏の講演録が載っています。扉を除いて全8ページ。当日の内容がほとんどそのまま読める感じで、圧巻です。

もう1本の特別企画は、昨年のJTFセミナーにご登壇くださった村井章子さんのセミナーレポート。こちらも5ページたっぷり使ってあり、参加できなかった私にはたいへんありがたい内容。

p.29からは、昨年5月の翻訳フォーラム・シンポジウムも大々的に取り上げていただきました。


最近の『翻訳事典』、本当に充実していると思います。


あ、そうだ。表記は「翻訳辞典」ではなく

「翻訳事典」

です。誤表記も多いそうなので、お間違えなく :)

12:55 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (2)

はてなブックマークに追加

2017.02.01

# 「東洋文庫」の作品リストを作ってみた

前のエントリでご紹介したジャパンナレッジ、百科事典や辞典だけではなく、他のコンテンツもかなり充実しています。

1702011

私が特に気になったのが、「平凡社 東洋文庫」です。

皆さんもご存じのとおり、モースやアーネスト・サトウの日記、『東方見聞録』、『和漢三才図会』など、いろんなところで引用元として出てくる資料がずらーっと並んでいます。

ジャパンナレッジには、現時点で700冊近くが収録されていて、入会していればそれがぜんぶ読める! そんなヒマはあるのか!!


でも、東洋文庫っていったい、どんな作品が入っているのか、全貌がつかめません。ジャパンナレッジのサイトに「搭載タイトル一覧」というリンクはあるのですが、解説も付いているので1ページあたり12タイトルずつしか表示されず、一覧性がありません。本家・平凡社のサイトにもないようですし、検索してもそのようなまとめはありません。

しかたがないので、自分で作ってみました。Facebookで聞いてみる、需要もありそうなので、公開することにします。

東洋文庫リスト
(クリックするとダウンロードされます)

ただし、おそらく完全には網羅されていないはずです。

このリストをどうやって作ったかというと、元データはebookjapanのサイトから取得しました(検索結果)。検索結果は674件で、27ページにまたがっていますが、Chromeの拡張機能「Autopagerize」を使うと、この27ページをすべて1ページとして読み込むことができます。そのHTMLソースを開いて適当に加工しただけです。

書名を、ジャパンナレッジで検索してみてください。

ただ、自分でも実際にいくつか開いてみたのですが、専用インターフェースの動きが、ちょっともっさりしてますね。スキャンデータも、作品によってバラツキがあるかもしれません。じっくり読みたければ製品版を買ってね、ということかもしれません。そういう見せ方、アリだと思います。

ついでに、検索機能をいろいろ使ってみましたが、辞書を検索できるのと同じように、東洋文庫をはじめとする全コンテンツを検索できるのですね。

全文検索

もできるし、「詳細(個別)検索」機能を使えば、AND/OR 演算子も使えます。

ためしに「スパム」を引いてみましたが、『イミダス』や『デジタル大辞泉』を中心に、かなりいろいろな用語が載っていました。新語の収録、かなりがんばってます。

しかも、『イミダス』、『デジタル大辞泉』、『現代用語の基礎知識』などは、実は見出し語に

英語も併記

してあるので、英和のリファレンスとしても使えます。これはなかなか便利。『イミダス』とか『現代用語の基礎知識』とか、今まであまり翻訳時の参考資料とは見なしていなかったので、これも新たな発見です。、


ダウンロードできるExcelファイルには、おまけとして、「JKコンテンツ」というシートもあります。

個人で入会するとき、JKパーソナルという基本コースのほか、JKパーソナル+Rというのがあって、月額は1,000円ほど、年額だと5,000円プラスすると、使えるコンテンツが増えます。そのコンテンツ一覧です。

C列に「R」とあるのが、JKパーソナル+Rでのみ使えるコンテンツ。これはこれで気になるのですが、ひとまず私はなくてもいいかな、と。

12:24 午後 翻訳・英語・ことば, 書籍・雑誌 | | コメント (1)

はてなブックマークに追加