# EBWin4の新機能「全ての項目」表示~その1
このブログでも、各種のセミナーや記事でもご紹介しているEBWin4は、汎用辞書ブラウザとしては唯一、今でも着実にアップデートを続けている貴重な存在です。
リンク:EBWin4
そのEBWin4が、また大きく進化しました(最新バージョン、4.4.1)。
・全ての項目の表示(海野文男氏・海野和子氏開発協力)
・複合検索ダイアログをモードレス化
特に「全ての項目の表示」は、いろいろとおもしろい使い方ができそうです。
ただし、その話をする前に、今までにもあった2種類の表示モードのことを書いておくほうがよさそうです。これに気づいていない人もいたかもしれないので...。
EBWin4をお持ちの方は(最新版でも、それ以前のバージョンでも)、[ファイル]→[設定]ダイアログを開いてみてください。
[一般]タブに、[連続表示]というオプションがあるのはご存じだったでしょうか。同じオプションは、Jammingにもありました。何か辞書を開いて、このオプションのオン/オフを切り替えてみてください。
たとえば『研究社 英和大辞典』の場合、[連続表示]がオフだとこうですが---
[連続表示]をオンにすると、こうなります。
つまり、紙の辞書を見ているように、前後の内容まで見渡すことができるわけです。
EBWin4の作者、hishidaさんのブログによると、
EPWINGはもともと「電子書籍」を目指しており、一冊の本、または巻物のように、最初から最後まで通読できるようになっている。このため、EPWINGの公式ビューアであるCDView(富士通)、Viewing(イースト)、こととい(岩波書店)では、基本的に連続表示を行うようになっていた。
のだそうです。
ついでに言うと、画面下にある ▽ △ ボタン(または、[Alt +↓]、[Alt +↑])を押すと、連続表示した状態で前後に移動できます。これも、紙の辞書の前後を眺める感覚でしょう。
私たち翻訳者のふだんの使い方ではあまり必要ないように思えますが、そうとも限りません。同じブログに、こう書いてあります。
ただしEPWINGには項目の区切りという概念がないので、ソフトウェアで何の識別子を項目の区切りにするかを決定しないといけない。これはたぶんUnix上のEPWING検索システムや、DDWinのようなサードパーティ製のEPWINGビューアで出てきた概念だと思う。
この区切り設定のせいだと思いますが、『ジーニアス英和大辞典』で[連続表示]をオフにすると、最小限(下手をするとそれ以下)の情報しか出てきません。
[連続表示]をオンにしてようやくこうなります。
なんだか、G大は、やたらと「項目の区切り」が細かいようです。ほかの辞書は、ここまでではありません。ちなみに、私のG大はEPWING版で、LogoVista版については未確認なのですが、Amazonのレビューなどを見ると、版元のデータ構造をそのまま受け継いでいるため、LogoVista版でも同様ということです。
この区切りがどこにあるかは、[ファイル]→[設定]の同じ[一般]タブで、[区切り線]オプションをオンにするとはっきり分かります。
ふつうは、このCOBUILDのように単語ごとに区切りが入っていますが、G大になると
このように、うるさいくらい線が入ってしまいます(うるさいのはG大だけ。G大はJammingのほうでひくことがほとんどなので、私は[区切り線]オプションを通常オンにしています)。
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そして、今回のバージョンで追加された新機能「全ての項目の表示」は、[連続表示]を使っていないほうが実感できるようです。
ということで、記事を改めます。
04:17 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | URL
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