# 『精選版 日本国語大辞典』と、ジャパンナレッジ
さて、問題です。
国語辞典の『広辞苑』や『大辞林』は、大型・中型・小型で分けると、どれに分類されるでしょう。
答えは「中辞典」です。国語辞典で「大辞典」と言われているのは、
だけなんですね。
通称「日国」。
初版が全20巻で45万項目・75万用例を収録。現行の第二版は全14巻(本巻13、別巻1)で50万項目・100万用例を収録と、英語圏のOEDに匹敵する、文字どおりの大辞典です。
図書館ならともかく、私たちのような個人が手元にそろえるのは、ちょっと無理というもの。
そこまでの国語大辞典を頼りたい場面というのはそう多くはないかもしれませんが、もちろん、電子的に利用する方法はあります。
KODなどと比べるとけっして安くはないのですが、ジャパンナレッジというサイトです。
リンク:ジャパンナレッジ
収録コンテンツを見るとわかりますが、使えるのは「日国」だけではありません。
『日本大百科全書(ニッポニカ)』、『改訂新版 世界大百科事典』、『デジタル大辞泉』などの百科事典
『小学館 全文全訳古語辞典』、『字通』、『日本方言大辞典』などの国語辞典系
『ランダムハウス英和大辞典』、プログレッシブ英和中辞典』(第5版)、『COBUILD英英辞典』などの英語系
などなど、かなりのコンテンツがそろっています。たしかに、辞書サイトというより「ナレッジ」サイト。
これだけあれば納得できる会費とも言えるのですが、個人の基本コースでも
月額 1,620円
年額 16,200円(2カ月分お得)
と、かなりいいお値段です。私もしばらく悩んでいましたが、思い切って入会しました。
そしたら、もう明日(1/31)までなのですが、紹介キャンペーンをやってまして---
明日までに入会すれば、月払いでも年間契約でもだいぶお得になるようです。
もし、紹介キャンペーンを使いたい方は、こちらのURLを使っていただけると、ちょっとうれしかったりします。
http://japanknowledge.com/camp/mgm/?km=1105332
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本体は全14巻もある「日国」ですが、さすがに利便性を考えて簡約版が、かつて出ていましたし、現在も出ています。
1981年に出たのが、「小学館国語大辞典」という1巻本(25万項目)。
これの電子データ版と思われるコンテンツ「国語大辞典(新装版)」が、かつてマイクロソフトの Bookshelf 2.0 に収録されていました。
参考記事:side A: # カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf
そして、今も出ているのが『精選版 日本国語大辞典』(以下、「精選」)です。
30万項目・約30万用例を収録するほか、「日国」にない新項目が約1,500項目・約5,000用例追加されています。
書籍版は全3巻で45,000円ですが、最近は電子データもだいぶ出回っています。
まっ先に採用されたのは、電子辞書端末でした。カシオが、3年ほど前のモデル XD-N10000 に採用し、続いてセイコーインスツルもDAYFILERの最上位機種 DF-X10001 に採用したので、今でもそれをお使いの方は多いでしょう。
昨年の今ごろはATOKの最新版に「精選」が載って話題になりました(このとき、新機能「イミクル」も盛り上がりましたが、その後はあまり話を聞きませんね...)。
そして、先日なんとiOSアプリ辞書も出ました。iOSアプリ辞書で定評のある物書堂さんです。
こちらも、明日(1/31)までなのですが、発売記念セールを実施していて、定価7,800円のところ、4,800円で買えます。
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では、本家「日国」と精選版とはどう違うのでしょうか。
いちばんの違いは、用例の数です。精選版にも必要最小限の用例は載っていますが、日国の用例の多さには圧倒されます。
そのほか、「日国」だと方言や語源といった情報も楽しめます。
翻訳していて、直接の役に立つかどうかは分かりません。が、やはり自分の母語について、これだけ詳しい情報を利用できるというのは、ありがたいものです。
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