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2017.01.30

# 『精選版 日本国語大辞典』と、ジャパンナレッジ

さて、問題です。

国語辞典の『広辞苑』や『大辞林』は、大型・中型・小型で分けると、どれに分類されるでしょう。


答えは「中辞典」です。国語辞典で「大辞典」と言われているのは、

小学館『日本国語大辞典』

だけなんですね。

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通称「日国」。

初版が全20巻で45万項目・75万用例を収録。現行の第二版は全14巻(本巻13、別巻1)で50万項目・100万用例を収録と、英語圏のOEDに匹敵する、文字どおりの大辞典です。

図書館ならともかく、私たちのような個人が手元にそろえるのは、ちょっと無理というもの。


そこまでの国語大辞典を頼りたい場面というのはそう多くはないかもしれませんが、もちろん、電子的に利用する方法はあります。



KODなどと比べるとけっして安くはないのですが、ジャパンナレッジというサイトです。

リンク:ジャパンナレッジ


収録コンテンツを見るとわかりますが、使えるのは「日国」だけではありません。


『日本大百科全書(ニッポニカ)』、『改訂新版 世界大百科事典』、『デジタル大辞泉』などの百科事典

『小学館 全文全訳古語辞典』、『字通』、『日本方言大辞典』などの国語辞典系

『ランダムハウス英和大辞典』、プログレッシブ英和中辞典』(第5版)、『COBUILD英英辞典』などの英語系

などなど、かなりのコンテンツがそろっています。たしかに、辞書サイトというより「ナレッジ」サイト。

これだけあれば納得できる会費とも言えるのですが、個人の基本コースでも

月額 1,620円
年額 16,200円(2カ月分お得)

と、かなりいいお値段です。私もしばらく悩んでいましたが、思い切って入会しました。


そしたら、もう明日(1/31)までなのですが、紹介キャンペーンをやってまして---

お友達紹介キャンペーン 告知

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明日までに入会すれば、月払いでも年間契約でもだいぶお得になるようです。

もし、紹介キャンペーンを使いたい方は、こちらのURLを使っていただけると、ちょっとうれしかったりします。

http://japanknowledge.com/camp/mgm/?km=1105332

本体は全14巻もある「日国」ですが、さすがに利便性を考えて簡約版が、かつて出ていましたし、現在も出ています。

1981年に出たのが、「小学館国語大辞典」という1巻本(25万項目)。

これの電子データ版と思われるコンテンツ「国語大辞典(新装版)」が、かつてマイクロソフトの Bookshelf 2.0 に収録されていました。

参考記事:side A: # カシオXD-N10000 - 『日本国語大辞典』とBookshelf


そして、今も出ているのが『精選版 日本国語大辞典』(以下、「精選」)です。

30万項目・約30万用例を収録するほか、「日国」にない新項目が約1,500項目・約5,000用例追加されています。

書籍版は全3巻で45,000円ですが、最近は電子データもだいぶ出回っています。

まっ先に採用されたのは、電子辞書端末でした。カシオが、3年ほど前のモデル XD-N10000 に採用し、続いてセイコーインスツルもDAYFILERの最上位機種 DF-X10001 に採用したので、今でもそれをお使いの方は多いでしょう。

昨年の今ごろはATOKの最新版に「精選」が載って話題になりました(このとき、新機能「イミクル」も盛り上がりましたが、その後はあまり話を聞きませんね...)。

そして、先日なんとiOSアプリ辞書も出ました。iOSアプリ辞書で定評のある物書堂さんです。

物書堂 精選版 日本国語大辞典

こちらも、明日(1/31)までなのですが、発売記念セールを実施していて、定価7,800円のところ、4,800円で買えます。

では、本家「日国」と精選版とはどう違うのでしょうか。

いちばんの違いは、用例の数です。精選版にも必要最小限の用例は載っていますが、日国の用例の多さには圧倒されます。

そのほか、「日国」だと方言や語源といった情報も楽しめます。

翻訳していて、直接の役に立つかどうかは分かりません。が、やはり自分の母語について、これだけ詳しい情報を利用できるというのは、ありがたいものです。

11:13 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (2)

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2017.01.27

# 『辞書力を鍛える』、余談

前の記事で紹介した本、『『辞書力を鍛える - あなたの英語を変える快適辞書活用術』で、いちばん時代を感じたのが、

12冊の「ポケット判英和」を比較・検証する

という項(p.232~)でした。

新世紀幕開けと前後して、新しいポケット判英和辞典が相次いで刊行され、この分野は俄然活気を帯びてきた。

もちろん、紙の辞書の話です。

この本が出た2002年当時には、まだ紙の携帯版辞書というものに、これだけ需要があったんですね。この後まもなく電子辞書が主流になっていったので、「俄然活気を帯びてきた」のって、ほんの一瞬だったのだろうと思います。

で、この項に挙げられた辞書が今はどうなっているのか、気になって調べてみました。


取り上げられていた12冊は、次のとおり。

『エクシード英和辞典』(三省堂、1998年、12万)
『ポケットプログレッシブ英和辞典』(第2版、小学館、2001年、8万5千)
『パーソナル英和』(学研、2000年、8万)
『インフォワード英和辞典』(ベネッセ、1999年、8万)
『カスタム英和辞典』(研究社、2000年、8万)
『カラーエポック英和辞典』(旺文社、1999年、8万)
『デイリーコンサイス英和辞典』(第6版、三省堂、1997年、7万7千)
『角川モバイル英和辞典』(角川書店、2000年、6万5千)
『カラーパックス英和辞典』(講談社、1995年、6万4千)
『デイリーニューフォニックス英和辞典』(三省堂、1995年、3万7千)
『プチパル英和辞典』(小学館、1999年、1万9千)
『デイリーハイスクール英和辞典』(三省堂、1998年、1万8千)

ちなみに、「ポケット版」というのは新書サイズとほぼ同じ、おおむね16 x 10cm前後の判型を指します。厚さはいろいろ。


それぞれ、こんな行く末をたどっていました。


『エクシード英和辞典』は、第2版(2004/03)まで出たようです。


『ポケットプログレッシブ英和辞典』は、第3版が2008年なので、かなり後まで健闘した模様。


『インフォワード英和辞典』は、初版だけで力尽きました。どうりで、見たことのない名前。


『カスタム英和辞典』、『カラーエポック英和辞典』、『角川モバイル英和辞典』、『デイリーニューフォニックス英和辞典』、『プチパル英和辞典』、『デイリーハイスクール英和辞典』も、いずれも初版だけで、後は続かなかったようです。

これなどは、なかなかおしゃれなデザインですが、角川の英和辞典というのは、どんなもんでしょうね。いかにもブーム便乗商品だったのかも。

こちらは講談社で、見かけはパッとしませんが、定評のあった川本茂雄の『講談社英和辞典』を受け継いでいたようです。


『デイリーコンサイス英和辞典』は、最新が2016年の第9版と、今でも立派に現役です。さすが、『袖珍英和辞典』の末裔です。


そして、12冊のうちでいちばん見事な商品展開で生きのびている、と思ったのが『パーソナル英和』です。

本家の『パーソナル英和』としては第2版(2003/03)までしか続きませんでしたが、今ではなんと、

あるいは

そして、

こんな形でその名を残しているのでした。

『ポケットプログレッシブ』も、第2版にはピーターラビット版、第3版にはハローキティ版とか、そんな展開もあったんですね。

あ、ポケット判で思い出した。大学のとき、通学中にはもっと小さい辞書を持ち歩いてました。

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(ヤフオクにしか、写真がなかった...)

新書よりさらに小さいサイズでした。

12:07 午前 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.01.26

# 『辞書力を鍛える - あなたの英語を変える快適辞書活用術』

辞書について、久しぶりにおもしろい本を読みました。

といっても、新しく出た本ではありません。初版が2002年と、紙の辞書の存在感が今よりはまだ大きかった時代の発行です。

その証拠に、読みはじめるとすぐ、こんな記述に出くわします。

手元にある自分の辞書にあまり連結(引用者注:コロケーションのこと)情報が載っていない場合はどうすればいいのだろうか。もちろん,別の辞書に買い換えるのも1つの手であるが,その前に,該当ページの余白に学習した連結を書き込む習慣をつけることを勧めたい。

辞書に書き込みする!

やってましたよね? 私も、恩師のもとで使っていた辞書(英和中辞典~現代英和辞典)には、引くたびにチェックマークを付け、いろいろとメモも書き込んだものでした。

関連記事:side A: # 辞書の記憶をたどってみた

この箇所を読んだだけで、きっと面白い本に違いないと直感しました。

そして、そのすぐ後に出てくるのが、「パラフレーズ思考」と「ループ思考」という本書のキーワード。

詳しくは、ぜひ読んでいただきたいのですが、英和、和英、英英のどの辞書についても、パラフレーズということの重要性が繰り返し出てきます。

考えてみれば、英英辞典というのは、的確なパラフレーズの集大成であり、各辞書の個性とは、そのパラフレーズのしかたの違いにほかなりません。それを意識して使えば、意味を知りたいときでも、自分で英語を書くときでも(本書は、「英語の発信」という言い方で、英語ライティングも重視しています)、英英辞典の語義の見え方が大きく違ってきます。

品詞やコロケーション、コンテキストの理解が重要であるということも、もちろん説明されています。あるいは、「動詞型のチェック: 最長一致の法則」という項には、こんな例文が出てきます。

They call on the state to educate police about domestic violence.

call onだけ調べていたのではダメで、call on ... to ... という成句を考えなければいけない。当たり前の話だとお思いでしょうが、いろいろな答案を見ていると、意外と引っかかる人が多いポイントです。

この例でもわかるように、具体例は大学受験から学部生くらいまでに適した内容なのだろうと思いますが、翻訳者として、自分の

辞書の読み方を見直す

にも適した一冊だと思います。

目次

第1章 ここから見直す英語辞書の活用法
 ・基本的活用法(でも知らないことも多いはず)
 ・歩進める英語辞書活用法
第2章 ここまでできる!各辞典に見る意外な活用法
 ・英和辞典の意外な活用法
 ・和英辞典の意外な活用法
 ・英英辞典の意外な活用法
 ・その他の書籍辞書の意外な活用法
 ・電子辞書はこんなふうに使ってみよう
第3章 辞書紹介と比較
 ・英和辞典はこれを見よ
 ・和英辞典はこれを見よ
 ・英英辞典はこれを見よ

COBUILD などで使われている文定義(かならず、文で語義を書く)がなぜ優れているのか、各種の英和学習辞典はそれぞれどんな特徴があるのか、辞書を選ぶときに何を目安にすればいいのか、などなど、改めて気づかされることは多いはずです。

第3章は、取り上げられているラインアップが今とだいぶ違うので、直接の参考にはなりませんが、英英ご三家(Longman、OALD、COBUILD)の違いなどは、今でも有効です。『ジーニアス英和大辞典』が出た直後の出版なので、G大がいかに画期的な辞書だったかも、よくわかります。

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ただし、Weekly Asahi連載だったいうこともあって、「辞書の引き方を基本から体系的に説明している」わけではない点に注意してください。むしろ、ある程度は辞書を使いこなしているつもりになっている、くらいのレベルの方におすすめ。つまり、私たち翻訳者にぴったりということ。

もちろん、書かれている内容はどうしても古くなるわけですが、その古さが、逆にいま読むとおもしろかったりもします。

私たちがいまお世話になっているような環境については、DDWINしか紹介されていませんが、こう書かれています。

まずDDWINというフリーソフトをインターネットからダウンロードする(たとえば、ベクターのホームページwww.vector.co.jpから)。パソコン雑誌の付録になっていることも多々ある。

パソコン雑誌の付録!

そして、なんといっても時代の差をいちばん如実に感じられるのが、

12冊の「ポケット判英和」を比較・検証する(p.232~)

という項でした。この話は、ちょっとおもしろすぎるので、別の記事にします。

もっと基本のところが知りたいという場合は、こんな本も参考になります。

初版が2007年なので、電子辞書端末のノウハウなどまでカバーされています。

こちらは、岩波ジュニア新書ですが、ばかにしたものではありません。辞書を「読む」ためのヒントがたくさんあります。

そういえば、『辞書力を鍛える』って、どこかで見たなあと思っていましたが、一昨年の秋にイカロス出版から出た『翻訳力を鍛える』というムックで、私が担当した辞書のページ、タイトルの一部が「辞書力を鍛える」でしたw

06:37 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (4)

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2017.01.15

# フィッシングメールのサンプル数々

たまには、セキュリティの話もしましょう。

私が、Niftyのメールを2種類使っていることを、ご存じの方はご存じだろうと思います。ひとつは完全に業務用で、名刺には刷ってありますが、オンラインではほぼ公開していません。もうひとつは、このブログのプロフィール欄でも公開しているプライベート用です(「公開しているプライベート用」って、なんか変ですけどw)。

Niftyメールは、サーバー側で迷惑メールの設定ができるのですが、設定に大きく言って2種類あります。

1. 迷惑メールを自動的に識別して迷惑フォルダーに移動
2. キーワードを設定して受信を拒否する

業務用のほうは、大切なメールをまんいち迷惑メールに振り分けられてしまうと困るので 2. のみ設定。プライベート用は、1.と2.を両方設定しています。

昨日、プライベートアドレスのほうの迷惑フォルダーを見てみたら、フィッシングメールが大量に届いていました。最近はやってる「不正アクセスさせたみたいだから、アカウントを確認してね」パターンが多く、そのほか、例のレイバンとか、エッチ系もあるようです。

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せっかくなので、どんなパターンのメールが届くか、紹介してみます。

まずは、マルウェアが添付されているパターン。

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canonを名乗っていますが、天下のキヤノンさんがnifty.comを使うわけがないw

本文はなく、docmという拡張子のファイルが添付されています。[ウイルスチェックをする]を実行すると、

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やはり、「ウイルスが検出されました」と表示されます。


次は、iCloudを騙っているようですが、「i.Cloud」という妙な表記。

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やはり本文はありませんが、タイトルを見ると「アカウントがロックされました。詳細はこちら……」ということで、やはりファイルが添付されています。

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ただし、これは単なるhtmlファイルのようで、「ウイルスは検出されませんでした」と出ます。いきなりウイルスにやられることはありませんが、添付されているページを開くと、そこがフィッシング用のサイトになっていて、うっかり情報を入力りしてしまうと、個人情報を持っていかれたりします。


次は、本文付きのパターン。

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こちらは架空請求系のようです。添付されているのは zipファイル。危ないですね。

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やはり、ウイルスが検出されます。

添付ファイルのうち、*.zip などの圧縮ファイル、*.doc、*.docx、*.xls、*.xlsx、*.pdf などの文書ファイル、*.jpg などの画像ファイル、*.mov などの動画ファイルは、特に危険です。まちがっても開いてはいけません。


次は、Apple を騙るメール。

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IDが一時停止されている、んだそうです。やはり、フィッシングサイトに誘導するパターン。

最近は、このように、大手ベンダーの名前でアカウント警告を送ってくるやつが実に多い。


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これは、PayPal だそうです。ただし、表記は「Pay.pal」


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これも、ダシにされているのはApple IDですが、今度はFaceTimeを持ち出しています。


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お次はAmazonですが、表記もアドレスもおかしい。


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こちらは、最近かなり被害が出ているらしい、LINEがらみのつもりでしょうか。


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当然、Facebookを騙るパターンも出てきました。

かつては、たとえば「ナイジェリアの手紙」詐欺(「419詐欺」とも言います)とか、エッチ系とか、安売り系とか、「こんなんで引っかかるヤツがおるんかー」というような詐欺メールが主流でしたが、最近はこんな風に、

PCに詳しいから逆に引っかかってしまう

ようなパターンもかなり増えています。


ここに挙げたサンプルを見て、詐欺メールの特徴を確認しておいてください。

・大手ベンダー等を名乗るが、表記がおかしい

・アドレスがおかしい

・本文の文章が変

といった傾向があります。

くれぐれもご用心を。

06:09 午後 翻訳者のPCスキル | | コメント (2)

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2017.01.11

# 辞書ブラウザの本文内を検索

今まで、どのセミナーでも触れてこなかった辞書ブラウザの機能について、書いておきます。

単語を検索してから、検索の結果、つまり

本文内を検索する

という機能です。


つまり、昔なら 紙の辞書で単語を引く → 成句や用例を目で追いながら目的の語句を探す ということを当たり前にやっていたはずで、それをデータ上でもう少し効率的にやろうということ。

電子データになってからは、成句からでも引けるようになったので、このような使い方はあまりしなくなったかもしれません。が、インデックスの作りによっては、成句が見つからないこともよくあります。そんなときのために、昔ながらの「本文内検索」は、できるようにしておく必要があります。

「辞書ブラウザ」という言い方、だいぶ定着してきたかとは思いますが、念のためにここでも定義しておきます。

辞書ブラウザとは、

EPWING、LogoVstaなどの共通仕様データをまとめて登録し、一括検索できるアプリケーション

のことです。

Jamming(現在は入手は不可)
Logophile(Jammingの後継アプリケーション)
EBWin4
DDWin

などが代表的です。

以下、代表的な辞書ブラウザごとに、この機能を紹介します。


Jamming

[検索]メニュー → [本文内をテキスト検索]、または Ctrl + F

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[本文内をテキスト検索]ダイアログが開きます。

残念ながら、オプションがいっさいなく、機能は貧弱です。しかも、いちど検索するとダイアログが閉じてしまうので、続けて検索するには、Ctrl + Shift + Fを押します。

検索した語は、その後もフィールドに残ります(検索履歴はない)。

※ただし、私のメインPCだけらしいのですが、Ctrl + Shift + Fを押すと、なぜか検索語入力フィールドが右寄せになってしまうという不思議な現象が起こります。


Logophile

[編集]メニュー → [本文内をテキスト検索]、または Ctrl + F

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[検索]ダイアログが開きます。

だいぶオプションが増えています。いちど検索してもダイアログが閉じず、[次へ]で順々に検索していけるので、だいぶ使いやすくなりました。

ところが、検索した語が、フィールドに残りません。いくつかの語句を引き比べながら、同じ語句を本文内検索したいときには、けっこう不便です。


EBWin4

[編集]メニュー → [このページの検索]、または Ctrl + F

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[検索]ダイアログが開きます。

Logophileのときとまったく同じ。おそらくWindowsで同じAPIを使っているのでしょう。機能もまったく同じですし、検索した語がフィールドに残らない点も同じです。

※ひとつだけ違う動作がありました。検索直後は、[このページの検索]がグレーアウトされていて使えません。フォースが結果リストのほうにあるからです。本文(右側)を1回クリックすると、このコマンドが使えるようになります。


LogoVista固有ブラウザ

[編集]メニュー → [本文内検索]、または Ctrl + F

ダイアログも機能も、Logophileとまったく同じです。


いままで、成句や用例を探そうとして見つけられなかった人は、この機能で本文も検索してみてください。

02:40 午後 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 | | コメント (0)

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2017.01.09

# 「訳出のバリエーションづくり」 - レッスンシリーズ第4弾

昨年から始まった、翻訳フォーラムの「レッスンシリーズ」、今年も1月、2月と続けて実施します。

ひとまず、1月分をご案内。

日時:1/29(日) 13:45~17:00
場所:アカデミー音羽 美術室

リンク:「訳出のバリエーションづくり~訳例カード・ワークショップ」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#4) in東京 - パスマーケット

今回のテーマは、「訳出のバリエーション作り」です。リンク先のイベント情報も併せて読めば、目的はおわかりいただけると思います。

原文に"most"とあったら、何と訳していますか?「たいていの」「ほとんどの」あたりでしょうか。しかし、いつもいつも「たいていの」「ほとんど」ではワンパターンになってしまいます。訳文の中で「浮いて」しまうこともあるかもしれません。他に訳し方はないのでしょうか。品詞を変えたり、位置を変えることでバリエーションを増やす方法はないでしょうか。
(イベント情報から引用)

ですが、タイトル後半の「訳例カード・ワークショップ」というのは、ちょっと説明が必要でしょう。

そもそも、訳出のバリエーション、訳出パターンの手持ちを増やすには、どうすればいいのでしょうか。

辞書が頼りになることは間違いありません。ためしに、oftenを引いてみましょう。

しばしば, 度々 (frequently)(cf. seldom).
・He often comes to see us. 彼はよく我々を訪ねて来る.
・I saw her there very often. 彼女とそこで何度も会った.
【研究社大英和6】

【1】しばしば,ひんぱんに,ちょくちょく,たびたび,何度も:
【2】たいてい,多くの場合:
We go to the station often by bus. たいていバスで駅に行く.
【RHD2】

しばしば, たいてい, よく;多くは
He has ~ found it to be wrong. 彼はこれが悪いことだとしばしば感じていた
he walked around here quite ~. 彼女がこのあたりを歩くことはかなりよくあることだった.
【G大】


三大英和辞典を引いてみました。訳語と用例がいくつかあがっているものの、G大の最後の例文を除けば、すべて副詞として訳出してあり、これではバリエーションがそれほど増えた感じはしません。


2 [複数形の名詞・代名詞とともに用いて] 多くの場合, よくあることだが
Children often dislike carrots. 子供はニンジンが嫌いなことが多い
【研究社 英和中7】


学習英和まで引いてみると、oftenに当たる部分を述語として訳すパターンも見つかり、ようやくバリエーションがすこし広がった気がします。


では、英和辞典や和英辞典から、oftenを使った用例をすべて抜き出してみたらどうでしょうか。


Fear is often begotten of guilt. 恐怖心は往々罪の意識から生じる.
Liberty often degenerates into lawlessness. 自由はややもすると放縦になる.
A person's age often shows itself first in the extremities. 人の年はまず手足に現れることが多い.
【研究社大英和6】

研究社大英和を全文検索した結果の一部です。副詞だけでも「往々」、「ややもすると」と、訳語欄ではあまり見かけない表現が見つかりました。「~が多い」という述語表現もあります。


訳出のときに選べる語彙は増えましたが、実は、大切なのはここからです。

「しばしば、よく、往々にして、ややもすると、まず……」 → グループ1

「よくあることだ、~ことが多い」 → グループ2

グループ1とグループ2では、oftenの訳に当たる部分の、日本語文における機能が違います。グループ1は副詞句であり、グループ2は述語として処理されています。

語彙を増やすだけではなく、訳出パターンをこのように機能別に整理しておくと、訳出パターンの手持ちが広がるうえに、それを意識的に使い分けられるようになります。


この整理のしかたを学ぶのが、

「訳例カード・ワークショップ」

です。

上にあげたoftenの場合、グループはとりあえず2つだけでしたが、ほかにもグループを作れるかもしれません。まして、もっと出現頻度の高い

most

だったら、どうなるでしょうか。


1回のワークショップを経験するだけでも、訳出パターンを意識的に使い分ける力がしっかり身につくことは、昨年の翻訳フォーラム・シンポジウムで発表があったとおりです。


そして、なぜその訳例を『研究社和英大辞典』から引くのか、その秘密も、当日お伝えする予定です。


翻訳フォーラムならではの「訳例カード・ワークショップ」、ぜひ参加してみてください。

01:14 午前 翻訳・英語・ことば | | コメント (4)

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2017.01.05

#2016年をふり返る

年が明けてしまいましたが、2016年の一年間をふり返り、帽子屋の活動をまとめてみたいと思います。

2016年は、翻訳関連のイベントとそれに伴う遠出が、今まででいちばん多い年だったかもしれません。


3月18日(金) JTF関西セミナー「翻訳の基礎スキルを見直そう」

JTF関西セミナーに登壇しました。

レポートはこちらです

大阪に行くとき、いつも2泊はするのですが、今回は登壇当日の朝大阪入りし、1泊だけして京都にちょっと寄っただけで帰りました。

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これは、セミナー会場の大阪大学中之島センター近くにあった、福沢諭吉誕生地の碑。


3月26日(土) サン・フレア アカデミー「続・読ませる翻訳セミナー ~辞書引きの実践と、的確な日本語の選び方~ | サン・フレア アカデミー」

一昨年、4回シリーズで開催したセミナーの続編が始まりました(第2回は秋に実施)。


4月10日(日) 第8回TRAC定例会 「辞書と文法とスタイルガイド - 読みやすい日本語を書くために」&TRACお花見

JATの仙台分科会TRACに呼ばれて、2年ぶりに仙台にうかがい、辞書を中心にした訳文の作り方についてお話ししました。

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これは、セミナー後のお花見のときの写真。ちょっと寒かったけど、ちょうど満開でした。

(6月にまた来ることがほぼ決まっていたので)この日は日帰り。仙台はずいぶん近い感じです。


5月29日(日) 翻訳フォーラム・シンポジウム

翻訳フォーラムのシンポジウムは、この時期の定例となりましたが、今回は特に、この数日前に出た共著

の出版記念を兼ねたイベントでした。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

シンポジウムの内容は、こちらに。

リンク:翻訳フォーラムシンポジウム2016」レポート|翻訳・通訳のトビラ|アルク

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これは、夜の部「大オフ」で用意していただいた、出版記念ケーキ。

ちなみに、大オフの会場と同じビルには仮面ライダー喫茶があって、こんなものが展示されてたりします(当日の数日前に、打ち合わせで使いました)。

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オーズ、オーズ、オーズ!


6月8日(水) 日本翻訳連盟総会

日本翻訳連盟の理事に就任しました。正式にはこの日から、任期2年です。

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また、これよりひと足早く、JTF翻訳祭の実行委員会も発足。個人翻訳者だけで構成されるという異例の編成でしたが、結果的にかなり成功したことは、すでにご存じのとおりです。


6月17日(金)~19日 IJET-27 仙台

なんと、4月に続いて2度目の仙台行きとなりました。個人的にも参加するつもりでしたが、理事就任に伴い、JTF理事として招待されて参加した形。

リンク:杜の都でIJET - IJET-27仙台報告 | JTFジャーナルWeb版 | 一般社団法人日本翻訳連盟 機関誌

2年前はまだ交通機関が復旧しておらず、しかも大雪で行けなかった、念願の石ノ森萬画館にも行ってきました。

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JT石巻駅で、早くもジュンのイラストがお出迎え。

駅から萬画館までの道のりも、あちこちでこんな飾りが楽しませてくれます。

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通りによって、ある程度カテゴリー分けがあるようで、メインの通りはだいたい009。ちょっと脇道に入ると、このイナズマンとか、ボンボンとかも出てきます。とはいえ---

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炉端には、こういう標識もありますし、

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あちこちが、こんな状態でした。

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7月2日(土) しずおか翻訳勉強会にお邪魔

しずおかの勉強会には、前からお邪魔したかったのですが、ようやく、日帰りながらお邪魔することができました。5月の翻訳フォーラム・シンポジウムに参加してくださった方による報告と、「各自の辞書環境」がテーマでしたし。

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名物、静岡おでんも、初体験。


9月23日(金)~26(月) 福岡翻訳勉強会と、九州遠足

個人的には、九州初上陸。

勉強会の詳しい報告は、以前のエントリに書きました。

リンク:side A: # 「博多で翻訳勉強会」、盛り上がりました!

帽子屋としてはめずらしく、全日程お天気にも恵まれ、軍艦島にも上陸できました。

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博多名物の屋台にも行けましたし、

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最終日には

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太宰府天満宮にも行ってきました。


10月5日(水)~7(金) TCシンポ京都と、京都遠足

これは、今年いちばんの予定外でした。TC協会が毎年開いているTCシンポジウム、参加費用がかなり高いので、興味はありつつも、もう何年も参加したことはありませんでした(翻訳会社に勤務していたとき、一度だけ参加したきり)。

が、これもJTF理事の招待枠があり、その枠を使わせていただけました。

東京外国語大学の佐野洋教授のお話が、とても新鮮で刺激的でした。

シンポジウム2日目の途中で失礼して、会場のすぐ近くにあったこんなところへ。

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さらに、足を伸ばして、

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トロッコ列車の最終便に乗り……

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夕暮れ時の渡月橋までお散歩。この辺に来たのは、たぶん30年ぶりくらい。

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新京極で、素敵な帽子屋も見つけました。こちらのお店ですね。

リンク:HATLABO

最終日もいい天気。二年坂で耳かきを買って、

リンク:竹の店 かめやま | 京都:京の坂道 一念坂・二寧坂(二年坂)

そのままのんびり東山探索。このコースも30年ぶりくらい。平安神宮前を通って、無鄰菴で足を休め、

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南禅寺まで。ちょうど、山門(三門)に登ることができました。

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絶景かな、絶景かな ……って、ここでいいんだっけ? :)

終点はここ。

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日本屈指の禅寺の奥に、いきなりローマが出現する。この展開が大好きです。

新幹線まで時間があったので、ここにも寄れました。

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(京都国際マンガミュージアムです)


10月30日(日)~31(土) 名古屋翻訳者勉強会と、名古屋遠足

名古屋は、IJET-25のプレイベントでお邪魔してから3年ぶり。その3年間の間に発足し活動している勉強会で、辞書のお話をしました。

リンク:禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 名古屋翻訳者勉強会、辞書セミナーのご報告

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勉強会の前に名古屋城に立ち寄り、翌日は、本当はお伊勢さんまで行きたかったのですが、例によって午前中はホテルでお仕事になってしまったので、栄にある支店で

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赤福と赤福ぜんざいを食べ、熱田神宮に行ってきました。

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地元の勉強会メンバーが教えてくれたおかげで、ひつまぶしの老舗にも。

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(昼間っから、日本酒とうなぎ肝も)


11月28日(月)、29日(火) 翻訳祭と前夜祭

十人十色の「前夜祭」も今年で4回目。すっかり定番となりました。今年は、例年以上にくたびれる2日間になることが予想されたので、都内に泊まっちゃいました。

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翻訳祭については、こちらをどうぞ。

リンク:禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 翻訳祭、お礼とおわび

というわけで、日本各地のいろいろな方にお世話になった一年でした。


会う人ごとに「高橋さん、仕事してるんですか?」と聞かれるのも、これならまあ無理はないですね。

もちろん、してますってばw

福岡でも京都でも名古屋でも、ホテルでは必ず仕事してました。不定期に出るブログが、なぜか遠征時には必ず発生するというワナ。それで、思わず福岡にいるとき、小型の外付けキーボードを買ってしまいました。

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最小のキャリーバッグにもぎりぎり入る大きさです。


さて、2017年はどんな年になるのでしょうか。まずは、しっかり仕事しましょうか。


06:32 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

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2017.01.01

# あけましておめでとうございます - 2017年

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あけましておめでとうございます。


昨年は、前年の弔事のため年頭の挨拶を失礼させていただきました。このブログで、あけおめは1年ぶりとなります。


ここ何年かは、恒例で旧年大晦日に一年を振り返るのですが、タイミングを逃しました。振り返るべきネタはたくさんあるので、どこかで遡って書きます。


ということで、恒例の元日おみくじ。

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こういう時は何事も一歩さがって相手に譲る気持ちで事に当たれば、たいていの事はうまくいきます。

そうですね。なにごとにも、そういう姿勢で臨みたいと思います。

今年は、続きの文面も出しておきます。

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他人の援助で好転する暗示があるので、きっかけを待て。

はい、いつもいつも、みなさまに助けていただいております。

体力の充実よりも気力の充実をはかれ。

おお、たしかにそうかも。

一つずつ努力を積み重ねてきた成果が今やっと陽の目を見る。

お、そうなのか。そうなのか?


というわけで、みなさま、今年もよろしくお願いいたします。

07:02 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2)

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