# EDICTとE-DIC:ときどきおもしろい辞書たち
けっしてメインの辞書としては使えないものの、思わぬときに役立つことがある辞書を2つ紹介します。名前が似ていて、ちょっとややこしいのですが......。
1つ目は、EDICTという、無料で使える辞書データです。オーストラリア、モナシュ大学のJim Breenという教授が、研究の一環として作成した辞書データです。元はシンプルなテキストファイルで、現在のバージョン(ver. 0.5、2013/5/8)はこちらからダウンロードできます。テキストでも15MBあります。
見ればわかるとおり、辞書というより英和の単語帳みたいなものですが、こんなエントリがあったりします。
100円均一 hundred-yen store; 100 yen shop
あるいは、実はこれを見つけたので改めてこの記事を書くことにしたのですが、こんなのも載っています。
the fact is のです(P);のだ(P);んです;んだ [exp](P)
こんな風に、ほかの辞書にはない言葉とか、意外な観点のエントリがあるので、ときどき感心させられます。
上のページにあるのはテキストファイルですが、これをEPWING化したデータも公開されています。
リンク:EDICT2 (EPWING)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!
今や貴重なEPWING形式なので、汎用の辞書ブラウザ(Jammng、Logophile、EBWIN4)で使えますし、無料です。冒頭でも書いたようにメインの辞書にはなりえませんが、サイズもたいしたことなく邪魔にはならないので、入れておいてもいいのではないでしょうか。
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もうひとつは、『E-DIC』という市販の製品です。
こちらのサイトでも、以下のように紹介されています。
素性のしっかりした様々な紙の専門辞書をまとめて電子化したもので、大変廉価な上にユーザー登録すると最新用語が無料で追加できるのもありがたい。基本的な英和・和英辞典は持っているという前提で、追加・補足的に使いたい。
「素性のしっかりした様々な紙の専門辞書」というのは、たとえば以下のような書籍版です。
『アメリカ口語辞典』
『最新日米口語辞典』
『米英俗語辞典』
『会話作文英語表現辞典』
『最新 和英口語辞典』
いずれも、今から見るとやや古い気もしますが、なにしろ用例が豊富なので、たとえばimpressを引いて
You've got to use your head if you want to impress the boss.
社長に認められようと思うなら、頭を使わなければだめだ。
こんな用例と訳が出てくるので、意外と使えます。
こうした、元々は市販の書籍タイトルだったもののほか、メインとして収録されているのは
E-DIC英和辞典
と
E-DIC和英辞典
なんだそうで、これの素性がはっきりしないのですが、この辞書の版元である朝日出版社がかつて運営していた、ASAHI PRESS SENTENCEといのがベースのようです。といっても、それがどんなものだったのかが、今となってはよく分からないのですが......。
最初のEDICTは、前から入れていましたが、E-DICのほうは、ネストさんに紹介されて買ってみました。
EPWINGデータではありませんが、Logophileにはそのまま載せることができます。E-DICオリジナルの検索アプリケーションももちろんインストールされますが、さすがにインターフェースが古くさい。
なお、上記の製品版に入っているアプリケーションは32ビット版のみで、最近の64ビットマシンでは起動しません。そのため、64ピット版アプリケーションは別途ダウンロードできるようになっています。
その辺の対応がきちんとしている点は、とても好感が持てます。
06:03 午後 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | URL
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