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2015.12.08

# Random House Websterを買ってみた

こんな辞書を買いました。

私が買ったのは米国内で出ていた中古版で、配送料も入れて3,400円くらいでしたが、今はもっと高くなっているようです。

10/21に注文して、船便ではるばる……12/7に到着。中古ですが、書籍自体もけっこうきれいで、CD-ROMもちゃんと付いてました(しかも、ビニールのスリーブが未開封だった!)。

タイトルは Random House Webster's Unabridged Dictionary

これはいったい、Random Houseなんでしょうか、Websterなんでしょうかw


ランダムハウスというと、日本では小学館から出ている『小学館ランダムハウス英和大辞典』をさすのが一般的です。

初版が1973年に出て(4巻本)、その後1979年に1巻本が出ました。余談ですが、1980年に大学に入ったとき、私の恩師(故人)が入学祝いにこの1巻本をくださいました。

そして、今も出ている第2版の出たのが1993年。以来、英和大辞典の定番中の定番として、CD-ROM版が出たり(現在は入手困難)、電子辞書にも必ず収録されるようになっています。アプリも出ています。

第2版の序文を見ようとしたのですが、電子版には入ってませんね(CD-ROM版も、DAYFILER収録版も)。

ジャパンナレッジに簡単な解説だけありました。

米国版第2版にはない見出し語3万語と語義5万を追加し、用例は米国版の6万5,000に11万を加えた17万5,000にのぼります。(中略)米国版に不足しているイギリス英語、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドはもとより、アフリカ・中南米など第三世界の英語まで幅広く収録しています。


そう、日本語版は、英語版にない編集が入ってるんですよね。それから、ランダムハウスのほかにはあまり見ない語義が載ってたりすることもある。


そんなわけで、小学館ランダムハウスのもとになった英語版がほしかったのですが、定本だった

Random House Dictionary of the English Language

は、望ましい形では手に入りそうにありません(試しにAmazonで検索してみてください)。実際、この名前で検索すると、Wikipediaも

Random House Webster's Unabridged Dictionary

にリダイレクトされます。

つまり、私が今回買ったのは、タイトルこそちょっと変わっていますが、中身は小学館ランダムハウスの定本と同じらしいのでした。

さてさて、そうなると、このタイトル Random House Webster's を不思議に思われる形もいらっしゃるかもしれません。

「Webster」の名を冠した辞書については、Wikipediaの解説をご覧ください。

リンク:ウェブスター辞典

(英語版はこっち


私が---たぶん、これをお読みの多くの人も---直接、見たり使ったりしたことがある、いわゆる「Webster の辞書」は、1961年に出た

Webster's Third New International Dictionary

でしょう。

ところが、"Webster"という名称が固有の登録商標としての権利を失ってしまい、あちこちの出版社がいわば「大辞典」の代名詞のように "Webster" の名を冠するようになったんだとか。日本で言えば、「言海」が一般名になっちゃって、「岩波大言海」とか「大修館言海」とか「角川・ザ・言海」とか「小学館 言海ナレッジ」とか「ベネッセ言海」みたいに乱立したようなもんか。


ちなみに、LogoVista版『メリアムウェブスター英英辞典』をお持ちの方は、[ヘルプ]→[凡例]を開いてみてください。

なお、『メリアムウェブスター英英辞典』というのも、これはこれで紛らわしい名前です。LogoVistaさんに再考を求めます。原題は、下のスクリーンショットにもあるとおり、

Merriam-Webster Advanced Learner's Dictionary

です。

1512083

「ウチ以外の "Webster" は信用できるとは限らないからね」と断言しています。ここんとこ、日本語版のWikipediaには書いてありませんが、英語版ではこう解説されています。

the only succeeding dictionaries that can trace their lineage to the one established by Noah Webster are those now published by Merriam-Webster.

つまり、Merriam の付く辞書だけが、ノア・ウェブスターさんからの直系である、と。

じゃあ、その直系の辞書は今どんなのがあるかというと、英日でメインになるのは、

Merriam-Webster Advanced Learner's Dictionary

Merriam-Webster Collegiate Dictinary

くらいです。1961年に出たInternational Thirdの電子版というのも、なかなか手に入りません。

さて、Random House のほうは、1966年に

The Random House Dictionary of the English Language: The Unabridged Edition

を出版。これが最初の『小学館ランダムハウス英和辞典』の底本ですね。で、1987年に第2版を出す。その時点では、まだ

The Random House Dictionary of the English Language, 2nd Edtion

だったわけです。別に "Webster" という名前を借りなくたってよかったと思うのですが、その後、Random House Webster's になって今日に至る、と。


なお、CD-ROMはXPまでしか正式に対応していないようでしたが、Windows 7 64bitでもちゃんとインストールでき、動いています。ただ、一部文字化けは起きています。

1512084


10:28 午前 翻訳・英語・ことば, 辞典・事典 |

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