# EBWin4、地道にバージョンアップ継続中
Jammingの公開が完全になくなり、後継アプリケーションLogophileのバージョンアップもあまり進まない(最新版が2014/4)なか、EBWin4がコツコツとバージョンアップを続けています。
リンク:EBWin4
最新バージョンは、全文のインデックス化にも対応したようです(私自身は試していません)。
確認できた範囲で、ひとつ嬉しいのは、
LogoVista版タイトルの外字対応が、Jammingよりだいぶマシ
ということです(詳しくは後述)。
あらためて、翻訳者が使いたい辞書環境の現状を整理してみると、2015年6月の時点では以下のような感じです。
- EPWing規格は先細り。過去にあったEPWingタイトルも次々と絶版になり、新しいEPWingタイトルはまったく発売されなくなりました。
- 期待の星だったSIIが電子辞書事業から撤退。翻訳者にとって救世主的な存在だったPASORAMAも、今や現存機種が生きているうちしか使えない、という不安な状態です。
ちなみに、Windows 10(プレビュー版)でもPASORAMAが動くことは、内山さんが確認してくださいました。 - 同じフォーマットで今後もタイトル追加が期待できそうな、今や唯一のプラットフォームとなったのがLogoVistaです。ただし、
・ブラウザの使い勝手がまだまだ
・インストール回数に制限がある(解除は可能)
・タイトルによってフォーマットが次々と変わる
など、ユーザーの間でも評判はいまひとつ。 - オンラインの、特に有料版が浸透しつつあります。研究社のオンライン辞書サイト「KOD」は、翻訳者の間でもだいぶユーザーが広がりつつあります。
ということで、これからはたとえば
オンライン辞書 + LogoVista
という使い方が定番のひとつになるのかもしれません。
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そんな状況でも、EPWingブラウザとして少しずつ進化を続けているのがEBWin4です。
まだまだJammingほど完成度は高くなく、環境によってはエラーも少なくありません。
- 辞書の追加、特にグループ設定が不自由。Jammingのように、一度追加した辞書を簡単にグループ化できるわけではなく、グループを設定したら、そこにまたいちいち辞書タイトルを追加しなくてはいけません。
- 辞書ボタンが1列にしか並ばない。
- 表示オプションもまだ多くない。
- タイトルによっては異常終了する(私の環境では、Longmanが動きません)。
逆に、Jammingより良い点もあります。
- 使用可能な検索方法をすべて試す「自動検索」がある。
- 辞書内でリンクをたどったとき、履歴を「戻る/進む」ボタンがある。
そして何より、
タイトルごとに外字テーブルを指定
できるというのが、Jammingより強いところです。
つまり、LogoVistaタイトルでも、外字の文字化けがなくなる、もしくは軽減するということなのです。
Jammingでは、[オプション]→[環境設定]→[辞書別]タブを開くと外字を設定するオプションがありますが(タイトルによっては表示されない)、
ここから進んで、
1文字ずつ指定するようになっています(たしか、手動で外字テーブルを作って所定のフォルダに置くこともできたと思いますが……)。
一方、EBWin4では、[ファイル]→[辞書の編集]ダイアログを開くと、[外字マップ]というドロップダウンメニューがあって、そこでLogoVistaの外字ファイルを選択できます。
タイトルによって差はありますが、私の環境で、明鏡国語辞典についてはこうなりました。
ということで、今後、既存のEPWing仕様データとLogoVistaタイトルを併用するための辞書ブラウザとしては、EBWin4も十分に選択候補になりそうです。
少なくとも今いちばん、作者がユーザーの声を反映して
バージョンアップを続けてくれそう
であり、応援してみる価値のあるアプリケーションはこれではないかと。
05:03 午前 翻訳・英語・ことば 辞典・事典 | URL
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