# 檳榔
味覚や嗅覚の記憶だけ残っていてその周辺のことはまるで憶えていないということが、ままある。
司馬遼太郎の『街道をゆく 40 台湾紀行』を読んでいたら、タイトルに書いた「檳榔」が出てきた。
檳榔。
「びんろう」と読む。
仁丹よりちょっと大きい赤い粒を(いくつもまとめて)口に入れる。噛みつぶすとやや清涼感を伴う独特の味がする。多少の酩酊感もあってタバコに似ている。しばらく噛んだら吐き出すから、ますますかみタバコに似る。
自分もこれを口にしたことがある。
と言っても、先日、台湾に行って経験したのではない。はるかな昔に経験した味覚と嗅覚の記憶が、『街道をゆく』の名文で唐突に思い出されたのだ。
たぶん大学時代かその後くらいだろうと思うのだが、習慣化とまで言わないがしばらくは愛用していたようにも思う。が、いつ、どこで、だれにすすめられて喫したのか、まったく記憶にない。
そもそも、日本国内で手に入るものなんだろうか。こんど中華街に行ったらさがしてみよう。
09:21 午前 日記・コラム・つぶやき | URL
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