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2015.01.29

# 「日本翻訳ジャーナル」1/2月号

告知がだいぶ遅れました。

1/2月号(No.275)は、昨年の11/26に開催された第24回翻訳祭の特集です。よって、担当のコラムはお休み。

翻訳祭には、私も十人十色のパネルディスカッションに登場しましたが、そちらも記事になっています。Web版はこちらからどうぞ。限られた紙面ですが、雰囲気くらいは伝わると思います。

08:17 午前 翻訳・英語・ことば, JAT・JTF | | コメント (0)

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2015.01.18

# Bluetoothのイヤホン、快適

前々からBluetoothのワイヤレスイヤホン(ヘッドセット)が欲しくていろいろ探していたのですが、店頭で着けてみて、これを買いました。

BlackBeat Fit。

ネーミングからして、またデザイン的にも素材的にも、スポーツタイプです。

こんなのを着けて一所懸命に運動をするわけじゃないのですが、私の耳はどういうわけか、ふつうのイヤホンがなかなか合いません。Apple純正はぜんぜんダメで、たいていはカナル型を使ってきましたが、それでもちょっと動くとすぐポロッと落ちてしまう。

それで、こういうフック式も欲しかったのでした。

ワイヤレス

しかも

耳から落ちない

二重の意味で、実に快適です。

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日本のメーカーですが、パッケージデザインはなかなかおしゃれです。

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本体以外にレシーバーなどないのもうれしい。

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このように、L側に再生/停止ボタン、R側にパワーON/OFFボタンがあります。


土曜日の外出中ずっとiPhoneと組み合わせて使ってみましたが、この便利さに慣れたら、家にいるときだってもう有線には戻れそうにない。ということで、さっそくこれを買って帰りました。

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2,000円ちょっとで買えるのですが、実はこれが曲者でした。

取扱説明書どおりにインストールしてもまったく認識されないのです。

ちょっとググったら、Amazonでも価格ドットコムでもその他でも、悪評がた~くさん見つかりました。こう言い切っている人もいるくらい。

リンク:絶対にお勧めしない商品。Logitec LBT-UAN04C1。ドライバインストール不能。駆動不良多発。価格comでは質問者を素人呼ばわり。 - ロストテクノロジ研究会

それでも、いろんな人がいろんなことを試みていて、なんとか使えるようになったケースも少なくない。そういう情報を拾いながら、私も最終的には成功したのですが、ポイントは2つでした。

LBT-UAN04C1のインストーラー

インストーラーの入ったディスクって、一般的には、挿入するとautorunで自動的にインストーラーが起動しますよね。起動しない場合は、ディスク直下にあるインストーラーをクリックして起動することもある。

が、この製品ではそれではダメで、どうもWindows 7 64bitマシンの場合に、32bitと64bitの自動認識がちゃんとされないようなのでした(という情報を見つけた)。

そこで、ディスク直下にあるexeではなく、64bitフォルダーにあるインストーラーを実行してみました(先に何回かインストールしてダメだったので、いったくアンインストールしてから、です)。

これで、ドライバーは無事にインストールされ、専用アプリケーションも起動するようになりましたが、今度はBlackBeat Fitがいくらやっても認識されません。


BlackBeat Fitのペアリング

これはBlackBeat Fitの取扱説明書をちゃんと読んだら解決しました(ヒントはサイトで拾いましたが)。

いったんBlackBeat Fitの電源を切り、もう一度オンにして、そのまま「Paring...」という案内音声が流れるまで押し続けていると認識される……と。

はい、そのとおりでした。


これで、家の中にいてもワイヤレスの恩恵にあずかれるようになりました。

音楽聴きながら、トイレにも立てるし、コーヒーを淹れにもにいける。フリーランス生活の強い味方になりそうです。


それだけじゃなく、せっかくスポーツタイプなんだから……ww

01:48 午前 パソコン・インターネット | | コメント (0)

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2015.01.14

# 檳榔

味覚や嗅覚の記憶だけ残っていてその周辺のことはまるで憶えていないということが、ままある。

司馬遼太郎の『街道をゆく 40 台湾紀行』を読んでいたら、タイトルに書いた「檳榔」が出てきた。

檳榔。

「びんろう」と読む。

仁丹よりちょっと大きい赤い粒を(いくつもまとめて)口に入れる。噛みつぶすとやや清涼感を伴う独特の味がする。多少の酩酊感もあってタバコに似ている。しばらく噛んだら吐き出すから、ますますかみタバコに似る。

自分もこれを口にしたことがある。

と言っても、先日、台湾に行って経験したのではない。はるかな昔に経験した味覚と嗅覚の記憶が、『街道をゆく』の名文で唐突に思い出されたのだ。

たぶん大学時代かその後くらいだろうと思うのだが、習慣化とまで言わないがしばらくは愛用していたようにも思う。が、いつ、どこで、だれにすすめられて喫したのか、まったく記憶にない。

そもそも、日本国内で手に入るものなんだろうか。こんど中華街に行ったらさがしてみよう。

09:21 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

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2015.01.10

# 帽子屋が見た『アオイホノオ』~第5話

第5話「嗚呼、東京」

マンガ持ち込みの話、後編です。

0501

[モユル]受付さん、明らかに「持ち込みの学生かよ、めんどうだな」という顔をしたね。少し上から目線で、実際は下からだが精神的には俺を上から見たね。

原作マンガにはないモユルの台詞。

すでに書いたように、このドラマは1980年という特定の時期を描くためにいろんな小道具などは実に忠実に再現されているわけですが、ここの台詞はいただけません。この時代

「上から目線」なんて言葉、絶対になかった

はずだからです。

「上から目線」がいつ頃から使われるようになったのか確実なデータはありませんが、少なくともこの時代には聞いたことまったくありません。

私が嫌いな言葉でもあり、全編のなかでもっともイカン場面だと思っています。

[きっちゃん]それこそ、『太陽にほえろ!』の長さんみたいな人か。 [モユル(心の声)]きっちゃん、するどいな。山さんだ。

「長さん」とは、下川辰平が演じた野崎太郎巡査部長のこと。「山さん」とは、露口茂が演じた山村精一警部補のこと。

どうでもいいんですが、『太陽にほえろ!』って、萩原健一とか松田優作とかの若手ばっかりが殉職して、もっと年輩のこの方たちはいつまでも生きてるっていうのが基本設定だったはずなのに、シリーズ終盤になって「山さん」も殉職しちゃうんですね。「長さん」は生きのびた。

ただし、それもモユルのこの時代よりもっとずっと後のこと。


[横山]女の子がかわいく描けてるよねー。

0502

岡田斗司夫のメルマガによると、「女の子がかわいい」というのは当時のサンデー編集部としては、ちゃんとした褒め言葉だったんだそうです。

それから、持ち込み原稿をすごいスピードで読むってのは、だいたいどの編集さんでもそうみたいで、わりとよく知られていました。

[モユル]よし、集英社に行こう。

掲載誌の関係から、原作マンガで「小学館」という名前は当然のように使われていますが、集英社は「SA社」と書かれています。それでも、雑誌名「ジャンプ」は堂々と使っているので、伏せ字にも何にもなってません^^;

ちなみに、集英社も母体は小学館です(娯楽雑誌部門から分離独立)。ついでに言うと、白泉社は集英社から枝分かれした会社です。この辺の出版社を、業界では「一ツ橋グループ」と呼んでいます。千代田区一ツ橋に集中してるから。

一ツ橋グループと並ぶのが講談社系列で、文京区音羽に拠点を置くことから「音羽グループ」と通称されています。


江口寿史

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たしかにパイレーツは面白かったですが、個人的には、同じ時期のチャンピオンの『マカロニほうれん荘』のほうが好きだったなー。


0504

原作とはだいぶ違う服装ですが、これもなかなかいいですね。

[MADホーリィ]腹減ったろ。俺も食べるからさ、好きなもん頼んでいいよ。

たしかに、編集さんってよくご飯おごってくれました。もちろん、出版業界の景気が良かった時代の話です。


[MADホーリィ]夜ってのはさ、徹夜するためにあるんだよ。

これも、原作マンガより過激になってる台詞。

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失意のモユルたちがこれから『ロッキー』を観る名画座。「スカラ座」という名前ですが、これ実は川越スカラ座ですね。

川越スカラ座

原作マンガでは、早稲田松竹で観たことになっています。


[きっちゃん]ロッキー1と2を同時上映か。
[モユル]500円かぁ。

今では考えられませんが、この当時の2番館はこういう値段が当たり前でした。いい時代だったなぁ。


[モユル]俺、ロッキーと同じだ。完全に東京に打ちのめされたんだ。まったく評価されないマンガを自分が描いていたなんて、気付いてなかったし、気付くたくもなかった。持ち込みなんて、しなきゃよかったんだ。

モユルが珍しく自分自身に向かい合う感動の場面のはずですが――

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そのとき流れている画面はなんと、本物ではなく再現フィルム!

しかも、大阪芸大の学生たちの課題として上映される作品の再現度はかなり高いのに、本物と似ても似つかないこのフィルム(主人公の身体があんまり引き締まってないところは似てる気がしますが)。そして極めつけはこれ。

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タリア・シャイアにまったく似ていない、どころか100%日本人にしか見えないこのコマ。第5話のクライマックスがこれですよ~。

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なんでもないシーンですが、ここも好きなんですよね。

モユルの部屋、これ6畳間ですね。奥に見えてるのは、押し入れを開け放って物置だなにしてあるだけ。

6畳間だと、窓際に机、部屋の片側にカラーボックスやテレビ、反対側にベッドを置いて、真ん中にテーブルまで置いちゃうと、もう空いてるスペースはほとんどなくなります。そこへ、友だちが3人も来た日には、誰かがベッドに腰かけることになるし、こうやってベッドの上を歩いて出ていくことにもなる。

実に芸の細かい描写です。


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このシーケンスは泣きますよ。

この直前でモユルは「アニメもだめ、マンガもだめ」と独白して涙を流すのですが、そっちより、直後のここが何といっても素晴らしい。

絶望のどん底。その気持ちをモノにぶつけたいけど、テーブル(こたつでしょう)をひっくり返そうとして思いとどまる。貴重なコレクションがある本棚に向かうけど、それをひっくり返したりなどできるはずもなく、逆に愛おしそうに本棚をなでる。そして、ようやく見つけた少年サンデーの山をぶちまける。

ここ、終盤のある場面に対する重要な伏線になってますから。


07:00 午後 アニメ・コミック・サブカル, 映画・テレビ | | コメント (2)

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2015.01.09

# 帽子屋が見た『アオイホノオ』~第4話

第4話「いざ! 東京出撃」

いよいよ、モユルがマンガを持ち込みする話(のはじまり)。

……ではありますが、冒頭はいきなりモユルの妄想シーン。

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これはもう手を見ればわかります。『カリオストロの城』のあまりにも有名なラストシーンのルパンになろうと苦悶しています。

[モユル]俺が『カリオストロの城』でルパンに学んだことが、無になってしまう。

学んだんかいwww


ところが、モユルの妄想はまだまだ終わらない。今度は『銀河鉄道999』です。

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原作もそうですが、ドラマでも、よくまあいろいろなライセンス関係をクリアしたと思います。こういう風にマンガのコマを出すときは、そのアニメ版どおりの吹き替えを当ててます。星野鉄郎は野沢雅子、メーテルは池田昌子です。ハーロックの井上真樹夫も、すでに登場しました。


妄想はまだまだ終わらない。今度は『あしたのジョー』。

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いやぁ、よくこのシーン使えたなぁ。ここでも、ジョーの声はちゃんと、おあい輝彦が当ててますが、残念ながら白木葉子の声は別の人。雰囲気は似てますが。

[庵野]ウルトラセブン45話のフクシンくんと同じだから、いいんだよ!

はい、これも今ならhuluで見られますので、お確かめください。

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ウルトラセブンは、全49話のうちでも特に終盤に傑作が多いことでよく知られていますが、その中でも故・実相寺昭雄が監督したこの「円盤が来た」と、2本前の43話「第四惑星の悪夢」は、もうまったく子供番組とは言えない作品です。

そう言えば、モユルはマンガとアニメにはそれなりに詳しいのですが、実は特撮方面にはまったく疎い。それに対して、庵野や赤井は特撮についてもそうとう造詣が深い(赤井の特撮好きについては、第4話でさらに語られる)。ドラマにはありませんでしたが、原作マンガでは「伊福部昭を知らない」ということがわかるシーンもあります。

つまり、モユルはガイナックス組と比べるとオタク度がだいぶ弱い節がある。この対比も、私にはなかなかおもしろいのでした。

ところで、この45話の主役はフクシンくんですが、ウルトラシリーズなどの特撮番組でおなじみの名子役、高野浩幸にも注目です。『超人バロム・1』の主役のような正統派の役柄もこなしましたが、この子の持ち味は、やや非人間的な役柄を演じたときに発揮されます。なにしろ、かつてのNHK少年ドラマシリーズ『なぞの転校生』も彼でしたからね。

あ、この人も1961年生まれ。モユルや私と同世代だわ。


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はい。庵野の部屋にはイデオンのポスター貼ってありますねー。

[赤井]ウチ、新築だし、ステレオ音声付きのでっかいテレビあるよ。 [庵野]よし、行こう

テコでも動こうとしなかった庵野がコロっと態度を変えてしまう。そのくらい「ステレオ音声付きのでっかいテレビ」ってのは、効果があったんですねー。

私の仲間うちでは、20インチトリニトロンを持ってるやつがいて、当時はそれが最大級でした。

ちなみに、テレビのステレオ放送というのは、この2年前の1978年に始まったばかりでした。第2話で「宮崎演出」が出てきたルパン三世の第2シリーズは、途中からステレオ放送になったのがけっこうな話題でした。

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赤井の趣味が最もクローズアップされる場面です。

[山賀]こんな課題、出てたか。 [赤井]いや、自分の楽しみでやってる。背景は、アクリル絵の具で雲と山を描いたもので、手前には150分の1で、奥は300分の1のスケールのジオラマを設置してあるんだ。


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[庵野]キンゴジのゴジラか。この口の大きさがたまんないよね。 [赤井]うん、そう、口の大きさがいいんだよねー。

「キンゴジ」というは、「キングコング対ゴジラ」の略称。ゴジラは、作品のたびに顔が変わるので、マニアはそういう略称で区別するのです。興味がある方は、昨年のこのエントリをご覧ください。

禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # ゴジラシリーズの究極サントラCD

ここに、初期のゴジラの顔が並んでいます。


この会話の後の山賀のリアクションもなかなか楽しい。

[山賀]一生、食いっっっっっっっぱぐれない、ような気がする。

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これは何をやってるかというと、黒ベタを塗った背景を下に置いて、ホワイトを含ませた筆をかまえ、その筆に思いっきり息を吹きかけるというやつです。ホワイトが飛び散って、一瞬で宇宙空間の星を描くことができるという技。

モユルは、さも自分が思いついたように語っていますが、別にモユルが初めてではありません。とっくに知られていた方法です。

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東京駅が古いですね。合成でしょう。


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「かっこよく撮ってくれよ」とカメラを渡し、距離をとってから何やら口ずさむモユル。これ、権利の関係で曲が使えなかったのかなぁ。わかりますよね。

同じ曲はなかったんで、これでも。

太陽にほえろ! のMADでいちばん好きなやつです。

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石森章太郎ばりに、喫茶店でペン入れをするモユルたち。その喫茶店のウェイトレスがスゴいなあと思いました。まさに80年代的風貌。

ってか、同級生にこの人とそっくりの子いたんだもんw

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「飯田橋のユースホステル」に泊まるモユルたち。

ここ、ちょっとわからないんだなー。なぜって、大学生のときユースホステルに泊まったことなかったから。

ユースって、こんな風に男女同室なんですか?

01:03 午前 アニメ・コミック・サブカル, 映画・テレビ | | コメント (0)

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2015.01.08

# Kindle X-Ray、なかなかおもしろい

対応しているコンテンツが少ないせいか、あるいは使い途がよくわからないせいか、ほとんど知られていない機能ですが、昨年の12月、地味に日本語対応したそうです。

リンク:日本語Kindle書籍に新機能「X-Ray」 ボタン1つで“書籍の骨格”キーワード映し出す - ITmedia ニュース


私も実は知らなくて、最近読み始めた本で初めて知りました。

Kindle各端末と、iOS/Android版のKindleアプリで使えます。ブラウザ上で読める Kindle Cloud Reader では使えません。

どんな機能かというと、1冊のコンテンツの中で、どんなキーワードがどこにどのくらいの頻度で出現するかがわかる、つまりコンテンツの中身をX線写真のように透視する、そんな感じです。

読書中にメニューでこの機能を選ぶか、語句を選択すると、読書中のページあるいは選択した語句についてX線写真的な概要が表示されます。

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Kindleアプリ(これはiOSの例)ならこのボタン、

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Kindle端末ならこのメニュー(Kindle Voyageです)です。

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語句を選んだ場合は、このようにまずWikipediaからの引用が表示されます。で、[X-Rayに移動]を選択すると……

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このように、キーワードそれぞれについてWikipediaからの引用と、出現箇所がグラフィカルに表示されます。上のスクリーンショットは人名ですが、重要用語だけ表示することもできます。

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おもしろくはあるのですが、じゃあ何に使えるのかというと、たしかに微妙な存在です。出てくるキーワードをブラウズできるので、書籍の内容を急いで把握したいときには便利かもしれません。


ただし、これはどのコンテンツでも使えるわけではなく、Amazonで商品の詳細情報を見ると対応状況が書いてあります。

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対応している書籍はかなり少ないようです。

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日本語での動作も確認できませんでした。

ついでに思い出しました。

Kindleで読書中には辞書も参照でき、辞書は複数指定できますが、一度に参照できるのは1つだけなんですよね。いちいち設定で切り換えないといけない。いつものクセで、英英と英和をいっぺんに見たいことも多いので、単語を調べた後で辞書を簡単に切り換えられるようになってほしい。

04:27 午後 パソコン・インターネット | | コメント (2)

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# 帽子屋が見た『アオイホノオ』~第3話

第3話「アニメーターへの決定打」

前回は触れませんでしたが、第2話には矢野健太郎が登場。

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これがまた、原作マンガ以上にマンガ的なキャラクターになっていて楽しい。大仰な言動と、シャアの台詞の引用が見事にはまってます。

第3話は、そんな矢野健太郎に打ちのめされた焔モユルがアニメーションに向かう話です。

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これ、『アオイホノオ』の七不思議のひとつなんですが、原作でもドラマでもモユルがアルバイトしているという描写はまったくないんですよね。もう少し後の話で、普通免許を取得するときは親に費用を出してもらうようなのですが、それ以外は、たぶんふだんから仕送りはしてもらっているだろうけど、それほど余裕があるはずはない。それなのに、こんな値の張るアニメ制作道具を買ったりしてる。そのお金はどこから出てきたんだ~、モユル。

あの時代の大学生なんで、アルバイトしてないってことはないと思うんだけど。

ちなみに、私はもちろんアニメに手を出そうなんて思ったことはないので、こんな道具を買ったこともありません。似たような道具で、タミヤカラーと筆ならたくさん転がってましたが。

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山賀が食べている「マルちゃん 赤いきつね」は、もちろん当時のパッケージです。このすぐ後に出てくる「ポカリスエット」の缶も発売されたばかりの当時のデザインで、その辺の小道具はぬかりありません。


[庵野]正確には、初代マンの古谷敏さんの動きだ。

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前回もありましたが、庵野がウルトラマンの動きを真似る場面は、このドラマの見どころのひとつです。しかも、いちいち解説してくれるから楽しい。その解説の解説をしておくと――

古谷敏というのは、東宝の俳優さんで、円谷特撮にもかなり早くからノンクレジットで出てきたりしています。たとえば、これは

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『三大怪獣 地球最大の決戦』のときのひとコマ。真ん中の小泉博の左奥、カメラを構えてるのが古谷敏です。『ウルトラセブン』になると、アマギ隊員としてレギュラーで出演するようになります。

ところが『ウルトラマン』には、なぜか俳優としてではなくスーツアクターとして、つまりウルトラマンの中の人として出演していました。

このときの庵野は、「単にウルトラマンを真似ているのではない、中の人の動きを再現してるんだ」と言いたいわけです。

ちなみに、特撮着ぐるみの中の人としては、この人なども有名です。

リンク:「元祖」ゴジラ・スーツアクター中島春雄 | nippon.com

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アニメショップ ベロ。原作マンガには、ちゃんと実名で「アニメポリス・ペロ」と書かれています。ペロというのは、

リンク:アニメといえば、東映アニメーション! TOEI ANIMATION

この会社(昔の名前は「東映動画」)のマスコットキャラクターにもなっているネコのことで(サイトの左上にいるやつ)、もともとは東映動画1969年の長編漫画映画『長ぐつをはいたネコ』の主役キャラです。

この映画が公開されたころの映画館のことは、だいぶ前にこのブログに書いたことがあります。いつも、ただで観てました。

禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # (映画|映画館) の思い出、その4

それから、ペロと言えば東映動画が1979年ころ、たしか劇場版『銀河鉄道999』の公開前に設立したファンクラブのマスコットキャラクターでもありました。設立とほぼ同時くらいに会員になりました。


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画面はともかく、このテレビとか、よく用意しましたよねー。

[赤井]ゲッターもいいよねー。 [庵野]ゲッターもいいねー。

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ここで言ってる「ゲッター」というのは、テレビ画面には映らないけど、ゲッターロボのことです。


[庵野]あと、劇場版スリーナインの最初のほうに出てくるアルカディア号も描いてる。

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出ましたねー、キャプテン・ハーロックのアルカディア号。

庵野も言っているように、これは劇場版『銀河鉄道999』に出てくるアルカディア号。1977年にプレイコミックで始まったマンガ版やテレビアニメ版とは、デザインがだいぶ違います。

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特に船首の形がぜんぜん違う。

[手塚治虫(の声)]いや~、アトムのねー頭の角はねー、不思議なんですよ。どういう角度から見ても重ならないんですよ。

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このときの手塚治虫の声、まだ秘密ということで、エンドロールにはクレジットされていません。第10話で手塚治虫を演じる岡田斗司夫です。

最後のほうで上映される庵野の作品「じょうぶなタイヤ」、本物はYouTubeで見ることができます。

この動画の後半です。

ちなみに、ここで使われているBGMは、東宝特撮シリーズで「自衛隊マーチ」として知られる伊福部昭の名曲(ただし、途中までは早回しになってます)。1954年『ゴジラ』で、自衛艦しきねが出港する場面に初めて使われて以来、自衛隊の出動する場面の定番であり、『怪獣大戦争』ではメインテーマにもなりました。


01:42 午前 アニメ・コミック・サブカル, 映画・テレビ | | コメント (0)

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2015.01.05

# 帽子屋が見た『アオイホノオ』~第2話

第2話「残念な毎日から脱出せよ」

第2話もネタ満載です。

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[山賀]なんだよ [庵野]ルパンだよ [山賀]ルパンをわざわざ見に来たのかよ [庵野]今日は宮崎さんの作画なんだよ

ここで言ってるルパンとは、1977年から始まったテレビ第2シリーズのこと。そして、庵野が大画面で見たかったこの日の放送こそ、宮崎駿が照樹務というペンネームで脚本・演出・コンテを担当した伝説的なエピソード

第145話「死の翼アルバトロス」

です。放映が1980年7月28日なので、まさに焔モユルや庵野たちが1回生だったときのこと。

今ちょうど、huluで第2シリーズ全話が公開されています。

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宮崎駿が世間一般に知られるようになったのは、スタジオジブリ設立直前の『風の谷のナウシカ』(1984年)から、そしてその名がもっと大々的に広まるのは、やはりジブリ設立後だろうと思いますが、宮崎ファンというのはその前から存在していました。

『未来少年コナン』(1978年)や『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)、同時期の日本アニメーションの数々の作品、なかでも『赤毛のアン』(1979年)の頃には、私の周りでもだいぶ話題になり始めます。と同時に、それ以前の東映動画時代の作品、特に『長靴をはいた猫』(1969年)や『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968年)も、「あのときの原画だったのか」という感じで改めて注目を集め、1980年代前半には、そういう古い作品も含めた宮崎駿特集があちこちの名画座で企画されました。

庵野がつぶやく「これは宮崎演出」というのは、たとえばこのコマなどでもわかっていただけるでしょう。

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そして、「ギガント、これはギガント」と言いながら画面を指さす。エピソードタイトルにもなっている飛行艇アルバトロスのことを言ってるのですが、

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ギガントという名前は『未来少年コナン』の終盤に登場する、やはり巨大な飛行機械のことです。

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アルバトロスとの空中戦が、このギガントとの空中戦にそっくり。

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つまり、庵野は(そして、同じ時間に同じ番組を見ているモユルも)この数年前にNHK初のアニメとして放映された『未来少年コナン』を当然ながら見ていたということです。

ちなみに、ルパン第2シリーズというのは宮崎駿作品ではなく、この第145話と、最終回となる第155話「さらば愛しきルパンよ」だけが宮崎作品でした。第2シリーズは見るともなく見る程度でしかなかった私の仲間ウチでも、この2本だけは話題になりました。時間軸でいうと、

1972年 第1シリーズ終了
1977年 第2シリーズ開始
1978年 劇場版第1作公開
1979年 劇場版第2作『カリオストロの城』公開
1980年 第145話、155話放映

だったので、カリオストロを見せられた宮崎ファンがこの2本に夢中になったのは当然だったわけです。

[庵野]『あしたのジョー』の出崎さん……

言うまでもなく、2011年に他界した出崎統のこと。

ちなみに、出崎の遺作となった『ブラック・ジャック(OVA)』、年始にファミリー劇場で一挙放送したので初めて見ましたが、なかなか傑作です。


[庵野]高畑さんは『赤毛のアン』

最近は共同で作品を作ることがまったくなくなってしまった宮崎駿と高畑勲ですが、その二人が生みだした傑作が、日本アニメーションの『赤毛のアン』でした。


[庵野]二代目バルタン星人の重力波攻撃をくらっている初代マンの動きだよ。ダメージを表現している

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これも、今ならhuluで見られます。『ウルトラマン』第16話「科特隊宇宙へ」の21分あたりです。

ただし、実際に第16話を見てみると、この動きはあくまでも庵野が「ダメージを表現している」だけであって、実際の作中の表現とは同じでないことがわかります。

[トンコ]でも、この石森章太郎の『マンガ家入門』って本、マンガは誰にでも書けますって書いてあるし。

はい。この本を持っていた人、正直に手を挙げましょうw

私ももちろん持ってましたwww

[モユル]まず、その金田うごき。

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モユルが口にする「カナダ」とはアニメーター金田伊功(故人)のこと。かなり早くからアニメーターとして名前を知られるようになった人のひとりでしょう。その絵の特徴については、モユルが作中で熱く語ってくれます。

原作本では「かなだよしのり」という本名どおりのルビが振ってありますが、仲間ウチではみんな「いこう」と呼んでた気がします。

なお、このドラマのオープニング自体でも、人物の動きが金田伊功っぽく描かれています。

それにしても、音楽でも絵でも、このドラマで使えた作品と使えなかった作品、たぶんライセンスの問題だと思うのですが、いったいどんな事情があったんでしょうねー。

そして、同世代の視聴者の多くが狂おしいほど共感するに違いないシーンがこれ。

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クラスメートの高橋がビデオデッキ、しかもあの伝説の機種、

SONYベータマックスJ9

を持ってくる場面です。

1980年の時点では、仲間ウチでビデオデッキを持っているのはまだ1人だけでした。私自身がようやく入手したのは1981~82年頃だったと思いますが、こうやって、重い重いビデオデッキをかついで遊びにいくというのは、当時当たり前の風景でした。

やりましたよね? ね?

私らの場合は、主にビデオのダビングがしたいとき、誰かが誰かの家まで機械を担いでいくというのが定番でした。

ちなみに、このクラスメートの高橋、原作マンガでは素顔が出てきません。

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こうやって、自家製のライダー風マスクをかぶっているからです。

第2話でもうひとつうれしいのが、この本屋さんの情景。『めぞん一刻』第1回掲載号の「ビッグコミックスピリッツ」をモユルが買おうとする場面です。

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店主の後ろの棚には『ブラック・ジャック』や『じゃりン子チエ』、秋田書店版『サイボーグ009』などが並んでいますが、平積みの棚には、この3年前の1977年から刊行が始まった手塚治虫全集の、たぶんこの時点での最新刊4点が並んでいます。

いちばん奥は判別できませんが、手前から『鉄腕アトム』、『ビッグX』、『ミクロイドS』のようです。

全集のこのときの刊行作品がどれだったのか、資料も見つからないし私の記憶もありませんが、Wikipediaの「手塚治虫漫画全集」によると、『ビッグX』と『ミクロイドS』の刊行は1981年です。

この時点でモユルたちはまだ1回生のはずなので、この小道具は、素晴らしいんだけど考証がちょっと狂ってしまった例と言えるかもしれません。

さて、この講談社版「手塚治虫全集」。刊行が始まった1977年というのはちょうど私が高校1年生のとき。

刊行開始を知ったときは狂気乱舞しましたが、当時で1冊400円が毎月4冊ずつ(初回だけは確か8冊)。高校生にとってはなかなかの負担でした。それでも、毎月発売日になると何をおいても本屋に走り、コンプリートを続けていました(結局、300巻(後に400巻)全部は揃えられず、たぶん実家にあるのは半分くらいです)。

[本屋のおばちゃん]なあ、おにいちゃん。あんた、マンガ詳しいんやろ。このアニメ、なんて言うん?

本屋のおばちゃんの台詞に続いて写るこの画面。

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モユルが答えるとおり『伝説巨神イデオン』の1シーンですが、このとき画面に映っているのがまさしく

イデのマーク

なわけで、終盤に流れるダイコン3オープニングの伏線になってるんですね。

[高橋]これ、最新のアニメ雑誌なんやけど……

そう言いながら高橋が取り出すのは、当然「アニメージュ」なわけですが、

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カリオストロの1シーンが写っているこの号は、調べてみたら、1979年11月号みたいですね。ドラマ中のこの時点で「最新のアニメ雑誌」じゃない……。


12:40 午前 アニメ・コミック・サブカル, 映画・テレビ | | コメント (0)

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2015.01.04

# 帽子屋が見た『アオイホノオ』~第1話

本放送からはだいぶ時間が経ってしまいましたが、TVドラマ版『アオイホノオ』全11話をようやく見終わりました。

何を隠そう、隠してないけど、原作者の島本和彦は私とまったく同世代。それどころか、誕生日がちょうどひと月しか違わないまったくの同年齢。そのせいもあって、原作はいろいろとツボにはまるところがあって大好きなわけですが、このドラマ化も、ふだんテレビドラマをほとんど見ない私にとってさえ傑作でした。


そんな『アオイホノオ』を、録画で検証しながら帽子屋が語るシリーズというのを、新年早々かましてみようと思います。

第1話「長き戦いのはじまり」

オープニングがいきなりダイコン3なのは想定内でしたが、まず、その途中に写される焔モユルの本棚から。

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この本棚はこれからも何度か写されますが、まず気になるのが下段に並んでいる『あしたのジョー』です。

その一、22巻まである。

その二、上段と比べると、サイズが大きい。

『あしたのジョー』にいろんなバージョンがあることは言うまでもありませんが、おそらくいちばん世間的に知られているのはこれです。

おなじみの講談社コミックス版。これは復刻版ですが、オリジナルも装丁・サイズはほぼ同じ。

そして、

全20巻

です。ところが、モユルの本棚に並んでいるのは、本誌・少年マガジンと同じサイズで、しかも巻数が多い

私もこのバージョンは見たことないのですが、調べてみると、コミックスより早く1968年~1973年に刊行されたB5版なんだそうです。

リンク:あしたのジョー原作本の完全紹介!!

私ももちろん、連載当時の本作は断片的に読んでますが、実際に手元にそろえ始めたのはコミックス版になってからでした。

このドラマはかなり"歴史考証"がしっかりしているので、この辺の小道具も抜かりはないはず。とすると、原作者・島本和彦は、

7歳の頃からこのバージョンを買っていた

のでしょうか。さすがです。

ところで、このバージョンは全23巻本のはずなのですが、モユルの本棚には最終巻の23巻がありません。これははたしてどうなったんでしょうか。気になるところです。


続いて、同じ本棚の上段を見てみましょう。

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こちらは、年代的にもほぼ納得できるラインアップ。というか、半分以上は当時の私の本棚ともかぶってます。『イナズマン』が2巻しかなかったり、『銭っ子』の1巻がなかったりするところがリアルです。

『ミライザーバン』は、1976年(原作者と私が中学3年のとき)9月の創刊号から雑誌「マンガ少年」で連載が始まった作品なので、松本零士ファンのモユルの本棚にあるのは当然。


次は、オープニングに続いて写る本棚。

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文民社版の手塚治虫全集(ここで写っているのは『ジャングル大帝』)は、私も神田の古本市で何冊か手に入れたことがあります。そのほかは、アニメや映画のムックが並んでいる棚ですが、ここで注目したいのは、左端に移っている

折り畳み式の双眼鏡

でしょう。ウチにも同じようなのが、いくつか転がってました。


次に写るのは、窓の左側にある本棚だと思いますが、

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ここは私の趣味とだいぶ外れます。『太陽にほえろ!』の、これはシナリオ本なんでしょうか。私もだいたい見てはいましたが、それほどはまったわけではない。でも、モユルはおそらく、「映画を作りたい」という夢もあったので、ドラマツルギーの勉強としてこーゆーのもきっと読んでたんでしょうね。

『巨人の星』が講談社文庫版であるところが細かい。ほぼ同じ時期に連載されていた『あしたのジョー』は、B5版を早くからそろえるほど熱中していたのに、『巨人の星』のほうは連載当時にそろえようとは思わなかった。文庫版が出るようになってから何かを再発見して全巻をそろえたんではないか――そんなモユルの読書傾向がうかがえます。

『ナイン』のあだち充――

この辺も私とは趣味が合いません。あだち充は、ほぼ一貫して苦手です^^; 話作りのうまさはわかるんですけど。

[高橋]仮面ライダー、旧1号の仮面は、緑ちゃうねん。ほんまは、青やねんで。

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クラスメイトの高橋が発する名セリフです。

仮面ライダー旧1号の登場は1971年なので、これはもちろんリアルタイムの作品についての会話ではないわけですが、放映当時、原作者の家のテレビはもうカラーだったのでしょうか。

ちなみに、私の家のテレビがカラーになったのは『ワイルド7』ドラマ版のころ、つまり1972年になってからなので、旧1号は白黒でしか見たことありませんでした(その後もちろんカラーで見たけど)。


第1話はこんなところで。

12:31 午前 アニメ・コミック・サブカル, 映画・テレビ | | コメント (0)

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2015.01.03

# あけましておめでとうございます - 2015年

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あけましておめでとうございます。

今年も、三が日は毎日飲んで食べて……のんびり過ごしています。

年始に目標を立てるという習慣は特にないのですが、今年(の少なくとも前半)は、かなり長期的にスケジュールが固まりつつあり、のんぴりしていられるのは今のうちだけかも……というところです。

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毎年恒例、地元氷川神社のおみくじ。

内面的な深みを欠いてはいないか

とか、

まず内容の充実をはかり誠意を外に表現できるよう努めよ

とか、今年も意味深なご託宣です。

昨年は、2月にIJET-25プレイベントで仙台まで足を伸ばし、6月のIJET-25本番を経て、8月はほんま会のご招待で大阪へ出かけたほか、12月にはプライベートで台湾を満喫してきました。

その合間に、次から次へと勉強会やイベントがあり、11月の翻訳祭には久しぶりに登壇。

「アメリア」では1年間、連載コラムを担当したおかげで、あちこちから「読んでます」といううれしい言葉をいただきました。

株式会社帽子屋翻訳事務所は4期目の期末を迎え、単価は上昇傾向になりつつも、トータルの売上は7パーセントくらいの減少。


1年前のおみくじにあった

好機の到来を待てばやがて大きな幸運にめぐり合うことができます

というのも、年末近くにかなったと言えなくもありません。


今年は、はたしてその幸運をしっかりとつかむことができるかどうか ―― 油断することなく精進していこうと思います。

04:20 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0)

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