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2014.12.15

# 2つのジョブズまんが

スティーブ・ジョブズを主人公としたマンガが、2つ連載中です。

先行したのは、ヤマザキマリの『スティーブ・ジョブズ』。

この表紙とタイトルでわかるように、ウォルター・アイザックソン著の"公式"伝記本をベースにした"公式伝記マンガ"であり、1巻の後書き巻末には「編集協力」として訳者の名前もあがっています。

こちらは、最新の第3巻が出たばかりです。

かたや、今年になって連載が始まり、第1巻が出たばかりの後発作品がこちら。

タイトルからもわかるとおり、こちらはジョブズだけでなくウォズニアックもほぼ等しい比重で登場します。

ヤマザキマリ版のほう、1巻はおもしろく読みましたが、2、3巻と進むにつれて、作者の真面目さがちょっと裏目に出てるんじゃないかな... という気がしています。

『テルマエ・ロマエ』では、主人公のルシウスもやはり友人に心配されるほど真面目で実直でしたが、そのクソ真面目さにかわいげがあり、真面目さゆえに巻き起こるドタバタがうまくコメディー要素になって成功しました。極論すれば、シリアスな絵でギャグをやって成功した作品でした。

ところが、ジョブズにはルシウスのようなかわいげが微塵もないし、ギャグの入る余地もまったくない。真面目な作者が真面目に話を展開しているので、そこんところは原作の雰囲気が伝わっていると言えば言える。でも、マンガとして読んでいて面白いかというと、それはまったく別の話なわけです。


一方の『スティーブズ』。こちらのほうがずっと「マンガらしい」作品です。ウォズニアックのセリフで、文末になんでも「~ダ」が付くところなど、ファンにとっては気になるところもありそうですが、少なくともテックギークな層には、こちらのほうが受けそうです。

なにしろ、巻頭すぐに登場するウォズの最初のセリフが

「♪フリップ、フロップ」

だし、DRAMを手に入れるくだりとか、テック系のネタはこちらのほうがずっと詳しいし、おもしろい。ポール・テレルやマイク・マークラのキャラクターも、実物との解離はともかく、マンガとして読んでいて楽しい。ただし、ロン・ウェインが女性になってたりと、マンガ的な暴走はあるので、その辺はマンガコードとして読む必要があります。

第1巻のラストに登場する"ガキんちょ"もなかなかいい。こいつの今後にも注目です。

09:12 午後 アニメ・コミック・サブカル |

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コメント

『スティーブズ』はおもしろい。マニアックな話はまったくついていけてませんが……。作画の うめ は以前から注目しているマンガ家のひとりで、今後の展開が楽しみです。

投稿: tobirisu | 2014/12/19 12:53:31

tobirisuさん、うめ、やはり注目なんですね。ほかの作品ものぞいてみることにします。

投稿: baldhatter | 2015/01/07 23:21:16

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