# テキストファイルについて - 短期講座第1回 -
6/28(日)のほんま会に向け、秀丸エディタと秀丸マクロについての簡単な予習になりそうな内容を、
翻訳者のPCスキル・短期集中講座
として連載してみようと思います。
第1回は、テキストファイルのお話です。
テキストファイルというものがちゃんとわかると、PCスキルが一段階向上すると思います。
Wikipediaにも項目はありますが(テキストファイル - ikipedia)、私なりにまとめておきます。
ざっくり言うと、テキストファイルというのは、
文字のデータだけでできているファイル
です(ここでいう「文字」は、数字、記号なども含んでいます)。文字データだけなので、原則的には≪ファイルサイズ = 文字のバイト数≫ということになります。
このテキストファイルを、"そのまま"開けるのが「テキストエディタ」と呼ばれるアプリケーションです。商用アプリケーション、フリーウェア、シェアウェアともいろいろ出ていますが、Windows界では秀丸エディタが老舗です。
Windowsにも標準で付属しています。それが、有名な「メモ帳」(英語名はNotepad、ファイルとしてはnotepad.exe)。Windows 1.0の頃(1985年)からあるそうなので、そうとう「枯れた」ソフトウェアということになります。
[すべてのプログラム]→ [アクセサリ]→[メモ帳]
で開きます。
メモ帳に文字を入力して保存するとどうなるか、これはside TRADOSの過去エントリにありますから、そちらも併せてご覧ください。
参照リンク:side TRADOS: PCスキル - 文字コードをもうちょっと意識する
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さて、テキストファイルは通常、*.txtという拡張子です。つまり、*.txt ファイルをダブルクリックすれば、標準ならメモ帳が開くし、秀丸エディタをインストールしていれば、たぶん秀丸で開きます。
が、テキストファイルは *.txt だけではありません。ここからが"テキストファイル"の肝です。
自分のPCに、
*.html
*.xml
*.log
のような拡張子のファイルがあったら、片っ端からエディタで開いてみましょう。
と言っても、ダブルクリックではダメです。*.log はたぶんメモ帳で開きますが、上の2つはブラウザで開いてしまいます。エディタの[ファイル]メニューから開くか、エディタのアイコン(ショートカット等)上にドラッグアンドドロップしてください。
*.html というのは、ブラウザで表示するためのいろいろな情報(タグなど)が入ったファイルですが、中身はちゃんとエディタで読めるはずです。*.xml も *.log も同様。
↑これは、秀丸マクロのひとつ(*.mac)をメモ帳で開いたところです。
では、今度は
*.docx
*.xlsx
*.pdf
*.jpg
など、何でもいいのですが、ふだんそれぞれ専用アプリケーションで開いているはずのファイルをエディタで開いてみてください。ダブルクリックではダメですね。上に書いた方法で。
これが、*.docxを開いた画面です。部分的には読めますが、基本的にはまったくアウト。
このように、テキストエディタで開いて読めるファイルを「テキストファイル」と言います。
かたや、テキストファイルで開いても意味不明なファイルは「バイナリファイル」です。
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バイナリファイルは、専用アプリケーションがないと編集できません。テキストエディタで開いて適当に編集してしまうと、本来のアプリケーションで正しく開かなくなります。
一方、テキストファイルは基本的にテキストエディタで操作が可能です。
PCの扱いに慣れてくるほど、テキストファイルとテキストエディタを頻繁に使うようになる、その理由がまさにここにあります。
具体例を、翻訳者になじみの深い例で説明します。
SDL Trados 2007 まででTagEditorを使ったことのある方は、*.ttxをテキストエディタでひらけることをご存じだったでしょうか。
TagEditorの検索・置換機能はけっして使いやすいものではありません。テキストファイルとしてエディタで開けば、いろいろな操作が可能です(正規表現による細かい検索など。ただし、タグを壊したりすると*.ttx として正しく機能しなくなるので要注意)。
虎使いじゃない方は、たとえばJammingをお使いであれば、Jammingのインストールディレクトリで
初期設定\dicpath
というファイルをさがし、エディタで開いてみてください。登録してある辞書のパスが書いてあります。マシン環境のお引っ越しで、もしJamming辞書データの置き場所が変わっても、ここを編集すれば簡単に移行できます。
つまり、テキストファイルを開ければ、
アプリケーション自体では不可能/不自由な部分をカバーできる
ことが多いわけです。
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そして、秀丸マクロというのは、こういう「テキストファイル上のいろいろな操作を限りなく便利にするツール」です。
何でもできるとは言いませんが、
できることの範囲が想像以上に広い
ことは、間違いありません。
その範囲がちゃんと見えてくると、秀丸エディタのシェアウェア料金4,320円というのはまったく高くない、と思えるはずです。
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