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2014.03.30

# 『乙嫁語り』のこと

このマンガのこと、書こう書こうと思っているうちに、なんと今年のマンガ大賞を受賞してしまいました。


リンク:マンガ大賞2014


これ、ある人に薦められて、というかその人の部屋で見かけて読み始めたのですが、第1巻、始まって早々に出てくるウサギ狩りの何コマかで、もう私の中では名作決定でした。


でも、個人的にもっと引き込まれたのは、実は第二話(単行本だと43ページから)です。


主人公一家(4世代の大家族)の最年少である男の子が、近所に住む、えーと、ああいう人の職業は何と言うのでしょうか。建具とか欄間に彫刻する人のこと。日本なら「建具師」かもしれませんが、この人は柱とか肘木とか梁とか、何でも作るっぽいのですが、とにかくその人が彫り物をしている様子を、4~5歳くらいの男の子がじーっと見てるんですよ。

特に圧巻なのは、単行本の54ページから59ページ。

ただただ、彫り上がっていく美しい模様と、職人の手先、それを見つめる男の子だけが台詞もなく描かれている。

その描き込み方が素晴らしいという以上に、実は自分の子どもの頃の記憶がよみがえりました。


近所に、そういう彫り物をする建具師さんが住んでたんですよ。で、私も子どもの頃(この作品中よりもう少し大きかったのですが)、毎日とは言わないものの、たびたびお邪魔してはじーっとその様子を眺めてました。とても美しい、不思議なものが目の前で出来上がっていく---いいものを見られたなあ、と今でも思います。


その直後、家の作り方を説明する職人の台詞が、またいい。
(以下、引用中の改行は原文ママ)


まずこうやって
石を並べるだろ

石の上に
柱を立てる

柱の上に
肘木を
乗っけて……

肘木ってのァ
ここに付けんだ

柱の間に
扉を立てる

どっちに開くか
間違えねえ
ようにな

壁には
石とかレンガを
積む

ついでに
あれも一緒に
積んでおく

ここが
窓になる

肘木の上に
梁をかけて

2階を
作ったら

回廊に
手すりを
つける

落ちない
ようにな

(1コマだけ男の子との会話入る)

あとは
根太を回して
床板張って

天井
かけたら

そっからさきは
嫁さんたちに
任しておけば
いい

床にじゅうたん
敷いて

壁掛け
かけて

そうすりゃ
1軒
出来上がりだ

中庭には
ぶどうでも
植えるといいな


…… とても美しい、「人の生活」だと思いません?


ほかにも、この作品、素晴らしい要素がいろいろあるのですが、こんな話があるかと、たとえば市場で買い食いするだけで丸一話とってたりするところも圧倒的です。

電子版も出ていますが、やはり書籍版がお薦めです。

10:03 午前 アニメ・コミック・サブカル |

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