# 差分比較ツール、そろそろ必携でしょう
このカテゴリで久しぶりのエントリです。
すでにお使いの方も多いと思いますが、翻訳者は差分ツール(差分比較ツール)を持っていたほうが何かと便利だろうと思います。
分野によって多少の違いはあるかもしれませんが、どんな分野でも用語集が支給されることはありますよね。で、その用語集が更新される、場合によっては次々と更新され続けることもあります。そんなとき、更新情報が提供されればいいですが、そうでないといったい
どこにどんな変更があったのか
確認するのは、けっこうたいへん。そんなとき重宝するのが、差分ツール(差分比較ツール)です。
私自身が使っているのは、Araxis Mergeという有料のアプリケーション。
リンク:Araxis Merge | ファイル比較(diff)/マージツール | 特徴
これ、最低でも20,000円近くするので、個人で買うにはけっこう負担ですが、これを買ったのには理由があります(ちなみに、私が今使っているのは最新版ではありませんが、それで十分足りています)。
Araxis Merge、実は以前の勤務先で導入していて、その頃フリーウェアでは同等の機能のものがなかったんですね。つまり、
・2つのファイルを上下にしか表示できない。
(縦並びの左右表示でないと、直感的には差異を把握しにくい)
・長い行を折り返せない
・行に差異があることはわかるが、どこが違うか示されない
・テキストファイルしか使えない
・空白や空白行を無視する等のオプションがない
・比較結果を出力できない
などなどの欠点があった。逆に言うと、Araxis Mergeではこれが全部できる。まあ、20,000円近くするのですから、そのくらいできなきゃ意味がないわけです。
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で、最近ちらっと調べてみたら、フリーウェアでも差分比較ツールもだいぶ進化していることがわかりました。
このページに紹介されているのが代表的ですが、そのほか、水野麻子さんのとこの「ちゃうちゃう」もまだ公開されています。
上のページで紹介されているいくつかのツールのうち、解説を読んだだけではわかりにくいものを、実際に軽く使ってみましたので、それをレポートしておこうと思います。
WinMerge
かなり高機能です。フォルダ単位でも比較もできます。
デフォルトではテキストファイルしか扱えませんが、プラグインを使えば、WordやExcelなどのバイナリファイルにも対応できちゃうみたいです。
リンク:xdocdiff WinMerge Plugin -Word、Excel、PowerPoint、pdfの比較・差分を見る-
これだけの機能があれば、有料アプリケーションに手を出さなくて済みそうです。
DF
これ、私が知ってた頃は上下表示しかできなかったような気がしますが...
いろいろと進化しています。上の図のように、最初は差分のある行が示されるだけで、その中のどこが違うかはわかりません。右クリックして[行比較]というコマンドを選ぶと、別ウィンドウで
こう表示されます。昔より多機能になりましたが、対応ファイルはテキストのみです。フォルダ単位の比較にも対応しています。
Rekisa
見せ方が独特です。
この図ではちょっと見えにくいですが、行内の差異(この例では、「組込」と「組込み」)も示されています。
ただし、行の折り返しはできないようですし、テキストファイルにしか対応していません。また、フォルダ単位の比較にも対応していないようです。
テキスト差分表示ツール
名前では「テキスト」となっていますが、実はWord/Excelファイルに対応しています。デフォルトでこれは珍しい。
これも、最初は差分のある行が示されるだけで、行内の差異はわかりません。DFと同じように、右クリックでコマンドを選ぶと上のほうのフィールドに行内の差異が表示されるようになっています。メニューをざっと見たところ、[表示行数50000超への挑戦...]なんてコマンドがあったりして、なかなか意欲的です。
フォルダ単位の比較は、別アプリになっています。
CompFile
これは、フォルダ内のファイルの差異を比較するだけで、ファイル自体は比較できません。用途が限定されます。
DiffImg
DiffPDF
Csv Diff
以上は、どれも対象ファイルの種類が限定されており、用途が限られます。ただし翻訳者に限って言えば、PDFを比較する機会は多いかもしれないので、DiffPDFはあると便利です。
このほかにも、ベクターや窓の杜をさがすと、今はかなりいろいろ出ているみたいです。いろい試して、自分の用途と趣味に合うアプリケーションをお選びください。
11:11 午前 パソコン・インターネット 翻訳者のPCスキル | URL
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