今までの基本で、正規表現には以下の文字を使いました。
ピリオド(.)
アスタリスク(*)
プラス(+)
クエスチョンマーク(?)
大カッコ [ ]
丸カッコ ( )
ハイフン(-)
カレット(^)
縦棒(|)
言い換えれば、これらは正規表現の中で一定の機能をもつ特殊文字であり、メタ文字、メタキャラクタと呼ぶこともあります。
このほか、秀丸エディタで開いているテキストファイルの中には、やはり特殊な表現を使わないと検索できない部分があります。

この図に示した、行頭とか行末を検索したい場合です。このようなとき、以下のようなメタキャラクタを使います。
カレット(^)
機能:行頭を表す
ドル記号($)
機能:行末を表す
再登場したカレット(^)は、注意が必要です。
[ ]の先頭で使うときは除外を表しました。行頭を表すのは、[ ]の先頭にないときだけです。たとえば、
[^a-zA-Z]
なら「アルファベット以外」を表しますが、
^[a-zA-Z]
とすると、「行頭にアルファベットがあるもの」にヒットします。
■
また、タブや改行など(制御文字と言います)を表したいときには、
円記号 + 所定の文字
という表記方法があり、このような表し方をエスケープシーケンスと言います。実際に使用する代表的なエスケープシーケンスは以下のとおり。
\n
機能:改行を表す
\t
機能:タブ文字を表す
\<
機能:英単語の始まり
\>
機能:英単語の終わり
\w
機能:英単語
このような表現、つまりエスケープシーケンスを作るときの円記号をエスケープ文字と言います。
■
エスケープ文字には、もうひとつ重要な役割があります。それは、上にあげたようなメタキャラクタそのものを検索したいとき、です。
たとえば半角丸カッコを検索したいときには、
(
だけではなく、
\(
と指定します。
秀丸エディタの場合、検索ダイアログで「正規表現」をオフにすれば、エスケープせずに半角丸カッコを検索することは可能です。しかし、他の正規表現と組み合わせて使う場合には、エスケープしなければなりません。
例:
\([ァ-ヶーぁ-ん亜-熙]
和文の前に半角丸カッコがある場合を検索します。「和文中では丸カッコを全角にしなければならない」というルールのときに使えます。
【今回のまとめ】
●正規表現に使う特殊文字をメタキャラクタ(メタ文字)と言う
アスタリスク(*)、プラス(+)、クエスチョンマーク(?)、大カッコ [ ]、丸カッコ ( )、ハイフン(-)、カレット(^)、縦棒(|)、ドル記号($)などがある
●メタキャラクタのなかには、使い方によって意味の異なるものもある
●円記号(エスケープ文字)を付けた表現をエスケープシーケンスといい、特殊な制御記号などを検索できる
\t、\n、\<、\>、\w などがある
【例】
[^。]\n
……改行の前に句点がない箇所にヒット
^"
……行頭に二重引用符がある箇所にヒット
※Excelからテキストに貼り付けたとき、セル内改行があるセルの先頭には二重引用符が付きます。
\w\t\w
……英単語 + タブ + 英単語という箇所にヒット
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