# 「バルサの食卓」風お弁当
ここに料理ネタを出すのは珍しいのですが(最近、末っ子の作品を Facebook に載せることはよくありますが)、今回は本の紹介も兼ねてのエントリ。
小学校最後の遠足(社会科見学)に、末っ子が作ったお弁当です。
元ネタになったのは、この本。
上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズは、「出てくる料理がなぜだか美味しそう」と以前から定評があって、そのいろいろな(架空の)食べ物を、あの「南極料理人」のチームが再現してみたというレシピ本です。
親が奨めたらたちまちこのシリーズのファンになった末っ子、しかも今は料理にも夢中なので、当然のようにこの本も熟読しています。そんな彼女が、小学校最後の弁当ということで、この本の中のメニューを作ってみたいと言い出した次第。
以下はもちろん、私が詳しく知ってるわけではなく、末っ子が出かけた後にこの文庫本で確認した内容です。
左から順に、
- 十五穀米のおにぎり(ビーフジャーキーの甘辛煮入り)
- 里芋コロッケ
- (これは関係ない)
- きんかんの蜂蜜漬け
「十五穀米おにぎり」の元ネタは、『バルサの食卓』131-136ページ。
ただし、雑穀おにぎりが登場するのは実は守り人シリーズではなく『狐笛のかなた』という別の小品です。守り人シリーズに出てくるのは、"甘辛く煮込んだ干し肉を刻み込んだ" 「シュルジ」というにぎり飯(『夢の守り人』より)。 この本では別々のメニューとして紹介されていますが、末っ子がオリジナルでミックスしたようです。
「里芋コロッケ」は、同書89-93ページ。
原作では「ロッソ」という食べ物だそうです(いや、私もシリーズは読んでるんですけどね。食べ物の名前までいちいち覚えてませんってば)。ゆでた里芋をつぶしてバターと小麦粉をまぜて練った生地で皮を作り、挽肉とタマネギを炒めた具を包んで揚げるという、けっこうめんどくさいレシピ。コロッケと言っても "小麦がほとんど採れないカンバル" の食べ物なので、小麦粉をまぶして揚げます。だから、見かけと食感はコロッケというよりピロシキに近い。丸ごとだとこんな感じです。
あ、揚げる工程だけは私が手伝いました。
「きんかんの蜂蜜煮」は、同書148ページ。これはまあ、読んだとおりのレシピです。
■
ちなみに、この本に載っているメニューでほかにお奨めなのは、104-111ページに載っている「タンダの山菜鍋」。原作ファンの間でも、"ノギ屋の弁当と一、二を争う人気の料理" で、我が家でもこの冬に二度ほど作りました。
各種のきのこと山菜、そしてスペアリブを煮込むんだから不味くなるはずもありませんが、味付けの発想がかなり大胆です。さすが南極料理人。どんな味付けかは、『バルサの食卓』でお確かめください。
山菜鍋が出てくるのは、シリーズ第1作のこちら。
03:49 午後 書籍・雑誌日記・コラム・つぶやき | URL
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: # 「バルサの食卓」風お弁当:
» 「バルサの食卓」 上橋 菜穂子・チーム北海道 トラックバック 日々の書付
「精霊の守り人」のタンダの山菜鍋や「獣の奏者」でエリンが母親と食べていた猪肉のごちそう、「狐笛のかなた」で小夜が作って小春丸と一緒に食べた胡桃餅。
上橋作品に出てくる食べ物はそのどれもがおいしそうで、作品を読んだものならば、誰でも一度は食べてみたい、その料理を実際に見てみたいと思ったのではないでしょうか。
そして今回、上橋ファン待望の一冊「バルサの食卓」がついに出版されました。チーム北海道という方々が上橋作品の再現レシピをつくってくださったそうです。(チーム北海道にはあの南極料理人・西村淳さ... [続きを読む]
受信: 2012/03/09 7:31:54
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
バルサ弁当、いいですねえ。
> きんかんの蜂蜜煮
これは日本でも普通。
うちの母が今冬まさに金柑ブームで、「風邪予防」と信じて大量に蜂蜜煮を作っています。
私はお菓子のつもりで食べているだけですが、まだインフルエンザにはかかっていません。(単に、風邪ひかない人種なだけかも)
投稿: 白い都 | 2012/03/09 11:49:42
そう、後から人に聞きましたが、金柑ちょっとしたブームみたいですね。実はこの後しばらく私は風邪で喉をやられてて、そのときこの金柑漬け蜂蜜にけっこう救われました。
投稿: baldhatter | 2012/03/20 19:23:02