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2011.11.18

# 『スティーブ・ジョブス II』の装丁について

もはや改めて紹介するまでもないこの 2 冊。

翻訳書としてはもちろん、書籍全体としても今年最大のヒット作となった本作。出版に至る経緯、予想されていたとは言えやはり突然だった本人の逝去、井口さん自身がブログに書いた翻訳苦労話など、周辺的な話題にも事欠かず、ほとんど社会現象と言える様相を呈しています。

内容と翻訳のすばらしさについては、今さら私がいろいろと書くまでもありません。

その話題作の下巻が、諸般の事情によりようやく手元に届いたので、私としては、下巻の装丁(製本?)について、1点だけ苦言を呈したいと思います。

それは、

最終ページの後に、せめて1ページの余白がほしかった

ということです。

原書ハードカバーでも 656 ページあるという本書(ワード数にすると 22 万超)、日本語翻訳で上下巻になってしまうことは避けられず、それでも 1 ページあたりの余白を少なくして文字数を増やすなど、装丁には通常と違う工夫があったと Buckeye さんからも聞ききました。

そうは言っても、出来上がってみればやはり、上巻 445 ページ、下巻 430 ページという大著になっています。

そういう事情はわかるのですが、

下巻最終ページが見開きの右にきて、その左がいきなり著者と訳者の紹介ページ

というのは、実はかなりがっかりです。

どうしてかというと、もちろんネタバレは避けますが、ラストのこのページは、ジョブズの死生観にもかかわる素晴らしい終わり方をしているのに、この装丁のせいでその効果が半減しているからです。

もう少し言っちゃうと、本編の最後にあるジョブズの一言が、余韻をいっさい残してくれないこの装丁のせいで台無しになっていると思うからです。

最後まで読んだ人には分かってもらえると思うんですが、どうでしょう。

ただ、こう書きながら、もしかしたらこの装丁は意図的? と考えなくもありません。

もしかすると、この終わり方が逆に、本書の刊行を見ることなく旅立ってしまったジョブズの、あの劇的な生き方、そして死に方に似合っていると思えなくもないからです。

07:55 午後 書籍・雑誌 |

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