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2010.05.26

# DEWKs と DINKs

Buckeye さんのブログで久しぶりに DEWKs という語を見かけたので(DEWKs誘致: 山と鉄馬とDIYと)、ちょっと調べてみました。

DEWKs と DINKs (日本だと最後の s は付かないことも多い)、ちょうど自分が結婚した前後、1980 年代末くらいから見るようになったのですが、私個人としては、まず DEWKs が登場して、でもすぐそれが姿を消して DINKs が出てきた、そんな記憶がありました。

もちろん、意味としては

DEWKs = 夫婦どちらも収入があって子供もいる
DINKs = 夫婦どちらも収入があって子供がいない

なのですが、D のところは Dual、Dually、Double、Doubly と複数の説があります。しかも、おもしろいことに、いくつかの辞典に当たってみたところ、

DINKs は載っているが DEWKs は載っていない

場合が多いようなんでした。

かと言って、DEWKs が和製英語だということではないようです。ランダムハウス第 2 版には、

米俗*2職の子供持ち族. [d(ual-)e(mployed) w(ith) k(id)s]

というエントリがあって、まさか和製英語を(そう断りもせずに)立項するはずはありません。

でも、手元の英英(Webster's Collegiate 11th、Shorter Oxford)ではどれにも載っていませんし、ネット検索しても意外なほどヒットは少なく、辞書系サイトでも Investopedia に次の記述があるくらいです。

DEWKS families are marketing targets for toys, children's clothes and other goods and services that pertain to children. Contrast this with "DINKS"

Wikipedia にも Wiktionary にも、Ask Oxford にも項目はありません。

一方、DINKs は RHD、研究社台英和、広辞苑などにはもちろん載っていて、Collegiate にも SOD にも載っています。Collegiate によれば、初出は 1986 年だそうです。■


そんなわけで、英語圏での事情はわかりませんけど、少なくともこの国で DINKs が生き残って DEWKs が消滅していったのは当然と言えば当然という気がします。

かつての日本では、「共働き」と言ったら子持ちがふつうだったわけで、「夫婦どちらも働いていて子供がいない」というのはかなり少数派だったはず。だからこそ DINKs という、いわば「新しい選択肢」が注目された。しかも、1980 年代末の日本といえばバブルの絶頂期ですからね。有楽町西武が思い切り元気だったあの当時の日本に、DINKs という生き方は実によくフィットしたんだと思います。■

09:30 午前 翻訳・英語・ことば |

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コメント

twitterからこちらにもお邪魔します。
DINKsへの道をまっしぐらに歩んでいる20代後半ですが、DEWKsという言葉は初めて目にしました。
主人(予定)がSEで21時くらいまで働き、私がフルタイムで社内翻訳をやって、二人とも将来的に収入がそれほど伸びないことが予想されるので、子供を持つ余裕ができるとは時間的にも金銭的にもとても思えません…。仕事と子供を持つことについて、80年代末に20~30代だったみなさんの当時と今の考え方に大変興味があります。

投稿: | 2010/05/26 14:54:35

HitomiS さん、コメントありがとうございます。

> 80年代末に20~30代だった

私自身も家内も、いわゆる就活に見向きもしなかったクチで、バブル景気の当時も、その恩恵を直接受けるような職にはついていませんでした。それでも、今の若い方々に比べると運がよかったのかもしれません。

あの頃であれば、まだお子さんのいないご夫婦に対して「まあ、生んじゃえば何とかなるよ」と軽く言えましたが、最近の経済・社会状況では、そうも言い切れなくなりました。

ただ、ご主人(予定^^)のような SE 職についてはわかりませんが、翻訳の世界なら必ずステップアップのチャンスはあると思います。社内翻訳をしながらスキルと経験を積み、フリーになれば、またいろいろなライフスタイルの可能性も見えてきますよ。

投稿: baldhatter | 2010/05/26 19:57:04

baldhatterさん、ご返信ありがとうございます。

こういったトピックで同年代と会話していると、「昔の人がうらやましいよね~」と愚痴ばかりになってしまうので、別世代の方のご意見が聞けるのはとても参考になります。

>フリーになれば、またいろいろなライフスタイルの可能性も
はい、私が翻訳を志した理由には、たしかにこれがありました。経験の一環として、今までないがしろにしてきたオーラルのほうも手を出そうと思い、今春から通訳入門クラスに通学を始めていたりします。
今の仕事に打ち込みつつも、周囲や先のことも眺めながらじっくりやっていきます^ ^

投稿: | 2010/05/27 9:26:11

DEWKs ・・・ 懐かしい単語ですね。
手元の辞書を見てみたところ、ランダムハウスのほかにジーニアス英和大辞典にも記載がありました。

DEWK*d(j)**k*〔double employed with kids〕【名】(複~S, ~s) 子供を持っている共働き夫婦(cf. DINK).

和製英語であるということわり書きは特にないので、発生地は海外なのでしょうね。日本には定着しなかったようですが、DINKs がもてはやされた当時、新聞で見た覚えがあります。我が家はまさにその頃 DEWKs の方だったので。ちなみに、子供を作るのは止めようねと相談がまとまった途端にできちゃってたのが長女です(^m^)。

投稿: | 2010/05/27 16:07:57

HitomiS さん。

私たちの世代が、はたして羨ましがられるほどなのかどうか、それはわかりませんけど、

> 経験の一環として、今までないがしろにしてきたオーラルのほうも手を出そうと思い、今春から通訳入門クラスに通学を始めていたりします

そういうフットワークの軽さ、トライ精神は、むしろ若いうちの特権ではないかと思ってしまうのは、自分が着実に老化しつつあるということなんでしょうね。翻訳と通訳、両方できるのは素晴らしいと思います。がんばってください!!

投稿: baldhatter | 2010/05/29 16:58:52

あ、洒微さんはご存じでしたか。

> DINKs がもてはやされた当時、新聞で見た覚えがあります。我が家はまさにその頃 DEWKs の方だった

実は、このエントリを書いちゃってから家内に聞いたところ、
「DINKs が先に言われるようになって、その後ごく短期間だけ DEWKs を見かけたんではなかったか」
ということです。確かにそうだったかもしれません。

投稿: baldhatter | 2010/05/29 17:05:58

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