# The Catcher in the Rye、訳本の売上部数
昨日のエントリでも訃報をお伝えしたサリンジャー。
今朝の天声人語を見ていたら、The Catcher in the Rye の訳本の売上部数が出ていました。有名な『ライ麦畑でつかまえて』のタイトルを付けた野崎孝訳と、村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』をあわせて 290 万部だそうです(訳本はほかにもあるらしい。読んだことはない)。
Wikipedia によれば本国アメリカでは今までに 1500 万部以上売れているそうで、まあそれも不思議ではないわけですが、それにしても、これだけ知名度の高い作品でさえ訳本の売れ方はそんなもんなのか、と。
たとえば、最近のベストセラーの代表『バカの壁』は 420 万部(2003年)。
同じフィクション分野で、発表時期も近い翻訳ものと比較するなら、『星の王子さま』が 600 万部((1953年、内藤濯訳だけで)。
翻訳もので、発表からの時間がもっと短い『ハリー・ポッターと賢者の石』でも 500万部超(1999年)。
翻訳ものでないフィクションだと、『ノルウェイの森』が上下巻で約 450 万部(1987年、文庫版も含めると約 790 万部)。
それどころか、『ぐりとぐら』だって約 400 万部(1967年)、『はらぺこあおむし』が同じ 290 万部(1976年)。親が読み聞かせすることも考えれば、この国ではサリンジャーを読んだ人より、『はらぺこあおむし』に接した人のほうが多いということになりそうです。
この国にマーク・チャップマンみたいなヤツが出現せず、そのかわりに土浦とか秋葉原の無差別殺人犯が出てくるのは、そういう土壌と関係があるのかどうか、そこまではわかりませんけど。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント