# 段落記号、行区切り、改行 --- Word の不思議
Word 上の検索はあまりまじめにやらないので、今頃になって知る意外な事実があったりします。
では、ここで問題です。
「半改行」とか「段落内改行」とか呼ばれていると思いますが、さて、これを検索するにはどうすればいいでしょう。
[検索]ウィンドウの[特殊文字]オプションを開くと、該当しそうなオプションは 3 つあります。
[段落記号]というのは普通の改行、ふつうのこれ ですね。
では、その次の[任意指定の改行]でしょうか。名前はそれっぽいのですが、ハズレ。正解は最後の[任意指定の行区切り]なんでした。呆れるほど名前が判りにくいのですが、それなら[任意指定の改行]って何なんでしょうか?
まずはUI 翻訳のマズさを疑って、マイクロソフトランゲージポータルで英語を調べてみました。
[段落記号]は Paragraph Mark。そのまんまです。[任意指定の改行]は Optional Breaks、[任意指定の行区切り]は Manual Line Breaks がそれぞれ該当するようですが、原語で見ても違いはよく判りません。
さらに調べてみると、「任意指定の改行」というのは「欧文のワードラップを無視して改行する」機能だそうで、ということは和文だけ入力している分にはまず使うことのない機能なんでした。
以下の ↓ スクリーンショットがその実例です。
Ex1 のパス表記のように英数字だけをスラッシュで区切った文字列は、ひとつながりの単語と見なされます。ということは、Ex2 のようにパスが長くなってしまうとワードラップがはたらいて、その前の区切り、つまり site の後で行送りされてしまうので、1行目があまりに短くみっともない形になってしまいます。
かといって普通の改行(段落記号)を挿入すると段落が変わってしまい、いろいろと不便です(段落書式の設定とか)。こんなとき、[任意指定の改行]を挿入すると、Ex3 のようにワードラップの途中で「任意に改行」できます(二重四角のような制御記号)。
ちなみに、Trados を使う場合、[段落記号]ではもちろんセグメントが切れますが、[任意指定の行区切り]や[任意指定の改行]ではセグメントが切れません。しかも、セグメントを開閉すると[任意指定の改行]は消えてしまうようです。
09:53 午後 パソコン・インターネット | URL
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コメント
>和文だけ入力している分にはまず使うことのない機能
>
削ればいいのにと思ってしまいますが、逆に手間なんでしょうね。
機能そのものだったらともかく、検索の選択肢から省くぐらいは問題がないような気もしますが。
「訳せばいいって問題ぢゃない」好例?ですね。
投稿: すみっこ兼業翻訳者 | 2009/12/19 10:07:03
> 訳せばいいって問題ぢゃない
それはそうなんですけど、この場合は元々の機能が曖昧なんで、どう訳せばいいものやら。
ちなみに、「任意指定の改行」は Office for Mac だと "Invisible Break" なんだそうです。日本語版ではどう訳されてるのか、Office for Mac お持ちの方、いらっしゃったら情報を。
投稿: baldhatter | 2009/12/19 11:47:49