# 34,501ワードを10時間で……?
「34,501 ワードのプロジェクトを 10 時間で終了させることができました」という TRADOS さんの謳い文句について、あきーらさんからいただいたのがこんなコメントでした。
レート10円/wordだと、10時間×290日働けば1億円プレーヤーか!
先日の JFT 翻訳祭で Buckeye さんが挙げた「駆け出しのレート(= 5円)」だったとしても 5,000万円。Trados ってスゴイんですねー www
この広告を見て真面目にそんな皮算用をしちゃう人は、まずいないと思いますが......
真面目な話、この 34,501 ワードというのが全部 "No Match" レンジつまり通常の翻訳を必要とするワード数だったということは、常識的に考えてありえません(私の知ってる範囲でもかなり超人的な処理量の人はいますが、当然その上限を超えています)。
考えられるとすれば 34,501 ワードのほとんど、あるいは全部が 95-99% レンジだったという場合です。"95-99%" というのは、Trados の解析で 100%(完全一致 = 原則的に作業が不要)の次にくるレンジですが、実際にはタグの差異や原文のわずかな変更しかないことも多く、実質的な作業はたとえば、
セグメントの開閉を繰り返しながら確認し、ときどきタグを追加/削除する
だけということもありえます。そうであれば、もしかしたらこの処理量も可能かもしれません(それでも実際にはかなり困難だと思うのですが、あまり細かい検証ではないので)。
ですが、95-99% レンジの料金であれば 10円(あきーらさんの使った数字のまま)ということはなく、その10%~30%というところでしょう(翻訳メモリーを使うときはそういう計算をします)。かりに 10% = 1円もらえるとして、上記と同じ労働時間なら
34,501 x 1円 x 290日
--- それでも 1,000 万円は超えることになりますねー。
1日10時間ひたすらセグメントの開閉とタグの処理だけを繰り返して 1,000 万円。これを幸福な図式と呼ぶのかどうか。人それぞれ...ですよね、たぶん。
ちなみに、この 10分の1 に当たる 3,450 ワードを通常どおり翻訳したとしたら、
3,450 x 10円 x 290日
--- こちらでも(当然ながら)1,000 万円は超える計算です。
10:40 午後 翻訳・英語・ことば TRADOS | URL
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