プロジェクトの新規作成
「プロジェクト」という考え方は今回が最初ではなく、2007 Suite から始まっています。要は、ターゲットファイル + メモリー + 用語集という複数のファイルを 1 つのセットにまとめ、その設定情報を XML 形式で保存しておく、ついでにプロジェクトの進捗(既訳と未訳の量)なども管理してしまう、という発想です。
従来のように、ファイルとメモリーを別々に開いて作業することも可能かもしれませんが、まずは「プロジェクト」を新規作成してみました。
[ファイル]→[新規作成]→[プロジェクト]
を選択して、ウィザードに沿って進みます。1)プロジェクト名やパスの設定、2)ソース/ターゲットの言語設定、3)ターゲットファイルの選択(ファイル単位/フォルダ単位)、あたりまでは特に問題なく進められます。その次がメモリーの設定になりますが、既存のジョブを 2009 環境に移行する場合は、ここが最初のポイントになります。

Studio 2009 からはメモリーが、*.sdltm というファイル形式に変わりますが、このステップで[追加]ボタンを押せば、従来形式(*.tmw またはエクスポートした *.tmx)のメモリーを変換して追加することができます。ただし、私の環境では直接 *.mtw を選択するとエラーになってしまい、*.tmx しか受け付けてくれませんでした。
メモリーを旧形式から変換するときは細かいオプション設定も可能ですが、ひとまずデフォルト設定で問題なく変換されました(tmx ファイルは、あらかじめ 2007 上でエクスポートしておきました。形式は「tmx 1.4」を選択したので、それ以外の形式が正常に変換されるかどうかは未検証です)。
新機能 - 1 つのプロジェクトで複数のメモリーを指定可能
上記の過程で、メモリーは複数指定することができるようになりました。今回は 2 つ指定したので、こんな風になります。

このショットのチェックボックスでも判るように、各メモリーを検索対象にするかしないかを指定できるほか、メモリーごとにペナルティも設定できるので、複数メモリーの優先度をここで調整できることになります。
新機能 - 事前プロセスの一括処理
プロジェクトの設定が終わると、指定したメモリーとターゲットファイルを使って、事前処理が始まります。以前は個別に行っていた、解析→翻訳(既訳の埋め込み)という一連の作業を一括で処理できます。

このプロセス周りについても、けっこう細かい設定が可能になりました。
たとえば、このステップでは、

些細な追加ですが、解析結果を示す数値範囲を変更できるようになっています。
プロジェクトの完成
これまでの手順でプロジェクトの設定が終わると、メインの画面にこんな風に表示されます。

インターフェースの好みは人それぞれですが、「未翻訳」と「翻訳済み」のバー表示とか、見やすさに工夫があることは一定度評価できるかと。
このメイン画面で、ファイルを選択して実際に翻訳する場合は左ペインの[ファイル]ボタンをクリックし、開いているファイルの編集に戻る場合は[エディタ]をクリックします。で、メモリーを操作する場合は[翻訳メモリ]をクリック、というように機能ごとに画面を切り替える、まあ、ありがちな統合インターフェースではあります。
ファイルリストはこんな感じですが、

このような概要表示だけでなく、解析結果とか進捗ステータスとか、いろいろと「プロジェクト管理」的な発想で表示を切り替えられるようになっています(翻訳者として使える機能かどうかは別)。
ファイルをエディタ上で実際に開いたところは......えーと。今回は、私の実際のジョブファイルをプロジェクトにしてみたので、ちょっとエディタ画面はお見せできないんでした。アハハ。
「てはじめ」としては、ひとまずここまで。
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