# ツッコミどころ満載、と笑ってばかりもいられない
SDL TRADOS からのお知らせメール、あいもかわらず愉快です。
新しい SDL Trados 2007 Suite の年末特別セール!
最近行われた調査によると、翻訳するテキストの 27% は繰り返し出てくるフレーズで構成されています。
翻訳メモリ を使用しないと、1 年で 120,000 語* も余計に翻訳することになります。 SDL Trados ROI 計算ツール をお試しください。翻訳メモリがどれだけ便利なものか実感していただけます。
SDL Trados 2007 Suite、この業界をリードする翻訳メモリ ツールの最新バージョンには、自動翻訳機能** といった新しい機能が追加され、これまでにないスピードでの翻訳を可能にします。
なんの根拠も出典も示さずに、いきなり 27% という数字を出してくる辺りは、実に大胆不敵な手法と思わせます。
その一方、「1 年で 120,000 語も余計に翻訳」というのは、脚注によれば「1日 2,000 語を年間 240 日翻訳する場合」なんだそうですが、
2,000 x 240 x 0.27 = 129,600
ですから、普通なら「130,000 語」と書くところ。こちらは一転して控えめになります。
なんのことはない。ただ数字の扱い方を知らないだけのようです。
言語ツールを売っている会社とは思えないお粗末な日本語も、もちろんお約束どおり。
"IT 翻訳" の現状と実情が、こんなところにも如実に表れている......のだとは思いたくないんですけどね。
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コメント
baldhatterさんが仰ることに全面的に賛成。
この通知を受取ったときに感じたのは、TRADOSに「自動翻訳機能」を付けるってのは、ゴテゴテと飾り立てたかつての日本車みたいで、「ギミック」じゃないの。それでまたアップグレード料を取るっつうのかよぉ! という怒りでした^^
大昔、NTTが翻訳支援ソフトを開発するっていうので市場調査に協力したことがあったのですが、どうやら計画はポシャッた様子。どこかでもっと使いやすい、サポートのしっかりした翻訳支援ツール出してくれませんかね。
投稿: Jack | 2008/12/18 13:03:45
> ゴテゴテと飾り立てたかつての日本車みたい
まさにそういう感じ。
今はいくらデファクトスタンダードだからといって、こんなことばっかりやってたら、いつかユーザーにそっぽ向かれると思います。
投稿: baldhatter | 2008/12/19 20:32:27