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2008.12.24

# 気弱なあなただけでなく

11 月の頭に、「頭ん中」でのプレゼント企画のことを紹介しました(# 高尚な交渉を考証または哄笑してみる)。

運よく抽選に当たって、日本実業出版社様から『弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術』をいただきました。

タイトルこそキャッチーですが、書かれていることの半分くらいが実は、コミュニケーションの基本的な心構えなんじゃないかと、私には思えました。

人と人とのコミュニケーションにおいて大きな比重を占めるのが実は心理的な要因である以上、その操作のためにどういったテクニックがあるか、それを踏まえることができれば、交渉に限らずたいていのコミュニケーションは成功するはずだからです。

本来そういうコミュニケーション能力は、社会生活での実体験を通じて身に着けていくべきものだと思うのですが、人によって得手不得手はあるものですし(「気弱」とイコールとは限りませんが)、最近では社会にそのような機能が不足気味っぽくもあるので、この手のハウツー本がなんらかの手掛かりになる、という人は少なくないでしょう。


いわゆる交渉下手な人に直接的に役立ちそうなのは第 4 章でしょう。個人的にも、スケジュールいっぱいのときに翻訳案件が飛び込んできたときなどには使えそうです。

そして、

第 3 章は、日本の政治家のみなさんに読んでもらいたい。

と思うのですが、どうでしょう。

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最後に、著者の谷原さんと編集担当者さんにひとつだけ情報提供です。

序章に、イソップ童話の引用として「腐ったブドウ」と言う表現が出てきますが、あの寓話は「酸っぱいブドウ」として言及するのが普通です。腐っているからこそ酸っぱかったのかもしれませんけど、慣用句として「腐ったブドウ」というのはあまり見かけません。「負け惜しみ」を意味する英語の慣用句も "sour grapes" であって "rotten grapes" ではありませんし。

著者の谷原さんが勘違いなさっていたとしても、編集の段階でどなたかが気づいてもよかったかなぁと。

12:24 午後 書籍・雑誌 |

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