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2007.04.05

# 不適切な現金、不適切かもしれない日本語

もう一つ、朝日のトップ記事から。

プロ野球の西武ライオンズが、アマチュア選手への不適切な金銭供与問題を受けて設置した調査委員会は4日、東京都内で記者会見を開いて中間報告を発表し、

このニュースを聞くたびに、「"不適切な現金" なんてないだろ。"現金の不適切な授受" があるだけだ」とずっと思っていたので、この記事の「不適切な金銭供与」という書き方は納得がいきます。でも、続けて読むとどうしてもひっかかるんですね。

不適切な金銭供与問題

という書き方に。

日本語では、<修飾語> + <複合名詞> と続く場合、「その修飾を受けるのは複合名詞の最後の名詞」というのが普通だと思っています。たとえば、同日 1 面から他の記事を拾ってみると---

・~多数の法令違反があり
・~06年末時点の貸付金残高
・~タミフルの副作用や安全性を再検討する薬事・食品審議会の安全対策調査会を開いた。

いずれも、下線部が修飾語、太字が非修飾語です。「多数の→違反」、「06年末時点の→残高」、「審議会の→調査会」と、どれもちゃんと意味が通じます。

このルールに従うと、冒頭に引用した記事の問題の箇所は、「不適切な→供与」とならず、「不適切な→問題」と読めてしまうわけです。これを書いた記者さん(もしくは OK を出したデスクさん)は、

「不適切な金銭供与」問題

という感じにカッコを付けて読んでほしいとでも考えていたんでしょうか。

不適切な金銭供与問題

と、素直に助詞を 1 つはさめば済むことなんですけどね。

03:15 午後 社会・ニュース |

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コメント

「の」はまさにマジックワードですね。
日本人の英語の「の」は英語にならないという話を読んだのを思い出しました。japanese englishでは意味が全然違うとか。

投稿: 竹花です | 2007/04/06 1:57:33

この「不適切な金銭供与」という表現が
一般的に使われるフレーズになっているという認識に基づいて

「不適切な金銭供与」問題

って書くとか。

投稿: マスナガ | 2007/04/06 22:14:09

> 「の」はまさにマジックワードですね。

あまりにマジックなので、前置詞を正しく処理できない翻訳者が何でかんでも「の」でつないだりしますね。

投稿: baldhatter | 2007/04/06 23:03:10

> 「不適切な金銭供与」問題

それをやり始めたら、きっと紙面が「 」だらけになりそうです。

投稿: baldhatter | 2007/04/06 23:05:42

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